テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル


■戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 最新50  

【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合9

1 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 10:41:43 ID:FDYpLMNB
おう、ここは「ゼロの使い魔」「グリーングリーン」に代表される、
ヤマグチノボル氏の作品のエロパロを書くスレだ。
荒らし、それに反応するやつは俺様が叩き切ってやる!
お前らの心の震えで、SSを書き起こせ!
あと、次スレは480KBか、970レスを過ぎたら立ててくれ。

前スレ
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合7
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1162705335/

過去スレ
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合6
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1160901342/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1159793943/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1158503087/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1157554499/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1156100259/
【グリグリ】ヤマグチノボル総合【ゼロの使い魔】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1141803280/

まとめサイト ゼロの保管庫wiki
http://wikiwiki.jp/zero/

2 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 10:45:56 ID:QiOVKJ16
おつ

3 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 10:46:14 ID:E9lV0fwF


4 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 10:50:34 ID:FDYpLMNB
前スレ
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合8
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1164035310


これ貼るの忘れてた


5 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 12:58:19 ID:UxqpYmiC


6 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 15:05:29 ID:0jfEoTov
乙でございました

7 名前:名無しさん@ピンキー ◆TOaN/1ZFoQ :2006/12/07(木) 15:24:59 ID:4/MAqL/v
>>1
今回早めな登場だね。

8 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 15:30:22 ID:O+ov8yvH
乙。

9 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 15:58:42 ID:LF8iE+ix


10 名前: ◆mitty.ccnw :2006/12/07(木) 17:05:24 ID:y3O6w0rD
>>1 乙ですー。
前スレ埋めも兼ねて投下しようと思ったら容量足りないっぽいのでこっちに。

11 名前:二度目の夜は。 ◆mitty.ccnw :2006/12/07(木) 17:06:09 ID:y3O6w0rD
昨日のルイズは可愛かったなぁ…。
拝啓、地球のお母さま。不肖平賀才人は、はれて男になりました!
最初は犬とか蔑まれてたけれど、ついに昨日は…っ。
しかし…あれが女の子だったんだなぁ…。なんてすばらしいんだっ。
「…にやにやして気持ち悪いわよ」
あ、いつの間に。
記憶の中でルイズの肢体を堪能していると、ホンモノが帰ってきていた。
「お、お帰り」
椅子から立ち上がろうとして、生理現象に気づく。しまった、今立ち上がったら確実に気づかれる。でも、座ったままなのも変だしルイズの気を逸らさないと。
「きょ、今日は調子はどうだった?」
こういうとき必ずどもってしまうのはどうにかして欲しい。ほら、ルイズも変な目で見てるし…。切ない。
「ほ、ほら。昨夜のことがあるから…。体なんとも無い?」
はっとした風に赤くなる。多分俺の顔も。
「もうあんまり痛くは無いけど…。ちょっと何かが挟まったような感じは残ってるかしら」
「そうなんだ。…ごめんな?」
「…謝るようなことをしたと思ってるの?」
「や、そういうわけじゃないけど」
そこまでいうとルイズはふっと笑う。あ、からかったな。
「それより、夕飯食べに行きましょ」
「お、おう」
息子もおとなしくなったことだし。

12 名前:二度目の夜は。 ◆mitty.ccnw :2006/12/07(木) 17:06:41 ID:y3O6w0rD
「ツェルプストーのやつぅぅっ!」
「そ、そんなに怒るなよ…」
サイトはそう言ってなだめようとするけど、怒ってるというより恥ずかしいという気持ちのほうが強かった。
そ、そりゃサイレント掛けるのを忘れて睡眠の邪魔をしたのは悪かったとは思うけど…よりにもよってみんなの前で言うこと無いじゃないのー!!
しかもなによあの言い草。「サカリのついた」って、あ、あんた自身のことでしょー!!
「…俺はどっちかって言うと誇らしかったんだけどな」
「どーゆーことよ!」
矛先をサイトに向ける。
「や、だって名実ともにルイズは俺のものだーってみんなに…ゲフッ」
「どっちの立場が上なのかもう一度その体に教えないといけないのかしらね、犬?」
「ちょ、そこまずいって、待てよルイズっ」
股間をかかとでぐりぐりすると、しばらくしてサイトはおとなしくなった。
「はぁっはぁっ、お前はいっつも俺の切ないところを…」
「ふ、ふんだ。ふざけたことを言った罰よ」
もう他人でもない関係なのに、どうしても素直になれないのがわたし。きっともうずっとそうなのかもしれない。
「おまえなぁ…」
半分あきれた目でサイトが見ている。素直なときは可愛いのに…なんて聞こえたけれど、はっきり言ってくれないから聞こえないふりをする。
「誰が立ち上がって良いなんて言ったの?」
「ちょっおいっ!」
起き上がろうとしたサイトをそのまま足で押さえる…って、なんかさっきと感触が違うんだけど。
「…犬?」
「しょ、しょうがないだろ…」
「あ、足蹴にされて大きくするなんてほんと変態なんだから」
「ご、ごめんなしゃい」
あ、落ち込んだ。もう、仕方ないわねぇ…。
「…昨日あれだけしたのに、まだ足りないの?」
男の子は毎日でもしたいものらしい。モンモランシーがそういってた。わたしだって気持ち良いのは好きだし、昨日だって入れるまではその…ってなに考えてるのよわたし!
「し、仕方ないだろっ。昨日のことを思い出したらその…」
じーっと熱い視線を注がれる。もう、その目は反則だって言ってるでしょっ!
「わ、分かったわよ。ほら、さっさとベッドに行きなさいよ」
…ほんとは、わたし自身もちょっとは期待していたのかもしれない。

13 名前:二度目の夜は。 ◆mitty.ccnw :2006/12/07(木) 17:07:17 ID:y3O6w0rD
「まだ痛いんだろ?」
「そのうち慣れるわよって、モンモランシーは言ってたけど…」
そういえば、モンモランシーはなんであんなに詳しいんだろう。…結婚するまで許さないとか言ってたけれど、そう思うとすごく怪しい。
サイトに頼んでギューシュから聞き出してもらおうかしら…って、それじゃ噂好きのモンモランシーと変わらなくなっちゃうわ。
「ルイズ?」
「う、うん。多分まだ入れると痛いと思う…」
「そっか…」
あ、残念そう。そんなに気持ち良いのかな…わたしの中。昨日は痛みでそれどころじゃなかったから、サイトがどんな様子だったかまではよく覚えていない。一生懸命な声でわたしの名を呼んでいたことだけが印象に残っている。
「うーん。なぁルイズ」
「なぁに?」
「その…とりあえず、脱がしていい?」
そう言って太股に手を置く。
「…恥ずかしい」
肌を重ねたとは言っても、あまつさえサイトの…おっきいので…されてたりはするけど、急に恥ずかしくなくなるわけじゃない。
「いやその、大丈夫なのか確認しないと」
そんなことを言ってはいるけれど、鼻息を荒げて視線を揺らしているから単に見たいだけなんじゃないかって気がする。
けれど、口を開こうとしたら先を越されてしまった。
「それに、…見たいんだ。昨日は焦ってて、あんまりルイズのこと見れなかったから…。全部知りたいんだ」
ずるい。サイトって、いつもは頼りない癖にこういうときだけはわたしの逃げ道をふさぐのが本当にうまい。
キスされたり、抱き締められただけで「ま、いっか」って思ってしまうわたしもわたしだけど。
「…いい?」
押し黙っているわたしを肯定と受け取ったのか、サイトはショーツのふちに指をかけて下ろし始める。
「ルイズ、腰を上げて」
どうしても恥ずかしいからそっぽを向くけれど、ひんやりしたシーツの感触がもう何も隠してくれるものが無いことをわたしに知らせる。
突き刺さるようなサイトの視線を感じる。
「綺麗だ…」
今日はランプが付いたまま。そう思うともうどうしようもなく恥ずかしくて、両手で顔を覆ってしまう。
「顔見せてよ、ルイズ」
サイトは残酷だ。わたしが恥ずかしがっているのを知っているのに…。
「ルイズの、可愛い顔を見せて」
そう言いながらわたしの手をのけると、サイトは優しくキスしてきた。

14 名前:二度目の夜は。 ◆mitty.ccnw :2006/12/07(木) 17:08:06 ID:y3O6w0rD
昨日の痕跡が特に残っている風も無く、そこはランプの光を受けて妖しく光っていた。
こんな綺麗なところに俺のが…。
甘美な感触の記憶が、指をそこに引き寄せる。
「サ、サイト?」
ルイズが不安げな声を上げる。でも、ちょっと意地悪して返事をせず指を動かす。
「あっサイトぉっ。恥ずかしいよ…」
触り続けると、ルイズが可愛い声を上げる。それが嬉しくて、もっと声を聞かせてと言うと逆に黙ってしまった。
さて、どうしよう。
だいぶ湿ってきているし、ほんとならもう張り裂けそうになっている自分自身をすぐにでも入れたいところだけれど、慣れてないルイズにそんなことは出来ない。…昨日はルイズのことまで気にかける余裕が無かったけれど、多分相当痛かったと思うし。
今日は幾分余裕のある頭でそんなことを考えていると、ひとつ天啓がひらめいた。
いいぞ、これなら痛くないだろうし。…それに、ルイズがどんな風に乱れてくれるか、見てみたいし。
急に頭をもたげてくる、ぞくぞくするような誘いのままに俺は添えた両手でそこをゆっくり広げて…。
そして、そっと口づけた。

「ひゃぅっ!」
な、なに今の…。サイトが一体何をしたのか確認しようと下を向くと、サイトはわたしのあそこに顔を…。
「あうぅっ、ああっ!」
なぁ…なあにこれぇっ…舌っ!?
ぬるっとした何かが、這うようにしてわたしのあそこを嬲る。
視界の端にサイトの頭をとらえながらも、わたしからはどんどんそれを認識する力が無くなっていった。
背中をびりびりしたものが昇ってきては、頭の中を白く染めていく。靄が掛かったように、だんだんと何も考えられなくなっていく。
それなのに…あそこを優しく愛撫するサイトの舌の感触だけはますます鋭くはっきり感じ取れるようになって、まるで楔でも打ち込んだかのようにわたしの意識をつかんで放さなかった。

15 名前:二度目の夜は。 ◆mitty.ccnw :2006/12/07(木) 17:09:01 ID:y3O6w0rD
むにむにとした柔らかい肉の感触が堪らない。吸い付くように唇を動かすと産毛がしょりしょりと当たってきたけれど、それすらも不思議と心地良かった。
本能の赴くままに、唇全体で女の子を堪能する。割れ目に沿って舌を上下させるとルイズの嬌声はますます大きくなって、俺の燃え盛る劣情に薪をくべた。
「あっ、やあっ、サ、サイトだめえ、お願いやめてっ…んう」
何で女の子の声って、聞いているだけでこうも切なくなるんだろう。もっと聞きたい。
「だめっ、だめぇ…。あ、あああああっ!!」
気づけば、ルイズのそこは唾液ではない別の「なにか」で洪水の様を呈していた。
次から次に溢れてくるその分泌液を、つい音を立てて啜ってしまう。

針のように鋭い快感が体を貫いて、ますますわたしから思考力を奪おうとする。
でも、それと同時に耳に届いた何かを啜る音が、今サイトが何をしたのかをわたしに認識させる。
「や、やああ」
サイトがわたしのを吸っている。身を焦がすような羞恥から発したその声は、しかしサイトの動きを止めることは無かった。
ただ、さっきから遠くに聞こえている誰かの喘ぎ声が、他でもなくわたしの口から発せられていることに気づかせてくれただけだった。
もう声を上げているという意識すらなかったのだ。

音を立てて愛液を啜っていると、ルイズがだんだんと体を強張らせてきた。両膝が少しずつ閉じようとしている。
でも、まだまだこんなところで許すつもりは無い。二回目にしてはやけに落ち着いている自分にちょっと驚きつつ、次の手を考える。
月並みな表現だけど、ルイズを天国に連れて行くまで止めないつもりだ。
閉じようとする両膝を手で押さえると、逆に上に向かって押し上げる。何だっけ、M字とかいうんだっけ。
頭の中に変に冷静な部分があって、要らぬ解説を加えようとする。…日本に居たときに、年相応にそういうの観てたからなぁ…。昨日はあんまり役に立たなかった気がするけどっ。
ルイズを膝立てさせたまま、一度顔を上げる。果たして、目の前には絶景が広がっていた。
息が苦しい。ルイズの呼吸も、かなり荒い。ひくひくと震える入り口が目に入る。次はそこか…。
少し息を整えると、今度はもっと深く責めるために入り口に向かって顔を寄せていった。

16 名前:二度目の夜は。 ◆mitty.ccnw :2006/12/07(木) 17:09:34 ID:y3O6w0rD
何かが入ってくる感触に、本能的に身構える。でも、昨日のサイトのとは違う。もっと柔らかい…。
そこまで意識したところで、それがうねる様に蠢いた。
「はぁっ!?ら、らっめぇええっ。そこらめなのぉぉ」
入り口の浅いところで何かが這うような、ぬめぬめとした快感がわたしを責め立てて、思わず膝を思いっきり閉じてしまう。
間に挟まれたサイトから抗議の声が上がった気がするけれど、それを確認する余裕はもうとっくに無かった。
入っている部分は昨日よりずっと浅い。快感もさっきよりも少し薄くなったような気もするけれど、それ以上に体の内側を舌で舐められているという事実が、深くわたしの心を焼いた。

舌だからそんなに深いところまで入れることは出来ないけれど、それでも動かすたびに締め付けてくる感触がぞくぞくして堪らない。
ルイズが何か言っているけれど、呂律が回っていないからもうほとんど何を言っているのか分からない。まぁ、限界が近そうだということだけは分かるけど。
足に挟まれて顔を動かすのが難しい。太股の感触自体はとっても気持ち良いけどね。
…そろそろとどめかな。
両手を鼻の辺りに持ってくると、顔を覗かせていた突起を完全に開放させる。
「んんーっ!!」
ルイズの腰が跳ねる。閉じようとする足により強く力が入る。と、今度は両手で頭を押さえられた。
「むぐっ」
幸い、顔の角度を変えることは出来たから問題なかったけれど、ちょっとばかし息が出来なくなって窒息しかける。こんなところで死ぬなんて嫌だぞ。
…まぁ、ルイズの両足に挟まれてるこの状況も、この世の天国といえるかもしれないけど。
そして、仕返しとばかりにとどめのそれに吸い付いた。

もう訳が分からなかった。反射的に手を伸ばしてサイトの動きを止めようとしたけれど、送り込まれる快感は収まらなかった。
そして次の瞬間…。息が止まるかと思った。何なのこれ。何なのっ?
遠くのほうに何か見える。ちかちかして…お星様みたい…。そっか、わたし星になっちゃうんだ…。
「あ、ああっ、あああああああっ!」
絶叫のように響き渡る声を残して、わたしは気を失った。

17 名前:二度目の夜は。 ◆mitty.ccnw :2006/12/07(木) 17:11:25 ID:y3O6w0rD
ルイズの体が波打ったかと思うと、急に押さえつけていた手の力が抜ける。
…逝ったのかな?
見ると、荒い息をしながら、揺り返しなのか時たま体を震わせている。
「ルイズ?」
返事が無い…。どうやら失神してしまったみたいだ。
「…そんなに良かったなんてなんだか嬉しいなぁ」
呟いてみるけれど、やっぱり反応が無い。普段のルイズなら何かしらの文句があるところだけど…。
「おーい、大丈夫か?」
揺すってみると漸く目を開いた。目のピントがだんだんと合ってくる。
「!!!」
そばにあった枕で顔を隠してしまう。でも、隠しきれてない耳が細かく震えているところをみると、怒っているというより恥ずかしいだけのようだ。良かった。
「気持ちよかっただろ?またしてやるよ」
「し、知らない。知らないんだからっ!」
「お、おい…」
ぼす、ぼすっと枕で殴ってくるけど、全然力が入ってないから痛くないし。しばらくそうしていると、そのまま枕を抱えてむーっと膨れている。
よしよし、そうむくれるなって。
「もう…。信じらんない。あんなところ舐めるなんて…。き、汚いわよっ」
「ルイズに汚いところなんて無いよ」
ごめんなさい、言ってみたかったんですこれ。
「ば、馬鹿…」
真っ赤になってる。うう、可愛いなぁ…。ぎゅーっと抱きしめると、ルイズはちょっと苦しそうに身じろぎして、はたと動きを止めた。
「サイト?」
「うん?」
「サイト、まだ出してないよね?」
えっと、…股間のあれを気づかず当ててしまったようです。
「わたし我慢するから、…サイトも気持ちよくなって?」
「う、うーん…」
その申し出は願ったり叶ったりではあるんだけど…、まぁ、慣らすって意味でも…。
「!!!サ、サイトっ!」
「な、何だよ!」
何だか嫌な予感が…。
「その、今度はわたしが…舐めてあげるって言うのは?」
ぐはっ。


蛇足

「あらヴァリエール。…ふふ、聞いたわよ、昨夜もお楽しみだったみたいね」
「なっ!?ななな、なんで知って…」
「残念ね、いくらサイレントを使ってもねぇ…当人がばらしてたんじゃ、どうしようもないわね」
「えええっ?」
「水精霊騎士隊のみんなにサイトが連行されていたから、なんだろうと思ってあとで聞いてみたら…。いやねぇルイズ、一体どこで覚えてきたの?」
「い、犬ー!!」
「あ、ちょっと!…まったく、いい加減隠すことも無いと思うんだけど。ねぇ、フレイムー」
続かない。(多分)

18 名前: ◆mitty.ccnw :2006/12/07(木) 17:13:19 ID:y3O6w0rD
口淫好きなんです、嫌いな人ごめんなさい〜。
それにしても、才人がやっぱり才人じゃなくなってしまうのはどうしたもんだろうか。やけに手馴れてる感があるし。

サイレントは風魔法なのでルイズは使えるはず無いのですが、後になってそのことに気づいて削るのも勿体無い気がしたので。
#ってか、サイレントって自分の周囲の音が全て聞こえなくなるんかな…。音が漏れなくなるとかじゃなくて。

お目汚し失礼しました〜。ではでは。

19 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 17:46:38 ID:LIx8X8iM
>>18
GJ
フェラは嫌いじゃないけど俺は逝けないなぁ

20 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 17:50:11 ID:TN58C3BK
>>18
GJ!
エロければ多少のことは気にしないし気にならない♪

21 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 19:37:39 ID:wImV6u6v
>>18
ハラショースパシーボゼールグート!
知識先行型で興奮メーター振り切れると変に冷静にテクを使えることもある。
自分の欲求に追い立てられない分相手の反応しっかり見たくて、んでその反応をネタに知識を敷衍していくわけで。
まあ問題なし。

>>19
自慰しすぎ。 力入れて握りすぎ。
しばらくオナ禁or亀頭だけ撫でて刺激するので済ませるべし。


22 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:47:10 ID:3TGDMsKh
>>21
kwsk

シエシエに亀頭イジられるSS有ったけど、
つらいん?
あれって



23 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 21:57:15 ID:BBUYG70Y
なにぃ!?亀頭いじめだと?
ドMの俺には最高のシュチュエーションじゃねえかあ

24 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 22:10:08 ID:kzVKWFwy
尿道と前立腺も頼む!いやさ!いっそのこと俺の貞操を奪ってくれ!

25 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 22:54:03 ID:O+ov8yvH
凄く下らない事なんだが。

ルイルイ
シエシエ
アンアン
きゅいきゅい

…うん。きゅいきゅいが一番だな。

26 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 23:05:56 ID:cJWqcrEQ
…きゅいきゅいって鳴き声じゃないのか?

27 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 23:10:51 ID:Rda2nCg4
だって名前からとったら「シルシル」に…

28 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 23:16:22 ID:cJWqcrEQ
モンモン忘れてた…


最近になって、モンモラシーがなんでお漏らししてたって言われたか気づいたよ…

29 名前:261のひと:2006/12/08(金) 02:14:13 ID:7bzMhz3E
>>1さん お疲れさまです。
http://wikiwiki.jp/zero/?5-637
と前スレの 598-601 の続きです。

保管庫の更新も、投下も滞り気味……ごめんなさい、がんばるです。

30 名前:1/11:2006/12/08(金) 02:14:53 ID:7bzMhz3E
俺の目の前にはルイズの頭が覆いかぶさっていた。
柔らかい髪をそっと触りながら、俺の方に抱き寄せる。
キスすると見せかけて近づけた唇を、そのまま首筋に当てる。
自分の頭と反対の方に手を回し、ルイズの頭を固定する。
キスを期待していたルイズは、不満気に俺を抱きしめた。
(そろそろ……か……)
サイトの期待通りズボンが引っ張られ、大きくなったモノが空気に晒される。
シエスタだ……
あれ以来じゃれ合うときには必ずシエスタに抜いてもらう。
もちろん、ルイズに気付かれない様に。
もうすぐ……そう考えた瞬間、暖かいものが……シエスタの口がサイトを包み込む。
声が漏れないように、ルイズの首を舐め上げる。
サイトを独り占めしている……そう思っているルイズがサイトに身を任せる。
自分は動かずに、サイトの愛撫のみを受ける……好都合な事に。
シエスタはサイトの先端のみを咥えたまま、舌先でカリまでを執拗に舐める。
快感のために荒くなる息を抑えながら、ルイズの胸を摘む。
一瞬ルイズが息を呑むが、これ位で声が出ないことは知り尽くしていた。
全身の神経が股間に集中するなか、シエスタは飲み込む位置をゆっくりと進める。
シエスタの与える快感から逃れようと、ルイズの愛撫に没頭する……
没頭しようとしていた。
不可能だった。
何度もの練習の末、シエスタは俺を根元まで飲み込む事が出来るようになった。
うねる様な暖かい感触が、全体を包み込む。
シエスタの苦しげな息が、俺をさらに興奮させる。
喉の奥で俺を締め付けながら、舌全体で裏筋をなぞる。
(やばい……)
次に来る行動は分かっていた。
薄目を開けてルイズの唇を捜し、慌てて吸い付く。
うれしげにルイズが喉を鳴らす。
激しく情熱的に……サイトに求められた……その喜びの為に。
シエスタの口が、今度は俺を吐き出していく。
音を立てないために緩慢な動きで。
ただし……強く吸い上げながら。
一瞬でも長く楽しむために、ルイズの唇を貪る。
狂ったように吸い上げる俺に舌を任せる。
一番気持ちいいところでシエスタの口が止まる。
一息ついて、ルイズの唇を楽しむ。
またしばらく、口の中で舌におもちゃにされる。
その間も俺を高めるために、シエスタの手は俺の袋を撫で擦る。
いつ逝ってもおかしくないそんな状態のまま、限界点でシエスタに弄ばれる。
シエスタの頭を掴んで、無理やり動かしたい衝動に駆られる。
ルイズが居なければ……最近はそんなことすら考えてしまう。
シエスタがまた俺を責め始める、俺もまたルイズに逃れようとするが……
俺が果てる場所を調整したらしいシエスタは、喉の奥で熱いモノを受け止める。
大量の精を嚥下する音が、自分の身体越しに聞こえる。
心地よい快感に脱力しながら、惰性でルイズを責める。
毎日シエスタを可愛がっている成果で、勢い良くルイズが登りつめる。
シエスタはその間、丁寧に俺を舌で清める。
ツボを知り尽くした動きに、俺はまた硬くするがあっさりとズボン仕舞い込まれる。
(後で……)
こんなにあっさりと止めたことを、シエスタに詫びさせることに決定。
シエスタと二人きりになるのが、とても楽しみだ……
(さっさと終わらせるか……)
シエスタに目で合図する、音もなくルイズの背後に回りこむと、俺の手助けを始める。
ルイズが……声を出すまで……
いや、声が枯れるまで絶叫するのに、そんなに時間は掛からなかった。

31 名前:2/11:2006/12/08(金) 02:15:28 ID:7bzMhz3E
ここしばらく、ルイズは毎日ご機嫌だった。
「もーサイトったら、急に情熱的になるし……最近上手よねっ?」
浮かれた様子のまま、唯一この話題で盛り上がれる相手シエスタに話しかける。
「……そうです……ね」
弱々しく微笑みながら答えるシエスタに、ルイズの胸は罪悪感で一杯になる。
サイトの愛撫が自分に集中していると言うことは……その答えがその表情だと、そう思った。
「ご、ごめん……シエスタ」
浮かれていた自分が恥ずかしくなって、しょんぼりと項垂れる。
慌てた様子のシエスタが、フォローに入るくらい落ち込んで見えたみたい。
「そんな、わたしも……そのっ、ちゃんと触ってもらいましたし……上手です……」
段々小さくなりながらも、わたしの問いに生真面目に答えたシエスタが何かに耐えるように、わたしを強く抱きしめる。
「ミス・ヴァリエール……可愛いから、つい集中しちゃうんですよ」
(シエスタの胸の中で聞いても……あんまり、説得力無いわねー)
こんなに気持ちいいんだもん、サイトがおっぱい好きなのよく分かるな……
自分の胸を見て切ない気持ちになる。
「ミス・ヴァリエール?」
自分の胸に手を当てながら、落ち込んでいるわたしに、シエスタが心配そうに声を掛ける。
「サイト……大きいほうが好きよね……わたし……そのうち、嫌われるかも……」
三人で眠るようになってから、ずっと感じていた不安。
だって、シエスタは可愛くて、優しくて……胸だって……
「そ、そんなことありませんっ」
びっくりするほど強く、シエスタが反応した。
わたしを優しく抱きしめていた手に、痛い位力がこもった。
「サイトさんは……いつも、いつだってミス・ヴァリエールを大切に……」
わたしの頬が何かに濡れる……涙?
慌てて見上げると、シエスタは泣いていた。
「ご、ごめんなさい、シエスタ」
今度はわたしがシエスタを抱きしめる……胸はないけど。
「シエスタは素敵だから、サイト……きっとシエスタの事も……ね?」
ご主人様も大事にしてくれるし……ちょっと位シエスタに貸してあげる。
シエスタは何かに怯えるように、わたしの胸にすがりつく。
わたしがサイトに嫌われるのが怖いように、きっとシエスタもそれがとても怖い。
不安に成っている時は、考えがどんどん悪い方に行く。
わたしはとてもよく知っていて、死のうとまでした事があった。
それを止めて、またサイトに会わせてくれたのは……
あの時のお返しが、少しでも出来ればいいのに。
そう思ってシエスタが泣き止むまで、抱きしめてあげる。
随分時間が経って、やっと少し落ち着いたシエスタにお茶をいれてあげる。
ちょっと失敗気味だけど……
「はい、シエスタ」
わたしが淹れたお茶を、驚いたように見つめる。
「失礼じゃないかしら?」
怒った様に詰め寄って、やっとシエスタが受け取ってくれる。
恐る恐る口をつけたシエスタが、やっと一言もらす。
「……美味しいです」
わたしも自分の分に口をつける……苦い。
「やっぱり、シエスタが淹れた方が美味しいわねー」
「でも……暖かいです」
「お湯で淹れたんだから、当たり前じゃない?」
変なシエスタ。
飲み終わったシエスタからカップを取り上げる。
「あ、わたしがっ」
慌てて立ち上がろうとするシエスタを押さえて、テーブルまで運ぶ。
「落ち込んでる時くらい……甘えてくれた方が嬉しいわよ?シエスタ」
そんな一言だけで、また泣きそうになるシエスタが可愛い。
「困ったことが有ったら、相談しなさいシエスタ……」
(その方が嬉しいじゃない)
声に成らなかったけど、伝わってるよね?
「あ、でもサイトのことは別よ?フェアに行きましょうね?」

32 名前:3/11:2006/12/08(金) 02:15:59 ID:7bzMhz3E
ミス・ヴァリエールに言えない。
『わたしサイトさんに、ほとんど毎日抱かれています』
優しいこの方を、毎日毎日笑顔で騙しながら……
あれ以来サイトさんは暇さえ有ればわたしを呼び出す。
ミス・ヴァリエールに悟られるないように、細心の注意で。
泣きながら、ずっとそう言いたかった。
慰めてくれる優しさが辛かった。
純粋な眼差しが痛かった。
優しい言葉がわたしを追い詰める。
この甘い地獄のような日々が、私を狂わせる。
毎日毎日身体を求められながら、サイトさんが一番優しく見つめる人を毎日見せ付けられた。
求められる身体は、毎日感度が増していくようで……
どれだけ自分を戒めようと、サイトさんに触れられるだけで容易く快感に溺れた。
多分サイトさんがわたしを求めているのは、身体だけ。
優しいサイトさん、大好きだったサイトさんの穏やかな目は、今私に向けられる事は無い。
「はい、シエスタ」
慣れない手つきでお茶を淹れてくれるこの方を見るとき……
その時だけ昔のサイトさんに戻る。
わたしと二人きりの時のサイトさんは……
「……美味しいです」
そんな一言だけで、嬉しそうに微笑む。
それだけで周りが華やぐ。
綺麗な綺麗なミス・ヴァリエール。
絶望に凍った、わたしの心に暖かい何かが注がれる。
「……暖かいです」
サイトさんがこの方を好きな理由がとてもよく分かる。
意地っ張りだけど、優しくて。
素直になれないけれど、寂しがり屋で。
ずっと側に居て欲しい、そんな人。
デモワタシハ、
「困ったことが有ったら、相談しなさいシエスタ……」
コンナ、ヤサシイコトバヲカケテクレルヒトヲ。
「あ、でもサイトのことは別よ?フェアに行きましょうね?」
ズット、ダマシテイル。
照れながらミス・ヴァリエールが立ち去った部屋で、わたしは一人泣き続ける。
……本当に一番辛いことは、こんなになっても、サイトさんが好きで。
ミス・ヴァリエールを、騙しても嫌われたくなくて。
いつか破滅すると分かっていても、何も手放したくない……卑怯なわたし。
こんな女じゃ……いつか……貴方に捨てられて当然ですよね……サイトさん。
その日を思うだけで、涙が止まらない。
いくら優しくても……許せる筈無いですよね……ミス・ヴァリエール。
その事を考えるだけで、心が切り裂かれる。
……本当は、気持ち良い事して欲しいだけじゃないのかしら? ……シエスタ。
自分の身体すら、自分の精神を裏切って苛んだ。

33 名前:4/11:2006/12/08(金) 02:16:35 ID:7bzMhz3E
毎朝起きて最初にルイズを見るのが好きだ。
一生懸命張られる虚勢が、強気の内側の弱気が、全ての仕草が愛らしい。
(あー俺って、ルイズが好きなんだよなぁ……)
その事を疑ったことすらない。
でも……
身体は毎日シエスタを求める。
その最中のサイトは、ルイズを邪魔に思うほど激しく。
シエスタの身体が気持ち良過ぎるのが、いけないんだよなぁ……
そんな勝手な事を思いながら、小さく溜息を吐く。
(最近、妙に抵抗するんだよなぁ……)
結局は抵抗し切れなくて、泣き叫ぶ様を見るのが楽しかった。
ルイズを好きなのは確かなのに、シエスタの身体に魅了されていた。
(俺って気が多いのかな?)
一度シエスタを抱いて以来、欲望に歯止めが効かなくなった。
廊下を歩いていたシエスタを、思わず空き部屋に引きずり込んだことすらあった。
抱くたびに違う反応がサイトを興奮させる。
回数を重ねるほどシエスタは自分に馴染んでいく、初めての時より気持ち良い程だ。
本当に嫌なのか? と、疑いたくなるほど必死に抵抗する時も、始めさえすれば思い通りになった。
(そういえば……今朝のお仕置き、何にするか考えてなかったな……)
シエスタに何をするのか、それを考える時が最近何より楽しかった。
(いいよな……シエスタは俺が好きなんだし……)
大好きなルイズと一緒に暮らす。
美味しいシエスタを毎日貪る。
(この世界に来てよかったなぁ……ルイズに感謝だ)
周りの目を気にして、何も考えてないフリをしながら、
内心はシエスタをどう可愛がるか考える。
有るか無しかの笑みを浮かべながら、淫靡な思考に没頭する。
(我慢しなくて良いんだよな、昔そう言われたし)
サイトの行動を止めるものは、一切無かった。

34 名前:5/11:2006/12/08(金) 02:17:08 ID:7bzMhz3E
シエスタがおかしい。
ルイズは居ても立っても居られなくなる。
(最近、食も細くて……悩み事でも有るみたいなのに……)
相談してくれない事を、恨みに思う。
(頼りないのかなぁ……)
初めての友達だった。
姫さまや、貴族の友達と違う。
最初は眼中に無かった。
その後は生意気な敵だった。
命を助けてくれて、励ましてくれた。
どれもこれも、今まで誰もしてくれなかった事。
サイトとは違う意味で大切だった。
(やつれて……妙に色っぽいけどっ)
憔悴するようになって、前より綺麗になった気すらした。
そういう美容方かとも思ったけど……
怯えるような目が、眠りながら流す涙が、自分に助けを求めている。
そう思えた。
「さぁ、ちゃきちゃき、真相吐きなさいっ」
半日メイドやクラスメイトに話を聞いて、結局は……
シエスタにあれだけ影響力を持つのは、サイト絡みしかなかった。
「な、なにがだよ?」
部屋の隅に追い込んだサイトが、不思議そうにしていた。
「シエスタ……最近変じゃない?」
そう聞いただけで、サイトの目が反らされる。
……あやしい
(いくらサイトでも、シエスタ苛めるのなら、許さないからっ)
「知ってることが有ったら、素直に吐きなさいっ」
心当たりがありそうなサイトを締め上げる。
「し、しらねーよ」
(白々しい……)
自分が気がついていないシエスタのことを、サイトが気づいているのが悔しい。
そんな自分の内心も分からず、ただ苛立ちをサイトにぶつけた。
「本当に知らないのね?」
サイトは無言で頷いて……言う気がない事だけはよく分かった。
でも、目を合わせ様ともしないサイトが怪しいのは確かだった。
……少し考えてから、部屋の隅まで退却。
「……何してるんだ?」
「観察よ」
とりあえずサイトから目を離さないことにした。

35 名前:6/11:2006/12/08(金) 02:17:45 ID:7bzMhz3E
あれから、ルイズがどこに行くのにも付いて来た。
(授業はどうした……)
イライラとそんな事を思う。
ルイズが張り付いているお陰で、昨日はシエスタが抱けなかった。
一日しなかっただけで、欲求が募った。
(あーしてなかった頃が信じられないな……)
大人しくどこまでも着いてくるルイズを眺める……
(あーもう、押し倒しちまおーか……)
一瞬そんな事が頭をよぎる……
(……嫌がるだろうしなぁ……嫌われるの怖いし)
好きな子に無理やりなんて、無理か。
小さく溜息をつく。
(まぁ……嫌がらないシエスタと、どうにかして落ち合えば……)
そう思いながらも、既に夕方だった。
(今日も抜けないかも……)
激しい焦燥に駆られ、必死で考える……思いついた。
手早く着替えを準備する。
「どこいくの?」
ちょこちょこ近づいてきて、俺の様子を伺うルイズは……可愛かった。
(あーやっぱり、ルイズ最高)
そう思いながらも、シエスタを抱くための作戦を開始。
「風呂、一緒に入る気か?」
即座に固まったルイズが真っ赤になりながら逃げ出す。
「あ、それとも覗く気か?」
「まままま待ってるから、早く帰ってきなさいよねっ」
よし
「長風呂だけど、大人しく待ってたらあとで話でもしような」
シエスタのなんてことは一言も言ってないのに、ルイズの顔が輝く。
「うん、待ってるから……」
思い通りの展開に笑いをこらえながら、学園にある温室に向かう。
シエスタが俺付きになってから、部屋に花が絶えた事は無かった。
普段使わないようなものまで磨かれ、必要なものは一声で出てきた。
(いい子だよな、シエスタ)
感じやすいし、素直だし。
料理上手いし、なんでもしてくれるし。
……歩いている最中にシエスタのことを考えすぎるのは危険だ……
ちょっと前かがみに成りながら、目的の場所に着く。
シエスタは予想通りの場所に居た。
幸せそうに一輪一輪吟味して、花篭に仕舞う。
周りには誰も居なかった……ここでも良いか?
足音を殺して、シエスタの背後に回りこむ。
後ろからいきなり口を塞ぐ、
「んんんっ〜〜〜〜〜〜」
シエスタの恐怖に染まった声を聞きながら、スカートを捲くり上げドロワーズの脱がせる。
長いスカートで俺の姿が見えないシエスタが、必死に暴れている。
夕日に晒されながら踊る、白いお尻に見惚れていると、指先に鋭い痛みが走った。
「やあっっ、サイトさんっ、助けて……」
泣きながら逃げ出そうとするシエスタを呼び止める。
「ん、なに?呼んだ?シエスタ」
振り向いたシエスタが息を呑む。
「ひ、酷いです……サイトさん……」
まー仕方ないか……けど……
「ほら、シエスタ」
血の滴る指を見せる。
自分が何に噛み付いたか、シエスタは真っ青になった。
「ごめんなさいっ、サイトさんっ……こ、これで……」
綺麗に洗濯されたハンカチで指が丁寧に包まれる。
(面白いことになったな……)
俺の感想はそんなものだった
「それは、それとしてさ……おしおきなんだけど」

36 名前:7/11:2006/12/08(金) 02:18:24 ID:7bzMhz3E
(タオル……届けないと……)
シエスタは階段の前で立ちつくしていた。
(今なら……大丈夫のはず……)
分かっていても、足が動かなかった。
すれ違う何人かは、動こうとしないシエスタを不審そうに見ていた。
目立つだけ、時間の無駄。
分かってはいても一歩踏み出すのには勇気が要った。
(サイトさんが……待ってる)
結局その事実に、シエスタは意を決する。
足を上げて階段を上がる。
それだけの行動なのに、頭に血が上り何も考えられなくなる。
しばらく上がった所で、階下の方から物音が聞こえる。
「……………っっっ」
慌てて走り出そうとしたが、翻るスカートを見て足早に歩く程度のスピードに切り替える。
緊張のしすぎで荒くなった息を整えながら、一歩一歩前に進む。
スカートに十分な長さがあるのは分かっていた。
たとえ……サイトに取り上げられたドロワーズが無くとも、誰かに見られる心配はない。理性はそう指摘する。
(サイトさん以外に……見られたくない……)
理屈ではなかった。
いつもある下着が無い。
それだけで、裸で廊下を歩かされている気分だった。
(サイトさんの……意地悪)
自分がどうなっても良いサイトに直接そう言われている気がして、涙まで出てきた。
それでも……
(サイトさんと……約束……しましたから……)
(届けてくれるの……待ってるって……)
萎えかけた気力を振り絞る。
心をすり減らしながら、三人で暮らす部屋に転がり込む。
「シエスタ?ちょっと……大丈夫?顔赤いよ?」
幸せそうにまどろんでいたルイズが、真っ青になりながら駆け寄る。
(……わたし……心配してもらえる資格なんて……)
うわの空でルイズと話す。
付いて来ようとするルイズを、必死に押しとどめる。
何度も何度も説得して、やっと部屋から出ない約束を取り付けた。
(やっと……半分)
タオルを持って廊下に出たシエスタは、安堵のあまり廊下にへたりこむ。
(早く……サイトさんに……)
そう思った瞬間に気づく。
(あ……この後……)
サイトがこんな事をした後に、自分をどうするか……考えるまでも無かった。
身体の奥に火がつく。
(あ……)
自分の奥から溢れたモノが、足を濡らしていた。
(期待するだけで……もう、こんな風になるんだ……わたし)
ゆらりと立ち上がったシエスタの頬に涙が伝う。
それでも身体はサイトの指示に従い、前に進む。

37 名前:8/11:2006/12/08(金) 02:18:55 ID:7bzMhz3E
温めの風呂の浸かりながらシエスタを待った。
(すぐには無理だろうけど……)
真っ赤になって嫌がったシエスタも、指先を見せるだけで大人しくなった。
(は・や・く・こ・な・い・か・な・と)
その瞬間を楽しみに、風呂の中でサイトは硬くなった分身をシエスタに差し込む事だけを考えていた。
(馴染んだっていうか……柔らかくなったよなぁ)
感じさせるほどに潤い、強い締め付けでサイトを狂わせる。
何度も味わったシエスタの味を思い出すだけで、いくらでも待てた。
(……シエスタが来れば……)
ソレ、をゆっくり味わえる。
夕日が沈みきる寸前、シエスタがふらふらと現れた。
「お、おそくなって……ごめんなさい」
シエスタの謝罪も聞かずに、風呂から出る。
「きゃっ」
何度も見たはずなのに、大きくなったオレを見て恥ずかしそうに目をそらした。
「か、風邪……引きますよ……」
持ってきたタオルで、俺を包む。
拭き残しが無い様に、全身に触れるタオルがくすぐったかった。
(こういうのも良いけど……)
無言でスカートを捲り上げる。
弾かれたように目をそらしたシエスタの反応を楽しみながら、目的の場所に触れる。
「濡れてるね、シエスタ……誰かに見られると思った?」
フルフルと左右に首を振るシエスタを、さらに追い詰める。
「見られると思って、興奮したんだ?」
「ち、違いますっ」
シエスタが必死に俺に取りすがった。
「そんな事で興奮したりしませんっ……わたしは……わたしは……サイトさんしか……」(そんな事は知ってるさ)
シエスタの反応を十分に楽しんだ後、シエスタを近くの木に掴まらせる。
これから何が起きるのか察したシエスタが黙り込んだ。
スカートを捲り暫くシエスタを鑑賞した後、メイド服を着たままのシエスタに後ろから突き入れる。
「ひっ……あ…………」
立っていられなくなったシエスタの上体を、服の上から胸を掴んで止める。
「いっ……いたいっ……だめ……ひっぱっちゃ……」
強すぎる刺激にシエスタがもがく。
「じゃ、自分でちゃんと立とうな」
俺の言葉を聞いたシエスタが、目の前の木にしがみ付いた。
(準備できたって事だよな?)……勢いよく腰を使う。
「だっ……サイトさんっっっ、つよっ……」
散々待たされた俺は、シエスタの身体に溺れ始めた。
流石に野外で初めてだ。
シエスタは必死に声を殺していた。
(意地でも声が聞きたくなるな)
シエスタの一番奥まで差し込み、オレの先を押し付ける。
ビクビク身体は反応しているのに……
(しぶとい……)
もう一度勢いよく動こうとした時、
「おや、サイトじゃないか?」
ギーシュ?
流石に焦った俺はシエスタを近くの茂みに突っ込んだ。
「ど、どうした?」
「散歩さ……君は……風呂の最中に催したのか?」
肝心な所を見ていなかったギーシュが、裸で茂みに向かっている俺を見て都合の良い勘違いをしてくれた。
「連れションでもするか?」
(本気にされたら困るけどな)
ギーシュといえども、シエスタの身体を見せてやる気は無かった。が、
「ぐあぁぁ」
思わず声が漏れる。
緊張のためか、シエスタの締め付けが増していた。
(……面白い)

38 名前:9/11:2006/12/08(金) 02:19:28 ID:7bzMhz3E
サイトさんがミス・ヴァリエールを一番大事にしているのは知っていた……でも……
「連れションでもするか?」
見られるかもしれない……わたしのこんな姿を……サイトさんは他の人に見られても平気なんだ……
悲しみと、
イヤイヤイヤイヤ、わたしを見ていいのは……サイトさんだけぇぇぇぇ
恐怖で全身が震えた。
「ぐあぁぁ」
「ど、どうした?サイト?」
サイトさんが吠えていた。
「いや、なんでもないさ」
そう言いながら、ゆっくりとわたしの腰を動かした。
『んっ……んんっ…………あっ』
唇をかみ締めながら、声を殺す。
ここまでされているのに、サイトさんから離れられなかった。
「ギーシュもどうだ?」
(またっっっっ)
涙が溢れそうになった。
「いや、遠慮しておこう」
ミスタ・グラモンの返事を聞きながら、サイトさんがグリグリと円を描くように腰を押し付ける。
『っっっ……も……だ……』
口の中に血の味が広がる。
それでも声が止まりそうに無かった。
それどころか、唇の裂ける痛みさえ甘美に感じ始めた。
(あぁ……もうすぐ……限界ね……シエスタ)
自分の心の一部が、冷静にそんなことを指摘していた。
「そうそう、サイトお前最近騎士隊の訓練サボって何してるんだ?」
(え?)
そういえば……最近のサイトさん……暇さえあれば……
「いや……ちょっとヤル事が有ってな」
嫌な予感に快感が流される。
「副隊長なんだから、もう少し真面目にやりたまえ」
「はいはい、隊長、明日は行くさ」
サイトさんの声がどこか冷たくなる。
それを察したのか、ミスタ・グラモンが大げさに溜息をついた。
「明日だな?待っているからなサイト」
足音が遠ざかっていく……
慌ててサイトさんに向き直って問い詰める。
「サイトさんっ、騎士隊サボリって……」
まさか……
「ん〜ほら、ルイズが側に居て、シエスタ抱いてれば幸せなのに、無理しなくてもいいじゃん」
…………サイ……ト……さん?
「先生だって生きてたしさ、この方が楽しいし」
そう言いながらサイトさんが繋がったままの腰をひねる。
「ひっっっっ」
恐怖で凍り付いていた精神が、欲望にあっさり解かされる。
(だ……め……止めない……と……)
涙でぼやけた視界の中、サイトさんの唇が近づいてきて……
血の味のキスで何も考えられなくなった。

39 名前:10/11:2006/12/08(金) 02:20:00 ID:7bzMhz3E
シエスタの中に注ぎ込む。
「はっ……あぁ……」
蕩ける様な瞳で俺を見るシエスタが色っぽい。
うねうねとオレを奥に引き込むように蠕動するシエスタの中が気持ちよくて、オレはまだ硬いままだった。
シエスタの締め付けに酔いながら、繋がったままオレの方を向かせる。
ぐったりと心地良さそうなシエスタは、好きなように動く人形のようだった。
今度は正面から抱き合う。
裂けた唇と血の味のキスに、流石にやり過ぎたかと少しの後悔。
お詫びに優しく胸を揉む。
「やっっ、だめっ……サイトさん……さっきので、わたしもイって……」
……わがままだなぁ
強めに握りしめると、甘い声が漏れだす。
「なんだ……まだいけるんだ?」
「ひっ」
何かに怯えるようなシエスタの奥を掻き回す。
「やぁぁぁっ、だめっだめだめだめぇぇぇぇ」
おー元気元気。
俺が出したモノも潤滑液にして、さっきまでよりさらに勢い良く動き出す。
「ひぃっっっっ」
必死にもがくシエスタの逃げ場がないように、背中を木に押し付けた。
慌てて後ろを振り向いたシエスタの瞳に絶望が写る……
(これから可愛がるのに……失礼な)
腰を使って木に叩きつけるように、激しく挿入する。
しばらく叫んでいたシエスタが、いきなり脱力したが……
(この前後の中が……)
シエスタの感触の中で俺が一番好きな瞬間。
もちろん止まらずに、動き続ける。
「……かっ……は……」
苦しげに開くシエスタの口に、舌を差し込む。
理性の消えたシエスタの目に、欲望が燃え上がる。
心地よい抱き心地のシエスタの身体を、満足するまで貪った……
「俺……ルイズとシエスタが居れば……それだけで良いや……」
心地よい疲れに浸りながら、あぁ……俺ってなんて幸せなんだろう……
そんな思いで一杯だった。

40 名前:11/11:2006/12/08(金) 02:20:37 ID:7bzMhz3E
ぐったりと休むサイトに服を着せる。
身体が冷えすぎないように、多めに持ってきたタオルでサイトを包む。
くつろいだ寝顔が愛しかった。
「俺……ルイズとシエスタが居れば……それだけで良いや……」
嬉しかった……でも……
『きみたちは、もっと世のため人のため、というものをだね、考えないといけないよ』
そう言ってわたし達を諭した人は……
(もう……いないの……ね?)
変わってしまった……
(いいえ……)
変えてしまった。
それでも……
(嫌いに……なれない)
心がサイトさんから離れようとしない。
身体がサイトさんに従ってしまう。
決して離れられないと、
二人に嫌われない限り何が有ろうとも自分から離れることはないと思っていたけれど。
(わたしが……サイトさんを歪めるのなら……)
自分のせいで好きな人が変わってしまうのなら。
(うん、サイトさんのためなら……)
大好きなサイトさんからも、
大好きなミス・ヴァリエールの側からも。
「さようなら」
小さく囁いて、立ち上がる。
(当てなんて無いけれど……)
声を殺して泣きながら、シエスタはその場を立ち去った。

41 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 02:22:32 ID:7bzMhz3E
しかも、続きます……ごめんなさい……

ここで止めるのも、終わるのも……自分の精神衛生上止めた方が良さそうですので……
近いうちに〜ではっ

42 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 02:50:19 ID:IZ5PPgbQ
>>41
えろい…えろいよこれ…。
GJすぎて鼻血が出そうです。
# 17歳くらいで覚えたら溺れてしまう事もあるよなぁ。…ルイズが好き者になる話とか夢がひろがり(ry

43 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 03:21:10 ID:1sdmujHC
次スレからは前スレ>>33のルイズver.テンプレもよろしく。

44 名前:最強の敵 ◆manko/yek. :2006/12/08(金) 12:08:12 ID:KRRYAb7x
ルイズが一枚の手紙を見て溜め息をつく。
ベッドに座ってうなだれる姿を才人は放っては置けないと感じた。
「ルイズ、どうした」
「・・・・なんでもないわよ」
才人はルイズの手紙を強引に奪う。
「何すんのよっバカ犬!返しなさい」
才人は手紙をデルフリンガーに見せる。
「デル公、今すぐ読め!!」
才人にルイズの蹴りが炸裂するが、才人は手紙を離さない。
「ラ・ヴァリエール公爵からの手紙だぜ、相棒」
「内容はなんだ?」
「屋敷に帰って来いってのと・・・」
「ボロ剣!!溶かすわよッ」
ルイズが転がる才人を踏んづける。
「・・・しばらく軟禁した後、婚約者を紹介してすぐに結婚させるってよ。相棒、貴族の娘ッ子との甘い生活も終わりだね」
才人が起き上がりルイズの肩を掴む。
「なんで黙ってたんだよ!」
「父さまの言うことは絶対なの!変えられないの!」
ルイズは涙を流していた。
才人は黙ってルイズを抱きしめる。
「・・・・おまえは俺が守る」
ルイズは何も答えない。
二人が抱き合ったまま立っていると、ルイズが絞りだすような声で才人に警告する。「もうすぐ父さまと姉さまがくるの・・・サイトが止めようとしたら殺されるわ」


45 名前:最強の敵 ◆manko/yek. :2006/12/08(金) 12:09:42 ID:KRRYAb7x
ルイズは才人を押して離れる。
「サイト・・・戦わないで」
「いやだね、ルイズは俺が守るって決めたんだ」
「父さまは普通のメイジじゃないわ!国境を守るだけの力があるのよ!!戦えば死ぬわ」
「んなこと知るかッ!俺はお前が泣いてるから戦うんだッ!」
「バカ犬!もう知らないんだからっ」
ルイズは走って部屋を出ていってしまった。
部屋に残された才人はデルフリンガーを掴む。
「デル公」
「なんだね、相棒」
「男にはさ、やらなきゃならねぇ時ってあるよな」
「あぁ、その通りだ相棒・・・・・後ろのねぇちゃんもそう思うみたいだぜ?」
才人が驚いて後ろを向いた時、エレオノールが杖を突き付けていた。
「隙だらけね。ルイズは預かったわよ。どこにいるかは土の塔の前で待ってる執事のジェロームに聞いてちょうだい」
エアハンマーで才人が飛ばされる。
起き上がるとエレオノールはいなかった。
才人は塔の前に向かって走り出す。
広場には執事のジェロームが大剣を持って待っていた。
「ルイズはどこだ!」
ジェロームは以前ワルドが着けていたような目を隠すだけの仮面を着けていた。紫の仮面のジェロームは何も語らず大剣を構える。


46 名前:最強の敵 ◆manko/yek. :2006/12/08(金) 12:10:27 ID:KRRYAb7x
「抜け!!相棒」
才人がデルフリンガーを抜く。仮面の男がとんでもない速さで走ってきて才人の前で大剣を振り上げ、飛んだ。
「きぇぇぇぇ」
紫の仮面をつけた男は大剣を袈裟掛けに振り下ろす。ごぅと音がうなり才人の前に穴のあいた地面をつくる。
とっさに後ろに飛び退いた才人の胴をめがけて切り上げがくる。
「相棒、間合いを開けるなよ」
才人が切り上げを横に跳んでかわして反撃に剣を振る。仮面の男は自分から間合いを離した。
「突きがくるぞ!相棒!!」
仮面の男が突きの体勢に入った途端、連続で突きがきた。才人も剣で突きの軌道を逸らしてしのぐ、間合いが近くなると突きの嵐が止み仮面の男が片足を前にして剣を肩の横に構える。
才人の直感が危険だと心臓に伝える。
才人も剣の切っ先を下に向けて中腰になり構え直す。
少し間があき、仮面の男が息をすっと吸うと同時に二人は動いた。
初太刀は横に薙払う剣撃、次に間合いを詰めながらの切り上げ、次に袈裟掛けに大剣が唸る。
才人も同じ剣撃を放ち相殺させる。
「あぶねぇ!!相棒」
仮面の男は袈裟掛けの後に足を切りにきた。


47 名前:最強の敵 ◆manko/yek. :2006/12/08(金) 12:11:16 ID:KRRYAb7x
才人が剣撃を避ける。仮面の男が剣の軌道を才人の足から腰へ狙い直す。
「やべぇ相棒」
デルフリンガーも叫ぶ。
「うぉぉぉぉ」
ガンダールヴのルーンが輝き、才人の体が後ろではなく前に飛ぶ。
「なんと!」
仮面の男は後ろに避ける才人を突きで穿つつもりでいた。しかし才人は真っ直ぐ前に跳んでくる。才人の体が仮面の男を弾き飛ばすと同時に剣は仮面の男の大剣を叩き落とす。
ガランと重い音をたてて大剣が地面を滑る。
才人は剣を向けると仮面の男は後ろに走り出す。
才人もそれを追いかけると風の塔の前場で仮面の男は止まった。
仮面の色は紫の仮面のから緑の仮面に変わっていた。
才人の前に弓と矢筒が投げられる。
「相棒、弓勝負みたいだね」
才人は弓を構える。左手のルーンが輝く。「走れ!!相棒!!」
仮面の男の弓から放たれる矢は雨であり槍であり鞭だった。
止まれば集中的に撃たれ、動けば動いた先に矢が飛んでくる。仮面の男の弓の前にはガンダールヴの速さは関係なかった。
才人も走りながら弓を構えて放つ、仮面の男が体を少しずらし矢は外れる。
「当たる気がしねぇよ!」
「走りに緩急つけねぇと串刺しになるぞ相棒!」


48 名前:最強の敵 ◆manko/yek. :2006/12/08(金) 12:12:04 ID:KRRYAb7x
才人は弓を構えて止まってしまった。
「相棒、死ぬ気か?」
「いや、これでいいんだ」
仮面の男から連続で矢が飛んでくる。
「串刺しなる的は俺なんだろ?」
才人も矢を放つ。才人の放つ矢は仮面の男を狙わずに飛んでくる矢を落とす。
「なぬ?」
仮面の男も矢を放ち続ける。
「相棒、弾切れだぜ」
矢はお互いに一本だけになった。
仮面の男が走り出し間合いを詰めながら最後の矢を放つ、才人は構えを解く。
放たれた矢は才人を貫くように見えたが、才人の手が矢を止めていた。
「矢が増えたぜ、仮面野郎」
「くッ」
仮面の男は弓を捨てて走る。
水の塔の前で仮面の男は止まった。
仮面は緑から青に変わっていた。
仮面の男がハルバードを投げる。
「次の得物はあれか、斧の払いより槍の突きの方が厄介だぜ、相棒」
「わかってる」
左手のルーンが輝く、才人は中腰になり、ハルバードの柄を右手、真ん中を左手にして構えてる。
才人の間合いは仮面の男の間合い、同じ得物ならより早く突き、より早く捌いた方が勝つ。
「きぇぇい」
仮面の男の突きが才人の間合いの外から放たれる。


49 名前:最強の敵 ◆manko/yek. :2006/12/08(金) 12:12:48 ID:KRRYAb7x
「うぉ!」
「気を付けろ、相棒。間合いの外から踏み込んでの突きがくるぜ!」
「捌けば斧の払いが来て、避けると更に間合いを詰められて槍が来るってやつか?」「さすが相棒、冴えてるねぇ」
「やかまし」
仮面の男の突きの戻りに突きを重ねて応戦するが仮面の男は槍の軌道をずらしてかわす。
仮面の男と才人は得物の届く範囲から一歩も退かずに打ち合い、そのたびに二人の間に火花が散る。
二十合目あたりまで打ち込み、勝負がつかなくなると仮面の男は構えを変えた。
仮面の男はハルバードの槍と柄の中間あたりを持ち、才人との間合いを詰める。
「長さより手数で押し切るみたいだぜ、相棒」
仮面の男はハルバードの柄で突きを放つ、次に斧の払いがくる。
「るぁぁぁぁ」
仮面の男を中心にして突きと払いの竜巻が才人を襲う。
才人もさがりながら応戦して隙を待つ。
「今だ!」
デルフリンガーの言葉と同時に才人は動いていた。
仮面の男の斧のが才人の首を狙う、ひゅんと高い音をたてて才人の頭の上を通過する。
しゃがむ才人の顔に切れた髪がはらりとかかると同時に才人のハルバードは柄で仮面の男を突き飛ばしいた。


50 名前:最強の敵 ◆manko/yek. :2006/12/08(金) 12:13:37 ID:KRRYAb7x
「ぐッ」
仮面の男は突かれた脇腹を押さえてハルバードを投げ棄てる。
ガチャリと音を立ててハルバードが転がると仮面の男はまた走り出す。
「次はなんだろな」
「素手じゃねぇの?火の塔に行こうぜ」
仮面の男を才人は追う。
仮面は青から赤に変わっていた。
「相棒あいつ、ある意味ガンダールヴだね。どんな武器を持たせても使いこなせてるし、何より状況判断と間合いの取り方が上手い」
「俺も同じこと思った」
ショートソードが二本投げられる。
「二刀流勝負かね」
「みてぇだな」
才人は剣を拾い構えて走る。
仮面の男も走る。
二人の目の前で火花が散る。剣撃は見えないくらいに速かった。
右の剣が才人の肩を狙い、すぐさま左の剣が脇腹を払いにくる。
才人も防ぐ為に剣を振る。火花が二度散り才人は後ろに吹っ飛んでいた。
「いってぇ」
「相棒気ぃつけろ、あいつ足癖わりぃぜ」
「格闘技みたいだな」
才人が構える前に仮面の男の影が動いた。「きぇぇぇぇぇ」
空中から二本の剣が才人を襲う。
「間合いを離せ!相棒」
才人が横に跳び、間合いを離すと回し蹴りが才人の目の前をシュッと通り過ぎ、二本の剣が切り上げにくる。


51 名前:最強の敵 ◆manko/yek. :2006/12/08(金) 12:14:36 ID:KRRYAb7x
才人は避ける事ができずに剣で弾く。
「きぇぇい」
仮面の男の蹴りがくる。
「ぐぁッ」
才人と仮面の男は同時によろける。
「相棒、あいつ足技に足技を合わせても負けるよ」
「だよな」
仮面の男の二本の剣撃は舞いのように連続で斬りつけてきた。剣を止めると蹴りがくる。
「きぇぇぇ!」
「うぉぉぉ!」
二人は同じ剣撃で打ち合う。
ガギンと音がして火花が散り才人が切り上げ仮面の男が横に避ける。
仮面の男は横から才人に斬りつける。
才人は避けて蹴りで応える。
仮面の男が肘で蹴りをずらして蹴りで才人を突く。
「うッ」
才人が少しよろめく。
「勝負ッ!!!」
仮面の男は太陽を背にして空中から斬りかかる。
「うぉぉぉッ」
仮面の男の剣撃が才人を切り刻む寸前、才人の足は仮面の男の右手首を蹴り上げる。
仮面の男の左の剣撃が才人の首を跳ねる直前、才人の剣がそれを止めた。
才人の左の剣が仮面の男の右肩にぞぶりと埋まり、鮮血が散る。
仮面の男は剣を離して転がり倒れた。
「続けるか?」
才人はデルフリンガーを抜いて対峙する。
「・・・まいった」
仮面の男は赤・青・緑・紫の仮面を地面に放り投げて地面に大の字になって倒れた。
「ルイズお嬢様を守る役目・・・・譲る時がきたか・・・ふふふふっ」


52 名前:最強の敵 ◆manko/yek. :2006/12/08(金) 12:17:10 ID:KRRYAb7x
才人が構えを解くと空からラ・ヴァリエール公爵が降りてくる。
「親玉が来なすったぜ、相棒」
「ジェローム、下がっておれ!この平民はわしがやる」
「かしこまりました」
ジェロームは起き上がり、肩を抑えて去る。
「ルイズはどこだ!」
「平民風情に答える必要はない」
ラ・ヴァリエール公爵は黒い仮面をつけて杖を構える。
「今度は黒かよ」
「相棒、魔法がくるぜ!」
公爵が杖を振る。
才人の廻りの地面が自然発火を起こして才人を包む。
才人はデルフリンガーを振り回して炎を吸い込む。
「魔法を吸い込む剣か・・・」
公爵は杖を振り、風の刃を連続で放つ。
才人は刃よりも速く走り、避ける。
「平民なんぞに娘はやらん。我々は貴族だ。お前達とは違う」
公爵は杖を上に掲げる。
学院の城壁がガラガラと音を立てて砕かれ、空中に漂う。
「なんだよ、あれ」
「相棒の負けだね。フライの魔法を使った石つぶてだ。魔法を吸い込むには数が多すぎるし、砕けば数が増えてもっと厄介になるぜ」
公爵は杖を振り降ろす。無数の石つぶてが才人を襲う。
「うぉぉぉぉおおおおおッ」
才人はシュバリエのマントを使い石つぶてを叩き落とす。
「無駄だ」
公爵が杖を軽く振る。
才人の後頭部に、背中に、肘に、足に、顔に、石つぶてが当たる。
「ぐあああああああああ」
「相棒、逃げろ!」
公爵の前でドサリと膝をつき才人は倒れた。


53 名前:最強の敵 ◆manko/yek. :2006/12/08(金) 12:18:48 ID:KRRYAb7x
「これが貴族の力だ。お前のような平民風情がルイズの側に立つなぞ百年早い」
才人は血だらけの手で地面をつかむ。
「惚れた女の側に立つ理由なんてな・・・必要ねぇんだよ!」
足に力を入れてゆらりと立ち上がる。
「まだやるかね、平民。七万の大軍をとめるなんぞ牧場の牛を止めるみたいなもんなんだよ。調子に乗るな!!」
才人の左手が輝く。足が一歩前に動き、構える。顔も腕も背中も足も血だらけの状態で吠える。
「貴族だ平民だうっせぇよ!!魔法を使えるやつを貴族と呼ぶんじゃねぇ!!敵に背中を向けねぇやつを貴族と呼ぶんだ!!」
公爵の声と肩が怒りで震える。
「その言葉はな、小僧・・・・わしがルイズに教えた言葉だッ」
公爵が杖を振り降ろす。
石つぶてが空中で集まって塊を作る。
一つの大きな塊が才人目掛けて落ちてくる。
「相棒、おまえさんは立派に闘ったよ。短い間だったけど楽しかったぜ」
「くそったれぇぇぇぇぇ」
才人は塊目掛けて体ごとデルフリンガーを構えて飛ぶ。
塊と才人がぶつかる。左手のルーンが更に輝きデルフリンガーが塊の中を切り裂き、魔法を吸い込む。
ドズンと大きな地響きがして塊が才人をくっつけたまま地面にめり込む。
しばらくまわりが静かになった。

54 名前:最強の敵 ◆manko/yek. :2006/12/08(金) 12:20:11 ID:KRRYAb7x
「相棒、生きてる?」
「・・・あぁ」
二つに割れた塊の間に才人は倒れていた。才人が立ち上がると目の前に公爵が杖を向けて立っていた。
杖の先が風を纏い、エアニードルの魔法が完成すると公爵は才人の髪をつかんで才人に杖を突き付ける。
「もう逃がさん。終わりだ、小僧」
杖が才人の首に届く寸前、才人の左手が杖を包む。才人の手のひらを杖が貫通して鮮血が手から腕に伝う。
「逃がさねぇのはこっちだ!!」
才人の手が貫通した杖ごと公爵の手を掴む。
「ルイズはなぁおっさんの玩具じゃねぇんだよ!!」
才人の頭突きが公爵の顔にめり込む。
「あの手紙を見てルイズは泣いたんだぞ!!」
頭突きがまためり込み仮面にひびが入る。「わしの娘についた害虫を取り除いて何が悪い!!」
公爵も頭突きを返し、仮面が割れた。
「ずっとずっとわしが大切に育ててきた娘を平民に盗られるわしの気持ちがわかるかッ」
血だらけの公爵の頭突きがまた来た。
「んなこと知るかッ俺を選んだのはおっさんが大切に育てたルイズだッ」
才人の頭突きがめり込み、公爵がよろける。
「ルイズの選んだ相手を否定することはおっさんがルイズを大切に育てた時間を否定することになるんだッ」
また頭突きがめり込み、公爵の膝が地面につく。


55 名前:最強の敵 ◆manko/yek. :2006/12/08(金) 12:21:36 ID:KRRYAb7x
「俺はルイズが好きだ!!ルイズも俺を好きだッおっさんが邪魔するんじゃねぇ!!」
才人の頭突きで二人共地面に仰向けに倒れて荒い息をつく。
しばらく二人は額をに手をあてて目の前の空を見る。
「・・・・ルイズは・・・・風の塔の二階だ」
公爵はよろよろと立ち上がり、才人にそれだけ伝えると立ち去った。
才人も立ち上がり、風の塔にふらふらと歩き出す。
風の塔の螺旋階段が長く感じる。
二階の扉を才人が開けるとルイズがいた。「ルイズ・・・」
ルイズは二人いた。どちらかが後ろの真実の鏡でルイズになったらしい。
才人は手を腰にあててやれやれとため息混じりに呟く。
「待たせたなルイズ、助けに来たよ。早く帰ろうぜ、腹ヘったろ?」
才人は真っ直ぐ右のルイズに向かって歩き、ルイズの手をひいて出口へ行こうとする。
「・・・・どうして、・・・・どうして分かったの?姿は全く同じなのに」
左のルイズが真実の鏡に触れてエレオノールに戻る。
才人は面倒くさそうに答える。
「この状況で間違えたらご飯抜きだかんね≠ネんて顔するのは世界中で俺のご主人様くらいだよ」
才人はルイズの手をひいて歩き出す。


56 名前:最強の敵 ◆manko/yek. :2006/12/08(金) 12:23:24 ID:KRRYAb7x
エレオノールはルイズが嬉しそうに才人をなじりながら出て行く姿を見て呟く。
「最初から分かってたけど・・・・カトレアの言う通りになっちゃったわね」
風の塔の屋上にラ・ヴァリエール公爵とジェロームがいる。塔の出口からルイズと才人が出てくるのを見おろしている。
「ルイズお嬢様、いきいきしてますな」
「ああ」
「いつの時代も娘を愛すれば愛するほど、娘の選ぶ相手は手ごわくなるようですな」
「ああ」
「旦那様にとって彼は勝てない、いや、勝ってはいけない最強の敵なんでしょうな」
「・・・・・・・」
ラ・ヴァリエール公爵は涙が零れないように少し上を向く。
「父さま・・・」
エレオノールが上がってきてラ・ヴァリエール公爵の後ろに立つ。
「エレオノール、それでもわしは奴を認めない。認めたくない」
「・・・・・」
「だからッ・・・・だからお前がわしの代わりに認める形でルイズと小僧を認めてやれッ」
エレオノールの顔が ぱぁっと明るくなる。
「はいっ父さま」
「ジェローム、ルイズとバーガンディの小僧の縁談は断ることにした。あとで紙とペンの用意しろ」
「かしこまりました」
ジェロームも嬉しそうに答える。
塔の上の三人はルイズと才人が見えなくなるまで見送った。


57 名前:最強の敵 ◆manko/yek. :2006/12/08(金) 12:24:31 ID:KRRYAb7x
次の日、ルイズと才人は教室に向かう為に部屋を出ようとした。
ルイズが先に部屋を出て才人もそれに続こうとした時、才人の背中に杖が突き付けられた。
才人の背後にはラ・ヴァリエール公爵がいた。
「ルイズが一緒だと隙だらけだなぁ小僧」
才人は動けない。冷や汗がどっと出る。
「こんな穴だらけのマント着けてわしのルイズの側に立つなよ、小僧」
ラ・ヴァリエール公爵の手には新しいシュバリエのマントがあった。
「ルイズの側に立つなら身だしなみには気を使え!!」
突き付けられた杖から魔法は放たれず、マントを持った手が才人の頭を叩き、才人は新しいシュバリエのマントを頭から被りもがく。
マントをどけた時、ラ・ヴァリエール公爵の姿はなかった。
「サイト、おいてくわよっ」
「いまいく!」
才人は新しいシュバリエのマントを着けてルイズを追いかける。
「娘を・・ルイズを頼むぞ・・・」
寮の屋上でラ・ヴァリエール公爵は誰にも聞こえないように呟く。
ラ・ヴァリエール公爵の少し寂しく嬉しそうな顔を風がやさしく包み、涙を乾かしていた。



おしまい

58 名前:あとがき ◆manko/yek. :2006/12/08(金) 12:27:18 ID:KRRYAb7x
最強の敵

この物語はこれでおしまい。
次の物語は、またいづれ。


それではっ

59 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 13:05:37 ID:uyF96xek
拝啓 ID:KRRYAb7x 様

全米が泣きました
GJ!

60 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 14:39:02 ID:7zFxvGW0
>>58
デルフがクドイ

61 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 14:50:22 ID:+08oDB9t
このスレ進まないと思ったら一気に作品来るのですね。
シエスタの話もパパさんの話も共にGJ!

62 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 14:56:19 ID:gbp0hmGU
>>61 読んでたけど、静かで書き込むきっかけが掴めなかったので、助かった。


>>41 >>58 GJ!

