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白夜の妖狐 - 旧・小説投稿所A
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白夜の妖狐
- 戯れ -
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「主よ」

漆黒の瞳を見つめ、微笑みかける。

そして、瞬いた瞬間にー

「ん"っ!?」

柔らかい桃の果実の様な唇を奪う。

鈍い声を零し、シフが硬直する。

そのまま舌を伸ばし、舌を絡めてやろうとして

シフが唇を逃がした。

銀線が下弦の月に照らされ、より現実を際立たせる。

儂と、キスをー 接吻を交わしたと。

「え……あ……ちょ、ちょっと……」

「なんじゃぁ……雌との戯れは初めてじゃったかえ?」

前足を口元に添え、妖艶に微笑んでやった。

月光と紅の瞳のせいで魔性の妖狐にでも見えるのかえ?

シフの表情は何かに奪われ呆然としていた。

「何するんですか!?僕は聞いてー」

今度は乱暴かつ妖しく唇を奪った。

両前足を後頭部に回し、抱きかかえる様にキスを交わす。

そして、舌を滑り込ませる。

恥じらう必要も無いじゃろうに……

シフが未だに手放せない恥じらいを浮かべ、今度は遠慮しがちに舌を絡めようとして
いた。

儂は強引に舌を絡めとると、口吻を深く滑り込ませる。

そのままの状態で優しく抱きしめてやる。

「ん~ぅ……」

粘性のある水音が口腔に響き合う。

互いの唾液が混ざりおっておる……

シフが恥じらいのあまり死にそうな表情を浮べるものじゃから解放してやった。

「っぁ……はぁ、はぁ……」

「ふふふ……初じゃの」

唾液の滴る舌を口腔にしまい、シフを味わい、呑み込む。

次にこの喉を通るのは体じゃな……

じゅるりと舌舐めずりし、口元を濡らす。




<2011/12/18 18:12 セイル>消しゴム
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