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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第45話☆

1 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 07:43:51 ID:8b5UDPg0
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。


リンクは>>2

2 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 07:47:34 ID:8b5UDPg0
『リンク』

【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第44話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1199174168/

【クロスものはこちらに】
リリカルなのはクロスSSその31
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1198322265/

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
・Nanoha Wiki
 http://nanoha.julynet.jp/
・アリサだもんっ!
 ttp://homepage3.nifty.com/damenahito2000/
・R&R
ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html
(キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/d/  (wiki)

3 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 08:20:07 ID:BlFRGBbP
 |: : :/: : : : : :/: : : : : .:|: : .:ト、: : :l: : : : :|: : : :\ : : \: : : :\
      |: :/: : : : : :/: : : : : : .:|: : .:| .|.: .:ト、: : : |: : : : : :|: : : : :\: : : :\
      |: :|: : : : : / : :/|: .: .:/|: : / !: : | !: : :ト、: : : : ! : : : : : :l: : : : : |
      |: :|: : : : : |:_ム斗─ァ十:/  |: :ナ十‐ァ-、|: : : :|.: : : : : .:ト、: : : !
     \!: : : : .:|:/  レ'   レ'  .レ'  .レ'  .l: : : :|.: : : : : .:|: :ヽ: : |
        |: : : : .:レ xfT¨¨丁ヽ     .イ丁¨lfヽ. !: : : |.: : : : : .:|: : :|: : |
        |: : : : .:|く. 込ェrリ      込ェrリ 〉|: : :/: : : : : : :|: : :|: :/
      \: : : | `  /////////////  _ノ_/: /|.: : .:|: :|: : :レ'
         |\: \        、       ̄/:|: : /: !: : /| /.: .: !
         |: : `ト-ヽ     ┌─┐    /: :レ'.|: :|: /: レ: : : .:|
         |: : : |. \.     `ー '    /l: : : |  |: :レ.: .: .: : : :.:|
         |: : : |   |`  .       .ィ´  |: : : |  |.: .: : : : : : : : |
         |: : : |  f|   ` ー‐'´ j、  |: : : i  |: : : : : : : : : /
        \ : \ノ \         / ト、 j.: .:/   ! : : : .: : : : /
       _ -‐>、: :\  ` ー‐ァ-イ   | //、  |: : : : : : : /
. -‐‐…' ´  /   `ト-ヽ   ∧__∧.  |/  |` ー- 、__ : : /
         ./     |\.   / | |. ヽ !     |     ` ー-、
>>1乙なの!! ウチにきてザフィーラをモフモフしていいなの!


4 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 09:26:35 ID:w4obstb4
>>1乙だZE
そして前スレのユーなのGJ!なのはにもフェイトのような痴女属性が付いて来たかw

5 名前:43-154:2008/01/08(火) 10:55:18 ID:peewehrb
>>1乙です。
昨日に引き続き大学から。(何しに通ってるんだ?とかは聞いちゃいけません)
前スレが487KB、ゆえに此方のほうで投下したほうがいいかな。とか考えました。
というわけで、漢たちの挽歌投下準備完了ですがよろしいですか?

6 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:02:40 ID:fJXUy2xK
>>4
前スレの容量まだあるんだから
感想はそっちにしれ

7 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:08:25 ID:vXrX+Xyx
>>5
どうぞどうぞ

8 名前:漢たちの挽歌注意書き:2008/01/08(火) 11:12:51 ID:peewehrb
では、いきます。
まず、捏造未来あり。
ついでにエリオはまじめな少年だ!と想う人は見ないほうがいいです。
なのはさんの後継者はヴィヴィオだけ!と願う人は見ないほうがいいです。



9 名前:漢たちの挽歌その7(1/4):2008/01/08(火) 11:13:27 ID:peewehrb
新暦075年12月某日2350時 ランパブ“マイバッハ”正面


周囲には何人かの体が転がっていた。フォーカス対策のその筋の人たちだ。
ちょーっと邪魔なので後遺症が残らない程度に眠ってもらった。

「もう、店の人を傷つけちゃダメって言ったじゃないですかぁ」

泣きが入ったシャーリーに笑顔でなのはが話しかける。謝るか慰めるかするのかと思いきや

「違うよシャーリー。彼らはただ前をうろついていた私達に暴力を振るった極道さんたちなの。
それで間違いないよね?私の言っていること間違ってるかな?」
あろうことか、自分達は悪くないとシャーリーに同意を求めた。
そして、血に濡れた拳を首筋に当てられて“否”と言えるほど彼女は図太くなかった。
「はい・・・・・・・・」


後に彼女は語る。
「ええ、あの時のなのはさんは過去最高に怖かったです。『白い大魔王モードEX』は外面のこ
とを言うんじゃありません。彼女の本質の変化のことを言うんです。デバイスを待機状態にし
たからと言ってアレが解除されたなんて思っちゃダメです。むしろ自己の内面に怒りを圧縮し
ている分、更に恐ろしくなるんです」

ついでに、も一つ語った。
「あの時、なのはさんの拳の反対側でティアナがクロスミラージュをダガーモードで突きつけ
てたんです。彼女の迫力は魔王なのはさんに匹敵しました。ティアナはもう完全になのはさ
んの後継者、二代目魔王です。黄昏の魔王とでも呼びましょう」
と。ちなみに彼女はこの後原因不明の悪寒に襲われ寝込むこととなる。

10 名前:漢たちの挽歌その7(2/4):2008/01/08(火) 11:14:00 ID:peewehrb
話が横道にそれました。まあそれはさて置き、なのはさん。あなた砲撃魔導士ではありません
でしたか?
「戦いは常に臨機応変に対応するものなの。砲撃魔導士が拳を振るっちゃダメなんて決まりは
ないの」
さいですか。


“マイバッハ”店内VIP席

男達に天誅という名のリンチを加える会のメンバーは店のボーイに話をつけ(脅迫して、とも言う)
男達が呑んでいる席の周辺に接近した。そこで、男たちの会話に耳を傾ける。

「それでぇ、皆さんはお仕事で辛い事とかってどんなことですか?」
「そうだぁ。ここっていつも上のほうで仕事している人ばっかりだからぁなかなか前線でがんば
ってる人のことって判らないんですよ」

「そうだなあ、任務はきついけどやりがいはあるしもんだいねぇかな?」
「ソレよりも周囲の環境ですね。やっぱり僕達男組みは非常に少ないんで肩身が狭いんですよ」

はやては多少どころではない衝撃を受けた。自分と一緒にいるときは何の『不平不満もありませ
ん』といわんばかりに仕事をしているグリフィスがまさか自分以外の見知らぬ女性に(しかも下着
姿)こんなことを言うなんて。
『そういえば、私が人材集めをしている時どうも身内以外の男の子は無意識に弾いてた気がする。
能力や人柄でも決して劣るわけや無かったのに・・・・』
そう想い、グリフィスのほうを覗き見る。彼と非常に楽しそうに話をしている彼の不満をあっさり
引きずり出した嬢にほんの少し嫉妬した。

11 名前:漢たちの挽歌その7(3/4):2008/01/08(火) 11:14:29 ID:peewehrb
「あと、みんな僕を子供扱いしすぎです。確かに皆さんから見たら僕なんて子供でしかないでしょ
うけど・・・・。それでも、僕は皆に認めてもらいたいんです。そうしたら・・・・」
「ん、そうしたら、なんだって?」
「い、いえ。何でもありません」

フェイトは頭をゴル○ィオ○・ク○ッシ○ーで殴られたような気がした。エリオは確かに子供だ。
ずうっと小さい時から知っている。でも、その態度が知らず知らずに彼を傷つけていたとは露ほど
も気付かなかった。
『私は誰よりも彼を愛していたはずなのに。なんだろうこの失態は・・・・』
こんなことでよくもまあエリオを愛しているなどと自惚れる事ができたものだ、とフェイトは自ら
のふがいなさにネガティブスパイラルに落ちつつあった。

「ねぇ、エリオ君。子供なのはそんなに悪いことじゃないよ?」
「えっ。で、でも」
「ふふ。男の子はね、かっこ悪い自分を知っているからかっこいい大人になれるんだよ。今、皆が
君を大人扱いしたら君はこれから見つかるかっこ悪い自分を受け入れられないの。だから、いまは
もうちょっと子供のままでもっとかっこ悪い自分を探しなさい」
・・・・あのー、お嬢さん。お客さん(しかも10歳)に本気になったらだめですよ。

