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【保】『独り』と『一匹』 − 旧・小説投稿所A

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【保】『独り』と『一匹』

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――…………て

―――………おきて

――――………起きてっ!

『ベロリ……!!』

「うわぁ……!?」

生暖かい舌が身体を這う。その気持ち悪い感触に思わず飛び起きた……!

「うぅ………」

『あっ♪やっと起きた♪』

「こんな起こし方しなくてもいいだろ……」

『えへへ……だって美味しいからね……ベロ』

また柔らかく大きな舌が顔を舐める。大型犬にでも舐められたらこんな感じなのだろうか……。


「それで、どう?ここの世界について分かった?」

「ただ、ユキに喰われただけで分かるわけが………わわっ!?待てよ……!!」

グルル、と小さく唸りながら舌なめずりを見せるユキ。下手をしたらまたオレは喰われてもおかしくない。
オレは無茶苦茶なやり方に不満を持ちつつも口に出さずに考え始める……。

――ここは夢。

――この桜の木は約束の場所だからね?また一年後………会おう

――……ごめん、約束守れなくて……

――ここで待ち続けるから……いつか、この桜の木で……

――はる……く……

「っ……!?」

「……どう……?」

オレは莫大な『記憶』に思わず頭を押さえてしまう。

この世界は誰かの夢の中ということが分かった。
一人はオレ。じゃぁ、もう一人の女の子は……?

「ねぇ……!聞いてる………!?」

ベロリ……!

「うわぁ……!?」

何も反応しないオレにユキは痺れを切らしたのかオレの頬を舐めあげる。また唾液でべたべた……

「あ、あぁ……なんとなくは分かったが……『誰』の夢の中なんだ?」

「ごめん、ここの構造、記憶については質問に答えられないの。話すとリングの記憶は一生元には戻らなくなるの」

「そ…そうなのか……」

ユキは何でも知っているようだが、教えられないと首を横に振る。
本当に人間味のある竜。不思議なやつだ。

「きゅるる……」

「ふふっ!お腹空いたよね。そろそろご飯にしよっか♪」

「……うん」

確かにここに来てから何も食べていない。身体的、精神的ともに使うとさすがのオレもお腹が空いてしまう。


<2011/11/25 21:45 蒼空>消しゴム
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