この一言書き込むのにビクビクしてみたり・・・・・

職人さんってすげーよ

63 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 16:32:46 ID:IZ5PPgbQ
ほぼ毎日の投下で楽しませてくれる職人の皆様に大感謝

64 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 17:06:10 ID:+3ONjLld
今更ながらガンダールヴの印って詐欺だな。
最初にチート使ってパラメータいじったようなもんだ。俺TUEEEEEE

メラから頑張る勇者実は超偉いな、死ぬ度に王様に罵られるしカワイソス

65 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 17:41:18 ID:/ToU0eVC
ずいぶん斬新な解釈ですな。
権力も何もなかったのに徴発権を与えられて、死ぬことは決して無く、戦いさえすれば必ず強くなる。
絶対の加護と祝福の元で旅することの何が偉いんだか。
本人が望んでなかったとしても偉いのではなく可哀想ってだけだしな。
とにかく頑張って早うお務め終わらせなさいな、ご愁傷様……と言うところか。

66 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 18:57:40 ID:jFVNqPw/
>>40 ノシ
当てがないなら家に来れば、三食昼寝付きで毎晩お勤めなだけだよ。

家事してくれるなら、一年くらいは襲わないし。

こっちゃこー


67 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 19:42:28 ID:IZ5PPgbQ
その日のうちに我慢できなくなるに100ドニエ
むしろ混ぜてくr(ry

68 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 19:51:46 ID:p7BKAUaR
なんかキモイ書き込み多いな…

69 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 20:01:36 ID:PVDxqb0l
こんなキモイスレで何を(ry
それとも「俺はキモくない」と主張できる立場にあるつもりかね?

70 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 20:13:59 ID:4GiD6ehR
エロパロにいる時点で既に変態だしな。

71 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 21:21:14 ID:uELOB0Cs
>>30-41
GJ!ルイズとシエスタの友情に…そしてエロエロなサイトにGJ!まだ話が広がりそうで凄く期待してます。

>>44-58
GJ!エロなしでも読みごたえありました♪しかし執事が伝説級に強いのね…

誰かへんたいさんからWiiを取り上(ry

72 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 22:08:09 ID:p7BKAUaR
いやそれはわかってるけど…まあなんでもないわwww

73 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 22:25:57 ID:bAWlt8I3
>>69

俺はキモクない。
たとえルイズにハァハァしたり、タバサにおっきしていたりしたとしても!!


け、けけけ決してキモくなんかないんだかうわなにすやめanghaふじこdgjiangjo

74 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 23:28:01 ID:IZ5PPgbQ
>>73
       (  _,, -''"      ',             __.__       ____
   ハ   ( l         ',____,、      (:::} l l l ,}      /   こ \
   ハ   ( .',         ト───‐'      l::l ̄ ̄l     l     の │
   ハ   (  .',         |              l::|二二l     |  ハ ろ  .|
       ( /ィ         h         , '´ ̄ ̄ ̄`ヽ   |  ハ り  │
⌒⌒⌒ヽ(⌒ヽ/ ',         l.l         ,'  r──―‐tl.   |  ハ こ │
        ̄   ',       fllJ.        { r' ー-、ノ ,r‐l    |  ! ん │
            ヾ     ル'ノ |ll       ,-l l ´~~ ‐ l~`ト,.  l     め  |
             〉vw'レハノ   l.lll       ヽl l ',   ,_ ! ,'ノ   ヽ  ____/
             l_,,, =====、_ !'lll       .ハ. l  r'"__゙,,`l|     )ノ
          _,,ノ※※※※※`ー,,,       / lヽノ ´'ー'´ハ

75 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 23:41:03 ID:DJTlyCBO
>72
これほど厨臭い荒らしも久々。

反応した俺も荒らしとなったが言いたい事言って>72道連れにして以下何事も無かったかの様に


76 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 23:53:51 ID:0WJ/C07B
>73
中世ヨーロッパじゃ、ルイズやタバサぐらいの年頃の娘にハァハァするのは至極当然だぞ。
あの時代だと13歳ぐらいで女は結婚して子供を産んだぐらいだから、ルイズやタバサ、シエスタ、
キュルケには子供の二、三人いてもおかしくない年齢なんだがな。

77 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 00:30:30 ID:tiBuHqLK
魔王みたいなのをまた読みたいっていう俺って異端派?

78 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 00:42:52 ID:GVrD4oD6
>>42
「やだぁ、今日もするのー」
「ちょ、頼むルイズ少しは休ませてくれ…」
「えー。ぐずっ。サ、サイトは、ぐずっ、わたしのこと嫌いなんだ…」
「だあああ、なんでそうなるんだっ」
「こんな幼児体型のわたしなんかサイト飽きちゃったんだ…」
「ち、ちがっ。ルイズ可愛いから飽きるなんてことないよっ」
「それに我儘ばっかり言うし…」
「だ、大丈夫だって、俺気にしてないし…」
「そう?」
「う、うん」
「ほんと?」
「ほんと」
「ほんとにほんと?」
「ほんとにほんと」
「ほんとにほんとに…」
「ほんとだって!」
「じゃぁしましょー。ほらほら早く脱いでっ♪」
「ちょ、嘘泣きかよっ」
「ほらほら〜♪」
「くっ、ちょっとま、待てよ…くぅ」
「うふふ、大きくなってきた」
最近ルイズはめっきりアッチのほうにはまってしまって…文字通り毎晩のように精力を吸われている。
最初は俺のほうも乗り気だったんだけど…気持ち良いし…でもさすがにこうだと…。
「サイトはお口でされるの好きよねぇ…あーんっ」
「ううっ」
何だか手玉に取られているようで悔しいけれど、こういうのって女のほうが上達が早いみたいで。
そもそも、ルイズだけならまだ何とかなりそうなんだけど、
「あーっ。ミス・ヴァリエールずるいーっ」
さすがに毎晩二人の相手は…。勘弁してください(泣

好き者ってこんな感じ?

>>76
ヨーロッパというか、古く(といっても比較的最近もそうかな)は日本でもそうでしたね。
そういえばルイズは民法上もう婚姻適齢なのか…。父母の同意が得られそうに無いけど。

79 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 00:43:06 ID:8WdMZ+Sy
ぼくはクルセイダーちゃん!

80 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 01:06:00 ID:l9jNSLdw
魔王みたいのも好きですけど
ギャグ話も大好きです

81 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 01:48:45 ID:O4lcsp97
では、ギャグ話を一つ。
ルイズのアタマが軽くトんでる場合があるので、
そういうのが嫌な人はスルーでよろしく。

82 名前:ルイズの優雅なデート録:2006/12/09(土) 01:52:59 ID:O4lcsp97

新緑萌ゆる、この季節。
トリステイン魔法学院は今日も平和だった。
今日は虚無の曜日。
このハルケギアでの、いわゆる休日というわけだ。
今日ばかりは才人も近衛隊の官職から休暇をもらい、一日自分の好きなように時間を使える。
使えるのだけども。

「買い物に行く?」
「そ、その通りでございます。」
ボッコボコのツラをした使い魔の、眼前のご主人様はいたくご不満の様子。

つい先程まではそわそわと挙動不審に、ベッドの隙間からこちらを覗き込んでは潜り込むという
わけの分からない一人遊びを続けていた己のご主人様は、
この暗愚な使い魔めが本日の予定をご報告申し上げたその内容が
著しくお気に召さなかったらしい。


83 名前:ルイズの優雅なデート録:2006/12/09(土) 01:53:49 ID:O4lcsp97

ちなみに現在、このトリステイン魔法学院という
貴族様のみが通うことを許される魔法学校の学生寮の一室には、
紆余曲折を経てご主人、使い魔、専属メイド(ただし使い魔の)の三人の居住者が暮らしている。

一部屋に三人と、一見狭苦しそうに聞こえるが
実際にはかなり広い一室であり、ベッドだって三人川になってさえまだ余裕のある広さなので
寝て起きるという『住』の役目を果たすには、十分に機能してくれている。

しかしながら、本日はいつもと事情が違う。
この休日を利用して、専属メイドが昨日から帰省しているのだ。
実家に仕送りをし、
年に何度も帰省しては父母の手伝い、妹弟の世話をする健気な少女は
今回もいつものように実家のお手伝いをしに帰るらしい。

ちなみに今日は、才人もトリスタニアの城下町に足を運ぶ予定である。
目的は服。
いい加減、着たきりスズメの一張羅にも限界が来ていた。
綻びだらけでぼろぼろのナイロンパーカーは、一年間よく自分の外見を装ってくれたが
やはり度重なる戦闘行為の代償として、衣服としての限界を迎えていた。
もちろん、この服はこのハルケギアで数少ない地球の産物だから
別の服を買ったところで捨てたりするつもりはさらさらない。
しかし、一応一般市街を闊歩する上で最低限の体裁を繕う衣服は必要である。
騎士隊所属から公的な収入も得たことだし
この虚無の曜日を利用して、一丁景気よく買い物でもしてやろうと思い至ったわけだ。


84 名前:ルイズの優雅なデート録:2006/12/09(土) 01:54:28 ID:O4lcsp97

まぁそんなこんなで今現在はこの部屋に、恐らく今日は予定のないだろうご主人様と
そろそろ準備に取り掛かろうとする自分の二人だけしかいない。
いないのだが、何だか起きたときから、隣のご主人様のご様子がおかしいのだ。

何やらぶつぶつ一人で呟いては、時折真っ赤になってバンバンとベッドを叩いている。
とっても恐い。
なんか無駄に上機嫌なのが、余計に得体の知れない恐怖心を煽る。
断片的に聞こえる独り言も、全くもって要領を得ない。

「確か『そばにいて』で良かったのよね」
とか
「いや、でも今しか二人きりには」
とか
「ちゃ、ちゃんと言わなきゃ」
とか
「さ、さ、流石にだっこはないわよ、あたし」
とか
「でも一日中ぎゅって、エヘ、エヘヘ」
とか
「そそそそしたら、そ、そ、その後は?その先は?」
とか。

とにかく、だ。
今日は自分も予定があるので
不気味なことこの上ないご主人様のことは置いておいて
そろそろ出かける準備をしようかと思ったそのとき。
何だか射殺すような決意を帯びた視線とともに
顔を真っ赤にしたご主人様が高らかに命令した。

「きょ、きょ、きょ、今日はアンタ、一日ご主人様の、そ、そばにいなさい!
い、いいわね!!」
「あーゴメン、ムリ」



ばら撒くようにして、虚無の連打が炸裂した。


85 名前:ルイズの優雅なデート録:2006/12/09(土) 01:55:06 ID:O4lcsp97

乱打である。
爆発でボロゾーキンみたいになりながら壁際に追い込まれた使い魔に
ご主人様は芸術的なラッシュを叩き込んだ。
見るものが見れば、それは往年のジャック・デンプシーを彷彿としたに違いない。
一体全体なぜ自分がこんな目にあわなければならないのか
皆目見当もつかず理不尽な暴力に身を捧げるしかない使い魔に
止めとばかりに ガゼルパンチをぶち込んで、ようやくご主人様は溜飲を下げた。

思う存分、己の使い魔を無間地獄の谷底に叩き込んだ末に
ようやく使い魔とコミュニケーションをとる気になってくれたらしい。
激しく順番が間違っている気がするが。

「べ、弁解くらいは聞いてあげるわ。」

弁解もへったくれもない。
つーかむしろこっちが弁解を聞きたい。

一体ご主人様は何で突然激怒なさったのか?とか
なぜ自分の必要なものを買いにいくだけなのに弁解しなきゃいけないの?とか
そもそも何も悪いことしてないのに何で俺あんな目にあってんの?とか
つーか大体その言葉が出るタイミングが、著しく狂ってね?とか。

言いたいことは山ほどあったが、これ以上事態をややこしくしたくなかったので
才人は正直に自分の本日の予定を告げた。

そして、ようやく冒頭のやり取りに至ったわけである。


86 名前:ルイズの優雅なデート録:2006/12/09(土) 01:55:53 ID:O4lcsp97

確かに才人の言い分はわからなくもない。
というよりも、至極真っ当な要求であり、
今日の彼の予定は必要且つ必然的なスケジュールであった。
しかも、金銭的にも時間の使い方にしても全て自己責任の範囲内。
非の打ち所のない弁解だった。
けれど。

「う〜、う〜」
「何唸ってんだよ」
「だ、だってわたしの今日の予定が……
メイドが帰省する何日も前から計画練ってたのに…」
「何だよ、お前も予定があるんならその通りにすればいいじゃねえか」

アタマの悪い使い魔には、ご主人様の意図がさっぱりつかめないらしい。
まぁご主人様もご主人様で、
自分の計画に手一杯で相手の都合が全く頭に入っていない辺り
流石に公爵家のご令嬢といったところか。

「違うわよ!今日は一日家でのんびりしてようと思ってたの!」

アンタと一緒に!とまでは流石にいえなかった。
けれど、主人と使い魔はいつだって以心伝心なのだ。
奥ゆかしいご主人様の今の言葉で、使い魔は全てを察して当り前。
しかも先程確かに『一緒にいろ』と伝えたのだ。
その直後の惨劇で、使い魔の記憶は軽く飛んだりしたのかも分からないが
なんてったって遠く離れたご主人様の危機に、視覚の共有さえして駆けつけてくれた間柄である。
阿吽の呼吸。ツーといえばカー。もう一度言うが二人はいつも以心伝心。
ルイズには、そりゃもう絶対の自信があった。
一方の才人自身も、これ以上理不尽な虐待は受けたくなかったのだろう。
ご主人様を決して怒らせないよう、彼女の要求を高速回転で計算しつつ
コンマ2秒でベストアンサーをはじき出し、晴れやかな笑顔で言い放つ。

「そうだよな、せっかくの休日なんだしな。」
さっすがサイト! 何があってもあなただけはご主人様の理解者ね!

「今日は一人にしてやるから一日ゆっくり過ごせよ。」


阿鼻叫喚。

自覚なしに、ご主人様の堪忍袋の尾っぽを二度にわたって引き千切った使い魔は
本日二度目の無呼吸連打を享受する。、
数分後、魔法学院学生寮の一室に佇む貴族の隣に、肉塊が転がっていた。

結局、ご主人様は目の前のタンパク質に妥協案を提示し、
二人で買い物に行くことで話は落ち着いた。

休日に城下町へ買い物に行く。
ただそれだけのことなのに、何でこんなに苦労しなければならないのか
瀕死の才人にはさっぱりわからなかった。


87 名前:ルイズの優雅なデート録:2006/12/09(土) 01:56:58 ID:O4lcsp97

「待ち合わせ?」
「そ、そ、そうよ!」

また質面倒くさいことを提案してくれる。
二人で買い物に行くと決まった瞬間に機嫌を直されたお嬢様は
出発地点が同じであるにも関わらす、現地での待ち合わせを提案した。
何だか前にもそんなことがあった気がする。
「何でだよ? 一緒に出て行けばいいじゃねえか。」
「そんなの気分台無しじゃない。こういうのは気分が大事なの!」

このやり取りも以前したような覚えがある。
まぁ確かにデートといえば、男女の待ち合わせから始まるものだ。
でもなぁ、などと才人が考えている一方で、
ルイズの脳内では才人と落ち合うステキな展開が着々と組み立てられていた。

『サイト、まだかしら』
『あぁ、僕のルイズ! 雪のなか寒かったよね、待ったかい?』
『ううん、平気よ。わたしのサイト』
『ごめんよ、僕のルイズ。ちょうど来る途中で、偶然見かけた病気のお婆さんを助けていたもので』
『まぁ素敵! 流石わたしのサイトね』
『ハハハそんなことは―――!! ルイズッ! 君、手がかじかんで真っ赤じゃないか!』
『ううん、平気なの。サイトのためなら、平気なの』
『あぁ、寒かっただろうに (ぎゅっ) 』
『あぁ、わたしのサイト、もっと抱きしめて』
『勿論だよ僕のルイズ、ついでにその悴んだ指も暖めてあげるよ (パクッ) 』
『ひゃんっ、サイト、なめないで……』
『フフフ、さぁ宿に行こう、僕が暖めてあげるよ』
『うん、わたしも暖めてあげるね』
『ハハハ、コイツめ』
『ウフフ』
以下略。

……ルイズの妄想は色々とトチ狂っていた。
口調がおかしい、態度が違う、一人称が僕、二人称が君、お前ら買い物はどうした、そもそも今は夏だ、つーか上のヤツ誰?
等といった怒涛のツッコミは、お花畑を彷徨う今のルイズにとって、異次元の彼方にぶっ飛んでいた。
とにもかくにも恋する乙女にとって、デートの待ち合わせは絶対の必須条件なのだ。


88 名前:ルイズの優雅なデート録:2006/12/09(土) 01:57:39 ID:O4lcsp97

しかし、ルイズをお花畑から現実に引きずり戻したのは、他ならぬ才人の言葉となる。

「別にお前がどうしてもって言うなら現地で待ち合わせても構わないけど、王都まで馬で二時間かかるんだぞ?」

え?

「ここから別々に出発して、別ルートたどってひたすら二時間、孤独に走り続けて
ようやくたどり着いた王都のどっかの待ち合わせ場所で、へろへろになりながら
『待った?』『ううん、今来たとこ』とか白々しいやり取りかますのか?
いや、どうしてもって言うならホント構わないけど
どっちかって言うと普通にくつわ並べて行ったほうが建設的じゃないか?」












○| ̄|_


ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
彼女の甘く酸っぱいデート劇は、なかなかに多難な様子であった。


89 名前:Coa:2006/12/09(土) 02:00:04 ID:O4lcsp97
はじめてSSというものを書いてしまった……
内容のない話だし、今後の展開も全く考えていないのですが、
楽しめていただけたのなら幸いです。
続き書いたら、また投下します。


90 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 02:08:05 ID:XS3SMK/B
>>89
とてもよかったのであります
続きを期待しているのであります

91 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 03:06:12 ID:T1m1i2XY
>>89
語り方がハルヒのキョン調だな

92 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 03:25:12 ID:955ftOt9
>>89
もはや本人達の片鱗すらとどめない、ルイズの豪快な妄想に吹いたw
面白かったので続きまってます。

93 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 03:53:00 ID:KMKaHGrU
>>91
そんなサイトも素敵だ。

94 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 03:55:54 ID:9iJTgilJ
よいよいよいぞ。
初めてとは思えないくらいよくまとまってるし続きも楽しみなお話でござる。
がんばってー。

あ、>>91さん、この文体ってどちらかというといわゆるナレーター調って奴だと思うからキョン調というのは当たってるけど一寸違うかと。
まあキョンの語り口がナレーター調の変調なんですが。

95 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 13:45:34 ID:DStG9HpM
ルイズアホだねw
おもしろかったっす

96 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 14:48:23 ID:iLJ9iPhy
×堪忍袋の尾
○堪忍袋の緒

97 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 16:25:26 ID:N1lAkd83
>>89Coa氏
とても良かったです
ルイズの壊れっぷりとか、サイトのやられっぷりとかw
続き、期待して待ってます

98 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 17:00:57 ID:BdFAoZTR
おもしろかった
妄想ルイズいいね

99 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 22:08:06 ID:GVrD4oD6
GJ!

内容はともかく、原作でもルイズの妄想っぷりは結構ひどいものがあるよなぁ…w

100 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 22:23:49 ID:LCL2aa87
>>89
才人inルイズの妄想はギーシュ色が入ってる感じだなw
とっても読みやすいね

101 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 00:10:15 ID:2Xw6qaZ6
ルイズアホかwwww
オチが受けたw

102 名前:運動会@エキシビションマッチ! ◆mQKcT9WQPM :2006/12/10(日) 00:56:45 ID:x8NPsJ2T
引き分けとなった第一試合に引き続き、第二試合が行われる事となった。
競技場中央に設えられたキッチンコロシアムもどきは撤去され、再び才人の手に抽選箱が委ねられる。
そして、次なる競技は…。

『えー、次の競技は『格闘技』!『格闘技』となりましたー』

のきなみざわつく観客たち。
当然といえば当然である。
仮にも一国の女王が、直接殴りあいをしようというのだ。
心配になるのも当然と言えよう。

「アン様とくんずほぐれつ…!」「羨ましいぞヴァリエール!」
「代わってくれぇぇぇぇぇぇ!」「むしろ踏んで下さい!」「いや、俺はヴァリエールたん萌えなのだが」

…一度この学院は教育というものを見直したほうがいいだろう。
しかし、その心配は杞憂に終わる。

『えー、運営本部より、陛下が直接闘うのはアレだということで、双方代行を立て、その方々に勝敗を決して頂きます』

その代行に指名されたのは。
アンリエッタ側に、アニエス。
そしてルイズ側が、才人であった。

…なんで審査員の俺が…。
競技場中央に作られた急ごしらえの四角いリングのコーナーで、才人はため息をついていた。
その対面側のコーナーには、体操服のアニエス。
正直、才人は闘う気がしなかった。
剣での勝負ならともかく、拳での殴りあいなど、したくない。
相手が女の子ならなおのこと、である。
しかし、リングサイドから、容赦のない声が飛ぶ。

「サイト!負けたら許さないんだからね!」

…このご主人様はー…。
しかし、逆らったら後が怖いので、とりあえず才人はリング中央に向かう。
同じように、アンリエッタから檄を受けたアニエスが、中央に向かってくる。
その間に、審判役のギトーが立つ。

「えー、双方、武器の使用は禁止。
 地面に10カウント組み伏せられるか、場外に落ちたら負け。以上がルールだ」

ルールの確認後、アニエスが手を差し出してくる。

「正々堂々やろうじゃないか、サイト」

握り返す事を躊躇している才人に、アニエスは続ける。

「何を心配している?素手でもお前程度に後れは取らんぞ。
 遠慮はいらん。私も本気でやるからな」

確かに、アニエスなら本気で闘っても問題はないだろう。
才人は腹を決めて、アニエスの手を握り返した。

「本気で行きますよ、俺も」

そして、試合開始を告げるギトーの声が、競技場に響いた。

103 名前:運動会@エキシビションマッチ! ◆mQKcT9WQPM :2006/12/10(日) 00:57:35 ID:x8NPsJ2T
先手を打ったのは才人だった。
地面を蹴り、鋭い左を真っ直ぐに打ち込む。
アニエスはそれを余裕の動きで避け、そのままその腕を取った。
そして巻き込むように体を回転させ、才人を地面に転がす。

「うわたっ!?」

背中を打ち付けて初めて、才人は自分が投げられた事に気づいた。
いかに戦闘経験があるとはいえ、格闘戦に関しては才人は素人だった。
そのまま、アニエスは才人に馬乗りになる。
そして何を思ったのか、傍目にはキスしそうな距離にまで顔を近づける。

「さて、負けを認めるならこの辺りでカンベンしてやるぞサイト?」

しかし才人とて男である。しかも愛しいご主人様の期待までその背に負っている。
負けるわけにはいかないのである。
才人は懸命に上半身を起こそうとしながら、反論した。

「この程度でっ、負けるわけには…!!」

しかし才人の抵抗は無駄だったのである。
アニエスは何の遠慮もなく、その胸に才人の頭を埋めた。

「わぷっ!?」
「じゃあ訂正しよう。
 負けを認めないなら、公衆の面前で立たせちゃうぞ♪」
「すいません参りました」

これをもって、才人の負けが決定したのである。

「バカ犬ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

ルイズの怒号が競技場に鳴り響いた。

『えー、第二競技の結果は、アンリエッタ女王の勝ち、となりましたー』


ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ。
あと一歩。
あと一歩でサイト様は私のもの。
競技場の反対側では、慌てふためいているルイズが見えた。
悪いけどルイズ・フランソワーズ。今度ばかりは手を抜くわけにはまいりません。
私の『相応の覚悟』、見せて差し上げます。
そして、そしてそしてそして!
晴れてサイト様は、私の婿となって、トリステイン国王に!
そうね、トリスタニアに帰ったらまずは式かしら。
各国の王に招待状を出して、貴族にも召集をかけて。
その日はトリステインの祝日にしてもいいかも♪
そうねー、新婚旅行はアルビオンなんかステキじゃないかしらー。
なんて私が未来設計を考えていると。
次の競技を告げる声が、会場に響き渡った。

104 名前:運動会@エキシビションマッチ! ◆mQKcT9WQPM :2006/12/10(日) 00:58:05 ID:x8NPsJ2T
『えー、次の競技は『仮装』です!』

『仮装』?それで、どうやって勝敗を決めるのかしら…?

『えー、競技内容を説明いたしますとー、お互いに仮装を披露して、審査員のサイト様をより興奮させた方が勝ち、ということになります』

…どういう競技なんですか…。
私が呆れていると、視界の隅にガッツポーズを取るオールド・オスマンの姿が。
…犯人はコイツか…。
この人に学院を任せておいて、本当に大丈夫なのかしら…?
隣を見ると、ルイズも呆れていた。
でも、私と目が合うと…。
何!?今の勝ち誇った笑みは!?
『私はサイトの全てを知り尽くしているわ!』みたいな!!
…ま、負けるもんですか!
私だって、私だって!
本でいろいろ勉強したんですから!

さて、才人の興奮をどうやって計測するのかと言えば。
コルベールが自信満々に説明する。

「えー、計測にはこの『愉快なヘビ君EX』を使います」

それは、貞操帯の股間に、いつかの実験で見せた「愉快なヘビ君」がくっついた、といったカンジのものだった。

「いやあの先生いくらなんでもダイレクト過ぎでは」
「これは男性に装着する事で興奮を数値にして計測するものです」

才人の反論は完全無欠に無視である。
でもって、疑問を差し挟む余地もなく才人は椅子に縛り付けられ、『愉快なヘビ君EX』を装着されてしまう。

「えーそれでは、一例を」
「ちょっとまてここで公開処刑かあああああああああああ!!」

才人の反論はまたしても無視される。
コルベールが指を鳴らすと、才人の目の前に体操服のキュルケが立つ。
そしておもむろに才人の頭を抱え込んだ。

『ちょっと待てなんだその役得!』『しねサイト!』『逝ってヨシ!』
『月のない夜は背中に気をつけろよ!』『べ、別にうらやましくなんかないんだからなっ』

男子生徒の非難の声が上がる。
と、同時にルイズのいる『控え室』からすさまじい殺気が。
…気にしないことにしよう。

「おお、興奮レベル75!ばっちり興奮しておりますな!」

実験結果に満足し、コルベールはキュルケを下がらせる。
『ダーリンのためだからしょうがないけど…』なんてぶつぶつ言いながら、キュルケはおとなしく引き下がる。
当の才人はといえば、羞恥のあまり白い灰と化していた。
…ていうか後がコワイっす…。
そんなこんなで『計測装置』の方の準備が一通り整うと。

『えー、それでは、お二方の準備が整ったようですので、競技に入ります。
 なお、計測時と違い、競技ではおさわりは厳禁とします』

105 名前:運動会@エキシビションマッチ! ◆mQKcT9WQPM :2006/12/10(日) 00:58:39 ID:x8NPsJ2T
その放送が終わると同時に、競技場脇の部屋を間借りして作った『控え室』から、マントとフードで完全に姿を隠した二人が現れた。
二人は中央に待つ才人の前まで歩いてくると、お互いに視線をぶつけ合い、そして両手を差し出す。
アンリエッタがパー。ルイズがチョキである。

『先攻、アンリエッタ女王!後攻、ミス・ヴァリエール!』

先攻後攻が決まったところで、ルイズは才人の前から下がる。
そして、アンリエッタがマントに手を掛け、放り投げる。
その下から現れたのは…。

「きょ、今日はあなたがご主人様にゃんっ♪」

物凄く短い丈のメイド服に身を包み、虎縞のねこみみのカチューシャを装着して、メガネをかけたアンリエッタだった。
ご丁寧に尻尾までついて、さらに手をネコのように丸めている。
やっぱり恥ずかしいのか、顔を耳まで真っ赤にしている。
いったいどんな本を読んだのだろう。

「えー、興奮度は…35でございます…」

ど、どうしてっ!?本には殿方はこういうのが好きだとっ!?
驚愕に歪むアンリエッタの顔。
そして。

『なぜだ、なぜこのアン様に萌えないのだサイト!』『この不能!』『お、俺はアン様なだけでハァハァ』

一部変な声も聞かれるが、男子生徒の怒号が辺りを覆う。
しかし才人の数値は増えない。
…ゴメン姫様、属性付加しすぎて逆効果です…。
才人は以外にマニアックであった。

106 名前:運動会@エキシビションマッチ! ◆mQKcT9WQPM :2006/12/10(日) 01:00:14 ID:x8NPsJ2T
『えーでは、後攻のミス・ヴァリエール、どうぞ!』

しかし放送は無情にもルイズの番を告げる。
アンリエッタはしぶしぶ下がり、そして才人の前にマントにフードのルイズが立つ。
ルイズはそっとフードに手を掛け、まず顔を晒す。
その顔はいつもと同じ。髪にも手は加えられていない。ただ、髪が水に塗れた様に湿っていた。
てことは、この下、なんだよな…。
ルイズは、少し赤くなりながら、才人に向かって、小声で言った。

「さ、サイトにだけ、見せてあげる…」

そして、才人の前に建ち、マントの前だけをはだけて見せた。

『興奮度100…120…バカな、まだ上昇している…!』

マントの下のルイズは、びしょ濡れの体操服だった。
遠目には見えないが、透けたルイズの肌が、才人にははっきり見えていた。
…どこでこんなテクニック覚えてくるんですかルイズさん。
才人は心の中だけで突っ込んだ。

『こらサイト、見えないぞそこどけ!』『お前だけおいしい思いしてんじゃねえぞー!』『お、俺はヴァリエールたんなだけで以下略』

男子生徒の怒号の中、放送が告げた。

『えー、競技の結果、1対1、1引き分けで、両者引き分け、となりました!
 以上をもちまして、エキシビションマッチを終了いたしまーす』


そこは、学院の裏門だった。
表から影武者を帰らせ、アンリエッタは裏門で、ルイズと別れの挨拶を交わしていた。

「今度の勝負では結果はでませんでしたが…いい勝負でした」
「そうですね。姫様の健闘は、賞賛に値しますわ」
「…今度は、負けませんよ」
「いつでも、受けて立ちます」

そして、二人は手を差し出す。
それぞれの掌に光る、二本の画鋲。
二人は引きつった笑顔で、お互いの手を握り返した。
そして、力の限り握り締める。

「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
「おほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ」

それを見ていた才人が、思いっきり引きの入った顔で言った。

「こえーよ、二人とも…」

そして、これを皮切りに、後世に『トリステイン史上最悪の痴話喧嘩』と呼ばれる、アンリエッタとルイズの血で血を洗う戦いの幕が切って落とされるのだが。
それはまた別の話。〜fin

107 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2006/12/10(日) 01:01:32 ID:x8NPsJ2T
すまん仕事で死に掛けてたorz
ゼルダもとくにやれてないですorz
むしろこんなので終わっていいのか俺orz

ごめん、次は必ずエロにするから!もう少し待っててorz
ノシ

108 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 02:18:21 ID:mn2MDbXH
アニエs生殺s

109 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 02:27:32 ID:AbAxPWEu
GJです。
まぁ、とにかく体を休めましょうや。
貴方はまだ、こんな所で倒れては行けない!

110 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 03:28:52 ID:zaWHKN78
さ・・・さすがはへんたいさん!GJ!

へんたいさんに影響を受けてルイズ、シエスタ、アン様、タバサ、ティファニア
が才人を巡って料理やら運動やら様々な競技で戦うエピソードが思い浮かんだ。
まぁ文章化には出来ないが・・・

111 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 04:21:01 ID:r+RBAloD
GJ!
面白かった。さすがです。
しっかり休んでまた書いてください。


112 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 04:57:14 ID:5SSXj4Ll
>>107
超GJ!


っていうか読んでたらルイズとかアン様より
アニエスをお持ち帰りしたくなりました!!

113 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 12:02:09 ID:LHXIMYj+
へんたいさんGJ!
アニエスのおっぱい締め…
死なないようガンガって

114 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 14:37:55 ID:Bv9F7UJT
あにえすぅぅぅうぅうぅぅぅううぅっっっ!!!
ぐじょおおおぉぉぉーーー(ry

115 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 19:20:39 ID:xHKJ0SCE
へんたいさあーん!!
タバサまだー?

116 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 20:17:27 ID:LHXIMYj+
きっとへんたいさんは今…


ゼルダやるのを我慢してエロエロなタバサを書いてるはず!期待してまってます
+   +
 +∧_∧  ドキドキ
 (0゚・∀・) ワクワク
 (0゚∪ ∪ + テカテカ
 と_)_) +

117 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 20:41:36 ID:oUAqEpXf
みんなさ、へんたいさんを休ませようぜ。
つーかゼルダやらせてあげましょう。


118 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 20:55:19 ID:fcxbWVhp
むしろゼルダを取り上げろw

119 名前:サイトと魔法の布:2006/12/10(日) 21:30:19 ID:KCCsbQHH
持ち前のノートパソコンを使い、数々のエロサイトを転々とし、さらには出会い系にまで登録して「エロサイト」の称号を得た彼にとっては、この状況は虎に霜降り松坂牛を差し出すようなものであった。
「しゃー!!これでパンツ見放題、盗み放題だぜぇ!!!!」
恐らく…いや、間違いなく彼はこの世界に来なければ下着ドロと化していただろう…
彼は階段の前でミミズのように這いつくばって女の子が通る度に、まるで鷹が獲物を狩るかのような目でスカートの中身を凝視した。
しかし毎夜、半裸の女の子の隣で寝ている彼の息子は、もうパンツ程度には反応しなくなっていた。
さらにパンツというのは女の子が隠そうとしているのにも関わらず見えてしまうことに意味があるので、こんな真正面から見てもつまらないのである。
「くそっ!オレにはレベルが低すぎる…」
みんな白しかはかねぇし!大体、なにパンツはいてんだよ!ノーパンで十分だろノーパンで!!
などと考えていると…
いや待て…居るではないか!!ノーパン娘が!!一等賞の彼女が!!
そうと決まれば善は急げ早速厨房へ向かうサイトだった。
「シエシエ!!待ってろよぉ!!!!!」



すまん、あんまり書けんかった…次で終わらせる

120 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 22:59:06 ID:oUAqEpXf
エロサイトwww
ネーミングセンスツボにはまったww
腹よじれるwww

121 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 00:17:38 ID:E6sZDzKn
元の持ち主のギューシュがどのように活用していたのかも、ものすごく気になる…w

122 名前:黒い誘惑 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/11(月) 01:24:40 ID:IjCNnrd8
身体の調子も良くなってきたし、毎日衣食住の面倒を見てもらってばっかりでは申し訳が立たないので。

「今日は俺が買い出しに行くよ」

もう既にデルフリンガーを背負い、出立の準備を整えた才人が、自室から出てきたティファニアに言った。
月に何度か、ティファニアはロサイスの町まで買出しに出かける。
森の中だけでは賄えない、薬や食材、スパイスなどの調達に出かけるのだ。
また、お金を得るために、森で採れた作物や珍しい植物の花や実を、お金に換えていた。
それを、今回は才人が代行しようというのだ。

「え、でも」

サイトに無理はさせられない。
そう思って、そのまま口にしようとしたティファニアだったが、才人の手に在るものを見て慌てた。

「あ、それ私の帽子…!」

それは、ティファニアが外出する際には不可欠な、長い耳を隠すための大きな帽子だった。
これがなくては、その長い耳を晒す事になってしまう。街に買い出しに行くなどもってのほかだ。
才人は取り返そうと伸びてきたティファニアの手から帽子を遠ざけると、言った。

「たまにはテファもゆっくり休んでてよ。それまでコレは預かっとくから」

そして、背負い袋の中にそれを仕舞い込んでしまう。
…もう、言っても聞かないんだろうなぁ…。
諦めたティファニアは、才人を村の入り口まで見送る事にした。

「それじゃ、行ってくるよ」

荷車を繋いだロバの手綱を握り、才人はティファニアに言う。

「ホントに大丈夫?無理はしないでね?」

最後まで才人の身体を気遣いながら、ティファニアは言う。
そんなティファニアに、才人は笑顔で応えた。

「大丈夫だよ、無理はしない。
 …もう一人だけの身体じゃないしな」

言って、恥ずかしそうに頬を掻く。
ティファニアも、その言葉と同時に頬を染める。

「もう…バカ。
 …いってらっしゃい」

笑顔で手を振り、才人を見送る。
才人もそれに手を振って応える。
ティファニアはそのまま、才人が見えなくなるまでそこで手を振っていた。
やがて、才人が見えなくなると、ほう、とため息をついた。
そして何かを思いついたような顔をして、少し頬を染めて、才人の去ったほうを向いて小声で呟いた。

「いってらっしゃい…あなた」

言ってから、真っ赤になって手をぶんぶんと振る。
い、いいいいい言っちゃった!い、一回言ってみたかったんだけど!言っちゃった言っちゃったどーしよー!
誰もいないそこで照れ隠しにぶんぶん手を振り、ティファニアは悶えていた。

123 名前:黒い誘惑 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/11(月) 01:25:12 ID:IjCNnrd8
「ふーん」

不意に近くの木陰から声がした。
ティファニアの動きが一瞬で石像のように固まる。
そこにいたのは、例の、一番年上のブルネットの女の子。名をタニアと言った。
彼女は先ほどのティファニアの動きを真似て、呟く。

「いってらっしゃい、あなた」

その言葉と同時に、石像と化したティファニアにびきっ!とヒビが入った。…ような気がした。
タニアは、そんなティファニアには構わず、続ける。

「そっかー。テファお姉ちゃんにもついに春が来たかー。おめでとー」
「いいいいい今のナイショだから!サイトにも皆にもナイショなんだから!」
「もーいい加減認めちゃったらいいのにねー」

そう言い放って、タニアは慌てるティファニアをほっぽって、すたすたと家の方へ歩き出した。
腰にまとわりつく、「ナイショ!ナイショにして!ね!!ね!?」とか叫び続ける自称保護者のハーフエルフを引きずりながら。

ロサイスの町の市場は、大賑わいだった。
才人は予定の買い物をさくっと済ませ、露店の品物を眺めながら帰り道を辿っていた。

「ほんとに賑やかだなぁ」

そう呟くと、背中のデルフリンガーが合いの手を打つ。

「だなあ。どっから沸いてくるんだか全く」
「人をボウフラみたいに言うなよ、デルフ」
「そりゃボウフラに失礼だろ。人間ほどあっちこっちで沸く生き物は」

デルフリンガーのくだらない講釈が始まる前に、才人の視線がある露店に釘付けになる。
その視線の先にあったものは、黒いビスチェ。
いつか、『魅惑の妖精亭』でルイズが着て見せてくれた、『魅惑の妖精のビスチェ』だった。
才人はその露店に慌てて駆け寄る。
「なんだなんだあ?」と騒ぐデルフリンガーをよそに、才人は食い入るようにその黒い衣装を見つめる。
…ルイズが着てあんだけエロいんだ、もしテファが着たら…。
あっという間に才人の頭はエロい妄想で一杯になる。
日本の道端でそんな顔をしていたら間違いなく職務質問まっしぐらな顔で才人がそのビスチェに見とれていると。
不意にその露店の店主が語りかけてきた。

124 名前:黒い誘惑 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/11(月) 01:27:44 ID:IjCNnrd8
「お客さん、そんなにコイツが気に入ったかい?」

店主はニヤニヤと笑みを浮かべながら、才人にそう語りかける。
才人はそんな店主をいぶかしみながらも、

「は、はあ」

と返事を返す。
店主は続ける。

「着せたい相手がいるとみた」

そしてその眼光が鋭さを増す。
才人は心の中のエロ妄想を見透かされた気がして、あとずさる。

「図星だな。
 …よし、お兄さんのそのエロい目つきが気に入った。
 特別価格で譲ってやろう」

…どういう理屈だよ、と思いながら念のために聞いたその値段は、お遣いで残ったお金で、余裕で足りる金額だった。
才人が光の速さで購入を決断したのは言うまでもない。

才人が帰ると、ティファニアが真っ赤な顔で出迎えた。
その横に何故か、よくティファニアの手伝いをする、タニアという女の子がいた。

「おおおおおおおお帰りなさい!」

あくまで笑顔で才人を迎えるティファニアの横で、タニアが「あな」とか続けようとして、ティファニアに口をふさがれる。
むがむがと抵抗するタニアを押さえつけながら、ティファニアは続けた。

「はははははは早かったね!」
「うん。意外とすぐに用事は済んだし。
 それに、テファにおみやげ買って来たし」

そう言って例のビスチェの入った紙袋を持ち上げてみせる。
ティファニアは何?と尋ねたが、才人は今晩のお楽しみ、と紙袋を背中に回してしまう。
ようやく自由になったタニアは尋ねた。

「ねー、私にはー?」
「タニアはまた今度な」

その言葉にタニアはむくれる。

「ナニソレー。つまんないー。
 そんなんだと、テファおねえちゃんの旦」

そこまで言うと、ティファニアは慌ててタニアの口を塞ぎ、タニアを抱えたままずざざざざざっ!と家の方に後ずさった。

「そそそそれじゃ、私たち晩御飯の用意があるからっ!
 サイトは部屋で待っててっ!」

そして家の中に入ってしまう。

「…んじゃ、荷物倉庫に入れてくるか」
「そうすっかねー」

取り残された一人と一本は、ロバをひいて荷物の片付けに取り掛かった。

125 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2006/12/11(月) 01:30:19 ID:IjCNnrd8
一言言っておくが。
俺のHNは「せんたいさん」で「へんたいさん」じゃネーゾ?
忘れてないですかぽまえら。

あとなあ!俺の頭の中は常にタバサモードじゃないんだぞ!
だってロリコンじゃないからな!

まあそれはともかく今日はここまで。ゼルダやって寝る。
ノシ

126 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 01:33:43 ID:0/6EaZZW
>>125
へんたいさん!あなたは神だッ!!!

魅惑のビスチェ編に超期待wktk!!

127 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 01:38:27 ID:0M6gTlaT
それくらいわかっているさ。
へんたいさんはせんたいさんの二つ名でしょ? だからどっちでも(ry
胸革命に超期待してとりあえずボウリングして待っときます。

128 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 01:48:44 ID:KMtBFuVc
>>125
よく分かったんだよへんたいさん

129 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 01:56:32 ID:9/Wtegmo
GJ!さすがロリコンさんだね♪タバサ属性を隠すためにテファを出して(え
続きは胸革命と思わせてタニアがビスチェを着てしまうはず(え


130 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 01:56:49 ID:HVGZ2P7c
運動会絡みで体操着にブルマーかと期待したら魅惑のビスチェだと!
我らの想像のその少し斜め上を行く、さすが!せんたいさん
俺たちに想像出来ない事を平然とやってのけるッ
そこにシビれる!憧れるゥ!



131 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 01:58:28 ID:vS1+G7A8
>>125
へんたいさんGJ

132 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 02:00:26 ID:bV9ijS4u
このスレの温かい雰囲気にワロタ。

133 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 02:01:02 ID:0VFRgqwa
せんたいさんGJ!

というところで流れを切って申し訳ないのだが、一本投下させていただく。
需要完全無視で「ねえさま」をメインに書いてみました。

タイトルは「ラ・ヴァリエールの娘」です。

134 名前:ラ・ヴァリエールの娘:2006/12/11(月) 02:01:38 ID:0VFRgqwa
「やった、ついに、ついにできたわ。これであの男を超えられる」
トリスタニアにある王立魔法研究所の一室で、一人の女性研究員が歓喜に酔いしれていた。
手には外注していた量産品の試験結果を示す書類が握られている。
彼女の名はエレオノール。トリステインでも有数の名士、ヴァリエール公の長女であり、
今年で2X歳(やんごとなき理由ににより伏せられています)になる。
家柄、容姿、そして才能と、そのすべてにおいて人より優れる彼女ではあったが、
たった一つだけ、手にすることができないでいた。言うまでもない。
いや、むしろ語ることすら憚られる、というものだ。

「よし、今日は自分へのご褒美よ。かわいいお洋服も、アクセも、どんどん買っちゃうわ」
「それから、夜のお店でご馳走食べておいしいお酒も飲んで、それから、それから……」
「うん、ちょっと羽目をはずし過ぎちゃうのもいいかしら。
お酒で足元がおぼつかないところに若くて格好いい紳士様が通りかかって
『お嬢さん、いかが致しました? こんなになるまで飲まれるなんて。
何かつらいことでもおありですか?』って。それで私は『そんな、聞かないでくださいまし』と答えるのね。
そうすると事情を察したその方は何も聞かずにご一緒してくださるのよ」
そんないい男が王都にいるかどうかは分からないが、もちろん、彼は年齢を聞いてはならない。
「けどいいムードになった二人にも別れの時間が近づいて、紳士様はお住まいに帰らなければならないのよ。
そして私は優雅にしなだれかかって『いえ、どうか今宵だけでもあなたのおそばに……』なんて。
『わかった、何も聞かず一緒に』って答えが帰ってきたりして……きゃんっ」
独りでぶつぶつ言いながら両手をほんのり染まった頬に当てている。
あのルイズの独り芝居癖が誰の影響であるか、よく分かるというものである。
「……はぁ。バカバカしい。そんなことあるわけないじゃない、三文小説じゃないんだから」
エレオノールは冷静に呟くと手早く帰り支度を始める。
知り合いに見つかって涙目で身投げをする誰かさんとは違い、すぐに持ち前の冷静さを取り戻すのであった。
「お先に失礼致します」
他の部屋の研究員に声をかけつつ、彼女は普段より少し早い時間に研究所を離れた。


135 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 02:02:30 ID:E6sZDzKn
このスレで「へんたいさん」は尊称だと想っているんですが(ぉ
胸革命がアレを着ると…誰も抵抗できなさそうだ…w

136 名前:ラ・ヴァリエールの娘:2006/12/11(月) 02:02:32 ID:0VFRgqwa
「いらっしゃいませ〜」
こんばんは、と答えてエレオノールは店内に入る。
両手には先ほど買った大量の「自分へのご褒美」が入った袋をを下げていた。
職業柄、いつもいつも従者を伴うわけではないし、一人のほうがなにかにつけ身軽なのである。
末の妹を引っ張りに魔法学院へ赴いた時とは言っていることが違うのだが、それは問題ではない。
時と場合に応じた振る舞いというものである、たぶん。
「あら、エレオノールさん、こんばんは。どうしたの? なんだかとってもご機嫌な様子だけど。
なにかいいことでもあったのかしら?」
ぴったりとした皮の胴着に身を包む屈強な男が女言葉で尋ねる。
「ええ、まあ。カウンター、空いてる?」
「空いてるわ。予約も入ってないし、よければ貸し切るわよ?」
「ありがとう、スカロンおじさま。嬉しいわ」
ここは『魅惑の妖精』亭。トリスタニアの中でも由緒正しい名店のひとつに数えられる。
要人から街の衆まで、誰もが楽しめることを目指して今宵も明るく繁盛していた。
ただ、立地と、店長の姿だけが問題といえば問題だろうか。
しかしながら歴史を遡ればそもそもチクトンネ街は本来……いや、関係のない話はやめておこう。
「なんのなんの。エレオノールさんは上得意様ですもの。
……あ、気に障ったらごめんなさいね。あたしったら、失礼なことを」
「いいのよ、事実ですもの。それに、いつもたっぷりサービスして頂いてますから」
「あぁん、あ・り・が・と。それじゃ、ごあんな〜い」
野太い嬌声に導かれ、二人は店の奥へと入っていった。

豪華な料理に舌鼓を打ちながら、エレオノールは満足そうに時を愉しんでいた。
「そーなのよ。二十年位前に実験小隊の隊長が考案したっていう魔法の弾丸、
あれの小型化に成功したのよ。量産化の目途もたってるし、これでさらなる出世も間違いないわ」
そう自慢げに話す。相手の魔力を追尾して飛ぶ魔法弾の最小、最軽量化に成功したのだ。
もともとの理論では艦載砲の弾にするのが精一杯だったが、彼女の功績により銃や弓矢と組み合わせて
使うことができるほどになった。王女時代からのアンリエッタの強い後押しで研究が進んだのだが、
これはこれで少々複雑でもあった。メイジには魔法弾などいらない、魔法そのものを使えばよい。
平民に余計な力を持たせるだけになってしまわないだろうか、ということが懸念される。
「ねえねえ、けど、それって重要な機密なんじゃないの? こんなところで話してしまってもいいの?」
エレオノールは我に返る。けど、少しくらいこの成功に酔ってたっていいじゃない。
「なにをおっしゃるの、ここはおじさまのお店でしょう? そんな危険な連中が潜んでるはずないわ」
「あらら、じゃあたしの責任重大ってことね」
「そうですわよ、おじさま」
エレオノールは満面の笑みを浮かべる。まるで少女のようなそれであった。
引き合いに出すなら、ルイズの笑顔に大人の色香が加味されている、というようなものである。

137 名前:ラ・ヴァリエールの娘:2006/12/11(月) 02:03:28 ID:0VFRgqwa
「ちょっと失礼、下がるわ」
スカロンが所用でカウンターの奥にさがった。その瞬間を見計らってか、三人組が声をかける。
「お嬢さん、お一人ですか?」
「そんなところでオカマと話してないで、どうです? 俺たちと一緒にいっぱいいかがですかぁ」
「なにか御用でしょうか?」
エレオノールは極上の笑顔を作って振り返る。氷の微笑と形容できそうなくらいの、怜悧な表情だった。
誰もが振り返るクールビューティと言ってもいいほどである。ただし、歳相応の。
「え、ええ。美しいご婦人よ、いかがでございましょう?
私どもの宴席にそのきらびやかなお姿を、添えてはいただけないものでしょうか」
三人組のリーダー格らしき男は、ほんの少しの動揺を見せつつもエレオノールを立てる。
食い下がるつもりか、適当に誤魔化すつもりなのか、いずれにも取れる言葉ではある。
「……ちっ……」
しかしリーダーの苦心もむなしく、一人が小さく舌打ちをしてしまう。
さらには困ったことに、その顔には「ババァじゃねえか」とはっきり書かれていた。
「なにかご不満?」
エレオノールは耳ざとくその音を捉えていた。露骨に不機嫌そうな表情になる。
「いえいえ、めっっそうもございません。この男、自分に自信がないためか、
貴女様のようなご婦人をお見かけしても私たちには高嶺の花と思い、いつも不機嫌になるのでございます。
そのような振る舞いは失礼極まりないと、このような場でなくとも日頃から諭しておるのですが、
なかなか直してくれなくて。ああ、本当に申し訳ないことです」
「そう…………そう?」
エレオノールの不機嫌は収まらない。

「まことに失礼を致しました。お詫びといっては恐縮ですが、ご一緒していただくかによらず、
こちらは私どもが持たせていただきます。どうかご機嫌を……」
「そんなこと頼んでない」
答えはそっけない。
「ああ、精一杯誠意を尽くさせていただきたく存じます。なにとぞ……」
エレオノールの反応を察して、男は戦略を変える。とりあえずはこの年増を店から追い出して、
別の女に声をかけることにしようという考えであった。
「ああ、ほんとうに、ご無礼をお許しください。しかし、更なる失礼を承知で申し上げます。
夜も更けますれば、いっそう無礼な手合いに遭わんとも限りませぬでしょう。
お美しい貴婦人よ、遅くまで家をお空けになっては旦那様もご心配なさりましょうし……」
「ぁん? 旦那様、ですって?」
エレオノールの反応に、男はしまったという顔をする。
年増とはいえ極上の美人、しかし店長と親しいという時点で警戒が必要だったはずなのだが、
まことに男の欲望とは文字通り、罪深いものである。
「なんだ、往かず後家かよ、けっ」
先ほど舌打ちをした男がよりによって最悪の言葉を吐く。
「ちょ、おまっ」
リーダーの顔は真っ青になっていた。さすがに誤魔化しようがない。

138 名前:ラ・ヴァリエールの娘:2006/12/11(月) 02:04:06 ID:0VFRgqwa
地雷は見事に炸裂した。
「あんたら何様よ。礼儀を知ってたらできないようなことばっかりしやがって。気分わる。
こっちは一人でいたいのに声かけといて、歳が分かったら手のひら返すか。あぁ?
女漁りだったらね、もっとそういうことに適した店でやんなさいよ。そもそもここのお店はね、
あんたらみたいな連中がでかい顔できるようなところじゃないの。いい?
それくらい知っておきなさい。知らなかったのならいまここで覚えることね。
本来なら敷居をまたぐことだって許されないくらいなのよ。分かった?
しかもそんなくたびれた格好で。恥を知りなさい。大方どこぞの傭兵で先の戦争に乗じて
流れてきたってところなんでしょうけど。さっさと帰るか、ちゃんとした仕事を探しなさい。
どうせ金持ってないんでしょ。それともろくでもない稼ぎ方をしてるのかしら?
ここ最近やっと治安が戻ってきたところですからね。金づる探しも大変でしょうに。
だいたい一人の女に三人がかりって根性が気に食わないわ。私を上手く丸め込んだら、
それからどうするつもりだったの? ま、そんなことありえませんでしょうけど。
で、あと二人探すの? それとも三人で仲良く分けるの? 冗談じゃないわよ。
あんたたちみたいな汚らわしい野郎どもとこうしてるだけでも勘弁してほしいってのに」
「あんだとこのアマぁっ」
「うるさいな。それで脅したつもりなの? 怒鳴り声だけで女がどうにかなるとでも思ってる?
見下げ果てた野郎よね。そうやって威嚇して見せるのもいいけど、思い通りにならないからって
暴力をちらつかせるなんて、まともな貴族のすることではないわね。
はぁ、で、三下の分際でこの私に声をかけといて、覚悟はできてるんでしょうね?
始祖ブリミルの名の下に地獄へ落ちるか、さっさと御代を払ってここから立ち去るか。
まああんたたちに選ぶ権利はありませんけど?」そこで一息ついて、ためるようにしてから一言。
「いいから消えなさい、ってんのよこの下衆野郎」
店内にどよめきがこだまする。一気にまくし立てたエレオノールに対する賞賛のようだった。
どうやら三人組はエレオノールに声をかける前からすでに店内の空気を悪くしていたらしい。
「がたがた言ってんじゃねえよちくしょっ」
男がこぶしを振り上げた、そのとき――

139 名前:ラ・ヴァリエールの娘:2006/12/11(月) 02:05:54 ID:0VFRgqwa
「おやめください」
割って入ったのは年のころ15、6の少年だった。
自分より頭ひとつ以上大きな男の腕を掴み、身動き一つとらせない。
「……ん……なんだコイツぁ」
少年が手を離す。
「失礼致しました、旦那様がた。されどここは皆で歓談を楽しむ酒場でございます。
腕試しでしたら、どうか私どもの店より相応しいところでお願い申し上げます。
お代は結構でございます。どうかお引取り頂きますよう」
「なにぃ」
男がすごもうとするが、少年は深々と頭を下げたまま少しも動じない。
「あらあら、どうなすったの?」
店の奥から、スカロンが現れた。
オーク鬼だろうが翼竜の眷属だろうが軽く倒してしまいそうなほどの闘気を纏っている。
「ちっ、失礼しますよ」
スカロンの姿を見て、リーダー格が捨て台詞を残して踵を返す。
後の二人もそれに続いた。


「はぁ……なんかやんなっちゃうなぁ。せっかくのいい日だったのに……」
三人組を追い払ったあと、店内には楽しげな空気が戻っていた。
「ごめんなさいね。どうも最近はああいう手合いがたまに来るみたいなのよ。
けどお客さんだからお断りするわけにも行かなくて……」
「おじさまは気にしないで。悪いのはあいつらなんだし。あれ、ちょうだい」
「ええ。いいわよ。シングル?」
「ダブルで、いえ、やっぱりグラスでいただくわ。ロックでお願いね」
そんなに飲んでいいの? と尋ねるスカロンに、
エレオノールは、大丈夫よ。いまはたっぷりと飲みたいの、と答える。
「かしこまりました」
スカロンは恭しく頭を下げると、店でも最上級の蒸留酒を棚から出した。
エレオノールのボトルキープである。他には、アンという名札のついたビンも並んでいた。
手早く準備してそっとエレオノールの前に差し出す。
「サービスよ」
「うそ。おじさまったら、またそんなこと言って」
エレオノールはクスリと笑って一口。ボトルキープは前払いである。
「ええ、また、なのよ。ごめんなさいね。でもドキッとしなかった?」
「んもう、しないわよ」
とっておきの酒の魔力なのか、まるで魔法の妙薬を飲んだように、エレオノールの心は落ち着いていった。
「それじゃ、お話しの続きを聞きましょうか」

140 名前:ラ・ヴァリエールの娘:2006/12/11(月) 02:06:58 ID:0VFRgqwa
それからまた小一時間が過ぎる。
エレオノールは見事に出来上がっていた。無論、最上級の貴族に相応しい慎みある酔い方ではあったが。
「そろそろ失礼するわ。お代は……そうね、これをとっておいて」
そう言って戸口で一枚の金貨を差し出す。
「まあまあ、今日はサービスにしようと思っていたのに。こんなに頂いていいの?」
とはいうものの、スカロンに断ることはできない。貴族の支払いとは、そういうものだ。
「ええ。もちろん、お釣りはいりませんわ」
微笑みを残して帰ろうとするエレオノールをスカロンが呼び止める。
「ちょっと待ってて。ジュリア〜ン、そこにいるかしら? おいで」
「はい、ただいま」
スカロンに呼ばれて先ほどの少年が出てきた。
「エレオノールさんを送って差し上げなさい。もうこんな時間ですからね」
「はい。ではしばし、お時間を」
ジュリアンは再び奥へ下がる。
「一人でも大丈夫ですのに」
「いいえ。馬車を呼ぶか、ジュリアンを連れるか、どちらかにしていただきます」
「心配するほどじゃないわ。ほら」
しかし、スカロンの見たとおり、言葉と裏腹にエレオノールは若干足元がおぼつかない様子である。
それを自覚してもいるのか、彼女はスカロンの厚意を受けるつもりのようだ。

「お待たせしました」
ジュリアンが戻る。服装はそう変わらないが、履物が違っていた。
平時から不意の戦いに備える兵士のそれである。
「しっかりお勤めは果たしなさいね。ついでに、大人の女を教えていただいたら?」
「まぁ、店長ったら。なんてことを言うのかしら」
そうは言うものの、エレオノールの表情は柔らかい。
「それじゃ、失礼するわ」
エレオノールの言葉を合図に、ジュリアンは荷物を手に取った。
「ジュリアン、これを」
どこから出してきたのか、スカロンは使い込んだ感じの木刀をジュリアンの腰に下げた。
「念のため、よ」

141 名前:ラ・ヴァリエールの娘:2006/12/11(月) 02:08:01 ID:0VFRgqwa
二人は並んで、エレオノールの住まいに向かっていた。
ジュリアンはエレオノールの荷物を持ち、彼女に合わせるようにゆっくりと歩く。
「あなた、勇気があるのね。お店の子? 店長の息子さん?」
「いえ、甥です。店には非番の日や訓練の早く終わった時に手伝いで入っています。普段は……」
「軍人さんなのね。どうりで。そういえば、あなたみたいな子も先の戦争には参加したのよね。
……ところで、お国はどちら?」
「タルブの村です」
「あら、それじゃあ……あの、ごめんね?」
エレオノールの顔が少々曇る。先の戦争ではタルブの村が最初に攻め込まれたということを、
彼女も知っていた。多くの犠牲を伴ったとも聞いている。
「あ、その、村の者は全員無事でした。ヴァリエールさまと使い魔のサイトさんが、
竜の羽衣をで村を守ってくれたと、そのように聞いています」
「ヴァリエール? ルイズのことかしら? あのおちび……」
「あの、もしかして……エレオノールさまは」
エレオノールの呟きに質問が割って入る。場が場なら差し出がましい行為になるため
ジュリアンはしまったという顔をしたが、エレオノールはそれを優しい態度で受け入れた。
「ええ、そうよ。ラ・ヴァリエール家の長女、エレオノールと申します。けど、私って有名なの?」
「はい。店の女の子の間でも隊でも、エレオノールさまは皆の憧れですから。
お美しくて、気高く優雅で、それでいながらとても活動的で魔法の才も抜群と。
一度お会いできたら、などとひそかに思っておりました」
実際に、彼女を知るものの間でのエレオノールの評判は高い。余計な尾ひれもついてはいたが。
「あらあら、お世辞なんて止して。幻滅したでしょう? この通り、実物はもうオバサンよ?」
「お世辞なんかじゃありません。はじめてお会いして、その、聞いていた以上にお美しいので……」
ジュリアンは赤面して口ごもる。女慣れしない少年の反応だった。

142 名前:ラ・ヴァリエールの娘:2006/12/11(月) 02:08:57 ID:0VFRgqwa
「ふふっ、ありがとう、嬉しいわ。けどね、あなたくらいの子の目には、
年上の女はみんな綺麗に見えるものなのよ。ほんとうの姿の何倍も、ね。
それに他にもよく聞くんじゃないかしら? ヴァリエールの長女は縁談をだめにした出戻りだ、って」
婚約を潰した自分を笑うように、エレオノールは悲しそうな表情をする。
ジュリアンは意見を言おうかと思い、戸惑った。貴族に対して私見を述べるのは失礼である。
しかし、憧れの人に出会ったという喜びと、その人の見せる憂いた表情に、彼は意を決した。
「そ、その、私には貴族様のことはよく分かりませんけど、仕事を持っていらっしゃるのですから
そうでない方とはやはりご事情も異なるのではないかと思います。こういう言い方が失礼で
なければよいのですが、大きく見れば仕事にでるか、社交場に出るかという違いなのではないかと」
純朴で誠実な少年らしい言葉である。貴族の現実を知らぬゆえの、いささか残酷な。
「そうよね、私もそう思ってた。けど、私の夫になろうとした人たちはそうは考えてなかったみたい。
それにね、上手くいかないのは仕事を持ってるから、ってだけじゃないのよ。
けど、あなたのような人がもっといたら、もしかしたら……なんて思っちゃうわね」
エレオノールは寂しそうな表情を漂わせてジュリアンに笑いかける。
「あなたも直にもっと大きくなって、強くなって。きっと格好よくなるわ。将来が楽しみね。
そのころには綺麗な若い子もいっぱい集まるんでしょうよ。私なら絶対、放っておかないもの。
あ、けど大きくなったらスカロンさんみたいになっちゃうのかしら。いやん、それは困っちゃうわね……」

143 名前:ラ・ヴァリエールの娘:2006/12/11(月) 02:09:47 ID:0VFRgqwa
そのとき、二人の後ろにただならぬ気配が現れた。
先ほどの三人組だ。それぞれに杖を構え、二人を睨んでいる。いまにでも戦闘を始めそうな勢いだ。
振り返って男たちを見たエレオノールは、毅然とした態度をとった。
「益のない私闘は禁止されています、杖をお下げなさい」
「かぁんけえねえってんだよ!! はじかかせやがって」
中央に立つ男が罵るように吼えた。
「お前は黙ってろ。まあ、あのようにあしらわれては私としても寝覚めが悪いのですよ。
この際、理性的な判断は関係ありません。小競り合い程度ならそう見咎められることはありませし」
男の言葉が終わるや否や、二つの影が二人の前に現れていた。
無口な三人目の男が作ったのだろう、特徴のない、大人の男より一回りほど大きな泥のゴーレムだった。
「少々憂さを晴らさせていただけないかと存じます」

聞く耳など持たぬかのような男たちの態度に、ジュリアンは荷物をそっと降ろした。
スカロンから渡された長い木刀を握り、呼吸を整える。
「すみません、破片が飛び散ったらごめんなさい」
エレオノールが返事をする間もなく、ジュリアンは駆け出していた。
素早く一体の左前から懐に飛び込み、脇を切りあげるように打ち込む。
さらに右後ろに軽く下がり、姿勢を整えると上段から振りかぶってもう一体を袈裟切りにした。
瞬く間にゴーレム二体を叩き壊し、三人を真正面に見据えて正眼に構える。
ジュリアンの無駄のない鮮やかな動きにエレオノールは見惚れていた。

ハッとして我にかえると、荷物の中から杖を出して構え、素早く詠唱を始める。
相手も同じように杖を構えていた。その瞬間、ジュリアンの姿が揺らぐ。
瞬く間に、木刀を左下に構えて三人に向かって風のように駆けていった。
一呼吸おくまもなく間合いを詰める。素早い動きに中央の一人が「なっ」と声を漏らした。
これで詠唱は中断、ジュリアンは標的を変えた。
男の横を通り過ぎると左側の男の杖を狙って横薙ぎに一閃。
そのまま飛び込んで後退り気味の下腹部を狙って飛び蹴り、男の体を壁代わりにしてブレーキをかける。
着地してワンステップ後ろにさがり、下段の後ろ回し蹴りを膝の裏に。
足技を食らった男の体は宙に浮き、やがて背中から落下する。受身が取れず、杖が手から離れた。
二人の男はあっけなく気を失っていた。
ジュリアンは倒れた男を見下ろしながら、相手が鍛錬の足りない下級メイジであって助かったと一息つく。
最後に残ったリーダー格の男はすでに詠唱を完成させていた。
しかし、どちらに向けて放つべきかと躊躇った瞬間に、エレオノールの魔法が彼を襲う。
勢いのあるエア・ハンマーに男はあっけなく倒れた。
「……あたしだって、実験室にこもるばかりが能じゃないのよ」
エレオノールは自分だけに聞こえるように呟いた。

144 名前:ラ・ヴァリエールの娘:2006/12/11(月) 02:10:45 ID:0VFRgqwa
その後、二人は男たちの杖を拾い、最寄の衛士所に届けてしかるべき後始末をすませた。
「今日は二度も助けていただいたわね。ありがとう、小さな騎士様」
「そんな、もったいないお言葉です」
「何を仰るの、こちらは安売りしても余るくらいなのよ?
ふふっ。さ、ほら。どうぞ受けてくださいまし」
そう言ってエレオノールは手の甲を差し出した。戸惑うジュリアンにやさしく微笑む。
「ね、そんなに遠慮したら、かえって失礼なのですよ?」
「では、失礼致します」

「けれど、本当に強いのね。剣術は誰に習ったの?」
「祖父です。祖父は曾御祖父様から受け継いだといっていました。しかし私はまだ未熟者です。
父も叔父も私より優れた打ち手ですし、実は姉にも一度も勝ったことがないほどでして」
ジュリアンは少しだけかしこまって答えた。武人の血がそうさせるのかもしれない。
「そうなの。スカロンさんってそんなに強かったのね」
そういえば、確かにそんな雰囲気はあったかもと彼女は思う。
「お姉さんも強いの?」
「ええ。姉には一生敵わないのではないかというくらいです」
そう言ってジュリアンはばつの悪そうな、しかし朗らかな表情をした。

この姉弟の関係はどんなものだろうと考え、そして自分たち三姉妹のことを思い浮かべる。
体が弱く自由のないカトレア、魔法がろくに使えない末のルイズ。
それから、ルイズの使い魔だというあの少年。
彼が単独で七万の大軍を足止めし、生還して騎士になったことはエレオノールも知っている。
話にある程度の尾ひれが付いてはいるのだろうが、彼女自身、一度はその力を見ていた。
もしかしたらと思うふしはある。でなければ騎士隊の副長にはしないだろう。
あの少年、サイトとどこかしら似た雰囲気のあるジュリアンを見てエレオノールはふと思う。
この子も間違いなく優秀な騎士になれるだろう。
「しかし、私などが前に出てしまって、お邪魔ではなかったでしょうか。
エレオノールさまほどの使い手でしたら、彼らなど難なく……」
彼女はその言葉を優しく制止する。
「いい? 女の子はね、どんな時でも守ってもらえたら嬉しいものなのよ?」

145 名前:ラ・ヴァリエールの娘:2006/12/11(月) 02:11:28 ID:0VFRgqwa
「お前たちは揃いもそろって、あれか、黒髪の平民か。エレオノールよ、お前だけはと思っていたのに」
その後、エレオノールはいろいろと根回しをしたうえでジュリアンを領地に連れ帰った。
「ですから、ジュリアンを婿に入れるとか、彼のところへ輿入れするとか、
そんな無茶なことを申しているのではありません」
「口先だけで何を言うか。お前は昔からそうだったぞ。熱を上げたらそのまま一直線だ。
あの少年を自分の部下にするよう取り計らえだと? 新しい実験小隊でも組ませよということか?
それなら事実上可能だが、しかし武勇に優れた平民に魔法剣を持たせて使わせるとでも言うつもりか?」
「さすがはお父様ですわね」
「そんなに都合よく有能な平民が集まるわけなどない。平民であっても群を抜いて優秀な人間は
領主が手元に置きたがるものだ。喜んで差し出すはずなどなかろう。でなければ集めたものに
読み書きを教え、貴族と同等の教養を身につけさせ、さらに訓練を積ませることになるのだ。
どれだけ予算がかかると思っておる?」
「それをお父様が出せばよろしいではありませんか」
「まことになんという!! ああもう、まったく!!」
ヴァリエール公は年甲斐もなく苦悩に悶えていた。確かにヴァリエール公領は
よく働いてくれる領民たちのおかげで相変わらず景気がいい。
神聖アルビオンとの戦争も無事に乗り切っていた。予算面での問題は、残念ながらない。
ふと思いついたように言う。
「だいたいあの鳥の骨が許すはずなかろうて」
「これを」
エレオノールは一通の書状を差し出す。公の顔色が変わった。
「かーっ!! 鳥の骨め、何を考えておるというのだ? 認めん、わしは認めんぞっ!!」

146 名前:ラ・ヴァリエールの娘:2006/12/11(月) 02:12:46 ID:0VFRgqwa
これにて終了です。長々と失礼しました。
自分が投稿するのは二作目なんですけど、やはり上手い人と比べると見劣りしますね。
では失礼ノシ

147 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 02:20:26 ID:E6sZDzKn
>>146
あなたも上手な人の範疇に十分はいるかと思いますよ〜。GJ!
シエスタんちは剣道一家なのか…。怒らせるとオソロシス

# 最近よく投下中に割り込みレスすることが多い…職人の方々ごめんなさいorz

148 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 02:33:01 ID:QGfQKyOZ
「私は、リーダーのルイズ・フランソワーズ。通称ゼロ。虚無魔法とツンデレの名人。
私のようなひんぬーでなければ、虚無の担い手は務まらないわ。」

「私はシエスタ。通称メイド。自慢の奉仕に、サイトさんはイチコロです。
コネを活かして、寄せ鍋からゼロ戦まで、何でもそろえてみせます。」

「平賀才人、通称ガンダールブ。近接戦闘の天才だ。七万の大軍でも押しとめてみせる。
でも、お仕置きだけは勘弁!」

「やぁ、お待ちどう!僕こそギーシュ。通称青銅。人形遣いとしての腕は天下一品!
キザ?へタレ?だから何。」

149 名前:261のひと:2006/12/11(月) 02:52:52 ID:NdtmND0T
>>30-41 の続きです
しかも……まだ終わらなかった……ごめんなさい。
もーちょっとだと思うんですけど。
眠いのでここまでで。

