Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!

【保】神々の戯れ − 旧・小説投稿所A

RSS | 感想 | TOP
【保】神々の戯れ

|<< < 5 / 8 >>|

口の中へ放り込まれた月夜兎は、舌の上に出来上がっていた唾液の水溜まりへダイブする羽目となった。

「うげぇ……。初っぱなからこれはきつい。と言うか水神ィ!今日は別件でってうわぁー!!」

今日は雨乞いをしてくれと言いに来ただけだと伝えようとしたが、その前に舌が動き始めてしまった。
まるで吊り天井のように上顎が月夜兎へと迫ってくる。
いや、正確に言うと巨大な舌が上顎に向けて押し上げているのだ。
月夜兎はそのまま上顎へと押しつけられ、完全に舌と挟まれてしまう。
そして間髪入れずに猛烈な圧力が加えられ始めた。
水神からすれば旨味を滲みださせるための行為にすぎないのだろうが、被食者側するともはや拷問であった。
どれほどの力が加えられているのかというと、普通の生き物がやられたならば1秒足らずで圧死するほどである。
そんな身の毛もよだつような拷問から解放されたのはそれから1分弱経ってからであった。
水神からすれば短い時間であっただろうし、月夜兎からすれば相当長い時間であっただろう。

「ゲホッ、ゲホッ!こ、殺す気か!?」

「ほんははんはんひひふはへはいはほ?(訳・そんな簡単に死ぬわけないだろ?)」

悲しいかな、これは水神の言い分の方が正しかった。
神が死ぬときというのは、人々から完全に忘れ去られてしまったとき。
それ以外で死ぬことはまずない。

「この大怪獣め。ん?」

なんとか立ち上がった月夜兎は、水神の口内の唾液の量がどんどん増えていることに気付いた。

「今度は一体何なんだ?」

そんな言葉を洩らした月夜兎であるが、実際は次に水神が何をしようとしているのか予想はついていた。
舌が再び動き始めてしまった。
しかし今回は先ほどと違って、舐め回してきたのだ。
月夜兎は為す術もなくまるで飴玉のように舌の上でコロコロと転がされる。
ここまで一方的に弄ばれているのを見ると月夜兎はかなり弱い神様のように思われるかもしれないが、決してそんなことはない。
むしろ可愛い見た目に反してかつては軍神(いくさがみ)として神様の世界においても一目置かれている存在であった。
しかし今回は相手が悪すぎた、と言うか大きすぎた。



<2011/12/05 22:45 とんこつ>消しゴム
|<< < 5 / 8 >>|

TOP | 感想 | RSS
まろやか投稿小説すまーと Ver1.00b