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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第80話☆

1 名前:☆祝☆傘寿☆:2008/08/06(水) 02:09:28 ID:o8iubKE1
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。

リンクは>>2


2 名前:健康と美容のために JS食品のガリュー(幼)の佃煮:2008/08/06(水) 02:11:08 ID:o8iubKE1
【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第79話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1217344619

【クロスものはこちらに】
 リリカルなのはクロスSS倉庫
 http://www38.atwiki.jp/nanohass/
 (ここからクロススレの現行スレッドに飛べます)

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
 ・Nanoha Wiki
  ttp://nanoha.julynet.jp/
  (用語集・人物・魔法・時系列考察などさまざまな情報有)
 ・R&R
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html
  (キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/   (wiki)

3 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 02:27:18 ID:4ftdKgK9
新スレ乙!

4 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 02:29:45 ID:LA4a3U1h
乙なの

5 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 08:13:34 ID:OczTXODb
>>1さん乙や!
ところでウチのショターラ見ぃひんかったか?

6 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 09:30:41 ID:TVgcavHL
>>1
      ____      ___                            i/〈,ィぃ _,.
.     ,lフヘ. ヘゝ. . '/^^^゙ヾ、                            、」 ,(フ⌒ヾミ、
    | { {从リノ!〉 | { ,ノハ))〉)`         r       ___    /〉  .ゝ ト{ ((^ソリ)ゞ
.    ソ,|.| ゚ -゚ノ  从|.゚ ー゚ノリ       , '⌒⌒ヾ ,'_,r==ヽ.  //   .ソヘ(リュ^ヮ゚ノ!`
   (( j(`つつ  /゙〈|V|)ト、     .イ lフ,从从ゝ{ {ノノノハ))〉//.      (フ,,XI)、
    r</´: :: :l l: : l: :: :: :ヽ: :\_   ^'vlュ ゚ -ノ'゛|.(l|ュ゚ -゚ノ|う′    と(^つこ)う
    /j: : : :|: :jl ト、 l -‐ト、: :\ト-<  <巡},,\)つ {i(フ!,,Xll)'´, ヘ.     /^ヽ ̄ ヽ
  _、,.,,._ : : j-ハj ヽ>ー¬Tー―': \_,(フ、,〈}___从_うコ========   |⌒l ト・^・|
_,ゞ´   ゙ヾ:レ ―-、_{    jヘ ヽ\ :〈患´l患、 : (_ノ'┘: : : : : : : :}   |  | 〕.○.|
フ ,(レwハviゝ.    j ! ヽ、_ノlノー-- `> ___: : : : : : : : : : : : : : : : /   |_l ト・_,・|    . '⌒⌒ヽ
´ヘ(lュ゚ -゚ノ゙.ヽ、_ノr‐┐   ノ___: -/lブ `ヽ  ̄ ̄7: : : : : :/ _ _  ヽ__ノ_ノ    | i lレハリi.}
 <_].[{]つヽ__ `ー'   /,イ: : : : :_{ イ,ノノ^))〉  /: : : : /∠(7´ `ヾゝ        ,C.!|●-゚ノ|
_ノ〈―<-ニニニ-,\.__/( レ'///|l(||`ー´ノ|  /: : : : :/  イ イ ivwvv'i>       ((,ゝ.)X{ニア
.Z   ヽヽヽ  `ヽ、\ ___.7     ノi/リ,,U,)リつ三: : :/    ^'(l|ュ ゚ -ノl|  |\    〈,、jし'Jトゝ
\Z   ヽ__/`v , 'lフ  `ヘゝ      _>  ,': : : : /  〔 ̄ ̄Lつ ̄ ̄ ̄)二二二二二二二回
  / レ"フ  >、.  { レハlノハjゞ i    ゝ. ___ i : : : : {  ノ亡二二7二匸l二匸「 ̄_)_ ̄ ̄ ̄ |.ヽ
/      r‐/弋ニヘ(|ュ゚ -゚ノ|ヽ ノw、l,,;:'(フ^^^'ヘ. : : :丶 ( __ とノ `ヽ._): : : /,ヘヘ. ヘヘ.   〔| |
_      | |\ `ヽ(フとス). Y   ,;;;{ { 从リハ) 〉: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : (ヽr'l レニリノ}.〉  |,,_|
、 \   /l   \/l    .|  |   ,;;;レVュ^ヮ゚ノリ、 : : : : : : : : : : : : : : : : : :/ \ヾjュ゚ -゚ノ!|  ∧ノ
..\. \/ ノ    /     \   ;;;;フ!,,Y))つ   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ノ,ゝリ,,Z,)リこ)7 /

前スレ埋め立て完了です。


7 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 09:42:13 ID:8U9DEf1/
7なら今日はりり☆ふぇが投下される

8 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 10:00:24 ID:zA5K7xin
氏もクレクレ厨に粘着されて大変だな

9 名前:ぬるぽ ◆6W0if5Z1HY :2008/08/06(水) 14:16:42 ID:Ur258QqV
>>1 乙であります。

さて、本を読んでいてふと思いついたネタを書いてしまった。投下、逝きまーす。

・前編、後編の二回
・エロくない作品
・ほのぼのと真面目の入り交ざった作品
・時間軸はA’sのちょい後の軸と、Stsのちょい前の軸の混合

NGにしたい人はトリップかIDでよろしく。

↓以下、本編スタート


10 名前:ゲートボールと寿司と八神はやて ◆6W0if5Z1HY :2008/08/06(水) 14:18:03 ID:Ur258QqV
 ここは地球とは次元を異にする世界・ミッドチルダ。
地球では馴染みのない、いわゆる『魔法』が発達している世界である。
そのミッドチルダには、『時空管理局』なる組織が存在する。
時空管理局とは、平たく言えば警察・軍隊と裁判所が一緒になったような組織であり、
様々な世界の治安を維持することを大きな仕事としている。
正義の組織、と言えば聞こえはいい。だが、内部では権力闘争や情実人事などのドロドロした実態があった。



「お願いします!」

 管理局の建物内の一室で、八神はやてが数人の男達に向かって必死に頭を下げていた。
彼女はミッドチルダの生まれではなく、地球出身だが、類稀なる魔法の才能があった。
数年前、時空管理局にスカウトされ、現在は局で働いている。

「そう言われてもねぇ、八神君」
「本当に必要なのかね? 新設部隊は」

 はやては単に魔法の才能があるだけではなく、『レアスキル』――ま、簡単に言ってしまえば、
特殊な魔法を操る才能のことである――を持っていた。
頭も非常によく、仕事もよくできた(ついでに言うなら容姿端麗)。
そういうわけで、はやては管理局内でどんどんと出世し、今では同期の出世頭である。
今の彼女のポジションは、20歳にもいかない年齢ではなかなか辿り着けるものではない。
はやては、管理局のエリートコースを順調に進んでいるかに見えた。

 だが――はやてはそこから壁にブチ当たった。

 組織というものは複雑なもので――ある程度の役職までは仕事がよくできればほぼ間違いなく辿り着ける。
しかし、そこから上のポジションに行くためには、「仕事ができる」とは別の才能が必要になる。
それは一体何なのか。端的に言ってしまえば、「上の人間に嫌われない才能」だ。
いくら仕事ができる優秀な人物でも、上の人間に嫌われてしまったら、ある程度のところで出世は終わりである。
逆に仕事があまりできなくても、いわゆる「ヨイショ」や「ナアナア」がうまく、上にうまく取り入る人物は出世する。
時空管理局を含め、世の中の組織というのは、そういうものなのである。

 読者の諸君も、ちょっと自分の身のまわりを見渡してみてみるといい。
「なんで仕事が大してできないアイツが常務なんだ」とか、「部長より課長のほうが仕事ができる」とか、
よく探せばそういう例はゴロゴロしているはずである。
しかし、これは不思議なことではない――理不尽な話だとは思うが――。
なぜなら、彼らは最初から「そういう基準」で選ばれた人間だからだ。
仕事ができる、できないというのはあまり関係ない、と言ってしまっていい。

 そして――八神はやては「上の人間に嫌われない」という部分が決定的にダメであった。


11 名前:ゲートボールと寿司と八神はやて・前編 ◆6W0if5Z1HY :2008/08/06(水) 14:19:03 ID:Ur258QqV
 実のところ、上の人間に限らず、時空管理局内でははやてのことを嫌っている者が多い。
はやては別に、性格が捻じ曲がっているとか、人当たりが悪いとか、そういう人物ではない。
むしろ逆だ。穏やかで優しい性格。人への気遣いもよくできる。前述のように、仕事の成績も優秀だ。
そんな彼女がなぜ嫌われるのか。いくつかの理由がある。

 はやては現在18歳ながら、管理局ではそれなりに重要なポジションにいる。
彼女より年上なのに、役職が下という局員は腐るほどいる。
そういう局員の少なくない者たちが、はやてにいい感情を持っていない。
「まだたったの18歳の、しかも小娘が、あんな重要な役職に就いているなんて……」と。
はやての仕事の出来がいいのも、彼らの劣等感を刺激した。
要するに、「アイツは生意気だ」ということである。出世したはやてへの『妬み』と言い換えてもいい。

 だがしかし、はやてが嫌われている決定的な理由は、他にあった。

 数年前の話。『闇の書事件』という管理局全体を揺るがす事件が起こった。
事件の詳細については省略するが、かなりの人的被害が出た。
管理局員の中にも、自身や家族・知り合いが事件の被害者になったという者がたくさんいる。
その、『闇の書事件』の中心人物が、実ははやてだった。

 正確には、彼女自身は何の事情も知らず、いつの間にか事件の中心に祭り上げられていたに過ぎないのだが、
事件の被害者からしてみれば、そんなことは知ったことではない。被害者達は、はやてを憎んだ。
様々な事情から結局、はやてが裁判で無罪になってしまったことで、その憎しみはさらに強まった。

「必要な理由や根拠は資料に示したとおりです。……どうして、ダメなんでしょうか」

 はやてが今、上の人間に何のお願いをしているのかというと――部隊の新設である。
とある複雑な理由で、管理局に新しい部隊が必要なのだと、はやてや彼女に同調する局員は考えている。
だが、それには上の人間の許可が必要だ。それなりの人間が、交渉しなくてはいけない。
その交渉役が、はやてなのだ。

「私に言わせれば、その理由や根拠は不明確だねえ」
「そんな……」

 今、はやての目の前にいる人間の中にも、家族や知り合いが『闇の書事件』の被害者になった者がいる。
当然の如く、彼らははやてにいい感情を持っていない。この小娘が、生意気だ、とも思っている。
そういうわけだから、交渉が上手く運ぶはずがない。常識的に考えて。

「部隊を維持するのだって、タダじゃない。いろいろと面倒なんだよ、んん〜?」
「それに八神君。そもそも、君のような若輩者に部隊長が務まるもんかねぇ。無理じゃないかな」

 男達は口々にはやての案にケチをつけた。真面目に「この案はダメだ」と反対しているわけではない。
正直な話、男達にしてみれば、部隊が新設されようがされまいが、どっちでもいい。
ただ単に、はやてが憎くて生意気だから、彼女を困らせてやりたい、いびってやりたい。
男達が反対する理由は、ただ、それだけ。

「お願いします……」

 新設部隊はどうしても必要なのだ。それに、このままでは自分に同調してくれる仲間に申し訳も立たない。
はやては誠心誠意、頭を下げてお願いした。

「まったく……仕方ないねえ」

 一人が、やれやれという口調と表情で口を開く。

「それほどまでに自分の部隊が欲しいのだったら、管理局を辞めて自分で作ったらどうかね?」

 その言葉に、他の男達からも嘲笑の声がドッと上がる。屈辱に、はやての頬が紅潮した。


12 名前:ゲートボールと寿司と八神はやて・前編 ◆6W0if5Z1HY :2008/08/06(水) 14:20:01 ID:Ur258QqV
(疲れたわ……)

 結局、ダメだった。もうこれで何回目だろう、「部隊の新設は認めない」と言われたのは。
手を変え品を変え……というわけではないが、はやては何回も上の人間を説得しようと出向いていた。
だが、ダメだった。なぜなら、はやては彼らに嫌われているのだから。
このまま説得しようと頑張っても無駄だろう、ということが薄々わかってきた。

(でも、どうしても新しい部隊は必要なんや……もし、ダメやったら……)

 とある理由から、新設部隊は必要なのだ。
はやては毎日必死に頑張っていた。それこそ、自分ひとりで全部を抱え込むかと思うような勢いで。

 自室に戻ったはやては、管理局の制服姿のまま、ベッドに倒れ込んだ。
枕元の目覚まし時計は、すでに午後7時を回っている。
正直――心も身体もクタクタだった。朝から晩まで、あちこち駆け回って。
部隊を一つ新設するのが、こんなに大変だとは思ってもみなかった。
それに、部隊新設のための仕事以外にも、やらなくてはならない仕事はたくさんある。

(私が、私が頑張らな……この仕事は、私にしかできないんやから……)

 別にはやては、出世したいとか、人より偉くなりたいとか、そういう願望を持っているわけではない。
だが、自分の意見を通すためには、出世して偉くならなければならないという現実がある。
そういった現実を、いやだな、と思いつつ、それでもはやては自分に課せられた仕事をこなそうと必死なのだ。

 ベッドに張り付き、布団に吸い込まれそうになる身体を超人的な意志で引き剥がし、はやては起き上がる。
机に向かい、書きかけの書類を取り出したところで、お腹がぐーっと鳴った。

(お腹、空いたな……)

 そういえば最近、まともな食事をしていないような気がする。今日の昼も、菓子パンで済ませてしまった。
局の食堂でも行こか、と考えていると、コンコンとドアがノックされた。

「おーい、はやてぇ」

 扉を開けて入ってきたのは、管理局の制服姿のヴィータとシグナム。

「……ああ、ヴィータ、シグナム。仕事は、終わったんか?」
「おぅ」
「はい」

 こっちはまだ大量に仕事が残っているのにと、はやては暗鬱な気分になった。
もちろん、そんな気持ちを表情には出さなかったが。
しばらくの間、あれこれ話をしていると、シグナムがこう切り出した。

「ところで主、もう夕食は済まされましたか?」
「いや、まだや。これから何か食べに行こうと思ってたんやけど……」
「そうですか……」
「なーはやて。それだったら、どこか外に食べにいこーぜ」

 ヴィータにそう言われて、はやては少し考えた。
局内の食堂に行ったら、頭から仕事のことが離れないような気がする。
気分転換に、ガツンとカネを出して外で美味しいものをがっつり食べるのもいいかもしれない。


13 名前:ゲートボールと寿司と八神はやて・前編 ◆6W0if5Z1HY :2008/08/06(水) 14:20:57 ID:Ur258QqV
「そうやね、たまには外に食べに行くのもええかもね……」
「よっしゃ、決まり!」
「では、行きましょうか」

 財布を持ち、はやて・シグナム・ヴィータは連れ立って部屋を出て行った。
身長の全く違う三人が並んで歩くと、見事なまでに凸凹である。

 管理局の敷地を出て、少し街を歩く。
様々な店が派手にテカテカと光っている中、その店はひっそりと存在していた。
ヴィータとシグナムが足を止めてはやてに話し掛ける。

「ここにしよーぜ」
「主、よろしいですか?」
「……そういえば、ここに来るの、久しぶりやなぁ……」

 今、はやて達が目にしている看板には、『鮨の鈴木・みっどちるだ本店』と書かれている。
そう、三人は(回らない)寿司屋にやってきたのだった。
入り口の暖簾をくぐると、奥から威勢のいい声……は飛んでこなかったが、
ゆったりとした、いかにも温かみのある声が響いてきた。

「はい、いらっしゃ……おおぉ、びーたちゃんにはやてちゃんにしぐなむさん」
「おう。久しぶりだな、鈴木のじーちゃん。食べにきたぞ」
「お久しぶりです、御主人」

 よう、と手を上げるヴィータ。ペコリと丁寧に頭を下げるシグナム。

 元々、ミッドチルダには、寿司や刺し身に代表されるような生の魚介類を食べる習慣がなかった。
そのミッドチルダに、生の魚介類を食べることを持ち込んだのが、この店である。
一体、どんな経緯でこの店がミッドチルダにやってきたのかというと――


14 名前:ゲートボールと寿司と八神はやて・前編 ◆6W0if5Z1HY :2008/08/06(水) 14:21:57 ID:Ur258QqV
 話は8年ほど前に遡る。神奈川県海鳴市。まだ八神家がミッドチルダに移る前の話である。
『闇の書事件』のしばらくの後、はやては病気のために休学していた小学校に戻っていった。
はやてが学校に行っている間、闇の書の4人の守護騎士――シグナム・ヴィータ・シャマル・ザフィーラ――は、
自分なりのスケジュールを持つようになった。

「んー……暇だな」

 その日、ヴィータは随分と暇だった。
あまりにも暇だったので、自分の相棒のデバイス・グラーフアイゼンで素振りでもすることにした。
家の庭で素振りをして間違って何かを壊してしまったらマズイと思い、近くの公園に出掛けることにする。
昼間の時間帯。とことこ歩いてきたヴィータが見たところ、公園には誰もいない。

「よっしゃ、いくぜっ!」

 グラーフアイゼンをハンマーフォルムで起動させ、振り回す。

 ぶうぅんっ ぶぅぅぅぅぅんっっ!!

 まるでプロ野球選手がフルスイングしている時のような豪快な音がする。
数回アイゼンを素振りしているうちに、だんだんと気分がのってきた。
柔らかい陽射しの中で、気持ちよくアイゼンを振り回すヴィータ。

「ほおぉぉ、随分と立派なげーとぼーるすてっくだねぇ……」

 その声にハッとして振り返ると、そこには老人が立っていた。
大方、公園にきて散歩でもしている最中なのだろう。

「素振りかえ? 精が出るのう、お嬢ちゃん」

 カラカラと笑う老人に、ヴィータは心の中で、くそ、と毒づいた。
グラーフアイゼンがゲートボールスティックに間違えられたのは、これで何回目だろう。
初めて間違えられた夜、スポーツ大辞典なる本でゲートボールというスポーツの存在を知った。
その本に載っていたゲートボールに使うスティックは、確かにアイゼンに似ていて。
正直、ヴィータは不愉快だった。あたしの相棒が、こんなものと間違えられるなんて……、と。

 その後、アイゼンがスティックに間違えられる度、ヴィータは幼い顔に渋い表情を浮かべていた。
だから今回も、苦虫を噛み潰したような表情で老人に言ってやった。

「ちげーぞ、じーさん。これはゲートボールスティックじゃねえ。グラーフアイゼンつって――」
「ふひゃひゃひゃ、ぐらーふあいぜんというのかい。名前まで付けておるのか。熱心じゃのう」

 老人はまだ勘違いしている――どころか、ヴィータの言葉を最後まで聞こうとしていない。
ダメだ、このじーさん……。ヴィータがそう思っていると、老人はdでもないことを言い出した。


15 名前:ゲートボールと寿司と八神はやて・前編 ◆6W0if5Z1HY :2008/08/06(水) 14:23:06 ID:Ur258QqV
「どうかねお嬢ちゃん。今、向こうの方でげーとぼーるをやっておるんじゃ。参加してみんかえ?」
「はあ? だからこれはゲートボールスティ――っておい!」

 老人は、抗議の声を意に介さず、ヴィータの手を掴んでスタスタと歩き始める。
人の話を聞けって……と、ヴィータはついついカッとなり、思わず怒鳴ってしまった。

「おい!いい加減にしろって、じーさん!」
「はぅぅ?!」
「あ・た・し・は!ゲートボールに興味はねーんだ!第一、これはスティックなんかじゃ……って、じーさん?」

 つい先ほどまで、ふぇっふぇっふぇっと笑い声を上げていた老人が、俯いてシュンとしている。
どうやら、ヴィータがいきなり怒鳴ったために、驚いてしまったようだ。
老人は、蚊の泣くような小さな声で呟いた。

「お嬢ちゃんのようなカワエエ子が加わってくれると、嬉しいんじゃがのう……」
「うっ……」

 口は悪いが、ヴィータは心根の優しい少女だ。
落ち込んだり元気を失くしたりしている人に対しては、キツイことを言いながらもなんだかんだで慰める。
沈んだ表情の老人を目の前にすると、バツが悪くなった。
仕方ねーな、とヴィータは決めた。どうせ暇だし、ちょっとぐらいは付き合ってやるか、と。

「はー。わかったよ、じーさん。今回だk
「なら、早く行こうじゃないかい」

 今の今までシュンとしてい老人が、パッと笑顔を取り戻し、ヴィータの手を掴んで引っ張っていく。
調子のいいじーさん……と思っているうちに、重要なことをヴィータは思い出した。


「ところでよ、じーさん。あたし、ゲートボールのルールなんて知らねーぞ……」




「なんやヴィータ。今日もゲートボールに行くん?」
「おう!今日こそはじーちゃん達をボコボコにしてやるぜ」
「気を付けてな。ギガントフォルムとかやったらアカンよ」

 1ヵ月後、そこにはすっかりゲートボールにハマったヴィータの姿が!


