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〜王の資格は 決戦編〜 − 旧・小説投稿所A

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〜王の資格は 決戦編〜
− 紫炎の孤狼 −
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お勧めMUSIC:『giant strong hold』
今回はちょいグロあり
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トマ「…ソウル…ブラストォ!!!」

本物のルギア以上の力を絞り出し、エアロブラストの十倍…いやそれ以上の
旋風を巻き起こすトマート。今やリオレウスの相手をしているのは、彼だけだった。

レウス「ほう…面白い…」

トマ「(これ効かなかったら…帰ろう…)」

トマートの望みを託した一撃は、残念にもレウスに直接ダメージは与えられなかった。
しかしその爆発的な嵐は、レウスの翼へと命中した。

レウス「くっ…おのれ…!!」

風の塊を受け、レウスはバランスを崩す。背中で千畝達が争っているにも関わらず、
安定させるため体をグラッと傾けた。


千畝「ちっ…トマートとかいう奴か…」

楓「・・!!」

レウスの鉄のような皮膚の上で、全員が急に足場が揺れてよろめく。特に飛行能力の
ない千畝はズルッと滑り落ち、辛うじてナイフや妖力で体勢を保っていた。


レウス「すまない千畝…怪我をさせたか…?」

千畝「いいや、大丈夫だ。だがあのルギア姿の奴…早いとこ仕留めてくれ…」


それが兵力差が1対3で闘う千畝の願いだった。ネージュ、楓、イートス…その全員を
倒して生き残れば、未来にはリオレウスと共に生きる道もあるのだ。

千畝「レウス…闘いが終わったら…」

レウス「…何だ?」

千畝「い、いや…後で話そう。」

千畝に自由に話す時間などあるはずもなかった。ネージュの掌から氷の粒が
生み出され、硬そうな弾丸へと変わっていたのだ。急いで主戦力のメモリを、
腰にセットする。


ガチャン…
『FACTORY__マキシマムドライブ(MAXIMUM DRIVE)!!!』

五秒とかからずに、最高性能の火炎放射器が製造された。白く燃え上がる炎を
吐き出させ、真っ先にネージュに向ける。



ヒュゴォゥゥ…パキッ…ピキッ…パキン…
ボシュッ…シュゥゴォォオオ…!!

ネージュ「いい物造ったじゃない…♪ どうなるかは知らないけどね…」

キラキラとクリスタルのように輝く弾丸。無数のそれらを、ネージュは一斉に
撃ち放つ。それと同時に千畝も放射器のスイッチを入れ、巨大な炎の渦を作りだした。
まるで巨大な盾のような火の壁に向かって、ネージュの氷弾は突き進んでいった。




ボゥン! ボゥン! ボシュッ!!
ジュゥ…


ネージュ「・・・・へぇ・・」

千畝「…フン…」

灼熱の炎を突き抜けたものの、氷の弾はすぐに水蒸気となって消えてしまった。
流石に氷が、科学によって強化された炎を破るのは無理があったようだ。


タッタッタッタッタッ…!!!

千畝「次はお前か…?」

熱ではなく妖気の炎を纏わせて、楓が牙を剥いて走って来る。千畝は火炎放射器を
そちらに向け、再度スイッチを押そうとした。しかし…



ヒュン…ヒュン…!!
…ドグァアアアン!!!!!!!!!

千畝「チッ…貴様…」

イートス「邪魔させてもらうよ、いくら凄いメモリを持っていようとね。」

楓よりも速くイートスがたどり着き、火炎放射器を蹴り飛ばした。
新しい武器を造る時間もなく、千畝の肩に楓の鋭い牙が襲いかかる。


グァッ…ガブッ…!!!

千畝「ぐああぁっ!!!」

楓の顎から逃げられず、思わず耳を塞ぎたくなるような悲鳴を上げる千畝。肩を
食い破られる痛みに歯を食いしばり、腰スロットに入れたままのメモリを再び叩いた。


千畝「このっ…離せ…!!」

ガチャン…『FACTORY__MAXIMUM DRIVE!!』

イートス「あっ…楓さん危ない!!!」



イートスの叫び声は、ほんの一足遅かった。
脇に銃を挟んだ千畝が、容赦なくその
引き金を引いたのだ。硬い鉄の弾丸は楓を簡単に突き抜け、空へと飛んでいった。



千畝「炎の身体… き、効かないのか…!?」

楓「少し痛みは辛いのだがな…」

全身をメラメラと燃える紫の炎と化した楓。
彼は妖気を大量に使い、一時的に
斬ろうが煮ろうが死なない体になっていた。銃弾で胸に風穴を開けられても、
顔色一つ変える様子はない。

千畝「くそ…」

対抗しようのない炎の肉体を前に、千畝は力づくで牙から牙を離させた。生々しい血を
ポタポタと垂らしながら、予想外の力を持つ彼らを睨む。




<2011/06/01 20:19 ロンギヌス>消しゴム
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