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魔女達の晩餐 − 旧・小説投稿所A

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魔女達の晩餐

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「姐さんの所にソーマ、来ていないか?」
「ソーマ……か」

玄関で対応するものの、ばつが悪そうな表情を浮べてしまうトレゾア。
当然の事ながら、フローラはそれを目敏く捉え、言葉を吐き出した。

「姐さん、何か知っているのか?」
「まぁ、一応な。立ち話もなんだから入ってくれ」

言葉通りに案内され、フローラはトレゾア宅に招待される。
部屋の中央にテーブルに椅子。色とりどりに詰められた本棚
奥には炭と化した木材の残る暖炉、2階へ続く階段。
魔女のイメージとは異なる、生活感溢れるシンプルな部屋だった。
しかし、どこか殺風景だった。

「今日は、あいつの誕生日なんだ。久しく料理したと言うのに、帰ってこない」
「誕生日? ソーマか?」

言葉は言わず、コクリと頷いた。
それに対し、トレゾアはより表情を崩す事になる。
誕生日だと言うのに、当の本人はこの家の地下に監禁されている。
この事実をフローラに伝えたら、明瞭に怒るのは当然か。

「隠し部屋でもあるのか? 一カ所だけ魔素が淀んでるぞ?」
「!?」

トレゾアは完全に虚を突かれた。
取り繕う暇もなく、さらに表情が崩れてしまう。
それで、フローラは悟ってしまう。

「姐さんの所に居るんだな?」
「……あぁ。地下室に監禁している」

フローラは怒……らなかった。
小さな溜息を零し、口元を緩ませた。

「姐さんが誘拐してたのか……まぁ、いい。案内してくれるか?」
「……怒らないのか?」
「姐さんに捕まるあいつが悪い。お仕置きで喰ってやろうか」
「ふふ、なら一緒に喰おうじゃないか♪」

不気味な笑みを零し、声の調子が僅かに上がる。
そのまま、トレゾアはフローラを引き連れ
部屋奥に連れ込み、フローリングに目を遣る。
直線が織り成す、定められた模様。
そこで異彩を放つ冷たい鉄の取っ手。
トレゾアが魔法でその取っ手を引き、隠し戸が展開される。
僅かな光量で照らされた地下への階段は、どこか近寄りがたい雰囲気を醸していた。

「……姐さん?」
「ついてこい。ショーウィンドウでメニューを決めてくれ♪」




<2012/04/06 20:01 どんぐり×セイル>消しゴム
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