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【保】敵討ち − 旧・小説投稿所A

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【保】敵討ち

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薄暗くて不気味な雰囲気が漂う森の中。
人間はおろか獣たちの気配すらしないそんな場所に黒いローブを身に纏った少女がいた。
彼女の目の前には複雑な魔方陣が描かれており、彼女は一心不乱に何やら呪文を唱えている。
すると次第に魔方陣が光だし、光は強さを増していく。
そしてまるで雷が落ちたかのような閃光が彼女の視界を奪った。

「私を喚んだのは、お前か?」

頭上から聞こえてくる声に彼女ははっとして目を開ける。
彼女の目の前には、竜がいた。
漆黒の鱗を持つ、屈強そうで巨大な竜が。

「はい、そうです。実は貴竜(あなた)に折り入ってお願いしたいことがあり、召喚いたしました」

「願い、か。一体何だ?大抵の望みなら叶えてやれる自信はあるが」

黒竜の言葉を聞いた彼女は静かにこう答えた。

「……復讐です。貴竜にあの憎き王を殺してほしいのです」

「なるほど、復讐か。……野暮だとは思うのだが、どうして復讐をしようと思い立ったのか聞かせてはくれないだろうか?」

すると少女はポツリポツリと話し始めた。



<2011/12/09 22:19 とんこつ>消しゴム
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