エロ入らなかった。ラストも多分入れれないです。ごめんなさい。



150 名前:1/10:2006/12/11(月) 02:53:36 ID:NdtmND0T
一睡も出来なかった。
シエスタが帰ってこない。
「サイト、あんた本当に何も知らないの?」
「…………しらね」
何度も何度も聞いたから、サイトの返事も段々短く不機嫌に成ってくる。
(わたしが……ちゃんと話を聞いていたら……)
「ミス・ヴァリエール、サイトさんお風呂で寝ちゃいました」
やる事が有るからと、連れてくる事をわたしに頼んだシエスタ。
あの、シエスタがサイトのことをわたしに頼むなんて……
シエスタの顔が青ざめていたから、無理に寝かしつけてサイトを迎えに行って。
部屋に戻るとシエスタは居なかった。
体調崩したままどこかに向かっている途中に、どこかで倒れていたらどうしよう……。
学園の医務室には誰も運び込まれていない。
警備にも連絡した。
それでも……
(シエスタが……どこにも居ない)
もうすぐ太陽が上がる。
いつもならルイズがまだ眠っている時間だ。
(あれ……?)
窓の外にメイド服?
「シエスタっっ!!」
慌てて窓に駆け寄るけど……ちがった……
少し驚いた顔をして、見知らぬメイドは仕事を続けた。
(シエスタも……いつもこんな時間から起きていたの?)
シエスタが来てから何時も部屋は綺麗で、隅々まで掃除が行き届いていた。
シエスタが片付けてくれた所は、必要なものがすぐに見つかった。
「どこ行くんだよ?」
立ち上がったわたしにサイトが声を掛ける。
「シエスタの事……知っている人が居ないか探しに行ってくる」
メイドや学園の従業員は、起き出したみたいだから。
「大丈夫だって、すぐに帰ってくるから」
「なんで、そんな事が分かるのよっ」
何か知っている様子なのに、何一つ私に教えないサイトに苛立っていた。
「なにかしってるんなら、教えなさいよっ」
……わたしは……気づけなかった『何か』サイトが気づいたのなら……
悔しいけど教えて欲しかった。
そして、できれば困っているシエスタに手を貸してあげたかった。
「……っっ、しらねーよっ、でも……シエスタが俺から離れられるわけないだろっ」
……わたしでもシエスタが何か悩んでいるのは分かった。
「行ってくる」
……サイトも最近おかしかったんだ……
本当ならもっと心配する、だってサイトもシエスタが好きだから。
シエスタばかり見て、気付かなかった……
最近サイトも変だった。
優しかったから、気にしなかった。
ううん、嬉しかったから何も考えなかった。
でも……サイトが優しかったのって……わたしだけじゃなかったかしら?
最近サイトのシエスタを見る目が変わっていたことに……やっと。
もう手遅れかもしれない今になって気付いた。

151 名前:2/10:2006/12/11(月) 02:54:09 ID:NdtmND0T
「なにか知っていることが有ったら……思い出したら知らせて欲しいの」
「ありがとう」
「わたしの部屋は……」
手当たり次第にメイド達に声を掛ける。
仕事の手を止めさせる事になったけど、シエスタの事って分かったら皆答えてくれた。
(好かれてるんだ……シエスタ)
胸の奥が少し暖かくなる。
でも……見つからない。
(誰か……しらないかしら)
食堂まで走る……
「あら、おはよールイズ」
「早いわね、モンモランシー」
あちこち回ったとはいえ、まだ早い時間で人影はまばらだった。
「ちょっとね」
笑いながら答えるモンモランシーに問いかける。
「シエスタ、知らない?」
「……誰?」
「サイトのメイド……」
少し考え込んだモンモランシーだったけど……
「黒髪の子よね?どうかしたの?」
……しらないんだ……
「居なくなったの……」
他の子に聞きに行くために、席を立つ私をモンモランシーが呼び止めた。
「なんで、ルイズが探してるの?」
「え?」
「ルイズにとって、その子は何?」
そんなの……考えるまでもない。
ライバルだけど……とても大切な……命の恩人そして、なにより……
「大切な……お友達」
「そう……がんばんなさい」
ちょっと笑ったモンモランシーが手を振る。
「うん、ありがと」
「……ルイズっ」
急に呼び止められる。
「なあに、モンモランシー?」
「……顔色悪いわよ?」
そういえば……寝てないし、頭もちょっと重い。
でも……
「平気……それより……探さなきゃ……」
「あー、その、ほら学園の外にでも出てない限り安全よ」
……あ
「がががが、学園の外に出てたらどうしよう?」
敷地内なら大量に要る使い魔のせいで、動物寄ってこないけど……
「あぁぁぁぁ、違うのルイズ、心配させようとしたんじゃなくって」
「熊とか、狼とか、猪とかっ」
「いや、あの、ほら……ねぇ?」
「ドラゴンとか、グリフォンとか、ヴァンパイアとかっ」
一刻の猶予も無かった。
「シエスタ―――無事でいて……」
「ちょ、ルイズっ」
慌てて駆け出すわたしにかけられた、
「学園の側にそんなの居るわけ無いでしょうっ」
なんて言葉にはまったく気付かなかった。

152 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 02:54:28 ID:COPocws3
お前らの話聞いてたら

テファ「巨乳革命(ルビにバスト・レヴォリューション)!」
サイト「ぐわぁぁぁっ!」顎を逸らして天空へ吹っ飛ぶ

シェスタ「聖布解脱(ルビにパンツ穿いてない)!」
サイト「ぐわぁぁぁっ!」顎を逸(ry

ルイズ「絶対零胸(まな板・エクスキューション)!」
サイト(ry

とかよくわからん技打ってる三人娘が浮かんでしまった
タバサ?
自分で考えろ

153 名前:3/10:2006/12/11(月) 02:54:41 ID:NdtmND0T
「さようなら……ミス・ヴァリエール」
サイトさんのところに走るミス・ヴァリエールを見て、どこか安心する。
無理やり寝かしつけられたベットから起き上がる。
「……わたしなんか……優しくしてもらう……資格……ない……のに」
『心配してるんじゃないからっ、こんな所で倒れられたら迷惑だからよっ』
わたしの顔色を見て、自分がどれだけ泣きそうな顔になったのか……きっと本人は知らない。
「さて……と」
もうここには居られない。
スカロンおじさまの所も、タルブも……サイトさんもミス・ヴァリエールも知っているし……
学園の中だって……きっと……見つかる。
「あはは、いくとこ無くなっちゃいました」
サイトさんに会ったら……
「わたし……逆らえないから……」
誰にも……見つからない所へ……行かないと……
ふらふらと部屋から出て、思いつくままに足を進める。
どこにも行くあてが無いのに、帰る訳にも行かなくて……
どこにも行けないのに、立ち止まれない。
居場所が無いのって……要らない人って言われてるみたい。
ちょっと違いますね……
居たらいけないんだもの、それどころか……邪魔。
どこをどうやって歩いたのか分からなかった……
気がついたら塔の上に居た。
「ここ……火の塔?」
サイトさんから逃げるようにして来たのは、ミス・ヴァリエールとの思い出の場所だった。
「……たぶん、ここで始めて分かり合えたから」
側に居るわけには行かないのに……弱った心がミス・ヴァリエールを求めていた。
「あはは、駄目ですねぇ、わたしって」
塔の石垣にもたれ掛って、景色を見る……月明かりで照らされた景色は綺麗だった。
世界はこんなに綺麗なのに……自分は……
「ここから……落ちたら楽になるんでしょうか?」
魅力的な考え……でも。
「駄目ね……ミス・ヴァリエールが悲しむもの」
そういえば……ここで、神様も始祖も信じないって言ったんだっけ……
「バチがあたったの……ね」
立っているのも辛くなって、膝を抱えてその場に座り込む。
ミス・ヴァリエールに気付かれるといけないから……届くはずも無いのに、声を殺して泣いた。
夜の風と冷たい石が体温を奪っていく……
(このまま……誰にも見つからないまま……冷たくなってしまえば良いのに)

154 名前:4/10:2006/12/11(月) 02:55:16 ID:NdtmND0T
あれから2日……ルイズは一生懸命メイドを探している……
授業にも出ず、ろくに眠ってもいないみたい。
「ただいま」
自分の部屋に入る。
本当は、誰も居ないはずの部屋に。
「お帰りなさいませ、ミス・モンモランシ」
泣き腫らした目をしたメイドが居た。
「ルイズがまだ探してるわよ」
「……そう……ですか……」
部屋は隅々まで掃除されていて、ずいぶん綺麗になっていた。
「寝てなさいって、言わなかったかしら?」
「このほうが落ち着くので……」
ちいさく口の中で『スイマセン』と謝っているけど……
毎日毎日眠りもせず、無理に食べさせなければ食事も取らない。
死んだような目でピクリとも動かないか、
気が付いたら部屋の隅で声も立てずに泣いている、この少女が不憫だった。
「まだ何が有ったのか言う気に成らない?」
見つけることが出来たのは幸運だった。
塔の上は、たまに学院の生徒に無理やり手を出されたメイドや、
ホームシックの下級生なんかが泣きに……たまに飛び降りに。
来るから、まめに覗くようにしていた。
ルイズがあれほど心を許すこの子が、どうしてここまで傷ついたのか……
(わたしの周りに悲しみがあるのは許せないって……決めたのに)
無力なわたし。
「ごめんなさい……」
決して何が有ったのか話そうとしないこの子……
無理に話を聞くのはこの子をさらに悲しませるだけだと思うから……
「いいわよ、話したくなったら聞くから……ほら、とりあえず食べなさい」
見つけたときはすっかり冷たくなっていたのを魔法で部屋に運び込んで、
付きっ切りで看病した。
意識を取り戻したこの子が、最初に言ったのが……
『サイトさんにも、ミス・ヴァリエールにも言わないで下さい、お願いですから』
必死にそう頼まれて約束してしまった。
ルイズには悪いけど、約束を優先させていた。
(それに……理由も分からず返したら、もっと傷つきそうで……)
ルイズの所に帰ることを、まるで殺されるかのように怯えていた……
「ねぇ、まさかルイズが貴方に酷い事したの?」
あの子がそんな事するとは思えないけど……
「ち、違いますっ……」
「じゃ、もうかたっぽ?」
「……ちがいます……わたしが……いけないんです」
さっぱり事情が分からなかったけど……
「まぁ……好きなだけ居なさい」
正直部屋片付いたり、色々助かるし。
ただし……
「ちゃんと、食べて、寝て、元気になることっ」
「はい」
わたしの勢いに押されて返事をする……シエスタだっけ?
「ほら、口にした以上はちゃんと食べて、さもないとルイズ連れて来るわよ?」
「えと……たべます」
あら、効果抜群。

155 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 02:55:24 ID:COPocws3
すまん被ってしまった・・・

156 名前:5/10:2006/12/11(月) 02:55:49 ID:NdtmND0T
シエスタが帰ってこねぇ……
なんでだ?
嫌って言ってたけど……いっつも悦んでたくせに……
「くそっ」
本気で……ルイズとシエスタが居れば何もいらないのに。
「サイト、今日も来ないのか?」
……ギーシュ
「……いや……行くよ……」
何人か剣で殴り倒したい気分だった。
「そうか……よかったなぁ、うん」
何も知らないギーシュが喜んでいた。
「そういえば、君は探さないのか?ルイズが探してる……メイドの」
「シエスタ」
「そうそう、そのシエスタ」
うるさい……お前にシエスタの事を語られたくねーよ。
「故郷にでも帰ったのかい?」
「いや……タルブには帰ってないみたいだ」
居なくなったその日に、ルイズが使いを走らせていたし……
ジェシカやスカロンに頭を下げて……あのルイズが頭を下げて、
見つけたら連絡が欲しいと、そう頼んでいた。
(どこに行ったんだよ……)
そんなに……逃げ出すほど……俺が……
シエスタが居なくなってから、ルイズは俺に話しかけることもしなくなった。
そもそも部屋にもほとんど戻らない、シエスタを探し続けていた。
(いらつく……)
ヴェストリの広場に出ると、騎士隊のメンバーが俺を見てざわめいた。
(そんなに珍しいかよ……)
訓練用の木剣を握る。
あれ?ま、いいか。
「誰か、相手してくれよ……」
一斉にみんな目をそらす……ちっ。
「何人かまとめてで良いから……鈍ってるだろうから、ちょっと動きたいんだ」
何人か乗ってきた奴らを見る……悪いが……憂さを晴らさせてもらう。
「では、僕が合図しよう……いいか?サイト」
「あぁ、任せる」
木剣を握りしめながら、合図を待ち……
合図の有った瞬間……きり……かかる?
剣を握っているのに……なんだこの鈍さは?
数人に囲まれ、あっという間に一本取られる。
取った方も、俺も呆然としていた。
「駄目だね、相棒……」
俺の代わりに騎士隊の訓練を見ていたデルフが、悲しげに話しかけてきた。
「な……なんでだ?」
何か知っている様子のデルフに問いかける。
左手にはルーンが以前と変わらず刻まれているのに……
「相棒……何が有ったのか知らねーが……心が凍っちまってる……」
(心……が?)
「相棒、おめーは心が震えねーと……」
(ガンダールヴの力が……消え……た?)
「サイト、大丈夫なのか?」
心配げなギーシュや騎士隊のメンバーの声も……
今の俺には届かない。

157 名前:6/10:2006/12/11(月) 02:56:20 ID:NdtmND0T
「サイトが騎士隊の訓練に出てたわよ」
毎日そのことを必ず聞いてくるこの子に、やっと伝えられた。
「ほ、本当ですか?」
「嘘ついてどうするのよ」
この子の心の底からの笑顔を……始めてみたかもしれない。
「ちょっと、調子は悪かったみたいだけどね」
「……え?か、身体の調子でも?大丈夫なんですかっ?」
自分で見に行けば良いのに。
「体調は普段どおりみたいだったけどね」
それよりも……
「ルイズが倒れたわよ」
喜びに輝いていた顔が、あっさり真っ青になった。
「ミ、ミス・ヴァリエールが?ご、ご無事なんですかっ?」
ぐ……この子……力強いわね。
肩をつかまれてガクガクと揺らされながら答える。
「医務室に運び込まれて、今は魔法薬で無理やり眠らされてるわ」
安心したように力を抜くけど……
「魔法薬で無理に眠らせるのは、身体に良くないのよ?」
「だ、だったらっ」
「起きたらあの子すぐに、あなたを探しに行くのよっ!!」
ぼろぼろになっても、まだこの子を探すために動こうとしたから……
先生が止むを得ず魔法薬を使った。
この子もルイズも忘れているみたいだけど。
「わたしだって、ルイズの友達よ、心配してる」
その場に崩れ落ちたシエスタに声を掛ける。
「話なさい、何が有ったのか。わたしも手伝うから」
今日はもう引かない、ルイズが倒れたと聞いたときそう決めた。
「……はい、お話します……でも……」
「えぇ、誰にも言わないわよ」
うそ、必要なら……憎まれても、嫌われても、悲しみを止めるためにソレを使う。

158 名前:7/10:2006/12/11(月) 02:56:57 ID:NdtmND0T
長い話が終わった……
一言喋り始めると、歯止めが利かなくなったみたいに喋り続けた。
今はわたしの腕の中で、ただ泣き続けていた。
(あんの……使い魔ぁぁぁ)
『サイトさんは悪くないんです……わたしが……』
『ほ、本当に嫌なら……もっと抵抗すればよかったけどっ……
わたしが……わたしが、溺れちゃったからっ』
繰り返し繰り返し『サイトさん』を庇うこの子……
ぽんぽん頭を撫でてあげると、泣く勢いが増した気がした。
「おもいっきり泣きなさいね?」
ほんの数日だけど、一緒に暮らして……いつも何かに耐えるように泣いていたこの子が、わたしも少し大切になっていた。
なにより……
(わたしの目の前で悲しんでいる)
助けたかった。
『ミス・ヴァリエールを……裏切ってしまった』
『嘘をついて……優しいあの人はそれでも……』
わたしの友達のために泣く子を、放っておくつもりは無かった。
「今日はゆっくり休みなさい」
わたしのベットにシエスタを横たえる。
泣き疲れて眠るまで側に居る。
暫くして寝息を立て始めると、そっと机に向かって音を立てないように幾つかの品物を取り出す。
口の中で呪文を唱えて、気分の落ち着く香に火を付けて香炉に入れる。
昨日までよりは、少しマシになった寝顔を眺める。
さて……
悲しみを癒すために、できる事を始めよう。

159 名前:8/10:2006/12/11(月) 02:57:28 ID:NdtmND0T
ガンダールヴでも無くなって……
部屋に帰ると、ルイズが倒れたって連絡が来て……
「……あーあ、なーにやってんだかなぁ……俺」
「いいのか?相棒、嬢ちゃん所行かなくて」
デルフを鞘にも入れずに部屋まで引きずってきていた。
「いいんだよ……」
どうせ……行っても……
シエスタも、ルイズも居ないこの部屋は広くて……
「なぁ、なんか喋ってくれよ」
デルフの声でも聞かないと、気が狂いそうだった。
寂しくて、寂しくて、寂しくて。
「なぁ、相棒……何が有ったんだ?」
やっと掛けられるデルフの声に安心する。
「ん〜そうだなぁ……お前になら……良いよな……話して」
「おれさ、シエスタと寝た」
ルイズが倒れている時に、最低の話題……でも多分最低の俺には相応しい。
「気持ちよくてさ、シエスタも悦んでくれて、毎日シテた」
デルフはピクリとも動かずに、声も出さずに、まるでただの剣みたいに聞いていてくれる。
話を聞いてくれて、口も堅くて、一緒に考えてくれる。
理想的な相談相手だ。
「シエスタ、最近いっつも嫌がったりもしたけど、最後には気持ち良くなってくれてたし」
「シエスタとルイズさえ……二人さえ居れば何もいらないのに……」
「なぁ、相棒おめー、どっちが好きなんだ?」
「……ルイズ」
ルイズが好きなのと、身体がシエスタを欲しがるのは別。
そう思っていた。
「んじゃ、いーじゃねーか、居なくても」
「っっっんっでだよっ」
シエスタが要らない、ふざけた事を言うデルフに真面目に腹が立った。
「どっち道いつか選ばないと駄目なんだろ?機会が来たと思って、嬢ちゃんと一緒になっちまえよ」
……ルイズと?
「嬢ちゃんと寝ればいいんじゃねーの?メイドの事忘れて」
……シエスタを、忘れる?
ダメダ
「嫌だ、そんなのっ……ふざけるなよ、デルフ」
「ふざけてんのはそっちだろうがっっ!!相棒!!」
デルフが突然大声を上げた。
「どっちも大事?どっちも傷つけたくない?そりゃー結構なこって、んで?結果は?
一人行方不明、一人意識不明?なにやってんだよ!」
返す言葉も無かった。
「せめて、どっちかだけでも大切にしろよ、二人が居れば何も要らないって、
騎士隊までほっぽってたんだろ?残った方だけでも守れよ、相棒!!」
デルフが正しい……頭では分かっていた。
「いやだ……そんなのいやだっ」
「駄々っ子かよ、相棒」
調子のいい事を言っているのは分かっている。
でも、シエスタを居なかったことには出来ない。
忘れることも……
「シエスタも……ルイズも……両方大事だ」
声に出してみると、妙に納得できた。
(あー二股男か……サイテー俺)
認めると何もかも楽になった。

160 名前:9/10:2006/12/11(月) 02:58:00 ID:NdtmND0T
相棒がやっと何かを決めたようだ。
なら、俺は手助けするだけだーね。
「メイドもそうだったんだろ」
不思議そうな顔をして俺を見る相棒に、考える事しか出来ない俺が、
今まで見る事しか出来なかったことを伝える。
「メイドも、相棒と嬢ちゃんが大事で」
思い出すだけで、涙目になるくらい大事なんだなぁ。
「嬢ちゃんも、相棒もメイドも大事なんだろ」
「じゃ、じゃあ三人でずっと一緒に居れば……」
本気で言ってやがるなぁ……
虚無の嬢ちゃんと、ガンダールヴの相棒を世界が放っておくわけねーだろう。
まぁ、今回の問題はそれじゃねぇ。
「相棒……嬢ちゃんが友達要らないって言ったらどうする?」
「へ?」
「メイドが、相棒が居るだけで良いからって回りに挨拶もしなくなったら?」
「それって……何か関係有るのかよ?」
「生きているだけで、人同士は関わり続けるだろー、相棒だって……」
俺が騎士隊を見ている間、相棒の事を何人に聞かれた事か。
「本当にそうするわけにはいかねーよな?」
そうし始めていた自分を省みている相棒の顔が面白い。
(やっぱり今回の相棒は当たりだーね)
「……え?……じゃあ……シエスタ、俺の事を……」
相棒の顔が、サッと青ざめた。
「俺っ、居なくなる寸前、
『俺……ルイズとシエスタが居れば……それだけで良いや……』
って言った……」
おー、当たったか。
「相棒の事心配してたんだろ、メイドも」
「それになー、相棒」
男がぼろぼろ、泣くなよー
「嬢ちゃんたまに、騎士隊の練習に相棒が顔出してないか見に来てたぜ?」
「ル、ルイズが?」
「もてもてだーね色男、騎士隊の連中だって毎日相棒の話してたぜ」
世界がどれだけ自分を大切に思ってくれているのか……
相棒は少しそれを知るべきだーねぇ
「でも……俺……二股……」
「どっちも諦められないなら、両方に相談してみろよ、相棒」
おりゃーあんまり、心配してねーんだけどな。
結構ちゃんとまとまりそーだぁね。
「それよりなぁ相棒、優しくしてくれた人たちに、ちったぁ恩返しとけよ?」
嬢ちゃんもメイドも……どれだけ相棒を想っているのか。
「愛想付かされる前になぁ」
暫く悩みぬいた相棒が立ち上がった。
「俺……まだ何やって良いのかわかんねーけど……さ」
俺を鞘に入れながら、悩んだ結果を伝えてくれる。
「ルイズのところに行って出来る事が無かったら、シエスタ探すよ。
ルイズの代わりに……シエスタ俺に会ってくれるかわかんないけど」
鞘の中で俺の意識が閉じる。
俺を使う戦いでなくとも、俺は相棒の武器であれたことを誇りに思う。

161 名前:10/10:2006/12/11(月) 02:58:32 ID:NdtmND0T
ルイズの枕元に使い魔が居た。
「消えなさい」
睨みつける私を、不思議そうに見ながら遠ざかる。
「どうしたの?モンモランシー」
何もいわずに、使い魔が離れるのを確認する。
足音が十分な距離まで離れてから、ルイズの側に行く。
「体調は大丈夫?ルイズ」
「うん……あのね……サイトがシエスタ探してくれるって……ちょっと休めって……」
嬉しそうに話すルイズには悪いけど……
(当然よ……あのクズ)
わたしの感想はそんなところ。
「シエスタの居場所、分かったわよ」
「ほんとっ?」
薬が抜け切っていないのに、立ち上がろうとするルイズを押さえながら聞いた。
「どうして姿を消したのか……分かってる?」
あの子はこれを裏切りって言うだろうけど……どう転んでもルイズは知るべきだった。
「多分……サイトのせい、直接の理由はわたしに気を使って」
この子……
「分かってたの?」
「ちがうの……分かったの、シエスタがサイトから離れようとする理由なんで、そんなに無いもの」
ルイズも……シエスタも……優しい子達……
それだけにあの使い魔が許せない。
「シエスタ……見つけたときは火の塔の上で死に掛けていたわ」
青くなるルイズに構わず、あの男の事を話す。

162 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 03:00:25 ID:NdtmND0T
モンモランシーがサイトの事なんか気に掛けるはず無いのを失念。
……今回で終わるはずだったのに。
なんか怒ってるし。

最近書く人増えてきて嬉しいですねー。
色々サボりまくりですが、自分も頑張ろう。

最近反応が微妙気味なので、問題点を教えてくれると助かるのですよ。
ではまた、そのうちに。

163 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 03:01:48 ID:COPocws3
改めて割り込んでしまってスマン
それもしょーもないネタレスで

164 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 06:58:48 ID:vgltrgwJ
>>146
エレオノールがちょっと優しすぎる気がするw
でも新鮮でかなり良かったです!GJ!

>>162
話的にはどうオトすのか凄く興味深いです。楽しく読ませてもらってます、GJ!
ただあの世界の世界観的にデルフが二股否定っぽい発言するのがちょっとだけ気になったかも。
あとモンモランシーがサイトのことを気にかけること自体は別にそれほど不自然でもないような。


165 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 08:24:49 ID:vxpJXbcv
>>148
> 私のようなひんぬーでなければ、虚無の担い手は務まらないわ。

つテファ

166 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 09:36:28 ID:WFZftx4B
>>148
> 私のようなひんぬーでなければ、虚無の担い手は務まらないわ。

つジョゼフ

167 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 09:44:36 ID:jG/DHpiI
いらん世話かもわかんないけど、もしかしたら職人さんたちには
投下五分くらい前に投下宣言してもらったらありがたいかもしれないっすね。

そしたら、応援レスと被る心配がないのかも。

>>125
連夜の投下、素晴らしい!
コメディとエロの混合は中々出来ないので、うらやましいです。
それと投下頻度が半端ない。

>>146
エレオノールSS珍しい。
十分に楽しめました!

>>162
落ちがどうつくのか、楽しみに待ってます。
出来ればサイトの男前なトコもみたいっすねぇ。

168 名前:テストですよ。反応して栗:2006/12/11(月) 12:34:36 ID:kNOLZ/fl
ちょっと住人の属性テスト




サイト「ごめん、お尻の中に出しちゃった」
アンリエッタ「なんだかお腹が痛いですトイレにいかせてくださいまし」
サイト「ダメ」
アンリエッタ「うぅ…で、 でちゃう〜」
サイト「すげぇ。すっげぇ!!!お尻の 穴からもりもり出てるよ」
アンリエッタ「見ないで〜」


↑↑↑↑↑

この系統のssを読みたくないやつとか苦手なやつ嫌いなやついたらやめときます。
まだ脳内であらすじさえできてないです。


169 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 13:35:28 ID:DOKOSo8h
>>168
小はいいけど大は流石にダメだ・・・

170 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 14:46:54 ID:jvC4pjyc
どこぞのコピペみたいに、○○のうんちでちゃいましゅぅ〜とか、出してる最中の擬音をそのまま喋らせるとかじゃなくて
お尻に注がれたことに対する羞恥や、大をを我慢しなければならない苦悩や、我慢し切れなかったときの屈辱感をしっかり書ければ面白いと思う。

171 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 15:02:42 ID:9/Wtegmo
>>261
最後は男前なサイトだと嬉しい…

>>168
スルーしたいので投下前にわかるようにしてくれるとありがたいかな

172 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 15:11:15 ID:bV9ijS4u
>>162
悪くないんじゃね?でもこの展開だとバッドエンドも考えちゃうな

結局、才人はルイズとシエスタの傍から離れルイズとは只のマスターと
使い魔の関係になってアニエスの銃士隊で一からやり直しでそこでアン様
が急接近して二人の事を忘れたい才人も受け入れるみたいな

173 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 18:19:20 ID:JN0frCGI
>>172
それいいな。アン様分補給したいので一票

174 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 23:02:48 ID:iirdxpkX
連作うれしいねえ。
みんな乙!

175 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 23:41:13 ID:NdtmND0T
>>172-173さん

無理、アン様まで出すと、自分じゃ収集付けられる自信ないですって言うか。
3人絡めると……とちょっと考えて

「ルイズ、わたくしの指示一つで、ヴァリエール家の資産は没収されます……
使い魔さんから手を引きなさい」
「どうぞ……姫さま、相変わらずお甘いこと」
(行き場の無くなったわたしを、サイトがどう慰めてくれるのかしら?)

とか

「きゃぁぁぁぁ」
「もうその傷では逃げれまい……シエスタ」
「えぇ……でも、あと10秒しのげば私の勝ちですよ、アニエスさん」
「なんだとっ?」
「……4,3,2,1」
「シエスタっ、無事かっ」
「サイトさんっ、女王陛下の使いの人が……お前なんか邪魔だって……」
(これで、サイトさんは……私を守ってくれますね?)

とか

「陛下、これは罠です、ヴァリエールは今やルイズの私兵集団と化しております」
「いいのよ、アニエス……これで良いの」
「しかしっ」
「……ルイズの策でわたくしが汚れれば汚れるほど……使い魔さんはわたくしから離れられなくなるの……
愚かなルイズ、アニエス、あなたの仕事は使い魔さんに自体を悟らせる事っ
わたくしの救出ではありません……わたくしはわたくしの騎士をまちますわ」
(どんなに汚れても……愛する人を繋ぎとめる枷になるのなら……)

とか

黒いのがダダ漏れ気味になってる、自分はもう駄目かもしれません。
因みに上のは書きませんってか、書けません。

なら書き込むなよといわれそうな。

因みに続きは明日かも。

176 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 23:47:21 ID:NdtmND0T
自体>事態

誤字。
こんな短いのに何やってるんだ、自分。

177 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 01:01:25 ID:SbVTVlNV
にいさんやっぱり黒いわ

178 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 01:05:40 ID:A9wRmdu6
9巻まで読んだ。なんだこの切なさは・・・。ルイズが不憫でならねえよおぉお

179 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 01:36:02 ID:3uWi7QC6
>>175
黒い女好きにはたまらないわけだが…

180 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 02:15:51 ID:4D1qc3hh
>>175
うはは。
黒いのよりはラブラブな方が好きだが、これはこれで面白そうだw
さすがは261の中の人だ

181 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 06:15:51 ID:AessqrR9
ただ黒いのは好きじゃない

愛ゆえに、愛深き故に黒くなる女性は大好きだ

182 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 07:03:21 ID:ONVPPB/n
うむ、そりゃあ愛がふかけりゃ何度もするから黒くもなるわいなゲッヒッh

183 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 07:04:49 ID:5eCf/bs7
>>175 >>181
そんな貴方たちに

嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 泥棒猫24を
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1165495801/l50


184 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 07:54:27 ID:AessqrR9
興味はあるんだけどオリジナルはちょっと厳しいんだよな・・・

185 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 14:53:25 ID:vEj515Lb
>>183
才人を寝取ったアン様にルイズが壊れて泥棒猫と言って襲い掛かる狂気の
話を想像した。

186 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 22:56:23 ID:7H6z3WEA
>>185
そうゆう話もマジで見てみたい


187 名前:コリコリ ◆TOaN/1ZFoQ :2006/12/12(火) 23:12:49 ID:m3oJrHTp
夜ドラは会わないなぁ。。。
せめて
サ「ひ、姫様!!ワンッ!」
ア「四つんバイになってくださいまし」
サ「ワォン!」
ル「ちょ、ちょっと!それは私の役目よ!姫様っ、おどきになってください!」

アンvsルイズのS役の奪い合い

188 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 23:19:59 ID:ztOpFQU8
可哀相に・・・エゴ(自己顕示欲)だけ強化されすぎたんだな

189 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 01:09:07 ID:ovxyQjDN
sageようよ…

190 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 02:20:30 ID:Q3pmuiqT
168じゃないけど属性テストというかパイロット的に少し……

191 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 02:21:27 ID:Q3pmuiqT
今日もまた魅惑の妖精亭の扉をくぐる一人の客
フードを目深に被り、人目を避けるかのように店主のもとへまっすぐ向かう。

「最近、花壇に元気が無いからお水を分けてもらえないかしら?」
それを聞いたスカロンの表情がわずかに曇るが返してくる
「裏通りの井戸水がいいって聞くけどね」
符丁を交わしながら杖を差し出し、入れ替わりに鍵束を受け取ると客はそのまま出て行く。

実際のところスカロンはこの符丁で使われる部屋のことは余り考えたくは無かった。
好事家の貴族達に貸し出される特別室、その内装はお世辞にも良い趣味とは言えない。
だがそれだけに見返りもあり重宝される妖精亭の暗部である…。


―(カチリ)―
鍵束を受け取った客は裏通りなどに向かわず路地に入り人目からカムフラージュされた扉に入る

フードを下ろすとわらづとに結わえられた蒼髪がこぼれる。
二枚扉の奥に進み羽織ったマントをクロークにかけるとキングサイズのベッドに向かい
天板から延びる手錠をはめ寝そべれば彼女の出迎えの準備は整い待つだけとなる。

―(カチャリ)―
対の鍵でなければ開かない入り口から待ち人の気配を感じイザベラは首をもたげ視線を向けた。

扉から仮面を付けた男が入ってくると口を開く。
「良く来たね、僕の薔薇の下、アザミの姫」
イザベラの瞳が艶かしく男を捉え唇が言葉を紡ぎだす
「お会いしとうございました、旦那様」

192 名前:261のひと:2006/12/13(水) 02:47:02 ID:Gf2rKI/H
20分経ってるし、いいかな?

>>164,167さん ……ちょっとアレになったので、全部書き直したり……
の都合上、ちょっと強引な落ちになりました。ごめんなさい。

>>171さん 男前には程遠く、誰かのテンション上げないと話が際限なく流れたので… 

>>183さん えとえと、出てけと……ごめんなさい。勘弁してください。

>>150-161の続き 行きます。

193 名前:1/7:2006/12/13(水) 02:47:37 ID:Gf2rKI/H
「で……てって」
もう何も聞きたくない。
不思議と怒りはおきなかった。
ただ……悲しかった。
「シエスタはわたしの部屋に居るから」
モンモランシーはそれだけ言うと静かに部屋から出て行く。
……モンモランシーもシエスタを隠してたんだ。
シエスタはサイトと……
サイトはずっとそれを黙ってた。
わたしは……どれにも気が付かなかった。
わたしのばか。
考えない事が、見ない事が、どれだけ楽なことだったのか、今更ながらに思い知る。
「ごめんね、シエスタ……」
ずっと……見て、考えて、悩んだに違いない貴方。
死に掛けるまで追い詰めたわたしとサイト……
許してくれるか分からないけど……
シエスタに謝りたかった。
シエスタとお話がしたかった。
サイトの馬鹿って、一緒に盛り上がりたかった。
(……でも、まだ貴方に会うのが怖いよ……シエスタ)
なんて勇気の無い惨めなわたし。

194 名前:2/7:2006/12/13(水) 02:48:09 ID:Gf2rKI/H
「すまん、今日も訓練休む」
いったん騎士隊の所に顔を出した俺を、ギーシュが呼び止めた。
「……見違えたな、サイト。どうしたんだ?」
驚いたように俺を見るギーシュの目に、嘘を言っている様子は無かった。
「?……どっか変か?」
「視線が定まってる、腹を決めたみたいだな」
流石だ……わが心の友よ。
「聞いてくれ、ギーシュ、決めたんだ……俺は……俺は」
『お、とうとう副隊長が……』
『おぉ、どっちが空くんだ?』
勝手なことを呟くギャラリーは無視っ
「二人とも好きだぁぁぁぁ、てか、選べるはずねぇだろぉがぁ」
うおぉぉぉぉぉぉと隊員がざわめく。
「二股と、節操無しと、ゆーじゅーふだんと、いわば言え!!
俺にはどっちも大事なんだよ。
騎士隊もルイズもシエスタも全部取る。
一個も中途半端にはしねぇ、全部に納得してもらう」
皆が勢いに押されて何もいえない中、ギーシュだけが俺を止める。
「えーと、ルイズがそんなの許すはずないだろ?サイト」
「ギーシュ、俺には故郷に伝わる『土下座』が有る、この奥義を使って許さないと、
許さなかった方が悪役に見えるという、究極奥義だ」
見えるだけ、という事実に誰も気付かない。
「お、俺にもそれを教えてくれ」
「すまない、これは誰にも見られるわけには行かないんだ(情けないから)」
悩みすぎたサイトはどこかの線が数本切れていた。
勢いに乗ったまま、シエスタの探索を始めようと……
「二股」
ぐぁっ。
「節操なし」
……ダ、ダイレクトに心に響く静かな声……こ、これは……
「ゆーじゅーふだん」
ぐはぁっ、ひらがなで言うんじゃ無かった……
は、破壊力が……破壊力が……
「タ、タバサさん……勘弁してください……」
地面に這いつくばったまま、無表情で俺の言葉を繰り返した少女に懇願。
「おぉ、あれが『土下座』確かに何て惨めな……許さざるをえない風格を……」
うるさい、お前ら黙れ。
無表情のまま小首を傾げたタバサの唇がまた動いた。
「二股?」
もー許してーーー

195 名前:3/7:2006/12/13(水) 02:48:41 ID:Gf2rKI/H
わたしに何か出来ることないかしら……
ミス・ヴァリエールが倒れた……
わたしの所為だ。
わたしが逃げたから。
わたしが隠れたから。
倒れるまで探してくれたミス・ヴァリエールに申し訳が無かった。
自分が楽になるために、あの人から逃げて……
楽になった分、ミス・ヴァリエールを苦しめた。
「ごめんなさい。ミス・ヴァリエール……」
あの人を傷付けたくなかったなんて、ただの言い訳。
きっと……わたしが三人で向き合う勇気が無かっただけ。
皆揃っている時がなんて幸せだったんだろう。
それが分かっているのなら、前を見据えるべきだったのに。
今からでも……間に合うのかな?
ミス・ヴァリエール、許してくれるかな?
そんなはず無いよと、囁くわたしの想像に、まだ自分の勇気では勝てなくて……
(あいたい……なぁ……)
幸せなひと時を思い出しても、そちらに向かう勇気は出なくて。

196 名前:4/7:2006/12/13(水) 02:49:14 ID:Gf2rKI/H
無表情なタバサの淡々とした精神攻撃に屈してしまった……
「何が?」
そう聞かれただけなのに……
全部話してしまった……
隊員達の目が……目が……こえーよ。
『……ひでー』
『いや……それよりうらやましー』
『女の敵だけど、二人共って時点で男の敵だ』
『限りある資源を大切に』
いつのまにーか、皆杖握ってやがる……
「サイト……質問があるんだが?」
「な、なんだギーシュ」
妙ににこやかなギーシュに違和感を覚えた。
「どうやって死にたい?」
「まてぇぇぇ」
一斉に動き出そうとした瞬間、騎士隊全員が地面に叩きつけられた。
「ま、真上からのエア・ハンマー……」
這いつくばった野郎共の中で一人立つ……タバサ。
「この命は、あなたに捧げた」
騎士隊の全員が見守る中、意味深な台詞と共にタバサの唇が……
優しく触れるだけのキス。
(うわ……なんか、無性に恥ずかしい)
うぉぉぉぉぉぉぉ
地面が揺れた?
「ひっ」
あまりの事に言葉が出なかった。
「血、血の涙?」
ゆらりゆらりと、一人一人立ち上がる男達の目から、赤く染まった涙が流れていた。
「サァァァァイトォォォォォ」
『おぉぉぉおぉぉっぉ』
『ルイズのみならず……タバサまでぇぇぇぇ』
『コロセッコロセッコロセッコロセッ』
(しゃ、洒落になってねぇ)
今にも始まろうとする聖戦を遮るように、タバサの手がサイトを背後から抱きしめる。
「きさまぁぁぁぁぁぁぁ」
一気に膨れ上がる殺意の波動に、辺りが黒く染まって見えた。
「ちょっ、待って……」
全員の手が伸びる寸前、俺とタバサはあっさりと逃れていた。空に。
『まてぇぇぇぇ』
『置いてけぇ、タバサ置いてけぇ』
亡者のような集団を尻目に、屋上に逃れる。
「タ、タバサ……何のまねだ?」
「釣り」
答えはシンプルだったが、意味が今ひとつ分からなかった。

197 名前:5/7:2006/12/13(水) 02:50:12 ID:Gf2rKI/H
シエスタに会いに行こう……
その決心がやっと付く。
妙に騒がしい廊下を抜けて、モンモランシーの部屋に着く。

ミス・ヴァリエールに謝ろう。
次に会ったら、『ごめんなさい』をちゃんと言おう。
嫌われるのは怖いけど……

モンモランシーの部屋の前で深呼吸。
(行くわよ……)
ドアに手を掛ける。

小さく軋むドアに向かって反射的に頭を下げる。
「お帰りなさいませ、ミス・モンモランシ」
って……あれ?足の位置が……あれ?
恐る恐る顔を上げると……ミス・ヴァリエール!!

「「ごめんなさいっ」」
二人同時に頭を下げる。

「「どうして、あやまる……」」
完全に重なる声に、二人とも最後まで喋れなくなる。
どちらとも無く笑い出し、ぽつぽつとお互いの話を始めた。
「モンモランシーから、話を聞いたわ」
(……ミス・モンモランシのうそつき――――)
「あの……倒れたって……」
(か、かっこ悪いとこ知られてるしっ)
二人で乾いた笑いを交わす。
喋る言葉を捜しながら、
掛ける言葉を選びながら、
二人の胸にあふれるのは、
((やっぱり、一緒に居ると楽しい))
そんな想いだった。
核心に踏み込まないように、丁寧に話を繋ぐ。
「無茶しちゃ駄目ですよ?」
「だ、だれのせいよっ」
赤くなったルイズをシエスタが抱きしめる。
「わたしのせいですね……ごめんなさい」
はっとしたルイズが慌てて言い募る。
「ちっ、違うのっ、シエスタのせいじゃないっ」
シエスタ一人に押し付けていた、それを反省した所なのに。
小さく唇を噛む。
「いいえ、わたしが悪いんです……もっと……早くに……」
あなたとこうやって、ゆっくり話すべきだった。
……まだ手遅れじゃないですよね?
「わたしが……もっと、シエスタもサイトも見ればよかったの」
側に居てくれる優しい手を離さないように。
魔法が使えなくても、わたしを優しく包んでくれる。大切な世界。
お互いの想いを重ねながら、段々と踏み込んだ話へ進む。
薄氷を履む思いだったけど……楽しかった。
大切な相手を大切だって自覚して、相手を思いやりながら話すのが幸せだった。
お互いの大切さを確認し終わった頃、結論が出た。
『サイトさん次第だけど、一緒に居たい』
「サイト、探しに行こうか?」
「はい、ミス・ヴァリエール」
硬く繋がれた手が、お互いの距離を確認しているみたいで……くすぐったかった。
「サイトが見つかったぞぉぉぉぉ」
「タバサにまで手ぇ、出しやがって、あの獣!!」
……へー、そうなの?
力の入りすぎで、お互いの手が痛かった。心の距離はさらに縮まったけれど。

198 名前:6/7:2006/12/13(水) 02:50:48 ID:Gf2rKI/H
屋上で血走った目の男達に……
「って、数増えてるしぃぃぃぃ」
『ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズ!』
『メイド!メイド!メイド!メイド!メイド!』
『タバサ!タバサ!タバサ!タバサ!タバサ!』
屋上の入り口から、続々と増え続ける人に戦慄する。
腰が抜けた俺は恐怖のあまり、タバサの腰にしがみついた。
そんな俺の頭に、タバサの手が添えられて……
「死ぬ時は一緒」
…………えっと
「し、死にたくねぇぇぇぇぇえ」
生徒のみならず、学院の従業員とか……学院長まで居るし。
(死ぬ……殺される、コロサレル)
死を覚悟した時に、聞きなれた声が響いた。
「まちなさいっ!!」
「ルイズっっ!」
地獄に仏……そう思った瞬間不思議なことに、いきなり人の海が割れる。
……納得した。
ルイズの目が……目が……
『邪魔したら殺す』
そう書いてあった。
「久しぶりですね、サイトさん」
……シエスタの目も、優しげなのに……
ひ、光が一切反射してない……まるで闇そのもののような瞳。
「「すてきな、格好ですこと」」
二人の声が見事にハモる。
「へ?」
……俺は……タバサの細い腰に手を回したままで。
「釣れた……帰る」
あっさりと俺の手が振り払われて……
そーいやタバサ……飛べるんだ……屋上に追い詰められてるのって……
俺……だけ?
見たくない……見たくないけど……
ルイズに視線を向ける――その杖はなんですか?
シエスタをの方を見る――フライパンは厨房で使うものでは?
「あの……コロサナイデ」
震える哀願にルイズはあっさり了解してくれた。
「あたりまえよサイト、そんな楽なことはしないわ、ね?シエスタ♪」
「もちろんです、死んだらそこで終わりですから……サイトさん頑丈ですよね♪」
……いっそ殺してください。
助けを求めるように、周りを見ると……って
「なんで?いつの間に誰も居なくなってるんだぁぁぁぁぁ」
いつのまにやら屋上に居るのは……三人だけ。
「だぁれも、見てないわねぇ、サイト」
「何か有っても、分かりませんね、サイトさん」
「ひっ……」
鬼が……鬼が居る……
響き渡るサイトの悲鳴を聞いた学院中の男は、一様に微笑んだという。

199 名前:7/7:2006/12/13(水) 02:51:21 ID:Gf2rKI/H
「浮気禁止」
「ひゃい」
ズタボロになったサイトが部屋の隅に転がされていた。
「イヤって言ったら、止めて下さいね?」
「ひゃい」
ハイ、以外の答えだと、傷が増えるこの問答は、部屋に戻ってから延々続けられた。
「騎士隊より、わたしたち優先よねー」
「ねー、サイトさん」
「えっと……それはっ」
言った瞬間に二人の目が細くなる。
「ひゃい」
こ、怖い……
ルーンが消える……消えてしまう……サイトはそんな恐怖を味わっていた。
「ほら、相棒何とかなるもんだーね」
「納得いかないわ……」
デルフとモンモンまで居るし……回復魔法は助かったけど。
「去勢しない?いい薬有るわよ?」
俺をジロリと睨みながら、モンモンが恐ろしいことを言う。
「そ……それは、駄目です」
「だめよっ、わたしまだっっ……」
シエスタとルイズが反対してくれて……って
「まだ?」
「うるさぁぁぁぁぁい」
「ぐはっ」
「もてもてだーね相棒、まだ何人かいけるんじゃねーか?」
デルフの声にルイズとシエスタが反応する。
「溶かすわよっ」
「……フライパンで曲がるまで叩きますよ?」
シエスタの声が聞こえた瞬間、デルフが黙り込んだ。
「あ、ミス・モンモランシ、そういえば嘘つきましたね?」
「あー、わたし部屋に帰るわね、またねー二人とも〜」
逃げた……シエスタ……つぇー
喋るのが二人だけになった途端に、ルイズがにじり寄ってきた。
「……シエスタに色々シタって?」
……ヤバイ……ばれてる。
「む、無理やり何て駄目なんだからっ……だから……わわわわ」
わ?
「ちゃんと加減してくださいね?サイトさん……だったら……いくらでも……」
「たしっ……って、シエスタずるいっ」
へ?
……ひょっとして……
「あの……いいの?」
赤くなったルイズが耳元で囁く。
「わたしにも……しなさい……サイト」
もう片方の耳にはシエスタが……
「ミス・ヴァリエールと一緒なら……前みたいに苛められませんよ?」
「「ただし」」
へ?
息も付かせぬ早口言葉スタート!
浮気禁止抜け駆け禁止秘密禁止無理矢理禁止……エトセトラ
(俺……の……自由……は?)
ちょっと泣きそう。
二人が息を整えている……終わった?
「「なら……いつでも……」」
シエスタが俺の手を胸に導いて、それを見たルイズが暫く悩んだ後ぺったりと俺の脚にまたがる。
(あちこちやわらけ―――――)
「自由に」
「していいんですよ?」
頬に近づく二人の唇を感じながら、これから始まる幸せの予感に酔いしれた。

200 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 02:57:58 ID:Gf2rKI/H
おしまい

当初の予定
『サイトさんはミス・ヴァリエールの使い魔で、
わたしはサイトさんのモノ……
ミス・ヴァリエールはわたしが貰ってもいいですよね?』

な、黒シエスタの予定でしたが……どこで間違ったんだろう……

書き直した所為で、強引な落ちです。
期待してくださった方、ごめんなさいでした。
サイトのテンション上げとかないと、テンパったサイトくんが結論出せなかったので。
落ちがつかねー、と書き直しました。あー、もっと頑張ります。
ではっ

201 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 04:08:04 ID:ovxyQjDN
GJです。
この後シエスタのリードでルイズに夜の手解きをするわけか…妄想が止まらない。
黒シエスタはタバサにちょっとだけ引き継がれてる…?w

202 名前:191の者:2006/12/13(水) 06:28:24 ID:/5Pb9t+F
>>200
GJっす。
紛らわしい投稿のせいで20分もお時間割かせてしまってすみません。
一文添えておくべきでした。

「このスレでじゃじゃ馬慣らしならぬイザベラ慣らしの需要は有るのかな?」
が聞きたかっただけでした(汗)

203 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 10:41:17 ID:Z7Rko/8y
>>202
あんた何言ってるんだ…古今、高飛車なお嬢様を堕としていくなんて最高のシュチエーションじゃないか!
それがお姫様なら尚更だ。是非ともやって下さい(`・ω・´)b

204 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 11:59:52 ID:gCdCP6af
>>200
GJ!
てか、タバサさんマジ鬼だw

205 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 12:26:38 ID:usqi2Ssa
>>261
GJ!です♪出来れば幸せな予感の続きが読みたいかなと……
シエスタのフライパン格闘術は伝説の剣よりつよし♪

206 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2006/12/13(水) 14:01:37 ID:obNMFlOX
それじゃあ続き投下行くぜ?

小便は済ませたか?
神様にお祈りは?
モニタの前でwktkしながら更新ボタンを押す心の準備はOK?

じゃあいくぜーッ!

207 名前:黒い誘惑 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/13(水) 14:03:05 ID:obNMFlOX
もうタニアったら!いくら年頃だからって、そういうことばっかり気にしすぎなんだから!
私は晩御飯の載ったお盆を運びながら、そんなことを考えていた。
でも、あれを言った私の気持ちは、本物。
今はまだ、言えないけど…。
今は、『好き』としか言えない。
彼を繋ぎとめられるほど、私が強くなれたなら、伝えようと思う。
…やっぱり、『ずっと一緒にいて』かな?それともダイレクトに『結婚して』とか!?
『私の旦那様になってください』も悪くないかも!『死ぬまで離さないで』とかロマンチックで素敵かもかも〜!

かちゃんっ

食器の擦れる音で現実に戻された。
…あー、いけないいけない。最近時々周りが見えなくなる事が多くて困る。
…サイトのせいなんだから。
そうよ、サイトがいけないのよ!
毎朝毎朝『今日も綺麗だね』とか歯の浮くような台詞言ってきて!
ゴハン食べたら『おいしいよ』しか言わなくて!
夜の時なんかすっごいいぢわるなくせに終わったら『可愛かったよ』なんて優しくしたりして!
独り占めしたくなるじゃない!もう少し、なんていうか、私のツボ外すような事してくれないと!

かちゃっ!

…ダメダメ、なにやってんのよ私…。
台所からサイトの部屋まで数十歩なのに、なんで二回も食器落としそうになってんのよ…。
…やっぱりタニアに見られたのが効いてるのかな。
それと、サイトの『おみやげ』も気になるなあ。
噂だと、最近ロサイスの町にはいろんなものが入ってきてるっていうし。
あの袋の大きさから考えて服かなあ?
可愛い服だといいなあ。
…でも、サイトの事だし、もんのすごいえっちな服だったりして…。
あの夜着よりえっちな服…?
…な、なに考えてんのよサイト…!
私そんなの着ないから!絶対着ないからね!
で、でも、お願いされたら着ちゃうかも…!
そ、そそそそそしたらそのまま…なんだよね?やっぱり着たまま?ダメよ、服汚れちゃう!
そそそそそそそそれに、今日はちゃんとデザート準備してあるんだから!約束破っちゃダメなんだから!ダメってば!

かしゃんっ!

…ティファニア、落ち着きなさい。
深呼吸深呼吸。
とりあえず、そう言うことはサイトの部屋に着いてから。
よけーな事考えると食事が台無しになっちゃう。
そこまで考えて、私はサイトの部屋を通り過ぎている事に初めて気がついた。

208 名前:黒い誘惑 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/13(水) 14:03:58 ID:obNMFlOX
ノックの音がする。
この時間に俺の部屋に来る人物といえば、テファしかいない。
…って言いたいけど、時々子供たちも遊びに来るから油断できない。
うかつにジムとかが来た時に『テファ、いらっしゃい』とか言っちゃったりすると飛び蹴りが飛んできたりする。
だから俺は最近、ノックの相手が部屋に入ってから声を掛ける事にしている。
ドアを開けると、やっぱりそこにいたのはテファだった。

「晩御飯、もってきたよ」

お盆の上に晩御飯を載せて、テファがそこに立っていた。
…今日は大皿にしっかりデザートが載ってる。
…まあいいかあ。今日はアレ着たテファを見られるだけでよしとしよう。
ぶっちゃけ疲れてるし。

「じゃ、食べようか」

テーブルの上に並べられた二人分の食事を見て、俺は言った。
そんな俺に、テファがもじもじしながら、

「…あの、サイト…」

そこまで言って、言いよどむ。
あ、そか。おみやげの事気にしてんだな。

「食事の後でいいだろ?お腹すいてんだ、俺」

ちょっと意地悪かもしれないけど、お腹すいてるのは事実だしなあ。

「あ、ゴメンなさい…」

…ちょっと悪い事したかな?
そして、俺とテファは普段どおりに食事を採る。
「ロサイスの町はどうだった?」とか、「お店すぐにわかった?」とか、他愛のない会話を続ける。
そのうちに、デザートまでを食べ終わり、俺はごちそうさまを言う。

「お粗末様。今日も全部食べてくれたね」

そりゃ食べますとも。テファ料理上手だもん。
こんな娘がお嫁さんになってくれたらサイコーだろうなあ。
料理上手だし、気立てはいいし、しっかりものだし。
胸大きいし!!エロいし!!

「…サイト?」

俺の変な視線に気づいたのか、テファが首をかしげて俺を覗き込んでいる。

「いやいやいやなんでもないよ!それより、これ!」

俺は椅子の傍に置いてあった紙袋をテファに突き出す。
それは、例のビスチェの入った紙袋。
テファはそれを受け取ると、嬉しそうに微笑む。

「ありがと、サイト。…嬉しい」

そして、中身を取り出して、さらに顔を綻ばせる。

「わー、可愛い服!」

209 名前:黒い誘惑 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/13(水) 14:04:35 ID:obNMFlOX
ええ可愛いですとも。でもそれだけじゃございません。
キミの魅力を数倍に引き出してくれるステキギミックつきでございます。
魅了の魔法で俺をメロメロにしてぇぇぇぇぇぇぇん!
…でも、少し気になることがあった。
どうにも、あの時見た『魅惑の妖精のビスチェ』とは違うのだ。
あの服には腰のところに小さな蝙蝠の羽根なんてなかったし、縫製に使われている糸も、赤じゃなくて黒だった。
まあ、これは俗に言う『小悪魔バージョン』ってやつじゃないかな。あっちが妖精ならこっちは小悪魔。
小悪魔テファ!うは!その響きだけで俺はもうGENKAITOPPAデスヨ!?
テファはひとしきりその服をながめて、『可愛い』を連発していた。
その時、ひらりと一枚の紙切れがビスチェから落ちた。
それはひらりひらりと宙を舞い、壁にたて掛けたデルフの前に落ちた。
…値札がまだついてたかな。
それに気づいたのか、デルフが言った。

「おう相棒、こりゃなんだい?」
「ん?テファのおみやげについてた紙。値札かなんかだろ?」
「あ?値段なんか書いてないぞこりゃ?どれどれ」

デルフはそう言って紙に書いてある文字を読もうとした。
その時、テファが話しかけてきた。

「ねえサイト、これ着てみていい?」

キターーーーーーーーーーー!!
どうぞどうぞどうぞ!むしろ着てください!

「うん、いいよ」
「じゃ、着替えるね」

そして俺は着替えようと夜着の袖から腕を抜こうとしたテファに、たしなめられる。

「あっち向いてて。…えっち」

テファはビスチェを胸に抱いて、頬を染めて唇を尖らせる。
あんなことまでしといて今更なんだけど、俺はせっかく機嫌のいいテファのへそを曲げたくなくて、椅子ごとテファに背を向けた。

210 名前:黒い誘惑 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/13(水) 14:05:31 ID:obNMFlOX
サイトのおみやげは可愛い服だった。
でも正直、露出が多すぎるとは思うけど。
…でも、サイトの前だけなら、いいかも。
てことは、…やっぱり、コレ着て、…なんだよね?
…で、でも、ダメなんだからね?今日はちゃんとデザート食べたし!
とりあえず、サイトもあっち向いたし…。
私はもう一度サイトにもらったその服を見る。
黒くて、背中と胸の谷間が大きく空いてる。
腰の周りに、大き目のフリルがついているけど、下半身を隠すって言うよりは、飾りになっている。
そして私の目を引いたのが、腰の後ろに付いている小さな蝙蝠の羽根。
アレかな、伝承の悪魔かなにかをモチーフにしてるのかな。
だったらやっぱり、そういう事に使う服なんだ…。
もう、サイトってばえっちなんだから…。
でも、可愛いからいいかな。
ん?
私はふと違和感を覚えた。
…あ!

「サイト、この服、胸足りない…かも」

…この時ほど、私は自分の歪な胸を恨んだことはなかった。
でも。

「大丈夫。騙されたと思って着てみてよ」

サイトが、背中を向けたままそう言った。
どういうことだろう?
私は、夜着と下着を脱ぐと、その服を着てみた。
う。やっぱり胸…キツイ。
…って、あら?
胸がキツイ、と思ったとたん、服の胸の部分が大きくなった。
そして、腰周りがきゅっ、としまって、お尻の部分も少し余るカンジだったのが、ぴったりと張り付いた。
すごい!コレ、魔法の服なんだ!

「この服すごい!…サイト、高かったんじゃない?コレ…?」

私のその言葉に、サイトがこっちを向く。

「いや、大した事ないよ。お店の人がまけてくれて…」

言うサイトの目が、大きく見開かれて…。
あれ?なんだろ…。
私の目も、サイトから離れなくなって…。

あれ?あのビスチェにオーバーニーなんてついてたっけ?
振り向いたテファは、ビスチェだけじゃなく、赤い縁取りのついた、黒いオーバーニーソックスを履いていた。
さらに、頭には黒いフリルのついたカチューシャ。
まるで、本当の小悪魔みたいだ。
ぶっちゃけもんのすごくエロ可愛いです。
なんて考えてたら。
ヤバい、息子が元気になってきた。
ダメダメ!今日はデザート食べたでしょ!大人しくしないとレファに怒られるゾ!
俺が必死に息子をなだめていると、不意に視界が翳った。
いつの間にか、目の前にテファが立っていた。

211 名前:黒い誘惑 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/13(水) 14:06:48 ID:obNMFlOX
「あれ?どしたのテファ」

俺の疑問符に、しかしテファは応えない。
あっというまに俺の頭を掴むと、一瞬で俺の唇を奪ってきた。
俺が驚いていると、テファはとろけるような視線で、俺を見つめて、言った。

「ありがと、サイト。こんなステキな服プレゼントしてくれて。
 …私からも、お返ししなきゃいけないね」

そして、もう一度俺の唇を塞ぐ。
…あ、あの、テファさん?
テファは俺の中を見透かしたように、言った。

「サイトからするのは、ダメだけど…。
 私からしちゃうのは、いいの…。ね?」

そしてテファは、ズボンの上から既に臨戦態勢の俺の息子を撫で上げた。

ティファニアの指が巧みに蠢き、椅子に座ったままの才人のズボンを下ろす。
彼の股間では、彼の一物が限界まで屹立していた。

「もう、こんなにして…。
 そんなに、この服えっちだった?」

言いながら、ティファニアは才人の足元で跪きながら胸の谷間を彼に見せ付ける。
才人の喉を鳴らす音が、肯定を示していた。
そして才人は言った。

「エロいのはその服じゃなくて、テファだよ…」

ティファニアはその言葉に、眉をハの字にして不機嫌を露にする。

「だーれーが、エロエルフですか。
 そんないじわる言う人にはおしおきです」

言って、両手でぴったりと才人のモノを覆い尽くす。
指でくにくにと才人の硬さを確かめ、先端の柔らかい部分を押しつぶす。

「うあっ!」

才人がたまらず声を上げる。

「私がいいって言うまでガマンできたら許してあげる」

212 名前:黒い誘惑 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/13(水) 14:07:29 ID:obNMFlOX
そして、両手で優しく、才人を擦り上げる。
茎を少しきつめに握り、指で擦って刺激を与え、先端を指先で苛める。
返しの裏側を爪の先で削り、裏筋を指の腹で撫で上げる。
先走りで濡れた細い指が容赦なく才人を突き上げる。

「ちょ、テファっ」

巧みな刺激に、才人は呻きを上げる。

「だぁめ。まだ出しちゃダメよ?もっとガンバって」

しかし、限界は直ぐにやってきた。
才人の茎が一気に膨らみ、先端から白い液体を迸らせる。

「うあぁぁっ!」

ティファニアはその迸りをとっさに手で受け止る。
しかし半分ほどはその手で跳ね、床にこぼれてしまう。

「もう…まだだって言ったのに…」

手に付いたそれを愛おしそうに眺めたあと、ティファニアはそれを口へ運び、舐め取った。

「サイトの…おいし…」

その光景に、サイトのソレは再び立ち上がり、元気になる。

「て、テファ…どうしたんだ?」

才人は違和感を覚えていた。
いつものティファニアではない。
いつもは…その、なんかこう、いじめてオーラみたいなのを全身から出しているような娘なのだ。
なんで今夜はこんなにノリノリなんだ?

「サイトのせいなんだから」

そう言って、ティファニアはフリルを持ち上げてみせる。
そこにあったのは、ビスチェと一続きになった黒い皮の布地…ではなく。
溢れ出たティファニアの果汁で桃色に透き通った、真っ白なショーツだった。
才人の喉が再びごくりと鳴る。

「サイトがこんなえっちな服くれるから。
 えっちなことしたくなっちゃったんじゃないの。
 ちゃんと責任とってよ…ねえ」

そして、才人の上に跨り、その背中に左手を回し、肩口にそっと頭を預ける。
才人の鼻腔を、ティファニアの匂いがくすぐる。
ティファニアは背に回した手でつつつ、と才人の背中を撫ぜる。
微弱な電流が才人の煩悩を刺激する。
空いた右手でティファニアは才人の頭を捕まえる。
そして、才人を見上げ、そのまま唇を塞いだ。
そのまま舌を挿し込み、才人の中に侵入する。
二人はしばらくお互いの口の中を愛撫しあい、やがて、唇を離した。

213 名前:黒い誘惑 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/13(水) 14:08:51 ID:obNMFlOX
「サイト…」

ティファニアの目が、完全に欲情していた。
才人の腿を、その証が塗らしている。

「もう、こんなにして…。
 どうしようもないえっちな娘だな、テファは」
「誰のせいよ…」

もう一度口付け、そして、才人はそのままティファニアの白い布に覆われた双丘にに手を回し、ショーツをずらす。
ティファニアはそのまま腰を持ち上げ、正確に蜜を滴らせる自分の花弁に、才人を導いた。

「あは…サイト…だいすき…」
「キモチいいよ、テファ」

繋がったまま二人はまた口付け、そしてお互いに腰を動かす。
才人が中を擦る快感が、ティファニアの雌を開放する。
最初はゆっくりだった腰のうねりが、堰を切ったように速くなる。

「あ、あ、あ、い、いい、いいの、サイト、もっとぉ」
「テファ、テファ、うぁっ、最高だっ」

上下だけでなく淫らに腰を回し、ティファニアは才人からさらに快感を貪る。
自由になった口で、才人はこぼれたティファニアの胸を吸う。

「いじめてっ、おっぱいもっ、あそこもっ、全部、サイトのっ、だからぁっ」

やがて、跳ねるティファニアの中で何かが弾ける。

「あ、あ、いあ、くる、きちゃうっ!」
「お、俺もっ!」

ティファニアの肉襞が容赦なく才人に絡みつき、精を搾り取る。
才人の肉棒が吼え、堰を切ったようにティファニアの中に欲望を流し込む。

「あ、あ、でてる、でてるのぉ…!」
「テファ、テファっ!」

二人は抱き合い、椅子の上で力尽きた。

214 名前:黒い誘惑 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/13(水) 14:09:29 ID:obNMFlOX
二ラウンド目に入った二人の横で、デルフリンガーは紙に書かれた文言を伝えるかどうか悩んでいた。

「相棒は『魅惑の妖精のビスチェ』とか言ってたよなあ」

その紙には、ティファニアの着ているビスチェの正式名称と、注意事項が書かれていた。
とりあえず読み上げてみる。

「『サキュバスのドレス』。
 これは、淫魔と呼ばれる、伝承の悪魔をモチーフにした、マジック・アイテムです。
 着用者と、それを見たものに同時に『魅了』の魔法がかかります。
 また、このビスチェは、変形できる範囲で、魅了対象の望む形に姿を変えます。
 それにより、魅了対象をより深く魅了する事ができ、効果的な夜の生活を約束します。
 なお、カップル以外で使用すると、望まざる結果を生む事があります。
 注意事項;類似品にご注意ください。
 だってよ」

しかし、行為の真っ最中の二人には届かない。

「まあ、明日の仕事に差し支えない程度にがんばんな、お二人さん。
 んじゃおれっちは寝るかんな。確かに伝えたぜー」

それっきりデルフリンガーは黙ってしまった。
二人は、ベッドの上で三ラウンド目に突入したところだった。

次の日、腰の立たなくなったティファニアのかわりに、才人とタニアで家事の一切を賄ったのは言うまでもない。〜fin

215 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2006/12/13(水) 14:13:38 ID:obNMFlOX
誰が『魅惑の妖精のビスチェ』だと言った!
素材をそのまま使うなんてしませんよお兄さんは!
とか言いつつオリジナルアイテムでしたorz
てか多いなそういうの俺…。
なるべく原作からエロアイテム探そうとはしてるんですが全年齢対象なのでそうそうエロいものは落ちてないですよ

スキルニルは十分以上にエロいがな!完全可動ダッチワ○フでしょアレ?(ぉ

まあ次もてけとーにエロくいきます
せんたいさんでしたノシ

216 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 14:31:40 ID:1JZhoevf
まったくけしからんアイテムですね! これは!
でももっと胸革命を多くしてほしかったぜ!
ごちそうさまでした。

217 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 14:53:04 ID:mVDryi7J
へんたいさんは仕事中の俺をニヤニヤさせて
おっきさせる悪魔のよーな香具師だッ!!
GJ!!

218 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 16:37:43 ID:L/KG9TwG
もう君たち二人ともGJあげちゃう!


219 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 16:42:00 ID:mIwCNm/i
>>へんたいさん
次の夜、腰の立たなくなったティファニアのかわりに、才人とタニアで情事の一切を賄ったのは言うまでもない。〜continue
まで読んだ。

220 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 16:53:52 ID:usqi2Ssa
へんたいさんGJ!
やっぱりエロ過ぎです!へんたいさんです!ロリコンお兄さん野郎だこんちくしょう!!次はスキルニルで素直にタバサを凌辱してくださいませ

221 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 16:57:34 ID:+LugAaLc
>>200 261氏
大変GJでした
タバサ…「釣れた」ってw
大物が2匹も掛かってさぞ満足だろうに

>>215 せんたいさん
こちらも大変GJです!
テファいいですね、サキュバスのドレスとマッチして…このへんたいさんめ!(ほめ言葉
次回もエロイのを期待してます


222 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 17:29:51 ID:+D1HEWYC
>>215
やはりテファはいいな、GJ!!

223 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 17:35:01 ID:3/y79dyC
>>スキルニルは十分以上にエロいがな!完全可動ダッチワ○フでしょアレ
こんなこと思いつくのは世界でへんたいさんだけだよ・・・さすがロリ変t(ry

224 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 18:47:21 ID:ejyfWO/K
>>スキルニルは(ry

その発想はなかったわGJ

225 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 20:50:32 ID:ViM2SQcw
正にへんたい!!

226 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 21:20:57 ID:A1CT7fXp
>>223
俺も才人&才人化したスキルニルの二人に責められるルイズを妄想した。
まぁアン様とかにも流用できそうだが

227 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 21:44:14 ID:ovxyQjDN
そういえば才人化させたスキルニル×アン様って以前あったような気が。
2対1ですき放題ヤられちゃうっていうのいいなぁ…

228 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 22:04:04 ID:usqi2Ssa
もし自分が神の頭脳(ミョズニトニルン)だったら
タバサにルイズにシエスタにアンさまをスキルニルで(ry
と思うへんたいさんがいっぱいいるはず♪

229 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 22:12:05 ID:GZoVu1oD
てふぁ最高、胸革命グゥレイト!

