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銃と君と仲間と - 旧・小説投稿所A
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銃と君と仲間と
- 悪魔の弟 -
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ドドォォン・・

「え・・兄さん?」

ラティオスを襲ったその攻撃をカイオーガは遠く
から狙い撃ち、強引に跳ね返した。屈折させられた光
弾はまたしても窓をぶち破った。

「貴様・・まだ気力が残っていたのか?」

「甘く見ないでね・・ボクだって守りたいものはあるんだから・・」

弱弱しくそう呟くと、カイオーガは再び倒れこんだ。もう限界らしい。
 ロイムは銃をすかさず向けたが、ラティオスがそれ
を許さなかった。龍の波動をロイムの手に命中させ、
素早くライバーを奪い取る。

「なっ・・!!」

「腰が甘いですよ・・?ここもね・・」

挑発気味に頭をトントンと叩くラティオス。レイ
アの指揮権は、今彼へと移っている。誰に従えばい
いのか困惑しているレイアに向き直り、ラティオスは誘うように話しかけた。

「さっきはごめんなさい・・私の勝手な判断で攻撃してしまいました。 もしよければ、あなたの腹に眠る人・・返してくれませんか? 代わりにもっと良質な餌を・・」

慌てふためいているロイムをチラと横目で見やる。

「・・差し上げますよ・・♪」

「グゥ・・グァァ・・」

リオレイアは理解してくれたようだ。お腹に収まっ
ていた膨らみが逆流し、大量の唾液とともにロンギヌ
スが吐き出される。


「う~ん・・レイア様ぁ~・・はっ!!ここは!」

「中で何やってたかは知りませんけど・・おかえり、マスター」

ロンギヌスは妙に大人しくなっているレイアを
不審に思いながら、ラティオスが握っている赤いライバーへと目を移した。

「え、お前・・奪ったの?」

「おっと話は後にしましょうか・・」

警官から銃を奪い、雪崩のように押し寄せてくる
ロイム達。ラティオスとロンギヌスはカードを装填
し、同時に銃口を向けた。

『アタックライド____ブラスト(BLAST)!!』
『アタックライド____ブラスト(BLAST)!!』

赤青二色の光弾が先頭の警官隊を倒した。しかし数が数なためか、ラティオスは浅くため息を吐く。

「キリも無さそうですね・・仕方ないか」

「えっ・・あれやるの?」

ラティオスの両手に黒い光が漂い始めたので、ロン
ギヌスは目を疑う。シャドーボールではない。ラティ
オス最強の技・・ホールドエンドだ。
 長い間トレーナーとして生活してきた彼も、この技は数回も見ていない。

漆黒の光はラティオスの手を離れ・・まるで雫のよ
うに警官隊の前へと落ちた。床にぽっかり穴が開いた
ようで、見るも恐ろしい黒だ。


「うあっ・・な、なんだ・・これ!!」
「どけ邪魔だ!!」
「す、吸い込まれてる・・逃げろ!」

暗い穴は急激に広がり始め、逃げまどう警官達を飲
み込もうとする。ロンギヌスは人ごみから、ロイムが
逃げ去っていくのを見た。

ズズ・・ズズ・・

巨大なブラックホールと化した黒い穴。
ロイムを除く警官をすべて手中に収めると、底の見え
ない闇へと引きずり込んでいく。














数十秒後~


「・・お前の技って怖いのな・・いろいろと」

「フフ・・そうですか?」

警官の最後の足を飲み、薄らと消えていく闇を、二人
は無表情に見つめていた。とうとうその全てが消え去
ると、ラティオスはレイアを振り返った。

「お待たせしましたね・・さあ、どうぞ」

レストランの案内係のように、自動ロックで開かない
ドアをたたき続けるロイムを指すラティオス。
 レイアはもうライバー無しでも従うらしく、涎をポ
タポタと垂らしながら近づいて行った。




「うあぁ・・く、来るな!!」

ドギュゥン!!ドギュゥン!!

普通の拳銃でレイアの目を狙おうとするロイム。しか
し弾丸はあえなく跳ね返り、軽く火花が散っただけ
だった。



ラティオスはロイムのものだったライバーを、カイオーガへと向ける。



<2011/05/14 22:37 ロンギヌス>消しゴム
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