ともあれ、エリオは明るい笑顔で一言
「はい!」

と答えた。このときのエリオの笑顔はフェイトの心に999,999のダメージを与えた。そして、その笑
顔は自分が引き出したものでないという事にすさまじく嫉妬した。

こういった会話を聞いたほかのメンバーも思うところがあるのか少ししょんぼりしている。

12 名前:漢たちの挽歌その7(4/4):2008/01/08(火) 11:15:02 ID:peewehrb
ここまでだったら、女性陣の反省もあり比較的お仕置きも穏便だったろう。が、次のヴァイスの一
言が漢達を奈落の底へ突き落とす決定打になってしまった。


「ははは。所でさあ、さっきの続きやら無い?胸を触って誰か当てようゲーム」

ピキッ!!!(←六課女性陣の何かに亀裂が走った音)

「そうですね。今度は当てて見せますよ!」

ミシッ!!!!(←六課女性陣が得物を握り締めた音)

「今回も僕が圧勝して見せます。残念でしたねヴァイスさん、グリフィスさん」

ブチン!!!!!(←六課女性陣の何かが切れた音)


あろうことか、男たちは自らの手で自分達の処刑執行を承認してしまった。
たとえるならデス○ートに自分の名を書くがごとき愚行!
しかし男たちは気付いていない。さて、彼らの運命やいかに。

次回へ続く。

13 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:15:19 ID:PqbujlBn
>>5
投下承認!!

14 名前:漢たちの挽歌あとがき:2008/01/08(火) 11:17:54 ID:peewehrb
ああ、エリオがどんどんエロく・・・・
あと、ティアナが魔王化しているのは仕様です。
オレンジの魔王とかも考えたんですがそれだとアレとかぶるんで・・・
では以上です。

15 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:18:57 ID:PqbujlBn
承認遅れた……
申し訳ない。

そしてGJ!!

16 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:27:06 ID:I6CK6gRg
相変わらずテラ面白いです。

カップルは

なのは×ユーノ
はやて×グリ
フェイト×エリオ

になりますか

ところでひとつ思ったのですが、
6課の3人組の中に司書長はいないですが、
なのはさんテンション高いですねさすが魔王

なんとなくフェイトの状況では、
エリオは免除かと思ったのですが、
如何なんでしょう



17 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:54:43 ID:vXrX+Xyx
いやあぁぁぁぁぁ!!
みんな逃げてぇぇぇぇ!!

男性陣に合掌しつつGJ!!

18 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 12:18:31 ID:983KQK/9
GJ!
というか、野郎共自分に正直すぎだろwwwww
でも、彼女がいるわけじゃないから悪いことをやってるわけじゃないのにね。
まったく、なんてぇ世界だ!まさに世界はこんなはずじゃないこと(ry

とりあえず、淫獣は白い大魔王どころか白い超魔王プリニーナノハと戦うことになりそうだ
なんというディスガイア。なんという死亡フラグ・・・・・・。

19 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 13:33:23 ID:wpCA0cEu
>>14
ちょwww血まみれの拳で脅迫するとか。さすが戦闘民族の末っ子。
しかもティアナまで感化されてるしwwwひぐらし組がタッグを組むと恐ろしいな

20 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 13:53:39 ID:tFli7K/T
つか、エリオってかなり度数の高い酒飲んでなかった?
ヘタすると急性アルコール中毒でDEAD ENDになったりしないか?

21 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 15:41:28 ID:CZnCqUaH
それにアルコールが入ると血行が良くなるから怪我すると勢いよく血が噴き出すな

22 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 15:48:12 ID:4J6C++gW
GJです!!
そして男性陣に合掌・・・・

あれ?

カップリングは

ユーノ×なのは
グリフィス×はやて
エリオ×キャロ

でフェイトさんは妄s(グシャ

23 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 16:03:46 ID:rmqtq6CY
エリオはエロオでいいですwそのままエロオの方が素敵なんです!GJです!

24 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 16:48:05 ID:IoxIYLDe
さっき知った。
アイゼンとかが言ってるの
ヤフーじゃなくて、
Ja O. 了解 「ヤー・オー」なんだな。

25 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 17:22:42 ID:tFli7K/T
ヤヴォールね
Jawohlだったかな?

26 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 19:19:51 ID:+ppFgwkR
>>14
GJです!!もはやエイ・メンとしかいいようがない男性陣。
骨は拾ってやるからな!!いや骨すら残らないかも・・・

27 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 19:49:43 ID:3m+keNr5
毎度思うんだが、
埋め立てのAA、どんだけバリエーションあるんだw

28 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 19:49:57 ID:ncxdJeX0
前スレ埋め終了

29 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 19:55:00 ID:DyAEptsX
>>12
店内で黒竜召喚の悪寒www
男性陣 オワタ\(^o^)/

あと誰も『ティアナ×ヴァイス』と書き込まないのは
それがすでにデフォだからかw?

30 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 20:16:48 ID:lI+HnVCE
ヴァイスとグリはふるぼっこ確定だとしてもエリオはどうなんだろ
フェイトママンなら許しちゃいそうだ
つか、エリオに上目づかいでお願いされたらあっさり寝返るんじゃね?

31 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 20:17:58 ID:BlFRGBbP
>>30そこでランパブの実態を知ったキャロ社長のターンですよ

32 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 20:21:35 ID:d/SnNETj
>>30
エリオを大人にしちゃうと思います

33 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 20:43:08 ID:44CbNA04
よく考えるんだ……>>12を見てよく考えるんだ……
最後のエリオの『僕が勝ちます』宣言→胸で女の子を識別できる→フェイトさんとキャロさんの揉ませ大会開催!!!


あれ熱っ(ブラストレイ

34 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 21:14:19 ID:8FQWCpr0
>>33

もむまでもなくサイズが違って一発でわかr(ボルテール砲

35 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 21:50:30 ID:Y6CQ16Qy
お願い!エリオだけは助けて!

あの子だけは!

36 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 22:08:04 ID:P5Zveore
あれ?
もしかしてヴァイスの死亡フラグに他の2人が巻き込まれた感じ?

37 名前:26-111:2008/01/08(火) 22:31:21 ID:a/PP7v+4
>>12

GJ!このエリオなら風俗嬢も本気になれる!
続きも楽しみに待ってます



保管庫からの業務連絡です
38スレ、39スレの保管作業を終了しました。執筆陣諸兄は確認をお願いします
こちらは引き続き保管作業を受け持ちます

背中が見えてきましたよ。“現行スレ”の
それでは

38 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 23:09:49 ID:PqbujlBn
>>37
お疲れ様です。
サンタの話やソラノカケラの序盤がまた読めて嬉しい限りです。
現行スレ目指して頑張ってください。

39 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 23:30:27 ID:r3r+S5nz
>>37
いつもお疲れ様です
大変でしょうがまとめ作業がんばってください!

40 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 23:47:57 ID:lrUmgVWM
>>12
GJ!

このフェイトママならエリオにお仕置き(性的な意味)すると思う。

そしてキャロ社長と骨肉の争いに発展

41 名前:ザ・シガー:2008/01/09(水) 00:14:25 ID:NgzrUtT0
ところで先日、投下したリンディさんメインのエロSSの3話目ができたんで投下しても良いですか?

