2
竜は笑っていた。
目の前のドワーフは自分におびえ震えている。
その事実が竜にとっては愉快であり、また食欲もそそる。
「まずはその邪魔くさい鎧やら、服やらを脱いでもらおうか。」
ドワーフが唇をかむ。うつむき、立ちつくしていたが、それもほんの少しの間である。
鎧の留め具に指をかけ、ゆっくりとひとつずつはずしていく。
「後ろの連中にも手伝ってもらったらどうだ?」
「……いいよ。俺一人で脱げる」
言いながらドワーフは、少し手を早めた。
着々と防具が外れるにつれ、茶色い毛皮に覆われた素肌があらわになる。
まだ未熟な、丸みを帯びた小柄な体躯。
獣臭さが少し混じった子供っぽい匂い。
竜の腹が鳴る。ドワーフが音の源をちらりと見たが、すぐに眼を地面に落とし、努めて鎧に集中しようとする。
指が震えていた。
竜はもう堪えきれなかった。
それまで腹ばいになってドワーフを見下ろしていたが、ぐっと首をのばす。ドワーフに鼻を近づける。
ぎょっとして、ドワーフが手を止める。
「ああ、気にするな。続けろ」
ドワーフは何も言わず、止めた手を再び動かし始める。眼をぎゅっと閉じうつむいて、巨大な頭をなるべく見ないようにしながら防具を脱いでいく。
股に挟みこまれた尾を見て、竜は声を出さずに笑った。そして鼻孔を広げ、ふんふんと鼻を鳴らしながら子供くさい匂いを楽しんだ。
防具は脱ぎ終わった。毛皮をなぶる巨大な鼻息に震えながら、ドワーフは黙々と服を脱いでいく。
シャツまで脱ぎ上半身が丸裸になったところで、竜の右前足をがドワーフの背をおさえた。
掌に収まりそうなドワーフの短躯をつかみ、仰向けに引き倒す。
ドワーフが眼をつぶったまま体をこわばらせる。一瞬もがこうとするが、観念しすぐにおとなしくなる。
竜は顔を近づけ、もう一度丹念に匂いを嗅ぐ。牙の隙間から、赤い舌がのぞいた。
クラッズが手で顔を覆った。
腹、胸、首筋。
震えるドワーフの体を、竜の舌先が順になめあげていく。
手の中から、時たま小さな唸り声が聞こえたが、竜は無視し、ゆっくり味をみていった。
おしまいに眼尻にたまった涙を舐めとってやると、口に残った塩味の余韻を楽しみながら、ドワーフの顔を覗き込んだ。
ドワーフは竜を睨みつけていた。
牙をむき、半ばべそをかきながら、憎悪の表情で竜を見つめている。
その表情と、あとはさっき味わった柔らかい肉の舌ざわりに満足し、竜はドワーフを離した。
ドワーフはのろのろと立ち上がり、竜の方は見ようとせずに、唾液でべたつく手をズボンにのばした。
その姿に竜が声をかける。
「ズボンはともかく、下着は脱がんでよい。仲間の前では恥ずかしいだろう?」
そして待った。
目の前のドワーフは自分におびえ震えている。
その事実が竜にとっては愉快であり、また食欲もそそる。
「まずはその邪魔くさい鎧やら、服やらを脱いでもらおうか。」
ドワーフが唇をかむ。うつむき、立ちつくしていたが、それもほんの少しの間である。
鎧の留め具に指をかけ、ゆっくりとひとつずつはずしていく。
「後ろの連中にも手伝ってもらったらどうだ?」
「……いいよ。俺一人で脱げる」
言いながらドワーフは、少し手を早めた。
着々と防具が外れるにつれ、茶色い毛皮に覆われた素肌があらわになる。
まだ未熟な、丸みを帯びた小柄な体躯。
獣臭さが少し混じった子供っぽい匂い。
竜の腹が鳴る。ドワーフが音の源をちらりと見たが、すぐに眼を地面に落とし、努めて鎧に集中しようとする。
指が震えていた。
竜はもう堪えきれなかった。
それまで腹ばいになってドワーフを見下ろしていたが、ぐっと首をのばす。ドワーフに鼻を近づける。
ぎょっとして、ドワーフが手を止める。
「ああ、気にするな。続けろ」
ドワーフは何も言わず、止めた手を再び動かし始める。眼をぎゅっと閉じうつむいて、巨大な頭をなるべく見ないようにしながら防具を脱いでいく。
股に挟みこまれた尾を見て、竜は声を出さずに笑った。そして鼻孔を広げ、ふんふんと鼻を鳴らしながら子供くさい匂いを楽しんだ。
防具は脱ぎ終わった。毛皮をなぶる巨大な鼻息に震えながら、ドワーフは黙々と服を脱いでいく。
シャツまで脱ぎ上半身が丸裸になったところで、竜の右前足をがドワーフの背をおさえた。
掌に収まりそうなドワーフの短躯をつかみ、仰向けに引き倒す。
ドワーフが眼をつぶったまま体をこわばらせる。一瞬もがこうとするが、観念しすぐにおとなしくなる。
竜は顔を近づけ、もう一度丹念に匂いを嗅ぐ。牙の隙間から、赤い舌がのぞいた。
クラッズが手で顔を覆った。
腹、胸、首筋。
震えるドワーフの体を、竜の舌先が順になめあげていく。
手の中から、時たま小さな唸り声が聞こえたが、竜は無視し、ゆっくり味をみていった。
おしまいに眼尻にたまった涙を舐めとってやると、口に残った塩味の余韻を楽しみながら、ドワーフの顔を覗き込んだ。
ドワーフは竜を睨みつけていた。
牙をむき、半ばべそをかきながら、憎悪の表情で竜を見つめている。
その表情と、あとはさっき味わった柔らかい肉の舌ざわりに満足し、竜はドワーフを離した。
ドワーフはのろのろと立ち上がり、竜の方は見ようとせずに、唾液でべたつく手をズボンにのばした。
その姿に竜が声をかける。
「ズボンはともかく、下着は脱がんでよい。仲間の前では恥ずかしいだろう?」
そして待った。
11/11/21 05:33更新 / ベンゼン