16 名前:ゲートボールと寿司と八神はやて・前編 ◆6W0if5Z1HY :2008/08/06(水) 14:27:12 ID:Ur258QqV
「ほぅれ」

 コツン   コロコロ……

「ふはっはあ!ほれ、またびーたちゃんの負けじゃねぇ」
「あー!くそっ!松本のばーちゃん、少しは手加減してくれよ!」

 ボールの軌道を見届けるや否や、ヴィータは地団太を踏んだ。
たまたま偶然、ゲートボールを始めたあの日から数ヶ月。
最初に比べて格段に上達したものの、老人達の前にはまだまだ歯が立たなかった。
ちょっと挑発されるとすぐに冷静さを欠くきらいのあるヴィータは、ここ一番でミスすることが多い。
また、老人達が長年にわたって築き上げてきた『老獪』という武器もヴィータを苦しめている。

「ちぇっ。やっぱつえーな、じーちゃん・ばーちゃん達……」

 ベンチに座り、家から持ってきたジュースを飲みながら、それにしても――とヴィータは思う。
最初は、単に玉を打って転がすだけのスポーツだと思っていたが、実際にやってみると奥が深い。
いや、どんなスポーツでもそうだ。数ヶ月で底が知れるようなスポーツなど、ない。

「なー、ところで今日、鈴木のじーちゃんは?」

 鈴木のじーちゃんとは、最初にヴィータをゲートボールに誘った「あの」老人だ。
ゲートボールの集まりがある時にはたいてい顔を出すのだが、そういえば最近、ちょくちょく欠席している。

「はぁて。今日は姿が見えないねぇ」
「おとといも姿が見えなかったねぇ」
「12日前も姿が見えなかったねぇ」
「21日m
「あーもういいもういい!わかったって!」

 口々に、見えなかったねぇ、見えなかったねぇと連呼する老人達をヴィータが鎮めていると、
噂をすれば影、とはよく言ったものだ。暗い顔をした鈴木老人が、のっそりと現れた。

「あ、鈴木のじーちゃん。どーしたんだよ、暗い顔して」
「……びーたちゃんはいつも元気じゃのう」
「あたしだけじゃねえ、こっちも元気だ」

 ヴィータがハンマーフォルムのグラーフアイゼンをぶんぶん振り回すと、弾けるような電子音声が響く。
元気一杯のヴィータと対照的に、鈴木老人はしおしおと萎びてしまっている。
しばらくして、鈴木老人は深刻な顔で切り出した。

「実はのう……わし、自分の店を畳もうと思うんじゃ……今月一杯で……」
「げえっ」
「そ、それはほんとかい!」

 ざわ……
                  ざわ……

 鈴木老人の言葉を聞き、老人達の間に動揺の波が広がる。
そんな中、ヴィータは、ふーん、そういえば……、と考えた。
鈴木老人が店を経営しているなんて知らなかった。ヴィータは聞いてみる。

17 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 14:27:14 ID:i27UPyf3
ヴィータ可愛いよ支援

18 名前:ゲートボールと寿司と八神はやて・前編 ◆6W0if5Z1HY :2008/08/06(水) 14:28:03 ID:Ur258QqV
「店? 鈴木のじーちゃん、何のお店やってんだ?」
「寿司の店、じゃよ……」
「すし? なんだよ、『すし』って?」

 ヴィータのその言葉に、鈴木老人を初め、全員が目を丸くして驚いた。

「ぬぁに? びーたちゃんは寿司を知らんのかい!」
「なんと、不憫じゃあ……不憫じゃあぁぁ……」
「最近の子は魚離れが進んでいるとは聞いていたが、ここまでとはのう……」
「魚は切り身の状態で泳いでいると思っとる子供もおるらしいぞい」
「不憫じゃあ……不憫じゃあぁぁ……」

 ざわ……
                  ざわ……

 再び、老人達の間に波のようなざわめきが広がった。

「な、なんだよ……いけねーのかよ……」

 いきなり、老人達がどよどよし始め、自分のことを可哀想な目で見つめてくるからたまらない。
ヴィータが戸惑っていると、山口老人が問い掛けてきた。

「びーたちゃんは刺し身を知っとるか?」
「刺し身? ああ知ってるよ。お魚を薄く切ったやつだろ?」

 刺し身は時々、八神家の食卓にも上ることがある。パック済みの商品を買ってくることが多いが、
時には魚を丸々一匹買ってきて、はやての指示を受けながらシグナムが魚を掻っ捌くこともある。

「そうじゃ。その、薄く切った魚をじゃな、こう……握ったご飯の上に乗せてだな……」
「握ったご飯? おにぎりみてーなもんか」
「ああ違う違う。そうじゃなくてな……」

 横で話を聞いていた高橋老人が、そばに落ちていた木の枝で地面にガリガリと絵を描き始めた。

「こう……四角く握ったご飯の上に魚の切り身をのせて、握って……」
「あっ!」

 その形格好にヴィータは見覚えがあった。
確か、はやてとスーパーに買い物に行ったとき、魚のコーナーに陳列してあったやつだ。
買ったことは一度もないが。

「……ああ、アレのことか。スーパーとかで売ってるやつだろ? あれ、すしって言うのか」
「おお、そうじゃそうじゃ」

 ヴィータの言葉に、老人達が、要領を得たり、という顔になる。
周りがやっと可哀想な目をやめてくれたので、ヴィータは鈴木老人に至極当然の疑問をぶつけた。

「ところで鈴木のじーちゃん。なんで店、やめちまうんだ?」

 ヴィータに寿司のことをわかってもらってウンウンと頷いていた鈴木老人が、途端に沈痛な面持ちになった。

「……最近、魚の値段が高くなってのう……いいものも、なかなか手に入らなくなってきてのう……」

 年々、魚が手に入りにくくなり、値段も高騰している。このことは、読者の諸君もご存知だろう。
ではなぜ、そんな事態が起こっているのかというと……


19 名前:ゲートボールと寿司と八神はやて・前編 ◆6W0if5Z1HY :2008/08/06(水) 14:28:53 ID:Ur258QqV
 一つは原油高。魚を獲りに行くには船が要る。船を動かすためには燃料が要る。
その燃料の値段が最近、めちゃくちゃな勢いで高騰している。
そのため、漁に出て魚を獲っても燃料代がかさんでしまい、結局は赤字に陥る漁業者が増えた。
漁業者だって自分の生活があるわけだから、赤字の出る仕事ばかりをいつまでもやるわけにはいかない。
その結果、漁を休んだり、挙句の果てには廃業する漁業者も珍しくない。

 こうして漁業をやる人間が減ると、当然ながら漁獲量も減っていき、魚は手に入りにくくなる。
さらに、高騰した燃料代は魚の価格に転嫁されるわけだから、ますます始末に終えない。

 もう一つは、世界の需要の変化。例えば、マグロやカニ。これらは今までは日本にしか需要がなかった。
日本人しか食べないから、獲れたものは日本にガンガン入ってくる。いわば、日本の独壇場だったわけだ。

 ところが最近、この状況が大きく変わってきた。
今までは魚といえば川魚だった中国では、最近、海鮮がブームとなっている。
アメリカでは、BSEや鳥インフルエンザなどの影響で、カニの消費量が数年前と比べて倍以上になっている。
そういうわけで、海産資源を世界で取り合いするようになり、結果として魚は手に入りにくくなった。

 魚が手に入りにくくなったことで、当然ながら魚の値段は上がっていく。
鈴木老人のように、個人で細々とやっているような店は、こういった影響をモロに受けたのだろう。

「それにのう、駅前に展開している『かいてんずしちぇーん』とやらにに客足が流れてしまってのう……
うちのようなぼろい店には、みんな見向きもしてくれないのじゃ……」
「なんだよ。みんな、鈴木のじーちゃんのお店に行かねーのかよ?」

 ヴィータが老人達に問い掛けると、皆一様にバツが悪そうな顔になった。

「たまには食べに行っておるのじゃが……」
「なにせ、寿司は毎日食べられるような安いものではないからねぇ」
「最近、物価が上がってきてるしねえ。節約しないと……」

 生活に必要な食料品やその他諸々の値段が上昇しているのは、読者の諸君もご存知だろう。
年金だけで暮らしている老人達は先行きに不安を覚え、結果として財布のヒモも固くなっている。
ぶすぅー、と、どこか釈然としない表情のヴィータに、鈴木老人が話し掛けた。

「どうじゃ、びーたちゃん。うちの店が閉まってしまう前に、一度、食べに来てもらえんかのう」


20 名前:ゲートボールと寿司と八神はやて・前編 ◆6W0if5Z1HY :2008/08/06(水) 14:29:58 ID:Ur258QqV
「――というわけで、鈴木のじーちゃんのお店に、『すし』を食べに行くことになった」

 家に戻ったヴィータは、夜、八神家一同――はやて、シグナム、シャマル、ザフィーラ――
が揃ったところで事の次第を説明した。

「そうか……その御老人、気の毒にな……」

 シグナムは難しい顔で腕組みをしている。彼女は『自分の道』に誇りを持っている。
同じように、職人として『自分の道』を歩いている鈴木老人の気持ちが、よくわかった。
自分の志した道を途中で断念せざるを得ないのは、どんなに辛いのだろう……と。

「お寿司、ね……そういえば、見たことはあるけど、食べたことはないわね」

 はやてと一緒に買い物に行くことが多いシャマルも、未だに寿司は外から眺めたことしかない。

「シャマルの言う通りや。みんなが来てから、お寿司なんて食べたことないなぁ」
「なあ。どーせだったら、全員で食べに行こうぜ」

 当時まだ足が動かず、車椅子で生活していたはやては、ある人物から生活援助を受けている。
そのため、なるべく家で料理を作って出費を抑えているのだが、たまには外で美味しいものも食べたい。
はやてが財布と家計簿を取り出し、いろいろと計算し始めた。しばらくしてから、うん、と頷く。

「お金も大丈夫や。一回ぐらい贅沢してもバチは当たらんやろ」
「やったあ!それじゃ、決まりだな!」

 喜んで飛び上がるヴィータ、ニッコリと微笑むシャマル。
対照的に冷静なシグナムは、ソファにわんこ姿で座っているザフィーラに言った。

「ザフィーラ、その格好ではまずいぞ」
「ああ、心得ている」

 食品衛生上、わんこ姿で飲食店に入るのはまずい。もうすぐなくなる店だとしても、だ。
店に行くとき、ザフィーラはわんこ姿から人型にならなくてはいけない。

「そんなら……来週の土曜日あたりに行こか。ヴィータ、そのこと、伝えといてな」



――数日後の土曜日。そろそろ日が傾いてきた。もうすぐ夕食の時間だ。
はやて・ヴィータ・シグナム・シャマル・ザフィーラの八神家5人は『鮨の鈴木』にやってきた。


21 名前:ぬるぽ ◆6W0if5Z1HY :2008/08/06(水) 14:35:11 ID:c2qEmp20
 うは、連続投稿に引っかかったが、前編はちょうどここまで。>>17 支援サンクス

 後編は10・11・12日あたりに。うまいこと三連休になったw
美味しそうになるようにリリカルマジカル頑張ります。つーか美味しい寿司食いてえ。


22 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 14:51:30 ID:jyIPWoCZ
…おなか減ったGJ

23 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 15:18:53 ID:lmqsb0nR
ざふぃーら は 石塔返し を 覚えた

24 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 15:27:51 ID:8U9DEf1/
GJ!
変にリアルで面白いw


25 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 15:37:54 ID:QJ74Zh/B
本手返しはまだですか?
GJ
じいちゃんばあちゃんがかわいいな、オイ

26 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 16:29:11 ID:bwGG4luY
こんなところにもSJ読者がいるとは。
なら、不正を働く管理局員に鉄槌を下す死神なのはさんが出てきたり、フェイトがマニアックな行政指導行なったり、
エリオが「神のグラス」って呼ばれるバーテンダーになったり、クロノが泥棒市の片隅で仕立て屋やったり、
スカが伝説の贋作者になったりするSSが投下される日も遠くないな。


27 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 16:38:40 ID:kWrMu9OF
ユーノは小動物ですかそうですか。

28 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 17:02:51 ID:g7k3nlaE
>>26
スカリエッティがタイムスリップして、医者として人助けもいいかもしれんなw

29 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 17:33:18 ID:lmqsb0nR
ギンガ(返り血で真っ赤になりながら)「犬と…呼んで下さい…御主人様」
しかし言い出しっぺが言うのもアレだが、そろそろクロスに行った方がいいかもしれん。

30 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 18:30:56 ID:lq8JHwi7
>>29
先生。それはクロス関係なく、読みたいです。

31 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 19:45:23 ID:K2zCrizE
>>26
SJとやらについて誰かkwsk

32 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 19:52:53 ID:TVgcavHL
>>31
SuperJump



33 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 20:00:08 ID:8QYo24AI
>>29
ギンガ「犬と(ry」
ザッフィー「どちらかというと犬なのは我の方だぞ」

34 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 20:45:43 ID:K2zCrizE
>>32
SuperJumpって雑誌の?
その中に>>26みたいな内容の漫画があるってこと?
なんかよく分からないけど、ありがとう

35 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 21:05:55 ID:ZdCBcBm6
>>34
不正を働く管理局員に鉄槌を下す死神→死神監察官雷堂
マニアックな行政指導→トクボウ 朝倉草平
「神のグラス」って呼ばれるバーテンダー→バーテンダー
泥棒市の片隅で仕立て屋→王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜
伝説の贋作者→ゼロ THE MAN OF THE CREATION
だな多分

36 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 21:13:23 ID:Ld71pE+Q
>>21
GJ。はやてガンガレ…
まあ寿司でも食いねぇ!

>>35
よくわからんがsageようぜ

37 名前: ◆6BmcNJgox2 :2008/08/06(水) 21:54:29 ID:K0Ntejqm
ちょいとこの間の続編書かせて頂きます。
「Nの系譜」の続きは…もうちょっと待って下さい。
ってこの間も言いましたけど。

・勢い余ってギブミーストッパーの続きを書いてしまいました。
・またヘンテコな方法でスカがアプローチをかけてきます。
・なのはとスカの夫婦生活が描かれますが、全部スカの妄想なので多分無害です。
・オリキャラ登場しますが、スカ脳内における妄想の産物なので多分無害です。
・非エロ
・最後になのは×ユーノ的要素も出ます。
・基本的にギャグっぽいノリですけど、最後だけはちょっぴりシリアスです。

・最低限知っておいて欲しい予備知識
本作においては『もう更生したいけど、遺伝子レベルで刷り込まれた無限の欲望に逆らえない
スカリエッティはなのはが自分と結婚れば、流石の自分も尻に敷かれてしまい、
迂闊に悪さは出来なくなると言う無茶苦茶な理論によってなのはに求婚してくる』と言う設定になってます。

38 名前:僕の家族 1 ◆6BmcNJgox2 :2008/08/06(水) 21:55:38 ID:K0Ntejqm
 『僕の家族』
                           ジェイハ=スカリエッティ

 僕の家は、僕とお父さんとお母さん、三人の弟、そして最近飼い始めたペットのフェレットの
六人と一匹家族です。

 ジェイルお父さんは科学者で、土木作業なんかで使われたりする作業機械や、
怪我や病気なんかで手足や臓器を失った人の為の義手義足や人工臓器の設計をしたり、
他にもバイオテクノロジーを使って砂漠や荒地でも育つ作物を作ったり、色々な
物を作っています。

 お父さんの作った作業機械は色んな会社で使われて、義手義足・人工臓器も多くの人を救って、
バイオテクノロジーを使って作った作物も、作物の育ち難い環境の世界等の食糧事情を良くさせたりして
大変役に立っているらしいのですが、なのはお母さんが言うには、お父さんは昔はもっと悪くて
マッドサイエンティストをやっていたらしいです。その時のお父さんは色々な危険な研究をしてて、
人や動物の遺伝子を操作してクローンを作ったり、恐ろしい怪物を作ったり、辺り一面を吹飛ばす様な
強力な爆発と共に広範囲に何十年たっても消えない猛毒をばら撒く恐ろしい爆弾を作ったり、
またナンバーズと言うサイボーグの女の子達のお腹の中にそれぞれ自分のクローンを仕込んでいたと
言う事もあったそうです。

 考えただけで怖いです。お父さんが昔そんな事をしていたなんて、今の優しいお父さんからは
とても信じられない事です。ですが、今になって考えると、今のお父さんも大差無いかもしれません。
 今のお父さんは普段は作業機械や義手などの設計等をしていますが、たまにそれぞれ別々の動物同士を
かけあわせて珍妙な動物を作っていたのを見た事がありますし、僕はまだ良く分からないのですが
この間、『しのしょうにん』って名前の変なおじさんがお父さんの所にやって来て、その人の
頼みでお父さんが全身に色んな武器を満載した、まるで漫画やアニメに出て来る様なロボットを
作ったりしていた事もありました。その事について、お父さんは

「昔からの癖だからどうにもならない。」

と言います。本当にそうなのかな? 僕は心配になります。社会の為になる物を作るお父さんと
危険な物を作るお父さん、どっちが本当のお父さんなの?

 今でもたまに危ない物を作るお父さんですが、それで大変な事にならないのはなのはお母さんのおかげです。
お父さんが社会の為になるような物を作っている時のお母さんはとっても優しく見守ってくれるのですが、
逆にお父さんが危ない物を作っているのを見ると、お母さんは人が変わった様に怒ってとっても怖いです。
この間も、こっそり危ない研究をしていたお父さんをヤンギレした表情で頭冷やしていました。
 お母さんはお父さんより十歳以上も年下ですが、お父さんはお母さんには全然敵いません。

39 名前:僕の家族 2 ◆6BmcNJgox2 :2008/08/06(水) 21:56:23 ID:K0Ntejqm
 お母さんは昔、時空管理局に勤めていて、教導官をやっていた位にとっても強い魔導師だったそうです。
当時のお母さんとお父さんは追う者と追われる者の関係で、簡単に言うとル○ンと銭○みたいな関係
だったらしいです。僕は良く分かりませんが。そんな敵同士だったのにどうして、二人が結婚したのかについて、

「お父さんを放っておくとどんな危ない研究をやるか分かったものじゃないから。」

 と、お母さんは言っていました。お父さんの危ない研究を止めさせる為にお母さんは管理局を辞めてまで
お父さんと結婚したんだそうです。その事について、今でも管理局の方では惜しむ声があるらしいのですが、
僕はお母さんが管理局を辞めてお父さんと結婚して良かったと思います。だって、お父さんとお母さんは
何だかんだ言ってとっても仲が良いですし、お母さんがいなかったらお父さんは本当に危ない研究で
大変な事をしていたと思います。それに、お母さんがお父さんに悪い研究を辞めさせて、代わりに
社会の為になる研究をさせたおかげで救われた人も沢山います。何よりも、お父さんとお母さんが
結婚してなかったら僕と三人の弟は生まれていません。

 さっきも説明した通りお母さんは昔、管理局で教導官をやっていた強い魔導師でした。
だから僕もお母さんみたいに強い魔導師になりたいと思ったのですが、お母さんは
バインドなどは教えてくれましたが、バスターやシューターみたいな派手な魔法は
教えてくれませんでした。その時は、お母さんのケチと思いましたが、その後で
お父さんがこっそりその理由に教えてくれました。

 お母さんは管理局の魔導師になったばかりの頃、その当時からかなり強かったらしいのですが、
色々と無理もしてたらしくて、それで仕事中の謎の機械兵器の奇襲を受けて、生死に関わる様な
大怪我をしたらしいです。怪我を治した後も元通り飛んだり出来る様になるまで色々とリハビリを
頑張ったみたいなのですが。そう考えると派手な魔法を教えなかったのは、僕も昔のお母さんみたいに
なって欲しく無いからなんだと分かりました。やっぱりお母さんは優しいお母さんです。でも、その昔の
お母さんに大怪我を負わせた謎の機械兵器は、実は昔のまだ悪かった頃のお父さんが作った物だった
らしいのですが、そこは秘密にする様に言われました。やっぱりお父さんはお母さんが怖いみたいです。

 お母さんは昔、友達が沢山いたらしいのですが、管理局を辞めてお父さんと結婚した事が
きっかけで、仲が悪くなってしまったそうです。僕も以前、お母さんの昔の知り合いだったらしい
オッドアイのお姉ちゃんと会った事があったのですが、凄く怖い目で睨まれてしまいました。
皆はお母さんがお父さんと結婚した事を良く思ってないみたいです。とっても悲しいです。
でも、何時か仲直り出来る日が来て欲しいです。

40 名前:僕の家族 3 ◆6BmcNJgox2 :2008/08/06(水) 21:57:13 ID:K0Ntejqm
 お父さんと結婚する為に友達を無くして寂しかったのか、お母さんはフェレットを飼い始めました。
お母さんは昔もフェレットを飼っていた事があったらしくて、その時のフェレットにちなんで
ユーノ君と名付けていました。フェレットはとっても人懐っこくて可愛らしいです。そのフェレットの
世話はお母さんがしているのですが、僕にもたまに抱っこさせてくれます。でもお父さんは
何時もの病気が再発してフェレットを改造しようとしてお母さんに頭冷やされたりしていました。
 今ではそのユーノと言うフェレットも立派な家族の一員です。

 次に僕の三人の弟について…

「こ…これは一体…何のつもり…?」

数枚の作文用紙を両手に持ち、気まずい顔でジェイル=スカリエッティを睨み付ける
高町なのはの姿がそこにあった。

「これは私と君の間に生まれた子供が小学生になって、そこで先生から自分の家族についての
作文を書くと言う宿題を出されて…って設定で書いてみた作文でな…。」
「私が言いたいのはそこじゃない! 何でこんな物を書いたのかって言いたいの!!」

なのはは怒り余って作文用紙を破り捨ててしまった。

「うわぁ! 何をする! パソコンを使わずに手書きでの作文は地味に大変だったんだぞ!
ただでさえ私は理系の人間であって文系は苦手なのに…。って言うか、その子供は
私と君の子だけにやっぱり理系科目は得意でも体育と文系科目は苦手と言う設定も
考えていたのに…。」
「うるさいうるさい! だから私は貴方みたいな時空犯罪者と結婚する気は無いって言ってるでしょ!?
まあ貴方が何を考えた所でそれは貴方の勝手だけど…そもそも何で子供が全員男の子なの!?
もしかしたら一人くらい女の子が生まれるかもしれないじゃない!」
「お! 何だ〜。嫌よ嫌よと言っておきながら…何だかんだで私の子供を産む気満々では無いか!」
「ああ!!」

これには流石のなのはも墓穴を掘ってしまったと自覚した。そして、顔を赤くしたなのはの肩に
スカリエッティがポンと手を置き…

「さ、君もまんざらでは無いみたいだし…人生棒に振ったと思って私の伴侶になってくれたまえ…。
以前も言った通り、君が私の妻となってくれれば私に対するストッパーにもなって
世界の平和は守られるのだよ。」

と、キザったらしく言うスカリエッティであったが…

41 名前:僕の家族 4 ◆6BmcNJgox2 :2008/08/06(水) 21:58:16 ID:K0Ntejqm
「それを言うなら犬に噛まれたと思って…とかそんなんじゃないのぉ!?」
「あら〜!」

なのは怒りのディバインバスターがスカリエッティを天の彼方まで吹っ飛ばしていたとさ。

「ハァ…ハァ…ハァ…あんな男と結婚したら…それこそ人生棒に振ったも同然じゃない…。」

とりあえずスカリエッティを追い払う事は出来たが…なのはは何かに負けた様な…
そんな嫌な後味を感じていた。そして、そう思うと共に走り出す。向かった先は無限書庫であり…

「ユーノ君結婚して!! 今直ぐ結婚して!! おねがいぃぃぃぃぃ!!」
「うわぁ!? いきなりどうしたの!?」

なのはは血の涙を流しながらユーノに泣き付いて結婚を迫った。
ぶっちゃけこのままスカリエッティからのしつこい求婚を受け続ければ…今は追い払っていても
いずれ恋愛ものの漫画なんかで良くある『最初は嫌いだったのに何時の日か…』と言うパターンによって
本当に結婚してしまいかねない勢いがあった。それはなのはにとって非常に嫌な事だ。
例えなのはがスカリエッティと結婚する事によって、スカリエッティの悪事に対する
ストッパーになって世界が平和になるとしても…嫌な物は嫌。
だからこそ、そうなる前に誰かと結婚する。その相手として第一に選んだのがユーノ。
彼とは友達としての関係で、未だ恋愛に至ってはいないが…スカリエッティと
結婚してしまう位なら…ユーノと結婚してしまった方が一億倍もマシだった。
それに以前は一緒に暮らしていた事もある間柄でもある故、違和感無く共に暮らす事も
出来ると言う事も言える。

「お願いユーノ君! 結婚して! お願い! お願いぃぃぃぃ!!」
「い…いきなりそんな事を言われても…。って言うか今仕事中だし…。」

なのはは泣き叫びながらユーノの服の袖を引き千切らんばかりの勢いで引っ張っており、
ユーノはほとほと困り果てていた。

果たしてこの後…なのははどっちを選ぶのだろうか?
自らを犠牲にしスカリエッティの妻となる事で、時空犯罪者の妻と言う汚名を被る代わりに
スカリエッティの無限の欲望を抑えるストッパー役となって世界の平和を守り、なおかつ彼の
優秀な頭脳と技術を世の為人の為になるような方向へ向けさせ、人々の生活を良くさせるか…。
はたまたスカリエッティを拒絶して自身の幸せを取り、ユーノと結婚する事によって
スカリエッティの嫉妬心を煽り、悪の科学者としてさらに増長させ、そのままヤンデレ化した
事によって以前のそれを遥かに凌ぐ程の恐ろしい兵器を作れる力を持たせ、それによって
世界の平和を脅かし、破滅の危機に晒らさせてしまうか…。どちらにせよなのはを待っているのは
辛く苦しい戦いの日々である。その時の相手が『世間の自身に対する差別・迫害』か、
『スカリエッティが今後作り出すであろう以前のそれを遥かに凌ぐ程強力になった恐怖の超兵器軍団』かの
違いがあるが…どっちにしても苦しい戦いを強いられる事は間違い無い。

なのはに平穏の時が訪れる事は無いのか…静かに暮らす事は許されないのか…
この後…真の平穏を手にする事は出来るのか…その答えは神のみぞが知る事である…。

                    おしまい

42 名前: ◆6BmcNJgox2 :2008/08/06(水) 22:00:46 ID:K0Ntejqm
自分が今までやったなのは×スカの子供って全部男ですけど、その理由に付いて
本作中にあった
「女の子が生まれて来る可能性もあるじゃない」
「何だかんだで産む気満々じゃ無いか」
と言うのをやりたかったからと言うのもありますけど、これもある意味ギャプ萌えの一環だったりします。

なのはのお股から、なのはに似ないスカ顔の子供が生まれて来ると言う
ギャップを想像するだけでも個人的にかなり萌えてしまいます。
ちなみに×ユーノ版の場合も同じ理論でユーノ顔の子供の方を先に想像してしまいます。
(きっと客観的に見た場合、自分は凄いキモイ男に見えているに違いないはず…)

ってか、スカリエッティも変な顔芸とかしたりせずに黙ってればイイ男だと思うんですよ。
漫画版で一コマだけ出て来た、培養液の中で作られる途中のショタリエッティなんか
不覚にも萌えてしまうくらい可愛かったですしw

とりあえずはこの後…
『世界の平和を取ってスカの嫁兼監視役になった未来』
『自分の幸せを取ってユーノと結婚した未来』
の二つのIFをそれぞれ描いて、このシリーズの完結編としたいと思ってます。

43 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 22:10:34 ID:lq8JHwi7
スカさんは悪いことさえしなきゃあ、作品中で二番目にいい男だと思うよ。
GJ!

