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エンペラーフェスティバル − 旧・小説投稿所A

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エンペラーフェスティバル
− 夏 −
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世界でもトップクラスの記念祭。一般の屋台は全部の周るのに、少なくとも一週間はかかりそうだ。さらに大手ゲーム会社(○天堂)や、新型車の展示会(TOY○TA)も、数々のブースを出展していた。あまりの行列にロンギヌスは、修学旅行で行ったUSJの記憶が蘇ってくる。


カイオ「焼きそば♪ 焼きそば♪ 焼きそば♪」

ロンギ「よーし…じゃあここからは別行動にするか! 1人で楽しむもよし、ペア組んで遊ぶもよし!」

ロンギヌスが言い終わる前に、全員バラバラになっていた。特にカイオーガなど『うまい! 焼きそば』と書かれた屋台めがけて、新幹線のような速さで突っ走っていった。一応お金は渡してあるので大丈夫だろうが、なぜか彼には首輪をつけて置かないと、ロンギヌスは不安だった。



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「お…あんたカイオーガ君じゃないか!! いやーお金なんていいよ。持ってきな!」

気前の良さそうな小太りの店主が、2パックの焼きそばを惜しげもなく渡した。カイオーガは慌てて代金を払おうとしたが、店主の太い手がそれを許さない。

「…あ、ありがと…♪」

遠慮がちにパックを受け取ると、カイオーガはぺこりと頭を下げ、大混雑を抜けて焼きそば屋を後にする。ラッキーに感謝しながら湯気の立っているフタを開けると、遠くで射的に熱中しているバビロンが目に入った。

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店主「お…お客様! どうか少し手加減を…」

バビ「(目標までの距離4m13cm、命中率97.325%…実質の価値は340円か…)」

トントントントントンッ…!!!


ゴム弾の直撃を喰らったピカチュウのぬいぐるみが、あっさり棚から転げ落ちる。バビロンの計算能力があれば、てっぺんに並んでいる1等(PS3)のゲットも簡単だった。銃を片手で操り、照準合わせに2秒もかからず手に入れる。

店主「そんな…ひ、ひでぇ…」

バビ「フフ…来年はもっと難易度高めにするんだな? でないとまた来るぜ。」

500円玉を店主に向かって放り投げ、サンタクロースもびっくりの巨大な袋を担いで行ってしまうバビロン。結局、ほぼ全ての景品は彼に取り尽くされ、射的屋はやむなく閉店したそうだ。


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一方、地元の有名なアイス屋に訪れたシロナは・・


店主「え…チャ、チャンピオン!?」

シロナ「お邪魔するわ♪ アイスおひとつ貰える?」

甘い物を前にしてキラキラ輝く目が、数々の味がずらっと並んだショーケースを眺める。後ろに行列が待っているのも構わず、シロナは真剣な顔して悩んでいた。

十分以上経って・・


シロナ「それじゃあ…」

店主「へ、へいっ…!!(やっと決めたか…)」

シロナ「……やっぱり待って…」

店主が地面に沈みそうな勢いでコケるのを気に留めず、シロナは再びアイスの味を選び続けた。前にいるのがチャンピオンとはいえ、流石に後ろに並んでいる客達もイライラし始める。



シロナ「うん決めた! 抹茶とバニラとストロベリーのトリプルで。」

店主「…え? ああ…決めたのかい…」

凄まじい組み合わせに驚きながら、店主はあくびを漏らしてアイスをコーンに積んでいった。シロナは手ぐすね引いてそれを受け取ると、千円札を置いて行ってしまった。アイスの味に気を取られ、お釣りの事はすっかり忘れている。

店主「ちょ…お客さーーーーーーん!!!」


<2011/06/30 21:10 ロンギヌス>消しゴム
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