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雪の足音。 − 旧・小説投稿所A
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雪の足音。

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「クク……悪いがオレも生き物なんでな、食い物が必要なんだ。お前らの人生はもう俺のものだ」

グラエナは二匹が入り、程よく膨らんだお腹に満足そうに話しかける。
くぐもった声が胃袋からうっすらと聞こえてくるがグラエナの感度の良い耳でも内容を聞き取ることはできない。

中の様子というと……

「お姉ちゃん!」

「ロコンまで……食べられてしまったのね」

二人を飲み込んだというのにまだ余裕はある巨大な空間。妖しく泡が弾ける音や生々しい肉壁が疼いている音……全てが初めて感じるものであったが不快だというのは直ぐに感じられた。
そんな場所での再会。それは決して感動的になるわけもなく、既に瀕死状態のキュウコンにロコンが駆けつけるといったものだ。

『クク……悪いがオレも生き物なんでな、食い物が必要なんだ。お前らの人生はもう俺のものだ』

ロコン達へと反響しながら胃袋へと響き渡るグラエナの声。抵抗、命乞い、諦め。どの選択を取ろうが自分達の命はグラエナに預けられたも同然だ。
グラエナの言葉は幼いロコン達姉妹の今後を表すにはぴったりの言葉だっただろう。

『オレの一部になる前に……お前達には毛一本に至るまで楽しませてもらうからな、覚悟しろよ?』

どこからかグラエナの意地悪が隠った声が降りかかってくる。
絶望に浸っている時間もない。ロコンは慌ててキュウコンにしがみつこうとするが既に遅し。
グラエナの流動が始まったのだ。

ロコンの一瞬で吐き出せた火の粉で確認できたのはキュウコンとの差がだんだんと広がり、自分達が肉の波に呑み込まれていく様子だった……!

「くぉんっ!?」

「あぁっ!お姉ちゃん!」

ロコンは必死に声を頼りにキュウコンを探すが、胃袋では声が反響して悲鳴のようなキュウコンの声の元を判別できない。
ロコンも必死に肉壁に抗おうとするが、身体を締め付けられ、押し潰され……次第にぴくりとも動けなくなった。
キュウコンの悲鳴も聞こえなくなり、ただただ胃袋の中は体液と胃壁が擦れるだけに……。

「あーあ、弱らせちまったからやっぱり長持ちはしないよな。それにもうすぐ消化も始まっちまうな」

満足そうに舌なめずりをするグラエナ……しかし、その表情は晴れてはいなかった。


そろそろ起承転結の転パートが終わりです♪

読みやすさ、イメージのしやすさに重点を置こうとしましたがいかがだったでしょうか?
<2012/09/24 01:54 蒼空>
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