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薬物乱用 − 旧・小説投稿所A

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薬物乱用

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〜廊下


カイ「はに?はなひって。」

もぐもぐと口に食べ物を突っ込みながら話す。

ニコラス「いいから…飲み込んでから話せ。」

カイ「あーい…もぐもぐ…」

ゴクリ…。


カイ「はい、いいよ♪」

ニコラス「…覚えているだろうな。昨日の夜に変な薬飲んだこと…」

カイオーガの笑い顔が、一瞬にしてものおじする。何か言いたげだったが、口はパクパクと空回りするだけだった。

ニコラスは話を続ける。

ニコラス「私は気が変になったんだが……お前は何か、変わりないのか?」

カイ「ん……怒ら…ない?」

怖さに目を震わせ、呂列の回らない口で述べた。ニコラスはできるだけ怖がらせないよう、優しく頷いた。

カイオーガはニコラスにそっと近づき、耳元で小さく囁いた。









ニコラス「…ガブラスを食べた?」

カイ「ひ……ごめんなしゃい…」

ニコラス「な…何故…?」

カイ「部屋に戻ったら……胸が苦しくて…」

ニコラスも理解できた。自分も全く同じ体験をしたからだ。

カイ「何か……何かしたくなって…マスターの部屋いって……ひぐ……ドア少し開けたらあの竜がいて…」

あの竜=ガブラスだろう。自分の倍は薬飲んでしまったんだ…気は狂っていたはず。


カイ「後ろ向いてたから………簡単に捕まえれたんだ…だから………」


「食べた」。口はそう動いているように見えた。ニコラスは怒っているとは思わせないよう、静かに問う。


ニコラス「しょ…消化…したのか?」

カイオーガは目から雫を落としながら、軽く首を縦に振った。


ニコラス「ま…まあ……あいつは側近でもないし……来る途中で拾っただけだ…心配しないでいい。」

カイ「っ……ごめんなさい…!!」

深くカイオーガは頭を下げる。今日は唾液ではなく、涙で床に水たまりができていた。



ニコラス「涙拭け……すまない、パーティーの途中で…」

カイ「ううん……」


2人は重苦しそうに、冷たい廊下をあとにした。去った後の床にキラキラとした涙が、太陽光を受けて輝いていた。


薬物乱用、ダメ。ゼッタイ。


<2011/05/15 15:21 ロンギヌス>消しゴム
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