オリキャラ×リンディで、今回も未亡人が乱れたりするんですが…

42 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 00:21:50 ID:KTbW+8o/
>>41
おK

43 名前:ザ・シガー:2008/01/09(水) 00:24:56 ID:NgzrUtT0
それじゃあ投下します、今回もオリキャラのちんこ要員がリンディさんと肉体関係を結んでいます。

エロです。

44 名前:ザ・シガー:2008/01/09(水) 00:27:18 ID:NgzrUtT0
甘党艦長と俺物語3

おっす! みんな。俺ジョン、ごくごく普通の管理局武装局員♪

そしてどういう訳か所属艦の艦長であるリンディ・ハラオウン提督と爛れた肉体関係に陥っていたりする。

なんというか、言ってる自分でも信じられない。
今でも“これ俺の妄想?”とか考えてしまうが現実に艦長は今、俺のモノを凄え美味しそうに舐めしゃぶってる。
頬をつねってみたが普通に痛いので幻覚ではないみたいだ。






そこはアースラ内部の今は使われていないクルー用のとある一室。
その部屋に鎮座するベッドの上に全裸の男と黒いガーターベルトにストッキング姿の女がいた。
それはアースラ艦長のリンディ・ハラオウンとアースラ所属の武装局員ジョンである。
今日もまたリンディとジョンは淫靡に身体を重ねて肉欲を貪り合っていた。


突然自分の頬をつねったジョンの様子にリンディは男根を口に咥えたまま、彼に不思議そうに尋ねる。

「ふぅっ…ちゅぷっ…どうしたんれすか? ジョン…ぴちゃっ」
「別に…何でもないですよ、くぅぅ…しかし本当に上手ですね」
「んちゅ…そうれすかぁ」

咥えたまま喋る為に口からの刺激が弱くなるが、リンディは絶妙な力加減で指を使い竿を扱きながら睾丸を優しく撫でる。
それはまるで極上の娼婦のような手並みであり、とても十数年間男と交わっていなかったとは思えない程の熟練の技である。

男の性器を口に含みながら上気して朱のさした赤い頬に瞳は性欲に潤んで、咥えた肉根を早く自分の秘所に入れたいという欲望に満ちている。

その姿は正に天性の淫婦と言えた。


「しかし、まあ…よくそんなに美味しそうにしゃぶりますねえ。俺のザーメンとリンディさんのマン汁だらけなんですよ?」
「ちゅぷ…そんなこと…んぅ…いわないでくだひゃい」

ジョンは恥ずかしそうに言うリンディの頭を乱暴に掴んで自分の肉棒から離した。
リンディは一瞬名残惜しそうにジョンの肉根を目で追ったが、即座に彼の意図を察して期待に瞳を一段と潤ませる。

「ありがとうございますリンディさん、お陰ですっかりガチガチに勃っちゃいましたよ。それじゃあ次はどうやってヤりますか?」

ジョンの肉棒は既に7回はリンディの膣に発射しているにもかかわらず、彼女の口淫を受けて再び憎々しい程に硬くなっていた。

その猛る男根を見てリンディはジョンに尻を向けて四つんばいになり、振り向きながら甘えた声で哀願した。

「それじゃあ…今度は後ろから……そ、その…後ろの穴に入れてください」

ジョンに向けられたリンディの臀部、そこには男根を狂おしいほどに受け入れて大量の精液と愛液を垂れ流す蜜壷と、散々に玩具で弄られてだらしなく開いた菊座が並んでいた。
そしてリンディは肛門を嬲られる事を望んでいる。

その様を見たジョンは指でゆっくりと二つの淫穴を弄りながら爽やかな程の笑顔でリンディに尋ねる。

「“後ろの穴”ねぇ…もっとハッキリ言ってもらわないと理解できませんよ?」

ジョンの指はグチャグチャと音を立てながら肉欲に支配されたリンディの肉壷と菊座を弄び彼女の身体に痺れるような快感の波を与える。
だがそれはリンディの望んでいる決定的な悦楽ではなく、焦らすようなもどかしい刺激だった。

45 名前:ザ・シガー:2008/01/09(水) 00:29:19 ID:NgzrUtT0
リンディが望んでいるのはもっと絶対的な肉棒による蹂躙なのだ。

「そんなぁ……いぢわる言わないで、早くきてぇ」

リンディは赤く染まった顔で振り向きながら情欲に潤んだ瞳を投げかけ、聞いただけで耳の溶けそうな程に甘い声でもって哀願する。
その哀願と同時に揺らされた尻があまりにいやらしく、ジョンはすぐさま男根をぶち込みたいという願望に取り憑かれたが、そこをなんとか我慢した。

「違うでしょ? オネダリの仕方は教えたんですから、教えた通りにやってくださいよ?」

ジョンは焦らすような指の動きをそのままにリンディの恥辱をさらに煽るような問いかけをする。
ジョンの言わんとする意図を悟ったリンディは羞恥心を陵辱するようなジョンの要求に顔をさらに赤くして、恥じらいと被虐の悦びに身体を震わせる。

「わ、分かりました……へ…へ、変態リンディのお尻に……その…ジョンのチンポを入れてください」

リンディは真っ赤になった顔で、ジョンに教え込まれたいやらしい哀願を口にする。
あまりの恥ずかしさと理性を犯される悦びに身体が小刻みに震えだし、膣からは愛液がしとどに流れる。

だがジョンの要求はまだ終わらない。

「ん〜ちょっと声が小さいな〜…」
「いやぁ…焦らさないで…はやく入れてちょうだい…もう我慢できないのぉ」
「それじゃあ、もっと大きな声で馬鹿っぽく言ってくださいよ? じゃないと今日はこれでお預けですよ?」

淫蕩な肉の悦びに支配されているリンディにお預けという言葉は何より効果的なものだった。
肉欲に取り憑かれた淫らなメスはその言葉を受けて完全に色欲に狂い乱れる。

「言う! 言うから入れて! ド変態なメス豚リンディのウンチ穴に硬いオチンポぶち込んでメチャクチャにしてくださいぃ!」

緑の髪を振り乱し尻を淫らに揺らしながら、リンディはあらん限りの声で叫んで哀願した。
恥も外聞も無く淫蕩な要求をするその様は、もはや提督でも艦長でもないただのメスそのものだった。


「は〜い良く言えましたね。それじゃあご褒美にお待ちかねのモノをたっぷりあげますよ♪」

ジョンはリンディの淫らな要求を受けると同時にその猛る剛直を彼女の菊座に遠慮なくぶち込んだ。
たっぷりとぬめる潤滑液を塗りたくられたその肉根は一瞬で根本まで挿し込まれ、快楽の濁流をリンディの脳に送る。

「んはあぁぁ……ああぁぁぁっ!!! オチンポすっごぉいぃ」

突然与えられたあまりの快感にリンディは折れんばかりに背をのけぞらせる。
リンディは菊座に埋まったジョンの肉棒を締め上げて肛虐の悦びに震え、たった一度の挿入で絶頂に達した。

「もうイっちゃたんですか? まったく……クソ淫乱の淫売リンディさんはだらしが無いですねぇ」

ジョンはそう言うとリンディの髪を掴んで無理矢理に前を向かせる、そこにはジョンが魔力で作った大きな鏡のようなものがあった。
ジョンはリンディの肉欲に陶酔した淫蕩な表情を、彼女自身に強制的に見せつける。

「ほら見てくださいよリンディさん。リンディさんはバックでケツにチンコ入れられてこんなにエロイ顔してんですよ?」

「あぁぁ…こんな……恥ずかしい」

自分の痴態を映されて、リンディはまたもや恥辱で心を塗り潰される。
だがジョンの言葉の責めはまだ終わらない。

「カメラをあちこちに仕込んでありますからね。リンディさんがアナルファックでよがりまくるのを、た〜っぷり録画しますよ♪」

ジョンは最高に爽やかな笑顔でそう言うと周囲にモニターを展開し、交合する自分達の姿を様々な角度から見せつける。

46 名前:ザ・シガー:2008/01/09(水) 00:31:55 ID:NgzrUtT0
リンディの正面に展開されたものは鏡ではなかった、それは周囲に魔力で設置された空間カメラのモニターだったのだ。

「いやぁぁ…こんなの……撮らないでぇ」

リンディは肛姦の絶頂に唾液と涙で淫らに汚した顔をさらなる辱めで赤らめながら恥じらいの声を漏らす。
だがそれは、口では“嫌だ”と言っても陵辱される悦びに耳が蕩けるような甘い残響を孕んでいた。

「“嫌”ねぇ…」

ジョンはリンディに覆いかぶさるように身体を密着させ両手を脇から回して彼女のたわわな乳房を鷲掴む。
そして男根で激しく腰を動かしながら、掴んだ豊満な二つの乳肉を乱暴に揉みしだく。
男根に塗られた潤滑液にリンディが垂らした愛液と腸液が混じり、素晴らしい滑らかさをもってリンディの肛門を辱めていく。
そして、淫らな肉のぶつかる音にリンディの甘い嬌声が混じり芸術的なまでの官能の調べを奏でる。