230 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 00:25:59 ID:Rvs0/42x
>>200
前と後ろからサイトとシエスタに責め立てられるルイズという妄想に苛まれてやまないんですが、勝手に続きとか書いちゃっていいもんでしょうか。
設定お借りすることになるので…。

231 名前:261のひと:2006/12/14(木) 00:40:19 ID:WpvubORe
>>230さん ご随意に〜と。
サイト苛められるのかいてる途中だったりするので、
ルイズお任せしますと言ってみたり。

では、お互いに頑張りましょうということで。

232 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 01:20:58 ID:MTYi8VU7
261の中の人もせんたいさんもGJ!
いつも楽しませてもらってるよー
次の話もwktkしながら待ってるぞー

233 名前:261のひと:2006/12/14(木) 02:10:16 ID:WpvubORe
>>202さん いえ、待った時間はそれほど無いので、ご安心を。
あと、待ってますので〜楽しみに。

>>205さん (別の人みたいだ……)
書いたらだらだら長くなった、お目汚しを。

234 名前:1/4:2006/12/14(木) 02:11:56 ID:WpvubORe
>>199の続き
そのままシエスタが俺を押し倒す。
ここ数日禁欲していたという事実が、ルイズの太ももに当たっていた。
恥ずかしそうに目を反らすフリをしながら、一生懸命見ているルイズがいじらしくて……
グリグリ
「……ぁ」
ついルイズに押し付けてしまう。
恥じらい、サイコー。
もー
『カチン』
カチン、そう……カチン?
「あの……シエスタさん?」
俺の手には鎖が……あの……え?
「サイトさん、おいたが過ぎますからね」
両手を拘束した鎖をベットの柱に巻きつけるシエスタ……
「え?……あの……シエスタさん?」
「さ、ミス・ヴァリエール脱がせますよー」
「うん」
俺のズボンに二人して手を掛ける。
余りの展開に混乱している間に、あっさりと……
(か、下半身が……涼しい……)
「ほーら、良く見てください」
「うわぁ……」
「ちょ……あの……」
し、死にてぇぇぇぇ
「気持ちいいと、こんな風になっちゃうんですよ、サイトさんって」
「?でも、まだ何もしてないわよ?」
せ……説明しないでぇぇぇぇ
シエスタ……実は相当怒ってないか?
そんな恐怖をよそに、シエスタの授業は続く。
「ほら、サイトさん変態ですから、見られるだけで気持ちいいんですよ」
「ちょっ、ちがっ」
「へー、そうなんだ……わかった」
まってルイズ……それは違うっ、違うぞぉぉぉ
ルイズとシエスタにベットの上で馬乗りになられて、おっきしない奴挙手!!
…………………………
ほーら、誰もいねぇぇぇ、俺は普通だぁぁぁ。
左右の足に一人づつ乗って俺の動きを封じながら、シエスタがゆっくりと唇を寄せる。
「……シエスタ……口……付けるの?」
不思議そうに聞くルイズに、息が掛かるほどの距離でシエスタが答えた。
「まだ……しませんよ、これはね……ほら」
シエスタの息が掛かるだけで、元気にビクビク痙攣し始めた俺をルイズに指し示す。
「サイトさんが変態な事を先に証明しようと思って……ね」
「ほんとだー、サイトのへんたいさん」
「ちょっと待てぇぇぇ、シエスタぁぁぁぁ」
絶叫する俺をシエスタが冷たい目で見下ろす。
「ほら、ミス・ヴァリエール……サイトさんって、こういうとき暴力的で我侭ですから気をつけましょうね♪」
「はーい、シエスタ」
け、結託してやがる……
シエスタがくすくす笑いながら、俺の服を捲り上げていく。
腕が拘束されている所為で、服が腕の途中で引っかかり視界を遮った。
「さ、ミス・ヴァリエール今度はここですよ」
どこだぁぁぁぁぁ
「はい、シエスタ」
ルイズも素直すぎだぁぁぁ

235 名前:2/4:2006/12/14(木) 02:12:37 ID:WpvubORe
「ほら……こうやって……」
シエスタがサイトの乳首を舐め始める。
「ちょ……まてっ、下、下ぁぁぁぁ」
下って何のことかしら?
「ミス・ヴァリエール、サイトさんは下半身を触って欲しいみたいですので……
後回しです♪」
そゆモノなのね? 良く分からないけど納得したわたしは、シエスタを見習ってサイトの乳首を吸う。
「ほら、見てください、アレ」
シエスタが指差した先で、わたしには無いモノがビクビク震えていた……
「アレが、ミス・ヴァリエールに入るんですよ?」
……えっと
「無理」
どう考えても入る訳無い。
「えぇぇぇぇぇぇ」
この世の終わり……そんな感じでサイトが悲鳴を上げる……
「い、入れたい……の?犬」
ドキドキしながら聞いてみる。
「はいっ、入れたいです、動きたいです、暴れたいですぅぅぅぅ」
そ、そうなんだ……
うれしい……が、頑張ろうかな?
「駄目ですよ、ミス・ヴァリエール、サイトさん調子に乗ると底なしですから」
シエスタ厳しい。
サイトの絶叫を聞きながら、サイトの身体を舌先で責め続ける。
ちろちろと舐めるだけで、全身を硬直させるサイトが可愛い。
指先でそっと、お腹を撫でるだけで身体が跳ねて、。
長い髪がサイトの胸を擦るだけで声が枯れるまで叫んだ。
シエスタと一緒に、延々サイトの反応を楽しんでいると……
一時間ほど経った頃、泣き始めてた。
「……さ、触って……くれぇぇぇぇぇ」
股間が元気に動き回って自己主張していた。
「……まだ駄目?シエスタ」
ちょっと可哀想かも。
「じゃ、ミス・ヴァリエール、まずは……」
シエスタがサイトにいきなり噛み付いた。
「くぁっ……っっぅ……あっ……」
あれ……サイト痛そうじゃない?
「ひゃんでまひぇんぉ、みゅす・ふぁりひぇーる」
「えと……噛んでませんよ?」
サイトを咥えたままのシエスタが頷くと、サイトも同じタイミングで震えていた。
「なにこれ……おもしろーい」

236 名前:3/4:2006/12/14(木) 02:13:10 ID:WpvubORe
シエスタがしゃぶるのを暫く眺めていた。
しゃぶるといっても、手もひっきりなしに動いていた。
根元の袋をにぎにぎしたり、先を舐めている間に残りの部分を握ったまま上下に擦ったりしていた。
口も負けじと奥まで飲み込んだり、音を立てて吸い上げたり……
じっとしていると思っても、ほっぺが揺れてて、口の中では凄いことになってそうだった。
「っで……」
サイトが何か言いかけた瞬間、シエスタが飛び退いた。
「さ、ミス・ヴァリエール、こんな感じですよ?」
「シ、シエスタァァァァァ、もっと……もっとしてくれぇぇぇぇ」
サイトが叫んでる。
ほっといていいのかな?
「いいの?」
ついシエスタにお伺いを立ててしまう。
「放っておきましょうミス・ヴァリエール、ちょっとやってみて下さい」
「う、うん」
いきなり咥えるのは怖くて、先をちょっと舐めてみる。
「あああああぁぁぁぁぁ、たりねぇぇぇぇぇ、もっとぉぉぉっぉ」
む、っとする。
何よ、犬の分際でわたしが……て上げたのに。
「うるさいっ、犬、おあずけっ」
わたしが叫んだ途端にサイトがピタリと黙った。
頭を一生懸命動かしてこちらを見ようとしていた。
「……い、今のルイズなのか?ルイズがしてくれたのかぁぁぁぁ」
……あまりの喜び様に恥ずかしくなる。
「そ、そうよっ。何か不満でも有ったかしら?」
サイトが喜んでくれているのが分かったけど、わざと聞いてみる。
「いやっ、最高!!ルイズ最高!!もっと……もっとぉっぉ」
うわ……さっきまでよりもビクビクしてる……。
動かない身体を一生懸命私の押し付けようとしていた。
(もー、そんなにわたしが良かったの?)
そう思いながら、続けようとしたけど……
恐怖に凍りついたわたしは動けない。
「ルイズ……頼むよ、ルイズ……」
サイト……ばかっ、黙りなさい!!
視界の塞がれているサイトには分からなかった。
あたりが……黒い気配で覆われているのを。
「……ルイズ……さいこー、です……か?」
自らのミスを悟ったサイトが、やっと黙り込む。
「あんなに、一緒だったのに……」
シエスタが自分の胸でサイトを包み込む。
「そんなこと、一度も言ってくれませんでしたね?サイトさん」
そのままサイトの先を吸い上げ始めると、あっという間に何かが飛び散った。
荒い息をつくサイトを見ながら、シエスタは動き続けていた。


237 名前:4/4:2006/12/14(木) 02:13:47 ID:WpvubORe
シエスタが触っていると、何度か白い液体が撒き散らされていた。
「ちょ……シエスタ……ごめんっ、許して、休ませてぇぇぇ」
「……サイトさん……わたしが言ってもやめませんでしたよね?」
何してるのかしら?
暴れるサイトを取り押さえながら、シエスタは刺激を与え続けている。
……おいてけぼりな気分。
「ねーシエスタ……これ、何?」
構って欲しくて、シエスタに聞いてみる。
「とりあえず、絞りつくしてから教えてあげます」
絞るの?
手伝いたくて、シエスタの胸とサイトの間に手を滑り込ませる。
「こう?」
「ぎゃぁぁぁぁぁ」
あれ?サイトが叫んでる。
「いい感じです、ミス・ヴァリエール」
そなの?
「サイトさんがいきかけたら合図しますから、どんどんやっちゃって下さい!」
「OKシエスタ、頑張るわ」
「ちょ……まって……ルイズに……は?」
えへ、そんなに楽しみなのかしら、サイト。
「今日はここまでです、ミス・ヴァリエールはちゃんと感じれるようにわたしが色々教えてあげてから、サイトさんとです」
「ちょっ、卑怯、それ卑怯だシエスタ!!」
「ミス・ヴァリエールもそれで良いですよね?」
この数時間ですっかりシエスタに頭が上がらなくなった気がするわたしは、シエスタの言いなりだった。
「じゃ、今日の所は、サイトさんの……絞り尽くし方です」
「はーい、シエスタ」
次の日になるまで、サイトの悲鳴は止まらなかった。

そして、
「じゃ、授業が終わったら、続きしましょうね?ミス・ヴァリエール」
「はい、お姉さま」
「……いっそ……殺して……」
「あら、ミス・ヴァリエールの処女、いらないんですか?」
「ふーん、そうなんだサイト」
「……お、俺は……伝説の使い魔だぁぁぁ、この程度の試練っ、何の事は無いっ」

数日後サイトが入院した時……医者は彼の年齢がわからなかったそうな……
めでたくなし、めでたくなし。

あんまり、ちゃんと落ちてない……

238 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 13:27:14 ID:qrDHYd+p
>>233
GJ! 楽しませていただきました。

> 「ほんとだー、サイトのへんたいさん」
一瞬某氏が脳裏にうk(ry
> 「あんなに、一緒だったのに……」
一瞬某歌が脳(ry

239 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 14:10:46 ID:/q8BN0v1
>>233
GJです♪

>>238
同感ですw

240 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 15:05:23 ID:e0dQwVEG
>>233 あえて、ちょっと
まだ読めるけど、迷走してる感じ。
気分転換に短いの書いてみるか、
(他の住人に怒られそうだが)よそで書いてみるか、
しばらく休むのもいいかと。

ちょっと前の方が好きだ。

〜〜の続き書かないと、とか
リクの〜〜 とか

より、書きたいのを書いてくれたほうがのびのび書いてる感じがする

241 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 15:30:54 ID:sTtcXkGD
サイト=へんたいさん=せんたいさ、うわっやめろ何をす…

242 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 15:42:00 ID:IQd4Kmy0
サイトはドMだからな。つーことは
このスレは俺を含めてドMばっかりということか

243 名前:230こと ◆mitty.ccnw :2006/12/14(木) 17:11:46 ID:Rvs0/42x
明け方にはほとんど書きあがっていたんですが投下する前に力尽きてしまった…。
遅くなりました、>>230で言っていた>>200の勝手にその後です。

244 名前:>>200勝手にその後:2006/12/14(木) 17:13:12 ID:Rvs0/42x
「自由に」
「していいんですよ?」
シエスタと揃えた様にそんなことを言いながら、サイトの頬に唇を寄せる。
サイトの手が伸びてきて、ぐっと引き寄せられる。
「サイトさん、…今夜の主役はミス・ヴァリエールですよ?」
え?と横を向くと、サイトの腕をゆっくり振り解きながら面白そうにわたしを見ているシエスタと目が合った。
「お、おう」
「サイトさんって、果報者ですよね。普通だったら二股だって、両方からそっぽ向かれたりしちゃいますよ」
「そ、それを言うなって…」
そう言いながらも、サイトはわたしから目をじっと離さずにいる。
「サイト?」
「あ、うん。…ほんとに良いのか?」
「く、くどいわよっ」
ほ、ほんとはこんな展開になると思わなかったから、心の準備とかまだその…あれだけどっ。
放っておいたら、他の娘がまたちょっかいだしてきそうだし。あのちっこいのとかエルフだとか、…そういえば姫さまも。
「い、犬はご主人様がしっかり面倒を見てあげないとすぐ浮気しちゃんだから、わ、わたしがしっかり繋ぎ止めておいてあげるんだからっ」
「なんだよそれ」
口調は不満げだけれど、目は笑っていた。なんか見透かされているようで悔しいけど。
「ほらほら二人とも、喧嘩しちゃだめですよ?」
シエスタが後ろから抱きしめてくる。この感触は…むぅ、ずるいなぁ。
「あら、ミス・ヴァリエール緊張しているんですか?」
「そ、そんなことないわ」
耳元でくすっと声がした。
「サイトさん、ミス・ヴァリエールは初めてだから…しっかりほぐしてあげましょう」
「あ、ああ」
シ、シエスタってこんなキャラだったの?

245 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 17:13:28 ID:ObALksGu
>>237
GJ!!面白かったよ。

最後の自信がないのか照れ隠しなのかわからない1行はできればやめてほしい。
ssの中のルイズちゃんとシエスタちゃんとシャルロットちゃんに失礼だぜ?

246 名前:>>200勝手にその後:2006/12/14(木) 17:13:53 ID:Rvs0/42x

「ひゃん!」
サイトとシエスタに挟まれるようにしてサイトと深いキスをしていると、シエスタが後ろからわたしの胸に触ってきた。
サイトと唇を合わせていられなくて、思わず叫んでしまう。
「あら、もう立ってるみたいですよ?」
「ちょ、ちょっと…んっ」
抗議の声を上げようとするわたしを、サイトが唇で塞ぐ。
シエスタは乳首を直接触るんではなくて、その周りを円を描くようにして撫でてくる。
ぴりぴりするけれど、高みに上るにはちょっと足りない微妙な位置。
虚無の曜日にじゃれあう時、我慢できなくなって最後は自分から擦り付けてしまうのはいつもこの指だった。
前からはサイトの舌。後ろからはシエスタの指と、首筋に唇。
どうしようもなく気持ちいい。うっとりしている間に、シエスタはわたしのシャツのボタンを外して脱がしてしまう。
「ふふふ。ミス・ヴァリエールの肌、すごく綺麗ですね…」
「ひゃ、ちょっとシエスタ待って」
「いーえ。これはお詫びも兼ねているんですよ?」
ほ、ほんとかしら、なんだか楽しんでいる気がするんですけどー。
けれど、何か言う前に今度はサイトが胸に吸い付いてきた。
「やぁっ、吸っちゃだめぇっ」
「本当に肌理が細かくて綺麗な肌…。うらやましいなぁ」
「や、シエスタまでっ」
乳首を強く吸うサイトと、背中を強く吸うシエスタ。前から後ろへ、まるで刺し貫かれるような快感が走る。
サイトの頭を抱えて喘ぐことしかできないわたし。気づけばスカートも取り払われて、残すは一枚の薄い布だけ。
それも、体のうちから漏れてきたもので隠す用を成さなくなっていた。

247 名前:>>200勝手にその後:2006/12/14(木) 17:14:51 ID:Rvs0/42x

ルイズ感じやすくなったよなぁ…。
シエスタが妙に手際がいいのもそうだけど、毎週のアレが予行練習(?)みたいな感じになっていて、感じるところを的確に責められるようになっていたというのもある。
けれど、
「ああっ、やっ、おかしくなっちゃうぅ」
胸だけで仰け反る様にして感じているルイズに、ふとそう思う。
「サイトさん」
耳元に響くシエスタの声に顔を上げると、視線で次の行動を促された。…びっしょりだ。
「はっ、はぁっ…。な、何?……!!!」
ルイズも気づいて足を閉じようとするけれど、そこはシエスタが抑えてしまう。
「や、いやあああぁ…っ」
「あらあら。でもミス・ヴァリエール?いやよいやよもすきのうちという言葉があるんですよ?」
ちょ、そんなのどこで覚えてくるんですか。…まぁ、この際そんなのどうでもいいことではあるが。
最初は下着の上から、塗れて張り付いた部分をなぞる様に指を動かす。
ルイズは今度は口を閉じて頑張っているようだ。…そらなら、とシエスタに目配せする。
シエスタがルイズの首筋に次々とキスマークを付けていく。その一方で両足の動きも封じてくれているので、ゆっくりと反応を見ながら責め立てることが出来る。
二人掛りで一人をってなんかすごく背徳的で燃えるなぁ…。
「…ぅんっ!!!んんーっ」
両手で口を押さえて声は閉じ込めても、鼻息までは止められない。そろそろ限界かな。
ぴくぴくと小刻みに体を震わせて上り詰めようとするルイズに、しかし直前で指を止める。
何でって目をしてる。もちろん、止めるつもりな訳じゃないけど、
「折角なんだから、ルイズの逝くときの声聞かせてくれな?」
「ばっ、んんっ!?」
言い掛けるルイズを今度はシエスタの唇が塞ぐ。なんか、こういう連携って楽しいな。
「ぷはっ、あんっ、二人ともちょっ、あああっ」
「ふふっ、我慢しなくていいんですよ、ミス・ヴァリエール」
「やああっ、あっ、はあっ、だめだめっだめえええええっ」
この瞬間の切ない声と、表情が堪らなく好きだったりする。
全身を引き攣らせて絶叫すると、ルイズはぐったりとシエスタにもたれ掛ってしまった。
「逝っちゃったみたいですね」
シエスタ楽しそう…。
「ほら、サイトさん。濡れてしまったから脱がせてあげないと」
「そ、そうだな」
そんな訳で、最後の部分を覆っている布っぱちに手を伸ばす。あ、そういえば靴下脱がせてなかった…。
ん?
待てよ…。靴下は…。
全裸。なのに、靴下は履いてる。
…やばい。それ、すごくいい。
「サイトさん?」
「シエスタ…」
「は、はい?」
「俺は天才かもしれない」
「どうしたんですか?」
シエスタが戸惑っているが、そんなことは気にしちゃいけない。
「そのまま、ルイズを支えてて」
「え、ええ…」
シエスタにルイズを膝枕させたまま、するするとパンツを降ろす。糸を引いているのが、ものすごくいやらしい。
「あ、靴下も」
「いいんだ」
「え?」
「このままが、いいんだ」
するっと全部脱がせてしまうと…
頬を紅潮させて、荒い息を吐きながらぐったりと寝そべる、ニーソックスだけ履いた美少女の完成…。
…。
…やばいよこれ。
鼻血がでそうだ…。
嘗め回すようにして神の造形を鑑賞していると、シエスタが呆れたように言う。
「サイトさんって…分かってましたけどやっぱり変態さんですね…」
ふ、何を今更っ。

248 名前:>>200勝手にその後:2006/12/14(木) 17:15:36 ID:Rvs0/42x

何だかすーすーする。
ふわふわしたと高いところから降りてくるような余韻に浸っていると、急に股間が心細くなったような気がして、目を開けてみると…。
「えっ?…きゃっ」
い、いつの間にか脱がされてるっ。
慌てて両手でそこを覆い隠すけど…それをじっと見ているサイトと目が合った。
やだ…すっごいえっちな顔してる…。
「もう、隠しちゃだめですよ、ミス・ヴァリエール」
え?と思う暇も無く、手を取り払われる。
「恥ずかしい、そう思うことをわざとやってみるほうがほんとは気持ちよかったりするんですよ?」
「そ、そんなこといわれても…」
「…シエスタも俺のこと言えない気が」
うー、じっくり観察されてる…。顔から火が出そう。
「サイトさん、その…」
「うん。…ルイズ、多分かなり痛いと思うけど…出来るだけ優しくするから」
あ、そうだった。さっきのはその、なるべく痛くないようにするためのもので…。やっぱりすごく痛いのかな。
…ううん、サイトなら痛くてもいいの。
サイトが覆いかぶさってくる。さっきズボンを脱ぐときにチラッと見えたけど、思ってたよりずっと大きかった。あれが…
「あっ」
当たってる。すごく熱いのが、当たってる。
「ルイズ、力を抜いて」
いよいよ、なんだ。
「…うん」
「行くよ」

ゆっくり腰を進めると、途中で少しばかり抵抗を感じた後…ぬるっと根本まで入った。
「くぅっ」
キツい…。先端から根本まで、全体を余すところ無く力いっぱい締め付けてくる。
この肉の感触はしばらくご無沙汰だったから、尚更気持ちいい。苦しいくらいに。
「んぅぅ…」
もしこれが初めてだったら自制が効かなくなりそうな程の快感が頭を貫くけれど、ルイズの苦しげな声とともに僅かに残る理性がそれを押しとどめる。
「だ、大丈夫…動いて、サイト」
健気な言葉にいじらしさを感じながら、そしてそんな可愛いご主人様をこの手に抱きしめられる幸福を噛み締めながら、ゆっくり動く。
こつっと先端が当たる感触と、それと同時にルイズの体が跳ねるような感触と。
それを何度か繰り返して…うねうねと蠢く中をしばらく味わった後、溜まったものを爆発させた。

サイトさんがぶるっと体を震わせて、ミス・ヴァリエールをギュッと抱きしめた。
眉を寄せて苦しそうな表情だけど、今はそうじゃないってことが分かる。…私の時もこんな顔をしてくれていたのかな。
「お、終わったの?」
ミス・ヴァリエールがお腹に手をやって、何かを確かめるように撫でている。私もあの時の、じわって広がってくるような感触は好きだなぁ…。
「うん…、痛かった?」
「だ、大丈夫よこのくらい…。それより、サイトはその…気持ちよかった?」
「えっ」
「わたし、シエスタみたいに胸ないし、体も小さいから気持ちよくなかったらどうしようかなって…」
「そ、そんなこと無いよ。…最高だった」
妬けちゃうなぁ…。でも、サイトさんがミス・ヴァリエールに惹かれたのも分かるような気がした。
「その、すっごいキツくて、柔らかくて」
「ばっ馬鹿、説明しなくていいのっ」
…なんだかちょーっと悔しくなってきたわ。
「サイトさん…私とどっちが良かったですか?」
「え?ちょ、シエスタ?」
サイトさんの頭を抱えて胸に押し付ける。膝の上のミス・ヴァリエールが慌てる。
「ちょっと二人とも苦し…んぅ、サイトぉ?なんか大きくなってきてるんだけど…」
「あ、ごめん…」

249 名前:>>200勝手にその後:2006/12/14(木) 17:16:42 ID:Rvs0/42x

「…はー」
「大丈夫ですか?ミス・ヴァリエール」
「うん…。まだちょっと痛いけど、我慢できないほどじゃないから…。何かが残ってるような感じはまだするけど」
あの後、ミス・ヴァリエールの体を二人で拭いてあげて、…流れ出てくるものを見たサイトさんが元気になってきたから今度は私とその…で。
それを興味津々に見ていたミス・ヴァリエールにもう一度二人で逆襲して、今に至る。
何だか、思ったより激しかったけど…サイトさんも、ミス・ヴァリエールも幸せそうだからいいかな、なんて。
私もだけど。
「ふふ、サイトさんっ」
そう言ってしな垂れかかる。ミス・ヴァリエールがちょっと不満そうな顔をするけれど、同じように反対側からしな垂れかかって…サイトさんも今更慌てること無いのに。
「これからもよろしくお願いしますね…」
そっとキスをした。


「さて諸君。これより、サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガの弾劾を始めたいと思う」
「ちょっとまてぇぇぇ」
朝錬に顔を出したら、いきなり取り囲まれて、気づいたら縛られてるんですけどぉぉっ。
「やかましいっ。君というやつはメイドに手を出しただけじゃ飽き足らず、使い魔という身分で在りながらそれを利用して主人を誑かした挙句、さらには年端も行かない女の子にまで手を出した嫌疑が掛けられている。おとなしくしたまえ」
「ちょ、年端も行かないとか言うけどタバサは同じ学年だろっ」
「見た目の問題なのだよサイト君。さて、君の処遇だが…」
「たいちょー」
「なんだね、マリコルヌ君」
「どのような処分を下すにしろ、まずは事実を知る必要が在ると思われます」
「それで?」
「メイドに手を出した件については先日皆が聞いたとおりですが、主人を誑かした件については報告が上がっておりません。ここは、本人に反論の機会を与えることも踏まえまず話を聞くべきだと思います」
「おお…僕としたことがすっかり忘れていたよ。さてサイト君」
「なんだよ」
「昨晩はどうだった?」
「は?」
「いやなに、君と君の主人との間で何があったのかを、隊長たるものきちんと把握しておかなくてはと思ってね」
こ、こいつ…。
ってか、ずるいぞギーシュ、皆に聞こえるように話せよーってお前らなぁ…。
う、この気配は…。
「水臭いなぁ。別に話したっていいじゃないか、減るもんじゃ…げ、ルイズ!?」
「あんたたち…覚悟は出来てるんでしょうね…?」
ちょ、逃げるにしても縄解いてから…おーい。
「ねぇ犬?」
…ああ、今日の訓練もお休みらしいです(泣

終わり。

250 名前: ◆mitty.ccnw :2006/12/14(木) 17:19:03 ID:Rvs0/42x
サイトとシエスタに責められているのは最初のほうだけになってしまった…。反省。
それにしても、いっつも描写が冗長過ぎる気がするので少し心がけたつもりなんですが、あんまり変わってないなぁ…。
気づいたら最後のほうで詰め込もうとしておかしくなってる気がするし。うーむ。

というわけで261さん、我儘を聞いていただきありがとうございました。
ではでは。

251 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 18:40:50 ID:/c93AiE2
>>233
GJです、シエスタの黒さは怒りからだと信じてます
医者も診察が大変だw

>>238-239
よぉブラザー、それとも俺の分身か?

>>250
こちらもGJ
最後の弾劾が一番面白かった、気配で分かるサイトも流石伝説のへんt(ry

252 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 18:52:29 ID:dPhpbLIO
そういやメイドとその雇い主のラブロマンスってのは、実際には
あんまりおこり難いものなんだよな。
まぁ、それは19世紀末ロンドンがヴィクトリア朝の話なんだが。
ヴィクトリア朝は性風俗に厳しかった時代だから、そういう事を
致すのは恥ずべき行為だったとか。

どちらにせよ、中世ヨーロッパがモデルとなってるハルケギニアの
貴族も此方の世界の貴族同様、セックス以外に大した楽しみがないんだろう。

253 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 20:15:33 ID:CVgxCvmD
で、だ。
確かに「ラブロマンス」は起こりがたかった、性風俗にっていうより階級社会だったから、
その垣根は非常に高く固い物だったので。
19世紀末ロンドンは「メイド」いうても実際には下層階級の、教育無しのがメイドオブオールワークス
――雑役婦として中産階級以上に雇われていたので我々が憧れる「メイド」とはかけ離れる。
ラブロマンス自体はこの頃の方がまだしも起こりやすかった――まあ中産階級は同時にスノッブでもあるのでそう言うことになるのは少ないが、代わりに垣根も低いからね。

問題はヴィクトリア朝時代、この頃のメイドこそ我らがメイドさんの原典でもあるのだが、同時に非情に悲惨でもあったりした。
ラブロマンスはないけど、実質主の性欲のはけ口として使われるのは暗黙の了解だった。
この頃は妊娠そのものが危険でもあるので、妻が性行為を避けるきらいがあった――性風俗に厳しかった、と言うのもそれに拍車を掛ける。
で、もてあました性欲が何処に向くかと言えば当然メイドであるわけで。
当然ながら「性風俗に厳しい」「厳然たる階級社会」「一方的権力構造」が化学結合してしまえば、
仮にこの性行為の結果が胎に宿ったとしても、『無かったこと』にされてしまうわけで。

妊娠したメイドは、破倫の徒としてまともな退職金も与えられず社会的にも最低の立場となって身一つで放り出されます。
当然ながら稼ぐ手段など言うまでもなく、また産褥による死亡率も大変に高く。
仮に生まれたとしても、その子は娼婦の子として下層階級でもがくこととなります。

私らが萌え対象と見るメイドさんは、実を言えばこの原典に多分に「女中」――それも後代の物ではなく、
大奥の誇り高き女官としてのそれ――が融合している物かと。

254 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 21:34:22 ID:50xlKFvI
シエスタが乳牛になる夢を見た、まで読んだ

255 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 21:52:49 ID:dPhpbLIO
そういやシエスタってスペイン語で昼寝っていう意味だったな。

256 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 22:56:25 ID:u+A7578A
昼寝するシエスタにルイズが無駄に気を遣うほのぼのSS希望

257 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 23:30:30 ID:r8D4fR+A
が融合している物かと。made読んだ

勉強になった

258 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 05:46:04 ID:2+J6pHEn
とにかくシエスタは可愛い。
 
まで読んだ。

259 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 06:21:35 ID:bMwurONT
ファンタジー=中世、近代じゃないよ。ファンタジーはファンタジーさ。

260 名前:191の者:2006/12/15(金) 06:47:40 ID:LbTLt3Fr
一区切り書けたので4レスばかり投下します。
191に書いたのはあんな形に持っていけたらの中間目標なのでかなりずれますが

261 名前:イザベラ慣らし1/4:2006/12/15(金) 06:48:41 ID:LbTLt3Fr
大国ガリアが王都リュティス、その東端ヴェルサルティル内プチ・トロワ
薄桃色の宮殿に今日もヒステリックな声が響き渡る

「あぁ、もう!どいつもこいつも使えないやつばっかりじゃないか!
 少しは気の利いた趣向で主人の退屈を紛らわせてみたらどうなんだい!!」

主人イザベラの怒声に呼びつけられた侍女達は身をすくめた、がそれで主の怒りが収まるでもない。
しかも最近のイザベラは機嫌が悪くなると自分の中でそれを拡大再生産するかのように暴れる。

グルノープルから戻ってきた直後は一言も口をきかずに寝室に直行し、一週間は傍付きの者達にすら
メモで指示、食事こそ部屋に運ばせるが使用人が退出するまで寝所の幕を閉じてしまうなど
使用人たちは何事かと思いつつも突然訪れた平穏を始祖に感謝していた。
その平穏が嵐の前の静けさだったことを思い知るのは侍女部屋の呼び鈴が鳴ってからそう時間はかからなかったのだが。
ある者は魔法でマリオネットのように踊らされ、ある者は自分の血を吸わせたスキルニルとの勝負を強いられた。その全てをイザベラは他人事のようにつまらなげに見下ろすのである。
幾人かは耐えられずに郷里に去ったがそれすら適わぬ者たちはひたすら耐える、そんな日常がまた突然変わることがあるとも思えずに。

世はアルビオン神聖帝国のトリステイン侵攻にはじまりトリステイン・ゲルマニア連合軍による反攻、都市サウスゴータ占領からの膠着、降誕祭から時を経ずして終戦を迎えていた。
他ならぬイザベラの父ジョゼフの放った一つの詔勅が全てを決めたのである。

イザベラは父を一層誇らしく思うも、むしろ思うがゆえに父の役に立ちたい想いが先行してしまう。
北花壇騎士団長に甘んじねばならぬ自分の才、自分がアゴで使いまわしてはいるものの内心認めざるを得ない7号≠フ才、父ジョゼフが叔父オルレアン公に感じていた恐怖は娘イザベラにも伝承されてしまっていた。
 その北花壇7位の座≠ェ叔母の移送幽閉とともに空席となることを知らされたときは
「ようやく父上も私の能力とあの人形のダメさを判ってくださったのね」
と喜んだ半面玩具を取り上げられた子供のようにふてくされた。
「どうせお払い箱にするなら私の好きにさせてくれたら良かったのに。ふわぁぁぁ」

そんな愚痴をこぼしつつ手も当てずにあくびをした所に一つの声と一つの影が近寄っていた。
「暇を持て余してるって感じだな姫様、といっても俺にゃとても王女様にゃ見えねぇ仕草だけどな」

262 名前:イザベラ慣らし2/4:2006/12/15(金) 06:52:28 ID:LbTLt3Fr
「誰よ、わたしが呼びもしないのにここに踏み込むようなんて。衛士連中もガーゴイルも一体何をしてるんだい!」

思いがけない侵入者へ向けられたイザベラの問いに返る言葉もよどみない

「衛士だか使用人だかは知らないが食事に一服もらせてもらったからな、運が良けりゃ明日の昼には目が覚めるだろうさ。
ガーゴイルは通り道に邪魔そうな分と目に付く分は片付けさせてもらったけどちょいと道具に頼りすぎなんじゃねぇ?
人間用に持ってきた薬に余裕ができたおかげでこっちは助かったけどよ、っと掃除する音が姫さんに聞こえないように
気ぃつかったんだから姫さんも静かに頼むわ」

侵入者の口上を聞き流しつつ呼び紐を引こうとするイザベラの手には
途中から切り取られ用をなさなくなった紐があるだけだった。

「っ!」
ならばと杖を向けようとするが先程まで声がしていた方向に向けられた杖先は何もとらえてはいなかった。そして喉元に受ける金属の感触。
「多少余裕が出たとはいえ、手間はかけたくないんだ。俺の手元はともかくあんたが暴れて刃を引いちまうなんて寝覚めが悪いしな」
「だったらアンタが出てけばいい話じゃないか、わたしが誰か判らないなんていうほど馬鹿じゃないんならね」
『いいから黙って従いな、娘っ子。というよりホントにやるのかね、相棒?』
「あぁ、ここまで来たんだからな」

 首筋に刃を添えられつつも付いた悪態に応じたのは先程まで言葉を交わしていた者とは全く違う声音であった。
しかも賊は背後から自分をからめとっているはずなのに声は前、というか自分の喉元から聞こえた。
そして喉元と背後で会話が行われている……一瞬『地下水』を思い浮かべるも、あいつは
あの忌まわしい事件の記憶とともに処分したはずだと思い直す。
 では今ここにあるのは別のインテリジェンスアイテムとその使い手ということになる…
さすがに情勢の不利は認めざるを得ないようだ。
「判ったよ。で、わたしにどうして欲しいんだい?」

「まずは杖を向うに放ってもらおう」
その言葉とともに、部屋の隅を指す賊の指が視界に入る。賊が満足する程度に放り投げる。
「次はその椅子に座ってこのロープで両足首と膝下を椅子の脚に結んでもらう」
目の前にロープが投げ出されたかと思うと、首筋を少し冷えた手でつかまれるのと入れ替わりに
刃の感覚が背中のほうへと移動し動くことを暗に要求される。渋々従うと言葉はさらに続く。
 首をつかむ感触が去ったかと思うと初めて賊は正面からイザベラの視界に入り視線を受け止めた。
歳は自分とそう違わないであろうし黒い髪にしても少ないにせよ特段にいわくがあるようにも見えない少年。
ただ、貴族にも平民にも見慣れない衣服と目元辺りを隠す銀白色の仮面、そこから覗く黒い眼だけが特徴
といえなくもないくらいで身元をはかるには余りにイザベラの範疇を外れていた。

彼は手近の水差しからグラスに注ぎ、裾から一つの薬包を取り出し問い掛ける。
「自分で飲んでくれるか?」
「ここまで言う事聞いてやったんだからあとはアンタがやりな」
『まぁそうなるわな、となるとあれかい?相棒』
「あぁ、最初の手筈どおりだ」やはり手にした剣と会話している・・・と見ているうちに
賊は剣を背負い直し裾に手を入れた…と思った直後に左の二の腕に針のような刺激を感じる。

263 名前:イザベラ慣らし3/4:2006/12/15(金) 06:54:34 ID:LbTLt3Fr
―吹き矢
と思い咄嗟に払おうとする右の二の腕にも刺激が走る。
その二撃で両腕の感覚が遠くなりだらりとぶら下げる格好になってしまう。
椅子に下半身を固定させられた上に両腕は麻痺、しかし意識だけは生かされている
……というのは状況が認識できるだけになおいっそうの屈辱である。

「アンタ、王女のわたしにここまでして楽に死ねると思うんじゃないよ!」
初めは大胆な物盗り程度と思い捕えたあとはさっさと処刑する、
その位で良いと思っていたが図に乗ったかのように王女を自縛させる。
こうまでされては磔にして四肢を魔法で撃ち抜き悶死させてやる
くらいはしなければ腹の虫が収まらない程にまで昂ぶっていた。
そんなイザベラの激情に水を差すような答え。
「誰が王女だと?そんな高貴な人間がこの場のどこにいる」
「お前の目は節穴かい?此処にいる人間で女≠ヘ私だけ、なら誰が王女かも当然だろ!」
「へぇ、女ってだけで王女様になれるのか、気楽でいいなガリアって国は」
「私を弄ぶに飽き足りず王家まで侮辱すると…
 (パァン)
再度の返答を遮り部屋に頬を張る音が響く
「何するのさ!」
「うるさいんだよ、ぎゃんぎゃん喚きやがって。人の話は最後まで聞くよう親に習わなかったのか?」

理解しがたい非難にせめて抵抗の意思表示としてそっぽを向こうとするも顎をつかまれ振り向かされる。
顎をつかんだまま、のぞきこんでくる視線に対し憎悪を込めて睨みかえすが相手はさして気にもせずに語りを続け始めた。
「噂には聞いていたがホント、慎みとか愛嬌の欠片も感じられねぇ。
 これなら父王が見限ったというのも納得がいくってもんだな、お飾りの人形王女様」
「誰がお飾りで人形よ!私はお父様に信頼されてる!あの人形娘なんかよりずっと大事にされてる!
 でなきゃ騎士団長を任されるはずがない!」

今度は平手は飛んでこなかった、しかし酷薄な言葉が畳み掛けられる。
「そうやって自分をごまかしてるだけだろう?
 他人に明かせない影を任されてるのが信頼だと思ってるのか?
 表だって名乗ることもできず、賞賛を浴びることもない地位が大事か?
 館をもらって豪華に着飾って使用人を従えたところでお前である必要なんか無い。
 命令を伝達するだけなら、鳩の使い魔でもこなすさ。
 お前はその程度の価値しか認められてない、それを自分でも感じているのに認めたくないだけだ。
 だからといって従姉妹ほどの才能も人望もないお前は腹いせに周囲に当り散らすのが精々、
 それすらも、いつ家来や召使に寝首をかかれるかという恐怖しかもたらさない。
 そしてまた周囲に晴れることの無い鬱積をぶつける堂々巡りの日々だ。
 俺には王女と言うよりも虜囚の責め苦を受けてるようにしか見えねぇ」

始めのうちは睨み付けていたものの、次第にその表情からは激昂と苦悶の感情が入れ替わりはじめ
何も聞くまい、何も見るまいとするかのように顔を背けてしまっていた。
認めたくなかった事を次々と指摘してくる賊に対する怒りよりも自分の陥っている悪循環の認識が
はっきりし始めていることになんともいえぬ悲しさ、寂しさがこみ上げてくる。

264 名前:イザベラ慣らし4/4:2006/12/15(金) 06:55:25 ID:LbTLt3Fr
「や、止めなさい!……止めて、もう止めてよ…」

幾分にかすれた声しかでない、少し涙目になっているのか視界もにじんできていた。
でも今自分にできる精一杯の要求だった。が、男は続けた。
「そりゃぁ親子の間ってのはのこのこ他人が入っていいもんじゃないだろう。
 でもな、お前の噂聞いたり言動見ると口惜しくてしょうがないんだよ。
 なんていうか愛情の量も足りなきゃ受け取り方も判らない迷い子みたいでさ」

 うつむいたまま肩を幾分震わせ続けるイザベラに近づく影と気配
その気配はさらに近づきイザベラの良く梳かれた蒼髪に手櫛をかけてきた。
「…?」
「これだけの髪を保てる生活をさせてもらって、」
今度は耳から顎へと指が流れていく、その感触にいくぶんくすぐったさを覚えつつ何事かと
できる限りに身を縮みこませようとするが顎へと達した手に再び面を上げさせられる。
「…っ……何?」
「これほどすべらかな肌を持ちながら、」
言うと同時進行に薄手の手袋をつけた一方の腕で額からまなじり、頬へとなぞり、問う。
「何が足りない?
 何故、この切れ長の眼差しを悪意に満たす?
 何故この眉間を怒りに歪め、何故この唇から罵りが生まれる?
 笑えば華と映えように、無下に押し殺す?」
仮面から覗きこむ眼には悪意も蔑みも無くただ、イザベラを凝視してくる。

「そっ…そんなの判らない、判るわけない!」
軽く混乱しつつも答え始めていた。
「みんな、私を無能者の娘≠ニか簒奪者の娘≠ンたいな眼でしか見てこない!
 お父様に魔法の才が少し足りないから、私があの娘より魔法が劣るから……なんて事で
 お爺様の跡を継承するときに騒ぎ立てて…!
 私は、あんな人形遊びやおどけて自分を紛らわせるしかなくなる以前のお父様で良かった。
 良かったのに……あの娘もその父親も何も助けてなんかくれなかった。
 だから私は、わたしは…!」

「困っていた時に助けてもらえなかったから悪意に身を任せた、と?
 なら、もし今度助けられた時にはお前はどうする?命を捧げてでも報えるか?」

妙なことを言い出す、などという思考は無かったが答を選ぶに迷いも無かった。
「命まるごとなんて御免だね。でも……もしそれが本当なら心≠捧げてもいい」

265 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 15:42:05 ID:cajJ9KMm
>>264
みんなスルーしてる分けじゃないんだ。
GJってやつなんだ。
なんで反応が薄いかというと、







待ってたら続きがくるんじゃないかと・・・・
頼む。面白かったから続けて!!

266 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 16:31:51 ID:1qaTK0rc
俺も名前読んでなくて続き待ってた

267 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 17:14:07 ID:AzSpD+t1
>>264
GJ!とりあえず続きを期待してます。あと投稿後にがきとかあるとみんなもレスしやすいと思うよ

268 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 17:49:30 ID:ngepzauG
これはいいイザベラですね。
どうかMベラ展開にしてください

269 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 18:03:25 ID:sWhfkWWI
最近作者さんが増えてきたので一見さんのために作者ごとの作風を書いてみよう。
できれば作品ごとに解説とか内容紹介もつけたいところだがそれはさすがに無理だ!
とりあえず

せんたいさん=ロリ

は確定な。本人にも文句は言わせねえぜ!

270 名前:コリコリ ◆TOaN/1ZFoQ :2006/12/15(金) 18:44:01 ID:kkdwAPxQ
イザベラが弱者になるとは。。。
とにかくGJですぜ!!
続き期待してます。

271 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 22:00:33 ID:YvnHe0JN
>>270
どうでもいいが前より悪化してるぞ。
NG行きな。

272 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 22:14:57 ID:SdjbC31M
>>269
本人は否定してるし、真上のはまったくロリでは……

それはさておき、荒れそうだから止めません?
書きたい物書いてもらうほうが良いですし、変にラベル付けして読めるバリエーション減る方がヤダ。

273 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 22:22:49 ID:x5HImOD8
質問 
(サイト+ルイズ)×冬休み
といえば?

274 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 22:24:07 ID:/6coU578
サイト×冬休み+ルイズ×冬休み

275 名前:220 1/2:2006/12/15(金) 22:29:24 ID:+Cit14MA
最初の頃が嘘みたい…初めての時はドキドキして、これからサイトとしちゃうんだ…って思って…何故か泣きそうになって、そんな私を抱きしめてくれてて。

今は…
「はぁっ…はぁ」
「ルイズ…くっ!」
「きて…サイト…きてぇ…」
はっきり…言えるようになっちゃった…
サイトだけに見せて、サイトだから聞かせてる。頭の中が真っ白になるまでサイトは私を愛してくれる。
…こんな時くらい素直になったっていいじゃない。アンタもわかってるでしょ?私はそういう風にしかできないんだから…
「サ…サイト…」
「な…んだ?」
「キ…キスぅ…」
だから、私はこの時は目一杯、サイトに甘える。サイトにしてもらいたい事を叶えてもらう。
当然よね。私もそれだけサイトに色々あげてるんだから。
…全部…あげてるんだから…
「ま、また…サイト」
「ゴメン…キスしたら…たまらなくなって…」
「…い、いいけど…ひゃんっ!」
本当は少しくらい休ませて欲しい。
欲しがってきたサイトの顔を見ると…ね。
私の体を「一応」気遣ってたような目。珍しくサイトが遠慮がちな目をしたとき、私は受け入れてあげる事にしている。

276 名前:220 2/2:2006/12/15(金) 22:30:27 ID:+Cit14MA
私は女の子なんだから、受け入れる事しか出来ないもの。
サイトがして、私が受け止める。…納得いかない気もするけど。

「サイト…サイト、…もっと近くに…」
「ああ…」
抱き寄せて、胸を貸してくれる。大抵、私はサイトにしがみつきながらイってしまう。
爪を立てて、首筋にキスして、沢山抱きしめてもらう。
そうするとサイトの動きが激しくなって、私は何も考えられなくなっちゃう。

「あっ…あんっ!」
「ルイズ…好きだ…お前が好きだ…」
「わかってる…わかってるわよ…」
「柔らかいんだ…優しいんだ…凄く可愛いんだ…」
「サイト…」
「守りたいんだ…」
「私もサイトが良い…だから好きなだけ…して…」
切羽詰まったような荒い息。サイトだけじゃない。私もだ。完全にサイトに体を預けて、サイトにされ放題。
でも今はいい。サイトはちゃんと言ってくれた。「好きだ」って。
ちっちゃな胸をいっぱい押しつけて、私の肌に触ってもらって、数え切れないくらいのキスをして、やっと私はサイトで一杯になれる気がする。
…欲張りだけど…サイトがいいから…

「はぁ…ん」
「ルイズ…疲れたか?」
「いいのよ…アンタは満足…?」
「…うん」
「…私も」
「…」
「…」
「でも」
「え?」
「満足とかじゃなくて…ルイズだから…」
「…ありがと」
今だけは…素直になれる。

「サ〜イ〜ト〜?」
「な、なんでしょうか?」
腰がガクガクで…立てない。原因は解ってる。
「昨日はがっつきすぎよね?」
「そ、それはお前も」
「今から私は講義があるんだけど?」
「…」
「貴族の私がそんな事を、使い魔と、寮でしてたからこうなってるって、先生に言うの?」
「ムリだと…」
「なら…」
とりあえず、一撃。一応サイトにも責任はあるもの。

普通の私。
いいじゃない。ちゃんと「本当」の私を見せてるんだから。
どっちも私よ?サイトだけの…ね?



純愛では無く甘いものが書きたいと気づいた…orz

277 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 22:48:47 ID:MUwnhmQY
ぜんぜんGJ!
甘いものも書いちゃえw

278 名前:191の者:2006/12/15(金) 23:08:57 ID:otraDsRx
わぁ〜30分で書いたパイロット版とは評価数が段違い・・・。
でもあの投下分に2週間はかかったので続きは10巻に間に合うか怪しいトコロ(汗
267さんの投稿後にがき、ってのは投下分終了の一言コメントって解釈でいいんでしょうか?
(保管庫の9-191表記で、きゅいきゅい!って聞こえつつもイ<Uベラ食い≠フ191で
しばらく頑張らせてもらいますのでよしなに)

279 名前: ◆manko/yek. :2006/12/16(土) 00:26:19 ID:ILsZHhki

久しぶりです◆manko/yek.です
保管庫の中の人、更新お疲れ様です。
保管庫の作者別ページから私の作品をみると『最強の敵』が抜けています。
(非エロからは見られる)
見られるようにしてもらえないでしょうか?
お仕事と今書いてる物語が忙しくて直している暇がありません。
よろしくお願いします。



イザベラの人も甘々ルイズの人もGJです。
楽しく読まさせてもらいました。
自分のペースで続けて下さい。



280 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 00:50:06 ID:DR7K5sgB
読み返していて思い浮かんだので
SSを投下してみたいと思います。

お目汚しスマソ

281 名前:サイト争奪杯:2006/12/16(土) 00:52:40 ID:DR7K5sgB

「さ、さて、あ、あ、あ、明日からと、とと、冬期休暇なんだけど」
ルイズは肩を震わせて才人に言った・・・ 踏みつけた状態で。
「そうでございますね」
才人は地面に転がりぼろ雑巾よりひどい格好で相槌をうった。
「も、も、もう一度言ってごらんなさい?い、犬?」
「わん」
たしか半年前にも同じ様なやり取りがあった気がする、と才人は既視感を覚えていた。

「つ、ついてこないってど、どういうことかしら?べ、弁解の機会をあげるわ」
だから順番が逆だろうと思いながらも、才人は弁解を始めた。
「あのですね、アニエスさんがですね・・・」
と言って才人は一枚の手紙を取り出した。

アニエス?あの女、いったい才人になんの用かしら?
ルイズは怒りを抑えながら才人から手紙をひったくるとシエスタも覗き込んできた。
「   サイトへ
学校もそろそろ休みだろう?久しぶりに剣の修行をしてやろう。
 すぐに城まで一人で来い。
来ない場合は・・・・ 
PS 姫様も楽しみにしてらっしゃるからな、わかっているな?
                             アニエス   」


282 名前:サイト争奪杯:2006/12/16(土) 00:54:42 ID:DR7K5sgB
あ、あ、あ、あのあばずれ女どもぉぉぉ!!
ルイズはその桃色の髪をふりみだして怒った。
すでに、アンリエッタまであばずれ呼ばわりである、親友じゃなかったのか。

こ、この休みはサイトと二人で家に帰って、そんでそんで、父さまに会ってサイトが
「お父さん!」
「貴様にお父さんと呼ばれる筋合いは無い!!」
「お願いです、ルイズを僕に下さい! ルイズがいないとダメなんです!」
なーんて、もうサイトったら。うふふふふ
それでねそれでね?新しい年を二人で迎えて
「愛してるよ、ルイズ。あんなメイドなんてもうどうでもいいさ。
 僕には君だけだよ。」
そこまで言うんだったら少しぐらい許してあげちゃったりなんかしちゃったり・・
・・・のはずだったのにぃぃぃぃぃぃ!!!

なんかもう、矛盾だらけである。大体シエスタがくっついてくるだろうとか
第一人称僕ってなんだとかは触れないでおこう。
とにかく、怒りながら妄想するという離れ業をやってのけたルイズであった。
と、立てかけてあったデルフが口を開いた


283 名前:サイト争奪杯:2006/12/16(土) 00:56:14 ID:DR7K5sgB
「モテる男はつらいだーね、相棒」
デルフが左右にカタカタゆれながら言った。
やめてデルフ、火に油をそそがないで、意識が朦朧としながら才人は思った。
と、その時踏みつけている感触が一つ増えた。

なんだ、と思って上を見上げると、シエスタがこの世の物とは思えない
冷ややかな笑顔で足を乗せていた。
「 いいですねぇ、モテモテですねぇ、サイトさん。いいなぁ、うらやましいなぁ」
笑みを崩さずに足をえぐるようにねじこんでくる。
怖いです、シエスタさん。と考えながら、才人は気絶したフリをすることにした。
というか、二人の迫力に上を向いていられなくなったのである。
「寝た振りするな、犬」
「わん」
即バレだった。
「こ、こ、こここ、こうなったらしかたないわね、ねぇシエスタ?」
「えぇ、ミス・ヴァリエール」
なにする気だろうと才人が黙っていると・・・
「「白黒はっきりさせましょう」」
セリフと同時に才人を思いっきり踏み抜いた。
そして本当に才人は意識の闇に堕ちていった・・・
                                        〈 続く? 〉

284 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 01:01:15 ID:DR7K5sgB
とりあえずここまでです。

初めて書かせてもらいましたがいかがでしょうか?
まだ始まってすらいないのですが、こんなのでよかったら続きもかきたいと
思います。

それでは、また

285 名前: ◆mitty.ccnw :2006/12/16(土) 01:10:19 ID:7C2mWylK
>>276
砂が吐けそうなくらい甘いのが好きなのでどんどんやっちゃってください。
>>278
確かに「続く」とか在ったほうが良いかもですね。投下中かな?と思うとレスしにくいかと思うので…。
イザベラがどんな風に変わ…いや変えられていくのが期待して待ってます。
>>284
選ぶ権利が才人に無いのが確定しているあたりが哀愁を誘う…w
GJです。ぜひ続けてやってくださいませ。

ところで、シチュエーションだけのSSってこのスレだとあんまり需要無いのかな…?
とりあえずルイズ×サイトなだけであまり中身が無いようなのばっかり書いているもので…。
ギャグ性とかもっと入れられると良いのかしら。
と、前振りが長くなりましたが、続けて投下。

286 名前:惚れ薬編if:2006/12/16(土) 01:12:20 ID:7C2mWylK
目が覚める。部屋の中はまだ薄暗い。
今は何時だろう、それを確認してから二度寝するか、と手を伸ばしかけて、
ああここは自分の部屋じゃないんだったと、声に出さず才人は独りごちた。
何だか寝汗がひどいなぁ。とりあえず着替えようと起き上がりかけて、右腕の感覚が無いことに気づいく。
首をめぐらして見やるとルイズが右腕を抱かかえる様にして、二の腕に頭を乗せて寝息を立てている、そこまで認識したところで才人は昨夜のことを思い出した。
そして、下腹部の違和感にも。
「…げっ。はあぁ、何でこうなりますかねぇ…」

「はぁ!?何でもう一週間もかかるんだよ!今日でもう必要な薬は全部揃ったんじゃなかったのか?」
水の精霊から涙を貰い受けた後、一行はモンモランシーの部屋に帰ってきていた。
「必要な秘薬は全部揃ったけれど、ただ混ぜれば良いってわけじゃないのよ。熟成させないと…」
「なんだよそれ…」
才人はガックリと肩を落とした。あー、あと一週間もこの状態なのね、とルイズを見やる。
「熟成?」
熟成なんて工程あったっけ?という顔でギーシュは問い掛けたが、モンモランシーは黙っている。
そんな彼女の様子に、まぁ秘薬の調合なんて僕は手伝ったことくらいしか無いし色々あるのかな、と勝手に納得してそれ以上深く考えないのがギーシュのギーシュたる所以でもあるが。
さて、件のルイズはというと…。手持ち無沙汰な様子で手をもじもじさせていたが、才人の視線に気づくと顔を上げ、なぁに?といった風に首をかしげる。
たったたたしかに今のルイズは殺人的な程可愛いけどっ!でもその…
「ねぇ、やっぱり解除薬飲ませる必要ないんじゃないの?」
真っ赤になって顔をそらした才人を見ながら、キュルケが心底楽しそうに言った。
見ていて面白いし。
「そういうわけにもいかないだろ…」
今のルイズは俺のことすき好きだぁいすきと言ってくれて、ああルイズが本当にそうなのならどんなにっ…!!なんては思うけれどでもそれは本当のルイズじゃないし…。
ルイズはというと頬を膨らませてキュルケを睨んでいる。更にはあっかんべーだなんて、くそぅ薬のせいだとは分かっていてもこの可愛さは一体何?
「やっぱり満更でもないじゃない」
ぼうっとしている才人に鋭くつっこみが入る。
「だだだだだってルイズってば黙ってれば元から可愛いのに今はこんな…」
「こんな?」
半分煮えた頭で才人はついそんなことを口走ってしまうが、キュルケのにやにや顔にはっと我に返った。
うわっ、皆居るのに俺何言ってんのよっ。これなんて羞恥プレイ?ていうかルイズ自身も居るのに…。
「サイト?」
「な、なんだよ!」
「わたし可愛い?」
恥ずかしさからぶっきらぼうになる才人を、今度はルイズが追い詰める。
「わたし可愛い?」
そ、そんな潤んだ目で見つめられるとっ!犬めは辛抱たまりません!!
才人は助けを求めるように視線を逸らして皆の顔を見るが、誰も助けてくれるはずも無く。
キュルケに至ってはわくわく顔である。才人はため息をついた。
「ルイズは可愛いよ」
その言葉を聞いたルイズはにへーと顔を崩すとぎゅっとしがみついた。
「誰かルイズに何とか言ってくれよ…」
「新婚さん」
疲れたような才人の声に、タバサがぼそっと呟いた。
ななな何言ってんだよていうか居たのかよなどと才人はわめいたがタバサは意に介した風も無く、本をパタンと閉じると何を想像したのか赤い顔を更に染め上げて才人の胸にのの字を書き始めたルイズを指差して繰り返した。
「新婚さん」

287 名前:惚れ薬編if:2006/12/16(土) 01:13:25 ID:7C2mWylK

結局あの後、ギーシュも混じって散々からかわれたなぁなんて思い出していると、ルイズが身じろぎする。
あ、起きたかな?と慌てるが、吐息は規則正しいままなので才人はほっとした。さて、どうやって抜け出したものか。
右腕はがっちりホールドされているので、起こさずにベッドから離れるのは至難の技だ。
いや起こせば良いだけの話しなのかもしれないけれど、こうして幸せそうに寝ているところを起こすのは良心が痛むというかしかしルイズの寝顔ってほんと天使みたいに可愛いよな…。
などと見惚れる才人であったが、ルイズがまた身じろぎするとはっとして赤くなった顔を逸らした。
は、早く着替えないと。
しかしルイズは身じろぎこそすれ、右腕を離してくれそうな気配は微塵も無い。
しかも身じろぎしたせいで血が巡るようになったのか、さっきまで全く感覚が無かった腕にだんだん痺れる様な感じが戻ってきてちょっと冷や汗モノですよってかタンマタンマ!
寝汗とは別に背中に嫌な汗を掻き始めた才人を尻目に、ルイズは幸せな夢でも見ているのかむふーとばかりにぎゅっと腕を抱き寄せた。
ぎゃぁぁぁ!
「ていうか相棒、起こせばいいだけなんじゃね?」
起きてたのかよデルフっ。
「いや、俺には睡眠なんて必要ないぜ?」
「…何も言ってないんですけど」
顔に出てたらしい。まぁそれはともかく。
「うう、頼むからもぞもぞしないでくれっ」
「ある意味拷問だな。ま、相棒も毎晩の『拷問』にはそろそろ慣れそうなもんだが」
ぷるぷると笑っているらしい。あの様子からすると昨日の夜もずっと見てたんだろうなぁと、才人はげんなりした。
モンモランシーの部屋を後にする際に何気なくキュルケが発した、「新婚さんなら今夜は初夜ね」という科白を意識しまくった昨晩のルイズの攻撃…いや口撃はそれまでの比ではなかったのである。
薬を飲んだのはええと…まだ四日前なのか…?なので今更初夜もくそもない気がするのだが、そんなことは関係なかったらしい。
「でも顔にまでキスマークつけるのは勘弁してくれ…」
どんな噂を立てられるか分かったもんじゃない。
「しかし相棒、よく我慢できるねぇ」
何をだよ、いえナニをです。と自分でつっこみを入れる。
というか我慢した結果が今この不快感の原因な訳で。まぁぶっちゃけると寝ている間に出してしまったわけである。

288 名前: ◆mitty.ccnw :2006/12/16(土) 01:17:10 ID:7C2mWylK
とりあえずここまでです。下書き的にはもうちょっと出来てはいるんですが、キャラがうまく動いてくれない…orz
実はゼロ魔読んで最初に受信した妄想がこれだったりするんですが、いい加減ほかしておくのもどうかなと。
うーん、ネタ的にもう古いかなぁ…。

本業手抜きだとそろそろまずいので続きいつ投下できるか分かりませんが、なるべく早めに投下できることを願って。
ではでは。

289 名前:コリコリ ◆TOaN/1ZFoQ :2006/12/16(土) 01:26:13 ID:hcgVl7an
4巻かあ。。。懐かしいな、おい。
ともかくGJ!!>>288

290 名前:261のひと:2006/12/16(土) 02:47:28 ID:bmusOMZA
>>250 さんGJ〜 自分のより綺麗に纏まってるし。
良いものを読ませていただきました。
ありがとうです。幸せ。

>>276 220さん GJ〜 甘いの好き……多分信じてくれる人希少ですが。

>>278 191の者さん GJ!番号で名乗ると、スレ動くと紛らわしいかなと"のひと"入れてます
(専ブラで名前数字だけだと、そのレス番のひとみたいだし……)
自分の261は名詞なんだ〜と……難しいですよね。

>>279 ◆manko/yek.さん  GJ!で、
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
と、謝っている間に、誰か直しちゃってるし。
ありがとうです。直してくれた人。

>>288 ◆mitty.ccnwさん 昔のネタでも好きです。
制限考えない方が色々書けると思うので、良いのでは。

レス書きまくる、ちょっと……な人になりつつ、新しいの投下します。

291 名前:1/5:2006/12/16(土) 02:48:01 ID:bmusOMZA
サイトが居なくなってから、一週間が経った。
怪我を治した人が居なくなるのは、いつもの事だから……
すぐに慣れると思ってた。
「……寂しい……な……」
わたしの事を覚えている人が居るのは嬉しい。
いつかまた会えるかも、『またな』って言葉がこんなに嬉しいなんて思わなかった。
「会いたいよ……サイト……」
きっと……私の事なんか忘れちゃってるだろうけど。
ルイズさん……可愛かったし……
「あれ……?」
おかしいなぁ……
「悲しくなんか無いのにねぇ?」
ポタポタ落ちる涙が、サイトのベットを濡らしていた。
「あはは、なんで泣いてるのかな?わたし」
最近は、少しでも時間が有ればここに来てしまう。
少しでもここに居たくなる……でも。
「ここに居ると……胸が痛いよぉ……」
苦しいよ、悲しいよ……側に居てよ……
「サイト」
口に出すだけで、少しだけ胸が軽くなる。
「サイト……サイト……」
サイトの眠っていた布団に横になる。
まだ昼間なのに、頭から布団を被って……
「……サイトの匂いがする」
サイトが側に居るみたいだね。
それからまた少し泣いて、無き疲れた頃に夢の中でサイトに会いに行った。

292 名前:2/5:2006/12/16(土) 02:48:34 ID:bmusOMZA
「いつもありがとうございます」
深々とお辞儀する。
「気にしないで」
女の人の声。
誰なんだろう?
「いつも助かってます、あの子達も挨拶したがってるんですけれど……」
頭からすっぽりとフードを被って顔を見せてくれない。
何も追わずにお金だけ送ってくれるけど、たまに姿を見せてくれる。
『昔の知り合い』そうとしか、教えてくれない。
こんなにお金稼ぐのって、大変だと思う。
人前に出れないわたしの為に、お金を稼げない子供立ちの為に、
この人が無茶をしていたらどうしよう……
申し訳ない気分で一杯になる。
「いっ、いいわよ、気にしないでって」
「でも……色々物騒だって……泥棒とかも居るって……聞きました」
サイトは色々な話をしてくれた。
外の世界のお話。
この人も……外の世界で苦労して、そのお金をわたし達にくれているのかな?
「誰に?」
初めて聞くくらい、冷たい声。
「あ、あの……お友達が出来て……」
サイトの事を話したくなる。
素敵なお友達が出来ましたって、説明したくなった。
「どこ?」
どうしたんだろう……
「あの……帰りました……トリステインに……」
「ばかっ、貴方の事喋ったら……」
怒鳴られちゃった……でも……ね
「大丈夫です、サイトはそんな事しません……信じて……ます」
「サイト?」
「はい、珍しい名前ですよね?……あの……ね、サイトはね」
一生懸命サイトの説明をする。
心配しなくていいですよ、わたしも信じたから……貴方も信じて欲しいな。
そう思って、必死に説明する。
「悪い奴じゃ無さそうだけど……」
よかった……分かってくれたのかな?
「年頃の男の子が、泊まったのよね?」
「はい」
どうしたのかな?
「……舐められたり、挿れられたりしなかった?」
????
「えと……えと……あの?」
舐めるはともかく……何を?どこに?」
聞いてみよう。
「何を、どこに入れるんです?」
「あわわわわわ、な、何でも無いっ」
ばたばた逃げ出されちゃった……
「押し倒されたり、触られて無いなら良いからっ、忘れなさい」
あ、それは……
サイトの手を……下敷きにしちゃった身体の感触を思い出して、顔が赤くなった。
「なぁぁぁぁ、その顔っ、何か有ったのね?」
……あう、ばれた?
「えっと……あの……その……」
答えられないわたしに、短い質問が続けざまに突きつけられた。
「どこでっ」
「あ、あうっ、そこの森でっ」
(きゃぁぁぁぁ、青○……殺す、使い魔殺す)
えっと……なに?いきなり走って行って、遠くで何か叫んでる……
良く聞こえないけど。

293 名前:3/5:2006/12/16(土) 02:49:08 ID:bmusOMZA
「ぐ、具体的に!!」
「えと……も、もみもみ?」
(あああぁぁああああぁぁぁ、ゆっるさぁぁぁん、
この乳はわたしのだぁぁぁぁ)
だ、大丈夫かな?走ったり叫んだりで息荒いけど……
「ど、どんな感じだった?」
「あ……こ、怖かった?」
(わたしでさえ、最近は触ってないのにぃぃぃぃ)
サイトが誤解されるのは嫌だな……
「あの、あのねいきなりベットの上で……のときは怖かったけど、
その次の時は怖く無かったよ?本当だよ?」
(ぎゃぁぁぁぁぁぁ)
木の上で叫んで、そのまま降りてこなくなっちゃった……大丈夫かなぁ?
「しくしくしくしく」
あ、降りてきた。
「お帰りなさい」
「ただいまー、ティファニア……汚されちゃった?……」
えと……
「汚されるって何?」
じっと見つめていると……あ、ちょっとだけ見えてる顔が赤くなってる。
「あーそのー……い、挿れられて無いのよね?」
何の事だか分からないけど、とりあえず頷く。
「……ん、じゃいいけど……男の子には気をつけなさい」
サイトは……大丈夫だと思うけどなぁ。
「はい、分かりました」
わたしを心配していることは、とてもよく伝わったから。
そんな返事だけで、凄く嬉しそうにしてくれる。
あ……ちょっとした事に気付いちゃった。
行ったり来たりした所為で、いつもは距離をとっているこの人にいつもよりずっと近づいていた。
ジムがイタズラする気持ち分かっちゃうな……。
「いつもありがとう」
「ひゃっ」
いきなり抱きついてみる。
わーふかふか……人の胸って……いいな。
「いつも助かってます……無理はしないで下さいね?」
……あれ?
お返事ないね。
調子に乗りすぎたのかな?
「貴方も無理しちゃ駄目よ?」
頭を撫でてくれる……
こんな事は久しぶり……母や……
……母の所によく遊びに来たおねえさん以来。
凄く嬉しくなってゆっくり甘えちゃった。

294 名前:4/5:2006/12/16(土) 02:49:40 ID:bmusOMZA
「なー、テファねぇちゃん、最近サイトの部屋で寝てるよね?」
「えっ……あ……うん」
皆で夕飯を食べている最中に、いきなりジムがそんなことを言い出した。
どうしてかな?凄く恥ずかしいよぅ。
「じゃーテファねぇちゃんの部屋空いてるんだよな?」
「うん」
着替えとかは、あの部屋だけど……最近ずっとサイトの部屋に居るから……
「どうかしたの?」
どうしてそんなことを聞くのか気になって、聞いてみた。
「んじゃ、おれ、テファねぇちゃんの部屋に引っ越す」
皆が一斉に文句を言ってるけど……
「一人で平気?」
怖い事が有った子ばかりだから……一人で眠れるようになるのか心配だったけど。
ジムが一人立ちする気になってくれたのなら、凄く嬉しい。
ここに来た直後は皆泣いて暮らしていたし、一人で眠れる子なんて居なかった。
一人で夜を迎える気になったのなら……
「おう、へっちゃらだよ」
応援したいな……
「うん、じゃあ後でわたしの荷物動かすね」
「……おきっぱなしでも」
ジムが小さな声で何か言ったけど……
「なぁに?」
「な、なんでもねーよっ」
『ジムずりーなぁ』
『一人部屋かよー』
『……別の魂胆があると見たわね』
皆がわいわい騒ぎながら食事する。
お行儀はあんまり良くないけれど、わたしの小さい頃よりずっと楽しい食卓。
「さ、みんな、お喋りばっかりじゃなくて、ちゃんと食べましょうね?」
ジムの部屋の事を話題に、食事が終わって……
片付けの最中に気が付いた。
「……わたし……サイトの部屋で暮らすんだ……」
おかしいな……
心が弾む。
「あーテファねぇちゃん、鼻歌ー」
「あうっ」

295 名前:5/5:2006/12/16(土) 02:50:13 ID:bmusOMZA
「お、おじゃましまーす」
誰も居ない部屋なのに、つい挨拶して入っちゃった。
サイトの使っていたクローゼットに自分の服を入れる。
「あ……え……と……」
サイトの着てた服がある。
片付けた方がいいのかな……でも……
サイトの服を入れたまま、自分の服を掛ける。
「あっ、あはは、い、一緒に……暮らしてるみたい……」
恥ずかしくてつい、クローゼットをばんばん叩いてしまう。
ふと思いついて、部屋の真ん中でドアの方を見る。
息を整えて……
「お帰りなさい、サイト。今日もお疲れ様でした。ゆっくりして下さいね」
……言ってみた。
言っちゃった、きゃー。
『ただいまーテファ、今日もアニエスさんに絞られる絞られる……しんどかったー』
こうかな……えとえと、それでね……
「お食事にしますか?汗を流しますか?……それとも……」
それとも……なんだろう……おかしいな、顔が火照っちゃう。
『んー、そうだな、テファ』
うん、わたし……もし……サイトが居てくれるなら……
「なんでも……するよ……」
何やってるんだろう……わたし。
もう、サイト……居ないのに。
急に部屋が広くなる。
ううん、違うね。
虚しくなって、泣きたくなった。
がらんとした部屋が、とても寒々しいものに感じる。
サイトが居る時に、駄々をこねればよかったのかなぁ?
それとも……ルイズさんに会わせなかったら……
駄目だよね……サイトあんなに喜んでいたもの。
「テファ駄目な子」
軽く自分の頭を叩く。
わたしじゃ……あんなに喜んでもらえないもの。
胸の奥が切なくなる。
頭の奥が甘く痺れる。
「病気かなぁ……」
サイトのことを考えると、最近いつもこうだから……
切ない痛みごと、自分の胸を抱きしめる。
痛みと一緒に、サイトが腕の中に居る……
そんな……錯覚。
錯覚だって……分かると、胸がもっと痛くなるけど……
「こんな病気だったら……死んでもいいや……」
切ない痛みと一緒にベットに向かう。
「おやすみなさい、サイト」
ルイズさんと一緒に、今頃幸せに眠っているだろうサイトを思い浮かべる。
「おかしい……ね」
サイトが幸せならうれしいはずなのに……
「涙……とまらないや」

296 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 02:52:30 ID:bmusOMZA
この後、一人Hに目覚めるテファ……って構想でしたが、
これはこれでいっか、と取り合えず止まりました。

なんだか、最近取り留めないのですよ、誰か助けて……
これも短く短く考えようとしたのですが……

セリフ比率高いし。
頑張ろう、ではっ

297 名前:290:2006/12/16(土) 03:10:20 ID:bmusOMZA
一つ誤解をしていた。
>>284さん GJ 書いた人勘違いしてましたっ

298 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 03:45:28 ID:YieLX7cx
>>296
GJ!です。
本編でもテファの続き読みたいな

299 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 05:33:03 ID:MMGOCgtM
>296
長くなったっていい
思いのままに書くがいいさ

ところでテファのひとりエチシーンマダー?