44 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 23:22:23 ID:sKZjjpp4
>>42
>なのはのお股から、なのはに似ないスカ顔の子供が生まれて来ると言う
>ギャップを想像するだけでも個人的にかなり萌えてしまいます。

あんた、筋金入りのHRerだったんだなww
しかしその「萌え」は非常によくわかる。もっとやってくれ。

45 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 23:48:18 ID:EE5FhClD
ヤンデレなスカの一語に噴いた

46 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 00:56:59 ID:QOQ/r9BK
もうのなのスカやめろヘドがでる次書いたらマジ殺すぞ

47 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 00:58:46 ID:QOQ/r9BK
早くなのユーの甘々+エロが読みたい

48 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 00:59:17 ID:UEMMw+ng
>>46
さて、通報してくるかな
 
あ、あと地味にIDがQBKで吹いた

49 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 01:00:04 ID:QOQ/r9BK
二度と書くなクズが

50 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 01:03:21 ID:jJGANpto
…………なのスカ書きたくなってきたじゃないか。どうしてくれる。

51 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 01:07:44 ID:qKNCaszP
>>46
通報してきた
一番やっちゃいけない時期にやっちゃったね

52 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 01:15:05 ID:8XqszMMX
>>50
何を遠慮する?
書けばいいさ、それこそ君の一つ↑のバカが発狂するぐらいになwww

53 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 01:15:14 ID:dfR3bd3/
>>50
書けば良いじゃない!

54 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 01:21:26 ID:QKMm0mSS
>>50
ノマカプだとなのレジとなのスカが一番好きな俺が通りますよ

ぜひ書いてくださいお願いします

55 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 01:23:14 ID:O/Xnea+A
>>50
書いてしまえ。

しかし記憶をたどる限り読めるなのスカを見た覚えは…

ロッカーに入れられてた子供を処分するか6課メンバーで悩むとかいうのあったか?
名前かスレ出てくる人は誰か頼む。
微妙なところもあったけどこの分野なら一番読めた覚えがあったりなかったり。

56 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 01:51:34 ID:oI9Qjykr
>>21
そういえばヴォルケンズが起動した日の夕食は豪華な刺身だったが
冷静に考えると日本が初めての外人さんにいきなり生魚を食わすのって酷くないかw

57 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 02:09:21 ID:jJGANpto
(切ってあるけど、生のままだよ、これ……)
(切ってあるだけ…いや、食事が準備されるだけ過去の主より数倍ましだ。黙って食え、ヴィータ)
(そうよ、将の言うとおり。食べ終わったら外に放り出されるかもしれないのよ)
(我にとっては、地下牢よりも外のほうがマシだがな)

 こんな念話をしていた初日の夜w

58 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 02:41:50 ID:ecfUwX5A
>>57
むしろ
(おい、主のやつ生魚をおいしそうに食ってるぞ……)
(おいたわしや…魚を焼く燃料すらないほど暮らしが困窮しているのか。かくなる上はレヴァンティンの炎で……)
(ダメよ、将の魔法じゃ火力調節ができないわ。ザフィーラ、明日外で薪を拾ってきてくれる?燃料さえあれば調理は私が何とかするわ)
(了解した。我は別に生でも美味いと思うのだがな……)
かもしれない


59 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 02:44:12 ID:09cjZPbd
>>57
(……ヴィータ、食べてみろ)
(はあ!?何であたしが!)
(先陣を切って戦うのがアタッカーの役目だ。それとも将の決定が不服か?)
(ぐぬぬ……てめえ……)
(二人とも落ち着いて。まずはそっちの茶色いのからにしましょ。一応火は通ってるみたいだし)
(頼んだぞ。ヴィータ)
(くっそー、食えばいいんだろ食えば!)

そして恐る恐る箸を伸ばして食べてみるヴィータ
ヴィータの反応を見てからこれは大丈夫そうだと安心して食べ始める他3人
うむ。こいつらには温かい家庭が必要だな

60 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 06:58:27 ID:g56uwXbH
なんとなく八神家二次創作でよく見かける間違いを突っ込んでみる

・はやての一人称が「うち」。コッテコテの大阪弁。
・ヴィータの一人称が「俺」。はやてに対しても乱暴口調&ぞんざいな態度。語尾が「〜ぜ」。
 「闇の書の主」を「主」と呼称(あまり知られてないがヴィータは「マスター」と呼ぶ。A's8話、A's漫画3話参照)
・ザフィーラの一人称が「我」(正しくは「私」と「俺」の使い分け)

シャマルやシグナムはネタで弄られる事は多いけど勘違い率は低い気がした
まあ、些細な事がいちいち気になるのは俺が狭量なだけかもしれない

61 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 07:10:27 ID:7dBwM8IE
>>56-59
他の次元世界に似た料理があった…とも考えられるんじゃないか?

62 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 07:31:51 ID:3qBz6GOP
>>61
どうも昔の主=外道という固定イメージがあるせいか、
生魚どころじゃないゲテモノを食わされてそうだと思ってしまう

63 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 07:35:22 ID:o9YwuPI3
中にはいい主もいたんじゃないのか?
シグナムとかといい仲の

64 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 07:55:54 ID:3qBz6GOP
>>63
たぶんいい主もいただろうと思うけど、肝心の本人達の記憶にはないようだし
二次作品では昔の主は外道で当然という妙な思い込みが…

65 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 08:03:25 ID:QOQ/r9BK
このスレつまんないくなってきたな

66 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 08:10:12 ID:QOQ/r9BK
>>42
◆6BmcNJgox2マジ死ねよ

67 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 08:16:11 ID:3SUQj+B7
>>66
通報しますた。

68 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 09:01:03 ID:RTQBcd1T
>>64
他の主もはやてみたいに闇の書のせいで障害を負ってたとしたらヴォルケンズに辛くあたっても仕方ないんじゃないかと思うな

69 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 09:51:53 ID:jJGANpto
はやてちゃんの場合は、魔道士として目覚めてなかったのが理由だから、
魔法文明が当たり前の世界で主になった連中は障害ないんじゃなかろうか。

70 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 10:10:08 ID:awrw9x+1
一定期間、頁の蒐集がないと持ち主自身の資質(リンカーコア)を侵食する。

だそうです。
良い主が蒐集しないとすると、その主は苦しみながら死んでいくことに。
逆に、悪い主はすぐに蒐集にかかるでしょうから、障害は起きないことに。

71 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 12:20:57 ID:QOQ/r9BK
サイヒ氏のなのは×ユーノ読みたい

72 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 13:39:03 ID:IKpvuYcu
ヴォルケン自身がはやてのように対応されたのは初めてだって戸惑ってるからなあ
初代リインによれば、守護騎士達は異形の業による者達だから人目につく場所に置いておけないのは仕方ない、というのが古代ベルカ時代での認識だったらしい

過去の経験から初対面の主にも不信感を抱いて身構えてしまい、主もそんな守護騎士に好印象を抱けず、慢性的に悪循環が積み重なっていったんじゃないかと想像してる

73 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 14:09:14 ID:oSm1OMyd
>>54
そういや

なのゼス

って見た事無いよね?
同じsts敵サイドの男キャラなのに…何故?

74 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 14:16:09 ID:jdxNjSOL
二人とも似たようなタイプで意外性がない……からかなあ。
似たタイプだからこそ、見てみたくあるが。
なのはさんの教導隊の先輩に接する姿もそれで、妄想できるかもしれん。

75 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 14:55:44 ID:oSm1OMyd
>>74
俺も意外性度外視で見てみたい

なのゼス
フェイスカ
はやレジ

で展開していく第三期のIFものとか

76 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 14:57:03 ID:jJGANpto
なのゼスで、エリルーだと、
なのはを「お義母さん」と呼ぶエリオになるのか……。
それは見てみたいような気もする。

……なのはとフェイトが嫁母と婿母の関係!?

なのゼス本編よりも周囲の人間関係が面白そうだ。

77 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 16:08:38 ID:QOQ/r9BK
>>75
マジキモイ

78 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 16:26:47 ID:H++4HgfL
レジアスがゲンヤにパワハラすればいいと思います^^

79 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 16:27:13 ID:rT53ktHx
>>75
そのカプで意外性を抜いたら何を楽しめばいいか俺もちょっとわからないな

ただ恋愛を抜きにして
なのはとゼストの肉体言語やフェイトとスカの心理戦やはやてとレジアスの和解は面白そう

80 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 17:11:07 ID:BjPqBEts
ゼストがルーのおとんって公式?

81 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 17:22:02 ID:dfR3bd3/
>>80
そんな事はない、っていうか聞く前に自分で調べような?

しかし、STS公式サイトのキャラ紹介の項目で未だにゼストのところが何も書いてないのはヒドイな・・・
ドゥーエでさえ紹介あんのに。

82 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 18:01:33 ID:QOQ/r9BK
◆6BmcNJgox2はここにはこないでください

83 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 18:03:00 ID:3SUQj+B7
>>82
通報しました

84 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 18:06:36 ID:C9XJJhcT
>>78
そして、その現場を娘に見られてマジヘコミするレジアス
オーリスが市原悦子に脳内変換されちまったw

85 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 18:07:07 ID:C9XJJhcT
下げわすれたorz

86 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 18:13:04 ID:SEM3cvs3
>>84
娘は娘同士でイチャラブしてればいいんじゃないかw

87 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 18:28:31 ID:C9XJJhcT
>>86
ギンガ・スバルに攻められるオーリス・・・いいじゃないかw

88 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 20:02:49 ID:dRrRW0N5
>>79
はやてとレジアスの和解ってイメージしにくい。

レジアス
地上の戦力不足のため、裏でこっそり戦闘機人計画に手を貸す。

はやて
戦闘機人(スバル)を実戦投入。

逆に最初から裏で手を組んでるんだったら納得いくけど。

89 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 20:04:49 ID:dX3p/zK+
ヴィヴィオとクラスメートの誰かってのも面白そうなだよね。

なのはを筆頭とした六課メンバーと仲が良いのに嫉妬して、ついには嫉妬や妬みなど歪んだ感情がヴィヴィオをレイプと言う形で爆発したって感じで

90 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 20:18:43 ID:uCi4oKdr
なぜか恋愛原子核レジアスという電波ががが
レジアスならきっとオッサン臭い英雄になってくれるはず

91 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 20:42:21 ID:BjPqBEts
レジアスはもうすでに英雄さ

92 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 21:30:44 ID:KfY3n3fN
恋愛原子核ゼストなら妄想したさ
12人姉妹+(ルー母娘)で両手に華ってレベルじゃねえぜ?


模擬戦を挑んでみた
 ↓
強い!負けた。
 ↓
渋い、マッチョ、長身、しかも顔も良い!!

とりあえずトーレにノーヴェとセインは堕ちるなw
(チンクはデフォで)


93 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 21:46:02 ID:k17w85NR
ゼスト兄貴、オッスオッス!!

そんな冗談はともかくナカジマ姉妹丼とかナンバーズ姉妹丼をだなry

94 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 21:55:07 ID:jJGANpto
>>ナンバーズ姉妹丼

食い過ぎで死ねるw

95 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 22:02:24 ID:k17w85NR
巧妙な罠につかまったクロノ・ユーノ・エリオが4人ずつに無理矢理
ナンバーズ姉妹丼とか・・・

セイン・チンク・オットー・ノーヴェの慎ましやか組
ウーノ・ドゥーエ・クアットロ・ウエンディの技組
トーレ・セッテ・ディエチ・ディードの巨大組

96 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 22:05:04 ID:G/KGYSmU
>>95
ウェンディ肩身狭そうだなwww

97 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 22:36:00 ID:o9YwuPI3
どう見てもギャクにしか…書ける人いんのか?

98 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 22:45:38 ID:G/KGYSmU
>>95
って言うか良く見たらその設定クロノ抜かしたらナン☆パラじゃないか?

99 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 22:47:05 ID:qQzbbnnh
>>95
どう考えてもディエチとセインが逆な件に付いて

100 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 22:55:28 ID:k17w85NR
>>98
そうなんすか?

101 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 22:57:42 ID:G/KGYSmU
>>100
まぁエリオとユーノが逆襲しちゃってるんだけどなそんな感じ

それと間違ってもノーヴェは慎ましやかではないと思う

102 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 23:02:20 ID:BjPqBEts
>>101
ちょっとカッカしたすいだけ
いつもは貞淑で行儀正しく穏やかで淫乱で淫靡
きっとギンガよりもウェディングドレスが似合う

103 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 23:06:05 ID:GP1UpvQ2
おっぱいの話じゃないのか?

104 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 23:06:55 ID:Urmrnunb
ゲンヤが娘6人を、ロッサが教会組を、ドクターが因子持ちを食えば(ry
あとはセッテをどうしよう?
>>102
体型がってことだろう。
あれはロリ巨乳に当たりそうだ。

105 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 23:07:47 ID:jJGANpto
>>104
ちょ、ギンスバも食われるのか。

106 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 23:25:52 ID:VylM9bz0
使い魔って子供産めないの?

107 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 00:01:23 ID:/91kv8iF
ナン☆パラ ってなんだ?
ググってもわからんかった……

108 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 00:32:38 ID:cmPVShEN
>>108ならはやてが天魁星として腐敗した管理局を正そうと英雄好姦を集って戦う

109 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 00:55:43 ID:XStJRPvA
そういや八神家総出で枕営業にいそしむ鬱黒いエロSSってありそうでないな
入局初期に陰湿なセクハラで苛めにあう八神家とか、そういう鬱で嫌らしいの読んでみたい

110 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 01:17:26 ID:Xcn6MBq+
投下よろしいか。

111 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 01:20:36 ID:jx1cMChk
どうぞ!!

112 名前:野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/08/08(金) 01:22:54 ID:Xcn6MBq+
 なんか色々あってw なのスカ書いてみた。
 何故か、なのユーにもなった。
 三角関係だ、どうしよう。

 レス数七。非エロ。
 あぼんは鳥かコテで。
 タイトル「右手にフェレット、左手にマッドサイエンティスト」

113 名前:野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/08/08(金) 01:23:32 ID:Xcn6MBq+
      1


「絶対に駄目です」
 
 スバルの言葉に嘘はなかった。なのはもそれは認めるしかない。
 ギンガも同じ気持ちだ、とスバルは言う。
 マリエルが、シャーリーが、皆が一睡の時間すら惜しんで研究を重ねている。必ず、治療法は見つかる。たとえ見つからないとしても、そのときはそのときだ。

「スカリエッティと取引するなんて、賛成できません。……たとえ、私の命と引き替えでも」
「私に、返事はできないよ」

 スバルの言葉にうなずくのは、今のスバルに死ねと命ずるに等しい。
 なのはにそんなことが出来るわけがなかった。
 しかし、この選択を他人にゆだねることもまた、できない相談だった。

 

 戦闘機人の寿命。それに気づいたのはナンバーズのメンテナンスをしていたマリエルだった。
 設計思想の違いがあれど、ナンバーズとスバル、ギンガには共通点も多い。それはナンバーズも知っている。
 ある日、一人が尋ねた。スバルとギンガの生命維持はどうなっているのかと。
 聞き返すマリエルにチンクが答える。
 タイプゼロ、成長する戦闘機人の制作をスカリエッティが断念したのは、生命維持に不可欠なメンテナンスがあまりにも手間を食うためだったと。
 確かに、執拗なメンテナンスは兵器としては欠点だろう。しかしスパルとギンガは兵器ではない。
 マリエルの言葉にチンクは感銘を受けたようだったが、それでも疑問は消えなかった。
 正確なメンテナンスを受けなければ兵器以前に生命維持が困難になる、と。そして、正確なメンテナンスがドクター以外に可能なのかと。
 ドクター自身が手間を嫌って開発を中止したのに、ドクター以外の人間にメンテナンスができるのか、と。

 スバルは別として、ギンガはすでにドクターに手を加えられている。
 それを念頭に置いて、マリエルはもう一度ギンガを検査してみた。
 すると、違いがあった。これまで累積されたギンガのデータからは考えられないほどの整ったデータが出力されたのだ。
 捕らえられたときに、ドクターにメンテナンスをされたのだろう、とチンクは言う。
 整っていないデータは生体パーツの多さ故、とマリエルは考えていた。それが間違いだったのだ。
 スバルはドクターのメンテナンスを受けていない。そして、出力されるデータは相変わらず整っていない。

「……保って一年だな」

 スバルのデータを眺めたスカリエッティは、映話先のフェイトに無表情に答える。

「いや、私の手を煩わせずにここまで稼働させた手腕は見事だ。しかし、この辺りが限界だろう」
「もし、助けていただけるなら減刑も考慮に入れます」
「いや、結構だ。どうせこんな事が続けば、なし崩しに管理局監視下という名目で自由の身になるだろう。君や八神はやてのように。急ぐ必要はない」
「スバルを助けないのなら、そんなことにはなりませんよ。いえ、させません」
「私を説得する時間はまだたっぷりある。せいぜいがんばりたまえ、フェイト嬢。
…………おっと、一つ忠告しておこう。私と交渉を続けるつもりなら、君は力不足だ。人員の交代をお勧めする」
「残念ですね、貴方と直接の会話が許される人員は非常に限られているんです」
「エースofエースが除外されているとは思えないが」

 フェイトは即座になのはに連絡を取った。
 そして、冒頭のやりとりである。

114 名前:野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/08/08(金) 01:24:08 ID:Xcn6MBq+
        2

「スバル・ナカジマの治療をお願いします」
「…単刀直入だな。管理局のエースは雑談を好まないのかな?」
「貴方と雑談をする気はありません。したいと思ったこともありません」
「私はしたいんだ。できるなら、お茶でも飲みながらね」
「何が望みなんですか」
「美しい女性とひとときの逢瀬を楽しむ。それが不思議かね?」

 なのはは何も答えない。スカリエッティの目的がわからないのだ。
 フェイトやはやてが相手ではスカリエッティは話そのものを聞こうとしない。少なくとも、自分なら何らかの形で話はしようとする。
 しかし、身のある話は全くないのだ。
 スバルは今のところ身体の異常はない。しかし、それがいつまでも続くわけではない。治療は早いに越したことはないだろう。

 何度目かの話し合いで、ついになのはが切れてしまった。

「いい加減にしてっ! 何がしたいかはっきり言って! スバルを助けるつもりがないのなら、そう言って! その代わり、スバルが死んだら絶対に貴方を許さないから!」

 スカリエッティが目を見開いている。
 驚いているのだ。なのはの剣幕に。
 逆に、なのはから見ればスカリエッティの驚く理由がわからない。

「待ってくれ。高町なのは。私は何か誤解をしているのか?」

 ますます意味がわからない。何が誤解なのか。何をどう誤解するというのか。

「君の世界では、男性が女性を何度も呼び出すというのは、好意を示すことではないのか?」

 腹立ち紛れにレイジングハートを振り回していたなのはの動きが止まった。
 好意? 呼び出す? 男性が女性を?
 まさか……

「まさか、これ、デートのつもりだったの?」
「そ、そうだ、デートだ。そうだよ」
「恐喝相手を呼び出す極悪人にしか見えないわよっ!」
「それが誤解だと言っているのだ!」

 モニターしている六課本部では、はやてが笑いを堪え、フェイトが愕然とし、ついでバルディッシュを握りしめて震え出す。

「フェイトちゃん、怒ったらあかんよ?」
「大丈夫だよ、はやて」

 モニターの向こうではスカリエッティが…
 
「高町なのは。こうなったからには正直に言わせてもらうが。次は直接会えないか?」

「はやて、あれ斬ってもいい?」
「スバル治すまでの我慢や」

115 名前:野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/08/08(金) 01:24:45 ID:Xcn6MBq+
         3

「スバル・ナカジマの治療は引き受けよう」

 スカリエッティは引き替え条件を持ち出さなかった。ただ、治療するとだけ宣言する。
 なのはの問いにも、治療するとだけ答える。
 はやて、フェイトともになのはは協議するが、スカリエッティの狙いが何であれ、治療者がスカリエッティしかいないというのは間違いのない事実だった。

「術式の課程はすべてモニターして記録する。モニターの方は私とリィンとフェイトちゃん。その場にはギンガとなのはちゃん、ティアナが立ち会う。
ヴォルケンリッター四人は隣室で待機。それでええな?」
「そうだね、それでいいと思う。でも、スカリエッティが何かやるつもりなら、本当に気をつけてね、なのは」
「うん。わかってる。でも……」

 正直、スカリエッティが何かしでかすとは、なのはにはどうしても思えなかった。
 だから、なのははもう一度スカリエッティに面会した。

「本当に、任せられるの?」
「もちろんだ。君も私の技術を疑っているわけではあるまい? これは、君と対等に話すために私が払う代償と思ってくれていい。
しかも、見返りなしかもしれないという可能性も考えているつもりだ。スバル・ナカジマを治療したから、私のことを考えてくれ、
などと言うつもりはない。そんなことをするくらいなら素直に脱獄して、未だに私を慕ってくれるナンバーズとともに反旗を翻し、君を奪う」
「それだけは絶対にさせない」
「もちろんだ。私にもそのつもりはない。暴力をもって君をものにするつもりなどない。そんなのは無意味だ」
「一つ聞きたいの」
「なんなりと」
「何故、私を?」
「まず、強いからだ。我が娘たち…ナンバーズを退けた君だからだ」
「ナンバーズを撃退したというなら、フェイトちゃん、はやてちゃん、ティアナ、スバル、シャッハさん、シグナムさん、シャマルさん、ヴィータちゃん。私以外にもたくさんいるはずよ」
「もちろん、それだけではないよ」
「どういう意味?」
「確かに強さもある。だがそれだけではない。今あげたすべての女性の中で、私の心を動かしたのは君しかいない。単純だが重要な事実だ」
「私には好きな人がいるんだよ」
「横恋慕か。面白い。私がその男以上の男だと証明すればいいのだな」
「いい加減に…」
「惚れた女に惚れたと告げて何が悪いっ! 私は確かに犯罪者だ。しかし、人を愛することはできる、違うか!?」

