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【保】特生3課〜東京危機〜 − 旧・小説投稿所A

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【保】特生3課〜東京危機〜

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確かにかなり痛かった。
しかし致命傷になるような大ケガを負ったのかというと、それは否。
鱗に傷が付いて、ヒリヒリして、血が少し滲んでいる程度であった。
だがオイラの怒りの導火線に火をつけるのには十分だった。

「よくもやったな。公務執行妨害だぞ」

オイラは音もなく立ち上がり、空港の破壊活動にいそしむヘリの背後に忍び寄る。
かなり近づいたところでヘリがこちらを向いた。
まさかオイラが生きているとは思っていなかったらしく、ヘリは旋回して逃げようとした。
逃がすか。

「往生せいやーッ!」

オイラは躊躇することなくロケット砲の引き金を引いた。
このロケット砲に使われている弾は120ミリ。
それは近頃の戦車の主砲クラスであった。
戦車の主砲と遜色ない強力な一撃がヘリのテールローターを抉りとった。
テールローターを失ったヘリはぐるぐると回転しだし、徐々に高度を落とす。
かの有名な戦争映画のように。
そしてとうとうヘリは地面に墜ちた。
同時に上部のローターも止まる。
オイラはすぐに墜落地点に歩み寄り、ヘリのコックピットを指でコンコンと叩いた。

「表に出ろ」

オイラはジェスチャーを交えながら言った。
テロリストたちはジェスチャーの意味を理解したらしく、おとなしく外に出てきた。
聞き分けはいいじゃないか。

「どう落とし前をつけてもらおうか」

オイラは出てきた二人を舌で舐め上げた。
フフン、口のなかに放り込んで――

「突撃ィー!!」

後ろからバリトンのきいた大きな声が聞こえてきた。
振り向くと機動隊ご自慢の特型警備車がこちらに向かって走ってきていた。

「ご苦労だった、コタロウ巡査。犯人たちは我々に任せてくれ」

警備車からわらわらと出てきた機動隊は手際よくテロリストたちを取り押さえると、さっさと連行していってしまった。
時間にして1分少々。
まさに早業であった。


「仕返し出来なかったか」

去りゆく特型警備車を見つめながら尻尾を地面にバンバンと叩きつける。
特型警備車と入れ代わるようにして佐藤警部補が搭乗している特生3課のワゴン車型の通信指揮車がやってきた。

『怪我はないか?』

「大丈夫です。まあやり場のない怒りは残ってますけどね。これから我々はどうします?」

『テロリストが狙いそうなところに張り込むしかないな。しかし東京は重要施設だらけだからな……』

うーん、とオイラも警部補も考え込む。
皇居、国会議事堂、東京証券取引所、都庁、各国大使館、霞が関、丸の内オフィス街、各種交通機関……。

『絞れないな』

「そうですね。あっ、皇居はどうです?皇居周辺には重要施設が多い気がします」

オイラがそう提案した時だった。

『警戒にあたっている各員に緊急連絡!フジヤマテレビが攻撃を受けた!繰り返す。フジヤマテレビが攻撃を受けた!』

緊迫した警察無線が入ってきた。
フジヤマテレビって、あのお台場にあるテレビ局か。

『悠長にしてる場合じゃないな。皇居に向かうぞ!』

「ハッ!」

オイラは通信指揮車を掴み上げた。

『えっ、えっ?何してるんだ?』

警部補が狼狽えた声で聞いてきた。

「一緒に飛んで移動するんですよ。おそらく交通機関はパニックに陥っていて、陸路では遅くなります。大丈夫です。いつも出動の時はオイラは空を飛んで移動してますし、オイラにとっちゃワゴン車ぐらい軽い荷物みたいなものですから」

『いや、でも心の準備が――』

「じゃあ、行きますよ」

オイラは思い切り地面を蹴り、空へと羽ばたいた。

『……飛んだ』

「あーあ、もっと飛ぶ訓練をしておけばよかった。そしたらヘリ相手に飛んで戦えたのに」

オイラはこのように一応空は飛べる。
だったらさっき空を飛んでヘリと戦えばよかったじゃないか、と言われるかもしれないがそれが出来ない理由があった。



<2011/12/05 22:54 とんこつ>消しゴム
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