300 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 06:23:02 ID:Dmct/Y7a
で、してたら本物が来てそのまま

301 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 07:19:41 ID:ILsZHhki
>>296
GJ!!
このあとジムをたらしこむんですね?
楽しみしてます。

保管庫なおくれた人、有り難うございます。


302 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 07:29:52 ID:ILsZHhki
× なおくれた人
○ なおしてくれた人


303 名前:284:2006/12/16(土) 18:04:39 ID:DR7K5sgB
>>280-283
続き投下します
しばしお付き合いくださいませ

304 名前:サイト争奪杯:2006/12/16(土) 18:05:31 ID:DR7K5sgB
才人が目覚めると、そこは馬車の中だった。気絶している間に乗せられたのだ。
「起きたかい、相棒」
横に立ててあったデルフが声をかけてきた。
「しかし、おめーさんも難儀だねえ。」
「うるせえ」
鞘に戻そうとして手を伸ばそうとしたが・・・
「ん? あれ? なんだこれ?」
「あぁ、さっき嬢ちゃん達が人質だっつってふんじばってたぜ」
「なんだって〜!!」
才人はみごとに簀巻きにされていたのである。

「目ぇ覚めたわね、犬」
向かいに座っていたルイズが声をかけてきた、 引きつった笑顔で。
「あの〜、これはいったいどういう・・・」
「実家行きは中止にしたわ。ちょっと先に邪魔な虫を退治しなきゃ」
「いや、その、あの」
「そうでしょ? い・ぬ?」
「わ、わん」
隣にいるシエスタもさっきから硬い笑顔を崩さない、二人とも相当きているようだった。


305 名前:サイト争奪杯:2006/12/16(土) 18:07:20 ID:DR7K5sgB
おそらく才人の寿命が半分以下になったであろう所でトリステインの城に到着した。
ルイズの権限でさっさと城のなかに入ると、大広間にアンリエッタとアニエスがいた。
「おぉ、やっと来たかサイト・・・ ってなんだお前らは」
「まあ、ルイズじゃないの!どうしたのですこんな所に」

どうしたのじゃないわよ白ばっくれて、とルイズはハラワタ煮えくりかえしながら
とりあえずは傅いてアンリエッタに今回の目的を告げた。
「実はですね、この犬のご主人様は誰なのかをはっきりさせようかと思いまして」
「だめですよルイズ、犬だなんて。シュヴァリエ・サイトはもうれっきとした
貴族なのですから。ねぇ?」
アンリエッタは、そう言って転がっていた才人に近づいて微笑んだ。

ちょっと待ちなさいよ、あんたついこの間まで私が犬呼ばわりしてても
気にしなかったじゃないの、なんなのこの泥棒猫。


・・・いや、泥棒猫は言いすぎだろう


306 名前:サイト争奪杯:2006/12/16(土) 18:08:47 ID:DR7K5sgB
必死で暴言を吐かないように気をつけながらも、やっぱり肩を震わせながら告げた。
「自分がサイトといっしょに居たいからといって、こういう方法は少し
汚いのでないですか?兵隊にこっそり手紙を持たせたりして」
「あら、サイトさんを城に呼び出そうって言い出したのはアニエスの方からですよ?」
言われて、ルイズがばっと部屋の隅をみると、そこには木刀を二本持ったアニエスが
邪魔をされたといわんばかりに、つまらなそうに頬を膨らませていた。

やべぇアニエスさんかわいい、それに姫さまアンモード入ってるうぅぅとサイトが鼻の下を伸ばしていたら
ルイズに踏みづけられ、おまけにシエスタまで冷ややかに笑っ・・・いや睨みつけられていた。

「それにサイトさんといっしょに居たいというのは、あなたもいっしょでしょうルイズ?」
「な、な、なななな、な、なな、なんのことでしょう。わ、わ、私にはさ、さっぱり」
さっきと打って変わって顔を真っ赤にしてうろたえるルイズ。しらばっくれているつもりだろうが無駄な努力である。


307 名前:サイト争奪杯:2006/12/16(土) 18:10:01 ID:DR7K5sgB
「いや、みんな五十歩百歩だぁね、サイトといちゃつきたいって思ってんのはよ
・・・ってすいませんごめんなさいやめてくださいとかさないでいやむしろつえを
こっちにむけないで、はい、だまってますすいません」
茶化そうとしてルイズに睨まれたデルフはさっさと黙り込んだ。
デルフもルイズが虚無を覚えてからは頭が上がりにくくなっている。

落ち着かせるように2,3度深呼吸をしたルイズは、アンリエッタを睨みつけて告げた
「わかりました、姫さまがそこまで仰るのなら致し方ありません」
そこまでいうとルイズはひとつため息をついて
「サイトを賭けて・・・・・・・・」


「・・・勝負です」


こうして、ある意味人権無視の四つ巴の争奪戦が始まった。
そして、またもやサイトは賞品扱いであるため枢機卿に引っ張られていった。
                         <たぶん続く>


308 名前:284:2006/12/16(土) 18:12:58 ID:DR7K5sgB
今回は以上です
ようやく入り口ですが、この後どうしよう、と

駄文スマソ。描写へただなぁ、俺・・・

309 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 18:20:56 ID:Nm6n4qd0
GJ!!
イヤイヤそんな事ありませんよ続きを期待して待ってます!

310 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 18:42:06 ID:pNlpCMHT
これは展開に期待できそうですね。
wktkしてまっていますからがんばってw

311 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 22:09:00 ID:9j2Sx5di
GJです!!
にしても・・・sageでいきませんか?・・・

312 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 01:44:35 ID:+R+3XcTU
アニエスルートに一票。

313 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 02:08:30 ID:YaTmkhNz
んじゃタバサルートに…ごめん、何でもないです

314 名前:261のひと:2006/12/17(日) 02:58:14 ID:vrfT4ITl
>>291-295 の続きです。
前半のみの方が、エロ抜きでよい感じかも(終わり方は唐突ですが)

てわけで、エロのみな後半行きます。

>>299さん、遅くなってすいません
>>300さん 一応サイト帰った後です……
>>301さん ジムは○○要員です



315 名前:1/6:2006/12/17(日) 02:58:52 ID:vrfT4ITl
まどろみながら、サイトが始めて目を覚ましたときのことを思い出す。
「引っ張られて……」
サイトが腕掴んだままだったから……起き上がれなくて、
起き上がろうとするたびにサイトに、胸が当たって……赤くなってたね。
「あの時はまだサイト、居たよね……ここに」
サイトの使っていた布団を丸めて、抱きついてみる。
「抱き枕って言うんだっけ?」
ギュってしてみる。
「それから……」
『サイト』を下敷きにして、あの時みたいにうつ伏せに寝転がる。
あ……れ……?
「んっ……と?」
自分の身体と『サイト』に……当たって……
「何……これ?」
ぎゅってして……布団に胸を押し付ける。
「は…………ぅ?」
気持ち……いい?
「なんで?」
『サイト』に押し付けながら、体重がもっと掛かるように……
「だ、だめっ、こんな格好っ、ここ……サイトの部屋ぁっ」
お尻を高く上げて、体重が胸に乗るように……
「やだぁっ、やだよぅっ」
恥ずかしくて……泣きそう。
でも……おかしいよぅ。
「と、止まんないっ……」
『サイト』とわたしを乗せたサイトのベットが軋む。
胸に刺激を送り込むために、もどかしく動くわたしの腰の動きにあわせて。
「ひっ……変……変だよぉ……」
わたしの身体……おかしくなっちゃったよ。
助けて……サイト……助けてよ……。
羞恥に焦げる理性が歯止めを掛けようとするけど、身体がそれを許さなかった。
「サイト……サイト……」
苦しくて、切なくて……でも『サイト』は答えてくれない。
それどころかサイトの名前を呼ぶたびに、身体が反応した。
「な……に……ねえっ、サイト……コレ……何……怖いよっ」
初めて感じる気持ちよさが、じわじわと膨れ上がる。
自分の腕と『サイト』の間でうねうね形を変えていた。
いつの間にか硬くとがった乳首が、『サイト』に押されてわたしの胸の中に埋め込まれる。
「ひっ……」
一瞬息が詰まる。
もどかしかった快感が、いっぺんに強くなる。
「あ……ぁ……」
今の……もう一回。
駄目っ、もうこれ以上はだめだよっ。
理性と本能がせめぎ合う。
ここはサイトの部屋。
それが理性に手を貸していた……最初の間は。
『サイト』気持ちいいよぉ。
……もっと……もっと、気持ちよくなりたいよ……
(ここで、こんなことしちゃ駄目)
そんなことは一線を越えると、快感を強めるだけだった。
『サイト』に胸を押し付けながら、犬みたいな姿勢をとる。
ゆっくりと焦らすように、さっきの場所を探す。
「あっ……た……」
背筋がゾクゾクする。
小さく息を呑んで、今から襲い掛かる快感に備える。
ベットが大きく軋んだ。

316 名前:2/6:2006/12/17(日) 02:59:23 ID:vrfT4ITl
『サイト』の上で無心に腰を振っていた。
「あぁ……うっ……」
気持ちいい。
段々と強く動き始めた所為で、ミシミシとベットが軋む。
でも……
「なんで……おかしい……よ?」
モノタリナイノ
一生懸命お尻を振って、ぐねぐねと形を変える胸に快感を送り込むけど……
「……なんで?こんなの初めてなのにっ……足りないっ」
身体が強い刺激を……もっと、気持ち良くなりたいって言ってる。
でもっ
「わかんないよっ、どうしたらいいの……サイト……助けてっ、サイトぉ」
気持ち良くなるのに、どこかで歯止めが掛かっていた。
もっともっと、気持ちよくなれる。
身体はそう言っているのに、方法が分からなかった。
「ひっく、もっと……サイト……もっとシテよぉ……」
『サイト』に身体を押し付ける……
あ……そう……だ、
サイトがしてくれた、もう一つの『恥ずかしい事』
仰向けになって、自分の胸に手を当てる。
「こう……かなぁ?」
むにゅって手が胸に包まれる。
「あっ……」
キモチイイ
「こうなの?こうなのね?サイトぉ」
サイトがしたみたいに、胸に埋め込んだ手をうねうねと動かす。
「はっ……あっ…………」
好きに動かせる上に、『サイト』に押し付けるのとは違う、直接的な刺激に酔った。
「こう……こうなんだね?サイト」
このキモチイイコトはサイトの手が教えてくれた。
どうしてか分からないけれど、そう思ったほうが気持ちよかった。
胸から送り込まれる刺激が怖くて……
試していないことがあった。
さっき押し付けて……気持ちよかった所が……
寝巻きの下から、硬くとがって自己主張をしていた。
布が擦れるだけで、おかしくなりそうな……もし……
「直接……触ったら?」
怖かった……でも……手が止まらない。
そっと、服の上から乳首を触る。
「ひゃんっ」
ずっと強い刺激に、身体が跳ねる。
……こ、こんなの……
「だ、駄目……よね?」
触っちゃ駄目。
そう思った。でも……手がゆっくりと近づく。
「だ、駄目だよっ、サイト……ソコ怖いよぉ」
そんなはず無いのに、今わたしの目の前に有るのは『サイトの手』
そう思い込んでしまった。
「……そう……だよね?」
じわじわといたぶる様に肝心な所の周りを這い回る『手』を見ながら、思う。
「サイトが……サイトなら……」
きっと……ぎゅって。
そう思ったとき、自分の手が襲い掛かってくる。

317 名前:3/6:2006/12/17(日) 02:59:56 ID:vrfT4ITl
「やぁぁぁぁんっ、だめぇっ、サイトぉっ」
『サイトの手』は止まらなかった。
気持ちよくて、怖くておかしくなりそうで。
「もっ、だめっ、やめてっ、やめてぇぇぇぇ」
どんなに悲鳴を上げても、涙を流して懇願しても。
「ひうっ」
『サイトの手』は止まってくれない。
「やあっ、そんなっ、だめっダメダメダメダメっっっ」
それどころか、段々激しくなってくる。
いっ、痛い強すぎる刺激が、痛みに近くなってくる。
と、止めなきゃっ、理性をかき集める。
こ、こんなのだめだもん。
きっとサイトなら、ちゃんとお願いしたら止めてくれるから。
すっかり上がった息を整えながら、わたしは叫ぶ。
「もっとっっ、サイトぉ、もっと触ってよぉ」
あ……れ?
「寂しいよ、サイト。側にいてよぉ、サイトを感じさせてよっ」
……わ……たし……何……を?
「もっと強くして良いからぁっ、痛くしても良いからっ……もっとしてよっ」
これ……なに?
自分が何を口走ったのか……理解する。
あ、あはははは……わたし……寂しいんだ、サイトが居なくて。
それでサイトが居ないサイトの部屋で……こんな事してるんだ。
ぽろぽろ涙が出てきた。
サ……イ……ト……
もう何も考えずに、快感だけを貪った。
ぎゅって胸を握るたびに、おかしくなって。
尖った乳首をつねるたびに吠えた。
サイトの枕に顔を埋めて、胸の疼きに酔いしれる。
直に触った方が気持ちいいのに気が付いて、破れそうな勢いで服を脱ぎ捨てる。
「……サイトが触ったのは……このへん」
離そうとしていたけれど、思わずって感じで握りしめていたっけ?
サイトを思い出すだけで、さらに身体が熱くなった。
「こう……こんな感じで……」
サイトの指を思い出すだけで、快感が増す。
「あっ……くっ……」
何度も何度もサイトの記憶をなぞる。
気持ちいい事しか考えられなくなって……
あまりの気持ちよさに、何も考えられなくなるまで手を動かし続けた。

318 名前:4/6:2006/12/17(日) 03:00:29 ID:vrfT4ITl
「きもち……よかったぁ……」
ぐったりとベットの上で脱力。
「おかしくなっちゃった……サイトのせいよね?」
昼間心配されたのって……こゆことなのかな?
『……舐められたり、挿れられたりしなかった?』
って言ってたっけ?
あ……『挿れる』は分からないけど……
『舐める』は分かったかも。
服を脱いで露になっているわたしの胸……
その小さな硬くなった先端を見つめる。
「これ……の……事だよ……ね?」
そんな事……しちゃだめだよ?
うん……そうだね。
心の声と裏腹に、手が胸を支えて口に近づけていく。
「あ、赤ちゃんだって……吸ってるんだもん」
いいよね?
身体を起こして、両手で支えられた胸とその先端を見つめる。
刺激を与えないように、そっと咥える。
生暖かい感触が、敏感な場所を包む。
(あ……あ……あっ)
まだっ、何もしてないのにっ……
だめだ……これは……駄目だ……駄目になる。
(やっちゃだめ、駄目だよ?)
自分で自分を説得しようとした。
無理だった。
ちゅっと、小さな音と一緒に吸い上げる。
(ひあぁぁぁぁぁ)
硬くなった所に舌を這わせる。
(やぁぁぁぁぁっ)
頭の奥が痺れていた。
(もっと……もっと……)
片手で胸を支えることにして、相手方の手で胸を揉んだ。
押し寄せる快感に、一瞬口も手も止まる。
……でも……一瞬だけ。
止まった瞬間にもどかしさで気が狂いそうになる。
動き始めると、気持ちよくっておかしくなる。
何をしても……しなくても、わたしの身体がどんどん熱くなっていく。
交互に自分の胸を吸い上げて、揉み潰す。
交互にやるのがもどかしくなって、両方をいっぺんに口に入れたり、
湿って感触の変わった乳首を、指先で強く苛めた。
その度にサイトを思い出して、
思い出すたびに気持ちよくなって、
気持ちよくなるたびにサイトを思い出す。
「サイト……サイトぉ……サイトサイトサイト」
頭の中がサイトで埋め尽くされる。


319 名前:5/6:2006/12/17(日) 03:01:01 ID:vrfT4ITl
「は……ふ……もぉ……むり……だめ……サイト……」
息をするのも苦しいよ……
こんなの初めて……
でも……気持ちよかった……よ?
「きょ、今日はもう遅いからっ、お休みなさいサイト、また……明日ね?」
あう……あ、明日も……するのかな……しちゃうのかな?
そんな事を思いながら、『サイト』に全身で抱きついて……
身体に走る甘い衝撃に悲鳴を上げた。
「ひゃうっっっ」
『サイト』に当たった……
「あ……れ……」
ソコを見ると……
「ぬ、濡れてるっ?やぁぁぁぁ、お漏らし?お漏らししちゃったの?」
慌ててショーツを脱ぎ捨てる。
そ、そんなに夢中になっちゃたのかな。
恥ずかしくて顔から火が……って
「あれ……何か……違う?」
小さい子の世話をするから……よく知っているけど……感触が違った。
まだ濡れている感触のあるソコに……手を……
「っっっっ」
な……に?なにこれっ。
しっとりと湿り気を持ったソコを手で覆って、胸みたいに揉んでみる。
「ああああああああっっ」
胸とは違う感触に、また理性が溶け始める。
「ひっ……あ……」
空いている方の手が胸に伸びる。
「だ、だめ……今はっ、今は……おかしくなるからっ」
気持ちよくって……
初めてで……
どこまで気持ちよくなるのか分からなかった。
「お、おかしくなるからっ、駄目になっちゃうよっ」
まだ鎮まりきっていなかった身体が、再開された刺激に狂い始める。
股間に添えられた右手が熱い。
一番熱くなっている所で折り曲げられた指先が、熱く湿ったナニカに埋まる。
「ひっ……」
今まで知らなかった、自分の身体の奥……その、入り口。
……これが……『挿れる』ところ……なのかな?
ほんの少し、指を埋めてみる。
「うっ……」
気持ちいいけど……
「サイトに……置いておいてあげる……ね?」
そうした方が良いって……そう思った。
「こ、ここだけで気持ち良いし……」
熱く湿った入り口を、指先が下から上まで触る。
胸よりも優しい方が気持ち良いソコをねちねちと触りながら、
強い刺激でも弱い刺激でも気持ちいい胸を触る。
「あっ……うっ……サイト……きもちいいの……もっと……シテ……」
『サイト』に跨りながら……
その日自分がいつ眠ったのか……
今でもわたしは分からなくって……

320 名前:6/6:2006/12/17(日) 03:02:00 ID:vrfT4ITl
「おはよー、みんなっ!!」
朝ごはんの支度をしながら、起きてきた子達に挨拶をする。
……あ、あんなに疲れたのに……
不思議なことに体調は良くって……
お、おかしいのかなぁ?
「あーサイトにぃちゃんの部屋で寝ただけで、テファねぇちゃんご機嫌だねっ」
「うわーサイトにぃちゃん帰ってくるの楽しみー」
う……ね、寝ただけじゃないのー
帰ってくるのは楽しみだけどっ……目……合わせられるかなぁ……
サイトのことを考えるだけで、身体が芯から熱くなってくる。
「うわっ、みましたー?テファねぇちゃん、サイトの名前聞いただけで赤くなってらぁ」
「もぅ、男の子って子供なんだからぁ、距離が二人の愛情を深めるのよっ!」
「「おぉーーー」」
あう……えと……その……
(え―――ん、説明できないよぅ)
誤魔化す様に料理に没頭していると、くら〜い声が聞こえてきた。
「おはよう……テファねーちゃん」
「ジム?」
よろよろと自分の席に座るジムの顔色が悪くて……
心配になって声を掛ける前に、残りの子達が騒ぎ始めた。
「あーお前、やっぱり一人は怖かったんだろー」
「テファねぇちゃんの残り香は全部自分のもんじゃーとかって騒いでたくせに」
「ジム、そんな事言ってたの?ふ・け・つよぉぉぉ―――――っっっ!」
「ふっ、出戻りか?ジム」
皆が好きなことを言っている中、珍しく黙り込んでいたジムがぽつぽつと話し始める。
「テファねぇちゃんの部屋……出るんだよ……」
え?
「夜中にさ……ギシギシ、ミシミシ、ラップ音が聞こえて……」
えぇぇぇぇぇぇぇ、ちがっ
「女の人の悲鳴とか……『たりなぁぁぁい』って声とかさ……」
あうっ
「止まったと思っても、暫くしたらまた始まるんだ……おれ……怖くて……」
……ごめん、ジム……説明できないよ。
「結局、怖かったって事だよな?」
「ジムの根性無しが」
ご、ごめんなさいっ、ジム……今回わたしフォローできないっ。
皆に追い詰められて赤くなったジムが、わたしのところまで歩いてくる。
「ねぇちゃん……怖かったよぉぉぉ、部屋は諦めるからっ、せめてその胸で泣かせてぇぇぇぇ」
いきなり飛び掛ってくるジムを……
つい……避けてしまった。
「あージム、とうとうテファねぇちゃんに……」
「嫌われたなー」
「やり過ぎだよなぁ」
ジムは……あうー、ごめんね。
なんだか床で灰になってるよぉ。
でも……ね。
皆にはいえないけど……
『ごめんね……でも、でもね。
わたし……もう、サイト以外に触られたくないかも……』
口に出せないけれど、そんなことを思ってしまう。
『サイトの感触を……ずっと覚えていたいから』

いつかまた……サイトが帰ってくるときまで。
その時までに自分の気持ちいところを沢山見つけておくから……
『た〜くさん、触って欲しいなっ、サイト』
次に会うときが、昨日までよりずっと楽しみになって……
夜を思うと寂しさも紛れて……

『サイトにまた会える日まで……頑張るねっ』
届くといいなって、心の中でサイトに話しかけた。

321 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 03:02:35 ID:vrfT4ITl
以上。
次はエロくないのでも書きます……多分

ではっ

322 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 03:25:41 ID:m7MIPgrZ
>321
キタコレ
コレキターーーーー

素晴らしい。
サイトが帰ってきた後の暴走機関車っぷりが今から楽しみデス

323 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 04:48:53 ID:iz4UHtjx
ジムの哀れな末路にワラタw
次回作楽しみにしてます。

324 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 15:25:03 ID:mR99TVPL
テファかわええw
まじGJ!

325 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 17:19:52 ID:k+DB8F2X
>>321
サイト早く戻ってきてくれw
続きがみてぇ


326 名前:ダメ、絶対。:2006/12/17(日) 21:18:06 ID:X5LcDzt+

Case.1

才人「大変だ、ルイズがモンモンの部屋で変な薬を飲んじまった」
デルフ「何か前にもあったねこんなこと」
ルイズ「……」
才人「おおルイズ、今回は一体どんな変てこな薬を飲んでしまったんだ」
ルイズ「ハアハア」
才人「ゲッ、息が荒いぞこいつ」
ルイズ「才人ぉぉぉぉぉぉ!」
才人「うわっ、抱きつくな……!? る、ルイズ、お前の股間にある固いものは一体」
ルイズ「見て(ぴらっ)」
才人「ギャーッ! 可愛いルイズに俺のより巨大なブツが!」
ルイズ「サイトのお尻ちょうだぁぁぁぁぁぁい!」
才人「いやじゃぁぁぁぁぁぁ!」

モンモン「よしっ、成功!」
ギーシュ「モンモランシー、君は一体僕に何を(ry」

Case.2

才人「大変だ、ルイズがモンモンの部屋で変な薬を飲んじまった」
デルフ「何か前にもあったねこんなこと」
ルイズ「……」
才人「おおルイズ、今回は一体どんな変てこな薬を飲んでしまったんだ」
ルイズ「ハアハア」
才人「ゲッ、息が荒いぞこいつ」
ルイズ「ああサイト(ガブッ)」
才人「ぎゃあ!」
ルイズ「(くちゃくちゃ)ああ、サイトの耳たぶ柔らかくってとってもおいしい……」
才人「いたいよういたいよう」
ルイズ「今度は目玉を食べさせてぇぇぇぇぇ!」
才人「絶対嫌じゃあぁぁぁぁぁぁぁ!」

モンモン「よしっ、成功!」
ギーシュ「モンモランシー、君は一体僕に何を(ry」

Case.3

才人「大変だ、ルイズがモンモンの部屋で変な薬を飲んじまった」
デルフ「何か前にもあったねこんなこと」
ルイズ「……」
才人「おおルイズ、今回は一体どんな変てこな薬を飲んでしまったんだ」
ルイズ「ハアハア」
才人「ゲッ、息が荒いぞこいつ」
ルイズ「サイトぉぉぉぉぉぉぉ!」
才人「うわっ、押し倒すな……って何故俺にケツを押し付ける!?」
ルイズ「わたしのウンチ食べてぇぇぇぇぇ!」
才人「どういう性癖じゃぁぁぁぁぁぁ!」

モンモン「よしっ、成功!」
ギーシュ「モンモランシー、君は一体僕に何を(ry」

327 名前:ダメ、絶対。:2006/12/17(日) 21:18:36 ID:X5LcDzt+
Case.4

才人「大変だ、ルイズがモンモンの部屋で変な薬を飲んじまった」
デルフ「何か前にもあったねこんなこと」
ルイズ「……」
才人「おおルイズ、今回は一体どんな変てこな薬を飲んでしまったんだ」
ルイズ「ハアハア」
才人「ゲッ、息が荒いぞこいつ」
ルイズ「サイト、今すぐギーシュと一緒にベッドに行きなさい!」
才人「ウホッ!?」
ルイズ「サイト強気攻めギーシュヘタレ受けハアハア」
才人「腐ってやがるぅぅぅぅぅぅ!?」

モンモン「よしっ、成功!」
ギーシュ「モンモランシー、君は一体僕に何を(ry」

Case.5

才人「大変だ、ルイズがモンモンの部屋で変な薬を飲んじまった」
デルフ「何か前にもあったねこんなこと」
ルイズ「……」
才人「おおルイズ、今回は一体どんな変てこな薬を飲んでしまったんだ」
ルイズ「ハアハア」
才人「ゲッ、息が荒いぞこいつ」
ルイズ「才人、今すぐマリコルヌをとッ捕まえてきなさい!」
才人「何でマリコルヌ!?」
ルイズ「溢れんばかりのぜい肉ハアハア」
才人「デブ専になってるぅぅぅぅ!?」
ルイズ「嫌ならあんた今すぐ100kg増量しなさい」
才人「無茶なこと言うなぁぁぁぁぁ!」

モンモン「よしっ、成功!」
ギーシュ「モンモランシー、君は一体僕に何を(ry」

Case.6

才人「大変だ、ルイズがモンモンの部屋で変な薬を飲んじまった」
デルフ「何か前にもあったねこんなこと」
ルイズ「……」
才人「おおルイズ、今回は一体どんな変てこな薬を飲んでしまったんだ」
ルイズ「ハアハア」
才人「ゲッ、息が荒いぞこいつ」
ルイズ「才人、今すぐタバサの風竜つれてきなさい!」
才人「何故に!?」
ルイズ「人間を超えたサイズハアハア」
才人「獣姦マニアぁぁぁぁぁ!?」
タバサ「許す」
才人「マジスか!?」
シルフィ「きゅいきゅい。でもシルフィメスなの」
ルイズ「……」
才人「……」
ルイズ「犯せ」
才人「マジで!?」

モンモン「よしっ、成功!」
ギーシュ「モンモランシー、君は一体僕に何を(ry」


328 名前:ダメ、絶対。:2006/12/17(日) 21:26:34 ID:X5LcDzt+

Case.7

才人「大変だ、ルイズがモンモンの部屋で変な薬を飲んじまった」
デルフ「何か前にもあったねこんなこと」
ルイズ「……」
才人「おおルイズ、今回は一体どんな変てこな薬を飲んでしまったんだ」
ルイズ「ハアハア」
才人「ゲッ、息が荒いぞこいつ」
ルイズ「サイト、今すぐシエスタを監禁しなさい!」
才人「なんか過激な発言飛び出したぁぁぁぁ!?」
ルイズ「そして一ヶ月ほどかけて二人で調教するのよ」
才人「……そ、そんなことはできない!」
デルフ「『ちょっといいかも』とか思っただろ」
ルイズ「何ならシエスタと二人でサイトを調教、でもいいけど」
才人「単なる調教マニアかよ!」

モンモン「よしっ、成功!」
ギーシュ「モンモランシー、君は一体僕に何を(ry」

Case.8

才人「大変だ、ルイズがモンモンの部屋で変な薬を飲んじまった」
デルフ「何か前にもあったねこんなこと」
ルイズ「……」
才人「おおルイズ、今回は一体どんな変てこな薬を飲んでしまったんだ」
ルイズ「ハアハア」
才人「ゲッ、息が荒いぞこいつ」
ルイズ「才人、今すぐオールド・オスマンとコルベール先生を捕まえてきなさい!」
才人「何故に!?」
ルイズ「ヒゲハゲオヤジハァハァ」
才人「極めてマニアックな嗜好になってるぅぅぅぅ!?」
ルイズ「あ、ついでだからマザリーニ枢機卿も追加で」
才人「鳥の骨はオマケかよ!」
ルイズ「マルトー親父とか武器屋の店主とかも捨て難いわね」
才人「人選までマニアック!?」

モンモン「よしっ、成功!」
ギーシュ「モンモランシー、君が何をしたいのかさっぱり分からなくなってきたよ!」

Case.9

才人「大変だ、ルイズがモンモンの部屋で変な薬を飲んじまった」
デルフ「何か前にもあったねこんなこと」
ルイズ「……」
才人「おおルイズ、今回は一体どんな変てこな薬を飲んでしまったんだ」
ルイズ「ハアハア」
才人「ゲッ、息が荒いぞこいつ」
ルイズ「サイト、今すぐ姫様とシエスタとタバサとキュルケとティファニアとジェシカとエレオノール姉様と
    ちい姉様とモンモランシーとケティとフーケとミセス・シュヴルーズとイザベラとハルナとッ捕まえてきなさい」
才人「ヒロイン全員かよ! しかもゲーム版のまで!」
ルイズ「いやほら、やっぱり客の多様なニーズに答えるためには女の子たくさん揃える必要があると思うのよね」
才人「客って何の?」
ルイズ「娼館」
才人「売り上げ高そうだなオイ!」
ルイズ「そしてわたしはマダム・ルイズで」
才人「極めて有能な経営者かよ!」

モンモン「よしっ、成功!」
ギーシュ「分かったよ、つまり単純に暇なんだねモンモランシー!」

329 名前:ダメ、絶対:2006/12/17(日) 21:31:26 ID:X5LcDzt+

さあ、君はどのルイズが一番好きかな!?

330 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 21:38:49 ID:IjtWkDV1
…0番目で。

331 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 22:37:01 ID:qKjrMfdn
>>330
おぬし、できるな

332 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 22:37:21 ID:pg9p+S6I
あえて6

333 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 22:44:36 ID:XBCrTaUd
じゃあ4で

334 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 22:50:20 ID:ZpvWIniH
では7で

335 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 22:51:10 ID:iRMfwc+F
俺も7で

336 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 22:52:49 ID:Sal+x8QU
手堅く1で

337 名前:@ ◆TOaN/1ZFoQ :2006/12/17(日) 23:24:57 ID:wTB7jHlj
7でアタックチャンス

338 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 00:28:13 ID:kkDF8VzL
六(*´Д`)ハァハァ

339 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 01:06:43 ID:uXErvLEe
あえて9
・・・いや、単純に未だ見ぬゲームオリジナルの娘を見たいなという(ry

340 名前:261のひと:2006/12/18(月) 03:57:02 ID:O40Y0n0k
7で……

それはそうと、エロ抜き行きます……昼まで寝てたから遅くなった……
明日仕事大丈夫だろうか……自分。

341 名前:1/13:2006/12/18(月) 03:57:34 ID:O40Y0n0k
「いらっしゃい、ガーゴイル」
にやにやといやらしい笑みを浮かべるイザベラ。
この子がこんな顔の時はろくな用事じゃない。
椅子に座ったまま、上機嫌にクスクス笑い続けている。
『お出迎え』にも芸が無かった。
これから何が起こるのか……
何が起きても気には成らないけれど、メイド達の青ざめた顔に少しだけ申し訳無い気分になった。
正直イザベラはどうでもいい。
あの男……ジョゼフに連なる。
それだけの女。
「ねぇガーゴイル、あんたに良い物見せてあげるわ」
分かってる。
部屋の隅にはこれ見よがしに布の掛けられた檻が有った。
震えるメイド達はそちらを見ようとしない。
……正確には必死に目をそむけていた。
「ほら、開けなさいよ……のろのろしてると、次はお前の番よ?」
慌てて走り出したメイドが、布を取り払うと中には……
空ろな目をしたメイドが居た。
視点の定まっていない目が、力の入らず緩んだ口が、正常な状態でないことを示していた。
「父上の宝物庫に有ったのよ……一対の薬でねぇ」
楽しそうに手の中で薬瓶を転がるイザベラに恐怖の視線を向けるメイド達……
こいつ……まさか……
「試しに飲ませてみたら、壊れちゃったぁ」
人を玩具にするような行動に苛立つ。
それでも……こんな女に感情を乱す気は無かった。
「あんたの仕事はね、7号」
足元に二つの薬瓶を放り投げて、瓶同士が澄んだ音でぶつかる。
メイド達が真っ青な顔でそれを見つめた。
一瞬ヒヤリとしたが、分厚い絨毯の上だったので割れる事は無かった。
「それをその娘に飲ませなさい、7号……死ぬかも知れないけどね」
一対なら解毒剤の可能性も有った。
少し緊張するけど……命令に逆らうことも……まだ、出来ない。
そもそも王族なら、下した命令の責任を取る覚悟くらいする物だが……
「もし死んだら、おまえが殺したってことよね?7号」
そんな気はまったく無さそうだ。
瓶を拾い上げて、ラベルを見る。
見たことのない薬。
中が空の方には……
『心を壊す秘薬』……まさか……これ……
対の薬を持って逃げ出したい……
そんな感情を押し殺し、檻に近づく。
わたしの手の中の薬瓶を見た途端、壊れていたメイドは必死で檻の端まで逃げた。
「素直に飲まなかったからねぇ、何人かで取り押さえさせたのよ……
そうなってからも、檻に入れるまで暴れる、暴れる」
数人のメイドが辛そうに俯く。
「お前達も共犯よねぇ」
俯いたメイドの顔をイザベラは一人一人見つめた。
泣いてる子まで居た……
(どう転ぶにしろ……)
早く片付けよう。
檻の中に入って怯えるメイドを抱きしめる。
イザベラの顔がピクリと震えていた。
逃れようとわたしに叩きつけられる手を甘んじて受ける。
暫く抱きしめて落ち着かせた後、口の中に薬を注ぎ込んだ。

342 名前:2/13:2006/12/18(月) 03:58:06 ID:O40Y0n0k
「ちっ」
イザベラの舌打ちが聞こえる。
魔法薬の効果は一瞬だった。
「あ……れ……シャルロット……さ……ま?」
よかった……
「あーもーいいわ、さっさと出てきなさい7号」
メイドから手を離し、檻の外に出る。
忌々しそうにわたしを見るイザベラの前まで進む。
顔を伏せていたメイド達の表情も、少し明るくなっている。
……檻の中のメイドに申し訳無さそうな顔はしているが。
「7号もういいわ、でもコレ帰る前に家の宝物庫にしまっときなさい」
そういって懐から薬瓶を取り出すと、さっきのように投げ捨てた。
「一対のくせに、それ一個だけあったのよね」
拾い上げたそれは……
(解毒剤!?)
まさか……とも思う。
出来すぎだ、とも。
でもまったく無かった可能性が、手の上にあった。
「ほら、さっさと帰りなさいよ」
犬でも追うように、手を振るイザベラに追い立てられるように廊下まで進む。
人目の無い廊下に立って、手の中を見る。
あのメイドは確かに心が壊れた状態から立ち直った……
もし……これを……
(母さまに……)
シルフィードに乗れば……すぐにでも。
宝物庫に行くなら、この廊下を右に。
シルフィードの所に行くなら、左に……
悩んで……悩んで……どちらにも進めなくなる。
本物とは限らない。
罠かもしれない。
そう、例えばこれも毒かもしれない。
宝物庫に……向かいそうになる。
でも……本物なら、多分二度とこんなチャンスは無い。
時間もそんなに無かった。
いつまでも宝物庫に行かないと、イザベラのところに連絡が行くだろう。
毒かどうかも持ち出して調べないと分からない……
わたしは……左に向かって駆け出した。

343 名前:3/13:2006/12/18(月) 03:58:37 ID:O40Y0n0k
「あーら、誇りを失うと、こ〜んな事に成るのねぇ、同じ王族として恥ずかしいわ」
罠……だった。
シルフィードのところに着く前に、薬瓶自体が鳴り始めた。
最初からイザベラに言い含められていたらしい衛兵に捕まった。
薬が偽物な以上、逃げ出すことも出来ない。
「泥棒さんには罰を上げないとねぇ」
幸せの絶頂、イザベラはそんな表情でわたしを見ていた。
「おまえ、こっちに来なさい」
それは……さっき檻の中に居たメイドだった。
泣きそうな表情でイザベラとわたしを交互に見ていた。
恐怖のあまり動けなくなっていたが、イザベラの口がもう一度開きそうになった瞬間、
転がるようにイザベラの前に跪いた。
「ほら、これで……」
いつから用意してあったのか、乗馬用の短い鞭をメイドの前に投げ捨てる。
イザベラはメイドがそれを手に取った瞬間に命じた。
「こそ泥を打ちなさい」
なんだ……そんな事か……身体が痛いのなんて……平気。
そう思ったのはわたしだけだったみたいで、部屋中のメイドがざわめいた。
「そ、そん……なっ」
青い顔をしたメイドが、わたしを見つめる。
気にしなくていいのに……そう思っても、
わたしの以前を知るメイドは流石に手を上げられない様だった。
「いいのかしらねぇ?おまえ、家に母親と姉妹が居るんじゃなかった?」
うれしそうにイザベラが喋りだす。
「母親は病気で働けないんでしょう?お前だってこんなに給料の良い所は他に無いわよねぇ?」
イザベラの言葉に小さく震えるメイドは、今にも泣き崩れそうだった。
「あぁ、もちろんここを首になったら、次の働き口なんて無いわよ?手を回すからね」
うれしそうに、楽しそうに、イザベラの口は動き続ける。
「み〜んな、姉妹だっけ?よかったじゃない、ちょっと身体売れば良いのよねぇ」
手の中の鞭とわたしを交互に見るメイド。
恐怖に見開かれた目には、家族を養う責任が有った。
(いいよ、別に……)
そう思っていたけど……
「出来ません……」
小さな声。
幸い、イザベラにはまだ聞こえていない。
(しかたない……)
言いなおす前に口の中で呪文を唱え、小さく杖を振る。
ビシッ
っと、わたしの背中に鞭が当たる……結構痛い。
「あはははははは、さーすが、下賎は違うわねぇ、良い事教えようか?
お前に解毒剤を飲ませてくれたのは、そのガーゴイルさ」
その場に崩れ落ちそうになったメイドを、そのまま魔法の力で支える。
「ほらっ、何をしているの?まだまだ打つのよっ」
「……ちがうんです、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
すっかり錯乱して、何かを呟き続けるメイドの代わりに、わたしが自分で鞭を動かす。
「ほらほら、力が入ってないわよ?仕事に手を抜くようなメイドは首かしら?」
こいつっ……
鞭の痛みで魔法の保持が段々難しくなってくる。
それでも……
「ほらほら、もっと打ちなさいよっ、まだガーゴイル悲鳴一つ上げてないわよ」
そんなの意地でも上げるもんですか。
痛みで頭の中が白くなる。
でも意識を手放すと魔法が使えなくなるから……
わたしが自分を鞭打つのは、わたしが意識を失うまで続いた。

344 名前:4/13:2006/12/18(月) 03:59:10 ID:O40Y0n0k
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
……なにか……聞こえる。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
背中の焼けるような痛みが、わたしの意識を急速に覚醒させる。
薄く目を開けると、傾いた日差しが随分時間が経っていることを知らせた。
粗末な部屋の硬い寝台の上だった。
傍らではあの時のメイドが泣いていた。
背中には包帯が巻かれ、手当てをした後があった。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
泣き続けているメイドが不憫に成った。
「もう平気」
痛みに引きつる背中を無視して、起き上がる。
「シャ、シャルロットさまっ」
「手当て、ありがとう」
……ここにあまり長く居るわけにはいかなかった。
イザベラが……この子を苛める口実になるから。
「だ、だめですっ、まだ動いちゃ……あ、そうだっ、これっ……」
怪我の状態を知っているから……触らずに引きとめようと、わたしの前に立ちふさがるメイドが、震える手で何かを差し出した。
「これ……お薬ですっ、飲んでくださいっ」
押し付けられるようにして渡されたのは……
「回復薬?」
「はいっ」
特にコレといった効果は無いが、体力そのものを回復させて、病気や怪我を治すポピュラーな薬だった。
……貴族にとっては。
「あ、怪しい薬じゃないですっ、こないだやっと……買えたんですっ」
多分……これは……
「いらない」
「そんなっ……本当に、本当に……ちゃんとしたっ」
無理矢理握らせた薬を、わたしに何とか渡そうとしているけど……
貰える筈無い。
「お母様を大事にね」
そう、きっとこの子がそのために貯めたお金で買ったものだろう。
そんな大事な薬……飲めない。
「……でも……でも……」
返した薬がぎゅっと自分の胸に押し付けられる。
それだけでこの子にとってどれだけ大事なものか分かった。
「気持ちだけでいい」
泣きながら頭を下げるメイドを置いて、シルフィードの所まで歩く。
……背中が焼けるようだったけど……
優しい娘に会えて、心が暖かくなったから……平気。

345 名前:5/13:2006/12/18(月) 03:59:42 ID:O40Y0n0k
崩れ落ちるシャルロットを思い出す。
意識を失う寸前、こちらを見たシャルロット。
それだけで……なんて幸せな瞬間。
暗い部屋の中で唯一光を発しているのは、城内のどこでも映す魔法の鏡だった。
「ほら、薬渡しなさいよ」
起き上がったシャルロットに、必死に薬を渡そうとしているけど……
シャルロットは断った。
「っっっ、役立たずがっ、何のためにお前なんかの所に、薬が渡るように手配したとっ」
そう……貴族でもない娘が、つても無くギリギリの金額で手に入れられる者では無かった。
イザベラが手を貸さなければ
「役立たず!役立たず!役立たず!役立たず!」
シャルロットはここで薬を飲むはずだったのだ、
イザベラが用意した薬を。
そうとは知らずに感謝して。
「あぁぁぁぁ、もうっ、下賎のなんて図々しいっ!」
イライラした。
「もうっ、なんで何もかも、わたしの思いどうりに成らないのよっ」
廊下をよろよろと進むシャルロットが、誰かの靴音が聞こえるたびに背筋を伸ばす。
すれ違う人間は、一人残らずイザベラに向けるのとは違う、敬意に満ちた礼をする。
「おまえらっ、死ねっ皆死ねっ」
その辺りのテーブルを蹴り倒す。
盛大な音を立てて、高価な魔法具が床に転がる。
この部屋でイザベラが暴れるのはいつもの事だったので、今更誰も来なかった。
シャルロットが着々と使い魔のところに向かっている。
もうこの城にいる時間は僅かだろう。
悔しさで涙が出て、視界が歪んだ。
「くそっくそっくそっくそっ、まただっ、また……シャルロットをぉぉぉ」
折角捕まえた美しい蝶が、
檻の中の綺麗な声で鳴く小鳥が、
自分の手の中から逃げていく……そんな錯覚を覚える。
「くそっ、どこにも行くなっシャルロットぉぉぉぉ」
魔法の鏡の向こうには声は届かない。
そ知らぬ顔で歩いていくシャルロットが……許せない。
「くそっ、無視するなぁぁぁぁぁ」
鏡に打ち付けられた拳が痛い。
……それでも。
ゴツゴツと鏡に映ったシャルロットを殴り続ける。
固定化された鏡が割れる事は無かったけれど……
イザベラの心には、ゆっくりヒビが広がっていた。

346 名前:6/13:2006/12/18(月) 04:00:14 ID:O40Y0n0k
「……うまく、まほうつかえなぃよぉ……」
庭の片隅で、幼いイザベラは一生懸命魔法の練習をしていた。
「えいっ……えいっ……」
何度魔法書を読んでも意味が分からない。
基礎の基礎と書いてある内容ですら、成功することは稀だった。
「なにがいけないのかなぁ……」
幼いとはいえ、……いや、幼いからこそ周りの蔑みの視線が辛かった。
なにより……
「わたしが、がんばらないと……ぱぱまで、ばかにされるもん」
無能王の娘、そういわれるのが辛かった。
自分が魔法を使えないことで、父親までが無能と罵られる。
幼いイザベラは、そう捉えていた。
「ぱぱは、りっぱなおうさまだもん」
娘の自分も努力をしないと、そう決心してから毎日こっそりと練習していたが……
「さいのう……ないのかな……」
年頃からすれば、際立って下手という訳でもなかったが……
「しゃるろっとなら、できるんだよ……ね……」
どんなに耳を塞いでも、嫌な噂は自然に聞こえてきた。
同じ年頃のシャルロットは、早くも天才と謳われている。
「もうすぐ、らいんめいじだって……わたし……まだ……」
努力すれば報われる。
頑張れば何とか成る。
……世界がそれほど美しくないと、そんな事を知るには幼すぎた。
やっと読める様になった字を、もう一度丹念に読み返す。
「まほうとは、しそぶるみるが……」
声を出して、何度も何度も読み返す。
満足するまで読み返すと、また実技の練習。
「……じゅもん……あってるのに……」
授業のたびにシャルロットと比べる教師に聞きたくないイザベラは、
一人で練習していたため、読み間違えが分からなかった。
「ふぇ……」
練習が終わる頃には、毎日毎日泣いていた。
でも……その日は違った。
「呪文が違うよ?」
誰にも見つからないように、藪の中で練習していたのに……
同じ位の体格の子供なら、ここまで入ってこれた。
「魔法の練習?」
「うん」
始めてみる子供だった。
「えらいねぇ……わたし、あんまり好きじゃないなご本。」
「そうなの?」
にこにこと笑う笑顔が……いつも自分に向けられる笑顔とまったく違うものだと。
下心の無い笑顔が、こんなにも自分の心を溶かすものだと。
そんなことも知らなかったイザベラは、始めてあったその子に強く惹かれた。
「あの……ね」
おともだちになってください。
そう言いたかった。
拒絶されるのが怖かった。
この城で自分に好意を持つものは……今まで居なかった……
少なくともイザベラはそう思っていた。
が……
「あのねっ、わたしシャルロット、お友達になろうっ?」
笑顔とともに差し出された右手はとても暖かかった。

347 名前:7/13:2006/12/18(月) 04:00:47 ID:O40Y0n0k
「ほら、成功した」
「うんっ……うんっ」
シャルロットが教えてくれるようになって、簡単な魔法の成功率が格段に上がった。
「すごいねぇ、しゃるろっと」
「えへへ……がんばってるのは、イザベラよ?」
皆が誉めるシャルロットが、自分を誉めてくれる。
嬉しかった。
イザベラの教師達は同世代のシャルロットの教師達と比べられ、過剰なまでにスパルタだった。
誉めて伸ばそうとする教師が何かの拍子に漏らす溜息は、幼いイザベラにとって怒られるより辛かった。
「あのねっ、次はね……これっ、これ覚えたいっ」
「うんとねーこれはねー」
二人とも立場上気兼ねなく遊べる相手が少なかった。
魔法の練習という形ではあったが、二人にとっては友達と遊んでいる楽しい時間だった。
しかし……

348 名前:8/13:2006/12/18(月) 04:04:50 ID:O40Y0n0k
「えー、やだぁぁぁぁ」
「ごめんね、イザベラ」
少し成長した二人にも別れの時が来た。
「わたし……オルレアンに帰るね」
「やだっ、パパにおねがいするからぁぁぁ」
それを聞いたシャルロットが、何か言いたそうにするが……
結局黙り込んだ。
「ごめん……ね」
「もうっ……しらないっ、シャルロットなんかきらいっ」
イザベラは自分が言った言葉の結果に何も言えなくなった。
いつも優しくて、喧嘩しても折れてくれたシャルロットが……
泣きながら逃げる所なんて……
「……あ……ごめ……」
小さく呟いた言葉はシャルロットの背中には届いていなかった。
(明日……ごめんなさいしよう)
小さなイザベラの決心が叶えられる事は無かった。
「シャルロットは?」
「領地に戻られました」
シャルロットが使っていた部屋はすっかり空だった。
「なんでっ!!(まだ謝ってないのにっ)」
周りはイザベラの癇癪に、気の毒そうな目を向けるだけで、何も答えてくれなかった。
……後になって知ったのは、オルレアン公の死去。
しかも王に利益のある形での。
その事を知らなかったイザベラは、シャルロットを求め周りに当たり……
孤立を深めていった。

349 名前:9/13:2006/12/18(月) 04:05:23 ID:O40Y0n0k
自慢の美しい父親がイザベラの誕生日に訪れる。
「やぁ、イザベラや」
「なぁに?父上」
もっとも、自分の誕生日だ。
何しに来たか等分かりきっていた。
(今年のプレゼントは何かしら?)
ジョゼフは意外と毎年イザベラが欲しがっているものを贈ってくれた。
本人が選んでいるのか、どうにかして調べさせているのかまでは分からなかったが。
「今年は間違いなく気に入るプレゼントだよ、イザベラ」
父親の自信に満ちた瞳に、イザベラの期待は高まる。
「何かしら?欲しがっていた宝石?秘薬?魔法具かしら?」
王族とはいえ何でも手に入るわけではなく、誕生日は手に入れがたいものをねだる絶好の機会だった。
「いやいや、もっと良い者だよ、ほら」
ジョゼフの合図でドアが開き……
イザベラの呼吸が止まる。
「シャルロット!!」
幼い日の親友、いつか詫びたかった友人がそこに居た。
「今日からお前に与える、北花壇警備騎士団の7号だ……気に入ったかな?」
「えぇっ、最高よ父上!!」
気もそぞろにジョゼフの相手をし、やっと空いた時間でシャルロットを呼び寄せる。
「ひさしぶり、シャルロット!!」
元気のいい挨拶が返ってくる、そう疑ってなかった。
「ご無沙汰しております、姫さま」
……え?
「御用が無ければ、これで失礼します」
…………あれ?
ひとり残された部屋で、イザベラは混乱していた。
(シャルロット……よね?)
それは間違いなかった、自分が親友を間違えるはず無かったから。
シャルロットが出て行ったドアに力なくすがり付く。
「うそ……よね?わたしたち、おともだちよね?」
壊れそうな心を抱えながら黙って座り込むイザベラの耳に、メイド達の声が聞こえる。
「えーーーうそっ!!」
「しっ、声が高い!!」
「でも……それじゃ……」
「うん、シャルロットさまお母様が……」
「……あそこって……オルレアン公も……」
それから何日も噂に聞き耳を立てた。
断片的な話を組み合わせ、自分とシャルロットの立場を理解する。
……会いたくないよね……
何度か呼んで見たが、シャルロットはイザベラを見ていなかった。
(目が合っても……わたしを見ていない……多分……父上しか……)
自分を素通りして、遥か向こうに向かう敵意。
目の前に居て会話すらしているのに、自分は無視されていた。
(つらいなぁ……)
話したくないのも無理は無いと思った。
他人行儀なのも理解できる。
でも……
(頼ってくれれば……)
シャルロットの為なら、たとえ父親でも敵に回す。
イザベラはそんな覚悟までしていたが、ついにシャルロットがイザベラを頼ることは無かった

350 名前:10/13:2006/12/18(月) 04:06:05 ID:O40Y0n0k
(同じ城内に居るのつらいなぁ……)
シャルロットが会いたくないのなら……と、イザベラはシャルロットを避け続けた。
騎士団の団員として動かさなければ、シャルロットに危険が及ぶことも無かった。
が、それは自由に城下をシャルロットが動き回るということで……
(うっ、また居るっ)
(あーーー、もうっ)
イザベラが嬉しい悲鳴を上げ続けていたある日……
(あ……れ?……シャルロット?)
後になってみれば、他愛の無い話。
家臣とも分け隔てなく接した、オルレアン公の娘もそうだった、それだけの事。
「……わたしとは……話さないのに……へー……そうなんだ」
自分は一生懸命気を使っているのに……裏切られた……
一方的な思い込みだったが、イザベラの胸に火を放つには十分で……
シャルロットと笑顔で話していたメイドは、些細な罰でイザベラに鞭を受け……
そのまま病院に運ばれた。

351 名前:11/13:2006/12/18(月) 04:06:44 ID:O40Y0n0k
イザベラは変わった。
メイドを病院送りにした次の日、シャルロットが会いに来て何もいわずに見つめたから。
(こうすれば……シャルロットは……わたしを……見てくれる……)
歪んだ理解。
自分に向けられるのが敵意でも構わなかった。
ジョゼフではなく、イザベラを見て欲しかった。
シャルロットと笑いあった
シャルロットと話した
シャルロットと目が合った
シャルロットの側に居た。
それだけでイザベラに鞭打たれる……
次第にシャルロットの周りに人は居なくなり……
シャルロットは笑わなくなった。
その頃から、シャルロットは書庫に入り浸り、側に居ても鞭打たれない本に傾倒していった。
イザベラはそれでも満足だった。
少なくとも今のシャルロットは自分を憎んでいるし……
本しか友も無く……城の中に……
自分の側に囚われていたから。

352 名前:12/13:2006/12/18(月) 04:07:18 ID:O40Y0n0k
「トリステインに通うですって」
「そうだよ、イザベラ、あの娘の希望だ」
また逃げられる……
「まぁ、任務の時には呼び戻せばいい」
にこやかに話すジョゼフだったが、
シャルロットを動かそうとしないイザベラに強制的に仕事を与えるための方便だった。
「……あの子の希望なんですね」
抑揚の無い声で確認するイザベラに、ジョゼフは喜々として頷く。
「あぁ、無論だなんなら聞いて見ると良い」
(そう……わたしの側……そんなにいやなんだぁ……)
壊れ始めた自分の娘を、ジョゼフは動物でも観察するように見つめ続けていた。

353 名前:13/13:2006/12/18(月) 04:07:59 ID:O40Y0n0k
(あぁっ、もう……アレを飲めば傷なんて綺麗に直るのにっ……)
イザベラはシルフィードに跨るシャルロットを見ながら思っていた。
「やっぱり、本人より周りが傷ついた方が怒るわねぇ……シャルロット」
次にどう生かそうか考える。
「……背中……痕残らないかしら……」
心の底から心配する。
「あのメイド……うまく使えば、シャルロット……もっともっと怒るわねぇ」
次の手を考えて、必要な手順をメモする。
「……シャルロットも母さま心配なのね……助けてあげたいわぁ……」
両方偽り無くイザベラの感情だった。

……シルフィードに乗ったシャルロットが今まさに飛び立とうとしていた。
「……落ちたりしないかしら?」
心配だった。
「傷の具合……大丈夫かしら?」

トリステインに向かって飛び立つシャルロットを見ながら、イザベラは思う。

……ねぇ、シャルロット……早くわたしを殺しにいらっしゃい……
彼女の一番の望みを。

354 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 04:10:09 ID:O40Y0n0k
以上、とゆーか異常とゆーか。
真ん中辺りまで投下して、反応見て後半とかって性格の悪いことも考えたけど……

黒い人って思われるのやだしぃ、やめといた。
保管庫の更新もしないとですけど、今日は眠いのでもう寝ます。
ではっ

355 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 05:30:58 ID:n8ilj3tq
歪んだ愛情か・・・これはこれで中々。
面白かったです、GJ!

356 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2006/12/18(月) 09:37:38 ID:wtzn/fh1
ずいぶん間が空きましたが投下いきますよ?

夜勤入りなので途中で切れてますが。
続きは帰ってきたら書くので明日以降になりまふ

357 名前:雨の降る夜は ◆mQKcT9WQPM :2006/12/18(月) 09:38:21 ID:wtzn/fh1
朝から雲行きは怪しかったが、案の定。
午後からはバケツをひっくり返したような土砂降りになった。

「…あっちゃー…こりゃ帰れそうにないなあ…」

宿の食堂の窓から外を眺めながら、才人は呟いた。
今日は、貴族年金の受給日。
才人は受給のために、馬で王都まで出てきていた。

「…シルフィードも、無理だよなあ…」

と、隣で本を読んでいるタバサを見る。
タバサは才人の視線に気づくと、頭をふるふると振って、

「…来ない」

と言った。
タバサの頭の中には、『こんな雨の中迎えに来いなんてふざけてるの!急ぎじゃないならゆっくりしてくればいいのねー。きゅいきゅい』というシルフィードの声が聞こえていた。
そう、タバサも一緒に王都に来ていた。
馬で学院を出ようとしたところに、タバサが現れ、

「連れてって」

と言われたのである。
シルフィードで行けばいいじゃん、と突っ込んだ才人だったが、その瞬間タバサが眉をへの字に曲げたので、慌てて馬の上に載せたのである。
タバサは何も語らなかったが、どうして一緒に行きたいってわからないかな、とその目が雄弁に語っていた。
しかしそのお陰もあって、馬の上でタバサは始終上機嫌だったが。
王都に着くと才人はタバサと一緒に受給に向かい、その後二人で王都の本屋に向かった。
そこでタバサが買ったのは、最新の恋愛小説。素直になれない女主人と、鈍感な執事の見事なまでの空振り具合が人気の、喜劇であった。
もちろん才人に字は読めないのでその内容は分からない。
時折本を読みながらにへらとするタバサを見て、何が書いてあるんだろーな、などと疑問には思ったが。
最近タバサはこういう小説がお気に入りだった。最初は才人との仲を進展させるテキストとして買い求めていたが、気づくとどっぷりハマっていた。
当然、学院の図書室にはこういった本は置いていないので、町に出て買い求めるしかないのだが、今、タバサの部屋の書棚の三分の一はこのテの本で埋め尽くされている。
…もちろん表紙に覆いをかけてカモフラージュはしてあるが。
そうしてタバサが『自分の誕生日なのにそれを忘れている執事に自分から言い出すのはアレなのでイロイロ試行錯誤して気づいてもらおうとする女主人』のくだりを読んでにへらとしていると。
外で降る雨の音が、一層強くなった。

「…こりゃあ、今日は王都から出たれないなあ」

隣の机で遅めの昼食を採っていた旅人らしい客が、そうひとりごちると、席を立って食堂兼宿屋のカウンターに向かう。
どうやら部屋を取るつもりらしい。案の定、その客は主人に言って、宿帳を持って来させていた。
その客は宿帳を書き終わると、隣の席に戻って、親切心からか、才人に向かって言った。

「あんたも早めに部屋とったほうがいいぜ。この分だとすぐに埋まりそうだ」

その言葉どおり、慌てて宿にやってきた数人の客が、同じようにして部屋を取っていた。
…しかし、一つ問題がある。

「…やべ、俺字書けねえよ…」

金があっても、字が書けなくては宿帳は書けない。
このままだと、泊まる場所もなくなってしまう。
その時、才人は思いついた。
…あ、そか。

358 名前:雨の降る夜は ◆mQKcT9WQPM :2006/12/18(月) 09:39:26 ID:wtzn/fh1
「…な、タバサ」

二人きりではないので、才人は『タバサ』の名で、隣で必死に『誕生日当日に二人きりになったはいいがその前日にお風呂で裸見られてまともに視線を合わすどころか会話すら出来なくて間の持たない女主人』のくだりを読みながらわくわくしている少女に呼びかける。
タバサは慌てて本を閉じると、

「…何?」

と才人に向き直る。
才人は、自分は字を書けないので今日泊まる部屋を取ってきてほしい、とタバサに懇願する。
タバサは軽く頷くと、席を立ってカウンターへ歩いていった。
カウンターには、すでに主人が立っており、宿帳を広げていた。
どうやら今日は食堂よりも宿のほうが書き入れ時のようだ。
主人は目の前に立った小さな少女を見て一瞬不審な顔をしたが、そのマントに輝くシュヴァリエの証を見て、彼女が貴族の子女だと理解すると、接客用の顔に切り替える。

「いらっしゃい。泊まりで?」

主人の言葉にタバサは頷く。
主人はインクの入った小さな壺に刺された羽ペンと、宿帳を差し出す。

「お泊りになるお客様の名前、部屋の数、続き柄を書いてください」

タバサはさらさらと二人の名前を宿帳に記す。
部屋の数。部屋の数はどうしよう…?
…ひ、一部屋でいいよね!
二部屋取ると、お金もかかっちゃうし!
サイトそんなにお金もってないから無駄遣いはよくないし。うんそうしよう!
と、いうわけで部屋は一部屋。
続き柄、はどうしよう…。
いろいろ考え、ある結論に達したタバサは、さらさらと続き柄を書いた。
そして、少し赤い顔で主人に手渡す。
主人は宿帳を確認すると、カウンターの奥に掛けてあった鍵を一つ手に取ると、タバサに手渡した。

「2階の一番奥の部屋になります。
 …ごゆっくり」

タバサは鍵を受け取ると、いそいそと才人の下に戻った。
主人の手元の宿帳には、『続き柄:夫婦』と書いてあった。

359 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2006/12/18(月) 09:39:59 ID:wtzn/fh1
短いけどキリがいいから今日はここまでー。
続きはまた明日(以降)ノシ

360 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 09:43:57 ID:x7yROdEq
乙だぜっ

361 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 12:34:09 ID:t+ctWJwb
ハヤテのごとく!が垣間見えた気がしたが
ともあれへんたいさんGJ!

362 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 13:17:32 ID:eNwz7VUD
タバサかわいいよ、かわいい!
せんたいさんGJだよ、GJ!

363 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 14:20:24 ID:PfTquuqO
>>359
せんたいさん GJ!

> タバサは始終上機嫌だったが。
きっと、ずっと本読んでるのは変わらないんだけど、雑談を話しかけたときに、
普段→無視or5回に1回程度はうなずいてくれる
上機嫌→2回に1回はうなずいてくれる
とか、そんな差なんだろうかw

364 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 14:32:00 ID:hVHSqYLz
待て。みんなよく考えるんだ。大雨でメイドも主人も追って来れない上に、使い魔は自分のお膝元。
へんたいさんのアンならこんなチャンスを見逃したりしない。すなわち…

2 大 王 女 の ガ チ 対 決 フ ラ グ が た っ た ん だ よ ! !

365 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 17:08:15 ID:cYLETF6k
な、なんだってー

366 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 17:25:24 ID:kkDF8VzL
もしかして…タバサってシャルロットじゃね!?

367 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 18:03:49 ID:MPrCcPpN
>>366
( ゚Д゚)(゚Д゚ )ヒソヒソ

368 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 18:06:42 ID:A16G/9L1
10巻発売って今週だっけ?

369 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 19:09:45 ID:3+eiWAZj
25日ってきいた

370 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 19:24:18 ID:p+VtQI8Y
タバサ=シャルロット

371 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 20:02:35 ID:tmMJDhIm
>>366
おまえマジで頭いいな

372 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 23:24:38 ID:uq+eUCsW
ってことは、あのルイズって女…もしかしたら
ラ・ヴァリエール家の三女ってオチなんじゃね?

373 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 23:28:54 ID:FRB9tikv
ヘタすると荒れるから止めないか?

374 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 00:10:19 ID:DvGAsR3K
一言だけ言わせてもらっていいか?
つまらん

375 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 00:18:10 ID:SQUctAGX
>>368
アニメイトみたら22日に変わってた
俺の住んでる周辺はいつも3日遅れるから結局クリスマスです
本当にありがとうございました

376 名前:夜這い:2006/12/19(火) 00:45:56 ID:2n4Ncx/v
 俺はルイズが熟睡するのを待って、寝床の藁敷きから身を起こした。
 ルイズは俺のことを使い魔としてしか見ていない。つまり人間として、ひいては男としても見ていないというわけだ。
 十七歳の思春期まっ盛りの俺としてはなかなか寂しいものがあるわけで、ついこのあいだ失敗した試みをリベンジとばかりにもう一度ためしてみようと思う。
 無論、この前とおなじ轍を踏まないための用意もした。それがこれだ。
『チャームの小瓶』
 つまり媚薬。これさえあればどんな跳ねっ返り貴族も俺の言うがままになるだろう。
 こんな卑怯な手を使うようになるとは俺も大人になったもんだ。
 断っておくが俺が外道なのではなくて、素直に俺に惚れてると白状しないルイズがいけないのだ、と言っておこう。
 いや、そんな建前も脇に置いておいて、大事なのは今この部屋に熟睡したルイズと媚薬を手にした俺しかいないという状況だ。
 ボールが転がりだせばあとは勝手に回り続ける。おそらくルイズも回りだしたら止まらないはずだ。
 広々としたダブルサイズのベッドで気持ち良さそうに寝ているルイズ。
 薄い夏用の毛布を取り去ると、ルイズのネグリジェ姿が目に映る。
 寝るときは下着を身に着けないルイズだ。ぺらぺらの生地を通して華奢な肢体が浮かび上がった。桃色に近いブロンドの髪がしどけなくシーツの上に広がっている様は、どこかこう……神聖というか、侵しがたいオーラを放っている気がする。
 俺は舐めるように全身を見下ろしながら、
「……ほんとに胸がないよな」
 ついついそんな言葉が漏れてしまった。
 ゼロ≠ニいう不名誉なあだ名で呼ばれる彼女の胸は「発育」の「は」の字ほども傾斜がない。呼吸と共に上下する丘はなだらか、というより草原に土が積もった程度のものだった。
 そんなことはいい。今はとにかく媚薬を使ってルイズをメロメロにするのが先決だ。
 ビンの表示を読んでみると、俺が手に入れた媚薬は口から摂取するタイプのものらしい。他にも特定の部位に直接塗りつける薬もあると深夜のテレビで見たことがある。
 塗るよりは飲んだほうが効果がありそうな気がする。
 俺は馬なりになる形でルイズの口元にビンを近づけた。


377 名前:夜這い:2006/12/19(火) 00:46:44 ID:2n4Ncx/v
「ん……うん」
「――っ」
 ルイズが眉をしかめる。
 まさか気配で気づかれたか……。
「……こと、聞きなさい…………バカ」
 どうやら夢のなかでも俺をこき使っているようだ。今に見ていろ、と心の中でつぶやく。
 俺はうっすらと開いた唇に小瓶をあてがい、中身の媚薬を――流し込んだ。
「んんっ――」
 さすがに違和感を感じたのだろう。ルイズが目を覚まそうとした、が俺はルイズの鼻をつまんで媚薬を流し込むことを優先させた。
「んっ…………」
 ごくっ。
 確実に嚥下する音が聞こえた。
 俺は起き上がろうとするルイズの肩を押さえつけ、まずはその反応をうかがう。
「あ、あ、あんたっ。なな、何を飲ませたのよっ!」
 ルイズは整った眉を吊り上げて猛然と俺を睨みつけてきた。
 寝床に忍び入るのも二回目だからか、指摘するポイントが若干ずれているような気もする。
「性懲りもなく主人の寝床に上がるなんて、あんた使い魔として失格よ!」
「んなものはこちらから願い下げだ」
 俺の顔に息巻くルイズの息がかかる。どこか甘ったるいような独特の匂いが鼻をくすぐった。
「で、いったいわたしに何を飲ませたのよ。どうせろくなもんじゃないんでしょ」
 なかなかに勘が鋭い。
「なに、お嬢様が寝苦しそうにしていらっしゃったので、僭越ながらお水を含ませていただいたまでです」
「そのバカ丁寧な口調が嘘の証拠だっていうのよ」
 さすがは俺の主人だ。俺の性格をよく理解していらっしゃる。
 しかし嘘を見破ったからといって飲み込んだ薬はどうにもできないぜ。
「でいうかあんた邪魔よっ。手を離しなさい!」
 ……おかしい。ルイズの口調は衰えを知らず、依然として強気なままだ。薬の影響がどのような形で現れるかは分からないが、何の変化もないのは効き目がないということじゃないか?


