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【保】誰という姿 − 旧・小説投稿所A
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【保】誰という姿

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すみません残酷表現アリです。

「それじゃ、行こうとしましょう・・」
ガルルモンはその口をあーんと開いて口内を僕に見せつけた。
粘液で嫌らしく光る口内、牙。牙は紅く、黒ずんでいる。
アグッ・・
その牙が僕の首後ろの皮を咥えた。
だらりと僕の体は浮き上がった。
このまま巣でガルルモンの餌になるのだろうか?
それとも、子供がいて、それらに体を貪られるのか?
どちらにしろ、いい運命ではない・・・
視界が霞み、思考力が失われた。

 * * * 

体の衰弱は激しかった。
体を襲う倦怠感は凄まじく、まず体は動かせない。
呼吸も一回で吸える酸素は少し。
その上、血を流しすぎている。
ガイアによって助けられてから、足の出血は止まっていない。そのために、意識がたまに飛んでいた。
グジュッ・・グチャッ・・
ガリッ・・・ガッ・・・ガッ・・
その時生々しい音を耳が捉え、重い瞼を開いた。
「う・・うぇっ・・・」
弱肉強食の世界。息絶えた何かの死体を貪るガルルモン。
その口元を真っ赤に染めながら、その肉を喰らっていた。
初めての光景に目が揺れ吐き気がこみ上げた。
それと同時に自分がまだ生かされている事を悟った。
大木にもたれ掛かっている。足には葉が巻かれ、一応の止血にはなっているもののその葉は赤い。
ガルルモンが助けてくれたのだろうか?
「ぼうや・・まだ生きてる・・?」
「・・・・うん・・」
子をあやす母親のような優しい声。
体の力を抜いて僕は弱々しく答えた。
キュッ・・
「っ!?」
突然ガルルモンが唇を奪い、僕の口に何かを流し込んだ。
突然の事で、その何かを喉に滑り込ませて・・
「んっ!げほっ!ごほっ・・」
喉に詰まらせて咳き込んでしまい吐き出した。
「だ、大丈夫っ?」
「っ・・だ、大丈夫・・です・・」
ガルルモンが前脚で背中をさすってくれた。
「お腹すいたでしょう?もう少し待ってて・・」
再び死体に口を突っ込み、ガルルモンが肉を貪る。
足の皮膚を喰い千切り、筋を引き千切る。
そこから柔らかそうな腿の肉を喰い千切って口内に収める
モゴモゴと顎と口を忙しく動かし僕の近くに歩み寄る。
口元は真っ赤に血に濡れ、血が滴っている。
普通、誰もがその捕食者そのものの姿を見れば誰もが恐怖を覚える。だけど僕は全く恐くも無かった。
酷い衰弱のせいで意識は朦朧、視界は白い。ガルルモンの声は辛うじて聞き取れる。
僕が生きていられるのも時間の問題だ。
このガルルモンは僕を助けようとしている。
でも・・・もう・・いい・・
このガルルモンに食べられよう・・
それなら・・後悔はない。
そう言葉を紡ごうとした矢先、唇が暖かくなった。
僕の口内に口移しで先程の死体の肉が流し込まれた。
血の抜かれた、小さな肉が幾つも流れてくる。
「落ち着いて。ゆっくり、よく噛んで・・」
十分に動かせない体を精一杯使って肉を噛む。
血生臭く、ガルルモンの唾液の味しかしない。
はっきり言って不味い。だけど食べれない訳じゃない。
「うん・・そう・・ゆっくり・・」


<2011/11/25 21:36 セイル>消しゴム
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