 六課本部では、なのはによって名前を出された六課隊員のほとんどがモニターを見つめていた。

「……これは…随分ストレートな告白ですね」
「相手がスカリエッティでさえなかったら…これは揺れ動きますよ…」
「あの男がこれほど男らしかったとは…」
「大丈夫だよね、なのは」
「た、多分。なんぼなんでも、ユーノ君もおるんやし、ほだされはせんと思うけど…」
「ユーノがあれくらい熱く告白してたらね…」
「とっくにゴールインしてるだろな…」

116 名前:野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/08/08(金) 01:25:19 ID:Xcn6MBq+
       4

 スバルの手術が始まった。
 スカリエッティは麻酔は使わないと宣言する。
 局部麻酔で充分であり、そもそも自分が疑われているのは百も承知なので、スバルも意識をはっきりとさせておきたいだろうとの配慮だ。
 てきぱきと処置を勧めるスカリエッティを挟むようになのはとギンガが。そしてスバルに寄り添うようにティアナが付き添っている。

「そんなに心配なの? 大丈夫だよ、ティア」
「うっさいっ! 私は貴方なんか心配してないんだから。スカリエッティを見張っているだけなの! ほら、馬鹿言ってないで処置に集中して。おかしいと思ったら我慢せずにすぐに言うのよ」
「すまないな、ミス・ランスター。デリケートな処置が必要なので、静かにしてもらえると助かる」

 スカリエッティにそう言われ、ティアナは苦虫を飲み込んだような表情で口を閉じる。

「ふむ。少々予想とは違っているな」
「どういう事です?」
「タイプゼロファーストとは微妙な違いがある。これは…元来のものではないな」

 スバルに直接繋がれた端末から数値を読みとるギンガ。ギンガは自分がスカリエッティに改造されたときのデータを一通り見せられている。
 確かに、そこに記されていた自分のデータとスバルのデータの違いはわかる。

「…これは八神はやてにもモニターされているはずだな。八神はやて! 君には局内にも敵が多いと聞くが、この処置を台無しにしてまで君を陥れる理由はあるのか?」
「“こちら八神。そちらの予想通りモニターはしてる。それは、どういう意味や”」
「スバルナカジマを亡き者にしてまでも、君に嫌がらせをするような人物に心当たりは?」
「“ありすぎて特定できんよ”」
「面白い。何者かがタイプゼロセカンドに仕込んでいるようだ」

 ティアナのとっさの制止は間に合わず、スバルの腕が持ち上がった。驚いたのはスバル自身も同じだ。彼女自身、自分の動きに全く気づかなかったのだから。
 渾身の力で振り回される左腕。ティアナがとっさに飛びつこうとして、ギンガに引き倒される。生身でスバルの拳を止めるのは自殺行為だ。
 しかしなのはがレイジングハートをかざした瞬間、スカリエッティがスバルの左腕を受け止める。
 モニターを見ていたフェイトは、ザンバーを受け止めたスカリエッティを思い出していた。
 見ているうちに、スカリエッティの額に血が流れ始めた。さすがに、片腕でスバルの手を止めるのは無理があったのだろう。
止めきれずに、頭部に一撃を与えられてしまっている。

「今のなら、よけられたでしょう」
「よければ、高町なのは、君に当たっていたかもしれん、そう思った。……処置を続けよう」

 言いながらスカリエッティは、無造作にタオルを巻いた。まるで汗を止める鉢巻きのように。
 なのはは、そのタオル越しに傷口に触れた。

「何の真似かね?」
「じっとして。いずれ必要かもしれないと思って、ユーノ君に治癒魔法を習っていたの。下手だけど、血止めくらいはできるはず。
……まさか、貴方に最初に使うとは思わなかった」
「光栄の極みだね」

117 名前:野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/08/08(金) 01:26:01 ID:Xcn6MBq+
        5

 土下座どころか、自害しかねない勢いのマリエルをはやてとフェイトはなんとか食い止めた。
 スバルの処置が始まったと同時にラボから姿を消した課員がいるというのだ。まず間違いなく、それが犯人だろう。
 確かに、このタイミングでスバルが暴走してスカリエッティが死亡すれば、はやてのクビ一つでは追いつかない大失態だっただろう。
 もっとも、スカリエッティの言を信じるなら、スバルに仕込まれていたのは昔彼自身が開発したウイルスの変異だったらしい。故に自業自得とも言える、とスカリエッティは結論していた。
 逆にそんなものを持っているということは、かつてスカリエッティとつながっていた裏管理局の残党が犯人なのだろう。
 
 処置を終えて、スカリエッティは尋問室に通されていた。
 はやてがシグナムとヴィータをつれて出向く。はやて自身は一人で行くと言ったのだが、シグナムとヴィータが無理矢理についてきているのだ。

「借りができたな」
「借りなどとは思わなくて結構だ。私が好きでやったことだからね。ただ、高町なのはを喜ばせたかっただけだ」
「それを信じてええんか?」
「……ちょうどいいメンバーが揃ったようだから、逆に聞きたい。八神はやて、君は何故闇の書の騎士を信じる?」

 シグナムとヴィータがはやてを守るように身構えた。

「過去において悪鬼羅刹とまで並び称されたヴォルケンリッターを、何故信じる?」

 スカリエッティはシグナムに目を向けた。

「烈火の将よ。どうして君は今世においては悪鬼とならない? 今までと何が違うと言うんだ?」
「我らは主の名に従い動く者だ。我らを知っているのなら、それもまた知っているだろう」
「八神はやてに出会うことによって君たちは変わった。それでいいのか?」
「当たり前だろっ!」
「失礼、鉄槌の騎士。しかし、それならこう考えてはくれまいか? 君たちが八神はやてに出会ったように、私は高町なのはに出会ったのだと」

 フェイト・テスタロッサが高町なのはに出会ったように。
 エリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエが、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンに出会ったように。
 スバルとギンガが、クイント・ナカジマに出会ったように。

 当然、これらの出来事は機密である。
 だが、無限書庫の長と提督には機密など、あってなきがごとしなのだ。

「なるほどね。そこを否定すると、自分たちまで否定することになる、か」
「よく考えたものだ。後付の理屈としては最高だな。真実かどうかは別として」
「それに関しては僕も同感だ」
「しかし、嘘とは言い切れない」
「それも同感だ」
「自分の意見はないのか、密猟者におびえる獣」
「えらーーーーーい提督様のご意見だから、僕には逆らえないよ」
「だったらその偉い提督から命令しようか。僕の目の前から永遠に消えてくれないか?」
「職権乱用か。管理局も堕ちたものだ。ああそうか、君がスピード出世できる組織だものね」
「なのははさっさとスカリエッティを選ぶべきかもしれないな」
「スカリエッティは嘘はついてないと思う。本当になのはに惚れたんだと思うよ」
「何故言い切れる?」
「なのはには、それだけの魅力があるから」

 さすがにクロノは絶句した。

118 名前:野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/08/08(金) 01:26:51 ID:Xcn6MBq+
     6

 プロポーズは論外。
 このタイミングのプロポーズは、「スカリエッティが嫌だから結婚する」と言っているようなものだ。
 それは嫌だ。
 やっぱり、「好きだから、一緒にいたいから、結ばれたいから」プロポーズ。それに憧れるのだ。

 ユーノにとっても事情は似たようなもの。
「スカリエッティよりはマシだよ」と言われて結婚したくない。
 やっぱり、「ユーノ君にそう言ってもらえるなんて」と感激されたいのだ。

 結構見栄っ張りなカップルは、そうやってチャンスを逃し続ける。


 それに……正直に言うと、なのはも少し心が揺れた。
 ユーノにはあれだけの激しい台詞はないだろう。
 無限書庫の仕事を捨ててまでなのはと一緒になるか、と言われると疑問符が付きそうな気がする。
 スカリエッティの場合は野望をあっさりと捨てている。
 だからといってスカリエッティを好きになったと言うことはない。それは断言できる。しかし…………
 情熱的な求愛というものには、女である限りは流されてしまうのだ。

 考えていると、ユーノからの連絡が来た。
 このタイミング。なのはは機密について一瞬考えたが、相手は無限書庫の長である。そのうえ、はやて、フェイトの友人なのだ。
この件に関しては機密など完全に忘れられてそうな気がする。


「僕は、スカリエッティには負けないよ」

 結婚はまだできないけれど。と続ける。
 それで充分だ、となのはは思った。
 何故知っているのか、もどうでもよかった。

「私、待ってるよ、ユーノ君」


119 名前:野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/08/08(金) 01:27:24 ID:Xcn6MBq+
     7

 某所にて。

「……高町なのはとユーノ・スクライア? 私は彼女がバツイチでもいっこうに構わないよ。釈放されたら、奪ってみせるとも」
 

120 名前:野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/08/08(金) 01:28:00 ID:Xcn6MBq+
 以上、お粗末様でした。


 スカさんほとんど別人かもしれん。すまんかった。


121 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 01:40:13 ID:cmPVShEN
なんちゅうもん書きよるんじゃコラ
はぁ? なのスカでしかもなのユーじゃとコラ?
面白いやないけ、コラ
デート間違えたり豪速直球のスカリエッティとか熱いやんけ、コラ
ムショ入りの以前の敵が助けに来るとかのシチュエーション好きにはたまらんやろうがコラ!
前進あるのみのアツきエリート的爆炎が如きスカリエッティええもんやんけコラ!

122 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 01:47:49 ID:ZyfnODsD
>>120
GJ!このスカリエッティは応援したくなるw

123 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 01:51:15 ID:cq2Fcff1
>>119
フェイトさん自重
>>120
GJだな。なのスカって書くとウンコ食うSSみたいだけれどもさ。

124 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 01:57:01 ID:6Qs2sqSy
これは続編に期待せざるを得ない
フェイトそんが相変わらず…

125 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 03:56:57 ID:gKDaFkp6
>>120GJ
悪くないな。ユーノサイドもあったら見てみたい

126 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 04:27:50 ID:+qH8+UkH
>>42
GJ!
スカ博士のヤンデレっぷりが実にすばらしい!
これからも厨房に負けず頑張れ

>>120
これまたいいスカなの!なのはの愛を奪い取ってしまえ。
この情熱的なスカ博士なら十分ユーノから寝取れるはず

127 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 04:33:29 ID:6Qs2sqSy
最近ヤンデレの意味履き違えたレスを各所で見受けるんだが
何の弊害だ?ニコか?

128 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 05:59:07 ID:gNvtSXxJ
>>120
GJ
スカがいいキャラしてますな。

>>127
ニコかその類のヤンデレCDやらかと思う。
つか、このスカはあえて言えばクーデレ位で(わりと熱血してるから違うが)別にヤンじゃ無いよな。

続くならスカに対してなのはがツンデレになりそうな気はするがw

129 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 07:14:47 ID:EzA2SMVx
なのスカは生理的には少し受け付けないが、スカとユーノがライバルというのは面白いかも。
実際そういうSSは結構あるし、

スカ「以外だね…君はこの組織にいる割りには少々甘すぎないかね?
   第一、管理局が必ずしも正義とは言い切れまい。集めたロストロギアを使い、明日にでも次元世界支配乗り出すかもしれんのだよ?」
ユ「……そうかもしれないね…可能性は否定できない。でも……
  でもその時は、僕自身の手で管理局を叩き潰す」
スカ「……正気かね?」
ユ「ああ……大真面目さ」

どこかで似たようなの見たけどこんなかな

130 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 07:31:08 ID:I6ji64rb
エロパロ的には淫獣vs変態だろ

131 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 07:36:51 ID:fDrhnleo
淫獣×変態だろ…常識的に考えて…

132 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 07:44:37 ID:jr24PzZN
>>131
簡単に想像できてしまうから困るw

133 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 08:42:50 ID:TuBFZRMw
>>129
それどこの民間古代遺跡封印工作員?

134 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 08:51:34 ID:UWnOo7ub
第一期のちっちゃいユーノだったら
アナル舐める自信ある

135 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 09:12:12 ID:lXFG/fLQ
やっぱユーなのが一番だな
なのスカ好きはマジキモイと思う

136 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 09:14:27 ID:lXFG/fLQ
なのスカ好きな奴マジキモイ

137 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 09:24:47 ID:GbzZmBjF
真性(本物)なのかと思っていたが、ここまで懲りないと仮性(かたり)なのではないかと思い始めた。

138 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 09:31:49 ID:Fj5gok93
工作員乙。

でも、通報したならそろそろ隔離されてもよさそうなものだが。

139 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 10:30:10 ID:w589thdc
>>138
PINKちゃんねるについて勉強して来い


この程度なら反応しなければスレは十分機能する。
レスつけるのは論外。おかしな人自体を話題にするのもなるべく避けるべきなんだぜ

140 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 11:13:50 ID:cuhVCuBH
>>134
ディープキスなら余裕

141 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 13:53:16 ID:YvDP+pR+
>>131
バカ、そこは変態×淫獣だろう

142 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 13:59:02 ID:u6fr6/if
情熱的に愛を語るスカに惚れた。このスカになら尻を掘られてもいい。
というか最近なのスカ多いね。

143 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 15:54:18 ID:+upRDNWH
ふとメガミマガジンの表紙が目に入った瞬間、高町なのはに膣内射精したくなった。
ああ、オレは骨のズイまでアレなんだな・・・と思った瞬間だった。ハァハァ。

144 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 16:01:34 ID:FAmEL1FJ

 三           三三
      /;:"ゝ  三三  f;:二iュ  三三三
三   _ゞ::.ニ!    ,..'´ ̄`ヽノン
    /.;: .:}^(     <;:::::i:::::::.::: :}:}  三三
  〈::::.´ .:;.へに)二/.::i :::::::,.イ ト ヽ__
  ,へ;:ヾ-、ll__/.:::::、:::::f=ー'==、`ー-="⌒ヽ←>>143
. 〈::ミ/;;;iー゙ii====|:::::::.` Y ̄ ̄ ̄,.シ'=llー一'";;;ド'
  };;;};;;;;! ̄ll ̄ ̄|:::::::::.ヽ\-‐'"´ ̄ ̄ll
何故こんなになるまで放って置いたんだ

145 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 16:04:36 ID:UWnOo7ub
>>143
お前の感じている感情は精神的疾患の一種だ。
しずめる方法は俺が知っている。俺に任せろ

146 名前:鬼火 ◆RAM/mCfEUE :2008/08/08(金) 16:39:09 ID:/9pJH+QV
過去ログ漁ってたら、自分の嗜好に割と近いSS見つけて、読んでたんだがな…多分あれは酒の勢いだったんだろう…
司書さんや。またまたすまんが…36スレ168も自分です……oez
そりゃあ好みに近いはずだ

147 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 16:58:00 ID:Iy1Z458f
>>143
ほほう、オレキャラ×なのはとはまた斬s

(書き込みはここで途絶えている。
 部屋の大量の血痕等から警察当局は事件性があるとみて捜査している)

148 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 16:59:15 ID:lXFG/fLQ
マジ引くわ

149 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 17:38:38 ID:UWnOo7ub
魔法■女ふたなりフェイト

●月×日 ☆
おかしい、最近エリオを見てると動悸が収まらない。
とくにあのプリプリした小さいお尻をみてるともう…ハァハァ。
あぁ、またチンポが大きく。

●月▲日 ☆
今日も朝から、なのはを犯す。
最近少し締まりが悪い。
そう伝えると、捨てないでと泣きながら言われる。
そんなコトしないのに。大好きだよ、なのは。

●月●日 ☆☆
ユーノに呼び出される。
最初なのはの事で口論になるが、原因が分かるとすぐに仲直りできた。
私のチンポが大きすぎて、なのはのマンコが緩くなってるらしい。
話し合いの結果、私がマンコ、ユーノがアナルを使用するということで落ち着く。
最後にセルフフェラの極意を教わった。
今日部屋に帰ったら試そう。



150 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 17:50:00 ID:ock7TWm0
そしてセルフフェラ現場をエリオに見つかるんですね、分かります

151 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 18:00:08 ID:fDrhnleo
>>141
変態の紐にはロマンがない
やはり淫獣の鎖で無ければ背徳感が足りない

実用性云々は変態に分があるが浪漫補正で

152 名前:ザ・シガー:2008/08/08(金) 18:14:53 ID:LYbldOux
さて投下するぜ。

お待たせしましたレジなのです。
無論非エロでレジアスとなのはが甘酸っぱいデートするお話です。
レジィがなのはとストロベリーな展開が理解できない人は頑張ってスルーしてくださいね?

153 名前:ある中将と教導官の日々:2008/08/08(金) 18:15:42 ID:LYbldOux
ある中将と教導官の日々5


大勢の人でごった返した大型ショッピングモール、休日という事もあり見ているだけで思わず熱気を感じそうな程の人だかりが形成されている。
そんな中をひどく不釣合いな二人の男女、なのはとレジアスが連れ立って歩いていた。
ヒゲを蓄えた恰幅の良い中年の男と美しい年頃の少女、あまりに対照的かつ似つかわしくない二人が並んでいる姿はある意味シュールな光景である。
自然と周囲の人間の目を僅かに引くが、当の二人はあまり気にかけていない様子だ。

どうやら、既に何度も二人きりで外出しているなのはとレジアスはこういう好奇の視線に慣れてしまったようだった。
振り返って視線をこちらに向ける人々など構わず、二人はモールの様々な店を見て回る。
その姿は普通に考えれば親子にしか見えないが、二人の距離感はもっと近しい何かを感じさせた。
あえて言うなら年の離れた恋人か……本人達が聞けばそれこそ顔を真っ赤にして否定するだろう。

多くの店で溢れるモール内を散策する中、なのはが一つの店舗の前で足を止める。
乙女を魅了する甘い香りが漂う、そこは美味しそうなクレープの店だった。


「あ! ゲイズ中将、あれ美味しそうですよ♪」


鼻腔を蕩かす甘い香りになのはが目を輝かせながらレジアスの手を引っ張ってそう言う。
その姿は普段の凛々しい教導官でも、優秀な管理局員でも、ヴィヴィオの母親でもなく、どこにでもいるただの一人の女の子だった。
エースと呼ばれたSランク魔道師のその可愛らしい姿にレジアスは思わず苦笑する。


「ああ、そうだな。では一つ買ってみるか」


なのはの言葉にレジアスは自分から進み出てなのはの好きそうなものを注文、程なくして美味しそうなクレープを一つ手にする。
そして、そっとなのはに差し出した。


「えっと……悪いですよ、自分の分は自分で買いますから」
「まあそう言わないでくれ、私は年上なんだから」
「うう…分かりました」


レジアスの言葉になのはは渋々と頷いて了承する。
頑固な彼女は本来ならば自分の分を自分で買いたいと思っているのだろう、いくら年上の男性が相手でもそういう面はしっかりしたいようだ。
幾らか不満を感じるなのはだったが、一度口の中に甘いクレープを頬張ればたちどころにその不満も霧散する。
舌の上に溶ける甘味と鼻腔を駆け抜ける香ばしい香りになのはの顔が思わず緩む。


「とっても美味しいです♪」
「そうか、それは良かった」


なのはの満面の笑みにレジアスもつい表情を綻ばせる。爛漫と咲き誇る花のような彼女の明るさは厳格な中将の心をいとも簡単に和ませてしまうようだ。

二人はとりあえず手頃なベンチに腰掛け、なのははクレープを美味しそうに頬張りレジアスは近くの自販機で買った缶コーヒーを傾ける。
心底嬉しそうにクレープを食べるなのはの様子をレジアスはただ静かに見つめていた。
彼のその視線に気付いたなのははふと手にした甘いお菓子から口を離して顔を上げる。


「えっと…私の顔に何か?」
「いや、本当に美味しそうに食べるのだと思ってね」

154 名前:ある中将と教導官の日々:2008/08/08(金) 18:16:15 ID:LYbldOux
「本当に美味しいですよ。中将もどうです?」


なのははそう言いながら食べかけのクレープをレジアスの前に差し出す。
彼女のその提案にコワモテで知られる中将は面白いくらい動揺した。


「な、な、な、何を言っているんだ君は!?」
「だって…中将に買ってもらった物ですし、私だけ食べるのは少し悪いです」
「私の事など気にしないで良い! というか、いくらなんでも恥ずかしいだろう!?」


なのはの提案にレジアスは顔を赤くして、普段なら絶対に見せない姿で狼狽する。
まあ、目の前に差し出された食べかけのクレープに口をつけるなんて、普通なら気恥ずかしくって出来ることではない。
だが、なのははそんなレジアスの羞恥心など気にもせず引き下がろうとはしなかった。


「そんな事ないですよ? 気にせずどうぞ」
「いや…その、だな……」
「どうぞ」


言い淀むレジアスの前に突き出される食べかけのクレープ。なのはの目からは後退の二文字が消えていた。
どうやら何が何でもレジアスにコレを食べさせたいらしい。
彼女のその静かな迫力にさしもの厳格な中将もとうとう観念した。


「ああ、分かったよ……では一口だけ」


レジアスは不承不承にそう言うと、周囲にチラリと視線を巡らせる。
周りの目を少しばかり気にすると、なのはの手にしたクレープをほんの少しだけかじった。
今までブラックコーヒーの苦味に支配されていた口の中に、ソレを覆す甘味が溶けていく。
味覚を支配する甘さに思わず手ジアスの口から言葉が漏れる。


「甘いな」
「それはクレープですから。どうです? 美味しいですか?」


正直レジアスは甘いものをそれほど好む男ではない、だが目の前の少女にそう尋ねられて“不味い”などと言える訳がない。
口の中に残る甘い残留をコーヒーで飲み込むとレジアスはポツリと答えた。


「その…悪くはないよ」
「本当ですか?」
「ああ」
「良かった♪」


レジアスの言葉になのはは心の底から嬉しそうに微笑んだ。
一点の曇りも無い笑顔、彼女のその屈託の無さに壮年の中将の胸はまた一つ高鳴る。
仕事に明け暮れ、何年も枯れた生活を送ってきた彼になのはの見せる華やかさはあまりに眩しい。
彼は思わず顔を僅かに逸らして缶コーヒーを傾けると、その苦味で味覚以外の甘さも紛らわせた。
そんなレジアスの様子になのはが不思議そうに首を傾げるがそんな仕草もまた彼の心を波立たせる。
とにかくこの形容し難い甘酸っぱい空気を脱したくて、レジアスは早々にコーヒーを飲み干すと空になった缶をゴミ箱に放りながら立ち上がった。


「そ、そろそろ行こうか」


155 名前:ある中将と教導官の日々:2008/08/08(金) 18:17:06 ID:LYbldOux
「はい」


クレープを食べ終わったなのはは元気良く返事をすると、彼の隣に寄り添って歩き出した。
親子のような年の差の二人はモールの人ごみの中に消えて行く。





そしてそんな彼らを人ごみに紛れて監視する者達がいた。


「こちらコードネーム“キョン”、チームリーダーチビ狸どうぞ」
『こちらチームリーダー、どうしたんやクロノ君?』
「いや……なんか、もうユーノが死にそうな顔してるんだが…」


キョンことクロノはそう言いながら隣にいる青年に目をやる。
そこにはまるでミイラのようにげっそりとしたメガネの青年、ユーノ・スクライアがいた。
彼の目はまるで死後数時間は経過した絶賛腐敗中の魚のように濁りきっており、まるで生気というものを感じない。
まあ、初恋の相手が目の前で中年のオッサンと甘酸っぱいデートを繰り広げていたらこうなっても仕方がないだろう。
ユーノは上手く聞き取れないような小さな声で気が触れたように何かブツブツと呟いていた。