378 名前:夜這い:2006/12/19(火) 00:47:40 ID:2n4Ncx/v
「サイト!」
「あー、うん。その、だな……」
 まさか薬がにせものだったとか? ルイズは薬に対して耐性があるとか?
 俺はルイズの詰問にひたすら目を泳がせた。
 答えられるわけがない。かといって他に理由は思いつかない。
 こうなればヤケだ。
「わふ、あ、あんた! ちょ、はなれ――」
 俺はルイズの肩を押さえていた両腕でぎゅっと、押しのけられないくらいぎゅっと強く抱きしめた。
「ば、バカ! サイト!」
 抱きすくめられたルイズがじたばたと抵抗する。しかし杖さえなければ魔法も使えない。
 今のルイズはただのか弱い女の子だ。
 薬の効力なんてこの際どうでもいいか。やや強引な気もするが押し進めていけばきっとルイズも大人しくなるだろう。
 まあ俺の腕次第だけど。
「は、はなれなさいって……言ってるでしょ!」
 ぎゃーぎゃーわめくルイズは顔を真っ赤にし、噛み付かんばかりに暴れようとするが俺の抱擁で身動きは取れない。
 引いたら負けだ、と頭のなかの悪魔がささやいた。
 俺はルイズの首筋に顔を近づける。
 ちゅ。
「――っ」
 ごく自然に唇をつけ、舌の先で少しだけ舐める。
「ひっ、ぁ……」
 ルイズが一層はげしく身体をくねらせ、俺の包囲から抜けようとした。
 だからといって俺も男だ。ここまできて逃がしはしない。
 ルイズの身体に回した腕に力を込める。小さな身体をむりやり押さえつけた。
 ちゅ……ちゅ、あむ。
 首筋を舐め上げ耳の裏。そして耳たぶを優しく咥えてみる。
「はあ、ぁ……はぁ」
 ……ルイズの息が熱っぽい。気のせいかもしれないが若干、抵抗の力も弱まったように感じる。もしかしてこれは……。


379 名前:夜這い:2006/12/19(火) 00:48:31 ID:2n4Ncx/v
「ルイズ。お前もしかして――」
「ば……か。からだ、が、あつ……だけ……」
 身体が熱い?
 まだ大したことはしてないのだが。
 これはルイズが感じやすい体質……というよりは、さきほど飲ませた媚薬がようやく効いてきたと考えるべきだろう。
 それなら話は早い。
 あとは攻めるだけ!
「あんた……しん、で、わび…………から……」
 ルイズの強がりも尻つぼみだ。もはやその程度の脅迫に怖れる俺ではない。
 俺は薄っぺらいネグリジェの上からそっと撫でた。
「あ……」
 肩の付け根から脇腹まで、すーっと走らせる。ゆっくりと、道に迷ったようにくねくねと這わせる。へその周りを周回したら今度は上昇。
 かすかな盛り上がりの間で指を止める。
「右と左、どっちがいい?」
 わざとらしく訊いてやった。
 ルイズの顔はほんのりと上気していて紅潮した頬が生々しい。
 白い肌に朱がさすだけでこんなにも愛らしくなるなんて。
 ルイズはかわいい。何度でも言いたい。ルイズはかわいい。
 そんなかわいいルイズの答えは、
「んっ……ば……か……」
 精一杯の虚勢が返ってきた。
 言ってることはいつもと変わらないのに、苦し紛れのその抵抗は否が応でも俺の嗜虐心を刺激した。
 もはや身体に力を入れることもままならない様子のルイズ。いや、本能的な欲求が抵抗しようとする意思に勝っているのかもしれない。もっと気持ちよくなりたければこのままじっとしていればいい、と。
 俺は手を離し「右か左か」ではなく、「右と左」の両方のふくらみに指の腹を滑らせていった。


380 名前:夜這い:2006/12/19(火) 00:49:55 ID:2n4Ncx/v
「はぁあっ……ぁ……あぁ」
 平らな丘の頂上を目指すようにゆっくりと、円を描くように外側から半径を縮めていく。もう一方では逆回転で丘を登る。
 白いシルクの生地を通して、ぴくっと跳ねる震動が伝わってくる。
 震える丘もしかし、黙っているつもりはないらしい。
「ルイズ。これはどういうことだい? 貴族ともあろう者が、こんなことをされて喜ぶなんてプライドの欠片もないのか?」
 いつもの仕返しとばかりに嘲笑ってやった。
 ルイズの控えすぎな双丘の頂上は、ぷくっとその標高をわずかながらに高めていた。
「く……ぁぁ……」
 歯噛みしつつも上気した頬はピンク色。薄い寝巻きを押し上げる「それら」が快感を覚えている証拠だった。
 俺は上へ膨らもうとする二つの点を拝むために、ルイズのただ一つの衣服を脱がせていった。
 ネグリジョを剥ぎ取り、頭のてっぺんから足のつま先までを月明かりに晒す。
 一つの染みもない白亜の裸体。
 彫像と見紛っても不思議ではない、バランスの取れた肉付き。
 ウェーブのかかった桃色の髪。
 鼻筋の通った小顔。
 無駄な肉のない――胸部のふくらみすらない、スレンダーな体躯。
 一つ一つの要素が示し合わせたようにマッチしてできあがる、完璧な肢体。
 その細い体つきの中央に位置する二つの点。小さく、かすかに震えるピンクの頂点を、俺はおもむろに摘み上げた。


381 名前:夜這い:2006/12/19(火) 00:50:43 ID:2n4Ncx/v
「ひぁっ……は、あぁ……」
 ルイズの身体がびくっと跳ねる。その顔は苦しそうでありながら、どこか惚けているような――まさに恍惚とした表情だった。
 成長の足りない双丘の小粒を、ゆっくりと指をずらしながら、優しく捻っていく。
「あ、ああ……」
 尖った先端が硬度を増す。
 くり……、くり……。
 程よく硬く、大きくなったのを確認して俺は指を離した。
 ルイズの表情が束の間の緩みを見せるが、休ませてはやらない。
 指から離れたピンクの小粒を、今度は口に含んでやった。
「やっ――ぅ……くぅ……」
 舌の先で転がすように、四方八方から先端を湿らせていく。
「はぁあ……ん……はぁ」
 頂点の周りの輪に沿って何度も円周運動――
「あっ……ふぅ、んっ」
 やにわに先っぽを激しくつま弾き――
「はっ、あっ、く……ぅ……」
 すぼめた口先で吸って吸って――
「はああぁぁ……」
 あの手この手と、少ない技巧を最大限に活用してルイズを攻め立てる。
 俺は口を休めることなく、空いた手を下へおろしていく。
 そこは足と足の間にある丘陵、女性にとっては最後の砦。
 覆われるもののない聖域に、そっと手を添えていく。
 くちゅ。
「――っ」
 一段と大きく身体が跳ね上がった。腰をくねらせ、逃れる素振りを見せるもののほとんど力が入っていない。薬の効き目もあるだろうが、拒む意思もなくなっているのだろう。
 添えた手のひらでさすりながら俺は言った。


382 名前:夜這い:2006/12/19(火) 00:53:39 ID:2n4Ncx/v
「ルイズ。こんなにぐしょぐしょにしちまって……。どうしようもないな、お前」
 俺は息も絶え絶えのルイズに揺さぶりをかける。プライドの高い普段のルイズなら目を吊り上げて噛み付いてくるはずなのだが、
「はぁ…………はぁ……」
 もはや勢いの欠片もない。潤んだ瞳で見つめ返してくるだけだった。
 常に強気な眉も垂れ下がり、小さな口から漏れる弱々しい呼気は悩ましく、上気した肌に薄っすらと浮いた汗はなまめかしかった。
 魔法使いの風格も威厳も何もない――ただの少女だった。
 胸がゼロ≠ネだけではなく、手の感触から伝わってくる限り、そこはまだ生え揃っていない――というより生えていないのが分かる。そんなところまで律儀なゼロ≠ノ一抹の背徳感を覚えつつ、無性に湧き上がる煩悩を抑えきれない。
 俺はルイズの細い両脚を多少強引に開かせていく。
 腿のあいだに据えられた狭い聖域。
 その小さき恥丘は誰の侵入をも許さないかのように扉を閉ざしている。それにも関わらず隙間から糸を引いて流れる液体は俺の目をごまかせない。
 俺はそっと顔を近づけ、幼すぎる無防備な割れ目に舌を差し入れた。
 ちゅぷ。
「やぁっ……ああっ、ぅ、あ……」
 縦の亀裂に沿って透明な愛液を舐めとっていく。なるべく内側からすくいとるように舌を上下させる。
 ちゅぱ、ぴちゅ、じゅ……。
 室内に卑猥な音が満ちた。
「あぁ……ら、め……ぇ……」
 言葉とは裏腹に、ルイズは自らの手で自分の乳首を弄び始めた。ピンクの先端をつねり、引っ張り、捻って嬌声を上げている。


383 名前:夜這い:2006/12/19(火) 00:55:44 ID:2n4Ncx/v
 俺も負けじと開きかけはじめた花弁をついばんでいく。
 割れ目の上部にはぷくっと張り出した新芽がひとつ。それも忘れずに甘噛みしてやった。
「あっ、ひあっ…………あ、ふぁ……」
 悶えるように腰を浮かせるルイズを両手で押さえ込む。身動きを許さず、舐めて、吸って、噛む。
 溢れかえる液汁は吸っても吸っても次々に漏れてくる。きりがない。
 それならいっそ、存分に気が済むまで吐き出させてやればどうだろう。
 俺は充血した小豆をつつきながら、小さな秘裂に中指をあてがって――入れていく。
 じゅ……ぷ。
「ふぁっ……は、ああぁ……」
 お子様な身体の通り、狭くるしく四方から圧迫を受ける細道とはいえ、充分な潤滑油をもってすれば指の一本くらいは難なく咥え込んでいく。
 一関節入るごとに指を折り曲げ、柔らかな内壁を掻くように擦る。ぬめった感触がまとわりつきながらも指の根元まで押し込んだ。
 ず……ちゅ、ぷ。
「ひ……はぁ……はぁあ……」
 ルイズの息が熱い。すでに理性は影も形もなく、焦点の合わない視線を宙に投げている。
 俺は熱く脈動するルイズの中で、前へ後ろへ、指を送り続けた。
「はぁ、ひ、ぁ……ん、っく……」
 ぴちゃ……ちゅ……じゅ……。
 火照った恥丘を伝って漏れ落ちる粘液。白い濁りと共に粘り気も多くなっていく。
 関節を曲げて内壁を刺激するたびにルイズの吐息が熱を帯びる。
 時に遅く、時に早く、角度を変えて突き入れれば締め付けが強くなって快感を伝えてくれる。
 繰り返される抽送にルイズの瞳から水滴が零れた。喘ぎ声も堪えず、快感に身を委ねている。


384 名前:夜這い:2006/12/19(火) 00:56:16 ID:2n4Ncx/v
「ルイズ、気持ちいいか?」
 俺の言葉に一拍の間もおかず、ルイズの頭が激しく縦に振られた。正直でよろしい。
 どんどん窮屈になる秘孔からして、そろそろ限界だろう。
 前後に抜き差しされる速度を上げ、ルイズの中を掻き混ぜていく。
「――あっく、ぅ、ああ……」
 両手を頭の上に回し、必死にシーツを掴むルイズ。
 涙をこぼしながら淫らな声を挙げるルイズ。
 その姿が目に焼き付けられて、俺の脳内を欲情が支配する。
 ――このままルイズを、この生意気な貴族をイカせてやる!
 俺は無理を承知で、ルイズの細い小径に二本目を突き入れた。
「――ふっ、ああぁ…………」
 額に大粒の汗を滲ませてもがく。
 スムーズさは欠いても、なんとか出し入れできる。指と指で広げるようにするとルイズの顔が一層赤くなった。
 指の隙間から流れる濁った液が目に見えて増える。羞恥が快楽を増幅させているようだ。
 じゅ、ず、ちゅぷ。
 勢いをつけて挿入を続ける。
 わずかにルイズの身体が震えはじめた。限界はすぐそこだ。
「ルイズ。イキたくなったら遠慮なくいけ」
 目を瞑って必死に堪えていたルイズと視線が合う。
 ぼろぼろと涙をこぼしながら、押し寄せる高波にためらうルイズの瞳が揺れた。
「さあ!」
 全力で引き抜き、最奥まで突き入れる。
 肩が振るえ、胴体が振るえ、秘道が振るえ――そして震える声でルイズが哭いた。
「あっ……ふぁああああぁぁ――」
 仰け反る背中。痙攣する腹。
 絶頂に達した身体は弓なりになって震え続けた。
 月の光を浴びた白磁のルイズを、俺は最高に美しいと思った。


385 名前:夜這い:2006/12/19(火) 00:57:01 ID:2n4Ncx/v
 で、俺は床に転がされているわけなのだが。
「言い残すことはある?」
 あのあと小休憩を挟もうとした俺は果てたはずのルイズに隙をつかれ、魔法で爆発させられたあげくロープですまきにされた。
 手も足も出ないとは言いえて妙。せめてもの抵抗で舌を出す。
「反省の余地なし、と。それじゃあ貴族を怒らせるとどういうことになるか、死をもって味わいなさい」
 杖をかざしたルイズが揚々と呪文を唱え始めた。
 ああ、もう終わりかも。
 もしものときは誰か骨くらい拾ってくれ。
 目のまえで口の端を吊り上げたルイズが、魔法を放った。


                      おしまい

386 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 01:10:16 ID:Z9C26Wph
ちょ、バッドエンドとは予想外w
しかし…こういう展開のSSって実は初めてなんじゃないかしら。
新境地開拓GJ!

387 名前:Coa:2006/12/19(火) 15:20:15 ID:i3g3crs8
いつも皆さんのエロ作品、パロ作品を楽しませていただいてます。
『ルイズの優雅なデート録』。話の続きなんて、有って無いようなものですが
一応続きを書いたので投下させていただきます。
えー、因みに前回の内容は『ルイズと才人が町へ買い物に行くことが決定』
この一行で事足りるようなお話です。
前回共に軽くルイズが壊れているので、そういうのが嫌な人はスルーしてください。



388 名前:ルイズの優雅なデート録:2006/12/19(火) 15:24:31 ID:i3g3crs8

「平民の格好で?」
「あーうん、だって目立つし。」

相変わらず、学生寮の個室で押し問答を続ける主人と使い魔。
つーかお前らまだ出発してなかったのか?

「何でよ!?
任務でもないのに、何でわざわざ身分を隠さなきゃならないのよ?」
「いや、なんつーか、買いにくいんだよ。
貴族の格好なんかしてると無駄に注目集めるし、店の主人にもやたら恐縮されるし。
モノ買うくらいであんまり目立ちたくないんだ」

大体貴族の格好で買い物なんかしたら、無駄に足元を見られてしまう。
ルイズの普段着一つとってみても、ほとんどが絹仕立てで固められているのだ。
売る側としてみれば、ここぞとばかりに高級品を薦めたくなるだろう。
才人だって、ルイズほど世間知らずではないにしろ、その手の駆け引きに関してはズブの素人である。
どんな口八丁手八丁で言いくるめられて、バカ高い代物を買わされるか
分かったものじゃない。
才人としては、出来るだけ余計な注目を集めずに、一般客の一人として
空気のようにひっそりと物色しつつ、速やかに値札通りの購入を済ませたい気分だった。


389 名前:ルイズの優雅なデート録:2006/12/19(火) 15:25:19 ID:i3g3crs8

「だから俺もシュヴァリエのマントは置いていくよ。
まぁ何があるかわからないから、デルフだけは布で固めて持っていくけど。
悪いけど、お前も出来るだけ目立たない格好で頼むよ」
「う、うぅ」

一方のルイズはなかなか納得がいかない。
毎度のことながら、このクサレ使い魔は口だけは達者だ。
平民の格好で行くメリットと貴族の格好でいくデメリットを、
今の自分たちの状況に照らし合わせ、理路整然と並べ立てる。
なんで公爵家のご息女たる自分が、このバカ使い魔ごときに反論できないのだろう。
頭脳明晰、才色兼備、完全無欠のお嬢様であるこの私が
なんでこんな虫けら以下の使い魔に!
ひょっとしてコイツ前々から今のクソ論理展開、準備していたのではないだろうか?
うむ。きっとそうだ、そうに決まってる。
きっとこのバカ犬、純真無垢なご主人様をやり込めるために一年ぐらい前から計画を練って
この詭弁を用意していたに違いない。
まぁそうでもしないと、アッタマいいご主人様を説得するなんて不可能よね、ハハン。
念入りに熟慮熟考してずっと計画を実行するチャンスを窺っていたのだろう。
あ、なんかそう考えたらムカついてきた。 
そうだ。そうなのだ。
そうでなきゃこんなに高貴で清楚なご令嬢が、下賎で愚鈍な犬畜生に説き伏せられるはずがない。
オノレ、なんとも卑怯千万な!
犬の癖に! 駄犬が! 雑種が! 家畜風情が!
私を! 嵌めるために! わざわざ! 一年も前から!……ん?
アレ? つーか一年前っていつぐらいのときだっけ? 
いや、待て!
一年前といえば、私がこのバカを召喚した辺りじゃない!?
畜生! あん時からご主人様を言いくるめるための計画を練ってたわけか!
いや、それどころじゃない!
むしろ、そのためにわざわざ召喚されてきたんじゃあるまいか!?
この私をやり込めるこの瞬間のためだけに、わざわざ異世界まで!
な、なんたること…  ガガーン!(←落雷)


390 名前:ルイズの優雅なデート録:2006/12/19(火) 15:30:55 ID:i3g3crs8

ご主人様のゴキゲンな脳みそはとどまるところを知らない。
彼女はキバヤシさんも真っ青なプロファイリングで着実に彼女だけの真相に近づいていた。
もはや彼女にとって、二人で買い物に行くことが決定したのが
つい三分前だとかいう小癪な言い訳は通用しない。
自分が無理矢理、買い物の同行を強制した事実など、知ったこっちゃないのだ。
彼女にとってコレはもはや戦争、いや、聖戦なのである。

しかし、ここで彼女の頭に起死回生の妙手が閃く。
それは神の啓示だった。

ルイズ、アキラメナイデ。

確かに聞こえた。神のお告げが。
素晴らしい。これこそ奇跡の体現である。

ルイズ、アレヨ、アレ。ホラ、アレアレ。

何だか微妙にアタマの悪そーな神のお告げだが、ルイズには効果は十分であった。
そうだ。アレだ。アレがあるじゃないか!
更に神の声はルイズを後押しする。

アレナラ、アンナバカイヌ、イチコロナンダカンネッ

……おい、こいつホントに神か?
ルイズ以外が耳にしたなら、きっとこの時点で疑わしく感じたのだろうが、
幸いにして彼女以外に神のお告げが聞こえることは無かったので、事態は丸く収まった。
まぁともかく。
神を味方につけたご主人様の表情は、みるみるうちに満面の笑みに変化していく。
彼女も色々と忙しいヒトである。


391 名前:ルイズの優雅なデート録:2006/12/19(火) 15:32:11 ID:i3g3crs8

「分かったわ。平民の格好をしていけばいいのね?」
「あぁ、悪いな。よろしく頼むわ。」

そういってルイズは、脱兎のごとく部屋の奥に引っ込んだ。

才人からしてみれば、プライドの高いご主人様が平民の格好をしていくのに
どれだけ抵抗されるのか、正直その説得を思い遣ると頭を抱えたい気分であったが、
案外すんなり応じてくれたので、ほっと胸を撫で下ろしているところであった。
着替えを待ちながら、平和な面持ちでのんびりと思考する。

いつもあんだけ素直だと助かるんだけどなあ。
平民扱いされることをあんなに嫌うアイツがよく納得してくれたもんだ。
うん。少しはアイツも俺の立場に立って物を考えるようになってくれたわけだな。
色々苦労させられたことも多かったけど、それが報われた今となっちゃそれもいい思い出だよ。
これまでの苦労なんかよりも、ルイズの成長が今は何よりも嬉しいことだ、ホントに。

哀れな使い魔は、偽りの平穏に心底陶酔していた。

一方のご主人様は、有頂天外を登る心持ちである。
フフフこれ着ていきゃイチコロじゃねーの。
何せ神様じきじきのお墨付きである。
前回コレ着たときはお互い不幸な事件が重なったため、うやむやになってしまったが、
今回ばかりは邪魔者も不意打ちも存在しない。
クククさあ跪けムシケラ!
今こそ女神のごとくご主人様を崇拝するのだ!

ルイズにとって己の勝利はもはや目前であった。


392 名前:ルイズの優雅なデート録:2006/12/19(火) 15:33:28 ID:i3g3crs8

そんなわけで、意気揚々と使い魔の前に現れたご主人様は

「サイト、お待たせ!」

はち切れんばかりの笑顔で、メイドのセーラー服を着込んでいた。




時が、止まった。




ルイズの表情は得意満面。
才人の褒め言葉を今か今かと待ち続けている。

一方の才人はそれどころではない。
え、なに、コレ? 何かしら?
才人は知らんうちに脳内で女言葉になっていた。


目立たぬ服の 要望に セーラー服での ご登場。


自分の意図を汲み取ってくれたはずのご主人様じきじきのご凶行。
何だろう、禅問答かしら? 
ルイズ一流の、悟りの境地からの問い掛けかしら?
どうしよう。分からない。
修行の足りない自分には、この問い掛けは余りにも難しすぎる。

と、そんな風に才人がパニクっていると、何も言ってこない使い魔にご主人様は少々イラつき始めたらしい。

「なんか言うことあるんじゃないの?」

地の底から響くような声。氷のような視線。
神を味方につけたルイズは、いつの間にか地獄の使者に成り代わっていた。


393 名前:ルイズの優雅なデート録:2006/12/19(火) 15:35:49 ID:i3g3crs8

普段から主人の虐待に身を晒される哀れな使い魔は、この言葉に脊髄反射のごとく戦慄する。
ぐびり、と己の唾を嚥下する音が、他人事のように響いた。
コレは、やばい。
ダメだ。間違ってはいけない。
この問題は、誤答コレ即ち死である。
何で着替えを待ってただけで死の局面に立たされているのかは、いつものごとく理解不能だが、
下手なことを言った瞬間、ひき肉にされることだけは間違いない。
汗だくになりながら脳内CPUをフル回転で機能させ、
彼はこの状況での、経験則による最適解を己の脳内からほじくり出した。
即ち、懐柔。
彼の決断は早かった。
自分の持ちうるあらゆるボキャブラリーを駆使して、才人の口先はマシンガンのごとく眼前の主人を賛美する。

「あぁボクの麗しいご主人様とってもとっても可愛らしいでございます
その艶かしいおみ足も神々しいご尊顔も豊満なご肢体も全てが張り裂けんばかりの危険極まりない魅力に満ち溢れた今日この頃
その黄金率をも陵駕せん究極絶頂たる神の美貌にあらせられましたら全ハルケギアの草も木も花も蝶も鳥も月も星も天も全てが全て下の下の下の下の下に相違ございません
我らがご主人様はまさに眉目秀麗一騎当千完璧超人百獣の王でございますヒャッホー!」

とにかく褒めちぎれ! 畳み掛けろ! 言葉を絶やすな!
嘘でも捏造でも意味不明でも何でもいいからコイツを満足させるのだ!

「なんということでございましょうご主人様の美しさときたら――」

そんな風な、歯が浮くどころかアゴごと吹き飛びそうな大絶賛を並べ立てる才人に、
ご主人様は満更でもないご様子。

チャンス!
才人はこの機を逃さない。

「ところでその服装も重々素晴らしいものだと存じておりますがボクあの黒いワンピースなんかとってもご主人様の可憐さを引き立てると思うんでございますの。
うん、アレこそご主人様に最も似合うお洋服に違いない。
あぁ、アレ着たご主人様さぞかしお美しいでございまそうなあ。ボクもう辛抱たまんないかも」

卑屈、姑息、打算の三拍子そろった今の才人は、主人のご機嫌の回復を図りつつ
本来の目的でもある『真っ当な』平民の格好への着替えも同時に算段する。
彼の命懸けのヨイショは、中々に見事な手際であった。

「そ、そう? そこまであんたが言うならしょうがないわね。
ご主人様、仕方ないから着替えてきてあげるわ。うふふ、えへへ、ぐふふふふ」

ルイズがそう言って再び奥に引っ込んだ瞬間、才人は液体的な動きでその場に崩れ落ちた。
何とか。
何とか先程の絶命的な危機は逃れることが出来たらしい。
才人は心の底から安堵し、今の命あることを神に感謝した。
ご主人様に着替えてもらうだけで、死を覚悟しなければならない使い魔。
才人の日常はいつもこんな風に命懸けであった。

因みに五分後、再び使い魔は命懸けの褒め言葉を絞り出さねばならない死の局面に立たされるのだが
彼は完璧に失念している様子。
今はそっとしておいてあげるべきであろう。南無。


394 名前:Coa:2006/12/19(火) 15:37:34 ID:i3g3crs8

仕事をしながら高いクオリティと更新頻度を保ちながら投下し続ける
他の職人さん達は、本当にすばらしいです。
クオリティ、頻度共に及ばないかもしれませんが、楽しんでもらえたら嬉しいです。

395 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 17:32:25 ID:WN32L1DW
る、るいずがあほの子になっちょる……だがそれがイイ、からういのう
しかしメイドの人にはドロワーズ(ハルキゲニアでは一般的下着?)だからセーラー服だと
「はいてない」属性攻撃になっとりましたが貴族のルイズ様におかれましてはそれが欠けることで僅かに攻撃力が低いと思いますがいかにっ

396 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 20:11:01 ID:Kub2jdiV
ルイズかわええw
乙かれ

397 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 20:16:38 ID:zfndow3A
ひょっとして…ルイズって馬鹿なんじうわなにをするやめ)qiem.akny

398 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 23:27:54 ID:Z9C26Wph
くそワロタw
その調子でどんどん飛ばしてやってくださいw

399 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 23:40:29 ID:PiaKn49j
微妙に頭の悪そうな神のお告げワラタw

400 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 15:07:19 ID:Y/emXr2x
誰か俺をビンタしてくれ!!
大至急頼む!!今日、オタじゃない友達に本が見つかって
「何これ?」
『…知らね(ごまかせてない)』

とゆうふうにゼロが見つかって恥ずかしいとか思ってしまった!!
おれをビンタしてくれ!!

401 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 15:45:56 ID:LlHioTQQ
( ◎д◎) せい
⊂彡☆))Д´)>>400


402 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 15:49:01 ID:oUm2i+NY
>>400
ごまかし方があまりに切なくてとても殴れません…

403 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 15:57:08 ID:MPyOGGCU
悲しいことだな。俺もまったくおなじことがあったが
「ん?それ弟が持ってたんだけどさ、あんまりおもしろくねーよ」
と返した。すまん弟よ

404 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2006/12/20(水) 16:57:56 ID:VCUCtzyk
>>400/403
歯をくいしばれ!顎をひけ!
さあ今から千回叫べ!
「今日からアナタがご主人様にゃんっ」
…そしたら許してやる。

…まあこのスレ見てるのバレるよっかマシだぜベイベ★

それはともかく続き投下するじょー。

405 名前:雨の降る夜は ◆mQKcT9WQPM :2006/12/20(水) 16:58:39 ID:VCUCtzyk
シャルロットが部屋を取ってきたんで、俺たちは部屋に向かった。
階段を上がって、一番奥までシャルロットは進む。
えーと?
そのまま何の躊躇いもなく鍵を開けて、中に入ろうとする。
その?

「えっとタバサ、俺の部屋の鍵は?」

俺は勿論別室のつもりだったんで、鍵がないのはおかしいと思っていた。
だから、俺は当然のように鍵を要求したのだが。
シャルロットは平然と言った。

「部屋はここだけ」

…あのーう?
若い男女が二人で一つの部屋って。
すいませんいくらなんでもダイレクト過ぎじゃないかとー?

「…タバサ?」

俺はありったけの疑念を込めて、『なんで部屋一個しか取らなかったのかな?お兄さん怒らないから言ってごらん?』という視線をシャルロットにぶつけた。

「空いてなかった」

答えは直ぐに返ってきた。
空色の春風と共に。

「…私と一緒じゃ、イヤ?」

…だから、その泣きそうな顔で上目遣いっての止めなさい。
俺は断じてロリコンなわけじゃないけど、日本男子の半分はその視線でお願いされたら断れません。

「…わかったよ、一部屋しかないんじゃしょうがないよな…」

言って、俺はシャルロットの開けてくれたドアをくぐって、部屋の中に入る。
中に入って備え付けのランプに火を燈していると、背後でドアに鍵を掛ける音が聞こえた。
明るくなった部屋の中を、改めて見渡す。
…けっこういい部屋じゃん。
つくりもしっかりしてるし、備え付けのクローゼットがあったりするし、窓は頑丈そうな鎧戸だし。
…ベッドはもちろん一つしかなかったけど。
…さて、どうすっかなあ。

406 名前:雨の降る夜は ◆mQKcT9WQPM :2006/12/20(水) 16:59:16 ID:VCUCtzyk
…よかった、サイトがちょっと足りない人で。
ちょっと足りないくらいの方が、恋人にはちょうどいいって本に書いてあったけど、その通り。
少し鋭い人ならすぐにこの部屋がどういう部屋か分かってしまうだろう。
音が他の客室に漏れないよう、物置部屋を挟んで設えられたこの部屋は、廊下にも音が漏れないよう、壁は厚く、また扉も厚い。
外から中を伺えぬよう、また、朝が来ても日が差さぬよう、窓は頑丈な鎧戸に覆われている。
行為の際脱いだ服をしまうクローゼットもあるし、もちろん…。
ベッドは一つ。
ちらりとサイトを見ると、荷物を置いてマントを脱いでクローゼットの中に掛けている。

「シャルロットもいい加減マント脱げよ。邪魔だろ?」

私を本名で呼んで、手を差し出してくる。
私は言われたとおりマントを脱いで、サイトに手渡す。
サイトはマントをしまい込むと、ベッドに寄っていき…。

『おいで、シャルロット』
『う、うん…』
『怯えているのかい?震えてるよ?』
『ふ、ふるえてなんか』
『そうかな?みみたぶがぷるぷるしてる』
『ひゃぁんっ!』

…私は衣擦れの音で現実に戻った。
いけないいけない。最近恋愛小説の読みすぎで妄想癖が…。
アホの子じゃないんだから…。
ベッドの方を見ると、サイトがベッドからシーツを一枚はがして、抱えている。
…なにしてるのかな?

「じゃ、シャルロットはベッドで寝なよ。
 俺は床で寝るからさ」

…な。
なんですとーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?
サイトはそのまますたすたと部屋のすみっこまで歩いていくと、器用にシーツに包まって、こてん、と横になった。

「んじゃ、シャルロット、おやすみー」

ここまで来といて!
なんでこの朴念仁は!
訂正!ちょっと足りない人ダメ!ぜっんぜんダメ!
ていうか。
空気読めこのバカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
私はいつもより仏頂面になって、サイトの横まで歩いていく。
サイトは既に目を瞑って…。額になんか妙な汗をかいてる。
ほう。気づいているのに寝てるふりですかお兄ちゃん。
いい度胸してますね?
私はシーツの上からサイトの足首をむんずと掴むと、容赦なくひきずっていった。
後ろから床板の上を硬いものが擦る音と、『いでっ!いででっ!』とか言う声が聞こえるけど。
無視!
私はベッド脇まで来ると、杖を振ってルーンを唱える。
シーツに包まって芋虫みたいになっているサイトが魔法の風で浮き、ベッドの上に運ばれる。そのまま魔法を解くと、サイトはベッドの上に落下する。ベッドが軋んだ音をたてた。
私は杖を放り出すとベッドに這い上がり、転がっているサイトの上に乗る。
サイトは「なにすんだよ!」とか怒ってるけど。
怒 っ て る の は こ っ ち の ほ う。
せっかく。
せっかく二人きりになれたのに。
せっかく一緒の部屋なのに。
せっかく、一緒の夜を過ごせると思ったのに…。
なんて考えてると、頭の中が…ぐちゃぐちゃに、なって…。

407 名前:雨の降る夜は ◆mQKcT9WQPM :2006/12/20(水) 17:00:12 ID:VCUCtzyk
才人を魔法でもってベッドの上に転がし、馬乗りになったかと思うと。
タバサはいきなり泣き出した。
才人の上で俯き、才人の胸に手を置いてしゃくりあげる。
慌てて才人は自分の行動を思い出す。
…なんも問題ない気がするんですけど…。
しかし、目の前で泣き出した少女に、なにか声を掛けないことには。
…自分が悪者みたいじゃないか。

「ど、どうしたんだよシャルロット…」

才人は言って、上半身を起こし、タバサに手を伸ばす。
タバサはその手を振り払い、才人を睨みつけた。

「…ばか」

そして、上ずった声で一言。
その視線に思わず怯む才人。
殺気が載っているわけでも迫力があるわけでもなかったが、タバサのその視線と言葉は、才人を怯ませる何かがあった。
そのままタバサは、いつもの仏頂面になって、才人を罵倒する。

「…朴念仁」
「…う」
「…せっそーなし」
「…い」
「…色情狂」
「…お、おい」
「…へんたい、ロリコン」
「…あ、あのなあっ!」

さすがにたまりかねたのか、才人はタバサの肩を掴む。そして、罵詈雑言を浴びせてきたタバサに顔を寄せる。
今度は、振り払わなかった。

「…鈍感」

そう言い放って、一瞬の早業でタバサは才人の唇を奪った。
いつもの仏頂面ではない。才人を想う、少女シャルロットの顔になって、タバサはそのまま才人に抱きついた。

「…せっかく二人きりなのに」

そして、あらん限りの力で才人に抱きつく。
才人はしかし、両手を所在なげに震わせるだけだ。

「…どうしてそうなの」

そのまま勢いよく、全体重を才人の上半身にかける。
タバサにそのまま押し倒される才人。

「…シャルロット、したくないかもしれないだろ?」

タバサの下で、言い訳じみた台詞を吐く才人。
…この状況で?そういう台詞を吐く?
タバサは決心した。言わないとわからんのだ、このニブチンは。

408 名前:雨の降る夜は ◆mQKcT9WQPM :2006/12/20(水) 17:01:05 ID:VCUCtzyk
「…いつだって」

タバサはそう言って、才人の顔に、ぎりぎりまで自分の顔を寄せる。

「…サイトになら、いつだって抱かれてもいい」

そして、才人の唇に自分の唇を押し付ける。
まるで刷り込むように唇を擦り合わせ、溢れる吐息を飲み込むように吸う。
しばらくして唇を離し、上気した頬でタバサはじっと才人を見つめる。
…私は、あなたのモノ。
あなただけのモノ。
この身体も、心も、なにもかも。
全部、あなたに捧げている。
だから。

「いつでもサイトの好きにして。
 …サイトのしたいこと、全部私に、して…」

そして、もう一度タバサは才人の唇を奪った。

もう歯止めは利かなかった。
…せっかくガマンする気でいたのに。
…なんつーかな、誘い方上手すぎるんだよ、このチビっ子。
そのチビっ子はと言えば、今俺の目の前で、ぺたんとベッドの上に座り込んでいる。
頬を朱に染めて、少し顔を逸らしながら、上目遣いに起き上がった俺を見つめている。
誘ってる。誘ってますネその目!
ていうか俺の中の魔獣はもう、檻を破ってどこかの機動戦士ばりに空をかっとんでいる。
さーどーしてやろーーかねーーーーーーー!
まずは恥ずか死ぬほどエロい格好してもらおうかニャー!?
なんて俺が沸きあがった頭で考えていると。

「…服、脱がして…」

先制ジャブがきた。
まるで絶対服従を誓うように、シャルロットはすとん、と手を両脇に垂らした。

「…下まで全部、脱がして…」

鋭いワンツー。
俺の魔獣は避けられない。ていうか全部モロに入ってます。
俺は言われるがままシャルロットの上着に手を掛け、ボタンを外していく。
その途中、シャルロットはもぞもぞと動いて、先にスカートのホックを外してしまった。
…そか、構造上スカート先に脱がないとダメなんだっけ。
そしてシャルロットは、自分でスカートを抜き去って、上着とキャミソールを一緒に脱いでとショーツとニーソックスだけになると。
ころん、と横になって、俺に向かって脚を上げて見せた。

「ちゃんとソックスも脱がしてね…?」

渾身のストレートがボディにきました。
ノックアウト寸前の魔獣は、俺をシャルロットの望みどおりに動かす。
手を伸ばし、するするとニーソックスを脱がしていく。
その際、シャルロットの絹のような肌を撫で回すのも忘れない。
シャルロットはその感覚に、唇を噛んで声を抑える。
ニーソックスを脱がし終わると、今度はなんと、シャルロットは四つん這いになってみせた。
俺の方に高くお尻を突き上げ、すでに染みになっているショーツを見せ付ける。
ランプの薄明かりに照らされた薄い水色のショーツは、その匂いとともに、俺に襲い掛かってきた。
デンプシーロールからの乱打が魔獣を滅多打ちにする。
俺は手を伸ばそうとしたが、それより早く、なんとシャルロットは自分の両手で、ショーツをずり下げてしまった。
シャルロットはすでに薄く濡れており、ランプの光を反射してぬめぬめとイヤらしく光っていた。
そしてそのままショーツを脱ぎ去ると、ころん、と仰向けになって、M字に脚を折り曲げて膝を抱える。

409 名前:雨の降る夜は ◆mQKcT9WQPM :2006/12/20(水) 17:01:52 ID:VCUCtzyk
「…きて」

アッパーカットが魔獣の顎を打ち抜いた。
ノックアウトである。
次の瞬間。俺は、シャルロットに覆いかぶさっていた。

サイトが私の口の中を犯す。
私は抵抗しない。
サイトにされるがまま、口の中を犯される。
脱力した舌が、サイトの舌で転がされ、付け根まで嘗め回される。
サイトの唾が大量に私の中に流れ込み、私はそれを飲み込む。
サイトの、おいしいよ…。
私は目を開いたまま、目の前のサイトにそう視線で伝える。
…わかってないと思うけど…。
完全にケダモノと化したサイトは、私の口だけでは飽き足らず、口を犯したまま今度は私の胸を蹂躙してくる。
…こんなぺたんこの胸、触って気持ちいいのかな…?
でも、サイトは的確に私の感じるところを探り当てて、そこを撫で回してくる。
キモチイイ。
喘ぎ声が喉から溢れ、唇の接合部からこぼれだす。

「んふぅ…ふっ…」

自由に声の出せないもどかしさが、私をさらに突き上げる。
少しすると、私の口を犯し尽したサイトは、私から口を離した。
二人の間に、唾液の橋が渡される。
それと同時に、サイトは私の乳首を、つねり上げた。

「ひゃぁんっ!」

快感に喉と背筋が踊る。
サイトはその声に気を良くしたのか、今度は口で胸に吸い付いてきた。
舌で乳首を舐めまわし、まるで私の胸を無理矢理膨らませるかのように、吸い上げる。

「ふぁっ!あぁっ…」

さらに背筋が踊って、喉から声が漏れる。
胸…べとべとになっちゃうよぉ…。
サイトは交互に私の胸を責める。
予想通り、彼が満足する頃には、私の胸は彼の唾液でべとべとになっていた。

「はぁ、はぁ、はぁ…」

胸を責められ続けて、私の息は荒い。
…でも、まだ逝ってない…。
下腹部のあたりで、熱い熱い衝動が、私を焦がしている。
ずいぶん前から閉じてしまった自分の脚を擦り合わせ、一番敏感な部分に少し刺激を与える。
ぜんぜん足りなくて、余計に私は焦がされる。

「ガマンできないの?シャルロット?」

それを見ていたサイトが、面白そうに私に尋ねる。
私は恥ずかしくて、思わず目を逸らしてしまう。
でも。

「…うん」

視線を逸らしたまま、私は肯定する。
して欲しい。一番恥ずかしくて、一番感じるところ、弄って欲しい…。
サイトは私の望みどおり、私の両膝に手を回すと、脚を開かせて私自身を露にした。
そして、たぶん私の零したお汁でべとべとのそこを、舌で舐めまわし始めた。

410 名前:雨の降る夜は ◆mQKcT9WQPM :2006/12/20(水) 17:03:32 ID:VCUCtzyk
「ふぁんっ、あぁっ、ああんっ」

私の喉は快感に踊る。
舐め上げられるたびに私の視界に稲妻が走り、意識がどんどん身体の外に追いやられていく。

「ふやぁっ、い、いくのっ、いっちゃうのぉっ!」

私は恥ずかしい台詞を叫びながら、サイトの頭を脚で挟み込んで、達した。

才人は脱力したタバサに覆いかぶさり、股間の小さな入り口に自分の怒張を押し当てた。

「…ぁ…」

意識の混濁しているタバサは、刺激への反射で声を上げるものの、脱力したままだ。
才人はそのまま、脱力して柔らかくなったタバサの秘裂を貫いた。

「あ…あぁっ…」

その刺激にタバサの意識が戻り、緩かった膣道の締め付けが戻ってくる。
才人は最奥まで突き刺したまま、タバサの意識が戻るのを待つ。
タバサの目に光が戻り、それと同時に、まるで才人の分身に抱きつくように、タバサの肉襞が才人の分身に絡みつく。
普段ならここから腰を動かし、タバサを責める才人だったが、今日は一切動かない。

「…サイト…?」

才人の下から不審そうに見上げ、タバサが疑問符を飛ばす。

「入ってるのわかる?シャルロット」

言って、才人はほんの少し腰を進める。
少し余っていたタバサの膣道を、才人が完全に埋め尽くした。

「…う、うん…」

タバサは頬を染め、応えた。
才人は続ける。

「よーく集中してごらん?シャルロットのあそこがどうなってるのか…」

言われたとおりに、タバサは股間に意識を集中する。
サイトが…私の中に…。
いっぱいに、なって…。
それと同時に、タバサの内壁が、柔らかく才人を締め上げる。

「そう…そこに入ってるのは、何かな…?」

才人の言葉に、タバサは応える。
サイトの…サイトの…。

411 名前:雨の降る夜は ◆mQKcT9WQPM :2006/12/20(水) 17:04:10 ID:VCUCtzyk
「サイト、のっ…おちんちんっ…」

声が震え、同時にタバサの奥から蜜がじわりとあふれ出す。
…うごいて、ないのにぃっ…!

「どうなってる?」

荒い息で、タバサは才人に言われるままに応える。

「びくびくってっ…あつくてっ…あ、あ、おっきく…なってっ…」

真っ赤になって応える顔を、才人が覗き込んでいる。
それに気づいたタバサは、顔を背けるが、才人はタバサの顎をつまんで、無理矢理視線を合わさせた。

「ほら、続けて?」
「おくまでっ…とどいてっ…やだぁ、ヘンっ…うごいて、うごいてないのにぃっ…!」

羞恥と股間に感じる熱と刺激に、タバサの意識は高みへ持っていかれる。
ビクビクと才人を締め付ける肉襞が蠢き、タバサの絶頂を才人に知らせた。

「やだぁ、だめ、い、いく、またいく、いくのぉっ!」

その言葉と同時に、タバサは才人を抱きしめ、内壁で才人をきつくきつく締め上げた。
締まった隙間から愛液が溢れ出し、タバサの白い双丘の間を伝う。
才人は軽く歯を噛み締め、タバサの最後の締め付けに耐え抜く。

「あ、あは、はぁっ、はぁっ…」

脱力したタバサの腕が才人の肩かた滑り落ち、ベッドの上に広がる。
それを確認した才人は。
今度は、タバサの中を全て使い、激しく腰を動かし始めた。
タバサの意識が快楽の電流に無理矢理覚醒し、その暴力的な快感に掻き回される。

「や、や、だめ、だめぇ、こんな、も、らめ、ゆるひ、やぁっ」

タバサの懇願に、しかし才人は耳を傾けず、激しくタバサの柔らかい中を犯す。
達しきったそこは、力が入らず、才人の侵攻を止める事は出来ない。
タバサにできることは、シーツを握り締めて必死に自身を繋ぎとめることだけだった。
やがて、才人に限界が来る。

「シャルロット、出すよ、中にっ!」
「は、やは、やあ、あ、い、く、も、や、らめ、は、ぁあ、あ、ああああぁぁぁあぁー!」

才人の迸りとともに、タバサの意識は暗転した。

412 名前:雨の降る夜は ◆mQKcT9WQPM :2006/12/20(水) 17:07:41 ID:VCUCtzyk
次の日になっても、雨は止む気配を見せなかった。

「…困ったなコリャ」

才人が困っているのは天気だけではなかった。
食堂で朝食を採りはじめてからずっと、タバサは才人の膝の上から降りようとしなかった。あまつさえ、朝食を『あーん』してくるのである。

「あのねタバサ?」

呆れ返る周囲の客の視線に耐え切れず、才人はタバサに注意しようとする。
しかし、そんな才人にタバサは。

「口移しのほうがいい?」

言って返事も待たず、手に持ったパンのかけらを口に含み、才人の唇を奪った。周囲の客の視線の温度がさらに下がる。
…に、逃げてええええええええええ。
才人は口の中のパンのかけらとタバサの唾液の混合物を飲み込むと、無理矢理タバサをひきはがした。

「あ、あのねえ、こういうことは二人きりの時に」

しかしその台詞は最後まで放たれる事はなかった。
勢いよく開いた宿屋の扉の向こうから、土砂降りの雨と二つの人影がなだれ込んできた。
その人影は、両方とも才人のよく知った顔で。

「雨が酷いから馬車したてて迎えにきてみれば?どういうことなのかしらねえ?
 で?
 …二人きりの時になにかしら犬?」
「まだ王都にいらっしゃるというから逢いにきてみれば?
 …どういうことか説明していただこうかしらシュヴァリエ・サイト?」

才人の最高権力者と、この国の最高権力者が、嵐と共にやってきた。
才人の中だけ、温度が一気に絶対零度まで下がり、体中の血が凍りつく。

「ああああああのですねえっ?」

なんとかして逃げないと俺死ぬる。
そう思った才人が起死回生を企てようとした瞬間。

「…昨日はお泊り」

タバサがぎゅー、っと才人に抱きついた。
目の前の二人の黒いオーラが、形を成して宿屋を包む。
懸命な宿屋の主人と泊り客は、全員すでに避難していた。
二人の鬼神は、全く同じ足取りで、無言で才人に歩み寄ってくる。
鬼神の黒いオーラが才人を包み、動きを封じる。
こんな所でデッドエンドはいやああああああああああああ!
そんな才人の前に、タバサが立つ。

「…私の夫は、私が守る」

その台詞か皮切りだった。

「誰が誰の夫よこのムッツリメガネーーーーーーーーー!!」
「未来の国王になんと無礼なぁああああああああああああ!!」
「…負けない」

その日、王都の一角が、攻撃魔法によって消滅したのだが、なぜか公式記録には残らなかったという。〜fin
追記:非公式被害記録『宿屋ニ件、食堂四件、民家十棟全壊。死亡者0名、重軽傷者5名、行方不明1名。平賀才人、全治一ヶ月』

413 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 17:09:39 ID:k1Eop5IZ
乙!

414 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2006/12/20(水) 17:10:47 ID:VCUCtzyk
はい終わりー。
そういやタバサだけ描写が濃ゆいって言ってた人がいたけどさ。
タバサはしゃべらんから地の文でいじるしかないんじゃよ。
だから濃ゆくなるの。

ドゥユゥアンダスタンッ!?オケ!?

わかったらお兄さんをロリコンと呼ぶのはやめなさいね?
んじゃ次回はたぶん選択肢ものでいきます。でも予定は未定。
でわでわノシ

415 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 18:07:31 ID:e3nMSa/Q
乙です。
やっぱり最後のオチもいいなぁw

416 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 18:19:39 ID:2wWhBWAA
>>414
やっぱりタバサ話はこ(ry  さっすがロ(ry
冗談はともかく、確かにそうだろうなと思います>無口キャラ
しゃべらない分、すべて地の文で説明しなきゃいけないもんなぁ。GJ!!

ところでアニメの方、二期決定らしいですね。どう続けるのか楽しみであり、不安でもあり。

417 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 19:39:55 ID:fqp+hEPZ
>>400
いっそ開き直ってみるのも一つの手だと…
>>414
タバサ最高!!

418 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 19:44:39 ID:T9tQkFh3
へんたいさんGJ!流石ろりこん兄さんタバサを書くときは力が入ってますねぇ♪

もうすぐ新刊発売だな……
そろそろネタバレが怖くなるな

419 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 20:12:14 ID:iCNb7J5h
>>400 選んで……さて、 どれが誰でしょう?


そうですよね……騎士様ですもの……
わたしなんかが側に居たら……迷惑ですよね……
ちょ、調子に……乗ってました……ごめんなさい……
でも……わたしは…………
ううん、なんでもないです……
(駆け去る)
さようならっ


迷惑ならいいわよっ、……ででで出て行けばいいじゃないっ。
……別に居て欲しくないんか無いわよっ。
どっかいきなさいよっ馬鹿―――――っ
待ってなんか無いんだからっ、
……だからっ、だからっ……
(物が飛んでくる)
二度と帰ってくるなぁっ。


ご、ごめんね……
お友達だと……思ってたの、わたしだけだったのね。
ごめんなさい……
あ、あは……き気にしないでね……泣いてないからっ。
泣いてる……わけじゃないから……ね?
あの……ね……一つだけ……最後かもしれないから、一つだけ。
(微笑む)
さようなら。


そうですか、わたくし空気読めないもので……気付きませんでしたわ。
きっと随分気分を害してしまったのでしょうね?
わかりましたわ、そんなに側に居たくないのなら……
わたくしに出来ることで……そうですねぇ。
そうだ、……こんなのはいかがですか?
(にっこり)
アニエス?お任せしますね?


剣か銃か……選ばせてやろう。


420 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 20:49:41 ID:MPyOGGCU
やっぱへんたいさん。
あなたはここの番長ですね。
マジGJです

421 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 21:12:05 ID:xWjiVgYr
>>412の「未来の国王になんと無礼なぁああああああああああああ!!」
せ(へ)んたいさんの設定だとアンはサイトと旅籠経営目指してるわけだから
サイトが国王になったら夢がかなわない気が・・・



422 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 22:14:27 ID:T8cj1+6i
>>414
       (  _,, -''"      ',             __.__       ____
   ハ   ( l         ',____,、      (:::} l l l ,}      /   こ \
   ハ   ( .',         ト───‐'      l::l ̄ ̄l     l     の  │
   ハ   (  .',         |              l::|二二l     |  ハ ろ  .|
       ( /ィ         h         , '´ ̄ ̄ ̄`ヽ   |  ハ り │
⌒⌒⌒ヽ(⌒ヽ/ ',         l.l         ,'  r──―‐tl.   |  ハ こ │
        ̄   ',       fllJ.        { r' ー-、ノ ,r‐l    |  ! ん │
            ヾ     ル'ノ |ll       ,-l l ´~~ ‐ l~`ト,.  l     め  |
             〉vw'レハノ   l.lll       ヽl l ',   ,_ ! ,'ノ   ヽ  ____/
             l_,,, =====、_ !'lll       .ハ. l  r'"__゙,,`l|     )ノ
          _,,ノ※※※※※`ー,,,       / lヽノ ´'ー'´ハ

423 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 22:31:06 ID:54+RfkXW
あぁ、すばらしきSS作家にたいする生暖かいおへんじ。
愛されてますね、へんたいさん。

424 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2006/12/20(水) 22:36:27 ID:VCUCtzyk
>>421
それは「アン」モードの時のお話。
女王様モードだと国王なのだ!運動会でも妄想してたしね。
…なんかいいわけくさいな。まあ気にしない。ノシ

425 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 22:45:00 ID:9deZSNLF
へんたいさんはこのスレの神だ!
タバサかわいーよタバサ

426 名前:421:2006/12/20(水) 23:53:58 ID:xWjiVgYr
いえ、なんとなく解りました・・解答有難うございます

427 名前:Coa:2006/12/21(木) 00:09:29 ID:tygR8fL1
>>414
流石へんたいさんだー! GJ!
本当に『えろぱろ』を体現されてますなぁ。

ろりこんのおにいちゃん。とってもおもしろかった。

>>395
そんときゃ使い魔に、パンツの紐に切れ込みでも入れといてもらいましょう。
その後才人がどうなろうと、僕の知ったこっちゃありませんw

遅レス申し訳ない

428 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 00:50:37 ID:pHcvZc7J
>419
Dのその後。を。してもいいじゃない

429 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 00:57:15 ID:EbmbQkg6
>>400
大丈夫。私なんか母に見つかったけど日ごろの行いが良いのか何も言われなかったから。
…orz

>>414
いくらロリコンを否定しても体が嘘ついてんのよ(ry

とふざけるのはいい加減にして、えろい描写も話の落とし方も相変わらずすばらしい…
GJです

430 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 01:25:11 ID:9gXrLLH/
とりあえず何食わぬ顔で普通に本棚に入れといてみろ

結構バレないW

431 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 01:26:09 ID:lTAphELD
と、思っているのは本人だけであった

432 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 01:50:20 ID:+IhWQrdO
>>414GJ!
さすがはへんたいさんだ!
濃いタバサの描写がエローい!
次作が今から楽しみデス





>>400
ところで俺の本棚でカバーがかかっているのはMF文庫とファンタジア文庫


そしてフランス書院文庫だけだッ!


433 名前:400:2006/12/21(木) 02:00:38 ID:dQaW4q4M
>>419
Eコースでお願いしますm(._.)m
出来れば剣か銃じゃなくて鞭と蝋燭で

434 名前:400:2006/12/21(木) 02:06:46 ID:dQaW4q4M
>>419ちなみに上から
ノーパン
虚乳
巨乳
淫乱
もろ俺好みのS属性をお持ちの素敵なお方。


435 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 02:32:03 ID:dQaW4q4M
ちなみに言っとくが俺が見付かった状況は本棚にカバーかけてあったのを読まれたとかじゃなくて…
机の1番下の引き出しの下の空間(1番下の引き出しを開けないと見えないし奥だし暗くて発見しにくいはず)
にあったのをあのヤローが俺がウ○コしてる間にエロ本でも探そうと物色したのか発見!!
ゼロの18禁同人誌と一緒に(←ここ注目)ゼロの使い魔をな!!
俺が部屋に戻ると友人はそれを手にした状態。俺、DIO様にスタンド攻撃くらった状態。
友人は見てはいけない物を見てしまって困った表情で「あー、…何これ?」
俺、そんな顔するなら何も言わず黙って戻せと思いながら搾り出すような声で「…知らん」(知らないはずはない)

友人は午後4時位に「もう遅いから帰るよ…」
って言って帰った。

436 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 06:13:42 ID:CXQQVyAE
さすがはへんたいさん!タバサを書く時はいきいきとしてますねw

アニメ第2期も正式決定とゼロ大盛り上がりwwwwwwwwwww

437 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 15:01:26 ID:3MmiJnKn
10巻ゲットしてきたぜ!
アニメイトにはなかったけど、ちょっと大きめの書店行ってみると結構置いてあるっぽいな

438 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 15:50:34 ID:SA5B6gui
どうせならコミックも一緒に出して欲しかったが明日か
タバサメインキタゼ

439 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 15:54:56 ID:SA5B6gui
よく考えたら俺も書き手だったんだった
年末進行で忘れてたぜ
ちょっと書いてくるノシ
何の作者は秘密ってことで

440 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 16:41:39 ID:EbmbQkg6
地方なもんで置いてあるか激しく疑問だが明日探してみるか…>10

441 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 17:14:34 ID:qGd/2aB4
なぬ!
明日行かなければ


442 名前:コリコリ ◆TOaN/1ZFoQ :2006/12/21(木) 18:07:28 ID:JAXb4IBS
明日か。。。待ち望んだ日。
カードにコミックにノベル。。。楽しみだぎゃ

443 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 18:43:18 ID:lz4qW35E
神田の本屋には昨日から置いてあった件

444 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 18:50:45 ID:5pF+Ocl6
さっき買ってきて今読んでる件

445 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 18:55:45 ID:6EXhC7Ql
ネタバレは勘弁な。
本屋に聞いたら25日入荷……

446 名前:444:2006/12/21(木) 18:57:14 ID:5pF+Ocl6
>>445
そんな無粋な事はしないさw
手に入れたら楽しんでくれ。

447 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 19:24:15 ID:A9Z/3jv9
【御主人様のオモチャ】"ゼロの使い魔"のルイズ激似のダッチワイフが発売 【絶対服従】
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news7/1162888442/ (画像有)

448 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 19:52:15 ID:3MmiJnKn
コミックは評判良くないけどみんなは買うのか?

449 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 21:03:44 ID:fDOEff5+
一ヶ月前、従兄弟の部屋の漫画ばっかの本棚に、色々あってダブッてしまったゼロの使い魔(1〜4)をこっそり入れといたんだが…。
今日、久々に行ったらタバサ含めて10冊に増えてた。
…俺、いい事したんだよな?
従兄弟、まだ小学四年生だけど…

450 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 21:05:01 ID:bFrdZ5E5
いつからここは避難所になったん?

451 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 22:30:41 ID:KXVFfEZL
保管庫のへんたいさんの新作のカウンターが既に1,000越えな件



ロリコンばっかだな

452 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 22:45:48 ID:A+NAyrj0
ちくしょう!なんだあの最新巻は!!
ロリ(ryのへんたいさんが喜ぶじゃねぇか!!

いいぞ、もっとやれ。

453 名前:220:2006/12/21(木) 23:26:13 ID:7AHYXqBb
クリスマスに向けて思案していた結果…突き詰めていくと結局最後は


サイト×ルイズ純愛(甘)


しか思い浮かばなかった自分…いつもと変わってない…(ry
他の偉大な職人様方の発想力に感服致します。

…俺どうしたらいいんだろ。書きたい。ゼロの俺的脳内妄想を書きたい。ルイズとサイトがあんな事やこんな事してるのを書きたい。
でも純愛ばっかりはまずいのかなと…悩んでますorz

454 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 23:33:10 ID:5Rfi7UnZ
10巻フラゲして読破して、ここの職人様方に書いて欲しいシチュがあったぜ。
とりあえず25日まではバレに繋がるからリクエストできんが。

というわけで25日以降にリクだしたいんですが、かまいませんね!!

455 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 23:38:30 ID:OfJInxD8
220氏
何を悩む必要があるのだろうか!?
ここはエロパロ板だよ♪
サイトとルイズのあんなことやこんなことを書いていい場所です。そしてみんな待ってますよ〜

ゼロの使い魔は…へんたいさんが喜ぶ展開になりつつあるってかへんたいさん仕事しろ(ry

456 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 23:39:42 ID:EbmbQkg6
>>453
あんなことやこんなことになっちゃってるルイズを無茶苦茶読んでみたいと思っているがここに一名。

そういえばネタバレの時期ってどういう基準なんですっけ。

457 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 23:49:50 ID:CXQQVyAE
10巻読んで思った事。

へんたいさんってノボルじゃね?wwww

458 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 00:13:10 ID:JFp5R9ks
ノボル仕事汁w

459 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 00:20:55 ID:JFp5R9ks
俺は>>447を許せない

460 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 00:51:15 ID:0ZSI0KKx
詳しいことは書かんが、10巻はタバサはもちろんだが、ルイズもかなりアレなことになってるな。いや良い意味ででしゅ。

461 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 01:12:36 ID:oPo5UwtO
くそぅ早く買って読みたいぜ…orz
近くに大規模書店無いから困る。

462 名前:284:2006/12/22(金) 01:27:21 ID:h9ClZOz0
皆さんフラゲで喜んでいる中
空気読まずにつづき投下させていただきます。

早く十巻ほしいなぁ・・・

463 名前:サイト争奪杯:2006/12/22(金) 01:28:29 ID:h9ClZOz0
お城から少し離れたところに立つ、歴史を思わせる建物の中
四人の女性と二人の男性、そしてその六人を見下ろすように
取り囲む数千人の人間がいた。どうやら催し物が行われているらしい

「第一回! ご主人様は誰だシュヴァリエ・サイト争奪大会〜〜〜!!」

そんなお約束とも呼べる宣言の後に、観客席から割れんばかりの歓声が響いた。
「司会・実況は私、オールド・オスマンがお送りします。どうぞよろしく
 そして解説にデルフリンガー、審査員兼賞品にシュヴァリエ・サイトさんに
お越しいただいております。本日はよろしくお願いします」
「あいよ、よろしくだぁね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ど、ども」

まって、なんでここにオスマンさんがいるの?ていうか俺はどうしてここにいるの?
そもそもキャラ違くない?何その口調
など半ば錯乱状態の才人を尻目に、観客からは盛大の拍手やら歓声やらがあがった。
「サイトだかなんだか知らんが羨ましすぎるぞー!!」
「またお前か〜〜!!」
「むしろ死ねコノヤロー」
・・・・歓声というわけではなさそうだった。


464 名前:サイト争奪杯:2006/12/22(金) 01:29:35 ID:h9ClZOz0
「えー、本日はここトリステイン王国直営コロッセオよりお送りします。
 ・・・ゴホン 今日はの、四人によるバトルロイヤルで行う。
 事前に城にいる皆に、見てみたい競技方法を書いた紙を提出して貰った。
 その中から競技をしていき誰かが二勝した時点でその者の勝ちと言う訳じゃ。
 もちろんわしらも書かせて貰っておるぞ?」
ある程度戻った口調でオスマンが説明を始めた
「そして! 勝者には約束通り、この冬期休暇からブリミル祭が終わるまでの間
 このシュヴァリエ・サイトを独り占めにできる権利が与えられる!!
ちなみに現権利者は、ラ・ヴァリエール嬢となっておる。一応」
才人はオスマンが高らかに宣言した直後、目の前の四人からえもいわれぬ闘気が
のぼったのを感じた。

当の本人たちは説明を聞きながらも思い思いに腐りかけた思考をめぐらしていた

ふむ、とりあえずそれだけの期間があったら、思う存分修行が出来るな。まぁ姫様には
悪いが、ここはしっかり勝たせていただこう。そしたら朝から夕方ぐらいまでみっちり
稽古して、そしたらいっしょにお風呂に入ってそのまま夜の方の稽古へ・・・いかんいかん
集中せねばな。とか
ひ、独り占め? ということはあの胸だけメイドとか、メガネチビとかにも邪魔されなくてすむってことよね!
ふ、二人っきりよね。なな、な、何して貰おうかしら。とか
ここで勝てたらサイトさんと一緒にタルブの村へ行って、お父さんに
挨拶しにいこう! うんそうしよう。とか
やっぱりアンになって毎晩慰めて貰うのがいいかしら、いえやっぱり・・・。とか

ちょ、ちょっとみんな怖ぇよ。助けてデルフさん。そんな妄想の餌食になっているサイトは泣きそうな目で相棒の方を見た。
「いやぁ相棒、もてもてだぁね。うらやましいねぇ」
・・・・・・・・・・・・楽しんでいた。


465 名前:サイト争奪杯:2006/12/22(金) 01:30:46 ID:h9ClZOz0
「さぁ、それでは第一回戦にいこうかの。第一回戦は・・・・」
会場中が息を呑む中高らかに告げた
「・・・料理対決っ!!」
ひときわ大きい歓声があがった。

「制限時間は45分! それでは、始めっ」
四人は銅鑼の音と共に一斉に準備された調理場へ走った。

「さあ、どんな料理が出来上がってくるのか楽しみだのぅ?サイトくん」
「そ、そうですね」
大丈夫かなあ。と才人はつぶやき、会場の方へ目を向けた。
そこには本来のご主人様、ルイズがいた。

りょ、料理よね。料理だったら夏の間に頑張ったんだから、大丈夫、よね。
見てなさいサイト、惚れ直させてあげるんだから!
と、ルイズは夏の記憶を思い出しながらなんとか進めていった。が
・・・料理?ちょっとまって料理ってたしか・・・
そう思って急いでとなりをみると、そこには勝ち誇った顔をしたシエスタがいた。
「ミス・ヴァリエール。残念ですが、この勝負いただきますね。少なくとも
 料理に関しては負ける気がしませんから。」

し、しまったああぁぁぁ
ルイズは少なくともシエスタに勝てる気がしなかった。


466 名前:サイト争奪杯:2006/12/22(金) 01:32:04 ID:h9ClZOz0

そんなこんなで・・・・・・・

「45分経過。終―――了――――」
才人の前に四つの銀の皿が運ばれてきた。
「順番に行きましょうか。それではまずミス・ヴァリエール嬢から」
「は、はい」
ルイズは緊張した面持ちで自分の料理のふたをあけた。
そこには、何の変哲も無いシチューが乗っていた。
「ジェ、ジェシカに教えて貰って、お、おお、覚えてたのがこれだけだったの」
髪の色より真っ赤にした顔をうつむけて、ルイズはつぶやいた。

ご主人様か、かわええ。もうおれ何でも食えそう。
と、スプーンをとって一すくい口に運んだ。
「ん? おぉ、うん。」
ルイズが心配そうにこっちを見つめてきた。
「うん、うまいよこれ」
「ほ、本当!?」
さっきの泣き顔とは打って変わって安堵したような笑顔になるルイズ。
「ほんとほんと。やるじゃんルイズ」
その言葉を聞いて笑顔をたたえながらルイズはシエスタに向かって、ガッツポーズを向けた。
才人はシエスタの周りの空気が若干変わった気がした。


467 名前:サイト争奪杯:2006/12/22(金) 01:33:15 ID:h9ClZOz0
「続きまして、アンリエッタ姫」
「はい」
アンリエッタはしずしずと料理にふたを開けた、が・・・
「ひ、姫さま。あ、あのこれは・・?」
「すいません、小さいころから料理などしたことがなくて」
「は、はぁ」
や、やっぱお姫さまだ〜と才人が改めて下に視線を向けると、そこには
高そうな皿に乗った黒焦げの何かが乗っていた。
「こりゃ、食えねぇな相棒」

「続いて、アニエス」
「ん、どれ」
豪快にふたをとりはらうと、こんがりとした動物が一匹寝転がっていた。
「コレを食べろと?」
「ん? あたしの作った料理が食べられないのか? 才人」
もはや、いろんな意味で料理じゃない。そう思って才人は覚悟を決めた顔で・・・・・
「すいませんふたりともかんべんしてください」
・・・・・・・土下座した。
「そこまで食べたくないかねえ、相棒。あ、ごめん悪かった、悪かったから
 丸焼きに突き刺さないで。やだ、なんか変な色の油がぁああああ」
食べなくて正解だったようだ。


468 名前:サイト争奪杯:2006/12/22(金) 01:34:15 ID:h9ClZOz0
「最後に、シエスタ」
「はい、召し上がれサイトさん」
シエスタがふたを空けるとふわっとした湯気が立ち込めた。
「あ、これって」
「はい、ヨシェナヴェです」
あぁ、シエスタはこれがあったんだ。と才人はためらいなく料理を口に運んだ。
「わ! あちち、ちょっと熱いよこれ」
「あ、すいません。じゃあ冷ましてあげますね」
そういって才人の手から箸をとると、自分の口の中に入れた。
「はふはふ、ん、いいかな。はいサイトさん、あーん」
才人はその一連の動作に完全にKOされた。
「あーん」
「あーん」
シエスタ最高だぁぁ、知らない、ルイズがさっきから直視できないほど怖いけど
そんなの知らない。みなかったことにしよう。

「それでは、サイト君。判定してもらおうかの」
サイトは迷うことなくシエスタの札をあげた。


喜ぶシエスタの姿と杖をこっちに向けてマジ切れしているルイズの姿が
意識が途切れる前に才人がみた最後の光景だった。
                         <続く>


469 名前:284:2006/12/22(金) 01:37:34 ID:h9ClZOz0
以上です。
ども、おじゃましました。
なんかどんどんキャラがおかしくなっていますが、勘弁してやってください。

それではスレ汚しスマソ。またこんど



470 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 04:20:53 ID:U76wt+j+
たまには凌辱モノ見たいな。
 
と言ってみる。

471 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 05:44:54 ID:oPo5UwtO
料理の話読んでたら腹減ってきたな…w
そういえばヨシェナヴェで思い出したんだけど、ハルケギニアには米は無いんだろうか。
米の食えん生活って私には耐えられそうにないなぁ…

472 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 14:01:00 ID:I0asNa0j
>>471
何の根拠もないけど多分米はないと思うな
あっても美味くない外国米レベルじゃね?

473 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 17:15:35 ID:y2KzyRX9
麦があるなら米はありそうな

474 名前:421:2006/12/22(金) 18:11:44 ID:8/1eWIhp
主食はパンとシチューみたいだしなぁ・・・
緑茶があるから東の方には米ありそうだが

このサイトによると珍味に近いみたいだが

中世ヨーロッパとファンタジー世界の「食」
http://ww2.enjoy.ne.jp/~tteraoka/esse2.htm#rice

475 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 18:44:05 ID:N/IatV25
ドリアとかパエリアって珍味なのか・・・?>米食

476 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 19:45:19 ID:GrKbhFJ7
凌辱・・・暴走した女性陣にサイトが逆レイプされるくらいしか想像出来んw

477 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 20:31:26 ID:dnz3Z+yx
凌辱か…
・ギーシュの出世を快く思わない連中に暴行を受けるモンモン
・アルビオンに敗戦してレコンキスタの奴らに凌辱されるアンリエッタ
・ジョセフに捕まっていうこと聞かないから凌辱されるティファニア
くらいさか思い付かない。我ながら想像力に乏しいものだ。

478 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 20:33:20 ID:s8zN9eBV
まぁ10巻の内容で色々新境地が開拓出来るだろうからそっち系も大丈夫だろう…



にしても純愛はどこいった?

479 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 21:22:59 ID:RZGrAqVY
買えーなかったーーーー

480 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 21:36:50 ID:aQ03Ae4D
本屋さんにありました


481 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 21:57:04 ID:fyg4kxe1
今日も10巻買えず AA略

いや本屋で見かけたんだけど忙しくてな・・・畜生

482 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 22:40:10 ID:LdKkvldM
10巻読んだ。

ここの作家さんの新作が楽しみになった。待ってるよ!!

483 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 23:47:41 ID:/3RvzQbu
楽天で注文しといたら今朝届いて正直ビビッたw
今日から大学休みなんでわざわざ外にもう1巻買いに行かなくて済んだのはウレシス(*´д`*)

484 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 00:01:51 ID:EihUJ4FI
で、作者はなのはにでもはまったのか?

485 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 01:11:56 ID:KuUAaL98
10巻読んだ。平積みの最後の一冊だった。
萌えるし燃えるね。絵も。
それにしてもどんどんへんた…失礼せんたいさんの設定に近づいていっている気がするんだが、
…やはりへんたいさん=ノb(ry

>>484
なのはっていうのはどういうことなんだろ。

486 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2006/12/23(土) 01:16:08 ID:FHprFyc1
さて10巻読んだし新作投下いきまっせー

*注;この作品にエロは含まれて降りませんorz


487 名前:父来る ◆mQKcT9WQPM :2006/12/23(土) 01:17:04 ID:FHprFyc1
その日、トリステイン魔法学院の正門に、一騎の騎馬が現れた。
戦装束に飾られた、装甲を施された栗毛の牝馬。
その上には、同じく戦装束の、年の頃なら五十過ぎ、白髪交じりのブロンドと口ひげにモノクル、といった出で立ちの、おそらく貴族の男性が乗っていた。
正門を守る二人の門衛は、堂々と正門を通ろうとするその男を引き止めた。
警備用の槍を交差させ、馬を止めさせる。

「失礼。貴族の方とお見受けするが、姓名と用件を名乗られよ」

馬上の男性は口元で笑みを形作ると、門衛に名を告げた。
門衛は慌てて槍を引き、馬を通す。

「さて。通してもらって言うのもなんだが、用件は尋ねなくてもよいのかね?」

門の内側に入り、その男性は門衛に問う。
しかし、彼ほどの貴族に、名以外に用件など、と門衛が躊躇していると。

「私の用件はな。
 娘を力づくで取り戻しにきたのだよ」

そう言って馬の腹をけり、学院の本棟めがけて馬を走らせた。
走り去った騎影を思わず見送りかけた門衛は、慌てて風の魔法で、本棟に連絡をとった。


ちょうどその時、ルイズは授業の合間の休み時間で、才人とともに中庭でくつろいでいた。
今度の休みの予定とか、明日の昼はなんにしようとか、いつもの他愛もない話をしていると、血相を変えたコルベールがやってきた。

「ミス・ヴァリエール!大変です!」

水精霊騎士団の遠駆けの予定を無理矢理自分との王都での観劇の予定に摩り替えさせることに成功して満足していたルイズは、その声に振り向く。

「どうしたんですか?コルベール先生」

コルベールは二人の傍らまで来ると、ぜいぜいと息を整えた。よほど慌てているらしい。

「あ、あなたのお父様が、あなたを迎えに来たらしいです!」

え、お父様がなんで、とルイズは呟く。
今まで父がそんな強硬手段に出る事はなかった。
まさか、サイトとのカンケイに気づいたとかっ!?
だとしたら恐ろしい事になる、かも。
一方才人はといえば、そういやルイズの親父さん結構怖い人だったっけなあ、などと以前の邂逅を思い出していた。
しかし、コルベールの伝令はどうやら手遅れだったらしい。
三人の前に、一騎の騎馬がやってきて、嘶きと共に、足を止める。

「やあルイズ。迎えに来たぞ」

その馬上にいるのは、ラ・ヴァリエール公爵、その人だった。

「ど、どうして…?」

ルイズは思わず後じさり、そう尋ねる。
ラ・ヴァリエール公爵は、そんなルイズに応える。

「そろそろお前にも身を固めてもらおうと思ってな」

身を固める。つまりは結婚する。
しかし、今のルイズには才人という相手がいるわけで。

488 名前:父来る ◆mQKcT9WQPM :2006/12/23(土) 01:17:59 ID:FHprFyc1
「そ、そんな…だって、私…」

思わず言いよどむルイズの前に、才人が立った。
…サイト?

