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守る物 − 旧・小説投稿所A

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守る物

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「…おばさん、誰?ウル様は?」

「おばさんじゃなくてお 姉 さ んでしょ?全く失礼な子ね。」

「うぅ…ごめんなさい…。それで、ウル様は?」

「ウルは下のほうで倒れてるわよ。ふふ、私が始末してきたの。」

「…え?じゃあおねえさんは悪い人なの?」

「ふふ、そうよ。リンドに言われてあなた達の到着を遅らせに来たの。…リンドは、遅らせるだけでいいって言ってたけど、こんなに美味しそうな坊やがいるのに邪魔するってだけなのはね…。」

ポタッ  ポタッ

思わず口から唾液が溢れ出る。

「…え?おねえさん?どういうこと?」

前に例を見ない鈍感さだ。この無垢な少年をもうすぐ食べられると思うと興奮する。

「…鈍いのね、坊やって。つまり、坊やを私の栄養にしてあげたいって言ってるの。分かった?」

「…栄養?ん〜ますます分かんないよ。」

鈍いにも程がある。これがあの平和な結界で暮らしてた副作用なのか。平和ぼけしていて、食物連鎖というものを分かっていない。…あのリンドのところにいた娘は多少知ってたみたいだけど。

「もういいわ。直接体で教えてあげる!」

ぺロッ
まずは一舐め。少年特有のなんともいえない美味しさだ。

「やめてよ…。きたないなぁ…」
ライムは不機嫌そうな様子で頬についた唾液をはらう。

{この子どこまでにぶいのよ…。そろそろ気づかせてあげてもいいわよね…。恐怖に歪んだ坊やの顔も見てみたいし♪}

「あなたって本当に美味しい。今まで食べてきたなかで一番の餌よ。」

「おい…しい?え…さ?…おねえさん、もしかして…ぼくを…」

「やっと気づいたか。この鈍感坊や。」

「…い…いやだ…、やめて…。ん?か…らだがうご…かな…い」

「ふふ♪坊やに電気を送りこんであげたのよ。顔は動かせるからね。もっと坊やの表情見たいな…」

{とりあえず服を脱がせるか…。味見の邪魔だし…}

ベロッ…クチュクチュ…ピチャ…
「//やめ…、くすぐったい…//あ//そんなとこまで…//」

舌が右往左往し服を剥ぎ取っていく。そのたびに体に触れライムの味が伝わってくる。
2分くらいたっただろうか。もうライムの服はすべて剥ぎ取られている。

「……うぅ、体中ベタベタだよぅ…」

「ハァハァ…坊やはとっても美味しいわね…。まだまだおねえさんは舐め足りないけど…あんまり遅いと厄介な奴がきちゃうから…」

「…もう、終わりにしてくれるの!?」
ライムは笑顔を浮かべた。

「ふふ♪そんな可愛い顔してもだ〜め♪わたしは坊やを食べるまで帰りません♪」

「…そんなぁ。いやだよ。もっと生きたいもん!」

「あなたが生きてて、何になるの?親戚もあなたを可愛がってくれた人もリンドの腹の中で溶けたわ。」

「…それは…。…くっ。」

これでライムの希望が消えた…と思っていた。

「ウル様がいるもん!守ってくれる人が!」

「…そう、ウルに希望を抱いてるの…。ふふっ♪まぁいいわ。私お腹ペコペコなの♪いただきます♪」

アムッ!
ライムの上半身をくわえこんだ。

ベロォ…ハムハム…クチュ…

「んあ!耳なんて舐めないでよぉ!」

「はっへ、おいひいんはほん♪(だって、
おいしいんだもん♪)」

「…うれしくないよ…。ふぇ!?」

ガブッ!
軽い甘噛みをした。…だが坊やには強すぎたようだ。ほんのり鉄のような味がする。

「うぅ…いたいよ…。いたいよ…。」

一旦ライムから口を離す。気がつくと、唾液の海が出来ていた。おおきくライムが倒れこむ。
「うぇっぷ!げほっ!…くさいよぉ…」


「ふふ♪そろそろおわかれよ♪遺言はある?」

「……いやだ!たべないで!」

{……そろそろ痺れが取れる頃かな♪}

「あれ?体が動く…。………え、」

わざと私はめいいっぱい坊やの前で口を開けた。

「うわぁ!!…や…やめて…」

ライムが震え出した。

「これよ。この表情を待っていたのよ!今の坊や…今までで一番美味しそう♪」

私は思いっきりライムを尻尾で真上に投げた。

「…………うわぁぁぁぁぁぁ!!」

私は哀れな獲物が落ちてくるのを今か今かと待ちわびる。

……そして、
ヒュルルルルル

「いただきまーーーーーす♪」

バクッ!
タイミングバッチリに口を閉じた。

「出して…出してよ…。」
口の中にいる獲物は開くことのない牙の檻を叩く。

「坊や…楽しかったわ♪私の胃でゆっくり休んでね♪…溶けるまでは。」

ゴクンッ!!

私からは見えないがきっと私ののどにはくっきりとライムの膨らみがでているだろう。
ゆっくりとゆっくりとライムが下っていく。そして…

ボトッ

胃に入った。


「ふふ♪坊やはのど越しも最高だったわ♪あとはゆっくりと溶けなさい♪」


****


<2012/10/12 17:47 ピヨ助>消しゴム
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