「ああぁっ……いやあぁっ! やめてぇ…撮りながら……あんっ…動かないでぇ…んぅっ…」

リンディはそんな喘ぎを漏らすが、ジョンは彼女の耳たぶを甘噛みしながらその耳に優しく陵辱の言葉を囁いた。

「リンディさん……さっきから“嫌”とか“やめて”とか言ってますけど。アナル絞めまくって、アヘ声で嬉しそうに鳴き喚いてますよね? 本当は嬉しいんでしょ?」 
「はぁっ!……そんな…ことぉ…ない…です…んぅ」

リンディは乳房と耳、そして肛虐の激しい快感を受けながら必死に自分のマゾヒズムを否定する、だがそれはもちろん彼女の本心ではない。
こう言えば彼がもっと自分を嬲り辱めてくれると知っている為の条件反射であった。
ジョンもまたリンディのそんな性癖を知り彼女を激しく責める。

「正直に“セックス撮られて興奮してます”って言ったらどうだよ、この淫乱女が!!」

ジョンはそう言うと同時に一段と力を込めて肉棒をアナルに突き立て、乳房を掴んだ手で乳首を思い切り捻り上げる。
精神と肉体に与えられた二つの責めにリンディはまた限界を迎える。

「はああぁぁ!! だめえぇ!! イクウウゥゥゥ!!!!」

その強烈な責めにリンディは一際甲高い嬌声を上げて絶頂の波に果てる。
肉棒の与える快楽のあまりの解放感に蜜壷から潮を吹き、軽く尿まで失禁までしている。

「ふわぁぁ…もう…らめぇ……ほんろにしんぢゃうぅ…」

リンディは脳の奥まで溶かすような悦楽の刺激に意識が朦朧となり、だらしなく開いた口から上手く言葉にならない声を漏らしてベッドに倒れんだ。

リンディの肢体は全身が汗で艶やかに光り、荒い息遣いと心臓の鼓動で緩やかに震えていた。
その情欲をそそる様にジョンの中の獣欲にまた熱いものが滾る。


強烈な絶頂によりベッドにうつ伏せに倒れたリンディの身体を、ジョンは力任せに仰向けに転がす。
そしてリンディの足を両手で正常位の形に開かせて、股ぐらに硬くいきり立った自分の肉根を当てがった。

「なに勝手に一人でイってんですか? 俺はまだ出してないんですよ? これはもうオシオキですねぇ…」

ジョンの発した“オシオキ”という言葉に、リンディは涙と唾液に濡れた顔で妖しく嗤い、細められたその目は淫らな期待に満ちて妖艶に光る。

47 名前:ザ・シガー:2008/01/09(水) 00:36:49 ID:NgzrUtT0
そして彼女は逆らい難い甘い吐息と声でジョンを誘惑する。

「うん…きてぇ……わたしのオマンコに、たっくさんオシオキしてぇ♪」


水気を含んだ肉をぶつけ合う音に淫らな女の嬌声が混じり、部屋の中にまた淫蕩な交合の狂想曲が響く。
まだしばらくこの二人の織り成す肉欲の宴は続くようだ。





これはなんというか……大変疲れたとしか言いようが無い。

今日も今日とて艦長のお誘いにより午前中の仕事はハードな肉体労働(主に腰限定)に変わり、武装隊の訓練とはまた違う疲労をたっぷりと身体に刻まれた。
艦長から“いっぱい苛めてくださいね(はぁと)”と言われたのでいつもより頑張ってしまった。

肉体的な疲労に加えて、行為でメチャクチャに汚れた艦長の身体や服を綺麗にするのに魔法使ったもんだからもう疲れ果ててる。
これからデスクワークなんだが……なんかもう歩くのもつらいんだよこれが。

後でシャマルさんに診てもらおうかな。
でもなんて言えば良いんだろうか、“セックスのヤリすぎで腰が痛いんです”とか? とてもそんなこと言えねえよ!

俺はそんな事を考え、通路を歩き続けながらデバイスに入っていたリンディさんが俺に送ったメールを読んだ。


『今日もありがとうジョン。ところで明日は休みですよね? 暇なら一緒に海鳴の町へ出かけませんか? 返事は今夜聞かせてください。 
リンディより。』


なんつうかデートのお誘い?
しかし“返事は今夜”って……つまり今夜もヤるって事なんだろうか…


ああ、今日もまた、シャマルさんに貰った精力剤マカ○ンビンの世話になりそうだ。

続く。


48 名前:ザ・シガー:2008/01/09(水) 00:43:20 ID:NgzrUtT0
投下終了です。

エロってやっぱり難しいですね……なんとか次回はエロも上手く書けるようにしなければ。

49 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 00:48:00 ID:KTbW+8o/
>>48
GJ!
お疲れ様ですよ〜。
リンディさんはいいですね〜

50 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 00:48:36 ID:KTbW+8o/
>>48
GJ!
お疲れ様ですよ〜。
リンディさんはいいですね〜

51 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 01:00:55 ID:7rgboUUh
GJ。
やはりえちぃリンディさんはいいものだ。

触発されてレティさんものとか書いてしまいそうだぜ

52 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 01:04:36 ID:DNPTDjLd
文章を見てるだけでムクムクと息子が元気になって大変だ!
ちょっとリンディさんで抜いてくる!!

>>48
GJでした!

53 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 01:11:33 ID:BfvZzLaI
GJ
えろい未亡人調教はいいよなぁ
最後の中の人ネタで吹いたw

54 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 01:12:40 ID:hIjBeozZ
>>48
今回もGJですた!

55 名前:39-362:2008/01/09(水) 01:58:32 ID:iqwo39Wm
投下してもよろしいでしょうか?

56 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 01:58:57 ID:DNPTDjLd
おk、COME ON

57 名前:39-362:2008/01/09(水) 02:03:43 ID:iqwo39Wm
あけましておめでとうございます。

注意書きなど
・非エロ
・前作の続きですので、前を読んでいないと話が非常にわかりにくいです
・ユノフェですが、二人はラブラブしません
・END1はハッピーエンドじゃありませんよ
・暗い展開が嫌いな人はスルー推奨
・キャラ破壊、捏造嫌な人もスルー推奨

58 名前:A crossroads of Fate END1:2008/01/09(水) 02:04:38 ID:iqwo39Wm
もし、彼女の嘘に気付かず、なのはを振ってしまっていたら。
プロジェクトが終了するまでは何も知らずに過ごせるだろう。
だが、その後彼女は、利用価値がなくなった自分をどうするのだろうか、想像するだけで恐ろしい。
苛立ちを紛らわすかのように首を振り、時計を見る。
そろそろ、六分。
フェイトとの決別まで、後四分。
彼女が急げば、それ以上の早さで。
「……来たか。」
ガサガサと、落ち葉を踏む音が聞こえる。
「はぁはぁ………ユーノ、ここにいたんだ…広いから、ちょっと探しちゃったよ。」
奇しくも、なのはと同じく、出来る限り早くと。
息を切らし、走ってやってきた。
「………………」
ユーノは、冷たく彼女を見つめる。
そこまで演技に熱心なのかと、心が更に温度を失う。
「ごめんね、ユーノ。急いで抜けてきたんだけど……時間かかっちゃって。ところで、今日は、どうしたのかな?」
ユーノの雰囲気の異変を察知したのか、少しばかり戸惑うフェイト。
「ああ、フェイトに言うことがあってね。」
「わたしに……言うこと?」
フェイトはちょっと考え込むような表情をするが、すぐに彼女は何かを期待するかのように頬を染める。
だって、ユーノが彼女にに改まって言うことなど、一つしか考えられなかったのだから。
ユーノは、そんなフェイトを意にも介さず、淡々と告げる。
「フェイト。僕は、もう君と一緒にいたくない。」
「…………………………………え?」
フェイトの顔から、表情が消えうせる。
強い風が、二人を通り過ぎていく。いつしか、雲が空を覆っていた。
木々が強風に悲鳴をあげる。それでもなお、二人の間には何の言葉もなかった。
「だから、別れよう。」
「は、ははは、あははははははは。」
フェイトは笑う。自分の恐怖を笑うことで殺しているかのように。
「わ、悪い冗談はやめてよユーノ。わたしは……そんなこと言ったら、泣いちゃうんだよ…?」
その悲しげな笑みに。
どこか、ユーノは違和感を覚える。
どうして、彼女はこんなにも、悲しそうな表情をしているのだろうか。
演技にしても、やりすぎではないだろうか。
その考えを、軽く頭を振って打ち消す。
彼女が自分を嫌っているのは、さっき聞いたばかりだ。
それなのに、またしても騙される気か。


