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冷たい空と暖かい太陽 - 旧・小説投稿所A
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冷たい空と暖かい太陽
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『うわぁ!』という声が腹の中から聞こえた直後、胸の不快感は消えた
「まったく、おとなしく消化されていれば良いものを……」
そう言って、ルギアはまた歩きだす
その巨体が地面を踏みしめる度に、辺りはぐらぐらと揺れる
それなのに、草むらや森の中からは、彼以外の生き物が出てくる気配はまるでない
恐らく、ルギアのただならぬ雰囲気を、少なからず感じているのだろう
しかし、そんなことは今のルギアには、どうでもよかった
ただ、自らの欲を満たすためだけに、ルギアは歩いていた
自分の欲を満たすためなら、どんなことでもする
今のルギアには、『神』というよりも『暴君』という言い方の方が当てはまっていたのかもしれない
明るくて、深い茶色だった眼は、もう既に、赤黒い色に変わっていた
「うぅ……振り落とされた……」
一方その頃、ヒトカゲは一度しくじってから、ずっと座り込んで、どうすれば良いか考えていた
「早くしないと、消化されて溶けちゃうよ……」
そんなことを呟きながら頭を抱えていたが、良い案がとんと浮かばない
むしろ、このまま死んでしまった方が楽なのかもしれない……
なんだかんだ言って、この場所は、ぬくぬくと暖かく、それでいて多少はベタついていても構わないぐらいの最高の柔らかさをもつ肉のクッションもある
そんな風にトロンとした僕を現実へと引き戻したのは、皮肉にもルギア様だった
突然、僕の頭上から、大量の水が降ってきたのだ
「う、うわ! あぶなっ!」
炎タイプの僕は、水が大の苦手なのだ
尻尾の炎に少しかかったけど、幸い、あまり大したことはなく、逆に諦めていた心に火がついた
水が入ってきたお陰で、胃の入り口が少し開いたのだ
「! 今がチャンスだ!」
そう思い、力強く肉壁を掴むと、一気に登り始めた
「うっ! おのれ……ま、たか……うぐっ!」
さっきまでとは違った激しい嘔吐感がルギアの行動を妨げていた
腹の中から何かが喉に向かってくる感覚に、ルギアは耐えきれなかったのだろう。次第にその大きな口からは、ボタボタと品のない唾液が垂れていた
「ガッ! あぁ、く……そぉ……うぅ……」
ついにルギアは、体をくの字に曲げ、口を大きく開き、そして
「う……う゛お゛えぇぇ」
神とは思えないような声を上げ、ヒトカゲをズルリと吐き出した
<2011/07/20 23:04 ルカ>
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