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【保】ヤマタノオロチ − 旧・小説投稿所A

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【保】ヤマタノオロチ

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さっきの文章もあって体が強張ってる。カチコチに固まって、表情も固まってる。
振り向こうにも振り向けない。もしそれが…そんなことを考えてしまって、余計動けないでいる。
そのままでいると足音が聞こえる。今声をかけてきた奴がこっちに来てるんだろうか。
じゃあ幽霊じゃ…そう思えたから心に少しばかりの余裕は出来た。だが同時に、自分のしたことに気付いた。


今自分はどこにいる?

辺境にある村の中

そこにある町長と思われる家にいる

そして後ろには人がいる

もし…その人がこの町に住んでた人だったら…いや、そうでなくても…




僕は泥棒と同然




…どうしようもないことを僕はした。
そして取り返しのつかないことをしてる。
どうやって弁解すればいいんだ。


「聞こえてるのかな?」


言い訳やら何やらを考えてると、後ろからさせるかと言わんばかりに声をかけてくる。しかも近い。
もう諦めるしかない、か…。


「……は、はい……」


震えはしてないものの、か細く小さな声で聞き取れるかどうか、そんな声だった。
体は動かせるようにはなったものの、未だに振り向けないでいる。
よく見れば体が小さく震えてる。どんな目的があろうと、自分のしたことを自覚してるから来る震えなのだろう。


「こっちを向いてくれないか?話がしづらいんだ」


「……わかり、ました……」


いつまでもこうしてるわけにもいかない。言われたからにはそうするしか…。
観念してゆっくりと体を向ける。しかし顔はうつ伏せにしたまま。
そこから見えるのは相手の足元、足だけ。それを見るだけでも、相手は自分より大きいようだ。ますます怖くなる。


「顔を上げてくれ。私は少し話を聞きたいだけだ」


「……はい……」


ゆっくりと、顔を上げる。しかし相手の顔は見えず、そのまま見上げる形になる。
話しかけてきた相手はカイリューだった。見た目からかなり年を取ってるようだ。
その表情は怒ってるわけでもなく、見れば穏やかな感じがする。


「それで、何をしてたのかな?」


「えっと……ちょっと、調べ物をしようと思って…」


「ふぅん…調べ物、か。何を調べているのか聞きたいな。茶でも飲みながら聞くとしよう。こっちに来なさい」


「え?あ…はい…」


怒られると、咎めを受けると思いながら聞いていたため、拍子抜けしまった。
気付けばいつの間にか部屋を出てるカイリュー。慌てて後を追い、私室を出てすぐのところにあるダイニングに向かう。























「ほぅ、昔の伝説に関わる話を調べてる、と」


「はい。今回もある話のことを聞きたくて…」


あれから数分。僕はダイニングにあるテーブルのイスに座っていた。
カイリューさんから怒られることもなく、お茶を出されて何の調べ物をしていたのか…それを聞かれていたところだ。
それにしても…このお茶美味しいな。見る限りただの緑茶か何かだと思うんだけど…普通のお茶の味じゃない。きっと高級品なのかも。


「今回も、ということは他にもいろいろ調べてたようだな。して、今回はどんな話を調べてるのかな?」


「あ、そうだ。それについて聞きたいことがいろいろありまして…この話です」


すぐさま本を取り出し、例の「ヤマタノオロチ」のページを開いてカイリューに見せる。
カイリューは本を手にして内容を見ていく。時々頷きながら読んでる様子を見てると、本をテーブルに置いた。


「一般的な話だな。それで、君はこの話の何を知りたくてここに来たのかな?」


「僕は、この村が「ヤマタノオロチ」の原点だと言う話を聞いて、ここに来たんです。確証はない、ただの噂話に過ぎませんが」


「それでも、その話が本当かもしれないと思ったからここに来たんだろ?」


「まぁ…そうです。やっぱり少しでもそこに可能性があるのなら調べてみたくて」


「ほぅ…なかなかいい心がけじゃないか。私は好きだぞ、そういう考え方は」


「そうですか。では、何か知ってたりしませんか?何でもいいんですけど」



<2011/07/06 22:37 ヴェラル>消しゴム
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