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【保】特生3課〜東京危機〜 − 旧・小説投稿所A

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【保】特生3課〜東京危機〜

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■ある自衛官が見たテロの終局


『残るはこの1機だけだ』

レーダーに映る機影を見て私は呟いた。
東京を襲撃してきたヘリは最初は4機いた。
しかしうち2機はパイロットの練度が低かったらしく、あっさり撃墜出来た(何かの間違いだろうが、1機は警察が撃墜したとか)。
ところが残るもう2機に苦戦を強いられ、東京証券取引所、日銀、渋谷駅、国営放送局、都庁など多くの被害を出してしまった。
指揮系列の混乱が被害拡大に拍車をかけたのだ。
だがこの悪夢ももう終わりだ。
先ほど私が駆るこのF−15Jが残る2機のうちの1機を撃墜した。
今ごろ神田川の底にいるだろう。

「レーダーコンタクト。交戦を許可してくれ」

私は空中管制官に交戦の許可を求めた。

『ミサイルは使用は許可できない。さっきみたく機銃を上手く使ってくれ』

「ラジャー」

確かにこんな市街地でミサイルをむやみやたらに発射するわけにはいかない。
私は素直に指示に従い、速度を上げた。

「敵は皇居あたりを飛んでるな」

私は今ちょうど上野動物園上空に到達したところだった。
急げばテロリストが皇居上空にいるうちに追い付けるかもしれない。
天皇陛下たちは既に避難されてるとのことだし、後々のことを考えるとビル街に墜落させるより皇居内で撃墜したほうが被害も少なくて済む。

「見えた……!」

敵のヘリを視認した。
しかしヘリは皇居を抜けつつある。
ここから機銃を撃つか?
しかしちょうど延長線上に警視庁があるのが見え、撃つことを躊躇してしまった。
が、結果的にこれは吉となった。

「えっ……?」

眼下から緑っぽい色をした“何か”が飛び出してきたかと思うと、ヘリを捕らえてそのまま引きずり降ろしていったのだ。

「な、何なんだ一体」

私は思わず日本語でそう言ってしまったが、それどころではなかった。
旋回しつつ下の光景を見る。
そこにはヘリと格闘している怪獣のような生き物が暴れていた。

「あれが噂の特生3課か……」

特撮映画のようなワンシーンが眼下で繰り広げられている。
私は任務中だというのにジーッとそれに見入ってしまっていた。



<2011/12/05 22:54 とんこつ>消しゴム
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