「勝手すぎやしませんか、あんた」

そして、鋭い視線で公爵を睨む。
公爵はほう、と才人を一瞥すると、馬からひらり、と降り立った。
そしてなんと、才人に向かって礼をしてみせた。

「いつぞやは無礼をしたな。
 貴君の噂、私の耳にも届いておる。
 シュヴァリエ・サイト。あのアルビオンの戦で、単騎よく七万の軍を止めた、らしいな」

てっきり『無礼者!』とか罵られると覚悟していた才人だったが、そんな公爵の態度に毒気を抜かれる。

「い、いや、そんな」

などと思わず恐縮してしまう。
だが公爵のそんな態度は、そこまでだった。
公爵は腰に下げた杖を引き抜くと、才人めがけて突き出した。決闘の合図である。

「抜け、シュヴァリエ」
「…え?でも」

それでもさすがに戦闘経験を積んでいるだけあり、目の前の相手が臨戦態勢だと悟るや、才人は背中のデルフリンガーに手を掛けた。
そんな公爵と才人の間に、コルベールが割って入る。

「…公爵、おやめください」

乱入してきたコルベールの顔を見て、公爵は懐かしそうな顔をする。

「ほう、炎蛇か。久しいな。教練所以来か?」
「…はい。今はここの教師をしております」
「なるほどな。生徒に手は出させん、というわけか。
 なに、心配するな。手加減はする」
「…いざとなったら、私が加勢しますよ?」
「好きにしろ。お前如きに後れを取るほどなまってはおらん」

言葉を交わす二人の様子から、二人が旧知の間柄であることが知れた。
コルベールは公爵の説得が無理だと悟ると、後ろに控えるルイズのところまで下がる。
才人は目の前の公爵が本気だと悟ると、デルフリンガーを抜き、構える。左手のルーンが輝いた。

「ど、どうして父さまが…。
 それより、止めないと!ねえ、先生、サイトを止めて!父さまが!」

ルイズは、父の身を案じ、コルベールにそう懇願する。
しかし、コルベールの回答は、ルイズの予想したものと違っていた。

489 名前:父来る ◆mQKcT9WQPM :2006/12/23(土) 01:18:54 ID:FHprFyc1
「心配するべきはサイト君の方ですよ、ミス・ヴァリエール」
「…え?」
「あなたのお父上の経歴を、たぶん貴方はご存知ないのでしょう。
 彼は、トリステインの全ての特殊部隊の、教練所の長だったのです」
「……え…?」
「…私も、彼の『生徒』の一人です。貴方の元婚約者の『閃光のワルド』…彼は、ヴァリエール公爵の、最後の弟子です」
「…な…」
「あなたのおじいさまは、軍部でのしあがることで、ヴァリエールの家名を高めようとした。
 実際、貴方のおじいさまの代より前は…失礼ですが、ラ・ヴァリエールには、伝統こそあれ、ただの一地方貴族でした。
 そして、軍部の上に立つには、一代では遠すぎた。
 その野望を叶えるために、貴方のおじいさまの作り上げた最高傑作が…貴方の父上なのですよ」

驚愕に見開かれたルイズの瞳が、父を捉える。
公爵は、右手に杖を、左手に大きめの短剣を逆手に構えている。
その短剣は峰の部分が櫛状になっている。俗に言う、「ソードブレイカー」という武器だ。
その父を、不意に風の衣が覆った。
…え?いつの間にルーンを…?
戦闘に関わるメイジの基本中の基本。見えないように詠唱を行う、特殊な詠唱方法だ。
直接先頭に関わる事のない、ルイズにはまるで無詠唱で魔法を使っているように見えた。

「厄介だなありゃあ。相当密度の濃い『風の衣』だぜ」

才人にしか聞こえない声で、デルフリンガーは才人に忠告する。

「どう厄介なんだ?」

才人もまた、構えを崩さず、デルフリンガーにだけ聞こえるよう囁く。

「あの親父の輪郭が軽く歪んでるだろ?ありゃ、周囲に渦巻いてる空気が相当濃いってことだ。
 あの状態じゃ、どんだけ勢いの乗った攻撃も逸らされる。そして、逸らされた瞬間にあの左手の剣で、ずばん、だ」

なるほど確かに厄介だ。どうしたものかと才人が思案していると。

「でもテはあるぜ。あの親父、短剣にまで風の衣をまとわせてやがる。たぶん切れ味を増すためなんだろうが。
 それが弱点だ。あの短剣を狙え。そしたらおれっちが『風の衣』をまとめて吸い取ってやる」

そして、風の衣が剥げた瞬間に攻撃しろ、ということか。
才人は、その作戦実行のチャンスをうかがう。
それは、すぐにやってきた。

「こないのかね?ならばこちらから…。
 いかせて貰うっ!」

五十代とは思えない勢いで、公爵は踏み込んでくる。
魔法の持続中は他の魔法を操れないので、大方の予想通り、風の衣で切れ味を強化した短剣による一撃だ。
待ってましたとばかりに、才人はその短剣をデルフリンガーで受ける。
一瞬にして、公爵を覆っていた風の衣は剥ぎ取られた。

「なんだとっ!?まさか、吸魔の剣かっ!」

ただの一合で相手の武器を悟った公爵は、慌てて飛び退る。
しかしそれを見逃す才人ではない。
一気に間合いをつめ、詠唱する隙を与えない。
アニエス曰く。『メイジに対する際、大事なのは隙を与えない事だ。詠唱さえさせなければ、メイジはおそるるに足らん』
一気に下段から、デルフリンガーを振りぬく。

490 名前:父来る ◆mQKcT9WQPM :2006/12/23(土) 01:19:44 ID:FHprFyc1
しかしデルフリンガーは、公爵の短剣の峰で受け止められた。
その瞬間、才人の腕に違和感が走る。石の様にデルフリンガーが動かなくなったのだ。
ソードブレイカー。それは、相手の剣の動きを止め、動きを封じるための武器。
剣に対抗するべく作られた、防御装置であった。
公爵はそのまま、詠唱を開始する。
しかし、才人のとった行動は、公爵の予想を超えていた。
才人はデルフリンガーから手を離すと、履いていたブーツから二本の短剣を取り出し、一瞬で公爵の背後を取ると、その首筋に刃を突きつけた。
アニエス曰く。『常に武器は2つ以上携帯しておけ。不意はうつに越したことはない』

「…勝負、ありましたね」

才人は、そう言って、勝負の決着を宣言する。
公爵はまいった、と言わんばかりに、手に持った杖と短剣を放り出した。

「…懐の、予備の杖も捨ててください」

才人の言葉に、驚いたように公爵の目が見開かれ、そして笑顔になる。

「なるほど、七万を止めたのは伊達ではない、というわけか!」

言われたとおりに、懐から予備の杖を取り出し、放り出す。

「すごい…公爵に勝っちゃいましたよ、サイト君…」

コルベールは感心したようにそう言うが、ルイズには何がすごいのかさっぱり分からない。
そして、完全に無力化された公爵は、いきなりぐるん!と才人の方に振り向いた。
突き出された短剣が、公爵の喉下に当たる。

「ちょ、危ない!」
「気に入った!気に入ったぞ!」

そして、再びぐるん!と振り返ると、今度はルイズに向かって、言った。

「ルイズ!お前の結婚相手がたった今、決まったぞ!
 このシュヴァリエ・サイトと結婚しなさい!」

その言葉に。

「「えええええええええええ!?」」

度肝を抜かれたのは、当事者二人であった。

491 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2006/12/23(土) 01:21:33 ID:FHprFyc1
でもつづく!なのです。まだオワラナイヨ
しかし10巻イイネ!
問答無用でサイトにごろにゃんするタバサが11巻ではみられ(ry
ていうかシエスタとルイズのコンビネーションアーツに(ry
これ以上はネタバ(ry

では続きは明日以降ノシ

492 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 01:25:36 ID:/ASVXtHr
>>485
いやさ、10巻に挟んであるチラシ?みたいなところの作者のコメントで、なのなの五月蝿いからさ


493 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 01:47:06 ID:KuUAaL98
>>491
噂をすれば(ry
聞きつけた某メイドだとか某女王だとか某王女だとか某胸革命だとかがやってきて…いよいよ戦争勃発ですか…。(ぉ
>>492
そこまで見てなかった、なるほど。

494 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 02:07:30 ID:CBMiXZBd
ノボルのキャラへの愛が18禁を超えた時に恐らくこのスレでのへんたいさんに
豹変するんだろ、と予想。

495 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 02:14:16 ID:0k3lbjjh
10巻のあとがきはワロタw
まだまだやってくれそうだ

496 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 11:02:36 ID:m9Ps+WGe
そういやあよお…よく、好きの反対は嫌いじゃなくて無関心って言うよな。
んで、今まで激しく嫌っていた相手への誤解が解けると、反動で気になったりするってのもよく聞くよな。
そして、禿げにさえ目をつぶれば、コルベール先生ってかなり点数高い気がするんだよ…ある意味命の恩人でもあるわけだし。

キ ュ ル ケ に も 性 的 な 意 味 で ラ イ バ ル が ?

497 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 11:26:59 ID:+UyOnoC9
サイトがルイズと結婚なんてことになったらきっとアンが黙ってないはず……
タバサ好きのへんたいさん♪続き期待してます

498 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 15:31:49 ID:+UyOnoC9
へんたいさんのルイズパパ読んでてmanko氏の次の物語はまだかなぁ〜っ思ったり……

新刊出たし作者のみなさまに凄い期待してます♪
ノボル仕事しろ!

499 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 17:02:11 ID:Sdf3HhQK
皆結構10巻手に入れたみたいでいつネタバレが起きても不思議じゃない空気だ
地方民の為にも公式発売日の25日までは勘弁してくれ

500 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 17:16:31 ID:UojExsBZ
どうでもいいけど、新刊踏まえたSSの投下って
いつから解禁なんだろう?

やっぱ26日0時まで待つべきなのかな?

501 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 17:19:27 ID:UojExsBZ
失礼。
>>499で言ってたか。

やっぱ25日までは待つべきですな。

502 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 17:43:45 ID:OGED3UXw
敢えてネタバレしてやる。
みたくなやつはこのスレにくるな!

503 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 18:02:11 ID:+UyOnoC9
ここはSS板なのでネタバレとかいらない!
いるのは萌えなSSとSS職人への称賛ですよ。クリスマスにここのSSしか楽しみがない自分にルイズ&サイトの激甘SSをくださいm(_ _)m

504 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 21:53:23 ID:CBMiXZBd
ネタバレは25日の正午12時で良いんじゃね?

505 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 21:56:04 ID:vX+U3U7l
>>504
それは25日も(というか28日まである)講義で夜まで帰れない俺に対する嫌がらせk

506 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 22:01:58 ID:CBMiXZBd
いや25日の深夜0時じゃ地方組はきついだろうと思ってでも26日の深夜0時
じゃ行き過ぎかと思ってその間をとってみた。夜までスレに来るのを
自粛しとけ。ってか年末のこの時期にやる講義ってなんだwwww

507 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 22:03:01 ID:WAUglbkO
>>505
お疲れさ魔です

508 名前:220 :2006/12/23(土) 23:23:21 ID:0Xr9aIM9
「明日…帰るの?」
「ああ…」
夜中。窓から差し込むのは二つの月の光だけ。
これだけ静かな夜ならば、いつもの様に同じベッドでご主人様と使い魔は眠りに落ち、明日に向けて夢を見る。
しかし、今日は「夢」を見ようと思わなかった。見たいのは、お互いの心の中。
ルイズとサイトは、外から聞こえる虫の音を聞きながら、お互いを見つめ合っていた。
暗闇に目が慣れただけで見える相手の姿は、月の光に照らされお互いが幻想的に見えた。
お互いの胸の内などはっきりしていた。サイトの方は何度も、
「お前が好きだ」
とルイズに告げている。ルイズも、それを受け入れる言葉を幾度と無く返した筈。
しかし、そのたびに事件が起きたり、サイトが他の異性といたりして、繋がる筈の思いはからまってしまった。

ここまで追い込まれて、サイトとルイズの別れがはっきりして、始めて思いは繋がった。
「ルイズ?」
「なに?」
「俺、何回も言ったと思うけど…」
サイトが何か大切な事を言うとき、決まってサイトは口ごもる。
今日も、今回もそれだけは変わらない。
ルイズは、何を言いたいのかわかっていて、言葉を返す。
「…今日は、ちゃんと聞いてあげる。返事もはっきりしてあげるわ」

509 名前:220:2006/12/23(土) 23:24:27 ID:0Xr9aIM9
ルイズは余裕の微笑みを浮かべて見せた。ルイズの返事など、とうの昔に決まっている。
サイトは少し間を置き、
「やっぱり好きだ。ご主人様」
と、告げた。今までにないほど冷静に、はっきりと。
ルイズも、
「私も、サイトが好き」
と返事をする。今日は、いつもの様に頭が混乱する事も無かった。

今日は、そういう夜だった。サイトもルイズも、お互いを感じようとした、夜。

気がつけば、夢中になって唇を貪っていた。両方の舌が絡み、口の中の液体を相手に送り込み、逆に送り込まれた液体を拒む事なく飲み込んで。
「今日だけは…好きにさせてあげる…」
目を閉じ、きつく抱き締めたサイトの腕の中で、ルイズは唇を捧げた。
サイトの方も夢中になって、少しでももどかしい思いを抑えようと、ルイズの唇に助けを求める。
「んっ…くぅ」
男としての性なのか、自然にサイトの手がルイズの柔らかな、薄い膨らみへと伸びた。
しかし今回はいつもの様に、はねのけられない。それどころかサイトの手にルイズの手が重ねられ、ルイズの方がサイトを自分の胸へ導いていく。
「私のおっぱい…やっぱりちいちゃい?」
「そんなこと無い…とっても可愛くって…」
「やっぱりちいちゃいんじゃない…」
「俺は…好きだ」
薄い寝間着越しに触れ合う肌が、相手と自分を重ね合わせたいと感じさせた。
もう片方の手は絡められ、ルイズの細長く美しい指と、サイトの傷だらけの指が、アンバランスに組み合わさっていた。サイトの手の甲には、繋がりの始まりとなった鮮やかなルーンが刻まれていた。

「最後なんだから…許すわよ…アレ…」
「最後になっちまうから、俺には出来ないんだよ」
「…サイト…」
「…」
「じゃあ、ご主人様の、最後の命令よ?」
「…?」
「私の使い魔として、私を惚れさせた責任をとりなさい」
「…うっ」
「…私と一つになりなさいって事よ?」
「…多分、痛いんだぞ…?お嫁に行けなくなるかも知れないんだぞ?」
「いいわよ。もうアンタと結婚式もしたじゃない?」
「あれは…」
「真似事じゃないわ…私はアンタと一生いる気だったもの」
「…ゴメン」
「それはもういいのよ。でも…」
「…?」
「私の体に…その…少しでもアンタの痕が残るなら…」
「…」
「アンタにあげちゃうから…だからお願い、サイト。

私を…アンタのモノにして…」



レスくれたスレ住人に感謝して…続きは近日投下できる様に頑張る。では(ry

510 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 23:33:49 ID:vX+U3U7l
>>506 カント、観念論
そして今日バイトでイブだけ予定無しで翌日学校という地獄の飛び石
もうこのスレからは遠ざかっておこう…

511 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 01:54:51 ID:fWvGfg/9
メリークリスマス!そして職人さんたち
おつかれさま

512 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 03:36:55 ID:wg3SfXcP
落ち着け。今日はまだイヴだ。

513 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 05:08:33 ID:YWYPd25T
あせれ!もうイブなんだぞ。

514 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 06:36:48 ID:9oVXBt1m
イブはイブニングから来ているので、まだイブではない。

515 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 06:54:51 ID:7CQ3XXK/
220氏
GJ!続き待ってます♪

職人がSS投下してもレスなしでくだらない話を続けてると職人がいなくなり板が寂れてしまうと思うよ
ここはネタバレ避難所ではありませんよ

516 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 07:09:55 ID:5rGblmTY
よしわかった、クリスマスという事で

泥酔した才人がルイズ、シエスタ、アン様、タバサ、テファと次々と襲い
翌日、皆から「責任取って」と笑顔で言われるSS

のプレゼントが欲しい。

517 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 12:26:07 ID:yqOmqKuf
>>516
じゃあ更にクリスマスっぽく全員ミニスカサンタの格好で…


というプレゼントが欲しいです

518 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2006/12/24(日) 12:38:23 ID:KOEKAoC7
じゃあせんたいサンタからみんなにクリスマスプレゼントだ!

*ちなみにこのSSはせんたいさんの続きもののパラレルにあたります。
タバサとかアンさまとかアニエスは一切出てきません(ぁ

投下いくじぇー

519 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 12:38:51 ID:0ubHdu7j
すまない…一つ言わせてくれ


職人さん達も彼女とイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャしてるんだろうからクリスマスくらい我慢しようぜ…

いくらなんでもクリスマス一人な毒男のリクが多すぎる…

520 名前:父来る ◆mQKcT9WQPM :2006/12/24(日) 12:39:26 ID:KOEKAoC7
あれよあれよという間に、ラ・ヴァリエール公爵は休学届けをオスマンに提出し、ルイズに荷物をまとめさせ、一足先に領地に帰る、と言い放った。
二人は公爵のあとからやってきた四頭立ての馬車に、お付の一団によって積み込まれ、呆然としている。

「お前たち二人は、この馬車で追って来なさい。
 では、領地で待っておるぞ、婿殿!」

すでに馬車に積み込まれた才人に向かって笑いかけ、馬の腹を鐙で蹴ると、疾風のごとく去ってしまった。
才人はまだ呆気にとられたようにぽかんとしている。
あまりに矢継ぎ早に繰り出される異常事態に、頭の処理速度が追いついていないのである。
一方ルイズはといえば、真っ赤な顔で才人の対面の椅子に座り、もじもじしている。
…どどどどどどどどうしよう。
正式に結婚相手に決まっちゃった…!!
貴族の子女のルイズにとって家長である父の決定は絶対である。そんな父が才人を結婚相手として見初めた。
目の前でアホ面を晒している犬をちらりと盗み見る。
呆然としているその表情は歓喜なのか絶望なのか、さっぱり掴めない。
才人は、どう思ってるんだろ。
元の世界に帰らなきゃいけないのに、いいんだろうか?
もう一度才人の顔を見る。

「あ」
「え」

モロに視線がぶつかった。
二人でほぼ同時に真っ赤になり、慌てて視線を逸らす。

「な、なんか用?」

思わずルイズはそう口走ってしまう。
言いたい事は他にあるのに。

「い、いや別に」

才人は窓の外の景色を眺めるように目を逸らす。
才人も、ルイズに言いたい事があった。

「あ、あのさ」
「あのね、そのね?」

言葉が重なり、二人はまた同時に口をつぐむ。

「る、ルイズから」
「い、犬から先に」

またしても言葉が重なる。
要らない所で以心伝心な二人である。
またしても重なった言葉に、なかなか言いたい事がいえない。
ああもう、とルイズが先に口火を切った。
才人のほうは見ずに、頬杖を突いて、窓の外を見ながら言う。

「サイト、なんで断らなかったのよ」

思わず口走ったその言葉は、言いたい事と微妙に違った。
『元の世界に帰りたいのに、迷惑じゃない?』そう言いたかった。
ああもう、なんで私ってこうなの!
軽く自己嫌悪に陥るルイズ。
そして、才人から返ってきた言葉が、そんなルイズを打ちのめす。

521 名前:父来る ◆mQKcT9WQPM :2006/12/24(日) 12:40:45 ID:KOEKAoC7
「う、嬉しかったから、かな」

ぼきゅん!
ルイズの頭の中の演算装置が、火を噴いて壊れた。

「うううううううう嬉しいってどういうことよ!」

思いっきり不自然に真横を向いてルイズは聞き返す。
窓ガラスに映るその顔は、熟したトマトより赤かった。
わーわーわーわーわーわーわー!マズイマズイマズイマズイマズイ!
落ち着け私!深呼吸しろ私!水どこ!鎮静剤!えいせいへーーーーい!
浮き足立っている頭の中のルイズ頭脳内防衛軍を無理矢理まとめあげ、もう一度尋ねる。

「ああああああああんた元の世界に帰るんじゃなかったの!」

才人の回答は、ルイズ頭脳内防衛軍を一撃で壊滅させた。

「…そんなのより、ルイズと一緒に居られる方がずっと嬉しい」

どっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!
ルイズの顔面が火を噴いた。
頭の中は大惨事だ。
ええい援軍はこないのか!しっかりしろ私!衛生兵!えいせいへーーーーーーい!
真っ赤な顔でルイズはピヨってしまった。
座っているのに、椅子の感覚がない。
ういてるうー。わたしー、おそらにういてるぅー。
そんなルイズの隣に、才人が腰掛けた。
今度は逆に、ルイズの身体が石のように固まる。

「あああああああああによあっちいきなさいよ」

真っ赤な顔を見られないように俯き、心にもないことを口走る。
そんなルイズに、才人は尋ねた。

「ルイズは、嫌なのか?」

はっとして才人の方を向くと。
…そんな顔しないでよ…。
不安そうな、まるで泣きそうな顔をしていた。
ルイズはそんな才人の肩に、自分の頭を預けた。否定の意味として。

「…ばか。分かり切ってる事聞かないでよ」

今度は、才人が硬直する番であった。

御者は馬を飛ばし、目的地のラ・ヴァリエール邸まで一気に突っ走った。
そのお陰もあって、夕刻には目的地に着いた。
その目的地は。
ヴァリエール邸内の湖のほとりに建てられた、ヴァリエール本邸よりは小さな、真っ白な屋敷であった。
先に到着していたラ・ヴァリエール公爵が自慢げに二人に話す。

「婿殿の噂を聞いてからこれを建てはじめてな!
 なんだその、ここは二人の思い出の場所だろう?」

二人が暮らすための、別邸ということらしい。

522 名前:父来る ◆mQKcT9WQPM :2006/12/24(日) 12:41:33 ID:KOEKAoC7
「さしずめ二人の愛の巣といったところかな!」

わはは、と笑う公爵の前で、二人は目を点にしていた。

「疲れただろう?今日はゆっくり休みなさい。ではまたな」

そう言って、馬に飛び乗り、公爵は本邸のほうへ走り去ってしまった。
二人は玄関先で呆れていたが、扉を開けて待っている二人の執事を見て、邸内へと入った。
扉を抜けるとそこはエントランスホール…ではなく、廊下が両側に向けて続いていた。
執事の案内で左側の廊下を進み、すぐに見えた大きな扉を潜ると…。

「わぁ!」

ルイズが歓喜の声を上げた。
そこは、湖に面した部分がガラス張りになった、大広間になっていた。
夕日が湖面に反射し、橙色の光が大広間の調度を優しく染めていた。
エントランスとここを一続きにしなかったのは、来客にこの景色を楽しませるための工夫なのだろう。

「すごい…綺麗…」

見とれるルイズの横で、才人はぽかん、と口を開けている。
思いつきだけでこんなすごいもの作っちまうなんて、やっぱ、コイツの家って大貴族なんだなあ…。
そう思ってルイズの方を向くと、なんか言う事あるでしょ、と言わんばかりの視線を投げかけてきた。

「すごいな、コレ」

しかし才人の言った言葉は、ルイズの期待していたものとは違った。
…「お前のほうが綺麗だよ」とか言いなさいよこのニブチン…。
ルイズは軽く不機嫌になって、案内役の執事に先を促した。

「疲れたから休みたいわ。寝室はどこ?」

才人は無視して、そう言った。
馬車ではあんなに上機嫌だったルイズが、急に不機嫌になったのを見て、才人は不審に思う。
アレ?俺なんか怒らせるような事したか?
どうにも空気の読めていない才人は、自分を無視して案内役の執事について歩き出したルイズを追う。

「おい、どうしたんだよ」

しかしルイズはそんな才人を無視している。
大広間中央の階段から2階へ上がり、ちょうど大広間に入った扉の逆側にある、大きな扉が寝室だった。
執事がそこを開けると、ルイズがまた驚きの声をあげる。
そこには、中央に天蓋のついた大きなベッドがあり、扉の反対側は湖に面して、バルコニーになっていた。
ガラス張りではなく蛇腹のしきりによって外界との隔たりを作る仕組みになっていた。
ルイズは執事に礼を言って下がらせる。
その際も、才人は無視したままだ。
執事が頭を下げて扉を閉じると、才人はルイズに詰め寄った。

「どうしたんだよ、何怒ってんの?」

執事の前では笑顔を崩さなかったルイズだったが、才人と二人きりになると、途端に不機嫌を露にした。

523 名前:父来る ◆mQKcT9WQPM :2006/12/24(日) 12:42:20 ID:KOEKAoC7
「…言ってくれなかった」

才人はルイズが何を言っているのか理解できない。
疑問符で顔を一杯にしていると。

「あのね、綺麗なもの見たら、一緒にいる婚約者に向かって言う事があるの。
 わかるでしょ?」

くるん、と半回転してベッドに腰掛けるルイズ。
才人は気づいていないが、ルイズは自分を才人の『婚約者』と呼んだ。
ルイズはもう、心を決めていた。
一緒にいる。もう、離さない。
だから、ちゃんとそれらしい態度は取って欲しいわけで。
しかし鈍感においても頂点に立つ男の才人は、そんな程度でわかるわけがない。

「…よくわからん」

目の前でそう言い放つ才人の股間を、ルイズは思いっきり蹴り上げた。
ぎゃん!と犬のような声を上げて、才人はのたうつ。

「あのねー!
 一から説明しないとわかんないワケこの鈍感!
 綺麗なものみたら『キミの方が綺麗だよ』が基本でしょう!
 こここここ、婚約者になったんだからそんくらい抑えときなさいよこのバカ!ニブチン!」

のたうつ才人の前で仁王立ちになり、ルイズは赤い顔でそう言い放つ。
今までのルイズなら、罵倒の台詞に『犬』が入っていただろう。だが今は、才人を決して犬呼ばわりしない。
そこまで聞いてやっと、才人はルイズが自分を婚約者だと認めたことに気づいた。
立ち上がり、ルイズをじっと見つめる。
すこし股間が痛むが、ここでそんな態度を見せるわけにはいかないのだ。この小さな愛しいご主人様の婚約者として。
才人の眼差しに、ルイズの顔が一気に赤くなる。

「わかった。次から気をつけるよ。
 じゃあ、次はどうすればいい?」

ルイズは少し考えて、つつつ、と才人に近寄って、上目遣いで言った。

「二人きりになったんだもん。
 …わかってるでしょ?」

言われるまでもない。
才人は、ルイズを抱きしめた。
ルイズも才人に抱きつき、顔をつい、と上げる。
どちらからともなく目を閉じ、二人は唇を重ねた。
唇を離すと、ルイズが次の要求をつきつけてきた。

「…ここは寝室よね…。
 この先は、言わせないでよ…?」

返事の代わりに、才人はもう一度ルイズの唇を奪った。

524 名前:父来る ◆mQKcT9WQPM :2006/12/24(日) 12:43:03 ID:KOEKAoC7
もう、歯止めは効かなかった。
二人はお互いに服を脱がしあい、ベッドの上で見詰め合っていた。
沈む夕焼けを背負ったルイズの裸体は、まるで茜の光を放つ女神のように見えた。

「綺麗だ、ルイズ。
 世界で一番…」

言って才人は、遠慮なくルイズを抱きしめる。

「遅いわよ…ばか」

言ってルイズは顔を上げ、才人の唇を塞ぐ。
接したまま唇が開き、互いの舌がまるで抱き合うように絡み合う。
才人の手がルイズの背中を撫で、ルイズは必死に才人にしがみつく。
才人の手がルイズのこぶりなヒップを愛撫しはじめると、ルイズはたまらず唇を離した。

「あっ…ぁはっ…」

臀部を撫で回される刺激に、俯くルイズ。
その視線の先に、張り詰めた才人の怒張があった。
ルイズは才人を抱きとめていた手を解くと、両手でその怒張を優しく握り締めた。

「くぅっ…」

優しくグラインドされるルイズの手が、才人に快感を送り込む。
才人は負けじと、ルイズの双丘の下から手を回し、すでに濡れそぼっているルイズの入り口を両手の指で撫で回す。

「あ、だめっ…」

ルイズの声が上ずり、才人を握る手に力が篭る。
それがまた刺激になって、才人を高める。

「うっ…」

才人は今度は、両手の指で、ルイズの前と後ろの門を同時に刺激する。
同時に襲い来る快感に、ルイズは必死に耐える。

「やっ…あっ…」

必死に自分を繋ぎとめ、負けじと才人を刺激する。
竿だけでなく陰嚢を片手で優しく握り、ふわふわと優しく刺激する。

「うぁっ、ダメだ、ルイズっ」

先に限界を迎えたのは才人だった。
思わず両手でルイズの双丘を開ききるほどに握り締め、射精の刺激に備える。

「ふぁっ!」

その反動でルイズが強く握った才人が一瞬膨らみ、弾けた。
びゅびゅっ!
白い迸りが、ルイズの顔を、胸を、汚す。

「もう…先に逝っちゃうなんてズルい…」

自分にかけられた才人の欲望を拭き取るように手ですくい、ルイズは上目遣いに才人を睨む。

525 名前:父来る ◆mQKcT9WQPM :2006/12/24(日) 12:43:45 ID:KOEKAoC7
「ゴメン…」

しかし、逝ったあとにもかかわらず、すぐに才人は元気を取り戻す。
そんな才人を見てルイズは淫靡に微笑むと、その剛直の上に自らを押し当てた。

「今度は、ちゃんと私も逝かせて…」

そして、そのまま才人を飲み込んだ。
ずぶずぶと剛直がルイズの中に埋まり、ルイズの背筋が快感で反り返る。

「うあぁっ!奥までぇっ…!」

最奥まで届いたそれを引き抜くため、ルイズは腰を上げようとする。
しかし、才人がその腰を掴み、それをさせない。

「…え…?」
「今日はちょっと、やり方を変えてみよう」

才人はいたずらっぽく笑い、ルイズを突き刺したまま腰をゆっくりと回した。
腰に回した手で、ルイズの身体を同時に揺さ振る。
ルイズの中が才人でかき回される。

「うぁっ…なにこれぇ…」

内臓をかき回される感覚に、ルイズの意識が朦朧となる。
才人はルイズを貫いたまま、一切引き抜かずに回転運動だけでルイズに刺激を与える。

「どう?ルイズ」
「なかっ…かきまわされてっ…ヘンに…なるぅっ…!」

最奥を刺激されたまま、ぐちゃぐちゃと中身をかき回される感覚が、ルイズを高みに持ち上げていく。
掴まれているせいで動きの取れない不自由さが、背徳的な快感となってルイズを責める。

「あ、だめ、だめ、いくの、いっちゃうのぉっ!」

一足先にルイズが限界を迎える。
かき回されるそこが、絶頂と共に強く引き絞られる。

「く、出る、ルイズっ!」

その刺激に遅れて絶頂を迎える才人。
ルイズの中に、熱く滾った才人の欲望が、注ぎ込まれる。

「あ、は、でてる、でてるぅ…」

才人に抱きしめられながら、ルイズは下腹部に感じる温もりに、愛しさを感じていた。

526 名前:父来る ◆mQKcT9WQPM :2006/12/24(日) 12:44:18 ID:KOEKAoC7
交わった後、全裸のまま二人は横になった。
外はもう日が沈み、双つの月が寄り添うように昇っていた。
まるで、今の二人を象徴するかのように。

「綺麗…」

月の光を弾く湖を見て、ルイズがそう漏らす。

「ルイズの方が…綺麗だよ」

すかさず、才人がルイズの背中からそう応える。
ルイズは驚いたように振り向き、朱に染まった頬で才人を見つめる。

「なんだよ、そんなジロジロ見るなよ。
 …コレでいいんだろ?」

赤い顔で照れたように頬をかく才人。
結構恥ずかしいらしい。
そんな才人に、ルイズは微笑み、キスのご褒美をあげた。

「よくできました」

そして唇を離して、才人の胸を枕に決め込むと、その胸に手を置いて、言った。

「幸せにしてね…旦那様」
「…ああ」

二人の約束を、双つの月が優しく照らしていた。〜fin




かと思いきや。
二人の波乱万丈が、ここから始まるとは、その時の二人には思いもよらなかったのである。

*とぅ・び・こんてぃにゅぅど*

527 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2006/12/24(日) 12:48:28 ID:KOEKAoC7
はいおわりー。
これはまた別のシリーズとして書こうと思ってるやつです。
ちなみにルイズ以外にもヒロインは出ます。
ちなみにクリスマスは夜勤でフィーバーですorz
彼女とイチャコラなんてできませんorz

そういうわけで一人身のみんなに俺からプレゼントだうけとれー!(泣

じゃあ仕事いってきますノシ

528 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 12:56:40 ID:l/2c55Hw
>527
うーん、へんたいさんは相変わらずエロイ!
夜勤でフィーバー頑張れ!



>519
毒男な職人が書けばいいんだよ。
オレみたいなな!

529 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 13:10:40 ID:yqOmqKuf
>>527
最高にエロいプレゼントです、へんたいさんたさんGJっす!

>>519
そうだな…すまん…

けどクリスマスにそういう意味での予定がある職人さんは
今日明日こ限ればこに来ないと思うんだ…(´;ω;`)ウッ

530 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 14:36:26 ID:7CQ3XXK/
へんたいさんGJ!クリスマスイブにこんなエロサンタさんからプレゼント貰えて感動した・゚・(ノД`)・゚・。

>>519-529
そんな哀しいことをいうでない! 
きっと職人さんがSSをプレゼントしてくれるはずだ・゚・(ノД`)・゚・。

531 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 15:16:38 ID:fw/fYzek
これはいいプレゼントですね。
乙&GJ!

532 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 15:29:43 ID:TLIKaLl3
GJせんたいさん
ルイズスキーにはたまらないこの展開!


533 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 17:20:38 ID:5rvRckAs
32年間の人生の中でも、今年は最高のクリスマスになりました。
ありがとう、へんたいさん!

534 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 18:40:10 ID:GnhIgdgt
ちょwwwwwww
保管庫もう更新されてるwwwwwww
テラハヤスwwwwww

535 名前:261のひと:2006/12/24(日) 20:07:38 ID:4a7WMG3s
のんびりしてた261です、もちろん今日も明日も予定なんか無いさ。

保管庫の更新も最近他の人がやってくれてたりして、
……
なんか書こうかなーと、スレ流し読みした結果。
>>470 476 477 さん あたりの読んで、ちょっと陵辱風味で……

536 名前:1/5:2006/12/24(日) 20:08:10 ID:4a7WMG3s
「どこでどう間違えたのかしら?」
自分は一線級のトライアングルメイジのはずだし、組んでいるのは世にも稀なスクウェア。
「もうちょっと、日のあたる場所に居てもおかしくないと思うんだけど?」
まるで神でも敵に回したかのようについていない。
「あの使い魔たちと戦ってからねぇ」
まるで世界が彼らのために回っているようだ。
大きく溜息を吐くと、思考を切り替える。
「ま、ぼちぼち行くとするわ」
その名を知られた『土くれ』としてフーケにも意地が有った。
それにしても……
何だかんだで怪盗稼業は休止中。
相棒にしても、騎士団長は罷免。
あの後仕えたクロムェルは戦死。
……ぶっちゃけ収入がない。
「なんでわたしが男を養わないといけないのよ……」
貴族育ちのワルドは生活を全般的にフーケに頼っていた。
生活といってもクロムェルの側近としてワルドを追う者達からの逃亡生活。
それも自分の蓄えを食いつぶしながら……
「あーもうっ、むかつくわねぇ」
騎士としての振る舞いは問題ないかもしれないが、ワルドは……目立った。
スクウェアメイジにして、旧家の御曹司。
「組むには美味しい相手だと思ったんだけどなぁ……」
ぼやいても現実は変化しなかった。
「まぁ……とりあえず『アレ』今日こそどうにかしないとね」

537 名前:2/5:2006/12/24(日) 20:08:42 ID:4a7WMG3s
「ここの宿の食事は今一つだな」
部屋に入ったとたんにワルドに苦情を言われる。
「……そりゃー貴族の口には合わないでしょうけどね」
わがまま貴族ってあの辺の特産品なのかしらね?
自分が逃げているという自覚が無いこの男にも困りものだ。
実際戦えば彼が勝つだろう。
スクエアを打ち負かすのは、そんなに簡単ではない。
それでも戦い続ける等と言うのは実際問題として不可能なのだから、大人しくして欲しいものだ。
「わたし達だってばれ難くすれば、もうちょっと良い宿だって取れるんだからっ……」
何度も何度も頼んでいる事をもう一度頼む。
「さっさと『ソレ』どうにかしなさい」
わたしが持っているのは髭剃り。
そう……この男、逃亡中なのに見かけを触るのをとことん嫌がった。
「むぅ……しかしな、フーケ……ヒゲを剃るのは……」
「あー、もう、むっさっくるしいっ、さっさと剃れ」
「なっ……貴様、ヒゲの魅力が分からんのか?」
なんでそんなに自信満々かあんたはっ
「騎士隊長だった頃等は、『ワルドさま〜おヒゲが素敵〜』と言われていたんだぞぉぉぉ」
いやそれ、ヒゲじゃなくて、トライアングルとか団長とか顔とか見てたから、絶対。
白けた視線で見つめ続けると、ワルドが口を滑らせた。
「ふっ、おヒゲの魅力も分からんから、未だに一人身なのだ、未熟者」
頭の奥で何かが切れそうになる。
「大体だな、作中に一人しかいない僕の様なスクウェアは必ず出番が回ってくるはずだ、
山のよーに居て商品価値の少ないトライアングルなどが、僕に意見するなど……」
…………へー
「トライアングルに相応しい、囚われた貴婦人の救出とか、出番さえ……
出番さえ有れば僕はまた作品に復帰できるんだっ」
萌えなトライアングルでも出て、あんたの出番がまったくなくなる可能性とか考えないのねー
そんな事を考えながら視線だけ動かして杖の位置を確認。
懐にしまっていた杖を取り出して一振り。
未だにベットの中に居たワルドの手足がベットに拘束される。
「ちょ……なんだ?これ?おいっフーケっ!!」
「動くと……綺麗なお顔に傷がつくわよ?」
剃刀を構えながらジリジリとワルドに近づく。
「やめろぉぉぉぉフーケぇぇぇ、ぶっとばすぞぉぉぉ」
ふん、杖の無いメイジなんて、トライアングルでもスクウェアでも同じよね。
もう一度杖を振って、身動き取れ一つ取れないように拘束。
「変装のバリエーションが殆ど無いでしょうが、今はっ、ほーらきれいきれいしましょーねぇ」
喋ることすら出来ないワルドのヒゲを……
ジョリ
(ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)

538 名前:3/5:2006/12/24(日) 20:09:14 ID:4a7WMG3s
ヒゲ……僕のおヒゲ……素敵な素敵な僕のおヒゲ。
つるつる……
「こ……こんな……こんな屈辱……」
部屋代の節約の為に、夫婦扱いで同室に泊まっているフーケを睨む。
「……すかー」
……寝てるし。
食事もせず、精神崩壊から立ち直ったのはついさっき。
すっかり日も暮れている。
「フーケめぇぇぇぇぇ、この屈辱……どうしてくれよう……」
僕はしっかりと杖を握る。
さっきもコレさえ有ればっ……ヒゲを……おヒゲを守れたのに。
「すまないっ……僕のおヒゲ……」
いや……後悔の涙を流すよりも……今は……
「復讐だ……フーケ……貴様の……貴様のおヒゲもっっっ」
※フーケにヒゲは有りませんでした。
「何だとぉぉぉ、この卑怯者めぇぇぇぇ」
「んー、もう……うるわいねぇ、さっさと寝なさい」
し、しかも熟睡する気満々だとぉぉぉ。
ゆ、許せん……
「ユビキタス、デル、ウィンデ……」
四人の分身が現れ、フーケを囲む。
「ゆけ」
布団を剥いで、一人一人が手足を取り押さえる。
「きゃっ……え?ちょっと……なにこれ?」
ふん、今更遅いわぁ
「復讐だ……フーケ……」
そう聞いても何の事か分からないフーケが叫びだす。
「ちょっと……どーゆーつもり?感謝されても復讐される覚えは無いわよ」
「恨みというのは、した側に覚えが無くとも……された側には……」
五人そろって重々しく頷くと、流石にフーケも自信が無くなって来た様だった。
「え……ごめ……なんかした?」
そう言いながら見回すと、五人のワルドに血走った目で睨まれる。
恐怖の余り黙り込むフーケを見下ろしながら、僕は考えていた。
(復讐って……なにしよ?)

539 名前:4/5:2006/12/24(日) 20:09:45 ID:4a7WMG3s
「おぃ、本体」
「何だ?ワルドD」
「いい案がないなら、まずは僕の案に従ってもらおう」
残りの分身たちと目を見合わせ、無言で頷くとワルドDは杖でフーケの寝巻きを切り裂いた。
「ひっ……やあぁぁぁぁぁぁ」
なるほど……
「僕たちの羞恥を味わってもらうのだな?」
「その通りだ」
おヒゲが無く顔を風に晒すのは、服が無いのに等しい。
深い、深いぞワルドD、流石は僕だっ。
「では次は僕だな」
「おぉワルドCお前も何か……」
にっこりと魅力的な笑顔を浮かべたワルドCは今度は下着を切り裂いて、フーケを生まれたままの姿にした。
「やぁぁぁぁっっ、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、見ないでっっっ」
フーケも必死に暴れているが、男四人に押さえられていて動けるはずも無い。
「ここからは僕の出番だな」
足を押さえていたワルドBが言い放った。
ワルドCとBは目と目だけで会話しながら、ワルドBに……
「剃刀だとっっっっ」
「その通りだ、本体、目には目を、歯には歯を、じょりじょりには……」
そうか……
「「「「じょりじょりを……」」」」
「ひっ……何?何なのぉぉぉ?もっ、やぁぁぁ」
いつの間にかワルドAは石鹸水を持っていた。
「スクウェアたる僕に掛かれば、この程度の錬金等容易いこと」
流石だ…………流石僕っ。
十分に泡立っている石鹸水をフーケの陰毛に絡ませる。
「ひっっ、何?何してるのよっ……止めてよぉ……」
ふん、今更……剃ったヒゲは戻らぬのだ!!
闇の中剃刀の刃が煌く。
フーケの目にもそれは映ったようだった。
「は、刃ものっ?やぁっ、ごめんなさいっ、なんだかわからないけどっ、謝るからぁ」
分身たちとこそこそと話す。
「どうする?」
「いや……妙ーに興奮してこないか?」
「おぅ、ちょっと……今更止まらないよな?」
「んじゃ、続行で〜」
「うむ」
五人の視線が集まる中、フーケの身体は更に生まれたままの姿に近づいていった。

540 名前:5/5:2006/12/24(日) 20:10:18 ID:4a7WMG3s
「ひっく……うぇ……ごめ……ゆるし……」
つるつるだった。
混乱したフーケが暴れたが、力ずくで取り押さえ綺麗に剃り上げる。
…………
五人とも何も言わず、目を見交わす。
無言の室内に、フーケの泣き声だけが響いていた。
(どうする?)
(じょりじょりにはじょりじょり……復讐は終わりだろう)
(しかし……)
(そう……しかし……)
「続行だ」
俺の意見に分身たちも異論は無い様だった。
旅の間、合意の上で何度か味わったフーケの身体だったが……
五人が一斉に右手を伸ばす。
「ひっ……もう……これ以上は……」
怯えるフーケに快感を与えるため、今までの経験を総動員しフーケの感じる所を一斉に責める。
「ちょっ……やぁっ、手っ……沢山っっっだめぇえぇぇぇ」
フーケの悲鳴を聞くのが楽しくなり始めていた。
おや?
「フーケ……これ、石鹸水じゃないな?」
触り始めた所だ……そんな筈は無かったが……あえて確認すると目が逸らされる。
そうか……では止める必要もないわけだ。
「お互い楽しむとしようか?」
「ちょ……楽しく無いっ!!楽しく無いんだからぁぁぁ!!」
悲鳴を上げるフーケの口を分身の一人が唇で黙らせた。
涙を流しながら顔を反らそうとしていたが、くぐもった声しか聞こえてこない。
いよいよ楽しくなってきた僕達のうちの二人が胸にしゃぶりつく。
「ひぅ……止めなさいよぉ、このマザコンっ……」
なんで、そゆ事言うかな?
責めがきつくなるの分かっているだろうに……それとも……
「もっと苛めて欲しいようだな……行くぞ?」
「「「「おうっ!!」」」」
「だめっ、本当にやめてよっっっ」
五人に圧し掛かられるフーケに自由などあるはずも無く。
「3,4回だけだから」
「十分きついわよっ、ばかぁぁぁぁぁ」
また馬鹿といったな……
「因みに一人頭だからな?」
真っ青に成りながらもまだ抵抗するフーケの中に僕は無理矢理押し入った。

541 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 20:12:46 ID:4a7WMG3s
聖夜に何書いてるんでしょーねぇ。
ワルドが不憫だなと思って、話書き始めたら、フーケが不憫なことに……ごめんね。

時間有るので
>>496さん のでも書こうかなと、ではっ、また後で

因みに自分の手はとても遅い。余り期待しないで下さいね。

542 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 20:16:17 ID:4a7WMG3s
>>537 の辺りで スクウェアとトライアングルがごっちゃになってる……
脳内保管お願いしたく……ごめんなさい

543 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 20:17:12 ID:EsNZs2TU
なんつーか、なかいいなおまいら。
……っというか二人そろって馬鹿でしょう(w

何はともあれ、職人さんGJ

544 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 20:38:53 ID:7CQ3XXK/
261氏GJ!
聖夜なのにこんなに馬鹿なSSのプレゼントありがとう♪無駄にスクウェアなワルド君に本編の出番はあるのだろうか(ry

545 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 21:14:46 ID:jQnL+E+M
トライアングルのメンヌヴィルより明らかに小物。
ということはコルベールより小物。
タバサのスクウェア化。

・・・ワルドの明日はどっちだ

546 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 21:42:29 ID:lWPN3TIu
GJです^^

>545
超サイ○人にでもなるほかないと思う
可哀相に

547 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 21:45:50 ID:oph+3r5l
サイト人

548 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 21:49:44 ID:4a7WMG3s
では もう一つどうぞ〜
非エロ

549 名前:1/5:2006/12/24(日) 21:50:16 ID:4a7WMG3s
重々しい音共に牢獄の入り口が開く。
囚人達の視線が私に注がれる。
「やれやれ」
この牢獄の中で私は今や時の人だ。
コツコツとブーツの音が私の牢獄に近づいてくる。
「ジャン・コルベール、食事だ」
フル装備の軍装。
昔はあんなに小さかったのに、今は立派な……
「何を見ているっ」
鋭い叱責が飛ぶ。
「入るぞ」
三度三度の食事は毎回この娘が運んでくれていた。
「大変ではないですかな?」
「職務だ」
毎回繰り返されるこのやり取り。
「逃げはしませぬから、コレを解いてくれれば自分で……」
「うるさい黙れ、一人で城の警備を無力化するような化け物の枷を外せるかっ」
やれやれ……
「枷が付いてても危ないからっ……こうやって毎食わたしがっ……」
私はどんな怪物だと思われているのですかな?
ちなみに私が強いのではなく、ここの質が落ちているだけかと……
何度か指摘したら凄い目で睨まれた。
「さぁ、食事を始めるぞ」
重々しく宣言するシュヴァリエの方に向き直る。
牢獄の視線が全て私に集まるのが分かる。
ひじょーに、居心地が悪い……
「さぁっ、ジャン・コルベール!」
ミス・ツェルプストーに見られたらどんな事になるのやら……
「あ――ん、しろっ」

550 名前:2/5:2006/12/24(日) 21:50:55 ID:4a7WMG3s
「ほら、こぼれたぞ」
懐から出したハンカチでジャン・コルベールの口元を拭く。
周りの囚人がざわめいたが気にしない。
「じ、自分で出来ますので……」
ほほう
「何だとっ、まだ動けるのかっ、では更に厳重にせねばならんなっ」
「そ、それは違いますぞ?こ、これ以上は……」
泣きそうな顔が可愛い。
(苛めて苛めて苛め抜いてやる)
その決心は揺らぐことが無い。
手馴れてきた所為で、残念なことに食事は結構すぐに終わってしまう。
「ごちそうさまでした、シュヴァリエ」
無意識に少し頬が緩む、毎食の後のこの時間がわたしは結構気に入っていた。
「さて、今日はまだ終わらんぞ?」
今からの仕打ちを思い出したジャン・コルベールが赤くなる。
「いえ……その……結構です」
両手両足を拘束されていて逃げられないこの男の服を、無言で脱がせる。
と、言っても腕や腿で服は引っかかるわけだが……
「あーれー」
これを始めて知った事だが、この男の身体は結構締まっている。
食事と一緒に持ち込んだ桶の中の手拭を絞る。
「さ、拭くぞ?」
「で、ですからっ、解いてくれれば自分でっ」
「貴様っ、逃げる気だなっ」
がっくりと脱力するこの男の身体を、ほの温かい手拭でなぞる。
「シュ、シュヴァリエ……もっと、強めに……そのっ……」
ふっふっふ、くすぐったかろう、こそばかろう。
しかーしっ、これは復讐なのだっ。
一度で済むはずの所を、優しく優しく何度も繰り返して拭く。
なんて残酷な仕打ちだ、自分が恐ろしくなるなっ。
さて……背中は終わったし……
ガシャガシャと鎧を外す。
「あーシュヴァリエ?何を?」
ふっ……前回悟ったのだよ、ジャン・コルベールっ!!鎧を外した方が威力が上がると。
「邪魔だからな」
それだけ伝えると、背中側からお腹や胸、首筋を拭く。
「ちょっ……シュ、シュヴァリェェェエ」
出来るだけ密着する、そうすると……
「あ、当たってますぞ?当たってますのですぞ?」
「ほほう?どこがだね?ジャン・コルベール」
途端に口ごもるコルベール……言えまい、純で内気な貴様にはっ
『胸が当たっています』等と言えまいっ、甘いぞっコレは陛下直伝『あててんのよ』だ
陛下がいつか使おうと古代の魔法書から発掘した、超奥義っ。
多少恥ずかしかろうと、復讐の為ならばっ。
前回は鎧が有った為発動しなかったが……け、けしてわたしの胸が人並みな所為じゃないからな?
……学生の癖に、膨れまくった女が側に居たような気もするが……
っっっっ悔しくないしっ。
何度も絞りながら上半身済ませる。
……前回はここで逃げてしまった……今回こそっ
「ちょっ、シュヴァリエ?」
湿った手拭をパンツの……って?
「何?これ?武器かっ……貴様ぁぁ、逃げる気だなっ、逃げる気だったんだなぁ?」
あのでっかい胸のところに帰る気だったんだな?
「ゆるさんっ」
とりあえず、武器を取り上げようと……

551 名前:3/5:2006/12/24(日) 21:51:28 ID:4a7WMG3s
「いたたたたたた、違いますぞぉぉぉシュヴァリエェェェェ」
周りの牢獄から失笑が漏れ聞こえる……
誰か、誰か止めてくださいっ。
「なんだ?武器じゃないのか?」
握りしめたまま、パンツの中を覗き込んだシュヴァリエが真っ赤になって飛びずさる。
「ご、ごめんなさいっ」
あの……シュヴァリエ?
タッタッタ……
「駆け去るのは結構なのですが……ね」
周りの牢獄から声が飛ぶ。
「いい格好だなー先生」
「今日もいいもの拝ませてもらいやしたっ」
「あんたぁ、俺らの神様だぁ」
「はにかむシュヴァリエ最高ぉぉぉぉ」
彼女は今やこの牢獄のアイドルだった……
いえ、それは良いのですが……
服をはだけて、濡れたままなのは……
「風邪を引きそうですぞぉぉぉぉ」
爆笑が牢獄を包む。
「ひぃいぃ、出たくねぇぇぇ、俺明日出所ぉぉぉぉ」
「俺、コレ見るためにわざと捕まったぁ」
「それでこそっ、漢!!」
普通の牢獄はこんなにテンション高いものなのですかな?
シュヴァリエの方をからかった囚人が、次の日に連れ出され、
『蝋燭、目玉……蝋燭……目玉』と、
なぞの言葉を繰り返すようになってから、彼女を直接からかう者は居ないのですが…
「だ、誰か、助けてくださいませぬかな?」
「「「無理〜」」」
むぅ、囚人の皆さんのなんと薄情な……
「そ、そんな事では立派な大人になれませんぞっ」
つい教師のサガが……
またもや牢獄が笑いの渦に巻き込まれ……
結局私、次の日高熱を……

552 名前:4/5:2006/12/24(日) 21:52:00 ID:4a7WMG3s
「陛下!!」
「な、なあに?アニエス?」
「今日はわたし、非番です」
「そ、そうだったかしら?」
「そうなのですっ!!ではっ、失礼!!」
これで、今日は休んで問題ないはずだっ、わたしは走り出す。
(ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい)
視界が涙で歪んだ。
(わたしの……せいだ……)
朝食は殆ど食べられなかった、青い顔で沢山汗をかいていた。
「担架だっ、担架を用意しろっ」
必死で叫んで……牢番に運ばせたのは……
「おや……シュヴァリエ……お仕事は?」
わたしのベットでぐったりと休むジャン・コルベール……
「今日は非番だ……じっくり復讐してやるからっ」
冷水で絞ったタオルを額に乗せる。
城付きのメイジにお金を払って大量の氷を手に入れていた。
絞る時に手が刺されるように痛かったけど……
「気持ち良いですなぁ」
わたしを相手でもまったく引けを取らない覇気に満ちていた目が……
力なく細められる。
わたしが濡れたまま寒い牢屋に放置したせいで……
「スープなら飲めるだろう?もうすぐ出来上がる、いやでも飲んでもらうからなっ」
苦笑するコルベール……喋るのも辛いのか、何も言ってくれない。
切ない。
「死ぬなよ?死んだら復讐出来なくなるんだからなっ、死んだら許さんぞ?」
何かを喋ろうとしたコルベールがゴホゴホと咳き込んだ。
「黙れっ、何も言うなっ」
何か言おうとされるのも……辛い。
「ほら、水だ……水分はきっちり取るんだ」
典医の所から無理矢理借りて来た吸い飲みで水を飲ませる。
枕元に付いていても、出来ることなんて殆ど無くて……
「ほら、出来たぞ、飲め」
スープを飲ませたり……
「魔法薬だ、飲め」
薬を飲ませたりしているうちに、少しは楽になったのか、苦しい息のまま眠り始める。
額のタオルを何度も交換する。
熱くなっているタオルに触れるたびに責任感で押しつぶされそうになる。
(ごめんなさい……)
「さ、寒い……ですぞ……」
何枚も布団をかけているし、魔法の道具で温度も湿度も調節済みなのに……
「わ、わたしの責任だからな……」

553 名前:5/5:2006/12/24(日) 21:52:32 ID:4a7WMG3s
目が覚めると、久々に牢獄以外のところで……
「両手が動くのって良いですなぁ……」
むにゅむにゅ
「そう、こーむにゅむにゅと……おや?」
「あんっ」
腕の中には見覚えのある顔……
「こ、此処は何処ですかなぁぁぁぁ」
看病疲れでぐったりしているアニエスは熟睡したままだった。
「ま、まさかっ……あ、過ちをっっっ」
いや、しかし、自分は昨日風邪を引いて意識不明だったような……
「ま、まさかっ、看病してくれたシュヴァリエに……そのまま襲い掛かったんですかな?」
最悪の可能性を考える。
それがコルベールに染み付いた思考法だった。
「ひぃっ、わ、私看病してくれた人間に……さ、最悪かもしれませんぞぉぉぉ」
いや、まてコルベール、まだコレは可能性のお話ですぞ?
そう思っていると布団に風が入ってきたため、腕の中のアニエスが熱を求めて……
コルベールの胸に取りすがる。
「ジャン……」
そう呟きながら。
(ひっ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ)
コルベールの魂の悲鳴に気付かないアニエスは眠り続ける。
と、何度もタオルを絞ったせいで荒れた指先がコルベールに触れる。
「痛い……」
(ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ)
「まだ……だめなの?……ごめんなさい」
(ひぎゃぁぁぁぁぁぁ)
……もう自分に生きている資格は無いかもしれませんぞ?
というか、誰か昨日の記憶を返してくれませんかな?
覚えてないのはあんまりですぞぉぉぉぉぉ。

結局アニエスの復讐は有効で……
アニエスが起き出すまでの一時間、コルベールは燃え尽きて灰になっていた。

554 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 21:53:06 ID:4a7WMG3s
こんな日に馬鹿な話ばかり書いている自分って……
いっそ突っ走ろうかな……

555 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 22:38:33 ID:TLIKaLl3
うひゃひゃ、さすが261の人
面白すぎ。GJ!


556 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 22:44:39 ID:jUxt3k7I
アニエスそう来たかwww

557 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 23:04:10 ID:MPxdTn07
3作品揃ってGJ!
御三方共揃って素晴らしいクリスマスプレゼントをありがとう!
しかも全員主役とヒロインがバラバラ…これは運命か?運命なのか!?

>せんたいさん
続きものは先を読みたくてウズウズしますね
楽しみにしてます!

>261のひと
どっちもバカ過ぎて笑えたw
ワルドの復讐を考慮せずに爆睡してるフーケ面白すぎw

>>548
ジャンの構造を知りたくなるSSに惚れた
アニエスもきっと頭良くないんだな、きっとそうなんだ

558 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 23:38:47 ID:2/IaKf2b
>>527
甘々でエロイ話キタコレ!!

>>541
分身で知性も分割されてるようなw
>>554
うはw俺も捕まってくるwww

サンタクロースさん達、クリスマスプレゼントありがとー

559 名前:261のひと:2006/12/25(月) 00:07:03 ID:yhljsR8g
25日になったから10巻ネタいいですかね?

560 名前:1/4:2006/12/25(月) 00:07:35 ID:yhljsR8g
夢ならよかったのに。
「目覚めたか?」
起きて最初に目に映るのが自分を叩きのめしたエルフだなんて……
「あと、八日だ」
嫌味な男。
私が正気で居られる期間を毎朝教えてくれる気のようだった。
無言で本を手にと……なにこれ?
「シャイターンの門の活動が活発になってきているのでね……異界の書物だ」
才人の世界の本?
少し興味を引かれた。
「書物とは……素晴らしい」
ビダーシャルが恍惚と呟く。
「この様な文化は我々には無い……」
そう言いながら、ハルケギニアにも見当たらない美しい発色の本を読んでいた。
「どんな本なの?」
どうせ正気を失うまでの時間つぶし。
珍しいものでも……
「興味があるのかね?素晴らしい!まぁ待ち給えよ?」
何?いきなり元気になったビダーシャルがどこかへ駆けさる。
これ……なんて書いてあるの?
『コスプレ大全』『全国美少女制服図鑑』『制服マニア』
えっと……書物?
綺麗な絵ばかりなんだけれど……

561 名前:2/4:2006/12/25(月) 00:08:08 ID:yhljsR8g
「さぁさぁさぁっ、次はっこれだぁぁぁぁ」
えと……んと……
まぁいいか、暇だし。
「後ろ向いて」
ビダーシャルはにこにこと視線を外す。
見たこともない服を、先住魔法で虚空から次々と作り出す。
真っ赤なワンピース……スカート短すぎる。
「おぉぉぉ、股下のライン=スカートの丈……素晴らしい学説だっ」
「まだみちゃだめっ」
白いふわふわで縁取られたワンピースをゴテゴテしたベルトで固定。
ん……と、いいのかな?
「こう?」
振り向いたビダーシャルの顔が笑み崩れる。
「おっけぇぇぇぇ、よしっ『今年のプレゼントはあ・た・し』はいっ」
服を着るたびにビダーシャルは色々なことを言わせる。
『おちゅうしゃする?』とか『おまたせっ!』とか……意味がよく分からないのだけど。
「今年のプレゼントはわたし」
「むぅっ、イントネーションが……リテイクだ!」
ビダーシャルが納得するまで繰り返されるやり取りにももう慣れた。
何度か繰り返すとビダーシャルが鼻血を吹く。
「よひ、つぎら」
不思議な男……エルフって皆こうなのかな?

562 名前:3/4:2006/12/25(月) 00:08:39 ID:yhljsR8g
リアル着せ替え人形、しかも美少女萌えぇぇぇぇぇ
こんな最果てに左遷された時には、泣くかと思ったが……
「よしっ、次はこの某有名私立中学校の制服だっっ」
ちょっと上司の娘に手を出しただけなのに、こんな所に飛ばされた時にはイヤイヤだったが……
(もう誰にも代わってやらんっっ)
しかも、薬で心を喪失させた後は……
(此処を守る……という事は、四十六時中べったりで好きなことしほうだいっ!!)
い、いたずらしてもバレナイっっ、何年ぶりだろうかっ……
「着た」
ぐはぁぁぁぁっぁ、萌え。
震える声で指示を出す
「『おにいちゃん』はいっ」
『血縁でもないのにどうして?』
問いかけるような瞳で小首を傾げつつも、指示通りに……
「おにいちゃん?」
ぐはっっっ、疑問系っ!来ました問いかけるようにっ……おにいちゃんです。
血、血が……血がたりねぇぇぇ。
ボタボタと鼻血を吹きながらその場に崩れ落ちる。
「くっっっ」
まだ……まだだっ、私は……まだ……
「大丈夫?」
心配げな表情で覗き込むように放たれたその言葉に、私の意識はブラックアウトした。

563 名前:4/4:2006/12/25(月) 00:09:11 ID:yhljsR8g
「あいつが居るっ、あいつに殺されてしまうっ」
「あいつってエルフ?」
「そうだ……ヤツの部屋からは毎日大量の血痕がっっ」
キュルケの背後にゆらりと立つ者が居た。
「血痕がどうした?」
ひぃぃぃぃぃと、逃げ出す男が最後に名を告げる。
「ビダーシャル卿!」
――――
サイトたちがビダーシャルを追い払った後、走り回ってタバサを探す。
「お姉さま、無事だったのね?きゅい」
シルフィードの陰に隠れたタバサを皆で取り囲む。
無事を喜ぶ声を掛けようとする男達が一斉に固まった。
「きゅい?どしたの?」
男達の血走った目がタバサを射抜く。
「ありがとうっ♪おにいちゃん♪」
ビダーシャルに何度も言わされていたため、つい癖になっていたタバサが口走る。
助けに来たサイトたちは一斉に血の海に沈む……
「あんた……なにやってんのよ……」
脱力仕切ったキュルケに抱きつきながらタバサが囁いた。
「ありがとっ、おねぇさまっ」
救出に来た一団を全員ノックアウトした後、
タバサ主導の下、城を抜け出す……
最早ハルケギニアにおいてタバサに勝てる存在は居なかった。

ビダーシャルの作り出した数多の衣装をアンリエッタに献上することによって、サイト達はお咎め無しになったのだが……それはまた別のお話。

564 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 00:13:38 ID:yhljsR8g
あんまり落ちてないなぁ……
ふと思いついたので書きかかった10巻ネタ。

……だれかがビダーシャルの性格決めるまえに、とりあえず投下しとこうと……
ごめんなさい、なんだかすごくごめんなさい……ではっ

565 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 00:17:04 ID:O6FMdDc4
>>560タバサ…GJ
そういやまだネタバレな気がするが…

566 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 00:56:39 ID:79NMqIGm
どうやら261氏は聖なる夜の魔力に狂ったらしい……
どうにも馬鹿なSS3連発にGJ!
でも25日解禁ってのは今夜になってからがネタバレ解禁だと思われ(ry

567 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 02:05:40 ID:6fLIq7hz
ネタバレだがネタバレになってないようなきがするw
性格変わりすぎワロタw

568 名前:284:2006/12/25(月) 03:07:20 ID:VG6LTYap
夜中にひっそりと・・・
 
せんたいさん、少し手法をお借りします。落ちをどうすればいいか迷ったもので。
すいません。先に謝っておきます。
それでは、続きを

569 名前:サイト争奪杯:2006/12/25(月) 03:08:21 ID:VG6LTYap
二回戦の徒競争でアニエスがぶっちぎりで優勝したり、アンリエッタが礼儀作法対決で
さすがの貫禄を見せ付けたり、ルイズが巨大迷路早抜け対決で辛くも勝利したり、
虚無のとばっちりを受けたオスマンが強制撤去されたりと・・・・・・・

・・・・・・・とまあそんなこんなあって

「それではただいまより最終戦をとりおこないます」
オスマンの代わりの従者が淡々と告げた。
「最終戦の内容は・・・・・・」
会場中が固唾を呑んだ、どうあがいてもこれが本当に最後なのだ。
「・・・・仮装対決です!」
「「「「・・・・・・・え?」」」」
あれ、こんな状況前にどっかで・・・なんか俺じゃない俺が、運動会だ何だって
言ってたような・・・ま、いいや。
簡単に状況を受け入れる才人の性格がここでも発揮されたらしい。
「え〜、ルールとしましてはこちらで複数の衣装が用意してありますので、
 30分以内に各自コーディネートしてください。
 そして、審判員のシュヴァリエ・サイト様に判定していただいて、優勝者を決定します。」

たしか、俺が選んだ服もあったはず、誰が着るんだろう。
とにやけ顔で妄想する才人を尻目に戦いのゴングが鳴らされた。


570 名前:サイト争奪杯:2006/12/25(月) 03:09:41 ID:VG6LTYap
「それでは・・・始めっ」
四人は、いっせいに駆け出した。
あ、あ、あ、あの犬が喜びそうな服装よね、どんなのがあるかしら。
これは、インパクトが薄そうだし・・・と服の山を引っかきまわしていると、ルイズが
あるものを発見した。
「な、なな、なによこれぇぇぇぇぇ!!」
で、でもコレなら・・・

やっぱ、サイトさんでしたらあのもらった服が一番ですよね。あ、でもここにあるかしら・・・
あ、あったあった。これで優勝ですね。
「サイトさんは渡しませんよ、ミス・ヴァリエール」

しかし、仮想など不思議勝負ですわね。でも、少し楽しいかもしれませんわ。
この格好はしたことがありませんしいいかもしれませんわね。
アンリエッタは山の中からあるものを引っ張り出した。

むぅ・・・ いつもの格好以外したことないし、どんな格好をしたらいいのかさっぱり分からんな。
しかたない、適当に目を瞑ってコレとコレと・・・ってなんだこれはぁぁぁぁぁ
いやしかしもう時間が無いし、ええい仕方ない。


571 名前:サイト争奪杯:2006/12/25(月) 03:11:24 ID:VG6LTYap

―――――――三十分経過

「それではこれより、審査を始めます」
四人は大きなローブに身を包んでいた
「じつはけっこう楽しみにしてるだろ、相棒」
「え、う、うんまぁこんな機会滅多にないしな」
優勝者を決定した後におこるであろう修羅場を全く予想していない
才人は嬉々として言った。

「それではまず、ミス・ヴァリエール」
ルイズは一歩前に出て、ローブを脱ぐとポーズを決めて言った。
「きょ、今日は、あ、ああ、あなたがご主人様にゃん」
それは昔才人を慰めようとして失敗したときのあのネコ耳姿だった。
な、なな、なにしてんすかご主人様〜!才人は思わず鼻をおさえていた。
「次、シエスタ」
あなたがそう来るのでしたら、こっちは・・・
シエスタは高々とローブを投げ上げ、くるっと回って一言
「お・ま・た・せ」
お約束通りのセーラー服だった。
あぁ、もう。シエシエ最高、たまんね〜。
日本だったら間違いなく逮捕されているだろう・・・・


572 名前:サイト争奪杯:2006/12/25(月) 03:12:39 ID:VG6LTYap
「次は・・アンリエッタ姫」
みなさん、すばらしいですわね。えぇとこの格好でしたら・・・
アンリエッタ姫は静々とローブを脱いだ
「えっと、おかえりなさいませ、ご主人様」
そうくるかぁぁ、姫様ぁぁぁ!メイド姿ぁ万歳ぃぃ!この背徳感、病み付きになりそうだぁぁぁ!!・・・・
アンリエッタは、ふわふわのメイド姿で微笑んでいた。
「初めてなもので、いかがでしょうか?」
「最高です」
「好き物だぁね、相棒も」

「最後、シュヴェリエ・アニエス」
ばさっとローブを脱いでアニエスは、才人に向き合った。
「む、なかなか動きやすいなこれは」
アニエスさん、あんた優勝。いやむしろ反則ですそれ。才人はついにパーカーを真っ赤に
染め始めた。
アニエスは三角形の申し訳程度に下半身を覆う黒い布に、そのはちきれんばかりの胸で
たくし上げられているTシャツほどの服に身を包んでいた。
・・・・・そう、体操着+ブルマーの極悪コンボである。
あぁぁ、アニエスさん、それ以上は。やめて、ブルマを指で直さないで、鼻血止まんない。
「それでは、シュヴァリエ・サイトに判定して貰います」

才人は散々迷った挙句、一枚の札を上げた。そこに書いてあったのは・・・

1 ルイズ
2 シエスタ
3 アンリエッタ
4 アニエス


573 名前:284:2006/12/25(月) 03:14:53 ID:VG6LTYap
えっと、僭越ですが、始めに選んでくれた人で書きたいと思います。
どうしても決められなかったんです・・・・すいません
やはり、職人さんには遠く及ばないですね

どうもお邪魔しました。これは面白いと思ってくれている人はいるんだろうか・・・・

574 名前:ガイア:2006/12/25(月) 03:16:51 ID:oV6l5JYV
2のシエスタでお願いします

575 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 03:21:01 ID:+qgXorUu
変なコテに後れを取るとは・・・orz

576 名前:名無し@ピンキー:2006/12/25(月) 03:25:48 ID:oV6l5JYV
まあ,気にするな。
今日はクリスマスだしいいことあるさ

577 名前:421:2006/12/25(月) 04:43:48 ID:RAG4XBeo
5のタバサでおねがいしまs

578 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 04:46:12 ID:MGM/XEEQ
あれ…タバサがいないよ…何で?サンタさん何で…なの?

579 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 05:16:36 ID:vJhsMbS+
アニエスさんさえいれば問題無い。
というかだ、せんたいさんに倣ったってことは当然全部書くんだよ
                                         ね?