59 名前:A crossroads of Fate END1:2008/01/09(水) 02:05:22 ID:iqwo39Wm
「悪いけど、冗談でもなんでもないから。………じゃあね。」
「ちょ、ちょっと待って!なんで?どうして!?」
去ろうとする彼の上着の裾を掴み、フェイトは追いすがる。
ユーノはそんな彼女を鬱陶しそうに睨みつける。
「どうしてもこうしても……自分の胸に聞いてくれよ。」
「…………え?」
その冷たい視線に、彼女への憎悪を込めた瞳に、フェイトの体は震える。
―ユーノに嫌われているという、恐怖で。
裾を掴む手は力を失い、ユーノに振り払われる。
「僕のことをなんとも思ってないくせに、よくもそこまで白々しい演技ができるな、君は。」
溢れる嫌悪を隠そうともせず、ユーノは苛立たしげに吐き捨てる。
フェイトは呆然と立ち尽くす。
自分が何を言われたのか、まるでわからないと言うかのように。
ただ、彼女にわかることは、ユーノは自分を嫌っているということだけだった。
それも、憎んでいるとさえ言えるほどに。
「ユーノ……?何を、何を、言ってるの?」
涙目の彼女を見て、ユーノは微かな不安を感じる。このまま彼女を振ってもいいのだろうかと。
けれど、その不安の理由が何なのか、彼にはわからない。
それが、更に彼を苛立たせる。
激発する感情を、抑えることが出来ない。
「……何をだって?ふざけるなよ!僕をさんざん馬鹿にしてたくせに!!」
「馬鹿に…?」
「ああ、お疲れさま、ハラオウン執務官。僕は、君がべたべた引っ付いてこなくたって、ちゃんと仕事をするさ。」
「やめてよ、そんな呼び方!……ねぇ、どうしたのユーノ?なんで、そんなに怒ってるの?ユーノに嫌われるなんて、わたしは嫌だ……!」
悲しげに、彼女は身を震わせる。その目からは、涙が頬を伝い、流れ落ちる。
ユーノの不安が、圧迫感を増していく。
どうして、機嫌をとらなくてもいいといっているのに、彼女はどうして―
「芝居………なんだろう!?」
「……………?」
訝しげに、彼女はユーノを見つめる。
どうやら、フェイトは彼女がついていた嘘がバレたとは気付いていない。
だから、わからない振りをすればどうにかなると、そう思ってるに違いない。
そうに違いないと、今は信じるしかなかった。
「芝居って何を言って……!」
「なんで、そんなに無理をするんだよ!例のプロジェクトだってちゃんとやるって、そう言ってるだろう?」
「例のプロジェクト?………………」
その言葉に、フェイトはなにか思い当たる節があるのか、考え込んでいる。
どうしてか、その姿を見るだけで、ユーノは不安に駆られてしまう。
さっきから感じている、正体不明の不安に。
「ねぇ、ユーノ?ひょっとして、芝居って…あの時、食堂にいたの?」
「まさか、君の本当の気持ちを聞けるとは思わなかったけどね。」
その時のことを思い出したのか、苦々しげにユーノは答える。
そんな彼を、フェイトは悲しげに見つめ、口を開く。
ユーノが知らない、事実を伝えるために。


60 名前:A crossroads of Fate END1:2008/01/09(水) 02:05:58 ID:iqwo39Wm
「本当の気持ちって、何?わたしがユーノを嫌いだって、好きでもなんでもないって、それがわたしの本当の気持ち?」
「そうなんだろう?まさか、そこまで嫌われてるとは、僕は思ってなかったけど………」
「違う!そんなの、全然違うのに……!」
「………え?」
何故、あの言葉を聞かれたとわかったのに、フェイトは自分の言葉を否定し続けるのか。
不安が、ユーノの心を覆い尽くす。
「何を言ってるんだよ!違うわけがないだろう!?あんなに、言ってたじゃないか、嫌いだって!」
「ユーノ、最後まで聞いてた?最後まで、わたしがユーノのことをあの子に言うまで、ユーノが好きだって、愛してるって、言うまで!」
「は………?」
「聞いてないなら、今言ってあげる。」
すぅ、と深呼吸し、涙を手で軽く拭う。
一点の曇りもなく、まっすぐにフェイトは、ユーノを見つめる。
知らないうちに、ユーノの背に、冷や汗が滲んでいく。
「わたし、フェイト・T・ハラオウンは…ユーノを、ユーノ・スクライアを愛してる。誰にも、誰にだって負けないくらいに。」
嘘だ、と言い返す気力も、なにもかもを吹き飛ばす、それは誓い。
フェイトから、最愛の人への、誓い。
「……………じゃあ、嫌いだって言ってたのは、誰なの?」
「それは、その……スポンサーの人。ユーノも、知ってるでしょ?」
確かに、クロノは言っていた、『スポンサーが、気難しい』と。
事実、ユーノが会ってみて、不愉快な対応を受けた。
多分、クロノは言葉を選んで、『気難しい』という表現を使ったのだろう。
そして、彼は管理局でも有名な資産家である。
「でも、よかった。ユーノ、勘違いしてただけだって、わかってくれた。」
「そ、そうだね。はは、酷い…酷い、勘違いだよ。」
虚ろに、ユーノは笑う。
フェイトは、自分のことを愛している。自身がフェイトを愛していたように。
いや、きっと、それよりもずっと深く。
ならば、自分はフェイトに何を言った?何をした?
彼女を傷つけただけならばまだいい、だが、自分は……
「はぁ……でも、これで別れるって話は、なしだよね?」
彼女とすれば、ユーノが別れようと言った、その勘違い以外の理由を知らないのだから。
だから、その誤解が解ければ、今までどおりでいられると。
安心した表情で、軽く溜息を吐く。
「…………………………」
ユーノは、その誤解の末に、なのはの告白を受けた。
そして、二度と裏切らないと、彼女に。
ずっと一緒にいると、約束をした。
それもすべて、フェイトが彼を嫌っているという仮定の上に成立した出来事だった。
その仮定が間違っていた。
結果、またしても彼は、自分を好きでいてくれた存在を裏切ることとなった。
しかし、今度はひっくり返ることも出来ない。
なのはの告白を受けて、その直後にそれを取り消すなど、あまりにも彼女を馬鹿にした話だ。
かといって、フェイトをこのまま振っていいわけがない。
だが、どちらも選ぶことなどありえない。
ならば、どうするのが正しい?
そんなこと、わかるわけがない。
苦悩する彼に、どこからか声が聞こえる。
『ユーノ君?また?また、わたしを裏切るの?』
暗く、冷たい声が。


61 名前:A crossroads of Fate END1:2008/01/09(水) 02:06:30 ID:iqwo39Wm
「ユーノ、どうしたの?顔色が悪そうだけど……?」
心配そうにフェイトが顔を覗き込んでくる。
けれども、自分には心配される資格などないのだ。
勘違いして、なのはを選んだ自分には。
そして、自分はこれ以上なのはを裏切ることは出来ない。
冷たい声が、呪いのように脳裏に響き続ける。
『もう裏切らないって、ユーノ君、言ったよね?』
わかっている、だから、だからもう、なのはを選ぶ以外の道なんてない。
なのはを選ぶならば、自分のすべきことは―
「フェイト…ごめん……すまない……」
「勘違いしたこと?別にいいよ。そういうの、わたしにもあるから…」
心が、軋む。
そうじゃない、違う。
だから、今は、
そんな、笑顔を見せないでくれ。
「フェイト……君に、君に、言わなきゃいけないことが、あるんだ。」
「えっ……まだ?」
「僕は…僕は、君と…………」
脳裏によぎるのは、彼女との思い出。
この三ヶ月のすべて。
いや、ずっと前、彼女と夜空を見た、あの日から。
あの日からの、思い出。
楽しかったことも、辛かったことも、すべて。
さようなら、と。
彼は、心の中で呟く。
「君と、一緒にいられない……………だから、別れよう。」
いつか、この選択を悔やんだとしても。
今は、正しいと信じるしかなかった。
そんな彼に、あの声が、甘く囁く。
『そうだよ、ユーノ君、それでいいの。』
「あはは……もう、何を言ってるの?」
悲しげに、フェイトは笑いながら、ユーノを不安そうに見つめる。
「もう、またそんな冗談……やめてって…言ってるのに……」
「すまないけど、冗談でもなんでもないんだ。」
フェイトから目を逸らしながら、ユーノは答える。
心の痛みは、今は堪えるしかなかった。
「どうして!?わたしとユーノは恋人じゃないの?なんで…どうして別れようなんて言うの?」
彼女の瞳からは、乾いていた涙が、また溢れ出す。
その涙を止めること、拭ってやることさえ、今の彼には出来ない。
この結論を出してしまった以上、彼女への優しさは残酷でしかない。
フェイトはユーノにしがみつき、縋るように。
「ねぇ、何かわたし、ユーノに嫌われるようなこと、したかな?何が、悪かったのかな?髪形?服装?性格?それとも、仕事が忙しくて全然会えないこと?」
その目はユーノだけを見て、彼に訴える。
「違うんだよ、フェイトは悪くなんか……!」
「髪を切れってユーノが言うなら切るし、服だってユーノの言う通りにする。性格だってユーノの好みになれるよう頑張るし、仕事だって、やめるから……!」
「違う!そうじゃないんだよ!僕が、全部……全部、僕のせいなんだよ!」
「わたし、嫌だよ……別れたく、ないよ…」
水滴が、ユーノの胸に染み込んでいく。
いつかのような温かい涙ではなく、冷たく、悲しい涙が。


