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キャプテントマート − 旧・小説投稿所A

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キャプテントマート
− 擬人化 −
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「ぴ…PK戦…!?そりゃまたなんで…」

弟のトスメが僕にむかって言ってきた。

「いや…数週間後に学校で≪つながりプロジェクト≫っていうPK戦をやるんだ。昨日の給食の時に、先生に呼ばれてほぼ強制的に参加させられたんだよ。(100%実話)」

「で?それが俺達になんの関係があるんだ?」

兄のトメートが、腰に手をあてながら聞いてきた。

「つまり、君たちやルギア達に協力してもらって僕のキーパー力を鍛えてもらおうってわけです」

『ルギア達』という単語が出てきた瞬間、トメート達の顔色が変わったが、僕の必死の交渉によりなんとか二人の許可がおりた。というよりおろさせた。




「…え?ぴーけー戦?ボール蹴ってネットに入れるやつ?」

「なぜ私たちにそんな話を持ちかけるのだ……?」

自分の目の前にいる二体の伝説ポケモン。
それはカイオーガとルギアだった。

「え〜…貴方達の暇つぶしになればなと思ったからです」

嘘だ。本当は一緒に遊びたいからだ。

「ほんとは僕たちと一緒に遊びたいんでしょ?表情でばればれだよ〜?」


…………………くそっ。

「しかし…一緒に遊んでやるのはいいが、この姿だと格闘技はともかくサッカーとなるとな…」

「ご心配なく。そう言われると思ってとっておきのを用意してあるんだなぁ〜これがw」

ぼくはそう言うと、二枚のチップのようなものをズボンのポケットから取りだした。


「…なぁに、これ…?」

カイオーガが顔を近づけてきた。
や、やめろ。そんな近づくんじゃない。萌えるだろうが…

「なんとだな、これをつけると……って言葉で説明するより実際に使ったほうがはやいな。ほれ、このチップを貼り付けてみなさい」

そう言うと、僕はカイオーガとルギアにチップを一枚ずつ渡した。
一体はすぐさま白いお腹に貼り付けて、
もう一体は注意深くチップを眺めてから体に貼り付けた。

すると、白い光が辺り一面を包み込んだ。


…光が消えると、そこにはポケモンの姿は無く二人の人間の姿が現れた。

「うわぁ、なにこれ……スゴーイ!!」

「こ…これは一体…何だ……」

一人は驚いた様子で自分の体を見つめて、
もう一人は言葉を失い、口をポカーンとあけていた。


「なんとだな…ポケモンや動物がこのチップを貼り付けると人間っぽくなれる、名付けて【擬人化チップ】なのでーす。はっはっはー」

分かりやすく言ってみた。さて、これからどうやって二人のやる気をあげるか……


「……いつまで続くんだ」

………え?

「いつまでこの擬人化状態が続くか…と聞いているんだ。まさか一生元に戻れないとか言うなよ?」

これは意外な出来事だった。あのルギアが興味を持ち始めたのだ。
ここはひとまず…

「そうです。貴方がた二人はまんまと僕の罠にはまってしまったのです。ずーっとずーーっとその姿ですよ。お粗末さま」

嘘を言ってみた。するとルギアの眼が異様な輝きを放った。

「…もう一度聞くが…この姿はいつまで続くんだ?」

「か、簡単な事でございます。自分の意思で元に戻ることが可能です」

なんと自分の口が勝手に質問に答えていたのだ。しかもなぜだか敬語で。
いつからこんな技を使えるようになったんだ…?

「そうか。…ならいい」

ルギアがそう言い終えた瞬間、何かに解放されたような気がした。


「ところで…トマートが僕たちに勝負話するときは何かしら捕食に関連するよね〜♪」

グサリ と突き刺さった「捕食」という文字に思わず吹き出してしまった。そして呼吸を整えるとこう答えた。

「べ、別に食べられたいだなんて思っていないんだからね!」と。

「…えっと…こーゆー言い方ってなんて言うんだっけ…?」

「……ツンデレの事か?」

「そうそう、そのツンツンデレデレ!別に素直に頼めばいつでも食べてあげるのになぁ〜…?」

じゅるり……と舌舐めずりをするカイオーガ。
死ぬほど嬉しかったのだが、表情には変えなかった。

中二病の僕にも プライド というものはあるのだ。
こう見えて意外とプライドは高いのだ。     …多分。


…と、なんだかんだでPK戦は明日のお昼に行われる事になったのであった……


擬人化のカイオーガにルギアだとぉ…?

            …ブへっ(吐血
<2011/12/30 20:20 トマート>
消しゴム
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