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【保】敵討ち - 旧・小説投稿所A
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【保】敵討ち
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日もどっぷりと暮れ、すっかり暗くなった森の中。
そこにはあの少女と黒竜がいた。
「私はここで待っている。敵討ちが上手くいくことを祈ってるぞ」
少女が黒竜に言う。
今の台詞から分かるとは思うが、少女と黒竜は既に中身が入れ代わっている。
「本当にありがとうございます。ここまでしてくださったのですから、必ずや果たしてきます」
黒竜となった少女はバサッと翼を広げ、夜空へと飛び立った。
城は街のど真ん中にあるので、どう気を付けて近づこうが必ず誰かに姿を見られることになるだろう。
だが仮に見られたところでそれが何だというのだろうか。
馬よりも速いスピードで飛び、並大抵の攻撃では傷つけることすら難しい堅牢な鱗を持つ竜を誰が止められようか。
市民たちはせいぜい『竜が飛んでいる!?』と驚くのが関の山だ。
彼女は憎き王の住まう城に向かっていっそう力強く羽ばたいた。
それと同じ頃、城のやぐらで警戒にあたっていた兵士はこちらに向かってくる『何か』に気付いた。
「ありゃ何だ?」
兵士はじっと目をこらす。
そしてそれが漆黒の鱗を持つ竜であると気付いたときは、もう手遅れだった。
「敵し――」
やぐらのすぐそばを竜が猛スピードで飛んでいったために、その衝撃でやぐらは崩れ去った。
少女は城の中庭にあまり減速することなく降り立つ。
その衝撃に気付いた兵士たちがわらわらと出てきたが、竜の姿を見て絶句した。
だが少女の頭にはあの憎き王への復讐しかない。
「確か王の間は……」
少女は兵士たちなどお構い無しに城の壁を破壊し始めた。
「あ、あいつを止めろ!」
兵士たちは慌てて竜に飛び掛かる。
だが体格差が圧倒的すぎてどうにもならず、それどころか飛び掛かったことによって少女に兵士の存在を認識させてしまった。
「邪魔をするな!」
少女は兵士たちに尻尾を振るった。
飛び掛かった兵士たちはあっさりと吹っ飛ばされ、それを見た他の兵士たちはジリジリと竜から後退し始める。
少女は再び壁を壊し、自分が入れるほどの穴が開いたところで城の中へと侵入した。
竜の巨体からしたら城の天井はあまりにも低く、破壊しながら王の間へと突き進む。
使用人やメイドなどが腰を抜かしていたのだが、少女の目には入らなかった。
だが崩落してくる天井や壁の下敷きとなったり、竜に踏み潰されたりと多くの者たちは悲惨な運命をたどった。
そのうち少女は城の大広間に到達した。
大広間はその名の通りとても広い部屋で、天井も高い。
竜の体でも自由自在に動き回れるほどだ。
「止まれ!邪悪な黒竜め!これ以上の狼藉は許さんぞ!」
大広間には鎧を身に纏った騎士たちがいた。
少女は最初は強行突破を試みようと思ったのだが、足が止まった。
騎士のうちの一人が身に纏っていた鎧に見覚えがあったからだ。
それは目の前で自分の両親を殺した騎士が着用していたものだった。
はっきりと覚えてる。
少女の中で怒りが急騰した。
「今から正義の鉄槌を下してやるから覚悟しろ!」
騎士団の団長が声を張り上げる。
ふざけるな。
何が正義の鉄槌だ。
それが下されるのは――
「貴様らだ!」
少女は炎を吐いた。
まさに地獄の業火とも言うべき赤黒い炎が騎士たちに襲い掛かる。
大広間に騎士たちの断末魔の悲鳴が響き渡った。
だが運良く、いや、運悪く炎から逃れた騎士がいた。
少女の両親を殺した騎士である。
<2011/12/09 22:20 とんこつ>
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