62 名前:A crossroads of Fate END1:2008/01/09(水) 02:07:26 ID:iqwo39Wm
「………知ってた?なのはが、僕のことをずっと恋人だって思ってたって。」
「えっ?」
突然話を変えられ、一瞬戸惑うが、フェイトはすぐにその内容に反応する。
なのはが、ユーノを好きだという事実に。
「そんなこと、そんなの、嘘…でたらめだよ!どうして、なのはが……!」
「嘘でもなんでもないんだ。僕だって、なのはに言われるまで、気付かなかったけど。」
「嘘、嘘だよ……なのはは、ユーノよりも仕事を選んだんだよ?それなのに、どうして好きだって言えるの?」
確かに、フェイトならば月に一度のデートならば仕事などサボってでも行くのが当然かもしれない。
「『仕事を頑張ったのは、管理局でやらなきゃいけないことを早く終わらせて、ユーノ君と早く結婚するため』って…だから、」
言葉の途中で、フェイトが遮る。
「違う……!なのはが本当にユーノのことを恋人だって思ってたなら、好きだって言えばよかったのに、言わなかったんだよ?」
「それはそうだけど……」
フェイトは正しい。だが、だからと言ってなのはが間違っているわけでもない。
なのはが行動を起こさなかったのは彼女自身の失敗だが、だからと言ってユーノを好きであることに変わりはないのだから。
「ねぇ、ユーノ…ユーノはなのはに騙されてるんだよ。だから、なのはのところになんか行かないで?ずっと、ずっとわたしと一緒にいてよ!」
「違う。なのはは、僕を好きでいてくれた。それは、嘘じゃない。」
ユーノの強い言葉に、フェイトはうつむき、唇を噛む。
悲しげに身を震わせ、小さく呟く。
「ユーノは、わたしより、なのはの方が好きなの?もう、どうしようもないのかな?」
あの会話を聞かなければ…いや、最後まで聞いていたならば、自分はどうしていたのだろうか。
きっと、きっとだけれども。
自分は、なのはを振っていたと、そう思う。
今感じるこの胸の痛みが、それをなによりも物語っていた。
『でも、ユーノ君が選んだのは、わたしだよ?』
わかっている。だからこそ、こうするしかない。
「ああ、僕が愛してるのは、フェイトじゃない。なのはだ。」
「ユーノがわたしのこと、好きって言ってくれたのは…嘘…………なの?」
「………嘘じゃないよ。」
嘘でそんなことを言えるほど、彼は器用ではない。
本当に好きだったからこそ、フェイトに。なのはではなく、フェイトに言ったのだ。
「嘘じゃないなら、どうして?」
すすり泣きながら、ユーノの胸にしがみつく。
振り払うべきなのに、彼の手は動かない。
優しさなど、残酷なだけだとわかっているのに。
「ただ、フェイトよりなのはの方が好きだった、それだけだよ。」
搾り出すように、内心の葛藤を殺してユーノは答える。

(もう、やめてくれ、フェイト。僕のことなんて、こんな酷い男のことなんてどうでもいいじゃないか。)

「わたしの方がなのはより、ずっとずっとユーノのことを好きなのに、愛してるのに……どうして……どうして…」
壊れたように、どうして、と呟く彼女を見て。
ユーノは、気付いてしまった。
フェイトはきっと、告白を受けたあの時から、彼にずっと依存していて、もう引き返せないだろうということに。
彼女には、いつだって居場所が必要だった。
最初の居場所は、彼女の母親。
けれども、そこは彼女ではなく、別の存在の居場所だった。
彼女は、必要とされなかったのだ。
次の居場所は、なのはだったのだろう。
けれど、そこは彼女だけの居場所ではなかった。
きっと、そうだったからこそ、フェイトはなのはの隣を諦めたのだろう。
なのはの隣ではなく、ハラオウン家に居場所を求めていれば、こうはならなかったのかもしれない。
だが、彼女の心をあの時救ったのは、彼らではなく、なのはだったのだ。
そしてユーノは、フェイトの、フェイトだけ居場所でいることを、受け入れた。
だからこそ、彼女にとってはユーノはどれほどまでも執着しなくてはならない存在になった。
彼女がすべて受け入れられる場所、それを手に入れた今となって、失うことは絶対的な恐怖だ。
そうならば、フェイトを振るのは間違いではないのか。
ここまで依存しきっている彼女を振り捨てることは―


63 名前:A crossroads of Fate END1:2008/01/09(水) 02:08:21 ID:iqwo39Wm
『大丈夫だよ。だって、今までも居場所がなくなってるのに、立ち直ってるんだもん。フェイトちゃんなら、きっと大丈夫だよ。』
そう、なのかもしれない。
フェイトならば、新たな居場所を見つけられるのかもしれない。
そう考えなければ、今の自分を肯定することは出来ない。
今の自分を肯定しなければ、また、なのはを。
そこまで考えたとき、フェイトがぎゅっと強く上着を握る。
「ねぇ、ユーノ……わたしのこと、嫌いじゃないんだよね?」
感情を押し殺したように、フェイトはうつむく。
ここは嫌いだと言うべきだと、わかっている。
しかし、もう彼は言ってしまったのだ。
フェイトのことを好きと言ったのは嘘ではない、と。
「ああ………」
「なら、恋人じゃなくていい、だから、だから……ずっと、わたしの居場所でいて欲しい。いいよね?」
「何を言ってるんだよ!そんなこと、出来るわけが……!」
その言葉に、フェイトはゆらりと顔を上げて、ユーノを見る。
「……ッ!?」
フェイトの瞳は、いつもの輝きを失い、暗くよどんでいる。
そして、笑っていた。
彼女は、壊れたような笑みを顔に貼りつけ、その飢えた瞳が、ただユーノだけを求める。
その壮絶さに、恐怖する。
足がすくみ、後ろに退くことすら出来ない。
「出来るよ。だって、ユーノが、わたしのことを好きだって、愛してるって、言ってくれるだけでいいんだから。」
「そ、そんなこと………」
「ね、別にいいんだよ、本当の気持ちじゃなくたって。そう言ってくれるだけで、わたしは幸せなんだから。」
そうだとしても、そんなことを受け入れるわけにはいかなかった。
ここまで彼女を追い込んだのは自分だ。
だが、フェイトと関係を続ける時間が増えるたび、二人とも苦しめることになる。
もう自分は、決めてしまったのだから。
「僕は、君とは一緒にいられないって、そう言ったはずだけど。」
「じゃあ聞くけど…どうして、一緒にいられないの?」
「それは…その、なのはと恋人でいるって、そう決めたから。」
「だけどそれは、わたしと会ってもいけないってことじゃないよね?」
虚ろな瞳が、ゆっくりとユーノの心を追い詰めていく。
このままでは、彼女の提案を受け入れてしまうかもしれない。
そんなことになるぐらいならば、そんな形でフェイトを束縛するぐらいならば。
「いや……もう、会ってもいけないって、そう思うんだ。」
「…………………え?」
「フェイトにとって僕が居場所であるかぎり、僕はフェイトに会おうとは思わない。」
いっそ、完膚なきまでに嫌われたほうがマシだ。
「他の誰かが、僕の位置になるまで。それまで、僕は君に会わない。」
「ははっ……そんなの、出来るわけないよ。だって、わたしにはユーノ以外の居場所なんて、欲しくもないし、いらないから。」
「じゃあ、ずっと僕は君に会わないさ。そうなると、これが最後かな。」
冷たく、淡々とユーノは答える。
今はどんなに心が痛くとも、耐えるしかない。それに、より心が痛いのは自分ではなくフェイトなのだ。

