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【保】ヤマタノオロチ − 旧・小説投稿所A

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【保】ヤマタノオロチ

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「ここにある本は様々あるけど、気難しそうな本もあってなかなか見つからないな…」


大方の本は漁ったものの、特にこれと言ったものはないようだ。
それに家を探し回ってからまだ休んでない。体もかなり疲れてる。これ以上探索をするのは賢明とは言えない。


「足も痛いな。しょうがない…ここらでちょっと休むかな」


悪いと思っていながらもベッドに腰掛け、体を休めるバクフーン。
自然と疲れからか、ため息が出る。そのまま寝転がりそうになるのを少し堪え、整然と並んでる本棚に目を移す。
さっきまで探して行った本棚ではあるが、それでもまだすべて見たわけじゃない。
ざっと見たら3分の1もいってないんじゃないかと思うほどの数がある。見ただけでやる気は失せる。常人なら。


「こんなに数あると時間かかるよな。でもこれだけあるなら1つぐらい何かあるだろ!」


前向きと言うか、向う見ずと言うか…どちらにしろ、止める気はないようだ。
ズラーッと並ぶ本。軽く眼を通しても本の題名なんて読めないだろう。
しかし…


「……ん?なんだ?あの本……」


彼はその本の中で気になる本を見つけたようだ。執念と言うやつだろうか。
多く並んでる本の中に手を伸ばし、1冊だけ手に取る。その本は少し厚みのある本で、古めかしい表紙だった。


「なかなか面白そうな本だな。僕にもってこいじゃないか」


その古めかしい表紙を見て好奇心をくすぐられたのか、ベッドに腰掛けその本を読むことに。
題名は掠れてよく読めないものの、雰囲気だけで内容を察することは出来そうだ。
あれこれ言ってる時間がもったいない、と呟きながら早速ページをめくる。
題名が書かれてあったであろうページと前置きを飛ばしてみると、2ページを使って絵が描かれている。
それが何を意味してるのか、どんな絵なのか。それは流石に彼にもわからない。
だが様々なものを調べてきた彼には唯一わかったことがある。




これは間違いなく僕が探してるものだ!




一瞬でそれを悟り、声を出すのを堪えて歓喜している。トレジャーハンターの域に達しているようだ。
勢いは止まらずそのままページをめくっていく。ページはどれも色あせていて、一層古めかしい雰囲気をかもし出している。
めくっていると何やら文章が書かれているページを見つけた。


「なになに…『得も知れぬもの、ここに来たり。我、惨劇を記す』…何があったって言うんだ?」


惨劇という言葉に少しの恐怖心を感じつつも、好奇心の方が勝ってるようですぐさま手を進める。


「次は…『今、眼前にかつての友あり。我、ただ走るのみ』…ここだけでも、相当ヤバイことが起きてるってことがわかる。
 これがどこで、いつ起きたのかまではわからないものの、追究してみる価値はありそうだ」


当初の目的も忘れて本を読むことに没頭している。今誰かが話しかけても反応すら示さないんじゃないかと思うほど。
しかし次のページには何も書かれてなく、あれ?と思いながらページをめくるも白紙。
まためくると白紙。白紙。それが十数ページも続いた。
しかしあるページに来ると、続きと思われる文章が書かれていた。






『 我  森の 中

 奴  うしろ   きて
 
 おと    きこえ   










                     いた 』





「…さながら、ホラーみたいだな…」

その声は誰が聞いても震えてるのがわかる。
幾多の危険をくぐりぬけて来た彼だが、やはり怖いものはあるようだ。
それでも尚ページをめくってみるものの、それ以降は何もないようで、白紙しかなかった。
最後のページに書いてある言葉を除いて…。


「最後のページ…なんだ?『う ま い』って…あとはこれしかないのか?」


他に何か書かれてないか、本の裏表紙や目につかないようなところに何かないかと探してみるものの、これ以上は本当に何もないようだ。
結局、成果は何もなし。得たのは恐怖だけ。内心安堵もあったのか、ふぅ…と言いながら本を閉じ、それをしまいに戻る。
その時だった。


「そこにいるのは誰かな?」


「!?」



<2011/07/06 22:36 ヴェラル>消しゴム
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