「んせつ…ス……かん…ィス」
「おい…どうした?」


彼のただらぬ様子にクロノが心配そうな顔になるが、ユーノは彼の言葉などまるで聞こえていないようだ。
クロノはそっと耳を近づけて彼の言葉を拾ってみる。


「間接キス間接キス間接キスなのはがレジアス中将と間接キス間接キス間接キス僕とはまだ手も繋いでないのにあのオッサンと間接キス」


無限書庫司書長ユーノ・スクライア、なんかもう廃人寸前だった。
もはや口からは呪詛の如く同じような言葉を繰り返し、意思疎通は完全に不可能な状態である。
十年来の友人のあまりに無残な姿に、流石のクロノも哀れみを感じずにはいれない。


「はやて……僕はユーノを送っていくよ。流石にこれ以上見せると本格的に発狂しかねない」
『え…ああ…うん……よろしく』


力なく立つ事すら叶わないユーノに肩を貸しクロノはその場を後にした。
“今夜はとことん酒に付き合おう”恋に破れた哀れな友を思い、クロノはそう決めた。
その日、ミッドチルダのとある居酒屋で二人は壮絶なまでに酒に溺れたとかそうでないとか。


『しゃあない、ではクロノ君とユーノ君は抜けたから、後はロッサ頼むで〜』
『了解、任せてくれ』
『他のみんなもよろしゅうなぁ〜♪』


はやては陽気にそう言って、今回のバカ騒ぎに駆り出された機動六課や局や教会の面々に念話を飛ばした。



156 名前:ある中将と教導官の日々:2008/08/08(金) 18:17:59 ID:LYbldOux



モール内の店を散策しながら雑踏の中を歩くなのはとレジアス、活気ある様々な店を眺めているとふとレジアスが立ち止まる。
彼は軽く振り返り、僅かに警戒するような視線を背後に向けた。


「むぅ」
「どうしました中将?」
「いや、どうも妙な気配を感じてね。まるで誰かに見られているような…」


レジアスの言葉になのはも周囲に視線を向けるが、多くの人の行き交うこの中で誰もこちらを見ている者など見当たらない。
視線をレジアスの顔に戻したなのはは、はにかむように苦笑する。


「そんなまさか、気のせいですよ」
「そうなら良いのだが、まあ私はこれでもそれなりに顔が知られているからな」
「確かに、中将テレビで演説とかしてましたからね」


彼女のその言葉に、レジアスは少しばかり眉を寄せた。
そして豊かな顎ヒゲを軽く手で撫でながら、歯切れの悪い言葉を漏らす。


「その、だな……あまり、そういう風に呼ばないでくれないか? どうも仕事の時のようで…」
「そうですね、確かに今日は休日ですから。えっと……それじゃあ何て呼べば良いですか?」
「そうだな、まあ君の好きなように呼んでくれ」
「はい、分かりました…きゃ!」


そう言いかけたところで、人ごみの中で肩を押されたなのはがよろめく。とっさにレジアスが彼女の手を掴み自分の方に引き寄せて助ける。
そうすれば、自然となのはは逞しいレジアスの胸板に吸い込まれた。


「大丈夫かね?」
「は、はい…」
「しかし、今日は本当に人が多いな」
「ちゅ、中将……あの…」
「ん? どうした?」
「…近いです」


なのはは彼の間近、手を掴まれ屈強な胸板の中、それこそ吐息がかかるような距離で上目遣いに見上げながらそう言った。
絡み合う二人の視線、刹那の時、二人は互いの瞳に魅入られる。
雑踏の中でしばしの沈黙、それを先に破ったのはレジアスだった。


「いや! すまない!! 軽率だった」


レジアスは慌ててなのはから二・三歩下がって距離を取ろうとする。
だが、それはできなかった。
なのはがそのしなやかな指を絡め、彼の手をギュッと握り返していたから。


「た、高町空尉?」

157 名前:ある中将と教導官の日々:2008/08/08(金) 18:18:23 ID:LYbldOux
「えっと…人が多いですし……はぐれたら大変ですから…その……手、つなぎませんか?」


あろう事か“手をつないで歩く”等という提案、さしものレジアスもこれには目を丸くした。
その行為は中年の中将の羞恥心を崩壊寸前までさせかねない、いくらなんでも恥ずかしすぎる。
レジアスは思わず口ごもりながら慌てた。


「ちょ、ちょっと待ってくれ! そ、それは、その…流石に恥ずかしくないかね!?」


一緒に食事をするとか買い物をするならまだしも、手をつないで歩くなんてまるで恋人同士だ。
しかしそんなレジアスの様子になのはに僅かに影が落ちる。
彼のその言葉になのははシュンと元気をなくしたように俯いて、寂しそうに答えた。


「恥ずかしいなんて、そんな事ないです。でも……中将が嫌なら別に…」
「い、嫌なんて事はない」
「それじゃあ、良いですか?」
「ああ……その…分かったよ」


レジアスはなのはの要望にやっと折れて、首を縦に振った。
その途端に彼女の瞳は嬉しそうに輝き、顔には満面の笑みが零れる。
なのははしっかりと指を絡めてレジアスの手を握り歩き出す。


「それじゃ早く行きましょう、まだまだ見たいお店がたくさんあるんです♪」
「おいおい、そんなに引っ張らないでくれ」


自分の手を引く少女の爛漫さに、彼は困ったようなだけど嬉しそうな顔で苦笑した。


続く。


158 名前:ザ・シガー:2008/08/08(金) 18:21:27 ID:LYbldOux
はい、投下終了です。

コンセプトは初々しい中年、書いててレジアスが可愛く見えた俺は確実に重症www

159 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 18:22:15 ID:Xcn6MBq+
…………これがNTRか…(違)

GJ。ユーノが悲惨すぎて笑った

160 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 18:33:11 ID:yR1lJtlM
>>158
うは、ああああんめえぇぇぇな、おい!
GJ!本当にレジアスは既婚とは思えん初々しさ

161 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 18:34:08 ID:FAmEL1FJ
何と言う何と言う初々しさこれはまさしくレジなの
GJっすしかしレジなのって書くとなのはさんが「レジ」だよと言ってるように思えてくるから不思議


……しかし廃人寸前のユーノも良いなと思った俺マジ外道

162 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 18:56:48 ID:lXFG/fLQ
レジなの好きもキモイなー

163 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 18:57:41 ID:lXFG/fLQ
早くユノなの読みたい

164 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 19:02:30 ID:u6fr6/if
キキキキ、キター!
なんというカップル。あの中将がなんとも初々しい。待ってた甲斐があったってもんですよ

それとユーノには合掌

165 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 19:03:12 ID:lXFG/fLQ
なのスカとかレジなの好きがマジありえねー
正直キモチワルイしマジ引くわー

166 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 19:12:24 ID:ZOgLWWuR
             -―-
           '´         ヽ
        , ', '           .
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        ' l| i,'l !イ||l ! l トl| |li ト、ヽゝ
        !リ!{ |l|l 'l゙!  '´「jヾ F|、、\     / ̄ ̄ ̄ ̄
       ,!| ! l ! !j ,  l / |_l、"`゙、゙ヽ   | ……
       `''" /ヽ. `   ` ,E!ノ"リ!゙ ゙゛   < ID:lXFG/fLQ……かわいそう……
         《 ((` ,ー┐ / リl ,. <      | (脳が)
          Yノリ'´l/!//  ゙     \____
            /!ヲi !/ /,F!  /  i
.          / i l l /! l  /    !
          ∧ l | |' .l l  i    /l
.        くゝゝl | ト、! l  !  /》ヘ

167 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 19:13:04 ID:myjJWJ8S
NGIDはlXFG/fLQと。

ここの作者のレベルが高いからなのスカとかレジなのも良いなと思うこの頃。

168 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 19:21:23 ID:DfNNuxGz
だぁかぁらぁ〜〜〜〜。こういう輩は相手にするなっての ・ ・ ・ ・
掲示板に出没する荒らしは、徹底無視&放置ってのが鉄則だろうが

169 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 19:33:52 ID:23T4pli+
荒らしにしても単純すぎるだろう。
辞めさせたいならもっといい書き方はあるだろうに。

170 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 19:55:09 ID:jgBzpFGj
本編で接点無くても地上本部所属のレジアスや少々無茶しても『まあスカだしな』で
許される雰囲気があるスカリエッティと比べるとゼストは新カプを開拓し難いな
死んじゃったのが悔やまれる


171 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 19:56:41 ID:gNvtSXxJ
どう見てもただの低脳っつか厨。
でも、毎日変わるIDをNG追加してくのが地味に面倒な件。
日の最初に見ちゃうと耳元で蚊にまとわりつかれてる気になるんだよな。
『ユーなの以外認めないスレ』でも立ててひきこもればいいのに。

>>167
同意。
会話に違和感無さすぎて俺の脳内劇場で普通に声付きで上映されてるw

172 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 19:58:37 ID:+MqA8RM4
嫌なら読まなきゃいいのに
俺だってここさいきん、246氏以外
エロパロに投下されるssの殆どは読まずに飛ばしてるのに

173 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 19:58:52 ID:PVWfhR1n
>>170
ゼストは新カプ開拓する前にアギトとのものをもう少し充実させて(ry

174 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 20:01:29 ID:FAmEL1FJ
>>172
そこで名前を挙げちゃうあたりお前さんもどうかと思うが

175 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 20:07:13 ID:yR1lJtlM
246氏も困るだろうに…つか新手の嵐か

176 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 20:09:50 ID:23T4pli+
以外なんだから問題ないでしょ、別に低レベルだからっていってる訳でなし。
むしろわざわざ読まれずに済むんだから他の作者達にとってはいいんじゃ?

177 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 20:22:08 ID:cmPVShEN
>>175
単純に好奇心なんだけど、246氏がどう困るかな?

178 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 20:22:11 ID:U6ZbllFQ
ザ・シガー氏実にGJ!
なのはもレジアスも初々しくてどういうわけかすごくニヤニヤしてしまいます。
手を繋ぐのも、戸惑う二人…最高です。
荒らしが何名かいるようですが是非とも続きを書いて欲しいです!

179 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 20:26:44 ID:ock7TWm0
びっくりするほど甘酸っぱいなw
シガー氏GJです

180 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 20:28:13 ID:Xcn6MBq+
>>177
たとえば即売会で突然、「貴方の同人誌以外はいっさい買いません!」と、他サークルにも聞こえるように言われたら、困らない?

181 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 20:29:10 ID:yR1lJtlM
>>177
自分も昔、別所で似たことあったんで。
でも感情的なレスはいかんね、なのはさんに頭冷やされてくる。
氏も同じように感じるとは限らんし。でもあの時は複雑な心境だった……つか嬉しくない。

182 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 20:39:21 ID:FAmEL1FJ
>>180
待て勘違いしてるぞ>>172
「貴方の作品だけは絶対に買いません」って言う事を言ってるんだ

まぁどっちにしろモチベが下がるとは思うが

183 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 20:40:52 ID:trMmaW6V
>>158
読んでてレジアスが可愛く見えた俺も確実に重症www
GJです!

184 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 20:43:52 ID:fYNZf2nL
>>182
え?
「氏以外」の後に「の」が入るんじゃないの?
じゃなきゃ「ほとんど読まずに」に続かないよ?

185 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 20:44:53 ID:IewlVn+I
>>158
GJGJ! 終始(・∀・)ニヤニヤしながら読んでいました。

186 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 20:46:51 ID:5q/z/W1x
>>182
とりあえず勘違いしてるのは君だと思う

ってかこういう話題を続ける事こそ迷惑になるからもうやめとけ

187 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 20:49:19 ID:bf8nClYY
新手の荒らしなんじゃね?
つうかもうさわんな。

書いてくれる職人さんは皆同等に尊い
それでいいだろ

188 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 20:52:38 ID:FAmEL1FJ
>>184>>186
あっホントだ本気で勘違いしてた

>>187
申し訳無い以後気を付けます

189 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 22:18:06 ID:lXFG/fLQ
このスレ読みたいSSがないから消えてほしい

190 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 22:19:02 ID:lXFG/fLQ
リクエストしても誰も書かないしなー

191 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 22:20:56 ID:IYMo9is2
>>158
相変わらず甘酸っぱいレジなのGJです。ユーノはご愁傷様ですが・・・まあ、ユーノだし(マテ

とりあえず・・・このまま逝っちゃって、オーリスに“お義母さん”と呼ばせようと四苦八苦するなのはを無双しちまったww

192 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 22:39:01 ID:7syniEjY
>>191
思わず噴いちまったw
まぁアリじゃないか……
ってかあのなのはさんだぜ?
むしろ狙ってやりそ(ry

193 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 22:44:03 ID:lXFG/fLQ
◆6BmcNJgox2はレイプばっか書くから嫌い

194 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 22:49:01 ID:7kRav5Za
>>158
GJ!!
かつてここまで悲惨なユーノはあったでしょうかw
まあユーノ。平行世界では結ばれているのもあるから大丈夫ですぞ。
でも、レジィの胸に顔をうずめるなのはさんがこれがまた良いです。
それにしても氏の書くなのはさんは、なぜこうまで俺のツボをつくのでしょうか。
このストロベリーパニックの顛末が楽しみです。

>>191
これだけでも何篇か書けそうだ。
自分より年下の義母親というのはなんだが良いな。

195 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 23:01:45 ID:cmPVShEN
>>194
ザフィーラ「ヴィヴィオをお嫁に下さい、お義母さん」

196 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 23:06:21 ID:IYMo9is2
>>192>>194
なんだか、最近オーリスが気になってしょうがないんだw

普段は福官としてレジアスをしっかりと補佐しつつも、家では生活能力0のダメ親父になってしまうレジアスを叱りつけるオーリスとか・・・
レジアスに再婚はして欲しいけど、なんだか分らないジレンマに悩むオーリスとか・・・


ちょっと頭冷やされてくるww

197 名前:名無しさん@ピンキー :2008/08/08(金) 23:13:07 ID:8OMTJpll
>その日、ミッドチルダのとある居酒屋で二人は壮絶なまでに酒に溺れたとかそうでないとか。

まさかとはおもうが、『中将』じゃないよな……


198 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 23:14:09 ID:cuhVCuBH
なのはの目の前でユーノをレイプする話を書きたいわぁ

199 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 23:23:42 ID:IYMo9is2
>>198
エロノ乙

200 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 23:24:42 ID:7kRav5Za
>>196
なんだかオーリスはスバルみたいな良い相棒がいれば
良いツンデレになっていたような感じがする。

201 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 23:43:52 ID:Xcn6MBq+
>>200
そりゃお前さん、8years after シリーズでないか?

202 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 00:46:14 ID:cAgvm6Rh
>>198
書きたいなら書いていいのよ

203 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 01:04:58 ID:+BOf6G4C
義理の兄であるクロノと仲良くなるために、ネットで方法を検索するが
「義兄 悦ばせ方」と誤字で検索したため、そういう知識にうといフェイトは間違ったやり方で実践してしまう…
といった妄想を誰か実現してくれ

204 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 01:24:12 ID:SdXsqls2
そして、間違いに気づいたフェイトは「ネットは駄目だ」と、
リーゼ姉妹に聞くんですね?
「クロすけの悦ばせ方? うん、たっーぷり教えてあげるよ」

205 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 02:13:34 ID:7g4JXwQK
リーゼ姉妹に散々(体に)教えられた後に、何か違うと兄の居るなのはさんにも相談しちゃうんだな?
「クロノ君と仲良くなりたい? うん、協力するよっ」
……さて、「私をクロノ君だと思って」な百合レッスンか、ユーノで練習か、恭也と忍に頼んで4ぴーなんてのも。

206 名前:B・A:2008/08/09(土) 03:17:59 ID:m/NQfrfP
誰もいないようなので投下いきます。


注意事項
・B・A版エリルー時空のお話
・主人公はヴィヴィオ(ですが、諸般の事情でまだハブられます。だって主人公はトリでなきゃ)
・オリキャラが出ます
・非エロでバトルです
・sts本編から11年後の物語
・フェイトが天寿を全うしております
・その他かなりの捏造多し。
・タイトルは「Das Erbe zur Zukunft」 意味:未来への遺産
・オリキャラTUEEEEEEE
・5対1の異種魔法戦前編
・ヘイト的発言は演出です。気に障る人がいたのならごめんなさい

207 名前:Das Erbe zur Zukunft@:2008/08/09(土) 03:22:48 ID:m/NQfrfP
第24話 「Brave Phoenix(前編)」



錆色の街に蒼い閃光が駆け抜け、橙色の魔力弾と竜の炎が空を焦がす。
錆びた空で戦っているのは白髪の老騎士とローラーブーツを履いた蒼い髪の格闘家。そして白い竜に跨った召喚師と、
ビルの屋上から拳銃型デバイスを構える射手だ。本来ならば空戦騎士である老騎士の独壇場であるはずの空中にいながら、
彼はどういう訳か三人の女性を相手に攻めあぐねいていた。

「・・・・・!」

「行かせない!」

地上に降りようとするシエンの前に回り込み、スバルは捻りの利いた一撃をその顔面にお見舞いする。
最初にその威力の程を自らの剣で以て体験したシエンは、不利な打ち合いは選ばずに大きな軌道を描いて渾身の突きを回避する。
だが、スバルは即座にウィングロードを伸ばして食い下がり、立て続けに突きと蹴りのコンビネーションを見舞ってその機動を妨害する。

「私を地上に降ろさぬつもりか!」

忌々しげにシエンは呟き、片手を伸ばして眼下の地面に突き刺さった剣に環状魔法陣を巻きつかせる。
直後、剣は弾かれた様に地面から抜け、スバル目がけて空中を駆け上った。しかし、それは直撃する寸前で
飛来したティアナの魔力弾で破壊されてしまい、スバルを傷つけることはなかった。

「くっ・・・・やはり・・・・・」

地上に突き刺さったままの無数の剣を一瞥した後、シエンは繰り出される打撃の雨へと集中する。
その傍らのビルの屋上では、クロスミラージュを構えたティアナがいつでも援護射撃ができる態勢を取っていた。
普段なら、厄介なセンターガードを剣の一斉発射で仕留めるところなのだが、生憎、シエンはエリオに止めを差すために手持ちの剣を全て撃ち出してしまっていた。
一応、三人と戦闘を始めるドサクサに紛れて何本か回収しておいたが、精緻なティアナの射撃を以てすれば、たかだか数本の剣を投擲したところで
先程のように撃ち落とされてしまうだろう。 だが、そうなってしまうとシエンに残された手段はこうして手にした最後の剣で三人と切り結ぶことなのだが、
キャロの支援を受けたスバルは思いの外手強く、 思うような戦いを展開することができなかった。

(奥の手はもう少し伏せておいた方が良いな)

タービン音を奏でる拳の一撃を回避し、そのままシエンは空中でバックステップを踏んで大きく後退する。
そして、スバルが追撃してきた瞬間を見計らい、自身の真横に建つビルの壁にグレートソードを叩きつけた。
轟音を立ててコンクリートの壁が砕け、吹き飛んだ瓦礫がスバルの前に立ち塞がる。咄嗟にスバルはその軌道を見切ってウィングロードを捻じ曲げ、
瓦礫を搔い潜るように下側から飛び込んだ。下手をすれば瓦礫の下敷きになりかねない危険な行為ではあったが、スバルの人並み外れた身体能力と魔力がそれを可能とし、
下降しようとしていたシエンの前に回り込む。
その瞬間、シエンは唇の端を釣り上げた。

「弾丸は剣だけではないぞ」

先程打ち砕かれた瓦礫の一つ一つに環状魔法陣が巻きつき、その悉くが重力に逆らってスバルへと殺到する。
至近距離からのそれを回避することはできず、また防御も間に合わない。

「我が乞うは、城壁の守り。鋼の走者に、清銀の盾を」

《Enchant Defence Gain》

直撃の瞬間、キャロがスバルのバリアジャケットの防御出力を強化したことで、ダメージは相殺される。
だが、勢いまでは殺すことができず、バランスを崩したところに強烈な蹴りを打ち込まれ、スバルはウィングロードの上から転落してしまう。

208 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 03:24:49 ID:0qCNbyCL
支援するまで寝れない

209 名前:Das Erbe zur ZukunftA:2008/08/09(土) 03:26:14 ID:m/NQfrfP
「しまった!?」

新たに展開したウィングロードの上に着地し、すぐにシエンを追いかけるが、彼の方が早かった。
空中を蹴って滑空したシエンは凄まじい速度でティアナへと迫り、手にした剣を一閃させる。
すかさず、飛翔するフリードの上で戦況を見守っていたキャロが防御魔法を遠隔発動させ、振り降ろされた刃からティアナを守る。
かつての恩師であるなのは・T・スクライアから直々に教わったプロテクションだ。ただの鋼の塊ではどれほど魔力を込めたとしても叩き割るのにかなりの時間を有するはず。

「ふんぬっ!!」

衝撃がビルの屋上を震わせた。
たった一撃を打ち込まれただけで、堅牢な桃色のバリアに亀裂が走る。何の魔導技術も施されていない前時代の鋼の塊が、
最先端の魔法の盾を打ち砕こうとしている光景に、ティアナの背中にうすら寒い感覚が走る。
保たないと肌で感じ取った。
叩きつけられる質量が半端でない。鍛え抜かれた肉体から繰り出されるその一撃は、恐らくエリオの紫電一閃に匹敵する破壊力を秘めているだろう。
そんなものをぶつけられれば、どんなバリアも木の板と変わらない。あっという間に瓦解し、粉々に砕かれてしまう。

「最後に残ったのがこいつで良かった・・・・・・この剣に銘はないが、幾多の戦いを共に潜り抜けてきた我が最優の友だ。故に、私の魔力もよく通る」

返す刀で更に一撃を入れられ、足下の地面までもがひび割れ始める。
焦るティアナではあったが、プロテクションの壁が邪魔で逃げることはできなかった。身を守るための盾が、一転して身を縛る拘束となってしまったのである。
かと言って、解除してしまえばシエンの一刀をその身で受けることになる。近接戦の心得もあるとはいえ、ティアナの基本戦術は射撃だ。
ベルカの騎士と切り結ぶことは無謀以外のなにものでもない。キャロもそれを知っているので、プロテクションを解除せずに強度の維持に努めるしかなかった。

「どうした、いつまでもジッとしていたら死ぬぞ!」

「その言葉、そっくり返してやる!」

モーター音を響かせ、屋上に飛び降りたスバルが激昂しながらシエンに殴りかかる。
その一撃を、シエンは剣の刀身で弾くだけで受け流し、そのまま一歩踏み込んで相手の間合いを殺す。
如何に徒手空拳といえど、密着された状態では打撃を打つことができない。

「かなり鍛えているようだが、反応が少しばかり遅い。長らく戦いから離れていたな」

「くっ、こいつ・・・・・」

「悪いが高ランク魔導師を三人も相手にするのは骨でね、少し卑怯な手段を取らせてもらう」

言うなり、シエンは密着したスバルの体に環状魔法陣を巻きつかせる。
直後、スバルの体は弾かれたように吹き飛び、上空のフリード目がけて飛んでいく。スバルの体を弾頭代わりにして発射したのだ。
慌ててキャロがフローターを発動するも、勢いを殺しきれずにスバルの体はフリードに激突。スバルの体が地面目がけて真っ逆さまに落下する。

「スバルさん!?」

「あなた・・・・・正気?」

「非人道的だと? ここが戦場だということを忘れるな、執務官!」

遠心力の込められた一撃がバリアを叩き割り、そのままティアナの体を両断せんと唸りを上げる。

《Dagger Mode》

大気を引き裂く鋼の剣をティアナは両手で構えたクロスミラージュの魔力刃で受け止める。
案の定、片手で受け止めていたらそのまま両断されかねない程の強力だった。


210 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 03:28:46 ID:0qCNbyCL
ティアナよ、戦場では生き残ったものが正義です。支援

