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ここは…

あなたは起き上がる、ベッド以外何もない空間、広く、広大で、遠くは真っ暗闇で何も見えない。

遠くで何かがゆらゆらと動いている、《それ》は、こちらに近付いてきているみたいだった…

このままでは危険だ!!

あなたはベッドから降りて、《それ》から逃げ始める、《それ》は思ったよりも早く、着実にあなたへと距離を詰めていった…

あなたは走る、何も無い空間をひたすら走る、いくら走り続けても、そこは、空間。

出口が無いのだ。

でも、後ろからは《それ》が迫って来る、見なくても分かる、ひたすら、ひたすら走り続けるしかない。

どのくらい走り続けただろうか、あなたは足がもつれて、転んでしまう、咄嗟に背後を振り向き…居ない…？

さっきまでの《それ》は居なくなっていた、安堵し、また前を向…

グバアッ!!

目の前に居たのは、巨大な黒い竜、その竜が、今目の前でその大口を開いていた、その口の奥も、真っ暗闇…

牙は唾液に濡れて鈍く光り、舌は分厚く、しっとりとしていて、口は臭い、血の臭いと、今までに喰われていった獲物の叫びが混ざり合ったかのような臭いだ…

そして、あなたは目をきつく瞑る、同時に浮遊感…


はっ…!?

あなたは目を覚ます、ここは自分の部屋だ…

良かった…

あなたはホッと胸を撫で下ろす、背後に気配と、あの臭い…

…嫌だ…死にたくない…助…

グシャッ…ブシュッ、ブチッ…バリッ…バキッ……ゴクッ…

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