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竜の恋路を邪魔する者は喰われてしまえ − 旧・小説投稿所A

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竜の恋路を邪魔する者は喰われてしまえ

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◎ギルドの待合室

「やべッ、矢を一本落としちゃってるよ」

矢の数をチェックしていた若いハンターが呻いた。

「もしかして毒をつけていたんじゃないでしょうね?もしそうだったら普通の人が拾ったら危険だわ」

女のハンターが咎めるように言う。

「いや、大丈夫だ。落としたのは何もしてない矢だよ。多分あの洞窟前で落としちまったんだろうな」

「それだとドラゴンが丁寧に届けてくれるかもね」

「そんなまさか−−」

突然大きな衝撃と凄まじい音がギルドを襲った。
ただ事ではないと待合室などにいたハンターたちが一斉に音がした方向へ駆け付ける。

「なっ……!」

ギルドの入り口は扉とその周辺の壁がごっそりと無くなっていた。
屋根も吹っ飛んだらしく、真っ赤な夕日が直接中へと差し込んできていた。
だが誰もそのようなことを気にかける人間などいなかった。

「ドラゴン、だと?」

ハンターの一人が絞り出すように言う。
目の前にはドラゴンが二匹いた。

「ちょっと待って。あのドラゴンは確か……!」

白い体毛に覆われた小柄なドラゴン(といっても2メートルはゆうに越えていたが)に、女のハンターと若いハンターは見覚えがあった。
無理もない。
何故なら今日依頼された討伐対象がこのドラゴンだったのだから。
間違いない。
体の色や大きさが目依頼者の話と一致する。
そしてもう一方は……。

「……」

そもそもドラゴンに襲撃されたというのにハンターたちが反撃をなかなかしようとしない理由、それはもう一方のドラゴンにあった。
かつてある国を一晩で滅ぼした紅い目をした黒竜。
その伝承通りの姿をしたドラゴンが現れたのだから絶句するしかない。
しかも小柄な白竜に対してかなり黒竜は大柄なドラゴン。
これだけでも人間であるハンターたちの恐怖をあおるのには十分過ぎるほどだった。

「お前たちに聞きたいことがあってここに来た」

セピアが口を開いた。

「この矢の持ち主は誰だ?」

カルメディは矢を高々と掲げた。
それはつい先ほど、若いハンターが無くしたとぼやいていた矢だった。


<2011/08/26 09:38 とんこつ>消しゴム
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