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【保】神々の戯れ〜散々な海外旅行〜 − 旧・小説投稿所A

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【保】神々の戯れ〜散々な海外旅行〜

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しかしその至福の時間も終わりを迎えるときがやってきた。
フェンリルが予告なしに水神のことを呑み込んだのだ。
水神は意識もろとも奈落の底へと落ちていった……。

『−−ろ』

呑み込まれてからどれほど時間が経ったのだろうか。
水神の耳に聞き覚えのある声が微かだが届いてきた。
しかし体が言うことを聞いてくれない。

『−きろ』

何て言ってるの?
よく聞こえないよ。
それとも私がおかしくなっちゃったのかな?

「……ジャンボトカゲちゃん」

「グルル、誰がジャンボトカゲだーッ!!」

水神はパチッと目を覚まし、ガバッと起き上がった。

「あっ、起きた」

起きた水神の目に入ってきたのは、月夜兎の姿だった。

「月夜兎!」

水神は月夜兎に勢いよく抱きつく。
一見すると感動の再会という微笑ましい光景。
しかし、だ。

「ちょ、力入りすぎ!折れる!折れる!」

「よくもジャンボトカゲって言ったな!」

「いや、これにはそれなりにワケがあって。あーッ、なんか身体中から軋むような音と鈍い音がハーモニーを奏でてる!これ折れてるって!」

「不死身なんだから全身複雑骨折しても平気でしょ!」

水神の仕返しは容赦がなかった。
それから数分後。

「スミマセン」

ボロボロになった月夜兎は謝罪を口にする。

「分かればよろしい。もしまた言ったら今度は月夜兎を活け作りにするからね」

水神は軽く月夜兎にデコピンする。
月夜兎は笑っていたが、内心では本当にホッとしていた。
実を言うと、月夜兎が水神をジャンボトカゲ呼ばわりしたのにはちゃんとしたワケがあった。


水神自身は気づいていないのだが、実は呑み込まれてから30分以上経っていたのだ。
つまり月夜兎は30分にわたって起こし続けていたわけである。
ところが水神はその間うんともすんとも反応を示さなかった。
月夜兎はあの巨大狼野郎に水神が変な妖術をかけられてしまったのではないかと危惧し始めた。
そこで月夜兎はからかうと人一倍に反応する水神の習性を利用、要するにワザと悪口を言うことを思いついたのだ。
そんな馬鹿げた手段を、と思う方がいるかもしれない。
しかしフェンリルの胃液がジワジワと出てきだしてのだ。
グズグズしていては自分たちは溶かされてしまう。
不死身の自分はいいが、そうでない水神は死んでしまう。
だから追い込まれていた月夜兎はそのような手段に出たのだ。
まあそんな事情なんか知らない水神にフルボッコにされたうえ、フェンリルの胃液は非常に弱かったから結局あまり急ぐ必要はなかったわけだが。

「水神、実を言うとフェンリルの胃液がもう出始めてる。まあお前の胃液と違って非常に弱いから長時間浴びない限りは大丈夫なんだが、あまり好ましくない状況なんだ」

「えーッ!じゃあ早くここから出ないと!」

「それは分かってる。だが方法が分からないんだ」

月夜兎は珍しく苦い顔をする。

「月夜兎の何かを通り抜ける妖術でいけないの?」

「あれは私だけしか適用されないんだ。水神をおいていくわけにはいかないだろうが」

「じゃあここで思いっきり暴れてやるってのはどう?」

「無駄だ。まあやってみれば分かるさ」

水神は目一杯暴れ出した。
ところが

「これどういうこと?」

まもなく水神の動きが止まった。

「どうやらコイツの胃壁はどんな衝撃を加えようが弾き返すぐらい弾力性があり、かつ頑丈みたいなんだ。まああんなにデカい体してるんだから当たり前だわな」



<2011/12/05 23:12 とんこつ>消しゴム
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