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【保】特生3課〜東京危機〜 − 旧・小説投稿所A

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【保】特生3課〜東京危機〜

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まず二人を舌で包み込み、唾液を馴染ませる。
うん、ケチャップが良い感じだ。
続いて今度は口の中で転がし始めた。
時折上顎に押しつけたり、牙の裏に押しつけたり、さらには甘噛みする素振りを見せたりして弄ぶ。
いつもならそろそろ吐き出してやっている。
が、今日は違った。
オイラは出動前の佐藤警部補とのやりとりを思い出した。

「コタロウ巡査。今回は今までとは違う。何せ相手は大量破壊を目論むテロリストだ。強硬手段(テロリストの殺害)も大目に見る」

「強硬手段(呑み込む)ですか。分かりました、視野に入れておきます」

ちなみに佐藤警部補が言った強硬手段の意味合いはきちんと理解していた。
しかしここは都合よく誤解させてもらおう。
オイラは斜め上を向く。
テロリストたちが舌を滑り落ちていくのが分かった。しかし二人はなかなかタフで、唾液で滑りやすくなっているはずなのに器用に舌を掴んで食道に滑落するのを防いだ。
もう少しいたぶるか。
オイラは頭を上下に振って舌からテロリストたちを剥ぎ取り、舌の下へと押しやる。
そしてぎゅうぎゅうと舌で圧力をかけた。
ケチャップと人間の旨味がほんのりと滲み出てくる。
一瞬本当に噛み砕いて食べたい衝動に駆られたが、さすがに自分はそこまで悪魔ではない。
オイラは二人を舌の上に出してやり、再び斜め上を向いた。
今度はテロリストたちも抵抗することなく、食道へと滑り落ちていく。
そしてそのままゴクリと呑み込んだ。
オイラの胃袋へお二人様ご案内〜、っとな。


「ふう、満足満足」

テロリストたちが胃に納まったのを確認したオイラはポンポンとお腹をたたく。

『だぁー!こ、コタロウ巡査!』

佐藤警部補が珍しく怒鳴ってきた。

「警部補殿、強硬手段もオッケーなんですよね」

『意味が違う!なあ、吐き出せるか?』

「もちろん。さすがにテロリストを食べるほど食い意地は張ってませんよ」

ただすぐに吐き出す気はさらさらなかった。

『……あのな、ちょっと周りを見てみろ』

「へっ?」

オイラは言われたとおりに辺りを見回す。
……たくさんの警官と自衛官が遠巻きに見ていた。

「いやいや!あとでちゃんと吐き出しますからね!いくら凶悪犯だからといっても食い殺したりしませんよ」

オイラはあわてて周りに釈明する。
しかしオイラが視線を向けた途端、自衛官たちは号令もないのに一糸乱れずに回れ右をしてオイラと目を合わせてくれなかった。
警官たちも盾に隠れてしまっている。
もしかして人間からするとインパクトが強すぎたのだろうか。

『あとな、君は色々と壊してしまっているんだ。まさか運送屋のトラックだけとは思っていないよな』

えっ、ウソ!
オイラは今度は下を見た。
そこにはぺしゃんこになったウチの通信指揮車と交通課ご自慢のスカイラインのパトカー、お堀に視線を移すと逆さにひっくり返っている10式戦車。

『目の前に警視庁があるから、今から謝りに行こう。私も一緒に行くから。あと自衛隊の方もこの場にいるから、今のうちに謝罪しておこうな。虎の子の新型戦車壊しちゃったんだから』

「悪乗りしてすみませんでした」

オイラはその場で頭を下げた。
こうして前代未聞のテロは、あまりにも多くの被害と引き換えに終結を迎えたのだった。


<2011/12/05 22:55 とんこつ>消しゴム
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