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【保】『独り』と『一匹』 − 旧・小説投稿所A

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【保】『独り』と『一匹』

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――目の前に広がる風景はどこか懐かしい春の草木に一本の大きな桜の木。

――オレはなぜ、ここにいるのだろうか……。それ以前にオレは何者なのか……?

「っ……!」

――オレはズキリと頭が痛み、慌てて頭に手を当て、痛みを押さえる。
そうして、ようやく自分には『記憶』が失われていることに気づく。

「うぅ……まぁいいか……。しばらくすれば思い出すだろ……」

『うん……その方がいいと思うよ?』

オレは突然聞こえてくる声にびくりと身体を飛び上がらせてしまう。

「なっ……!?」

『そんなに驚かなくてもいいじゃんか……』

その声の主は強風を巻き起こし現れたのは純白を思わせるような竜!

だが、しょんぼりと肩を落とす姿はなぜか人間のような素振りも見せる……。
どこかおかしいところもあり、なぜか恐怖は無かった。


『こんにちは、リング。私のことは知らないよね……』

「オ…オレは竜に知り合いなど……!………ん?リング?」

オレは純白の竜にそう呼ばれ、首を傾げる。自分の名前を忘れているとしても、聞き慣れた感覚があるはずだ。
しかし、それがない。

『うん、君のとりあえずの名前。名前さえ忘れているのでしょう?
っと、私の名前はユキ。これもただの『呼び名』でしかないけどね』

どこか寂しそうな表情を見せるユキという名の竜。
しかし、すぐに優しく微笑んだ表情に変え、無理をしているのではないかとオレは心配になる。

『とりあえず、この世界について教えてあげるね♪』

「……そ、その涎はなんだ……?」

ジリジリと近づいていき、グバァと口を開けるユキ……!こちらはなすすべもなく言葉にできない悲鳴をあげてしまう。だんだんと視界が肉厚な舌しか見えなくなり、暖かい吐息を感じて……

『バクン……』

オレは鋭い牙が並ぶ巨大な口の中に閉じ込められてしまった……!




<2011/11/25 21:44 蒼空>消しゴム
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