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【保】雨が止むまで・・。 − 旧・小説投稿所A

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【保】雨が止むまで・・。

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…どれだけ逃げただろう。少なくとも20分は涙目のブイゼルを背負いながら走っている。



「…もういいんじゃないかな?」

ブイゼルの言葉によって僕の足は止まる。足は疲れでもう激しく動かすのは厳しいだろう。

でも奴らから逃げないといけない。なんで奴らは追ってきたんだ…。と考えてるとブイゼルが

「木の実もこれだけしかなくなっちゃったよ…。」

少し涙ぐむ。みた感じあるのは

モモンの実とかナナシの実とか…あれっ?

「これなんだ?」

僕は星型の実を手にとる。

「さぁ…?でもそうとうおいしんだろうね♪」

このブイゼルの緊張感の無さに頬を叩きたくなる。

「ひとまず…さっきの所に帰るのは危険だ。ここにいた方がいいかも知れない。」


「かと言ってここも危険だよ。木1本も無いんだよ。このままじゃ飢え死にしちゃうよ…。」

僕は辺りを見回す。確かに木はおろか草一本も生えていない。

ブイゼルがいう飢え死によりも怖いのは奴らが追ってきた時に見つかるリスクが高まることだ。

「あれ?なんか聞こえないか?」


「うん。聞こえるねぇー♪バサッバサッって。なんか鳥ポケモンでも近くで飛んでるのかな?♪」


それにしては羽音が大きすぎる。

真上を見る。


さっきまで青空だった空が一変今にも雨が降りそうな天気だ。

その雲の一つに黒い影のようなものが動いている。


いきなりその影が止まる。


大きくなって来る。



羽音と影が大きくなる。



何かその影からキラリと光るものが見える。

それはブイゼルにむかって近づいていく。


もしかして…。


「逃げろっ!!」

限界に近づく足の痛みに歯を食いしばりながら

アクロバット!!

地震の時と同じようにブイゼルにアクロバット…もとい とっしん をしかける。

ポツッ

足に水分を感じた。
その瞬間に。


ドカァァァァァァァァン


地響きが辺りに こだま する。

僕は足元を触る。

その液体は粘り気にあふれ僕の指と指と間で糸をひく。

その地面に追突した物体を見る。

予想通りだった。

あの2匹が追いついてきたのだ。



<2011/11/23 23:35 氷水>消しゴム
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