211 名前:Das Erbe zur ZukunftB:2008/08/09(土) 03:29:18 ID:m/NQfrfP
「やるな・・・・では、これならどうだ!?」

続けて二撃、三撃と打ち込まれる斬撃を、ティアナは必死に捌き続ける。
だが、六合目まで捌いたところで腕を弾かれ、がら空きの胴体に強烈な回し蹴りが叩き込まれる。
激しい痛みに視界が明滅し、胃の中の物が出口を求めて逆流してくる。グラリと傾く体が倒れぬよう、
嗚咽しながらもティアナは踏み止まるが、それは最後の一撃を打ち込むには十分な隙だった。
その時、今まで援護に徹していたキャロがフリードを突撃させ、今にも剣を振り下ろそうとしていたシエンの体をその太い足で鷲掴みにさせ、
そのまま一気に上空高く飛び上がった。

「ぬぅ・・・・・この、放せ!」

「フリード!」

キャロのかけ声にフリードは咆哮で大気を震わせ、さっきのスバルのお返しだと言わんばかりにシエンの体をビルの壁へと叩きつけた。
砕けたコンクリートが地上に落下し、舞い上がった煙がシエンの体を覆い尽くす。
すかさず反転したフリードはそこに目がけてブラストレイを放射し、キャロも残る魔力を総動員してウィングシューターを乱射する。
日頃の温厚な彼女から想像もつかない情け容赦ない攻撃は、大事な家族を傷つけられた怒りと、シエン・ボルギーニから発せられている
禍々しくも圧倒的な負の波動への恐怖の裏返しでもあった。

「小賢しいわぁっ!!」

火炎を剣で振り払い、ほとんど無傷なままのシエンが斬りかかってくる。
ケガらしいものをしている様子がないところを見ると、ウィングシューターの連射は全て弾き飛ばされてしまったようだ。

「フリード、上に!」

「逃がさん!」

「行かせない!」

シエンの行く手を遮るようにウィングロードが伸び、疾走してきたスバルが飛び跳ね様に回し蹴りを放つ。
瞬間、シエンの体が空気に溶けるように消滅した。

「幻術!?」

「スバル、上!」

ティアナの声が届くのと、上空から巨大な影が落下してきたのはほぼ同時だった。
咄嗟に掲げたリボルバーナックルで振り下ろされた刀身を受け止め、重なり合った視線が火花を散らす。
剣自体の重さに加えてシエンの全体重が乗せられた一撃はとてつもなく重く、受け止めたリボルバーナックルの鋼が軋みを上げた。
気を抜けば圧倒されてしまいそうな力に抗うため、スバルは反撃を諦めて両足を踏ん張り、鍔迫り合うことを選択する。

「ティアァァァァッ!!!」

「ファントム・・・・・」

「させんわぁぁっ!!」

怒号が炸裂し、拮抗は呆気なく崩された。
シエンは傾くスバルの体を力任せに叩き落とし、砲撃を放とうとしていたティアナ目がけて手持ちの剣を全て発射、
同時に二人のフォローに入ろうとしていたキャロへと肉薄し、手にしたグレートソードを振りかぶる。


212 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 03:31:26 ID:0qCNbyCL
一人で頑張るエンに支援

213 名前:Das Erbe zur ZukunftC:2008/08/09(土) 03:31:32 ID:m/NQfrfP
「さあ、友と自分、どちらを守る?」

ティアナは砲撃のチャージを行っていて身動きが取れず、墜落したスバルは間に合いそうにない。
今ここでティアナをシエンの剣から守ることができるのは自分だけだ。
だが、ここでティアナを守るために防御魔法を唱えれば、その隙に自分が斬り伏せられる。
自分を守ればティアナが、ティアナを守れば自分が傷つく。
自分と仲間、どちらを守るべきか。
その一瞬の迷いは、シエンが踏み込むのに十分な隙となった。

「迷いは隙を生む! お前は実戦経験が足りん!」

振り下ろされた剣がフリードの翼を切り裂き、鮮血が迸る。同時に、ティアナに迫っていた刃の弾丸が空気に溶けるように消失した。
撃ち出されたと思われた剣はキャロに隙を作るためにシエンが生みだした幻術であり、彼は最初か後方支援の要であるキャロを狙っていたのだ。

「フリード!?」

キャロの悲痛な叫びがクラナガンに木霊する。
飛び散った血は周辺の建物を汚し、瓦礫の街に鮮血の雨を降らす。
全身に返り血を浴びたシエンは赤く染まった剣を振りかぶり、震えるキャロの小さな頭に照準を定める。
だが、フリードとてアルザスでその名を畏怖された白き飛竜である。逞しく成長した彼の肉体は翼を傷つけられた痛みにも耐え、
己の主を守るためにその巨体を揺らしてしがみついたシエンの体を振り払った。

「ぬぅっ!?」

「ティアさん!」

宙へと躍り出るシエンの体。ティアナの射線上に、遮るものは何一つなかった。

「ファントムブレイザァァァァァッ!!!」

極大の砲撃が大気を引き裂き、無防備なシエン目がけて突き進む。
位置的にも回避は不可能であり、防御する間も与えずにシエンの体は砲撃の渦に飲み込まれる。
直後、橙色の閃光を突き破るように飛び出してきた剣の弾丸がティアナとキャロの眼前でバリアに阻まれ、粉々に砕け散る。
今度は正真正銘、本物の剣のようだ。砲撃を受けながらも相手を打倒することを止めようとしないその執念は、正に圧巻の一言であった。
砲撃発射後故に防御できないティアナに代わってプロテクションを発動したスバルが、傷ついた体を庇いながらティアナの横に降り立つ。
反対側では、キャロがフリードをビルの上に着陸させ、治癒魔法を施していた。
これで倒れてくれと、誰もが思っていた。
こちらも連戦のダメージが徐々に堪えてきている。エリオの奮闘のおかげでシエンも多少は消耗しているとはいえ、疲弊の度合いには明らかな差があった。
これ以上の戦いは、最悪の場合絶望的な消耗戦へと発展する恐れもある。
やがて、橙色の閃光が虚空に消え、傷ついたシエンの体が露になった。


214 名前:Das Erbe zur ZukunftD:2008/08/09(土) 03:33:25 ID:m/NQfrfP
「私に、一撃入れたか」

左腕から僅かに出血しているのが見てとれた。だが、それ以外に目立った外傷はない。
見ると、彼の全身を覆い尽くすように錆色の魔力光が渦巻いている。

「パンツァーガイスト・・・・・・・」

「ベルカの魂の鎧だ。そう易々と撃ち抜けんよ」

ベルカの騎士が纏うフィールド型防御魔法。最大出力で放出すれば砲撃クラスの攻撃にも耐えられる堅牢の鎧だ。
もしもファントムブレイザーの直撃を受けた時、シエンが攻撃を考えずに防御のみに専念していた場合、腕に傷を負うこともなかったかもしれない。

「スバル・・・・まだやれるわね?」

「当然」

力強く頷く相棒の言葉に、ティアナは萎えていく闘志を奮い立たせる。
反対側のキャロもまた、動けぬフリードから降りて自分の足で戦う覚悟を決めていた。
まだ負けていない。
どんなに絶望的な状況だろうと、エース・オブ・エースの教え子の名に賭けて引っくり返してみせる。





エリオの負傷は酷かったが、幸いにも骨や内臓は無事だった。あちこちに打撲の跡と切り傷や擦過傷はあったが、
治癒魔法を施せばそれらはすぐに治すことができる。だが、すぐに戦いに復帰できるのかと聞かれれば、ノーと答えるしかなかった。
言うならば、エリオの体は大破寸前の自動車と同じなのだ。
いつ壊れてもおかしくない、ボロボロの体。
動けば関節が軋みを上げ、筋肉が弾け、骨が砕ける。
致命的に壊れているにも関わらず、まだ動かすことができる。だが、動かせば確実にその身は砕け、修復不可能な傷を残す。
それでも、エリオはまだ諦めていなかった。

「ルー・・・・治療は・・・・まだ?」

「もう少し待って」

「早く・・・・・スバルさん達だけじゃ・・・・・あの三人じゃ、彼には勝てない・・・・・・・」

今は撃ち出すものがない空中にシエンを縛り付けることで辛うじて拮抗を保っているが、彼の技量を考えればそれも長くは保たないだろう。
何より、彼には厄介な幻術と身の毛もよだつ恐ろしい奥の手が存在する。

「僕が・・・・・僕がみんなを守らないと・・・・・僕だけなんだ、彼の攻撃を無力化できるのは・・・・・・」

ルーテシアの制止も聞かずに軋みを上げる肉体を動かし、転がっているバルディッシュの柄を握り締める。
魔力回路はまだ生きている。意思の疎通が不可能になっただけで、魔法は問題なく行使できる。
武器として使う分には支障はない。問題はカートリッジだ。ここまでの戦いで予備は全て使い切ってしまった。
規格が違うため、ストラーダの分のカートリッジを併用することもできない。

「はい」

そっと、ルーテシアがエリオの手に何かを握らせる。
それは、黄金色の輝きを放つ六発のカートリッジだった。


215 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 03:35:11 ID:0qCNbyCL
エリオの復活に支援

216 名前:Das Erbe zur ZukunftE:2008/08/09(土) 03:36:41 ID:m/NQfrfP
「どうせすぐに無駄遣いするだろうと思って、持って来たの」

「ルー・・・・・」

「止めたって無駄だってわかっている。だから、私も戦わせて。私がエリオの盾になるから」

ルーテシアは傍らに転がっているストラーダを手に取り、軽く一閃する。

「私だって、いつまでも守られてばかりじゃないんだよ」

「・・・・・・・・・・」

ポカンと口を開けて呆けた表情を浮かべる。
俄かに笑いが込み上げ、エリオは苦しげに呻きながらも唇の端を釣り上げる。
そうだった。この子はそういう女だった。
誰よりも守られるポジションが似合う癖に、ここぞという時は誰よりも無茶をやらかしてしまう危なっかしい女性なのだ。
そして、だからこそ心の底から彼女のことを守りたいと思った。
彼女を守るために鳥籠に押し込め、自分だけが傷つくのではない。それでは、最愛の人が傷つくことへの悲しみで彼女は笑ってくれない。
傷ついたって良い、苦しくても良い。最後まで一緒に戦って、勝利を勝ち取って、そして笑いたい。自分が願ったのは、そういう幸せだった。

「うん・・・・・・ルー、僕を守って欲しい。その代わり、僕がルーを守るから」

そっと彼女の手に触れ、囁くようにエリオは言った。





戦いが長引くに連れて、三人の敗色はどんどん濃くなっていった。
三人の連携はほぼ完ぺきである。スバルがシエンを押さえつけ、ティアナが援護、そしてキャロが二人の補助に回る。
長い間離れ離れであったとは思えない息のあったチームワークである。だが、理想的な三位一体を形作りながらも、
気の遠くなるような時間を戦いに費やしてきた老練の騎士の前にはまるで歯が立たない。ただ無意味に体力と魔力を消耗していくだけであった。

「こんのぉぉぉっ!!」

「ふん・・・ぬおぉっ!!」

スバルのナックルダスターをシエンは手甲で受け止め、そのまま力点をズラして背後の壁に叩きつける。
更に飛来した橙色の魔力弾を剣で切り捨て、援護に回ろうとしているキャロにはスバルがぶつかって剝がれたコンクリートの欠片を発射して動きを牽制、
その隙に乱射される魔力弾を悉く切り捨てながら、チームの司令塔であるティアナへと迫る。
ティアナからすれば、悪い夢を見せられているような気分だっただろう。
弾幕とは本来、点でしかない射撃を広い範囲に連射することで相手の動きを押さえるために行われるものである。
もちろん、それで相手を撃ち抜ければ御の字だが、本来の目的は蜂の巣にされることを恐れた相手の動きを封じるために使用される。
だが、シエンはそんな弾幕の嵐の中を剣一本で身を守りながら迫ってくるのだ。射手にとっては正に悪夢と呼べた。

「終わりだ、執務官!」

「いいえ、終わるのはあなたよ」

凛としたティアナの声が背後から聞こえた瞬間、振り降ろされた刃がティアナの幻影を切り捨てる。
シューティングシルエット。
設置型ショートバレットの上に幻影を被せることで、幻影が本物であるかのように思わせる幻術だ。
先程までの魔力弾の乱射は、全てこれが行っており、ティアナはオプティックハイドで姿を消してジッと息を殺していたのである。


217 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 03:39:28 ID:0qCNbyCL
支援、3人でシエンに勝てるのか? 

218 名前:Das Erbe zur ZukunftF:2008/08/09(土) 03:40:25 ID:m/NQfrfP
「ぬぅ・・・・・」

いつの間にか、シエンの周りには無数の魔力弾が浮遊していた。
橙色と桃色の誘導操作弾。ただの直射弾ならば剣で捌き切れる自信があるシエンも、
全方向から不規則な軌道を描いて飛んでくるシューターが相手では打つ手がない。
迂闊に動けば一斉射撃で蜂の巣にされ、パンツァーガイストで防御すれば魔力切れが起きるまで彼女達は攻撃し続けるだろう。
完全に追い込まれた形である。

「なるほど、幻影の射手か。私としたことが、失念していた」

「これで詰みです。大人しく武装を解除し、こちらの指示に従ってください」

最後通牒を告げるティアナの横に、キャロを担いだスバルが静かに降り立った。
最早、どのような策を講じたとしても逃げ場のない詰みの状態である。そして、同時にシエンにとってはこの上なく最大のチャンスでもあった。

「イケルスよ、その力を見せつけろ」

《Jawohl》

不穏な動きに気づいたティアナとキャロが浮遊させていた魔力弾を撃ち出すが、それよりもシエンが幻術を発動させる方が早かった。
イケルスの宝玉から放たれた錆色の光が三人の視界を焼き、それぞれの深層意識の中で眠る潜在的な恐怖を具現化させる。
同時に、思念制御から離れた魔力弾の軌道が乱れ、明後日の方向に飛び去っていく。
静寂を取り戻した戦場で、最後まで立っていたのはシエン・ボルギーニただ一人であった。





奥行きの見えぬ暗闇の底で、三人はそれぞれの悪夢と対峙していた。
スバルは人が死ぬ瞬間を見せつけられていた。
助けられたかもしれない人。
救えたかもしれない人。
ほんの些細な手違いで死んでいく人。
その行き着く果ては、自分自身が尊敬する魔導師に助けてもらえず、倒れてきた石像に下敷きにされる光景であった。

「止めて・・・・そんな、そんな光景・・・・・・嫌だ、見たくない・・・・・・あたしは・・・・あたしは・・・・・・・」

ティアナは人から見捨てられる光景を見せつけられていた。
凡人と罵られ、能無しを蔑まれ、役立たずと見捨てられる。
執務官としての華々しい実績は全て、かつての上司達の栄光のお零れに過ぎないと、自分は何の価値もない凡骨であると見捨てられる。
その行き着く果ては、十二年前に恩師によって撃墜され、そのまま再起できずに管理局を去る自分自身の後ろ姿だった。

「違う、私は凡人だけど、誇れるものを持っている・・・・・こんな、こんなのは私じゃ・・・・・・私なんかじゃ・・・・・・・」

キャロは孤独に戦い続ける自分自身を見せつけられていた。
誰にも助けてもらえず、縋ることもできず、ただ命ぜられるままに敵を殲滅する日々。
心休まる時間もなく、帰還してもその強すぎる力故に周りから疎まれる日々。いつしか戦い疲れた召喚獣は傷つき、倒れ、それでも戦うことから解放してくれない。
その行き着く果ては、尊敬する女性から救いの手を差し伸べられずに捨て駒として管理局に使い潰される自分の姿だった。

「わたしは・・・・・わたしは、一人ぼっち・・・・・ずっと・・・・一人・・・・・・・」

三人とも、これが悪夢であることには気づいていた。だが、抗うことができない。
目の前で繰り広げられている光景は、自分自身が心の中で一番恐れている出来事である。
抗いたくても、竦み上がった体が動いてくれない。
このまま、覚めることのない悪夢を見せつけられながら死んでいくのだろうか?
そんな想像が三人の脳裏に飛来した時、一筋の閃光が闇を切り裂いた。




219 名前:Das Erbe zur ZukunftG:2008/08/09(土) 03:42:30 ID:m/NQfrfP



ストラーダで重力に逆らい、屋上へと駆けつけたエリオは、三人が倒れている光景を見て即座にバルディッシュを振りかぶり、
イケルスと三人を結ぶ魔力の流れを切り裂いた。それによって幻術が断たれ、朦朧としていた三人の意識が現実へと帰還していく。

「ぬぅ・・・・・またしても・・・・・」

「僕がいる限り、彼女達に悪夢は見させない。あんな地獄を味わうのは、僕だけで十分だ」

「よく言えたものだな、そのような恰好で」

シエンが笑うのも当然だった。今のエリオは、右手の義手でルーテシアを抱え、左手一本でバルディッシュを構えるという、
非常に不格好な姿なのだ。彼の半身ともいえる鋼の相棒はルーテシアが握っており、その制御は彼女が担当しているようである。

「なるほど、傷ついた体を彼女の治癒魔法で騙し騙し動かしているわけか。だが、そのような無様な姿で我と戦えるのか?」

「侮らないでください。僕とルーのコンビは無敵なんです」

強がりの笑みを浮かべ、エリオは三人を庇うようにバルディッシュを構える。
痛々しいまでのその姿に、他の三人もかけるべき言葉が見つからず、無言のままそれぞれの配置に着く。
防御出力に長けるスバルが最前衛であるフロントアタッカー。素早いスピードで攻撃とサポートを行うエリオが前衛であるガードウィング。
広い視野を持ち、射撃魔法と的確な指示で中・遠距離を制するティアナが中衛であるセンターガード。
そして、補助魔法で味方を支援するキャロが後衛であるフルバック。
かつて、旧機動六課時代になのは・T・スクライアから叩き込まれたチームとしてのポジションに、それぞれが着く。

「弾を失い、幻術も破られたか・・・・・・やれやれ、またもこれを使わねばならんとは」

含みのあるその言葉に、エリオの本能が警鐘を鳴らす。
いけない。
彼はあれを起動させるつもりだ。それだけは、何としてでも避けねばならない。

「ルー!」

「ストラーダ、フォルム・ドライ!」

《Unwetterform》

エリオの体から紫電が迸る。
半ば暴発にも近いその行動に他の三人は目を丸くした。

「エリオ!?」

「話は後です、とにかく攻撃を!」

ルーテシアを介して体内の魔力変換資質が活性化し、発生した電流がバルディッシュへと伝達される。
そして、間髪入れずに手加減なしのサンダーレイジを放射する。そのただならぬ気配に、他の三人も一拍遅れてそれぞれの攻撃魔法を発動させた。


220 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 03:43:43 ID:0qCNbyCL
復活したスーパーエリオ&ルーテシアに支援

221 名前:Das Erbe zur ZukunftH:2008/08/09(土) 03:45:49 ID:m/NQfrfP
「サンダァァァァッ、レイジ!!」

「リボルバァァァッ、シュートっ!!」

「クロスファイヤー・・・・・・シュート!!」

「シューティング・レイッ!」

雷と疾風が大気を引き裂き、二色の光弾が老練の騎士へと殺到する。だが、それが届くよりもシエンが自身のデバイスに命じる方が僅かに早かった。

「イケルス、フォルム・レッツテ」

《Ja, Letzteform》

直後、四人の攻撃がシエンの体を直撃し、爆発と共に黒煙が舞い上がる。
どう贔屓目に見たとしても、ブラックアウトを免れないダメージが彼を襲ったはずだ。
だが、エリオは油断のない顔つきでバルディッシュを構え、黒煙の向こうを凝視している。
やがて、視界を遮る煙の向こうから、ゆっくりとシエンが姿を現した。
最初、エリオ以外の四人はそれが何かの冗談かと思った。
180を超えるシエンの巨体が、一回り大きくなっているのである。背丈ほど合ったグレートソードが今ではごく普通の剣と同じくらいの大きさに見え、
ダラリと垂れていた白髪も若々しさを取り戻したかのように逆立っており、その瞳からは黒目が消えて三白眼と化していた。

「へ、変身した?」

「レッツテフォルム。兵士としてではなく、騎士として正々堂々と戦うためだけに調整された、あの人の奥の手です。僕はあれに負けた」

「それって、どういう意味?」

「言葉通りの意味です。あの状態の彼は、幻術も物質加速も使ってこない。その代わり、ヴィータさんのギガント級のパワーと
なのはさんのエクシードモードと同等の防御出力を発揮します」

搦め手や奇襲で戦う男が真の武人として認めた者にのみ見せる修羅の姿。それがイケルスのフルドライブ、レッツテフォルムである。
その恐ろしさを誰よりも知っているエリオは、最後にこう付け加えた。

「気を抜くと・・・・・本気で殺されます」





先陣を切ったエリオとルーテシアが巨人と化したシエンに迫り、手にしたバルディッシュを一閃する。
フェイトから継承して以来、明けても暮れてもひたすら反復練習を繰り返し続けてきたエリオの斬撃は、
疲弊した状態でありながらも未だ神速の速さを保っていた。
次の瞬間、エリオとルーテシアは抱き合ったまま、ボールが壁に弾かれるように後方へと吹っ飛ばされていた。
一拍遅れて壁が砕ける音が聞こえ、二人の姿が白煙に覆い隠される。

「エリオくん、ルーちゃん!」

「構わないで、とにかく攻撃を!」

突然、自分の真横を吹っ飛んでいった二人を心配するキャロをエリオは一喝し、右手一本でルーテシアの体を支えながら再び疾走する。
体が鉛のように重い。
消耗した体は継ぎ接ぎで無理やりくっつけているようなものだった。ルーテシアが常に治癒魔法を施し続けてくれなければ、
五分と立たぬ内に動けなくなってしまう。そんな状態で、ルーテシアを庇いつつ左腕一本でシエンと切り結ぶのは自殺行為にも等しかった。
だが、ここで休んでいるわけにはいかない。まだ魔力にも僅かに余裕がある。その余力分を他の三人の力と合わせたとしても、
シエンに届くかどうかはわからないのだ。


222 名前:Das Erbe zur ZukunftI:2008/08/09(土) 03:48:21 ID:m/NQfrfP
「キャロ、支援お願い!」

「はい。ケリュケイオン!」

《Boost Up》

《Boosted Illusion》

ケリュケイオンから注がれた桃色の光がクロスミラージュに吸い込まれ、ティアナが生みだした幻影が瞬く間に増殖していく。
空間を埋め尽くす無数の幻影は空中を疾走するスバルとエリオ達の姿を隠し、中心に立つシエンの五感をかく乱する。

「幻影・・・・・そんなもの、全て潰せば良いだけだぁっ!!」

二人がシエンに飛びかかった瞬間、シエンの体から強烈な衝撃波が放たれる。
体内で圧縮した魔力を全方位に放射し、幻影ごとスバル達を吹き飛ばしたのだ。
何ら攻性の力を持たないエネルギーの放射であったのでダメージはなかったが、その一撃で全ての幻影達が消滅してしまった。

《Shoot Barret》

《Wing Shooter》

獣のような雄叫びを上げながら疾走するシエンに向けて、ティアナとキャロは直射弾を乱射しながら距離を取ろうとする。
だが、ここは逃げ場のないビルの屋上。身を隠すものなどなく、また動きを阻害するような障害物もない。
敵との距離は僅か数十メートル。シエン・ボルギーニが相手では気休めにもならない距離だ。

「ストラーダ、デューゼン!」

《Düsenform》

「うおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

魔力噴射ですれ違い様に、背後から袈裟切りにせんとバルディッシュを振るう。
ぶつかり合う鋼と魔力刃。場違いにも思える火花が飛び散り、シエンの踏み締める地面が陥没する。
瞬間、目にも止まらぬ打ち合いが始まった。
ルーテシアを庇いながら着地したエリオは一拍も置かずにバルディッシュを振るい、必殺の斬撃を何十回とお見舞いする。
刃がぶつかり合う度に腕の筋肉が千切れそうになるまで伸びきり、間を置かずに治癒魔法が損傷を修復する。
視界を焦がす激しい激痛にエリオの意識は何度も断絶しかけ、傍らに守るべき人がいると己を奮い立たせねばとっくの昔に競り負けていたかもしれない。

「リボルバァァァァァッ、キャノンッ!」

エリオとの打ち合いで動きを止められたシエンの背後に回り込んだスバルが、右手のナックルスピナーを回転させて拳の中で魔力を圧縮する。
鋭い角度から弾丸のように打ち出された拳は並の魔導師ならば防御関係なしに吹っ飛ばし、そのまま昏倒させてしまう程の威力を秘めている。
だが、持てる潜在能力の全てを引き出したシエンはその驚異的な身体能力で以てスバルの打撃を素手で受け止め、
あろうことかエリオと打ち合ったままスバルの体を高々と持ち上げた。
咄嗟にエリオはルーテシアの体を引き、スバルとの間に割って入る。直後、鈍器のように振り下ろされたスバルの体がエリオに激突、
三人はそのまま地面を転がって壁に激突する。

「錬練鉄召喚、アルケミックチェーン!!」

振り返ったシエンの体を足下から出現した鎖が戒め、その動きを封じる。
キャロの無機物召喚、アルケミックチェーンだ。巨大な地雷王をも拘束する鋼鉄の鎖を、
キャロは限界まで魔力を流し込んで強度を高め、化け物じみたシエンの怪力を封じようとする。


223 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 03:49:45 ID:0qCNbyCL
本気になったシエンに挑むエリオ達に支援!