580 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 06:13:24 ID:+YNCI4xr
3が一番みたい
でも4もみたい

581 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 06:20:20 ID:xpMs6vEk
後の祭りやめれwwwwww

582 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 08:26:23 ID:f/mB1p58
上から順番に全部書いてくださいよぅ。

583 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 11:21:42 ID:Q7i8qc46
あれ? 選択肢が出たって事は

「全員分書きますのでちょっと待っててくださいね」

ということなんだろ?

584 名前:284:2006/12/25(月) 14:29:32 ID:VG6LTYap
えっと、それでは一番早いのが 
2、シエスタ ということなので、とりあえずシエスタルートで。

まだ少し時間かかると思うので、期待しないで下さい。

585 名前:名無し@ピンキー:2006/12/25(月) 15:41:52 ID:oV6l5JYV
ありがとうございます。楽しみに待ってます!

586 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 16:36:27 ID:jhkHUBx5
>と り あ え ずシエスタルート
これの意味するところはずばり…
wktk

587 名前:284:2006/12/25(月) 18:50:38 ID:VG6LTYap
え〜クリスマスって何ですか?

ということで、シエスタルート出来たんで投下します。
やたら長くなってしまったんですけど、勘弁してください。
エロ有りです。あんま旨くないかも




ていうか、誰もルイズを指示しないってどんなツンデレですか貴方達wwww

588 名前:サイト争奪杯〜シエスタの場合:2006/12/25(月) 18:52:22 ID:VG6LTYap
才人が掲げた札に書かれていたのは・・・・

「・・・決まりました! 優勝はシエスタです!!」

「へへーん、見ましたかミス・ヴァリエール。私が本気を出せばざっとこんなもんです」
何をどう本気を出したのか分からないが、得意満面でルイズに言い放った。
「う、うぁ、うぅぅぅ・・・」
怒っているような悲しんでいるような、よく分からない顔をして
ルイズは地団太を踏んだ。
あの馬鹿犬うううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!
せ、せっかくご主人様がこ、こ、こ、ここまでしてあげているって言うのにぃぃっ
こ、こ、これはも、もも、もうお仕置きが必要なようねぇぇぇぇっ
・・・・・訂正、脳みそ沸騰中、怒り100%

「それでは、サイトさんお借りしていきますね、ミス・ヴァリエール。
 あ、所有権を手に入れたから、もう断らなくてもいいのかしら?
 それじゃあタルブヘ行きましょう、サイトさん」
所有権て、才人は物じゃないだろう。
シエスタは才人を強引に引きずっていって、馬車に乗り込んだ

「帰ってきたら覚えてなさいよおぉぉぉ馬鹿犬ぅぅぅぅ!!」

あの顔みたいのを昔京都で見たなぁ、たしか、金剛なんたらって・・・
遠ざかってなお他を圧倒するオーラを発しているルイズを見つめて
才人は現実逃避を決め込んだ。


589 名前:サイト争奪杯〜シエスタの場合:2006/12/25(月) 18:53:43 ID:VG6LTYap
「えへへ、ようやく二人きりになれましたねサイトさん」
そういって才人の腕に絡み付いてくる。

才人は腕にくっついてくるふたつのマシュマロを感じた。
「あ、あのシエスタさん?」
「あ、もちろん当ててますよ、安心してください」
嫌なにを安心すればいいの、シエスタさん。しかもこ、この感触はぁぁ
「ね、ねぇ今もしかして、その、下に」
「・・・前に言ったじゃないですか、この格好だと何もつけられないって」
シエスタは終了とともにとっとと移動を開始したため才人仕様のセーラー服姿の
ままだった。

やばい、この状況は非常にまずい。セーラーって結構薄いから
ほぼ直接当たってくるし、若干透けて、見えそう。耐えろ、耐えろ俺の理性。
才人が脳内K−1を開催しているときにシエスタがKO必至の一撃を繰り出した。
「・・・な、なんでしたら、触って確かめてみますか?」
その言葉は才人の理性ごと脳天を打ち砕いた。
「い、いいの?」
「・・・はい、サイトさんなら」
そういうと、才人の腕から身体を離し、顔を真っ赤にして目を閉じて天を仰いだ
「い、いつでも、どうぞ」
「そ、それじゃあ」
才人はついさっきまで自分の腕にくっついていた双丘にゆっくりと右手をのばすと
割れ物を扱うようにやさしく揉み始めた。


590 名前:サイト争奪杯〜シエスタの場合:2006/12/25(月) 18:55:15 ID:VG6LTYap
「んっ・・・あ・・・やぁっ」
力を入れるたびに小さく痙攣するシエスタを見て才人は目の色を変え
一旦手を離すと、裾から一気に中に手を入れた

「ふぇ・・・? え・・・やっっ・・・・はぁ、そこっだめっ」
「もう硬くなってるんだ、ここ。まだ少ししか触ってないのに」
「そ、それ、はっ・・・そのっっんっ」

才人は意地悪そうに笑いながら双丘の先の突起をつまみ上げる。
「その・・・? 何かな、ちゃんといってごらん? 言わなきゃわかんないよ?」
「や・・・あっ サイトさんのっっ、い、いじ・・・いじわ、るぅぅ」
問うあいだも、才人は胸を責め続けるのをやめようとしない。
「言えないのかな? いけないなぁ、そんな悪い子にはおしおきだな」
そう言って、開いている方の手で膝上までしかないスカートをめくりあげた。

「なんだ、こっちももうこんなになっちゃってるんだ、イケナイ子だな
 でも、ほんとになんにも履いてないんだねぇ、イスまでぐしょぐしょじゃないか」
そういうと、才人はその濡れそぼった入り口をこね始めた。

「あっだめぇ・・・んんっ・・・」
言葉に反して、更に下の口からは蜜があふれてくる。

「また濡れてきたな、本当にシエスタは悪い子だな、ん?」
「は・・・いっ・・・私・・はっ・・・はぁん・・・い、いけない、悪い子です・・・ 
だ、だから、たくさんおしおきしてぇっ」
「ん、よし。よくいえたな」

同時にこねまわしていた指を一気に二つ中へ押し込んだ
「あ、あああああぁぁんっ」
才人はぐちゅぐちゅと音がするようにわざと空気が入るように激しく掻き回した。
「やっ・・・はあああぁぁっっ・・・サイトっさんっっ・・・は、はげしっっっ」
「いいよ、好きなときにイっても」
才人は中の締め付けが強くなったのを感じて、すかさず三本目をねじ込んだ。
「・・・えっっやぁっだめぇっ・・・きっつ・・・」
才人は三本の指を泡立てるように蠢かした
「も、もうっだめっ・・・イっちゃうぅぅっっっっ」
才人は充血しきった小芽を取り出すと、親指で強くこすりあげた。

「あっもっもう・・・・・だめええぇぇぇぇっっっっっ!!」

才人の手に大量に蜜を吹きかけてシエスタは、才人にしだれかかった。


591 名前:サイト争奪杯〜シエスタの場合:2006/12/25(月) 18:56:22 ID:VG6LTYap
「はぁっ・・・はぁっ・・・うっ・・・ぐすっぐすっ」
しゃくりあげはじめたシエスタを見て才人は正気に返った。
「あ、あの、シエスタ? ごめんね、ちょっとやりすぎた・・・かも」

才人はあわてて亀裂に刺さっている指を抜いたが
シエスタは紅潮した顔と涙目できっと睨んできた。
「かも、じゃありません! ひどいですサイトさん!!
 あ、あんな・・・・・・あんな激しくっっ」
「あ、や、だからごめんって」
「だめですっ仕返ししちゃいますから!!」
そういうが早いかシエスタは才人のズボンのベルトを外すと才人自身を引きずり出した。
「ほら・・・もうこんなに・・・」

うっとりとその限界まではりつめたものを見つめると、根元まで一気に咥え込んでいく。
「う、うわ、シエスタっ!?ちょっまっ」
才人はシエスタを抑えようとするが、シエスタはおいしそうに咥えて離さない、
それどころかどんどん激しさを増していく。
「まって・・シエスタっ・・・ちょっまずいって」
「ん〜? いふれもらしていいんれすよ〜?」
声の振動が刺激となってどんどん才人を昂ぶらせていく。
「ちょ、しゃ、喋るなって、出ちゃうからっ」
「いいれすよ〜きれくらはいよ〜」
「うあっだめだっっでるっっ」

才人はシエスタのあたまを掴んで自分の怒張を喉奥まで押し込むと
自分の欲望を思いっきり吐き出した。
「んっんん、んくぅ・・・さいほはんたくはんらしまひらね」
口の中いっぱいの白濁液をおいしそうに舌で転がすシエスタ。
「ん、ん〜・・・んくっんん・・・・・・ふぅ・・・ごちそうさまです」
そんな扇情的な情景を間近で見ていた才人はすぐさま元気を取り戻した。
「あは・・・まだ大丈夫そうですね、それじゃあ・・・こんどは・・・」
そういうと、シエスタはスカートをたくし上げて

「こっちでも・・・お願いしますね」


592 名前:サイト争奪杯〜シエスタの場合:2006/12/25(月) 18:58:48 ID:VG6LTYap
シエスタは、才人に馬乗りになって、自らのぐしょぐしょの割れ目に
あてがうと一気に飲み込んだ。
「あっ・・・はっ・・・はぁん。さ、サイトさんの・・・おっきい・・・」
暫く味わうようにじっとしていると、大きくグラインドし始めた。
「んっ・・はっ・・・サイトさんっっ・・・気持ち・・・いいっっ」
「い、いいよっ・・・シ、シエスタっ」
赤ん坊のように才人は目の前のマシュマロにかぶりついた
「い、いい・・ん・・・あ、はぁ・・・あたま・・・おかしくなりそうっっ」
パンパンと肉を打つ音とぐちゅぐちゅといった液体の絡まる音が馬車の中に響く
「シエスタっ俺もうっ・・・」
「なっ、ナカに来てぇっっ・・・いっぱい出していい・・・です・・・からっっ」
「い、いくよっ!!」
シエスタの中で一際怒張が大きくなると

どぷ どぴゅっ ぶびゅるるうっっ

白い迸りがシエスタの子宮のなかを満たしていく。
「あ、あはぁっ、いっぱいでてるううぅぅぅぅぅぅっっっ」
射精の勢いでシエスタも意識が真っ白になる。

シエスタが目を覚ますと、才人に肩を抱かれて寄りかかっていた。
「あ、目ぇ覚めた?」
まだ、おなかにはなにかが入っている感触がある。それを感じながら
シエスタは愛しい人を見つめて言った。
「ね、サイトさん。村についたら・・・また、たくさん続きしましょうね」

才人の冬休みは、まだまだ始まったばかりである・・・




が、この後、シエスタ家で最大の修羅場があることを才人はまだ知らない・・・・                      
                              
                          < Ver.シエスタ Fin? >


593 名前:284:2006/12/25(月) 19:01:14 ID:VG6LTYap
以上です。ありがとうございました。

文がめちゃくちゃかもしれませんが、ご容赦を。

それでは、また

594 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 19:04:28 ID:3z22zZ/L
密かに全ルート制覇する気の284氏に敬礼。

595 名前:名無し@ピンキー:2006/12/25(月) 19:47:05 ID:oV6l5JYV
>284さん
GJです!これ見てやっぱりシエスタはSなんだな〜と改めて思いました!

この後の修羅場も気になってしょうがありません。頑張ってください

596 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 19:52:41 ID:hAtrOrgM
女王以外みんなSだろ。
Sであって欲しい。

597 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 20:01:12 ID:3z22zZ/L
あれ?ネタバレは解禁したの?だったらタバサのイーヴァルディネタで
SS希望。

598 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 20:42:34 ID:UxBZMUK2
284氏エロGJ!です
他のも楽しみにしてます♪

599 名前:Coa:2006/12/26(火) 21:14:33 ID:ZaaVImFP

ようやく十巻の内容解禁ですね。
とりあえず『ルイズの優雅なデート録』は一時休止で
才人とシルフィードのコメディモノを一つ。
シルフィは素で天然なので結構書きやすかったり。
では。


600 名前:シルフィもサイトと遊びたい!:2006/12/26(火) 21:16:15 ID:ZaaVImFP

うららかな陽気に包まれたトリステイン魔法学院。

件のタバサ救出劇から一週間が経とうとしていたが、王都も学院も、これといった騒動は無く、平穏な日々を迎えていた。
あの日、タバサを救出したあと真っ直ぐに王宮に出頭した七人(タバサ含む)であったが、
しかしアンリエッタは涙ながらの抱擁で迎えてくれた。主にルイズと才人を。
七人は、(二人は貴族の称号と共に)再び魔法学院に復帰することを許され
身分返上の事実は公の事態とはならず、一応の収拾をつけられた形となった。


そういうわけで。

「ねえ、ねえ! サイト! 遊んで! 遊んで! きゅい」

そう言いながら、嬉しそうにシルフィードは才人の頭を咥えて、振り回す。
おげ! もげ、もげる! 首が! もげるって!
そんな悲鳴が己の口内から聞こえたような気がしたが、シルフィは気にしなかった。
彼女は大らかなコなのである。

魔法学院に復帰して以来、彼女はいつもこんな調子であった。
ちなみに今現在、二人のご主人様は屋外で、魔法実技の受講中。
仕方ないので使い魔たちは、思い思いに時間をつぶしている最中であった。
魔法理論の講義には一緒になって参加する才人であるが、
流石に実技の授業は参加したところで無駄というものである。

まぁそんなわけで。

「遊んで〜〜! 遊んで〜〜! きゅいきゅいきゅい♪」
「(ピクピクピク)」

魔法学院のとある中庭では、ゴキゲンな使い魔Aと瀕死の使い魔Bが仲良く戯れていた。


601 名前:シルフィもサイトと遊びたい!:2006/12/26(火) 21:18:03 ID:ZaaVImFP

「殺す気かこのバカ!」

所は変わって魔法学院のとある廊下。
あの後ぐったりして動かない才人に気付いた風韻竜は、慌てて彼を屋内へと運び込み
どうしたものかと困っていたところで才人の意識が覚醒したらしい。
ちなみに屋内で竜の体は大きすぎるため、今は人間の姿に。
息を吹き返した才人の開口一番が、上の言葉であった。

「ご、ごめんなさいなのね」

うなだれてしょんぼりとするシルフィード。
その姿が何となく不憫で、才人はそれ以上怒れなくなった。

「あー、もういいよ。
大体なんで今になって突然遊びたがるんだよお前は。つーかとりあえず服着ろよ」
「だって、今まではシルフィしゃべっちゃダメだったから、ずっと我慢してたのね。
一緒に遊んじゃったら、シルフィ絶対ボロ出しちゃうもの。うっかりしゃべっちゃうもの」
「あぁ、なるほど。
今はお前の正体知ってるから、遠慮なく話しかけられるわけだな。
まぁとりあえず服着ろ」
「そうなの。きゅい。
シルフィ、他の皆がサイトと仲良くしてるの見てて、とっても羨ましかったのね。
きゅるきゅるとか、もぐもぐとか。」
「あくまで服の件はシカトし続けるつもりだなテメエは。
まぁともかくそういうことならお前に付き合ってやらんことも無いけどもな
とにかく人のアタマくわえてブンブン振り回すのはヤメロ。分かったな?」


602 名前:シルフィもサイトと遊びたい!:2006/12/26(火) 21:19:14 ID:ZaaVImFP

そういうと、シルフィードはおもむろに抱きついてきた。

「嬉しい〜〜! サイトならそういってくれると思ったのね!
噛んじゃったことは謝るのね!
サイト、いっつもシルフィにも優しくしてくれるから
シルフィ、つい嬉しくてサイトをくわえちゃうのね。きゅい♪」
「お、おい、抱きつくなって!
わかったから、もう噛んだりすんじゃねーぞ?」


ぼとっ


音がした。
何かが落ちる音。
見ると、顔面蒼白になったケティがソコに立ち尽くしていた。
足元には可愛らしくラッピングされた包みが落ちている。
クッキーか何かだろうか。
あぁ、おいしそうだナァ。
いい匂いだナァ。
いやそれより何でケティちゃんってば、あんなに真っ青なんだろう?

少し状況を整理してみる。
人気の無い廊下。
シルフィ、今若い女性。
しかも全裸。
抱きつかれるオレ。
囁きあう二人。
『ついサイトをくわえちゃうの♪』←シルフィ
『おいおい噛むんじゃないぞ?』 ←オレ



……

………

か、回避だ! 回避しろ!
やばい! やばいってソレ!
のんびり状況整理してる場合じゃねえっつの!
とにかく今は誤解を解け!
間違いを正すのだ!
今ケティのアタマの中では、俺とシルフィがエライことになってるに違いない!

「ち、違うからな! 誤解だからな!
コイツは今は人間の姿してるけどホントは竜で使い魔で咥えるのは俺の頭のことで決して俺のアレを咥えるわけでh」

バチコーン!

ひっぱたかれた。
彼女には才人のヘタクソな言い訳など聞こえなかったらしい。
つーかコイツの言い訳も半分セクハラに近い。
残されたのは、ぱたぱたと走り去る足音。
地面に落ちた包み袋。
指をくわえる全裸のシルフィ。
もみじを貼り付けた鼻血の才人。
以上であった。


603 名前:シルフィもサイトと遊びたい!:2006/12/26(火) 21:22:00 ID:ZaaVImFP

「どーしてくれんだよこのバカ! 
オマエのせいで、明日から下級生の間じゃセクハラ変態露出狂の三冠王達成じゃねーか!」
「きゅい? よくわかんないけど、すごいことなのね。三冠達成おめでとなのね」
「うるせえ! そんな三冠いらねーっつの!
落合監督もびっくりだっつの!」
「? シルフィ、サイトが言ってること、よく分かんないのね。
ねぇ! ねぇ! それより何して遊ぶの? 何して遊ぶの? きゅいきゅい」
「もうそんな状況じゃねえんだよこのバカ!
俺は明日からの身の振り方と、俺の社会性と人間性の回復を図らにゃならんのだっての!
お前のせいで!」
「もう! サイトさっきから何怒ってるの!? 
シルフィ、ただサイトと遊びたいだけなのに!」
「んじゃもうちょっとマシな格好して出直して来いボケ!
んで人のアタマ噛むな! 舐めるな! いい加減、服着ろ!」
「サイト! ひどいのね! 今まで散々服着ないわたしに乗ったくせに!」
「だから全裸でそういうことを言うなッつってんのに――」


がちゃんっ


音がした。
何かが割れる音。
振り向くと、お盆とカップを取り落としたシエスタが、無表情で佇んでいた。
再び才人の顔が青ざめる。

「ちちち違うぞシエスタ! そうじゃない! 乗るってのはそういうことじゃない!
このコ実は竜で使い魔で人間じゃないからよく俺乗せて空飛んでんだ!
決してベッドの上で俺乗せてギシギシやってるとかじゃないの!」

彼女の顔は才人の弁明を聞くにつけ、無表情から満面の笑みにみるみる変化していく。
彼女はそのまま、まっすぐに廊下の備え付け掃除道具用ロッカーへと歩き出した。
シエスタの笑顔は崩れない。
その口元からは時折含み笑いさえこぼれている。
フフ…ウフフ……アハハ……
なおさら恐い。
才人は必死こいて弁明を続けた。


604 名前:シルフィもサイトと遊びたい!:2006/12/26(火) 21:23:05 ID:ZaaVImFP

「だからねシエスタ、このコに乗ったら天にも昇る心持ちで、とってもキモチイイの!
二人でお空にトんじゃうの! 風を切ってるの! ある種のエクスタシーなの!」

才人。お前、バカだろ。
わざと言ってんのかどうかすら疑いたくなる弁解を聞きながら、
シエスタは笑顔でロッカーに歩み寄る。
鍵のかかったロッカーの扉を、シエスタは力ずくで引き剥がした。

メキャ! バキキン! ガターン! カラカラ……

まるで知恵の輪を引き千切るような調子で扉を捻り開けた彼女は
ロッカーの中からモップを一つ取り出すと、まっすぐに才人のほうへ向かう。
どうやら割れたカップの掃除をするつもりではないらしい。
ニコニコ笑いながら、ぱしぱしと手中のモップをもてあそぶ。
その様子に、才人は青い顔を更に青くして弁解を続けた。

「あ、そうだ! 今度シエスタも一緒に乗る?
マジでキモチイイよ! いやマジで! マジマジ!
三人でお空に昇ろ? ね、ね、ね!?」

平賀才人はどこまでもバカであった。
火に油どころかニトロを注ぐような彼の言い訳を聞きながら
シエスタは、はじける笑顔でモップを振りかぶった。

バキドカメキャバキョンガキョン!



残されたのは、地面の包みはそのままに。
割れたカップ。
折れたモップ。
壊れたロッカー。
軽く怯える使い魔A。
そして使い魔Bであったモノ。
それのみであった。


605 名前:シルフィもサイトと遊びたい!:2006/12/26(火) 21:24:13 ID:ZaaVImFP

虫の息の才人を、シルフィードはつんつんつつきながら話しかける。

「サイト、無事なのね? きゅいきゅい」

がばりと才人は身を起こす
コイツもいい加減、不死身であった。

「無事なわけねーだろこのボケ!」
「あ、無事だった。 きゅい♪」
「『きゅい♪』じゃねぇ! 
何でお前はいっつもいっつもいっつもいっつも俺を窮地に追いやることばっか言うかなぁ!?
しかも絶妙のタイミングで! もしかして狙ってやってんのか!?」
「そんなの知らないのね! シルフィ、何も悪いことしてないもん!」
「してんだよこの脳足らん!
世の中にはオマエには及びもつかんぐらいの絶妙な言い回しがあるってこと、よく覚えとけバカ!」
「バカバカ言わないで! バカって言ったヤツがバカなのね!
サイトどうしてそんなこと言うの!? 
シルフィいっつもサイトに優しくしてあげてるのに! きゅいきゅい!」
「俺はお前に優しくしてもらった覚えなど一度だって無い!」
「ひどい! こないだ砂漠の町ではベッドの中で抱いてあげたのに!」
「バカタレ! だからそういうことは言うなと何度言わせれば――」


めきゃっ


音がした。
今までで一番不吉な音。
振り返ると、授業を済ませた己のご主人様が、今出てきたであろうドアのそばで佇んでいる。
たった今、引き千切ったらしいドアノブを持って。

本命、ご登場。

才人の動転っぷりは、そりゃもうすごいものであった。

「ちちちち違うぞルイズ! そりゃ違う! ボボボボボクは何もしていない!
誤解なのね! 何も無かったのね! きゅいきゅい!」

余りに動転しすぎて口癖がうつったらしい。
使い魔同士、妙なシンクロでもしでかしたのだろうか。
ちなみに全くかわいくない。

「あらあら、こりゃまた新しい芸風ね? サイト。
で? 言いたいことはそれだけかしら?」

ひたひたと歩み寄りながら、爽やかな笑顔でルイズは話しかける。

「ち、違うって! 違うんだってルイズ!
実はコイツは竜で使い魔で人間じゃ――」
「知ってるわ、サイト? 一緒に正体見たじゃないの、ウフフ。
それともそんなことも失念するくらい、過激なアドベンチャーをベッドの中で繰り広げちゃったのかしら?」


606 名前:シルフィもサイトと遊びたい!:2006/12/26(火) 21:25:22 ID:ZaaVImFP

そうだった!
コイツはすでにシルフィの正体を知っているのである。
ヤバイ。これ以上弁解のしようがない。
何もしてないのに弁解ができない。
だってさっき何もしてないって伝えたもの。誤解だって言ったもの。
でもご主人様信じてくれないのね。きゅいきゅい。
いや落ち着け才人!
脳内にまで口癖うつしてる場合じゃない!

「お、おい! シルフィ!
オマエからも何とか言ってやれ!」

たまらず才人は援軍を要請する。
隣で微妙に怯えた様子のシルフィは、うろたえながら言葉を発した。

「え、えっと、シルフィよく分かんない。きゅい」

援軍要請は一言で拒否された。
散々致死量の爆弾を投下するだけ投下したシルフィードは
そう言って近くの窓から飛び立っていく。

「ま、待て! 逃げるな! 戻って来い! 置いてかないで! 待ってえええ!!」

きゅいきゅい。
なんだかサイトが後ろで叫んでたみたいだけど、シルフィとっても怖かったから竜に戻って逃げちゃった。
あ、サイト、昔お姉さまに読んでもらったお話の、捕らわれのお姫様みたいな格好して手を伸ばしてるのね。
なんだかその顔は、お話の挿絵よりも百倍必死に見えるけど。
そのすぐ後ろで、サイトのご主人様が笑顔でサイトの肩をぽんぽん叩いてる。
新しい遊びなのね、きっと。シルフィ、怖いから加わんないけど。
きゅい。やっぱり使い魔はご主人様と一緒にいるべきなのね。
シルフィもお姉さま探そ。お姉さまーーー!

そうしてシルフィードは魔法学院の空をひらりと旋回した。
抜けるような青空。
トリステインは今日も平和でいい天気だった。一部の惨劇と血の雨を除いて。

「ア"ア"ーーー!!」(←断末魔)


607 名前:Coa:2006/12/26(火) 21:28:32 ID:ZaaVImFP

以上でした。作品が変わっても相変わらず才人は不憫です。
ていうかコメディモノ(パロディモノ)はテンポを維持するのが結構大変ですね。
ポンポンと読んでもらわないといけないから。

次はシリアスモノか、エロに挑戦しようかと画策中。
ていうか、このスレで作品投下する上でエロ書かないのはやっぱよくないですな。
ちょっと頑張ってみます。
では。



608 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 22:44:05 ID:ATHEnczB
うはwwwこうゆう展開大好きw
サイトが一番馬鹿ですねw
次回作も期待してます。がんばってね

609 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 22:56:33 ID:o8zcyTLg
>>607
死ぬ程笑った!笑った!
エロ無しでもぜんぜんOK!いや〜うまいね。

610 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 23:00:52 ID:O9+T+aY5
>>607
GJ!!
てか、悪意はないとはいえ、シルフィードヒドスwww
正体バレした以上、原作でも”きゅいきゅい”が増量するんだろうなw

611 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 23:08:04 ID:XigcLr40
エロ無しでも全然OK!

面白かったよ

612 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 23:47:16 ID:+QKCUz4f
もう460kか
早いな

613 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 00:39:48 ID:Qg4qPGbe
11巻以降はヒロインとしてのタバサに大いに期待が持てるな
ロリコンとしては嬉しい限りだ

614 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2006/12/27(水) 01:08:57 ID:DEghMw/w
さてイーヴァルディネタ書いたんで投下

615 名前:イーヴァルディの花嫁 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/27(水) 01:09:42 ID:DEghMw/w
イーヴァルディの物語。
それは、ハルケギニアで最も有名な、そして最もくだらない英雄譚。
勧善懲悪、単純明快なストーリー。
特に決まった筋立てもなく、竜退治だったり、恋愛譚だったりする場合もある。
主役たるイーヴァルディも、男であったり女であったり人であったり人ではなかったりと、不定である。
なによりも、主役が王侯貴族でないのが、貴族主体の社会であるハルケギニアでは受け入れられていない。
だがタバサは、この物語が大好きだった。
だから、イーヴァルディの新作モノが店頭に並んでいるのを見て、内容も確かめずに買ってしまったのもしょうがないことで。
…まさか、イーヴァルディの官能モノがあるなんて思わないもん…。
真ん中ほどまで読んで、真っ赤な顔でほう、とため息をついてタバサは思った。
それは、『イーヴァルディの花嫁』という、恋愛冒険譚のつづき、という触れ込みだった。
『イーヴァルディの花嫁』は、鬼の群れに支配されている村を助け出したイーヴァルディが、領主の娘と恋に落ち、結ばれるという話である。
その後日譚、というか初夜の営みからその話は始まり、どんどん内容が過激になっていく。
現在イーヴァルディにイロイロ開発されてひとりえっちに励む領主の娘、というシーンまで読み進めた。
イーヴァルディが遠征に出かけたため、娘はやっと感じ始めた自分の身体を持て余し、自慰をしてしまう、という内容なのだが。
これがまたスゴい。
初日はまだ指で身体を撫で回す程度なのだが、日が経つにつれ、周囲の棒状のものがイーヴァルディに見えてくる描写や、たまりかねて木のコブにこすりつけて達してしまうシーンまである。
夢中になって読んでいると、ついにイーヴァルディが帰ってくる日のシーンになった。
娘が習慣になってしまった自慰をしていると、突然イーヴァルディがドアを開けて入ってきて…。

がちゃっ

突然自室のドアが開き、才人が入ってきた。

「シャルロットー?いるのかー?」

どうやらノックをしても返答がなかったので、ドアが開いているのを確認して中に入ってきたらしい。
視線がモロにぶつかる。
ドアを開けた才人が固まる。
ベッドの上にいたタバサの顔が火を噴く。
タバサは。
本を読みながらショーツを膝までずり下ろし、自慰をしていたのだった。

タバサはいきなり泣き出した。

泣き出したタバサをなんとか宥めた才人は、所在なげにタバサのベッドに腰掛けていた。
その才人の後ろでは落ち着いたものの、タバサが真っ赤な顔でシーツに包まっている。
いかに肉体の関係があるとはいえ、まだ幼いタバサにとって、好きな人に自慰を見られる、というのはとんでもなく恥ずかしい事だった。
そんなタバサに、才人が声を掛ける。

「しゃ、シャルロットもそういうことするんだな」

その言葉に、タバサは少しだけ出ていた顔を、またシーツの中に引っ込めてしまう。
やべえ外した。
才人がフォローのチャンスを伺っていると、先ほどまでタバサが読んでいた赤い背表紙の本が、床に落ちているのが目に入った。

「そんなすごい内容なのか?コレ」

言って才人はそれを取り上げる。
ぺらぺらと中身を見るが…読めるはずもない。挿絵もないので内容の予測もつかない。
才人が本を閉じてタバサの方を見ると。
今にも泣き出しそうな顔で睨まれていた。

「…返して」

真っ赤な顔で手を差し出してくる。
才人はちょっと考え、その手の上に本を載せてやった。
直ぐにタバサは手を引いてシーツの中に入れようとする。

616 名前:イーヴァルディの花嫁 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/27(水) 01:10:32 ID:DEghMw/w
才人はその手首を握り、思いっきり引っ張った。
タバサは易々とシーツから引きずり出され、バランスを崩して才人の膝の上に乗ってしまう。
タバサはそのまま無言で暴れだす。怒っているらしい。
恥ずかしさがそのまま本を取り上げた才人への苛立ちいとなって、タバサを動かしていた。
才人はそんなタバサを抱き上げると、そのままぎゅっと抱きしめた。
力強い抱擁に、タバサの動きが止まる。

「ごめんな、覗き見するつもりじゃなかったんだ」

才人の言葉にはっとなるタバサ。
ドアを開けたまま、恥ずかしい事をしていたのは、自分なのに。

「…わかってる」

まだ赤い顔のまま、タバサは才人を抱きしめる。

「私こそゴメン。サイトは悪くない…」

ぎゅっと抱きしめ、その肩に頭を預ける。
その視界の隅に、赤い背表紙の本が写る。
…そういえば、あのシーンもこんな展開だったっけ…。
自慰を恥ずかしがった娘を、イーヴァルディが抱きしめ…。
その先はまだ読んでいない。
ふと気になり、才人の腕の隙間から手を差し出し、その本を手に取った。

「どうしたんだシャルロット?」

腕の中でもぞもぞと動いているタバサが気になったのか、才人はそう尋ねる。

「…この本にも…こういうシーンがある…」

そしてタバサは、才人にこの本の内容を大雑把に説明した。
説明し終わる頃には、才人の鼻息は微妙に強くなっていた。
…そ、そーいうの読んでるのかシャルロット!
才人の視線が雄弁にそう語る。

「…こ、今回はたまたま…」

真っ赤になって、そう応えるタバサ。
実際、恋愛小説を読む事はあっても、こんなあからさまな官能小説を読む事は今までなかった。

「で、続きは?」

才人も気になるらしい。

「…まだ途中までしか読んでない…」

タバサの言葉に、才人はなーんだ、と軽く落胆する。
ちょっと、先気になったんだけどなあ。

「…サイトも、読みたい…?」

そんな才人の心の中を知ってか知らずか、タバサはそう才人に尋ねる。
才人は少し考え…頷いた。

617 名前:イーヴァルディの花嫁 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/27(水) 01:11:10 ID:DEghMw/w
じゃ、じゃあ。

「じゃあ、読んであげる…」

え。才人の目が点になる。
才人の言葉を待たず、タバサはとつとつとその本を朗読する。

自慰を見られた娘は、泣き出した。
イーヴァルディは慌ててとりなし、泣き続ける娘を腿の上にのせ、背中から優しく抱きしめる。
そのうち娘は泣き止むが、股間の辺りに何か熱いものが当たっているのに気がついた。
『…大きくなってますよ…あなた…』
ずっと待ち望んでいたものが当たる感覚に、娘の羞恥は吹き飛んでいた。
『ごめん、キミのを見てガマンできなくなったみたいだ』
イーヴァルディは娘を後ろから抱きしめ、そう告白する。
『私も…ガマン…できないんです…』
そう言った娘の股間は、溢れた蜜ですでに潤っていた。
イーヴァルディは遠慮なく、その秘唇を剛直で貫いた。

そこまで読んで、タバサはちらりと才人を見る。
才人と目が合う。

「あ、あはは、す、すごい話だなソレ」

よく見ると、ズボンの上からでもはっきりと才人が大きくなっているのが分かった。

「サイト…」

タバサはベッドの上にあぐらをかいている才人に、四つん這いで近寄る。

「な、なに?」

思わず才人はあとずさるが、ベッドはそんなに広くなく、すぐに退路を断たれてしまう。

「サイト、大きくなってる」

言ってじっと才人の股間を見つめる。
そこは、もう言い訳のしようがないほど、大きく張り詰めていた。

「あ、あはは、お、俺もガマンできなくなってきたかな」

本の内容にあわせた冗談を言ったつもりだったのだが。

「私も…ガマン…できない…」

タバサは本気だったようだ。
ズボンのジッパーを下ろし、屹立した才人を取り出す。

「ちょ、シャルロット!?」

慌てる才人に、タバサは目の前にたって、スカートをたくし上げて見せた。
…さっき見られたときに、ショーツはすでに脱ぎ去っていた。
溢れ出た蜜で、タバサはすでにぐっしょりと濡れていた。

「…サイト、しよ…?」

言って、タバサは才人に抱きついた。

618 名前:イーヴァルディの花嫁 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/27(水) 01:12:12 ID:DEghMw/w
タバサは着衣のまま、後ろから犯されていた。
乱れた上着の裾がひらひらと舞い、スカートが才人の腰の動きに合わせて前後に踊る。

「あっ、やっ、あっ、あっ、やっ、いっ、いいっ」

リズミカルに叩きつけられる才人の腰の動きに合わせ、タバサは囀る。
引き抜かれるたびに溢れたタバサの果汁が零れ落ち、ベッドを汚していた。

「シャルロットの中、いつもより柔らかいね」

事前にほぐされていたせいか、タバサはいつもより深く才人を咥えていた。
より深く犯される快感に、タバサはすぐに絶頂に達する。

「あ、や、だめ、も、いく、いくぅぅっ!」

四つん這いになったタバサの背筋が反り返り、絶頂を知らせる。
ひくひくと肉襞が蠢き、才人を絞り上げた。
しかし、あまり中を往復していない才人には、まだ絶頂に達するまでの快感は蓄積していなかった。

「く、くぅっ」

タバサの締め付けに耐え抜き、才人は脱力したタバサの中を動かずに楽しんだ。
ふと、その目に赤い背表紙の本が映る。
才人はあることを思いついた。

「う、あ…」

絶頂の余韻から戻ってきたタバサの目の前に、才人はタバサに覆いかぶさって、後ろから両手でその本を広げて見せた。
…何…?

「シャルロット、続き読んでみてよ」

才人はタバサを貫いたまま、そう言った。

「…え…」

思わず赤面するタバサ。
しかし、才人の腰の動きが、そのタバサの羞恥を削り取っていく。

「読んでくれたら」

そう言って剛直を引き抜く。

「ふぁぁ…」

それに合わせてタバサの喉が踊る。

「その通りにしてあげる」

言いながら、今度は最奥まで貫く。

「あはぁっ」

…本の、通りに…。
タバサは目の前に開いたシーンを流し読む。

619 名前:イーヴァルディの花嫁 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/27(水) 01:12:51 ID:DEghMw/w
それは、偶然にも、後ろから娘が責められるシーンだった。
タバサは言われたとおり、そのシーンを朗読し始める。

「イーヴァルディは、娘に突き刺した剛直を、ゆっくりと抜き差しした」
「こう?」

言われたとおりに、才人はタバサの中をゆっくりと動く。

「ふぁっ!そ、そう…。
 そ、その動きは、だんだんっ、早くなりっ」
「こんなカンジかな」

少しずつ腰のスピードを上げていく才人。
その快感に耐えながら、タバサは必死に続きを読む。

「あ、はぁっ、こんどはっ、ゆびでっ、むすめのぉ、おしりのっ」
「ん?こうするの?」

才人は右の中指を立て、タバサの肛門に突き刺した。
本の内容では、『娘のお尻の溝を指で優しく刺激した』なのだが。
才人は腰と指をグラインドさせ、タバサに刺激を与える。

「やっ、ちがっ、でもっ、あっ、ゆびっ、おしりぃっ」
「あれ?違うの?」

才人の動きが止まり、指が肛門から引き抜かれる。
それと同時に、送り込まれていた快感が止まる。
よ、読まないと…サイト、止まっちゃう…。

「イーヴァルディは、そのまま娘を組み伏せ、激しく腰を使いはじめた」
「なるほどこうね」

才人は言われたとおりにタバサを組み伏せ、タバサの胸をベッドに押し付けると、突き上げられたタバサを、激しく犯した。

「あっ、あっ、はげしっ、むすめはぁっ、そのままぁっ、たっし、たっし、あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁ!」

その激しい刺激に、タバサは限界を迎える。

「うぁっ、ごめん、シャルロットっ!」

蓄積された快感に、今度は才人も達した。
熱い迸りが、タバサの中を埋め尽くす。

「うぁっ、なかっ、でてるっ!でてるぅっ!」

タバサはそのシーンの最後の行を目にしながら、絶頂に達していた。
『娘はそのまま達し、イーヴァルディは娘の中に自分の欲望をぶちまけた』

620 名前:イーヴァルディの花嫁 ◆mQKcT9WQPM :2006/12/27(水) 01:13:38 ID:DEghMw/w
結局、その物語は、娘とイーヴァルディの情事のシーンで終わった。
ちなみに最後のシーンは、ガマンしきれなくなった娘がイーヴァルディを押し倒し、上になってイーヴァルディを貪る、というシーンだった。

「…これでおしまい」

シーツの中で裸のまま、タバサは最後のシーンを読み終わった。
あの後、二人は服を脱ぎ、別のシーンの再現をした。
それで達した後も、まだ話が続いていたので、明日に差し障るといけないから、ということで、横になってタバサの朗読だけになったのである。

「…なんか、ヤってるシーンばっかだったなソレ」

たしかに官能小説ってのはそういうもんだが、あまりにも尻切れトンボではないだろうか。

「サイトもそう思う?」

タバサも少しこの物語は不満だった。
オチていない話ほどつまらないものはない。

「最後はさ、やっぱ『幸せな家庭を築きました』みたいなのが欲しいよな」

…幸せな家庭…。
その言葉に、タバサの頭の中にぱっと浮かぶ、あるイメージ。
そこはガリアの王宮。
成長した自分と、その隣で微笑む才人。
そのタバサの腕の中には、玉の様な赤ちゃんが…。
そこまで想像し、ふるふると頭を振る。
今はまだ、ダメ。
母さまを、元に戻してから…。
でも、これなら…。

「じゃあ」

タバサは言って、ベッド脇の小卓から羽ペンを取り上げると、本の余白にさらさらと書き足した。

「なんて書いたんだ?」
「『イーヴァルディとその娘は、たくさんの子供に囲まれ、末永く暮らしました』」
「そうそう、そういうのがあったほうがいいよな」

言ってにっこり笑う才人。
しかし、そこに書かれた文は、タバサの言った言葉と少し違っていた。

『シャルロットはサイトと結ばれ、たくさんの子供に囲まれ、末永く幸せに暮らしました』〜fin

621 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2006/12/27(水) 01:17:02 ID:DEghMw/w
どうでもいいけど。
Wiiゼルダってさ、主人公が『犬』になっちゃうのよね。
で、ツンデレの相棒に引きずりまわされる、という。
いやほんとにどうでもいいけど、今日やっとクリアできたもんで…orz
ゲームにこんな日数かけたん久しぶりだわw

まあそれはともかく誰かの言ってたイーヴァルディネタでございます。
まあ全然カンケイないけど!ネタバレどころかかすりもしてないけど!w

んじゃまあ明日仕事なんで寝ます。アディオースノシ

622 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 01:25:09 ID:LEokWEOe
とてもGJ!

あとゼルダ全クリオメ

623 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 01:37:37 ID:Qg4qPGbe
イヤッフーーー!!!!!!GJ
さすがへんたいさんだ
       (  _,, -''"      ',             __.__       ____
   ハ   ( l         ',____,、      (:::} l l l ,}      /   こ \
   ハ   ( .',         ト───‐'      l::l ̄ ̄l     l     の │
   ハ   (  .',         |              l::|二二l     |  ハ ろ  .|
       ( /ィ         h         , '´ ̄ ̄ ̄`ヽ   |  ハ り  │
⌒⌒⌒ヽ(⌒ヽ/ ',         l.l         ,'  r──―‐tl.   |  ハ こ │
        ̄   ',       fllJ.        { r' ー-、ノ ,r‐l    |  ! ん │
            ヾ     ル'ノ |ll       ,-l l ´~~ ‐ l~`ト,.  l     め  |
             〉vw'レハノ   l.lll       ヽl l ',   ,_ ! ,'ノ   ヽ  ____/
             l_,,, =====、_ !'lll       .ハ. l  r'"__゙,,`l|     )ノ
          _,,ノ※※※※※`ー,,,       / lヽノ ´'ー'´ハ

624 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 02:02:20 ID:F9bepBqQ
>621
今日、神はへんたいさんの姿をしてエロパロ板に降臨した。

625 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 02:59:23 ID:13/3BvT7
GJ&クリアオメ!

626 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 09:03:45 ID:YjiLKdUX
さすがロ(ryのせんたいさん。
本編でフラグがたって磨きがかかっているぜw


627 名前: ◆manko/yek. :2006/12/27(水) 12:03:56 ID:DXEFiIkN
日付が変わる頃に物語を投下する。


628 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 15:22:21 ID:nJX3FUn4
>>607Coa氏
GJ!
シルフィの直下型爆撃はサイトの社会的人間的その他諸々全ての地位を無にしたとw
こういう話し大好きです、改めてGJ!

>>621せんたいさん
同じくGJ!
タバサ書くと無意識に内容がパワーアップする、そんなに貴方にしびれr(ry
最後にゼルダ全クリおめです

>>627
激しく待ってます

629 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 19:36:52 ID:aVTp1mvP
せんたいさんGJ!

>>620
>オチていない話ほどつまらないものはない。

これが痛い元職人は俺だけだろうか?

630 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 20:13:18 ID:ikSSS+0M
せんたいさんのこと
まじでへんたいさんのほうで覚えてました、
ごめんね。このロリコンめwwww

631 名前:名無し@ピンキー:2006/12/27(水) 21:46:25 ID:J4RNKMo9
もうそろそろ次のスレたてないとまずいな

632 名前:次スレ:2006/12/27(水) 21:46:44 ID:cLarlTfX
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167223501/

633 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 22:21:24 ID:J4RNKMo9
乙!

634 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 07:37:24 ID:HnCYWIBt
捕手…

635 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 15:06:10 ID:pljcFpmj
投手…

636 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 16:05:52 ID:F9h95zb6
遊撃手…

637 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 16:17:22 ID:i4x0KyZE
左翼手…

638 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 16:55:22 ID:8neLyYEx
マッシュ

639 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 19:44:42 ID:6lOfPY9f
オルテガ

640 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 20:25:25 ID:LSk3uqzw
サイコガンダム

641 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 20:31:28 ID:0raxEB58
>>640
流れ嫁!

642 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 20:57:23 ID:MsgRclH0
流れ妻!

643 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 20:58:48 ID:JJL1OYpR
このまま埋めるのは厳しいからな…

リレーでもや ら な い か ?

644 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 21:02:14 ID:zyuVJrFB
やらないかというなら振りをしてくれ。

645 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 21:14:53 ID:JJL1OYpR
ではメインキャラはオレが決めて良いだろうか?

希望があればそれに合わせるが…

646 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 21:48:58 ID:xLaxJqhy
時期的にタバサはどうだ?

何の時期だか・・・

647 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 21:51:44 ID:lx8gaSCm
いや、旬なのは間違いない

648 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/29(金) 16:30:34 ID:iWVFFiaa
それにしてもこのタバサ、ノリノリである

649 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/29(金) 18:29:15 ID:cUDk9CCw
タバサ「もう一人で敵に挑むなんて二度とやらないよ」

650 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/29(金) 22:21:47 ID:h9IiAELE
独り言をいいます
二次元ロリ禁止法が決まれば、このスレの半数以上いると思われるロリコンさんたちが逝ってしまうと思うのは私だけ?へんたいさんのタバサへの凌辱のキレも半減するのだろうか?

651 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/29(金) 22:25:29 ID:1pb04x+A
A.逝ってしまうのは>>650だけです
 へんたいさんのキレは進化しつづけます

652 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/29(金) 23:47:01 ID:8DHpRXfm
ぶっちゃけ規制したって無駄だしな
表面上は減るかもしらんが。

653 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 01:00:26 ID:PsYbu79e
減るで思ったんだが、最近せんたいさんとか261さんとかの投下ペース落ちててさみすぃ
年末で忙しいのかね
新規職人さん増えてるからいいけどね
これいうと贅沢な、といわれるの覚悟して言うとけど
スレ全体の投下量徐々に減ってるよな
(まだ凄い多いけど)一時期はもっと多かった
荒らしが出た頃がケチのつきはじめかね
誰か奴を殺ってくれ・・・


654 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 01:31:27 ID:WuaaW257
もまえら 喜べアニメ2期放送ケテイ
http://www.zero-tsukaima.com/index2.html

655 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 01:51:51 ID:PsYbu79e
>>654
新刊の帯とか見ない人?

656 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 03:30:02 ID:oipYW5DJ
>>654
一週間前から知ってるよ!
と、釣られてみる・・・

657 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 18:51:57 ID:mwU+Tcc7
楽器できる人で音楽でご飯食べれる人は極一部というけど
日本人なら大抵日本語は書ける。しかし日本語を書いて
ご飯食べれる人はさらに極一部だよね。できる人の割合から考えたら。
そう考えたらヤマグチノボルは日本語の文章を書くだけで
売れまくるんだから、まさに天才の一人と言えるよね。

658 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 19:17:42 ID:vLd9q8eN
>>657
2ちゃんには日本語書けないヤツたくさんいるけどなw
一日一回は「日本語でおk?」と言いたいヤツいるしw

659 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 22:06:41 ID:ZiLS8BlY
下げろって言っても下げない、日本語読めないヤツもいるがな

660 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 01:27:34 ID:rzwMOIgp
結局誰も埋めないな

661 名前:名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 20:27:49 ID:8LwS3a1C
夜空には艶やかに浮かぶ二つの月……
 ここはトリステイン魔法学院の中のヴェストリの広場での出来事。
 サイトは日課の素振りを終えて、一日の疲れを癒すために、大鍋で作ったお風呂にのんびりと入っていた。
 「やっぱり日本人なら湯船が(ry」
 サイトは呑気に鼻唄でも歌いそうな雰囲気の中、突然背後から萌えメイドのシエスタが抱きついてきて、
 「サイトさん…お背中流しますね」
 後ろを振り向くと、シエスタがタオル一枚だけの格好で顔を真っ赤にして呟いた。
 「シシシ、シエスタ…」
 私…脱いだら凄いんですよっと言わんばかりの胸をサイトにあててくる。
 「むにむに当たってるんですけど…」
 「だ・か・ら・当ててるんですよ サイトさん」
 一度覚悟を決めるとシエスタはどこまでも大胆になる子だった。サイトはシエスタの必殺技【当ててるんですよ!】攻撃から逃れようとすればするほど、シエスタの胸の感触が背中に押し付けられる。


662 名前: 【大吉】 【1634円】 :2007/01/01(月) 00:57:50 ID:B/dyV7od
あけおめ
ウメついでにこちらに。

職人の皆さん、今年もよろしくお願いします

>>661
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
 ⊂彡

続きは無いの?

663 名前: 【大吉】 【1221円】 :2007/01/01(月) 01:05:01 ID:UJX/YbXb
あけおめ!

664 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 01:46:46 ID:d3a6lTFb
大吉だったらルイズとケコンする!

665 名前: 【凶】   【1981円】 :2007/01/01(月) 01:50:40 ID:d3a6lTFb
大吉だったらタバサとデート・・・

666 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 02:10:35 ID:D16OGx8a
>>665
つД`)・゚・。・゚゚・*:.。

667 名前: 【豚】 :2007/01/01(月) 03:44:57 ID:utcaHTxS
大吉だったら
シエスタか王女でSS書いてね!

668 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 03:47:48 ID:utcaHTxS
・・・・・・
じゃあ王女が牝豚化するまでの過程でよろしく

669 名前: 【大吉】 【357円】 :2007/01/01(月) 03:50:24 ID:oZQfmmc3
大吉だったら雌豚化SSを書く

670 名前: 【吉】 【1705円】 :2007/01/01(月) 03:50:34 ID:oZQfmmc3
・・・マジ?

671 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 03:53:04 ID:utcaHTxS
>>670
フヒヒすいません

672 名前: 【大吉】 【1682円】 :2007/01/01(月) 08:36:16 ID:VttrzuGK
>>669
よろしく頼む

673 名前: 【大吉】 【1189円】 :2007/01/01(月) 13:10:41 ID:oZQfmmc3
すぐって訳には行かないけど、誓ってちゃんと書くよ。

674 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 18:35:32 ID:5zb5Rd6n
期待

675 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/02(火) 00:32:01 ID:TWyv6287
埋め

676 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/02(火) 14:02:11 ID:BoBugkfN
umeage

677 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/02(火) 22:10:18 ID:LGjz9jVy
うめ梅

678 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/03(水) 15:52:17 ID:ed2qw2lq
455 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/01/03(水) 14:08:01 ID:TH5TaREl
トワプリのゼルダ姫に騎乗位で中田氏したお(*‘ω‘ *)
もちろん妄想で!だが!な!
ぐへへ(*-ω-*)

679 名前:コリコリ ◆TOaN/1ZFoQ :2007/01/05(金) 15:14:22 ID:kfr94vAl
ここまだ続いてるんだね。。。

680 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/06(土) 22:39:34 ID:N4h+KvMN
455 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/01/03(水) 14:08:01 ID:TH5TaREl
トワプリのゼルダ姫に騎乗位で中田氏したお(*‘ω‘ *)
もちろん妄想で!だが!な!
ぐへへ(*-ω-*)

だっておwwww

681 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 21:11:08 ID:PmFAxIcY
左手をイチモツにそえるとルーンが光るベタ展開の物はありますか?

682 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 22:31:40 ID:fPPle0Le
>>681さん http://wikiwiki.jp/zero/?7-230
これ?

683 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 14:35:35 ID:LbYChxfH
俺コレ好きー

684 名前:261のひと:2007/01/09(火) 01:52:45 ID:8eu1sYDr
何時までもあるので、埋めに投下
ちょうど>>549-553
の続きですし。では参ります。

ちょっと、キャラクターの性格が化けてるのはご容赦を。
パロに走っているとこうなってしまって……

685 名前:1/4:2007/01/09(火) 01:53:21 ID:8eu1sYDr
「ねぇ、アニエス」
「はっ」
「私、使い魔さんのお話を彼としてみたいの」
陛下の繊細な指が胸の前で合わされている。
こっこれはっ、オネダリのポーズ。
いや、ダメだ、駄目だぞぉ、アニエス。
ここで負けては……
「しかし陛下、彼は犯罪者です」
「自首してきたんじゃない、安全よね?」
……確かに、陛下を襲うようなことは無いだろうけれど……
陛下とジャン・コルベールの会談……
なんだろう?胸がもやもやする。
「なりません、陛下。彼は一人で城の守りを突破する化け物です。万が一の事が有っては成りません」
「私が牢屋に出向きましょうか?」
「なりませんっ!!」
なんて恐ろしいこと、国王自ら牢獄に行くなど。
「では、仕方ありませんよね?彼を連れて来て下さい」
「……はぁ……ではなくっ、そもそも会う必要性が無いではありませんか」
危うく騙される所だった。
陛下はこうと決められたら、結局いつも思い通りになさるから、常に気をつける必要がある。
「でも……私もお会いしたいですわ」
陛下の真面目な顔に、また胸の奥が痛む。
おかしいな……後で医務室に行こう。
「なりません」
「えー、でもでもアニエス」
「でもでも、ではありません、今日の決済はよろしいのですか?」
何とか話をそらそうとするわたしを助ける声が、意外な所から響いた。
「その通りです、陛下こちらに」
いつの間にか陛下の背後に枢機卿が居た。
陛下の首根っこを掴んで、ズルズルと引きずってゆく。
「あん、こらぁ、マザリーニ、不敬罪ですよ、不敬罪ぃ、ほらアニエス逮捕!!」
「不経済はいけませんな、陛下。働くべき時はきっちり働いてこその経済活動でして」
「ちーがーうー、退屈なお仕事いやぁぁぁ、使い魔さんのお話ぃぃぃぃ」
どうやら仕事以外なら、何でも良かったんだ。
別に陛下は彼に興味があったわけじゃないと分かり、ほっとする。
……ほっと?
別に陛下と彼が話をしても、警備上以外は問題ないはずだが……
「ま、いいか」
そろそろ昼の時間だ。
隊員の詰め所に顔を出して、一言皆に声を掛ける。
最近皆、妙にニヤニヤして送り出してくれる。
『苦労してやっと捕まえた・ずっと探してた』
とか言った辺りからかな?
『ちょっと、微妙な趣味ですけどっ、応援しますねー』
とか
『……ま、いいですけど……』
とか、色々なことを言われた。
しかし、最近はとても心強い。
「隊長、今日はこんなのどうでしょう?」
「いや、こっちが良いですよっ、イチコロです」
「……これで……悩殺」
悩殺ってなんだ?まぁ殺って付くからには、危害があるのだろう。
皆、親身に復讐の相談に乗ってくれて……なんて優秀な隊員達だ。
「ありがとう、皆今日は……うん、これにしよう」
隊員たちの提示する復讐プランから一つ選んで、牢獄に向かう。
「ふっふっふ、待っていろっ、ジャン・コルベール、けして逃しはしない!!」
叫ぶ私の声に、詰め所から上がった歓声が
キャ―――――なのは、どうしてなのだろう?

686 名前:2/4:2007/01/09(火) 01:53:54 ID:8eu1sYDr
……今日もまた、この時間が来ましたぞ?
「うぅ……また……」
涙で曇って、前が見えませんぞ?
周りの囚人さん達が、嬉しそうに見守る中、シュヴァリエガ来る時間が迫っておりますぞ。
シュヴァリエは自分が妙齢の女性だと言うことに、もう少し留意するべきだと思うのですぞ。
耳掃除とか、膝枕とかは、囚人にすることではありませんぞ?
てーか、あんなに色々されると……貯まりますぞ?
いい歳なのに……夢でシュヴァリエが出てきて、朝洗濯が必要だった時の切なさは、筆舌に尽くしがたいですぞ……
しかも洗濯もシュヴァリエがしてくれて、汚れているのを見つけて、
「何だこれは?」
……死にたかったですぞ?
もういや、こんな毎日絶えられないっ、実家に……帰りたいですぞぉぉぉぉ
「ジャン・コルベール、食事だ」
キタ――――――――
泣きそうになりながら、シュヴァリエの方を見ると、今日も食事以外に何か携えてますな。
いっそ拷問された方が気楽なのですが。
いそいそとわたしの側まで来たシュヴァリエは、いつもの様ににっこりわらって……
「ほら、あーんだ」
……可愛いですぞ。
はっ、違う、流されてはいかん、コルベール。
運動不足防止のためと城内を腕を組んで歩いた時、危うく押し倒したくなったり、
今日の拷問は毒見だ!!と、手料理を自室でいただいた時、後姿にムラムラしたり、
非番なのに『寂しくないか』などと顔を出してくれたときには……
はっ、違う、とにかく、我慢だコルベール。
なぜなら、わたしは教師だからだ。
等と考えていると、カチャーンと言う音と共に、スープ皿の中にスプーンが落ちる。
しまっ……
「……い、要らないのか?ど、どこか体の調子がっ??」
しまったぁぁぁ恥ずかしいからと、一度食事を取らなかった時の事を思い出す。
全力で泣きながら、『また風邪かもっ』などと自室で看病されましたぞ?
「てぃ」
ひっ、シュヴァリエ?
拘束具と重り付きのわたし結構重いはずですが?
まるで重さを感じさせない、シュヴァリエはわたしを抱えたまま牢版に声を掛ける。
「おいっ、こいつを連れて行くぞっ!!」
……分かってますぞ?
牢版の目がすべてを語ってますな。
『またか!!』
……いや、確かに三日に一回は連れ出されてますが。
「いいなっ!!」
返事も聞かずに飛び出すシュヴァリエに、牢屋中から喝采が送られる。
あぁ……今日も牢に戻ったら質問攻めですな。
諦めの境地に達したわたしは、ただシュヴァリエに運ばれるだけですぞ。

687 名前:3/4:2007/01/09(火) 01:54:36 ID:8eu1sYDr
「はいっ、あーーん」
「あーん」
部屋に来た、ジャン・コルベールは『もう治ったから』と、食事を再開させた。
……えへ、ちょっと役得。
やっぱり、部屋で食べさせてあげる方が、落ち着くし。
「……熱くないか?ほら、ふーふー」
むぅ、料理長め、囚人が火傷したらどうする気だ。
後できつく注意しよう。
……あれ?そういえば、昨日スープがぬるいって怒った様な……ま、いいか。
「ご馳走様でした」
……もう、全部食べてしまった……よし、量も足りないと注意しよう。
「おいしかったですなぁ」
……そうか、怒るのは今度にしておくとするか。
こいつを捕まえる前までは、わたしの部屋は結構散らかっていたが、
今は何時こいつを運ぶか分からないから、いつも片付いている。
片付ける時に、隊員達が協力的で嬉しかった。
可愛い小物とか沢山増えて、ちょっと恥ずかしいけど。
ナプキンでジャン・コルベールの口元を拭う。
慣れたもので、あちらも拭き易いように動いてくれる。
さて……
「今日の復讐だがっ!!」
全身を強張らせる、ジャン・コルベール。
しかし、わたしは逃がさない。
「これだっっっ」
隊員に渡された一冊の本!!
怪訝に見つめるジャン・コルベールの拘束を解く。
この部屋に居るときは何時もだ。
……まぁ、こいつが逃げる気なら、いつでも逃げれるし。
問題ないよな。うん。
本を抱えたまま、ベットの上で崩した正座……いわゆる女の子座り。
ここでポイント、皆の進めに従って、胸のボタンをいくつか外す。
完璧だ!!
「ほら、こっちだ」
膝の上をぽんぽんと叩くが、もじもじするだけだった。
「ほらぁ、ここだって」
無理矢理手を引いて、胸にぶつける様にして座らせる。
「シュシュシュ、シュヴァリエェェェ」
慣れないやつだ……うれしいけど。
抱き寄せたコルベールの位置を微調整。
後頭部が胸の谷間に来るように合わせて、コルベールの背中から本を見せる。
「こっこれはっ!!」
驚愕するのを、心地よく見つめる。
「さぁ、始めるぞ、ジャン・コルベール」
「な、なりませんぞぉぉぉ」
もがこうとするが、一言で動きを止める。
「そんなところで暴れると、痛い」
凍りついたコルベールの耳元でわたしは囁き始める。
「これは、わたしが小さいときに……」
涙なくしては語れぬ物語をっ!!

688 名前:4/4:2007/01/09(火) 01:55:11 ID:8eu1sYDr
「ひっっく……うぇ……まだぁ……つつ口から細く出ていましたぁ……」
あーあ、無理するからですぞ?
感情移入の余り、途中からすっかり幼児退行してしまいましたし。
「うぇぇぇぇぇ、ゴン……ゴン……」
「な、なぜ、こんな事を?」
「だって……泣かしてやろうと思ってぇ……」
自分が泣いてどうするのですかな。
「皆、これなら絶対に泣くってぇぇぇぇぇ」
泣いてますなぁ……自分が。
「だって、だって、最近復讐なのに嬉しそうだしぃ」
ぎくり、と硬直するわたしを他所に、シュヴァリエは続けました。
「何したら嫌がるのか分からないんだもん」
まぁ、真面目に聞いてたらわたしも泣いたかもしれませんが、はっきり言って背中とか頭とかが気になってそれ所では……
「なんで泣かないっ」
子供のようにジタバタと暴れだしたシュヴァリエの一撃が、
……位置的にとんでもない所に直撃して、
悲鳴も上げられずに丸くなって転げまわってしまいますぞっっ
「いた……い……です……ぞ……」
硬くなってたから更に。
「ご、ごめん……」
って、シュヴァリエぇぇぇぇ
「覗き込まないでくださいっっ!!」
はっ、違う!1
何時もここで間違えるのですぞ、かねてより考案していた
『おぺれーしょん・ぼたもち』発動ですぞぉぉ!!
隠すから見られる!!して欲しくないと言うとする!!
この天邪鬼シュヴァリエに対抗するため、この発明家コルベールの粋を結集したプロジェクト!!
「ほーーら、ほらほら、見るがよいのですぞっ」
「ひっ」
はっはっは、いつもは無理矢理見ようとするくせに、見せられると案の定引いてますぞ。
「わたしを困らせたければ、その可愛いお手々で握って、優しく上下運動することですなっっっ」
「……握って……?」
「あまつさえ、咥えて、吸って、舐めたりすると、もう駄目ですぞっ!!」
「……く、くわ……え?……す……」
「一番いいのは、シュヴァリエも脱いで、胎内で擦り合わせてくださると、言うことありませんなぁっ!!」
「……ぬ…………こ……」
「ふむ、それぞれを再度詳細に説明しますと、まず手は強すぎず弱すぎず……
口はこちらの気持ちの良い所を確認し、視線を極力私に向けてですな……
十分に濡らした後、両者の一番気持ちい所をゆっくりと見つけ、その過程も……」
熱く熱く語り上げること数十分……おや?むう、やりすぎたでしょうかな?
真っ赤に成ったシュヴァリエが、頭から湯気を立てて倒れてしまいましたぞ?
「完璧だ……わたしの計画のなんと完璧なことか」
……これで少しは、警戒してくれれば次から楽なのですが。
ちょっと苦笑して、緩んだ胸もとのボタンを元に……
「アニエスやっぱりわたくし、お話……が……」
「おや、陛下ご機嫌よろしゅう」
む?何故陛下が硬直してるのですかな?
「へ……」
へ?
「へんたぁぁぁぁぁぁい、誰かぁぁぁぁ、誰かぁぁぁ、アニエスが襲われてるぅぅぅぅ」
なっ、誤解ですぞ?
って……下半身丸出しの親父が、意識の無い女の子の胸元を……
「むぅ、シュヴァリエ、貴方も何か言ってくださいっ!!」
国王陛下に誤解されるのはちょっと怖いですぞ?無理矢理起こして、コメントを……
「……む、むり……そんなの入らないっっっ」
げ……
「お、お口も……恥ずかしい……しぃ……」
「やっぱりぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
…………終わった……
これは……次に生徒に会う日がひたすら怖くなった、ジャン・コルベールのある日の物語

689 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 01:56:42 ID:8eu1sYDr
さて、人が気付くのは何時になるでしょうっ、
ではっ、またっ。

とゆうか、性格改変かけすぎてて、現行スレに怖くて投下できないだけだったりしますが。


690 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 02:03:07 ID:yYzwnCM3
リアルタイムで見てましたよ。GJ

691 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 02:26:31 ID:CQYOtxqG
GJ

692 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 12:20:37 ID:NtOkSubL
いやぁ、先生もお人が悪い。

693 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 15:41:44 ID:pLnFjdpp
ハゲワロw

694 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 16:02:06 ID:7r/sja7y
>>689
こっちに書いたら気がつかないと思うのは甘いですぞw
GJ!

695 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 21:44:23 ID:8eu1sYDr
見てるものなのですね、いつまでも残っているので誰も見ていないかと。
10も300K越してますし、下手したらずっとありそうだったし丁度良いのでこちらに書いてみました。

最近肩凝って、頭痛起きるほどだったのですが、枕を戻したら治った……
どうやら自分は抱き枕が使えない人のようです。切ない。

これでPCの前にそれなりに座れると思うので、投下ペース上げれるかな。


……あ、抱き枕は無地ですよ?一般の寝具で買った奴ですよ?
誤解の……無理か……いや、本当に無地なんですよ?


696 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 21:49:12 ID:kSX1fyMc
>>695
タバサ抱き枕なのか、ルイズ抱き枕なのか、はたまたコルベール抱き枕なのか、
正直に告白すれば信じてあげます。

697 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 22:41:54 ID:6v5+RDGY
シエスタの本からバター犬の知識を仕入れ、
「犬ならいるじゃないの!」ということでサイトにそれをやらせるという物はありますか?

698 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 02:49:15 ID:lROSjMsk
>>696さん  ちがっっ、 誤解だぁぁぁぁ
いや、マジデカンベンシテクダサイ。

欲しいけどね……多分、それは寝れなくなりますよ……妄想して、妄想して、妄想するから。

枕としての形はいびつでいいから、テファが欲しいなぁ……特殊な素材ならなお良し!

……なにを語っているんだ、自分はっ

699 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 03:02:25 ID:/7gTDVDm
>697
君がソレを書くのだ!!

700 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 13:24:44 ID:X9p+XjiN
なるほど…

つまりテファの胸の部分がシリコンで出来た抱き枕でパイズリしてもらっているということだな!

701 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 22:54:54 ID:lROSjMsk
うぁ……えっちなのはいけないと思います

なんて事を思いつくかなっ
ここに居る人は皆、やらしすぎる……
純朴な自分は想像しただけで赤面してしまいますよ



あったら欲しいけどっ

702 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 00:13:10 ID:FSEpka/N
アン様のがほすぃ

703 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 17:23:56 ID:FMWb5qCt
刀抱いてないと寝れない私はデルフ萌なのか?

704 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 21:08:33 ID:WMEBy9NL
>>703 抜き身ならな


705 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/13(土) 17:44:09 ID:0hxYKyZQ
>>704
デ、デルフになら・・・・いいよw

血が出ても、痛くても我慢

706 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/13(土) 22:29:22 ID:hVENApnN
今だ!>>1000ゲットオォォォォ!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    (´´
     ∧∧   )      (´⌒(´
  ⊂(゚∀゚ ⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
        ̄ ̄  (´⌒(´⌒;;
      ズザーーーーーッ



・・・・・・・・・・・・・・・・アレ?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄
     ∧∧          (´;;
    (゚Д゚ ,)⌒ヽ    (´⌒(´
     U‐U^(,,⊃'〜... (´⌒(´⌒;;

707 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 00:21:14 ID:oKkAsiIm
うーん、あと2KBかぁ
微妙なサイズだなぁ

とりあえずウメ

708 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 01:13:18 ID:A7sNbw8o
   そ   (  _,, -''"      ',             __.__       ____
   う   ( l         ',____,、      (:::} l l l ,}      /   早 \
   で   ( .',         ト───‐'      l::l ̄ ̄l     l     く │
   す   (  .',         |              l::|二二l     |  い 埋  .|
   な    ( /ィ         h         , '´ ̄ ̄ ̄`ヽ  |  た め  │
⌒⌒⌒ヽ(⌒ヽ/ ',         l.l         ,'  r──―‐tl.   |  い て │
        ̄   ',       fllJ.        { r' ー-、ノ ,r‐l    |  な し │
            ヾ     ル'ノ |ll       ,-l l ´~~ ‐ l~`ト,.  l    ! ま  |
             〉vw'レハノ   l.lll       ヽl l ',   ,_ ! ,'ノ   ヽ  ____/
             l_,,, =====、_ !'lll       .ハ. l  r'"__゙,,`l|     )ノ
          _,,ノ※※※※※`ー,,,       / lヽノ ´'ー'´ハ




709 名前:名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 01:27:28 ID:2AZgs2Ac
            /                 \
           /                 `ヽ 丶
             /        .:ノ            ',  ヽ
         / /  /   .:.:/     :ヽ:. ヽ:ヽ   V   l
         l.:.|  :/  .:./.;イ    :ヽ:...:.:l.:.: .:|:..:l   l:  !
         |.:.| .:l .: \!/ l:.:{  .:.:.|ヽ:.:}ヽ .:j .:.!    |:.  |
         ヽハ:l:.| !:.:.:jV\{:八 .:.::.l }:/_,j;ィト:.l   .:l:.:  |
            ヽ从:.: iイfチ心ハ 、从ィ厶斗<V  .:.jl:.:  |  あ、あんたのために埋めるんじゃないんだからねっ!
             \ト小._V;zソ ノ/  V;;_z1 '/  .:.:.:ハ:.:. 八
              リ :} .:::::: ,     :::::::..  /  .:.:.:/.:.ヽ:.:.: ヽ
            _..ノ/八            /  .:.:.:/.:.:.:.:.\:.:.  \
         , -‐´ :/ .:.:>,.、 ´ ヽ   ィ′ .:.:.: ハ;.__ .:.:.:.:\:.:.:   ̄`丶、
        〃 .:.:/  .:.:.:.:.: ノ'¨ ヽ、_ , ィ≦7   :.:.:./'´  ヽ.:.:.:.:.` ー- 、:.   ヽ
         l .:./  .:.:.:.:. ;.'イ\ ノ} /`∨  :.:.:.:{     ゝー、.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:  }
         {.:/  .:.:.:.:.:/  }  Vx1_/  {   :.:.:.:ヽ      ∧.:.:.:.:.:.:.:}:.:. ,′
       〃  :.:.:.:./   j/  ̄ ̄ ヽ入   :.:.:.:.:.\      ヽ.:.:.:.:./:.:/
       {  :.:.:.:.{      |     /  \   :.:.:.:.:.\     ):.:/:.;イ



戻る 全部 最新50
DAT2HTML 0.35cFIX Converted.