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神々の戯れ〜月夜兎の苦手なもの〜 − 旧・小説投稿所A

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神々の戯れ〜月夜兎の苦手なもの〜

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雪原を駆け抜ける一匹の白兎がいた。
重いものが這うような音が白兎の耳にはっきりと聞こえていた。
徐々に迫りくるその音に白兎は恐怖した。
背後から追いかけてくる者に追いつかれることは死を意味していた。
何故なら−−

「……!!」

白兎の足が止まった。
崖になっていて行き止まりであったからだ。
恐る恐る白兎は振り返った。
鎌首を上げた大蛇がまさに食らいついてこようとしているのが目に入ってきた。
白兎は瞬時に悟った。
自分が食われることを。
そして次の瞬間、白兎は大蛇によってくわえあげられた。
蛇特有のちろちろとした舌が満遍なく白兎の体を舐め回し、じっくりと味わうとそのまま丸呑みにした。
生暖かい肉壁に圧迫されながら、白兎は呪詛の言葉を心の中で吐き続けた。
なんで自分たち兎は食べられなきゃいけないんだ?
捕食者たちはそんなに偉いのか?
憎い憎い憎い憎い憎い!!
一方的にこっちの命を奪いやがって!
もっと自分に力があれば……!
力が、力がほしい!
捕食者たちに負けぬ力が!
誰か、力を……


<2011/08/31 16:01 とんこつ>消しゴム
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