64 名前:A crossroads of Fate END1:2008/01/09(水) 02:08:53 ID:iqwo39Wm
「そんなの……やめてよ。」
彼女はうつむき、小さく、小さく呟く。
涙は、頬を伝って、地面に落ちていった。
「僕は、もう、フェイトとの関係に戻れない。」
「嫌だよ……ユーノ、やめてよ!わたしは、ユーノが隣にいればそれだけでいい。そこだけが、わたしの居場所なんだ。」
ぎゅっと、強くフェイトはユーノにしがみつく。
離れたくないと、言わんばかりの力を込めて。
今度は、それを振り払う、振り払わなくてはいけない。
「あっ……!?」
無言でユーノはフェイトを振り払う。
力を入れすぎたのか、フェイトは地面に倒れこむ。
「フェ……!」
助け起こそうとして、思いとどまる。
ここでの優しさは残酷なだけだ。それに、彼女に嫌われたいのならば。
くるり、とユーノは彼女に背を向ける。
これ以上、ここにいれば、決心が傾いてしまうかもしれない。
「……もう、会わないと思うけど。…………じゃあね。」
「嫌だよ!行かないでよ!わたしは、わたしはユーノしかいなくて、誰だってもう要らなくて…ユーノ!ユーノぉ!!」
必死に、涙を流しながら、倒れこんでもなおフェイトは、ユーノに縋ろうと、立ち上がろうとする。
追おうとする彼女は木の根に足をとられ、また倒れこむ。
「痛いよ……助けて……助けてよ、ユーノ…」
これ以上、彼女の言葉を耳に入れてはいけない。
そう、心に念じて振り向かずにそのまま進んでいく。
ぐっと強く唇を噛む。
すべて悪いのは自分だ。だから、心の痛みを感じる権利なんて、涙を流す権利なんて、ない。
今の自分にあるのは、なのはとの約束、それだけだ。
「……ユーノ!!……うっ、うああ………あああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
去っていくユーノの背中を、赤い、血のように真っ赤な瞳が、虚ろに見つめ続ける。
ずっと、ずっと。








65 名前:39-362:2008/01/09(水) 02:14:44 ID:iqwo39Wm
END1は次回で終了です。
もっと酷い修羅場を期待してた人にはごめんなさいとしか言いようがないです…


>>37
保管庫の更新、お疲れ様です。
とりあえず、タイトル未定のままなのが気になりました。
あと、3話の続のあとの一文は必要ありません。
作者名も、38スレ563ではなく、39-362にしていただけるとありがたいです。


>>48
やはり、リンディさんはいいですね、GJです。
エロが書けるのは、すごいことだと思います、はい。

66 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 02:27:53 ID:pRYcYVvS
GJっす!
フェイトカワイソス

67 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 02:33:00 ID:n5w75Dj5
>>65
GJです…でもフェイトさん好きとしては心が痛む……
でも報われるENDもあるのだと思えば読み続けられるぜ

68 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 02:42:20 ID:hIjBeozZ
>>65
GJ!
フェイトさんには薄幸の香りがするから、こういう役回りは結構似合ってる
…といったら>>67に怒られてしまうかなw

69 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 02:42:26 ID:KPFvpoVy
GJ!
だが淫獣に少し殺意が沸いた。

70 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 02:46:42 ID:ozZGCDtv
>>65
GJすぎるゆえに苦しまねばならぬ

71 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 02:56:26 ID:TUD+B3Ls
>>65
GJです!
続き、お待ちしておりましたっっ!!


72 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 02:59:52 ID:IwXaNBur
GJ!!やばいッ!!ヤンデレスイッチを激しく連打したユーノですね。
フェイトに潜むプレシアママンの血が燃えるときがッ!!
コトノハ様のような未来が見える・・・。

リンディもいいが未亡人はまだいるぜッ!!
プレシア・・・ユーノとプレシアッ!!

73 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 03:02:35 ID:vi6ZtEsB
>>65
GJ!
早くも続きが読みたいくらい楽しみです!

この話の場合、あの時食堂でフェイトに直接問いただすか、
最後までフェイトを信じぬく事が出来てればBAD(?)ENDを回避できてたんでしょうか…
他の分岐はどうなるのか楽しみにお待ちしておりますw

74 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 03:11:04 ID:SyUr+bo2
>>65
GJです!
なんとなく最後は『ないすぼーと』臭がしますねw

75 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 03:32:32 ID:CTfJ/Xbz
>>65
うおお・・・心が痛いぜ・・・GJ!

続きと分岐が気になってしかたないです

76 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 04:45:32 ID:7zm+9Nio
>>65
待ってましたぁぁぁ!
このなのはさんならフェイトちゃんが首吊っても間違いなく半笑いしてる。
続きも楽しみにしてます!

77 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 05:20:05 ID:lhUoE9RI
>>65
uoooo
フェイトそんが可哀想過ぎる
他のエンドではユーノくんの漢をみせてもらいたい

78 名前:ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2008/01/09(水) 06:48:49 ID:PuLpPBOi
おはようございます!もう次スレですか。兄貴もびっくりの速さだぜ
シャーリーさんはちょっと可哀想な役目かもしれません。ごめんなさい
そして保管お疲れ様なのです。物臭な私からすればいくら感謝しても感謝しきれないぐらいなのです(単純作業が苦手)

(レスっぽいもの)
>12 楽しいなぁwwwスバルが地獄と天国!を使いそうな勢いだwww

>37 本当にお疲れさまです……で、まあ細かい事なのですがお願いしてもよろしいでしょうか……(汗汗)
リンディとレティのバーのシーンの直前の〜の手前に改行をお願いできますでしょうか……(筆者のミスです)
同じく39スレ前編のお開きになってからほどなく――の直前が2行改行になってたり……これも1行のはずでした。ごめんなさい
あとディバイン――とプロポーズの所は後ろに1行改行だけで直前の改行はなしの方がよさそうです
はやての一人称が直ってるとかヘヴィバレルのところとかはナイス編集であります。感謝の極みです
それからファイルはアップロードするかもしれませんが、突合せ等は不要です。保管庫はあくまでスレの歴史ですからね

>48 頑張れジョン君。うっかりできちゃったらクロノに殺されそうだけど頑張れ

>64 ああああああフェイトそんヤンじゃった!派手でなくてもいいよぉ。切なさがひしひしと


修羅場はなぁ……取り合われる側が揺れてないといけないし、気持ち、立場が拮抗してないと盛り上がらないし、
なのは世界だと実戦闘力まで拮抗してないといけないからなぁ。単なる戦闘ならすぐなんだけど、それはまた違うし……


(注意書き)
[熱血魔法少女"恋愛"アクションSS〜ソラノカケラ〜第46回・クアットロ再び(5)][当分非エロ][多分シリアス]
シルバーカーテン、もといNG発動キーはタイトルで「ソラノカケラ」「ゲリラ兵」を指定すれば確実に消えるかと思われます

相変らずクア姉が悪役です。ディードがいい子です。あとはなんだ……短いです⊂´⌒つ。Д。)つ

では、朝刊〜

79 名前:〜ソラノカケラ〜(46)(1/2):2008/01/09(水) 06:49:57 ID:PuLpPBOi
 クライドがいつも通り夕食の準備をしていると、つけっぱなしのTVの画面から不穏なニュースが流れてきた。
「臨時ニュースです。J・S事件における重要参考人が脱走し、テロの危険性がある為、管理局地上本部より外出禁止令が発令されました。
道路等、公共機関等も全て封鎖、停止されます。繰り返します、管理局地上本部より外出禁止令が発令されました。
一般の方は、屋内に非難し絶対に外に出ないようにして下さい。テロの危険性があります」
そしてしばらくして画面が切り替わり、地上本部の広報担当が記者会見を始めたが、釈然としない説明ばかりで記者陣からも半ば怒号が浴びせられ始める。
相変らず後手後手だな、と彼も内心呆れてから窓に寄って外を見上げてみると陽は傾いていたが、まだ夕暮れには遠く不気味なまでに晴れ渡っていた。
(はやて――無茶をしなければいいのだが)
何か果てしなく嫌な予感がして、茶色い髪の愛しい少女の無事を祈らずにはいられなかった。

