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狼と狐のち日常 − 旧・小説投稿所A

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狼と狐のち日常
− 「久々に暴れてやるか……」 −
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注意注意注意注意注意注意注意注意注意注意注意注意

かなり過激なグロテスクな表現があります!
苦手な方はご注意を!

注意注意注意注意注意注意注意注意注意注意注意注意














「はっ、そんな格好で随分とヘタレなんだな!」

オレの足下でパキッと矮小な音が立った。
踏み潰した人間の頭蓋骨が砕けたようだった。
本当に脆弱すぎて反吐が出る。

「ほら、どうしたぁ? 俺を殺すんじゃねぇのか!?」

オレらを殺すとか意気込んでいた奴らがどうだ?
手始めに2、3人殺したぐらいで怯んで、怯えきってやがる。
腰に携えた刃は飾りか?
誰一人抜刀すらしちゃいねぇ。

「けっ、詰まらねぇな」

足先の兵士に爪を振るう。
金属で作られた筈の鎧はいとも簡単に真っ二つになり
鎧に守られるべきの人間の腹部に裂傷が奔る。
そこから大量に出血し、すーぐに死にやがる。
暴れてやろうとしたオレが恥ずかしい程だ。

「戦意のある奴はいねぇのかぁ!?」

その場で右前肢を支点に体を回転させる。
膨大なオレの質量で周囲一体を吹き飛ばす。
塵を吹き飛ばす風の様に人間達を吹き飛ばしていく。
吹き飛んだ奴は死んだな。
手応えはある。背骨や頸椎を砕いた感触はあったからな。

「本ッッッ当に詰まらねぇよ、まだ東雲を苦しめたほうが面白いわ」

と、不意に脚を止めた。
目前には完全に戦意を失い、カタカタと震えオレを見上げる。
その兵士は女だった。

「ほう……メスか、女のくせにな」
「ひぃぃ……こ、殺さないで!」

オレの担当は随分と殺風景だ。
一気に殺り過ぎたな。
女ギツネらへんとこにはまだまだ人間が残ってやがる。
よく見てみれば、一人一人喰っているようだが。
残す兵士はこいつを含めて、4、5人か……
すこし楽しませてもらおうか。

ズシッ……

「ひぃ!?」

オレは女兵士を乱暴に押し倒し、その右腕を踏みつけた。
そうして、一気に体重を乗せる。

バキン!

「ぎゃぁぁぁぁっっぁぁああぁぁぁっっ!」
「ハハハハッ! 良い声で哭くじゃねぇか!」

女兵士の腕の骨はいとも簡単に折れ砕けた。
全身を駆け巡る痛覚に完全に支配され
奔る激痛に体を弓なりにし、顎が外れそうなほどに開かれた口から悲鳴が漏れ出た。
苦痛に歪む表情。腹底から絞り出される痛々しい悲鳴。
そのどれもがオレの心を満たしていく。

「もっと哭け! それがお前の利用価値だ!」

心からの悦びを前肢に乗せ、今度は左腕に勢いよく振り下ろす。
バキンと同じ様に粉砕音を奏で、可笑しな方向に曲がった腕が地面にめり込んだ。

「ああっぁぁっっぁぁぁぁああっっっ!」
「フハハハハハッ! 最高だ!」

オレは悦びを堪えきれずに、高々に笑ってみせた。
先程までの鬱陶しさが嘘のようだ。
楽しくて……楽しくて仕方が無い!

ハグッ……グジャァっ!

途切れぬ断末魔を上げる女兵士を頭から咥え込み
思い切り顎を閉じた。
オレの鋭牙が容赦なく肉も骨もなにもかもを喰い千切り
頭部を食い潰した。
一瞬にして、断末魔は途切れた。
僅かな短息を零し、オレはそれを喉に放り込んだ。

ゴクリ……

「げふっ……味は不味いな……」

表情を顰め、骨の破片を地面に吐き出す。

「人間ってのは、本当に脆いもんだな」





「ソルっ、大丈夫?」
「大丈夫だ、お前に心配される筋合いは無い」

怪我の影響はそんなに無いようだ。
包帯こそ紅く滲んでいるものの、東雲自体は比較的元気なようだ。

「……ありがとう、ソル」

これまた丁寧に東雲はオレに頭を下げてきやがった。
それに対し、オレはー


「けっ、礼を言われる筋合いは無い。お前に死なれたら寝付きが悪くなるだけだ」



<2012/05/02 22:06 セイル>消しゴム
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