---

『２ - ０』

バトル終了の旗が上がったとき、観衆からは悲鳴にも聞こえる歓声と野次が飛び交った。カイオーガは満身創痍で傷まみれになり、目の前で地に突っ伏しているミロカロスを見下ろしていた。食べたいという欲求を抑えながらも、キチンと敬服の礼はする。


実はあの後…ロンギヌスと初の試合だったシロナには、打つ手が無かった。ミロカロスとガブリアス、どちらもカイオーガ相手には苦戦するポケモンだ。瀕死になったミロカロスをボールに戻し、シロナは白鳥のような眼をロンギヌスに向けた。


「イッシュリーグ…か…。楽しませてもらったわ、また今度ね。」

「あっ…ちょっと待って下さい！！ 開会式終わったら…ロビーに来てもらえませんか？」

「えっ…」

ロンギヌスは審判やアナウンスに聞こえないよう、細々とシロナに耳打ちすると、ゲートからスタジアムを後にした。

---