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狼と狐のち日常 − 旧・小説投稿所A
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狼と狐のち日常
− 「黙っておれば!」 −
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菫が仲介に入りおったから、儂は何もせずにおったが
流石に向こうから仕掛けられては黙ってはおれぬ。

「儂の主に危害を加えおって……主らどうしてやろうか」

ただ一人一人殺していくのも詰まらぬ。
苦痛と絶望を味わわせねば、儂の心が満たされぬ。
……思いついた。
にやり、と口角を目一杯に吊り上げてやるだけで、兵士達は戦いた。

「主ら全員……一人残さず喰ろうてやるわ!」

と、咆哮を張り上げる様に伝達してやる。
すぐさま、儂の自慢の尾達で九人の獲物を拘束しつつ
口でも貪りにいく。
小隊であった事が最悪を招いた。
人間自身が人間の退避路を塞ぎ、逃走を妨げてしまう。
そんな状態の為に儂の口は容易に兵士達を捕らえ
足下から掬い上げる様に丸呑みにしてやる。
一瞬で空になった口腔に尾で捕まえた九人を先端ごと咥え込み
尾だけを引き抜き、口腔内に収める。

ぐちゅ……にちゃにちゃ……

東雲の様に労る必要もない。
強引かつ、圧迫する様に舌に絡め唾液を塗り込んでいく。

「んんっ、ああっ!」

生々しい空間に閉じ込められ、生暖かい唾液を塗り込められる。
生涯に決して体験できないであろう強者の口内での陵辱。
恐怖から快楽へ。
’恐い’ ’死ぬ’から’気持ちいい’ ’心地よい’。
理性で押し殺した筈の本能が剥き出しになり
それに従順な人間どもは舐め回してやればこの通り。
こんな戦場の中でも、阿呆のように鳴き喚き始める。
……それが美味しいのじゃがな。

……ゴクン♪

餌はまだまだある。今度は牙で喘がせてやろうかえ。

シュルル……

儂の尾が次なる獲物、九人を捕獲する。
捕食中に逃げれば良いものを。
儂の捕食に見とれて逃げる事を忘れておる……ククッ、阿呆どもめ。
儂に喰われて後悔するが良い……

バクッ! グニグニ……アグッ……ムグムグ……

今度は歯ごたえを楽しもうかえ。
九人をそれぞれ牙に落とし込み、顎を動かす。
上下の鋭牙達に挟み込まれ、牙が食い込む鈍い音が零れ
儂に肉を感じさせてくれる。
そのまま、執拗に何度も甘噛みしてやる。
暫くして人間達の本能が現れ、こやつらもまた喘ぎ始めた。
そろそろ人間の喘ぎ声に飽いた。
味、肉、声……全てが東雲に及ばぬ。
やはり、儂の舌には東雲しか合わぬな。

ゴクッ……ゴクン♪

今度は一人一人呑み込んでやった。
一定の間隔を空け、喉を人間が滑り落ちて
儂の喉を潤してくれる。
しかし……どこか物足りなかった。
まぁ良い……そこは数で補うとしよう。
幸い、誰も逃げようとはせぬし……


「儂の胃袋は200人入るぞ♪ 喰われた奴は手を挙げるが良いて!」





<2012/05/02 22:04 セイル>消しゴム
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