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守る物 − 旧・小説投稿所A

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守る物

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※出血、暴力、嘔吐表現注意

「時間がないの!早くして!」
「そう言って、おまえ僕を喰いたいだけだろ!」
「…それもあるけど、とにかく早く!ここで私たちが死んだらライム君が死んじゃうわよ?痛くはしないから、大人しく食べられなさい!」

そう言うとティアは唾液の滴る大口を開け…

バクッ!!

僕の頭まですっぽりとティアの口の中に収まってしまった。中では大蛇のような舌がクチュクチュと音を立てて蠢いている。

「神様ってこんなに美味しいのね…♪ライム君には負けるけど♪」
「…呑むなら早く呑んでよ…」
「あら?そう?じゃあお望み通り…」

ゴクンッ!!

「…げっふー!」
ティアは女性らしからぬ大きなゲップをした。

「すごいわ…この感じ、体の底から魔力が
溢れてくる…」

「グルルルアア!!」
「あら?麻痺がとれたのね。あなた達はおとなしく土に還りなさい。」

すると、空が急に暗くなり…

ゴロ……ゴロ…
「堕ちろ。」
ドシャァァァァン!!

見事に2つの雷が竜に衝突した。
「………グ…グルルルア…ァ…」

一瞬で竜は消し炭になってしまった。

「なかなかやるじゃねぇか。お前、ウルを喰いやがったな?」

上空を見ると黒みがかった深緑色の鱗を持つ竜、そうリンドが飛んでいた。

「リンド!もうあなたの言いなりにはならないわ!今私はあなたと同等の魔力を持っているの!」
「同等ね…。じゃあ試して見るか?」

ひゅん!
一瞬にしてリンドの姿が消えた。
「え!?」
もうリンドはティアの懐にいた。
そして…

ドスッ!!!

リンドの右ストレートがティアのお腹にクリーンヒットした。
「ゲホッ……」
ティアは思わず嘔吐しそうになるがそれを我慢した。

「ほう…。吐かないか…」

ドスッ!ドスッ!ドスッ!ドスッ!

リンドは何度も何度も殴り続けた。ただ、ティアから出てくるのは血の混ざった唾液のみ。
「いい加減出せよ!」
「ふっ…あなたにやるくらいなら…。」

ポコッ…ポコポコッ……
「…!…まさか!やめろティア!」
「私の消化力が強いのはしっているわよね?私、昔っから大食いでこんな小さな男の子、本気を出せば溶かすのに5分とかからないわ。…交換条件よ。お腹の子たちを吐きだしなさい。」

主導権がティアへと移り変わった。
「ぐっ…!仕方あるまい…。」
リンドは自分で自分のお腹を押し始めた。
食べたものを人前で吐き出す行為はリンドのプライドをずたずたにした。
そのイライラもあってか。なかなかものを吐き出せずにいた。
「♪手伝ってあげる。」
ドンッ!
お返しと言わんばかりにお腹に思いっきりパンチをした。

ゴポォ!!ドシャッ!

中から出てきたのは、尻尾もほとんど溶け、耳が半分無くなり、ところどころから出血をしている痛々しいライムの姿だった。だが幸いにもまだ生きているようだ。

そして、ティアがとあることに気づいた。
「あれ?あの兎のお嬢さんは?」

リンドの腹を見てももう膨らみはない。
「まさか…あなた…」
「くくくっ。つい我慢出来なくてな。」
「…まぁいいわ。じゃあ約束通り♪」
ティアのお腹の膨らみが上へと逆流し始める。
「はははは!これで!やっと強大な魔力が俺の手に!」
ゴポォッ……!ドシャ…

粘液まみれのウルが力なく地面に転がる。
「では。いただきます。」
リンドが口を開け喰いかかろうとした。次の瞬間!
「今だティア!」
「OK!」
バリッ!!
リンドは動かなくなってしまった。例の電撃だ。
そして、リンドの前に立っているのは…
狼、いや大神となったウルの姿だった。
実はティアが胃袋で分泌したのは単なる消化液ではない。魔力のみを溶かす消化液だったのだ。そのおかげでリンドにかけられた魔法が溶け、本来の力を取り戻したのだ。
「さて、お前アルトをどうしたって?」
「くくっ!消化してやったよ!あの小娘、最期まで抵抗しやがって、本気で助かるなんて考えていやがったからな!」
「最期までお前はそうやって憎まれ口を叩くんだな。」
「ふっ!」
「決めた。お前を封印するよ。……僕の体内に。」



<2012/11/23 11:42 ピヨ助>消しゴム
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