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肝試し − 旧・小説投稿所A

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肝試し

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その頃サバランは6階へと続く階段を下りていた。

サバ「『宵闇の絵本』か・・絵本ってことは童話か何か書かれているのか?」

コツ・・・コツ・・

サバ「まあ気にすることでもないけど・・・でもなんで絵本なんだ?」

コツ・・・コツ・・・

サバ「もうそろそろだな・・やっと6階まで来た。ここまで来るのにいろいろあったな・・・」

コツ・・・・・・

サバ「6階到着!って今回はいたって普通な迷路だな。ゲームとかのダンジョンみたいだ・・・」

ここの罪竜はどんな奴なんだ?なんとなく嫌な予感・・・

サバ「まあいいや。はやく扉見つけて次の階行きますか。」


こうしてサバランは7階へ行くための扉を探し始めた。







そして・・・

サバ「あれ?この道見覚えがあるな。じゃあ別の道を行くか。」



-数分後-

サバ「認めざる得ないな・・・道に迷った。」

どうする・・・来た道さえ覚えてないぞ・・・
行ける道はすべて行ったし・・・

サバ「どうする・・・ジッとしてても何の解決にもならないし・・・」

???「人間がここで何してる。」

サバ「ちょっと肝試しを・・・・」

ん?・・・・ちょっと待て。誰だ俺に質問をしてきたのは・・・
この声は聞いたことがないから罪竜か?
ちょっと怖いが振り向いて見るか・・・・・

ポフ・・・

サバ「!?」

ちか!!ほとんど距離ないじゃん!ぞくに言う『ゼロ距離』ってやつ?
そんなことはおいといてなんか不機嫌?

???「ここは肝試ししていい場所じゃないぞ。さっさと帰れ。」

サバ「えっ?カルの提案でここで肝試ししてたんだが・・・許可なしだったの!?」

???「カルだと。そういえばカル所長『ここで肝試しするぞ!』なんて言ってたな。」

サバ「カルってここの所長だったの!」

ここの所長なら確かに許可は要らないもんな。

???「所長の客なら別にここで肝試ししようがかまわないが、あまり騒ぐなよ。」

騒ぐな?騒ぐとなんか起こるのか?

サバ「分かったけど・・・お前は罪竜だよな?」

???「そうだ。俺はこの階の監視をする罪竜ナイドだ。」

サバ「ナイドねぇ・・ところで、その手に持っている悪霊はどうした。ぐったりしてるが・・・」

ナイ「こいつか。こいつ俺の忠告も聞かずに『絵本』に触れたから心臓を抉り取られたんだ。」

ナイドはそう言って俺にその心臓と胸に穴の開いた悪霊を見せてきた。
ってそんなもの見せるな!

サバ「悪霊に内蔵があったんだ・・・」」

ナイ「当たり前だろ。たとえ死んだとしても内臓も霊体化するぞ。」

サバ「へ〜・・・」

キュルルルルルルル・・・

サバ「・・・・・・・・・」

バッ!

身構えないと食われる!

ナイ「何身構えてるんだ?食われると思ってるなら安心しろ俺は生きてるものを食うと熱出すから食わないんだ。」

サバ「でもフェラガイとオウモルトは平気だったぞ。後ハイトって罪竜も・・・」

ナイ「フェラガイは消化するが、オウモルトは食っても消化できずにそのまま胃袋に収まり続ける。」

サバ「ハイトは?」

ナイ「ハイトは眩暈が酷くなり立てなくなるはずだが・・・お前が胃袋の中で寝てたりしてたら気づかないだろうな。」

サバ「(ギク!)」

寝てたから気づかなかった・・・

ナイ「フェラガイだけは特別だから気をつけるんだな。じゃあ俺はこいつを片付けてくるから雑談はこれまでだ。」

サバ「じゃあな。」





サバ「さて・・・・・どうやって扉を探すか・・・・」

あの後ナイドと別れた俺は扉を探す方法を黙々と考えていた。
そんな時、

『ケケケ♪地獄の道案内は必要かい?』

サバ「!?・・・なんだ!ナイド・・じゃないよな。あんな口調じゃなかったし。」

そういえば・・・ナイドは『騒ぐな』って言ってたっけ・・・

サバ「そういうことか!だから『騒ぐな』なんていったんだ。」

俺は喋ることを一旦止め、意識を集中させる。

『ケケケ♪地獄の道案内がほしいんならついてきな。要らないんなら死ぬまで迷ってな。』

ここで死んでたまるかってんだ。

『ケケケ♪ついてくるなら音鳴るほうへきな。もしついて来れなかったら永遠にこの夢幻回廊を彷徨うことになる♪』

1回きりか・・・でも、ついていくしかないな・・・

『鬼さんこちら♪音鳴るほうへ♪ケケケ・・・・』

サバ「バカにしやがって・・・なんかムカつく。」

それでもついていくしかないからな・・・我慢しろ俺。



こうして俺は見えない案内人についていった・・・




その頃ナイドは。

ナイ「たく・・・余計な仕事増やしやがって。丁度腹減ってるし片付けるついでに飯にするか。」

ナイドは掴んでいた悪霊を口に収め味あわずに呑み込んだ。

ナイ「ゲフッ・・・まだ足りんな・・・後でフェラガイのところに言ってなんか作ってもらうか。」

ナイドはそう言って悪霊が入ったお腹を擦った。
その時セイレーンがナイドの前に現れた。

セイ「一体ここはどうなってんでしょうか?さっきから同じ場所をグルグル回ってるような気が・・・」

セイレーンも道に迷っていた。

ナイ「ホォ〜まだ他に居たのか。」

セイ「えっ?罪竜・・・ってハイド兄さんだったんですか!?というよりどうしてここに居るんです?」

ナイ「お前は何を言っている。俺はこの階を監視する罪竜ナイドだ。ハイドじゃないし、そもそも俺に妹はいない。」

セイ「長い間会わなかったけどその顔を見間違えるわけありません。」

ナイ「だから俺には妹などいないって言ってるだろ!人の話はちゃんと聞け。」

セイ「ハイド兄さん!やっと会えました!」

セイレーンはナイドに抱きつく。
そして会話は噛み合わないままセイレーンの稀に起こる暴走で進んでいく。
それに対してのナイドは・・・

ナイ「こういうのはあまり好かんが・・・6階の罪竜ナイドの権限で水竜セイレーンを脱落とする!」

罪竜の権限を行使しセイレーンを眠らした。

セイ「ハ・・イ・ド・・に・・い・・さん?」

ドサッ・・・

セイ「zzzzzzzzzzzzzzz」

ナイ「・・・・・・・」

ズルズルズルズル・・・・・

ナイドは寝ているセイレーンを掴むとそのまま引きずってどっかに行った。
七つの鍵がまとめられた鍵束だけを残して・・・


<2011/09/23 00:20 リオ>消しゴム
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