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食べ物の無い冬になると、野生ポケモンは餌探しが大変なの。
私はどちらかというと怠慢な方だから、きたるべき冬のための準備を怠っていたせいで今大忙し！
目の前に映る、辺り一面の真っ白じゅうたんや葉っぱの落ちきった針葉樹が生み出す風景は幻想的だけど、とても過酷な環境なんだ。

すぼ、ずぼ、積りに積り全身が隠れてしまうほどの雪原を掻き分け進む。朝日が白に反射して眩しい。
この先に食料があるかどうかなんて分からないけど、私の直感を頼りに進んで行けば生きていく分には十分の食料が得られる。
毎年そうやって過ごしてきたから。
秋に冬場の食料を確保すればいいって？しっかり管理してないと痛んでだめになっちゃうからいやなの！

それにしてもお腹すいた……。
歩き始めて小一時間ほど歩くけどあるのは枯れ木ばかりで食べられそうな物は無いし。
いつもよりしっとりとした雪が予想以上に重くて余計に疲れる。さむいし。
高い所からであれば、手から足にかけて付いてるひらひらで空を飛べる。といっても黒を基調とした私が真っ白な景色を飛行すればすごく目立つ。
冬場、お腹を空かせて辺りをうろつく獰猛なポケモンに見つかったらと思うと……ね、飛ぶのは最後の手段！



あった！きのみ！一個だけだけど、まんまるで立派に育ってる。
私くらいの大きさだとあれくらいのきのみひとつでお腹いっぱい。
でも結構高い所に生ってるなあ……もうへとへとだし、あれを食べたら巣に帰ろうかしら。
寒さで小さな手がかじかむ。ゆっくりと慎重に木を登る。
あと少し……もうちょっと……伸ばす手に力が入る。

あっ落ちた

きのみは雪のクッションで無事だったけど、いらっしゃいませと言わんばかりの横穴に吸い込まれるように転がっていっちゃう！
せっかく見つけた私のきのみ！木から飛び降りきのみにかじり付きたい一心で滑空したまま横穴へと落ちる。

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