224 名前:Das Erbe zur ZukunftJ:2008/08/09(土) 03:51:10 ID:m/NQfrfP
「ティアさん!」

「うあぁぁぁぁっ、ファントムブレイザァァァァァッ!!」

渾身の魔力が込められた砲撃が拘束されたシエンへと迫る。
至近距離からの一撃を避けることなどできず、防御しようにも体に鎖が密着していてパンツァーガイストは使用できない。
このままティアナの砲撃が通れば、シエンの残存魔力を根こそぎ奪うことができる。
刹那、金属が軋む音がキャロの耳に届いた。
その在り得ない光景に、一部始終を見つめていたキャロは我が目を疑った。だが、そこで起きているのは紛れもない事実である。
こちらの魔力を総動員し、巨大召喚獣ですらその動きを拘束するアルケミックチェーンが、デバイスによって強化されたシエンの筋肉に引き千切られようとしているのだ。

「ふん・・・・・ふんぬっ!」

決定的な亀裂が走り、赤い鎖がバラバラに千切れる。そして、ギリギリのところでティアナの砲撃を回避し、手にしたグレートソードを振りかぶって迫ってくる。

「一撃ッ、必倒! ディバイィィィィンッ・・・・・」

「サンダァァァァァッ・・・・・」

振り上げられたグレートソードがティアナ達を捉える寸前、息を吹き返したスバルとエリオがルーテシアの補助を受けてそれぞれの攻撃魔法を発動させる。

「バスタァァァァァッ!!」

「レイジィィッ!!」

通常では考えられない速度でチャージを終えた蒼い砲撃と金色の雷が折り重なるようにしてシエンの巨体に迫る。
強化されたとはいえ肉体の強度自体が変わったわけではないで、シエンは防御魔法の展開を余儀なくされる。
その隙にティアナはキャロを伴って反対側へと回り込み、駄目押しとばかりに攻撃の体勢に移った。

「こいつは応用系よ、クロスファイヤァァァっ、シュートっ!!」

重なり合ったスフィアがまるで砲撃のように膨れ上がり、橙色の閃光と化す。
目も眩む輝きが視界を満たし、衝撃が戦場となった屋上を粉々に打ち砕いていく。
余波を受けて損壊した給水塔からは貯められていた水が漏れ出て地面を水浸しにし、激しい温度差によって水蒸気が舞い上がる。

「力を合わせても・・・・・・」

光の向こうで、擦れた呟きが漏れる。

「この程度かあぁぁぁぁぁっ!!!」

白い蒸気を振り払い、シエンがティアナの矮躯を蹴り飛ばす。
更に傍らにいたキャロの腕を掴み、ハンマー投げの要領で回転。そのまま勢いをつけて水蒸気の向こうにいるであろうエリオへと投げつける。
鈍い音が響き、何かが倒れる音がした。数は複数、恐らくエリオ達だ。
そして、残る一人となったスバルと対峙したシエンは裂帛の気合いと共にグレートソードを肩に担ぎ、必殺の態勢に入る。
迎え撃つスバルは右拳を引き、残る魔力をナックルスピナーで圧縮。真っ向勝負で鋼の剣を打ち砕かんと身構える。


225 名前:Das Erbe zur ZukunftK:2008/08/09(土) 03:54:14 ID:m/NQfrfP
「ギン姉、力を貸して・・・・・」

高速回転するスピナーが火花を散らし、吹き荒ぶ風が水蒸気を吹き飛ばす。
直後、シエンが神速の抜き足で疾走し、無造作な一撃をスバルへと叩き込む。

「ふぅぅぬうぅっ!!」

《Knuckle Bunker》

「はあぁぁぁぁぁぁっ!!」

刃と拳がぶつかり合い、スバルが形成したフィールドを通じて衝撃波がシエンの肉体を襲う。
スバルの姉であるギンガが得意とするカウンター、ナックルバンカー。攻防一対のこの魔法はこと近接武器を用いる相手に対して非常に高い威力を発揮する。

「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

「ふうぅぅぅぅぅぅぅぅぅんっ!!」

互いに一歩も退かず、踏み締めた大地が砕けて破片が飛び散る。
技量でも魔力でも勝る相手を前にして、スバルは意地だけで圧倒的な力に抗っていた。

「よく耐えるな」

「当り前だ、あたし達はストライカーなんだ!」

「それは認めよう。確かに、君達は強い。だが、押し寄せる津波に小舟が飲まれるように、弱者は強者に倒されるのが必定。
例え何人のストライカーが束になろうと、たった一人のエースの前には無力。蟻風情が山を動かそうなどと・・・・・・・・」

スバルの右腕に鋭い痛みが走る。腕が過負荷に耐え切れず、剝がれた皮膚の下から無機質な基盤が顔を覗かせていた。

「片腹痛いわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

怒号と共に、桁外れの魔力がスバルの体に襲いかかる。攻撃に集中していたスバルは受け身すら取れず、地面を抉りながら屋上の縁へと吹き飛ばされた。
全員が死体に成り下がっていた。
エリオは言うに及ばず、寄り添うように倒れているルーテシアも疲労困憊としている。その横にはキャロが虚ろな瞳で錆色の空を見上げており、
対角にはシエンに蹴り飛ばされたティアナがぐったりと頭を落としていた。最後まで食いついていたスバルも右腕は機械が剥き出しとなり、
左目は裂けて造り物の眼球が潰れていた。誰も彼もが傷つき、苦しんでいる中、シエン・ボルギーニだけが唯一健在であった。


226 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 03:54:37 ID:0qCNbyCL
シエン、ラスボスはこれくらい強くないと支援のしがいが無い! 

227 名前:Das Erbe zur ZukunftL:2008/08/09(土) 03:55:23 ID:m/NQfrfP
「閉じた世界にお前達は残しておけぬ。永劫に続くミッドの平穏、その目で見れぬことを悔いながら死ぬが良い。
その憎しみを背負うのが、我にできるせめてもの手向けだ」

死を背負いし老騎士は、打ち破れたストライカー達の命を刈り取らんと鋼の剣を振りかぶる。
後はこのまま、身動きの取れぬ生きた死体達にその刃を振り下ろすだけで、彼女達を黄泉へと旅立たせることができる。
誰にも止められない。
妄執とも言える信念。
死者の願いに取り憑かれた騎士の歩みは止まらない。
その時、激しい向かい風がシエンの歩みを妨げるように吹き荒んだ。

「む・・・・!?」

まるで風に背中を支えられているかのように、傷ついたスバルの体がゆっくりと起き上がった。
額からは血を流し、剥き出しの機械から紫電を迸らせ、醜く歪んだリボルバーナックルは最早デバイスとしての機能をほとんど成していない。
鋼の相棒であるマッハキャリバーからも煙が漏れていた。全身から滲み出ているのは死者が纏う気配と何ら変わりない。
だが、その佇まいは力強く、その目からは未だ闘志が消えていなかった。

「風は空に・・・・・・・」

擦れそうになる小さな声で、しかしハッキリと、スバルは胸の内から込み上げてくる一節を読み上げた。

                                                                   to be continued


228 名前:B・A:2008/08/09(土) 03:56:18 ID:m/NQfrfP
以上です。
終わりは見えているのになかなかそこまで辿り着けない。
アニメなら一瞬で済む映像を文章化するのって大変だ。とりあえず、26話じゃ収まり切らない。
次回からは満身創痍のスバル達の反撃が始まります。支援ありがとうございました。

229 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 04:00:06 ID:0qCNbyCL
B・A氏投下乙です。
とうとう次回から反撃開始ですか、ぶっちゃけズタボロのエリオ達が支援に勝てる気がしません。
このSSは熱血バトル成分が多いので汗と涙で経験の差を埋めるのでしょうか?
次回も頑張ってください。

230 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 04:05:26 ID:0qCNbyCL
>>229
× 支援 
○ シエン
orz

231 名前:B・A:2008/08/09(土) 04:41:17 ID:m/NQfrfP
>>222に間違いがありましたorz

>「錬練鉄召喚、アルケミックチェーン!!」  ×
>「錬鉄召喚、アルケミックチェーン!!」   ○

司書の方、お手数ですが保管時に修正をお願いします。

232 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 09:39:43 ID:dDVc/0k6
>>228
とうとうラスボス戦1!!!
シエンTUEEEEEEEEEE!
目指す理想があってエリオと同じように壮絶な経験をしてきたんだもんなあ…
そりゃここまで負けられないという感じにもなるか。
シエンも生き残って欲しいけど、彼もおそらく…

233 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 11:52:49 ID:Ly4X7udn
でも娘死んだからやるってのがなんかなぁ・・・


234 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 12:16:51 ID:K1R0DoE/
GJ!
うわあ…5人がかりなのに大ピンチ
反撃の手段もほとんどないように思える
どう逆転していくのか…根性ぐらいしか思いつかん

235 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 12:18:25 ID:rO9d0ejU
その辺はスバルとエリオとルーの反論があるだろうな
この話ではもう人の親になってるわけだし
此処までその辺に触れてないのは溜めてるんだろう
若夫婦と若肝っ玉母さんの活躍が楽しみだ

236 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 15:29:31 ID:+BOf6G4C
投下します
クロノとフェイトのほのぼのとした少しだけHな話

237 名前:フェイト、おまたが気になる1:2008/08/09(土) 15:31:21 ID:+BOf6G4C
それは、フェイトが義妹になってからしばらくたったある日のこと。

最近ではお互いに完全に気兼ねが無くとまではいえないが、大分、普通の兄妹らしくなってきていたと思う。

しかし、この日。僕の中にある何かが完全に音を立てて崩れていったんだ。


その日は久しぶりに兄妹の休暇が重なり、午前から午後まで普通の兄妹のように仲良くのんびりと一日を過ごしていた。

僕は晩食後のコーヒーを飲みながら、リビングでくつろいでいた。アルフははやての家に出かけており、母さんは夜勤の仕事。

フェイトと二人だけの時間。少し前までなら窮屈に感じていたかもしれないが、今は違う。二人で同じ空間に居ても自然のままに過ごせていた。

その言葉がフェイトから発せられるまでは。

「あのね、…クロノ。少し相談したいことがあるんだけど」

フェイトは少し申し訳無さそうな顔をしていた。フェイトは出来る限り、兄である僕の手を煩わせないようにしているが、どうしても困った時はいつも相談に乗っていた。

仕事や学業。様々な面で僕はフェイトに教えていた。兄として妹に頼りにされるのは悪い気分がするものではない。

むしろ、自分が頼りにされていると思うと少し誇らしい気持ちにさえなる。

「どうしたんだ?」

「うん、実はね……」

彼女はどう切り出していいか迷っているようだ。落ち着かないように目をきょろきょろさせたりしていたが、ようやく決心がついたのか、少し恥ずかしそうな顔で彼女は言った。


「クロノにね、私のおまたを見て欲しいの…」

「ぶっうううううう!」


コーヒーを噴出してしまった。予想もしていなかった言葉にコーヒーが器官に入ってげほげほと咽てしまう。

「だっ、大丈夫!?」

フェイトが差し出してくれたタオルで口の周りを吹いて気持ちを落ち着ける。とりあえず、おちけつ、落ち着くんだクロノ:ハーヴェイ…じゃなかった。ハラウオン!

「き、君は自分で何を言ってるのか分かっているのか?」

「う、うん。でも、こんなことクロノにしか頼めないし」

「そ、そんなこと出切る筈が。いや、待て! そもそも、どうしてそういう経緯に至ったんだ。説明してくれ、A4レポート用紙2枚くらいで!」

完全に混乱しながらも、なんとかフェイトに問いただす。僕の剣幕に押されながらも彼女はぽつりぽつりとことの経緯を話し始めた。


238 名前:フェイト、おまたが気になる2:2008/08/09(土) 15:32:21 ID:+BOf6G4C
それはつい先日のことだ。いつものようにフェイトがアースラ艦内を移動している時だった。


「これは興味深い!」
「素晴らしい、最高のショーだとは思わんかね!」
「はぁはぁっ…フェイトたん」
「うへへへへっ」


普段は会議で使われる部屋から、男の人達の声が聞こえてきたのだ。

今日は特に会議も無いはずなので、おかしいと思った彼女は部屋を覗き込んだ。

室内は暗く、10数名の男の人達が異様な熱気に包まれながら食い入るようにモニターに流れる映像を見ていた。


「…その映像は何だったんだ」

なんとなく嫌な予感がする。まさか、更衣室の盗撮とかじゃないだろうな…、なんてうらやま…、いいや卑劣なことをするのだ!

「うん、それがね…」

その映像は二人の人物の模擬戦の映像だった。すさまじい高レベルで魔法の模擬戦を行っていたのはクロノとフェイトの二人だった。

それは、つい先日フェイトがクロノ相手にトレーニングを挑んだものでその映像が録画され記録化されていることを二人とも知らなかった。

男達は後ろで見ているフェイトにも気づかずにその映像を見て熱狂した声を挙げているのだった。


「なんだ、そんなことか…」

僕は少し拍子抜けした。勝手に模擬戦の様子を録画することは良くないが、二人の戦う姿をこっそりと見て盛り上がる程度ならば問題ない。

プロレスやボクシングの試合を観て盛り上がるのと同じ感覚なのだろう。まあ、処罰するほどのことでもない。少し、注意すれば済むだけの話だ。

「でもね、その映像が少し変で…」

しかし、フェイトの話は終わっていなかった。むしろここからが本番だったといってもいい。


模擬戦の映像、俯瞰的に移したものではなく明らかにカメラはフェイトを中心に写していた。ときおり、ズームされ顔や胸、お尻などが大きく映し出されるたびに男達のどよめきは強くなっていく。

そして、特に一番多くズームされた場所が問題だった。


「私のね、おまただったの」


僕は再びコーヒーを噴出していた。

当然のことながら、フェイトは模擬戦の最中にはソニックフォームで挑んでいる。あの少女には露出度の激しい格好を局員の誰かが録画して、編集を加えてこっそりと観ていたのだ。

その後男達はフェイトには気づかず、観終わると妙にすっきりとした表情で仕事に戻っていったという。


239 名前:フェイト、おまたが気になる3:2008/08/09(土) 15:33:44 ID:+BOf6G4C
「…その男達の顔は見たのか?」

「うん、知ってる人ばかりだったから。あっ、ユーノもいたよ。次も任しておいてくださいって言ってたから、録画してたのはユーノかも…」

あの淫獣め! とりあえず、その場に居た男達は全員突き止めて別の世界に強制転移してやらなければならない。いや、アースラの主砲で細胞単位まで破壊してやらなければ!

「それでね、クロノ」

話がここまでで終わっていれば、アースラ内に居る不穏分子の一斉検挙ということだけで話は済んでいただろう。

しかし、そうは問屋がおろさないのがエロパロというスレである。

「やっぱり、私のおまたってどこか変なのかな?」

とても不安そうな顔でフェイトは呟いた。

「…えっ?」

「だって、ユーノや他の人達があんなに集まって、私のおまたを見ていたってことは何か私のおまたに変なところがあるからなんだよね…」

自分のおまたは他の人のおまたと違うのかもしれない。不安に思った彼女は親友であるなのはやすずか、アリサ、はやてにも相談したが、一様にいい返事は返ってこなかったという。

なのははちんぷんかんぷんといった様子だったし、アリサなんかは顔を真っ赤にして俯いたままだったという。はやては話を聞いて笑っていたが、真剣なフェイトの顔を見ると自分も真剣な顔になって言った。

「女の子には分からへん話やから、男の子に相談した方がええで。ただし! そこらへんの男に聞いたらあかん。フェイトちゃんやったら、頼りになるお兄さんが居るからな。クロノくんにでも聞いてみ」


240 名前:フェイト、おまたが気になる4:2008/08/09(土) 15:34:50 ID:+BOf6G4C
と、いうのがここまでに至った経緯というわけである。

「だからね、クロノ。お願いだから、私のおまたを見て、どこか変な所が無いか確認して」

「い、いいや! ダメだダメだ! そんなことは!」

フェイトはその過去から同年代の女の子と比べて、性的な知識が皆無なのだろう。自分がとんでもないことを言ってることにすら気づいていない。

ここで、フェイトよりは詳しいとはいえ、性教育を行えるような男では決して無い。というか、そんなの無理に決まっている。

そういうことは学校の教育や歳をとるとともに理解していくものだ。今はまだ、早すぎる!

「と、とにかく、君の、その…おまたに異常なんか無いから、安心して。このことは忘れて早く寝るんだ!」

兄として人として毅然たる態度をとったつもりだ。こんな出来事は僕の手には余る。

しかし、フェイトは見放されたと判断したらしい。その綺麗な目に大粒の涙を浮かべていた。

「やっぱり、私って他の人とは…出生が違うから、…変なんだよね。だから、クロノも…」

僕は涙を浮かべる彼女を見て衝撃を受けていた。どうやら、僕が思っていた以上に彼女は今回のことを深刻に受け止めていたらしい。

彼女は普通の人間とは違う生まれ方をしている。そのことを彼女が完全に吹っ切れているはずが無い。

もしかしたら、いつだって彼女は自分がどこか他の人とは違うんではないかと恐れていたのかもしれない。今回のことが積もり積もったものの引き金になってしまったのか。

「いつも迷惑かけっぱなしだし、本当はクロノは私なんかが妹なんて嫌なんだよね…。でも、私が今頼りに出来るのはお義兄ちゃんだけなの」

目元に涙を浮かべて、必死な表情をフェイトはしていた。お義兄ちゃん…か、フェイトにそう呼ばれたのは初めてのことだった。

それで、覚悟が決まった。妹に頼りにされて兄が突き放すなんてことはしてはいけないに決まっている!

「分かった。何かおかしな所がないか見てあげる。…その、僕の部屋に行こうか」

万が一の来客や、母さん、アルフの帰りを恐れて僕は泣きじゃくるフェイトを手をとって僕の部屋へと連れて行った。

大丈夫。フェイトを安心させるだけだ。ぱっと見て、どこもおかしくないよと言ってあげればいい。それで万事解決だ。

うん、五分もかからないだろう。…そのときは本当にそう思っていたんだ。

241 名前:フェイト、おまたが気になる5:2008/08/09(土) 15:35:45 ID:+BOf6G4C
フェイトの目元はまだ少し赤かった。表情は不安そうなままだ。少しでも安心させてあげるために僕は笑顔を浮かべて安心させるような声を出す。

「ほら、大丈夫だからみせてごらん」

フェイトはコクリと頷くとベッドの上に腰を降ろした。そして、緊張した面持ちでゆっくりと両脚を広げていく。

ごきゅり。僕も緊張してしまい唾を必要以上に大きな音を立てて飲み込んでしまっていた。

大きく広がった両脚の間に何か青と白のストライプ模様の布切れが見える。言うまでも無くフェイトの下着だろう。

しかし、スカートに邪魔されてあまりよく見えない。いや、別に見えなくてもいいんだってばよっ!

