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エンペラーフェスティバル − 旧・小説投稿所A
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エンペラーフェスティバル
− 知恵と力と −
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ロンギヌスが援護に向かった先。それは戦闘経験の薄いレムリアを
連れた、ラティオスの元だった。『廊下を走らない』の貼り紙の前
をジェット機のような速さで突っ走り、目を凝らして彼らの居場所
を探していた。

「どけどけええっー!! ぶつかっても保険は降りねーぞ!!!(失言)」

その途中、やけに荒らされた金庫を通り過ぎたが、人気は無かった
ので無視した。廊下で出遭った団員は、激走スピードを生かして蹴
り飛ばす。
西館を走り回る内に、とうとう闘うラティオス達の姿が目に付いた。



「助けに来たぞーーーーーーっ!!!!!!! 感謝しろよーーーーーーっ!!!!!!!」

「マ、マスター!?い…今来られても…」

団員を念力で弾き飛ばしながら、ラティオスは困り顔で呟いた。
その隣ではレムリアが、壁にがっちりした体格の男を押さえ付けていた。


「何しやがる…俺の仲間を…よくも…!」

「怖がることないんじゃない? ただ貴方とも…遊んであげようと思ったの」

ロンギヌスは「答えになってないぞ」と突っ込みたかったが、他の
団員が飛び掛ってきたので路線変更。メモリをジャージの腰ポケッ
トから取り出し、硬い金属部分でそいつの頭を殴りつける。
ゴィィィンと鈍い音が轟いたかと思うと、その団員は床に突っ伏していた。


「おおっ…メモリだけでも武器になる!!」

「感動は後にして下さい! 今の状況分かってるでしょう!?」


一方その頃、二人から少し離れたところで、レムリアは先程の
大型男を丸呑みにしていた。肉付きのいい獲物を誘うように、
優しく近くの団員に声を掛けている。

「あら…羨ましそうな顔ね? ひょっとして…」

「い、いったい誰だ…お前は…!!」

「私? ポケモンリーグの看護兵…かな?」

首を悪戯っぽく傾けるその仕草は、男の中に眠る「何か」を挑発した。
ドクドクと高鳴る心臓を抑えきれずに、男は自分から彼女の喉を滑り
落ちていった。

「ふふ…いい子ね…」

もこっと膨らんだ自分の腹部を、愛おしそうに撫ぜるレムリア。
彼女と溶け合うことを望んでいるのか、そこに抵抗は一切見ら
れなかった。



「レムリア、お前戦闘は専門外だろ? リビングで休んでても…」

「どこもかしこも同じ状況よ。それに…」

彼女に問いかけた瞬間、レムリアはグイと顔を接近させて来た。
目線がお腹の方へチラッと行ってしまうが、喝を入れて彼女の
サファイアのような瞳を凝視する。

「男の子が沢山いるんだもの…面倒見てあげないとね♪」

「そ、そっか…」

大方、「面倒を見る=腹に収納」という方程式が成り立っているの
だろう。ロンギヌスは彼女の実力を信じて、そこら一帯を任せた。
問題はラティオスだが・・





「死ねっ!!!」

「おっと。」

鋭利な刀を構えた、アクア団の剣士。日本刀を使っているのが
意外だったが、それに関心を寄せている場合じゃない。ラテ
ィオスは鋭い斬り込みを肩で避けると、剣士の肩をがっしりと掴んだ。


「な、何しやが…!」

『ちょっと失礼…♪』

グキン…という痛々しい関節の悲鳴。剣士は折り曲げられた肩を
押さえ、床を転げ回った。どうやら念力を使えば、敵の肩を脱臼
させることも可能らしい。


「あがあっ…!! い、いでぇっ…!!!」

「別に殺しませんから、それで勘弁して下さい」

倒れた剣士の上を飛んで、アクア団員の群れに突っ込むラティオス。
やっぱりギラティナの援護に行った方が良かったのか…とロンギヌス
は考え直したが、世の中そんなに甘くない。



「ほう? これはこれは…チャンピオン自らお出ましかね?」

「ア…アオギリ…!!」

ホウエンで暴れていた頃と変わらない、青い海賊のような格好だ。
あの時はカイオーガを目的とした活動だったが、今回は違うだろう。
ロンギヌスは彼とその仲間達に包囲されながら、固唾を呑んで問いかけた。


「いったい今度は…何が…!?」

「我々はマグマ団とは違う。
金など焼き捨てるほどあるさ。我々が求めるもの…それは…」













「…名誉のみ」

「なるほど…影うすいから目立ちたい訳か?」

「な、何……!!」

ロンギヌスは「しまった」と思い口を塞ぐが、時すでに遅し。
当然ながら、アクア団員の顔が見る見るうちに怒りに満ちていく。
口は災いの元だという事に、ロンギヌスは初めて気付いた。



「フフ…我々をコケにする程…余裕たっぷりのようだな…」

「あ、いや…今のは口が滑っ…」

アオギリ率いる海賊野郎(女性もいるが)が、刀を突き出して
迫って来る。ラティオスやレムリアに助けを求めようとしたが、
二匹とも自分の敵と闘うので精一杯のようだ。



「この部屋をお前の…墓標にしてやるっ!!!」

「ふひぃぃいっ!!」

キチッ…『TORNADO(竜巻)』

闇雲にメモリケースに手を入れ、間一髪で取り出したのはトルネード
メモリ。万物を巻き込んで吹き上げる、『竜巻』の記憶だった。
降り下ろされた刀がそれに触れた瞬間、爆発的な風が辺りに舞い、
近くのアクア団員を全て天井へ巻き飛ばした。



ドサッ…ドサドサドサドサドサッ…!!!

「あ、あれ…」

上から人間が降ってくるという、世にも不思議な光景。
ほとんどの団員は天井に激突し、気絶した状態で降り注いできた。
アオギリは何とか意識を保ったまま、肘を付いて起き上がろうとしている。



「くっ…ハハ…お前もメモリ使いか…」

「そう言われると格好いいけど、ただの中毒者だぞ」

自分が何を言っているのか自覚もないまま、ロンギヌスは冷静に
言い放った。アオギリは天井に打ち付けられた時の痛みを堪えな
がら、薄らと笑みを浮かべた。



「なあチャンピオン…エイプリルフールは知っているか?」

「は? あ、うん…」

意味深なのか意味不明なのか分からない質問を受け、流石に
ちょっと引いてしまう。その一瞬を利用して、アオギリは震え
る膝で立ち上がった。


「そう…嘘を吐いても許される日…全く素晴らしい日だと思わないか?」

「…トークで時間稼ぎでもする気か…?」

「いやいや…. 気分を損ねたのなら失礼。
そのお礼と言っては何だが…面白いメモリをご覧にいれよう」

キチッ…『LIAR(嘘)!!』




「フフ…まだ青二才の君に教えてやる。
闘いは、力だけが全てではない」



〜 ライアー(LIAR)メモリ 〜
DETA:ー TOP SECRET ー
<2011/07/18 23:18 ロンギヌス>
消しゴム
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