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魔女達の晩餐 − 旧・小説投稿所A

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魔女達の晩餐

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「ニャアァ!!離すニャ!!!」

薄暗い地下室にまた新たな獲物の声が響き渡る

声の主は茶色の毛皮に覆われたアイルーと呼ばれる猫獣人、ラッシュだった

トレゾアの腕からの脱出を図り、小さな体で抵抗していた

しかしラッシュは所詮小さな猫

魔力を駆使する魔女の前では歯が立たなかった

他の子供と同様に手足を縛られ、目隠しをされると地獄に続く牢獄へと投げ込まれた

小さな悲鳴を上げながら奥へと転がっていく

その声が他の子供に更なる不安を与えた

「少し攫い過ぎたか?」

地下室の大半を攫われた子供達が占めていた

その数に流石のトレゾアも苦笑を零した

多過ぎても何人か朝食や昼食に回されるので問題ないらしいが…

「まあ良い。さて、誰から…ん?」

端から端まで見渡し、舌なめずりをする

誰から食うか、どうやって食うか…妖しく笑いながら恐ろしい考え事をしていた

だが、その考え事が遮られた。突然の訪問者によって

彼女は天井を見上げ、溜息をついた

「さっさと終わらせるか…」

そう呟くと魔女の証である漆黒のローブを翻し、地下室を後にした

重い扉が閉まる音が響き渡る地下室

何人かの子供は安堵の息を漏らした

しかし死ぬのが遅くなっただけで魔女に食べられるのには変わりない

その恐怖のあまり泣き出す子供もいた

「このまま食べられちゃうなんて嫌ニャ…」

泣き声の中に混じり、ラッシュが呟く

今頃は大好きなリオレイアと遊んでいたはず

それが人喰い魔女の手によって阻まれた事を嘆いていた

「そこに誰かいるの…?」

「ニャ?」

ふと前方から声がした

目隠しをされる為に姿は見えないが、耳を動かし声の主を探そうとした

声の主は真っ白な体毛をもつ兎獣人、砂羽白怜だった

彼女はソルという名の狼に飼われ、胃袋に監禁されるという生活を送っていた

そのソルから吐き出され、散歩をしていた時に捕まったらしい

相手の存在を確かめるその声は震えていた

「僕はラッシュと言いますニャ」

姿を見なくとも恐怖に怯えてることは確か

ラッシュは落ち着いた口調で自己紹介をした

「ボクは砂羽白怜…」

「よろしくニャ♪」

互いの自己紹介が終わり、気を紛らす為に雑談をした

最近あった出来事、普段は何をしているか…話すことは色々

そう話している内にお互いには大切な人が待つ、帰るべき場所があることに気づいた

再び白怜が怯えだす

ラッシュも焦燥にかられていた

「このままじゃ皆食べられて帰れなくなるなニャ…」

「何か…助かる方法はないの?」

「一か八かだけど…」

ラッシュには何か脱出する為の策があるらしい

成功する確率は少ないと予想されるが、悩んでいる暇はないので白怜に話す

そして二人は脱出計画を目論み始めた


その頃トレゾアは…

「こんな時間に誰だ…知らない人間だったら食ってやる」

そう独り言を呟きながら階段を上がり、扉を開けた

夜風が涼しい暗闇に包まれた外

そこに立っていたのは…

「姐さん」

「ふ、フローラ…」

トレゾアは息を呑んだ

目の前にいるのはソーマの親とも言える人物、フローラだった



…グダったorz
読んで下さり、ありがとうございます♪
<2012/04/05 19:48 どんぐり×セイル>
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