そのことに気づいたのかフェイトは両手でスカートの裾を握り、ゆっくりと上に捲り上げた。そうすれば、当然のことながら見えてしまう。

くっきりはっきりとフェイトの股間の部分を覆い隠す布が見える。思わず、息を呑んでその光景を見つめてしまった。

「ど、どうかな?」

未だに不安が残った声で彼女は、何かおかしな所が無いか問うが正直、そのとき僕の耳には届いていなかった。

目の前の光景に目を完全に奪われていて、その他のものに構っている余裕がなくなっている。

「や、やっぱり、どこか変かな?」

凝視したまま、声も出さない自分にフェイトは不安になったのだろう。だが、僕はそれに対する返事すらも忘れていた。

フェイトの細い足の末端部分にある三角地帯。そこを覆い隠すただの布切れ。そんなものに僕はどうしようもなく引き付けられ目を放せないでいる。

また、唾を大きな音を立てて飲み込みながら、気がつけば僕はその部分によりよく見るために座り込んで、顔を近づけていた。

「んっ…」

少し荒くなってしまった鼻息がフェイトの足の付け根をくすぐってしまい、彼女はわずかに声を出した。その声があまりにも扇情的に聞こえる。

「んっ、なんか変…。クロノが見ていると思うと…おまたの部分がなんか、…むずむずする」

少しだけ恥ずかしそうに腰をくねらせる彼女に、気がつけば僕はとんでもない提案をしてしまっていたのだった。

「フェイト、見ただけじゃ分からない。少し触ってもいいかな?」

242 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 15:37:04 ID:+BOf6G4C
とりあえず、ここまで
ほのぼので少しだけHな話を目指しています

243 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 15:39:25 ID:SdXsqls2
ちょ……………生殺し!?
うああああ……続きを待ってます

244 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 15:48:36 ID:0qCNbyCL
生殺しヒドス、クロノがエロノ化してるw


245 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 16:13:20 ID:wdmGKjco
クロフェ期待w

246 名前:ておあー:2008/08/09(土) 16:58:19 ID:hDRV3zoc
>>241
ここで切るとかw悪魔め……

ヒトイナイ、イマノウチ。
前回レス下さった方、ありがとうございました。
せっかくの80スレなのにエロ分薄すぎと思ったけど何故か頭から
出てくるのはこんな小ネタでしたorz

・小ネタ
・非エロ
・本編24話の裏話的な話
・捏造あり
・StS七不思議の一つ『クアットロは何故眼鏡をかけているのか』について考えてみた

タイトルは『銀幕芝居の裏で』です。

247 名前:銀幕芝居の裏で 1/2:2008/08/09(土) 16:59:06 ID:hDRV3zoc
 起動ポイントへと着々と上昇を続ける"ゆりかご"。
 その最奥に潜みながら"ナンバーズ"4番・クアットロは冷静に戦況を考察していた。

 彼女の前に浮かぶモニターには、喉下に橙色の魔力刃が突きつけられた赤毛の少女が映し出されている。
 おそらく少女が少しでも妙な動きをすれば、刃は即座に少女の喉笛を切り裂くだろう。それはたとえ戦闘機人である
少女といえど致命傷を免れないダメージになる筈だ。

 どうやら少女――9番・ノーヴェはここまでのようだ。

 13人いた戦闘機人・ナンバーズも、これで残るは自分一人。さらに指導者であるジェイル・スカリエッティも
確保された。
 現存するこちらの戦力は、自分と聖王、そしてゆりかごのみ。状況は圧倒的不利。
 しかしそれでもまだ、敗北が決定した訳ではない。
 クアットロはモニターを消す。しばらく無言でボードを操作した後、眼鏡を外しながら誰にともなく呟いた。

「……まあ、どの子も使えないこと」

 手にした眼鏡を投げ捨てようとした瞬間、不意にクアットロの脳裏にある記憶が過ぎった。


 ――随分遅くまで頑張っているね、クアットロ。
 ――ド、ドクター!?
 ――ハハッ、そんなに驚かなくてもいいじゃないか。
 ――す、すいません。今日は朝から姿を見ていなかったので、てっきり外出してらっしゃるのかと……そういえば、
いつもかけている眼鏡はどうされたんですか?
 ――ああ、あれはもう必要ないよ。実は最近、少々眼球の機能が低下していたのでね。君達に使っている人工の"眼"と
同じものに取り替えたのさ。
 ――へえ〜……って、そんな事をして大丈夫なのですか!?
 ――問題は無いよ。そもそも戦闘機人のルーツの一つは、失われた身体機能を取り戻す為の人工の代替器官だからね。
むしろこういった使い方の方が正しいのだよ。勿論私がやる以上、拒絶反応など絶対に起こらないように対策もしている。
 ――そうですか……あ、ドクター。
 ――なんだい?
 ――でしたら、一つお願いがあるのですが……


 ――想いを寄せる者の持ち物を身につける。

 それはまるで思春期の少女が好むような幼稚な行為だ。きっと自分の教育を担当した姉が見れば、鼻で笑うかネタにして
徹底的にからかうだろう、と彼女も思った。
 だが、それでも構わなかった。
 彼女の中にあるこの想いは本物で。


 ――ほう、よく似合っているよクアットロ。
 ――ほ……本当ですか?
 ――ああ本当だとも。なあ、君もそう思うだろう……ウーノ。
 

 彼女にこれ以上は望めないという事もまた、どうしようもなく本当の事だったから。


248 名前:銀幕芝居の裏で 2/2:2008/08/09(土) 16:59:34 ID:hDRV3zoc
 ほんの、一瞬。クアットロは自分が戦場にいる事を忘れ回想の世界に浸る。

 自分が唯一本当に欲しかったもの。それはきっと自分がこの世界に生を受ける前から既に彼女ではない者のもので
ある事が決まっていて。
 自分には幾ら手を伸ばしても決して届かなくて、手に入れられなくて。
 それでも自分の中にある彼の"無限の欲望"の欠片は自分に諦める事も絶望する事も許さなくて。
 だから放っておけば外に流れ出そうになる想いを抑えておくストッパーが、どうしても必要だった。

 
 だが――それももういらない。

 回想から背を向けたクアットロは、今度こそ躊躇無く手の中の眼鏡を放り捨てる。
 カラン、と乾いた音を立てて彼女のストッパーは床に転がった。
 同時に二つの髪留めも外す。

 絶望的な戦況でありながら、彼女の顔には僅かな恐れすら浮かんでいなかった。それよりも体の内から沸き上がる
歓びが彼女の中を駆け巡っていた。
 自分を偽る必要は、もう無くなったのだ。
 確かに現状は不利だが、ゆりかごが軌道ポイントに到達するまでの時間さえ稼げれば"自分達"の勝利は揺ぎ無いものになる。
 そして不可侵の防壁の中で彼女が"産む"新しい彼の隣に立つのは、あの女ではなく自分。  
 願って止まなかった物、焦がれて堪らなかった物が、あとほんの少し指先を伸ばせば掴めるところまで来ている。
 彼女に恐れる理由など何一つなかった。


 クアットロは愛しい人に言葉を紡ぐ。
 それは遠く離れた拠点ではなく、自分の中にいる彼へと向けられる言葉だ。
 拠点の彼――もう用済みになった男は、あの女への餞にくれてやればいい。愛し合う者同士、同じ場所で死ぬ事が
出来てきっと幸せだろう。



「まあ、私がいればなんとかなります。そうですよね……ドクター」



249 名前:ておあー:2008/08/09(土) 17:00:37 ID:hDRV3zoc
以上です。お付き合いくださった方、ありがとうございました。

しかし残念ながらこの後リリカルステップ(床割り)→壁抜きバスターのコンボで撃沈し、彼女の願いは夢と
消えたのであった……不憫なメガ姉に合唱。
ところでクア→スカってあまり聞かないですがマイナージャンルですか? もしかしてなのスカ以下ですか?


250 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 19:01:13 ID:SdXsqls2
GJ!!

クア→スカは自分の中では決定事項だけど、それだけでSSを書けと言われるとつらいw
こねたとしてはちょくちょく入れてるつもりだけど。



251 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 20:47:35 ID:bAoYEPmC
>>236-241
ここまで来て生殺しだなんて…この悪魔め!でもGJです!

で、モノは相談ですが、そのフェイトちゃんのビデオを売って下さい、ユーノ大先生!!
20…いや30万出します!
それで足りなければ、ローンを組んでも構いません!是非ともお宝を私にお恵み下さい!
ついでにエロノには、良いタイミングてリンディさん辺りが帰って来たりして、重い天罰を!


252 名前:サイヒ:2008/08/09(土) 21:01:41 ID:6PRlHhFU
>>242
久しぶりに自分が書いた以外のクロフェをこのスレで見た気がする。
続き超期待しとります。

>>249
こちらもGJ!
クアスカはアルカディア氏のリトルランサーがそんな感じだったような。
たしかになのスカの方が多いですね。



次世代話第二話、行きます。
以下注意書き。今回は少なめ。

・「8 years after」の続編となります。そちらを読んでいないとさっぱり分かりません。
・クロフェ、ユーなの、ゲンはや、カルタスとギンガが結婚。それぞれに子供がいます。
・レジアスの孫でオーリスの娘も出てます。
・本編終了十三年後。原作キャラの年齢はキニシナイ!!
・オリキャラの登場率が余裕で原作キャラを超えてます。
・全六話。全編通して非エロ。


ではどうぞ。

253 名前:あの日見上げた空へ:2008/08/09(土) 21:03:29 ID:6PRlHhFU
「あら、レジアス・ゲイズの孫じゃない」

 本屋へと向かう小道、嘲笑うような声でレヴィアの足は止まった。振り向けば、久しぶりだが懐かしく
もなんともない顔がにたにた笑っていた。
 ハラオウン家に預かられるより前に通っていた学校で、レヴィアをいじめていた少女だった。隣に取り
巻きらしい同年代の少女を二人引き連れている。記憶を引っくり返せば名前も思い出せそうだったが、必
要があるとも思えなかったのでしなかった。
 ビルとビルの間の狭い道。少女は周囲に人影がいないのを確かめてから、あからさまに見下した笑みを
浮かべていた口が開いた。

「ねえねえ、スカリエッティって知ってる?」
「知ってる。近代史で習ったわ」
「大悪党のテロリストなんでしょ」
「こいつのお爺さんね、管理局の中将のくせしてそのスカリエッティに協力してたんだって」
「うわー。うっそー。ひどーい」
「じゃあこの子、犯罪者の孫なのね」
「そのうちこの子も悪いことしたりしてぇ」

 けたけた笑いながらありきたりな言葉を並べ立てる少女達に、レヴィアは心底うんざりした。

(……ボキャブラリー無いわね。なんでこんなのに昔の私はいじめられてたのかしら? 五年前と言うこ
とが変わってないって、ほんと人間としてどうなのよ)

 これならまだ友人に貧乳と連呼されてる方がこたえる。いくつになっても大平原状態の胸を、レヴィア
は密かに気にしているのだ。同居人の子狼の発育が眼に見えてよろしくなってきてからは特に。

(あのおっぱい至上主義者だって、牛乳飲んでも背がちっとも大きくならないくせに)

 罵倒よりも友人のことを思い出してレヴィアは顔をしかめたが、それが少女には気に食わなかったらし
い。

「何よその顔。レヴィアのくせに生意気よ」

 服を引っ張り寄せられて、醜悪に歪んだ顔が間近に迫る。
 見たら本気で眼が汚れそうだったので視線を逸らしつつ、そろそろ本気でうざく感じてきたレヴィアは
対抗策を練り始める。こいつらとは一生関わりたくないから、ある程度強めに叩いておいた方がいいだろ
う。
 とりあえず恐喝を思わせる台詞を引き出した後、言質を取って裁判沙汰に持ち込むと脅す方向で行こう
かと、常にポケットに忍ばせている小型録音機のスイッチに手を伸ばした時だった。
 胸倉掴んでいた少女が、びくりと弾かれたように後ずさった。
 何が起こったのかと思うより早く、アスファルトを踏む音がして隣に人影が立つ。
 十数分前に別れたばかりの友人が、静かに怒気を湛えた顔をしていた。
 瞳がひどく細められ、その奥から赤い視線が三人を射抜いて怯えさせていた。レヴィアが直接受けてい
るわけではないのでよく分からないが、たぶん殺気というやつだろう。右端の少女など、がくがくと膝を
震わせて今にもへたりこみそうになっている。

254 名前:あの日見上げた空へ:2008/08/09(土) 21:04:36 ID:6PRlHhFU
「何か、レヴィアに用なのか?」

 クロードの低い声が合図であったかのように、少女達は悲鳴も上げず一目散に逃げ出した。
 角を曲がって三人の姿が完全に消えると、クロードの気配がきれいに収まる。はあと大きく息を吐いた
レヴィアは、乱れた胸元を直しつつ言った。

「あなたねえ、相手をにらみ倒すなんて不良なことやってるんじゃないわよ。フェイトおば様が見たら泣
くわよ」
「シグナム先生に言われてるんだ。お前が同年代と喧嘩をすればただの弱い者いじめになりかねないから、
本気でにらんでも立ち向かってくる奴とだけ殴り合えって」
「…………あっそ」

 教える師匠も実践する弟子もどっこいどっこいだった。クロノを教えた猫姉妹といい、どうもこの家系
は微妙に師匠運が悪い。

「ていうか、なんであなたこんな所にいるのよ?」

 ハラオウン家と受験会場を結ぶ線とは正反対の方角である。

「父さんに本局まで呼び出されてて。最近身体が鈍ってたから、テレポーターまでバスは使わないで走っ
ていくことにしたんだよ」

 クロードが走らねばならない距離を漠然と計算し、レヴィアは内心でこの体力馬鹿と呟いた。自分なら
その三分の一の距離を走っただけで死ねる自信がある。

「しかしまだああいう奴がいるんだな。JS事件なんて、もう十数年前のことじゃないか」
「難癖つけたがる奴は、百年経っても言うわよ。…………けどね、ああいう大馬鹿は論外だけど、お爺様
のやったことについて文句言われても仕方ないって思うこともあるのよ」
「……どうして?」
「JS事件で家や家族を失った人にしてみれば、レジアス・ゲイズはスカリエッティの一味も同然よ。資
金を渡したり、違法行為だと知っていながら見過ごしたのは事実なんだから。孫を見かけたら殴りたくなっ
ても不思議じゃないわ」
「けど祖父に罪があったからって、孫に八つ当たりするのは理不尽だろ?」
「理屈では、ね。……恨みつらみって、本人が死んだとか、時間が経ったからとかで簡単に片づくもんじゃ
ないから」

 そのことを、レヴィア自身が一番知っている。
 少し目元を緩め、表情は逆に真剣になりながらレヴィアは言った。

「あなたも気づいているかもしれないけどね、私は未だにチンクさん達としゃべるの、苦手なのよ」

 彼女達元ナンバーズと顔を合わせる度に、心の中から突き上がってくる言葉がある。
 レジアスお爺様を返してください、と。

「どうしても忘れられないのよ。あの人達のお姉さんが、お爺様を殺したっていうことが」

 ハラオウン家に預かられて以来の生活が不幸せだなどとは、口が裂けても言わない。
 それでも、時々思ってしまうのだ。戦闘機人ドゥーエが、ナンバーズが、スカリエッティがいなければ、
もっと違う今もありえたのではないかと。
 元々持っていた理想に立ち返り、再び管理局で平和のために身を粉にして働く祖父と、それを助ける母。
自分は二人の姿を直に見ながら育つ家族三人の温かい家庭の想像が、目の前をちらつくことがあった。
 そうなるかもしれなかった未来を奪った人の姉妹が、僅かな期間の服役だけで何一つ不自由なく暮らし
ているのを見れば、胸に黒い靄が湧き上がり口調は微妙に他人行儀なものとなってしまうのだった。

255 名前:あの日見上げた空へ:2008/08/09(土) 21:07:23 ID:6PRlHhFU
「だから私が他人に罵られても仕方ないかなと思っているのよ。私は、レジアス・ゲイズの孫娘なんだか
ら」
「……それで君はいいのか?」
「いいのよ。お爺様がそういうことをしたと分かった上で、私はお爺様を尊敬してるんだから。他人が私
やお爺様を恨むのは自由だけど、だからって私の憧れを変えなきゃいけないわけはないし」

 レヴィアの言葉に、クロードはただ戸惑った顔をして黙っている。
 当然だろう。肉親を理不尽に奪われたことのない者にとっては、この感情を頭では分かっても完全に理
解することは出来はしない。それを悪いことだと思いはしないが。
 ちょっと深刻に言い過ぎたかと、レヴィアは語調と表情を普段のものへと改めた。

「つまり、そういうことがあった場合は自分の尻は自分で拭くって言いたかったのよ。あなただって私や
トウヤに介入されたくないことの一つや二つはあるでしょ」
「それはそうだけど……」
「ていうか、あなた達が関わると間違いなく大事になるから」

 こいつといい八神家の息子といい、過剰なまでに友情に厚い部分があるのは困り者だった。
 ハラオウン家に来て間もない頃、新しい学校でも即行でいじめられていたレヴィアをたまたま通りかかっ
たクロードとトウヤが見つけ、いじめていた上級生六人と口論の果てに乱闘となった事件など、五年経っ
ても校内で知らぬ者はいない伝説である。
 もっとも暴力を用いたことなどの是非を抜きにすれば、レヴィアにとっては人生で屈指の嬉しかった出
来事の一つだが。誰かがいじめられている自分のために本気で怒ってくれるなど、生まれて初めてのこと
だったのだ。
 たぶんあれからだろう。頑なに押さえつけていた素の自分を表に出せるようになったのは。

「あなたもうちょっと自制心ってものを身につけないと、管理局入ってからえらいことになるわよ。今の
ままだと、犯罪者のアジト見つけたらそのまま殴りこみかねないわ」
「……そこまで無謀で暴力的な性格はしてないさ」
「いーや、たぶんするわね。翠屋のシュークリーム十個賭けてもいいわ。……ところでクロード、クロノ
おじ様との待ち合わせ時間いいの?」
「あっ!?」

 時計を見たクロードが、慌てて駆け出した。その背中に向かって、レヴィアは大声で呼びかけた。

「けどねクロード、もし私一人じゃどうにもならないぐらい理不尽なことされた時は、遠慮なくあなたた
ち頼らせてもらうわ! お礼は翠屋のケーキ三個で!」
「……一個でいいよ!」

 振り向いたクロードは片手を上げて応えると、今度こそ走り去っていった。
 友人に手を振ったレヴィアも、目当ての本屋に向けて歩き出す。
 久しぶりに参考書以外の本を購入し、バスの中で読みながらハラオウン家へ帰り着いた時には二時を回っ
ていた。
 玄関先には、リンディの靴の他にレヴィアの見知らぬヴァンプスが一足脱がれていた。
 リビングからはずいぶんと弾んだ会話が聞こえている。レティあたりが来たかと想像しつつ、レヴィア
はドアを開けた。

「ただいま帰り……!?」
「お帰りなさい、レヴィア」

 テーブルについてコーヒーを飲みながら歓談していたのは、二年ぶりに顔を合わせる遠く離れた次元世
界にいるはずの母だった。
 一瞬で、レヴィアの喉が詰まる。能弁だと自負している舌は、無駄に空回り口から出たり入ったりする
だけ。それがまた頭に血を上らせる。
 何度も唾を飲み込み直してから、ようやく言葉が出てくれた。

「お、お母さんも……お帰りなさい」
「ええ、ただいま」

256 名前:あの日見上げた空へ:2008/08/09(土) 21:08:46 ID:6PRlHhFU
 恥ずかしさで俯きつつもちらちらとオーリスの顔をうかがえば、非常に元気そうだった。
 五年前は半分白髪だった頭は、染めたのかレヴィアと同じ色になっている。頬も血色が良くなっている
し、笑顔は何かを諦めたが故の空しいものではなく、娘の顔が見れた嬉しさで笑っていた。
 会う度に、オーリスの顔からは老いや気苦労といった暗い要素が消えている。赴任地は本当に何もない
管理外世界だというが、母もきちんと幸せに過ごせているようだとほっとした。

「…………どうしてお母さんはいつも、こっちに来るのを秘密にするのよ」
「それはね、レヴィアさんのそういう顔がこんな時しか見れないからよ」

 小声で言ったつもりだったが、リンディの耳にしっかりと捉えられていた。
 楽しそうに笑うリンディとオーリスに、レヴィアはなおさら顔を赤らめてうつむくしかなかった。

(……この人にだけはかなわないなぁ)




          ※




「ただいま」
「おかえりおじきー!」

 玄関に上がってすぐ、トウヤにとって姉よりも年の近い甥っ子のタイガが駆け寄ってきた。その勢いの
まま飛びついてきたのを、危うく受け止める。四歳児の体重と突進力をもろに受けて思わず転びかけたが、
タイガは全く気にした素振りもなく訊ねてきた。

「おじき、テストどうだった?」
「お前までそれ聞くのかよ。たぶん受かってるだろ。たぶん、な」
「だったら久しぶりに公園行ってゲートボールの練習しようぜ」

 ある日ゲンヤが「あいつはお前の兄ちゃんじゃなくて叔父貴なんだぞ」と言って以来、タイガがトウヤ
を呼ぶ時は「おじき」である。
 面白いのでトウヤもそのままにしていた。おじちゃん、と呼ばれていたらたぶん全力で嫌がっただろう
が。

「だ、だめだよタイガお兄ちゃん、トウヤお兄ちゃんはテスト終わったばっかりで疲れてるんだから……」

 後からタイガの双子の妹、ルカが出てきてズボンを引っ張って止めようとするが、声が小さいのと力が
弱いので兄貴は完全に無視している。
 タイガが離れたのは、車を車庫入れしていたはやてが戻ってたしなめてからだった。

「駄目やでタイガ。トウヤはまだお昼ご飯も食べてないし、ちょっと私と話あるから遊ぶのはそれから」
「はーい、分かったよはやてさん」

 家の中で一番偉い人の言葉はあっさりと聞き入れ、タイガは自分の部屋の方へと走っていく。
 慌てて後を追うルカが、ちょっとだけトウヤの顔を見上げてからとてとてと廊下の向こうに消えていっ
た。
 こいつもなんだかんだ言いつつ抱っこしてもらいたかったのかと、今更気づくトウヤ。

(控えめっつうか気が弱いっつうか、いまいちはっきりしない子供だよな、あいつ。レヴィアあたりと足
して二で割りゃちょうどいいのに)

 そのあたりは父親の血なのかと思いながら、はやての後についてトウヤは二階に上がる。はやての部屋
へ入り、受験勉強中預かってもらっていたデバイスを返してもらった。
 キャリバーシリーズの新型なので、スバルとギンガが持っているマッハ、ブリッツと待機状態の形は同
じである。違いといえば、姉達は自分の髪の色と同色だったが、トウヤに渡された物は白色に黒い十字マー
クが入っていること。

257 名前:あの日見上げた空へ:2008/08/09(土) 21:10:19 ID:6PRlHhFU
「預かってた間にいじってもらって、こないだトウヤが頼んでたシステム入ってるで」
「マジで? たぶん無理だって諦めてたんだけど」
「マリーとシャーリーはほんま苦労したみたいやで。後でお礼言うときや」

 姉達と違ってウイングロードの機能が無い分、何か別の要素が欲しいと思い半分洒落で頼んだのだが。

(……考えてみりゃ、威力はでかいけど使える局面が限定されてるよなぁ。普通の蹴りと同じじゃたぶん
無理だし。後でギン姉とヴィー姉に相談してみないと)

 搭載された以上は有効活用せねばと頭を捻るトウヤに、腰掛けたはやてが声をかける。、

「ところで入学前に訊くのもなんやけど、トウヤは卒業して管理局入ったらどんな道進むか考えてる?」
「特に考えたことないかな」

 陸士隊に入るという以外には、何も決めていない。陸を志望したのも、ゲンヤやギンガが陸士隊だった
からというなんとも曖昧な理由である。一応飛行魔法は並程度に習得しているから、もうちょっと別な理
由があれば海か空にしていただろう。

「この辺ぐらいまで偉くなりたいとかは?」
「無いなぁ」
「クロード君みたいに、私とかゲンヤさんに憧れて部隊指揮しようと思ったりせえへん?」
「……あー、ごめん。思ったこともない」

 実際にやってみたらまた別なのかもしれないが、今のトウヤとしては後方で右だ左だと指示を出すより
も、先陣切って突っ込み暴れ回るのが好きだった。
 憧れはむしろ、一騎当千ヴォルケンリッターやストライカーの姉達に抱いている。それも具体的なもの
ではなく、漠然とあれぐらい強くなりたいという程度のものだが。

「ま、ええんちゃうかな。ゆっくり考え。……お母さんな、自分の人生でちょっと後悔してることがある
んよ。夢を早く見すぎたなぁって」

 深く椅子に腰掛けたはやてが、過去を思い出す遠い眼をした。

「……どういうこと? 夢を早く見すぎたって」
「トウヤよりもうちょっと上の年ぐらいからな、ずっと思っててん。精鋭を集めて、迅速に事件を解決出
来る部隊作ろうって」
「それが機動六課?」

 はやてが初めて部隊指揮を取り、JS事件を解決に導いた伝説の部隊。十年以上経った今も、管理局で
その名を知らない者はいないと聞いている。

「人手不足の中、そういうことが出来る人材かき集めて部隊一つ作ろうと思うんは大変やったわ。何時間
も分からず屋の説得したり、根回しの接待やったりしてばっかりで。それが十九まで続いてん。ほんま潤
いのない青春時代やったわ」
「けど、父さんと恋人同士になったのもそれぐらいじゃなかったっけ?」
「そうやけどろくにデートも食事も行けへんかったな。ほんまよう我慢してくれたでゲンヤさん。……な
んで昔の私、あんな生き急いでたんかな」

 今年で十二のトウヤには、生きるのを急ぐということがよく分からない。それでもはやての青春があま
り面白くないものだったことは知れた。たぶん、今の受験勉強状態が何年も続くようなものだろう。
 トウヤに聞かせるというより、独り言のようにはやては言葉を並べていく。


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