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幼さ故に − 旧・小説投稿所A

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幼さ故に

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こいつらオイラを闇市場に売りさばくつもりだ!
チクショー、オイラは悪い奴を懲らしめるために生まれてきたはずなのに、今こうして目の前にいる悪人たちを指をくわえて眺めることしか出来ないだなんて。
それにしてもこいつらは本当に外道だ。
ユルセナイ!ユルサナイ!
怒りのせいなのか、体中の血が煮えくり返るような感覚に陥る。
だがそれは怒りのせいではなかった。

「オイ、コイツ体がデカくなってねぇか?」

男の一人がオイラを指差した。
最初はオイラも無自覚だったのだが、明らかにオイラの体は大きくなっていた。
やがてガラス容器が窮屈になってしまうが、それでも止まらない。
そしてガラスは粉々に砕け散り、容器の中を満たしていた透明な液体が流出していく。
オイラは自分の体にまだくっついていた管を乱暴に引きちぎった。
そして大きく息を吸う。
これが外の空気なのか。
生まれて初めて吸う空気にオイラは感動を覚える。

「あ、ああ……」

四人はオイラを見上げて狼狽えていた。

「悪イ奴、おいらガ捕マエル、ソレガおいらノ使命」

なんか片言になっちゃった。
『話す』って難しいんだな。

「売り物に傷を付けたくなかったが、仕方ない」

男の一人が何か黒い物をオイラに向けてきた。
それは拳銃だった。
男は迷うことなく引き金を引いた。
何か固い物がオイラの足に当たるのを感じる。
が、それだけだった。
文字通り痛くも痒くもない。
あれ?確か鉄砲は当たると痛いし、場合によっては死んじゃうこともあるという怖い武器だって習ったんだけど?
なんだか拍子抜けだなぁ。

「ひ、ひい!」

四人は我先にと部屋から脱出しようとする。
させるか!
オイラは飛びかかり、最後尾にいた男を捕まえた。
さてと、捕まえたはいいけどこの後どうすればいいんだろ?
捕まえた後のことなんて教わったことないぞ。
オイラはあれこれ考えるが、そのうち自分がお腹が減っているということに気付いた。
これじゃあとの三人捕まえる前にダウンしちゃいそうだ。

「ん?」

オイラは下でもがいている男と目が合った。
その時、オイラの中で何かが囁いた。

『そいつを食え』

それはオイラの本能だったのだろうか。
気付いたときにはオイラは男にかぶりついていた。


コタロウ
「ちなみにオイラこの時点で体長2メートルちょっとになってるからね。さて、次から三人称視点になってモンスターパニックが展開されるよ〜」
<2011/07/15 13:37 とんこつ>
消しゴム
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