 同日、時刻午後4時30分――クアットロの爆破予告時刻まで残り1時間40分の首都クラナガン、管理局地上本部上空。
青い道をローラーブーツで駆け上ってきた戦闘服姿のギンガに、丸い眼鏡のW番の人は、一瞥をくれるとひどくつまらなさそうに眉をひそめた。
「あら、タイプゼロのファーストさんじゃないですか。何か御用ですかぁ?」
嫌悪感全開の口調にも、顔色ひとつ変えず、きりっと返す。
「貴方を説得に来ました」
その言葉に思い切り吹き出す。
「説得?妹を目の前にしても力づくでしか止まらなかった貴方がどの口でそんなことを仰いますのぉ?」
表情は変わらなかったがさすがにぎぎぎ、と拳に力が入る。
「あらぁ?いいんですかぁ?私を殴っちゃったらどかーんといっちゃいますよぅ〜?」
ギンガの忌々しそうな視線を蔑んだ瞳で若干見下ろすクアットロは、かなり楽しそうであった。
そんな緊迫した空気に今度は黄色の道をジェットエッジで駆け上ってきたノーヴェがきゅっ、と止まって切り込む。
「クア姉!もうやめようぜ!」
「あら、ノーヴェちゃん、おひさし――」
と、うさ耳のついた彼女を見た瞬間、クアットロは激しく笑い出した。
「あははははは!な、な、なにその可愛らしいお耳は!どーしちゃったの、ノーヴェちゃん!お姉さんを笑い殺す気?!」
ばんばんばん、と秒単位で時間が減り続けている1時間38分と表示されている薄い青い色の表示を叩きながら、必死でスイッチを抑える手が外れないように腹部に抱え込む。
ここまで笑われるとは想像していなかったノーヴェが、場にそぐわないと分かっていつつも照れながら膨れた。
「い、いーじゃねえか別に」
「あーもう、ひぃ、もうほんとに。あー、あぶない。大事な人質をぼかーんしちゃうところだった」
ようやく笑いを抑えて、本題に戻る。
「で、ノーヴェちゃんも私の説得に来たのぉ〜?」
「うん。もうやめようぜ、クア姉。意味ねえよこんなの」
「意味があるかどうか、ノーヴェちゃん、分かるぅ〜?」
「それは……わかんねえけど、とにかく、よくねえよ」
ボードで上昇してきたウェンディが、黄色い道の上の言葉に詰って俯いてしまったノーヴェの隣に飛び降りる。
「クア姉、今更ドクターを連れ出してもしょうがないっすよ。こんなことやっても悲しいだけっす」
「あらあら、ウェンディちゃんまで〜。あの連中にすっかり毒されちゃたみたいねえ」
そして最後に、オットーを後ろに従えて共にクアットロの正面に静かに浮かび上がってくるディード。
ジーンズの後ろのポケットに彼女の2本の武装は入っていて、素手であった。
「クアットロお姉様……もうやめましょう」
「あら、ディードちゃんまで?前はもっといい目をしてたのにぃ〜」
「クアットロお姉様……」

80 名前:〜ソラノカケラ〜(46)(2/2):2008/01/09(水) 06:51:04 ID:PuLpPBOi
 ノーヴェがクアットロに笑われている隙に、全く気づかれずにガジェット郡上空に転送を成功させたフェイトであったが、
正直体を張って探すのはかなり辛かった。
多少の気分の悪さなんて、やっている任務の緊張感からすればたいしたことは無く、むしろその緊張感の方がよほど気分が悪くなりそうな代物であったから、
はっきり言って区別がつかないのである。
(弱ったな……よっぽど近寄らないとこれじゃわからないよ……)
眼下にU型の群れと、その群れの先に見える割と高度差があるクアットロを囲んだギンガ達を見守りながら、通信の画面を開く。
「シャーリー、どう?過去の幻術パターン、使えそう?」
「はい!全部一致してます。実機の判別データ、バルディッシュに送ります!」
「うん、お願い」
ほんの数秒の後、バルディッシュの黄色い宝玉が光る。
「...recieve complete(受信完了)」
「よし……幻影は落とす。いい?はやて」
「……おっけー。まあ遅かれ早かれ気づかれるやろうし、いくしかないな」
念話でギンガの後ろの少し離れた辺りに居る親友に一応の保険を依頼する。
(なのは、無駄かもしれないけど最悪の場合何とか指を抑えるようにレストリクトロックで狙ってみて)
(うん、了解)
「いくよバルディッシュ!プラズマランサー!」
「Plasma Lancer Set」
足元に黄色い魔法陣を展開して、8つの小さい環状魔法陣を伴った光の球を生成する。
「コントロールはお願い!」
「Yes, Sir」
「様子見で一発だけ、ファイア!」
「Auto Single Shot」
バルディッシュに制御の渡された単発の光の槍が、無作為に旋回しているU型の一機に命中した。
想定ではすり抜けるはずであったが、派手に爆発が起きる。
(え?)
「シャーリー!これ実機!」
「えっ!?」

 爆発が起きた瞬間、当然それに気づいたクアットロが上を見上げて、その場の全員に緊張が走る。
「あっら〜ん、いつの間にか随分大きなねずみさんが紛れ込んでますね〜?
こそこそなさるのも結構ですけどぉ、大当たり引いちゃったら何もしなくてもどっかーんですよぅ〜?」
余裕と言った感じの笑みで、再びディードと対峙する眼鏡の人。
ナンバーズ末っ子の瞳は、J・S事件当時では絶対に見られなかった、寂しさと悲しみに満ちていた。
「お姉様、もう事件は終わったんです……帰りましょう」
「貴方達と一緒にあいつらの犬になれって?お断りしますぅ〜趣味じゃないですからぁ」
「いつまでも争いを続けても、無意味です」
「……意味があるかどうかは、歴史が決める事よぉん?そして歴史を作るのは勝者。負け犬はぽぽいのぽ〜い、でしょ」
「いいじゃないですか、私達の負けで。歴史に名を残さなくても、勝者でなくても、生きていく意味はあります」
「ふぅ〜ん、随分変わったわね、ディードちゃんつまんない子」
「クアットロお姉様……」

81 名前:ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2008/01/09(水) 06:51:33 ID:PuLpPBOi
ほいではまた〜ノシ

82 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 08:04:18 ID:kRDOXdBO
>>81
GJ!ナンバーズの精神面での成長には脱帽。
続きを早く!!

83 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 09:26:33 ID:ijzKTc8u
>>65
GJ
でも今回の話のシーンで俺がユーノきゅんの立場ならどうしてたんだろう
やっぱりあそこまで人を傷つけたんだからプライド全て投げ捨てて土下座して
許しを請うしか思いつかない
プレイボーイだったらもっとマシな方法思いつくんだろうけど
……まぁユーノきゅんは俺の隣で寝てるから関係ないけどねGJ

84 名前:漢たちの挽歌あとがき:2008/01/09(水) 09:53:17 ID:GzBUXJLm
>>81
朝刊GJ!

さて、投下よろしいですか?"漢たちの挽歌その8"今回は『いつもに比べて』
長めですが・・・

何人かの期待を裏切ってるかも(汗)

85 名前:43-154:2008/01/09(水) 09:57:41 ID:GzBUXJLm
あ、まだ書いてないのにあとがきになってる(泣)。
>>84でのミスはスルーしてくださいまし。

86 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 11:00:15 ID:Iv0wD6+L
>>48
リンディ提督エロすぎwwww
もっと書いてくれw

87 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 11:25:53 ID:49pFT1F/
>>84
どうぞ

88 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 12:34:26 ID:iPPQETyB
携帯ではwikiの保管庫読めないのね(´・ω・`)

89 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 12:36:49 ID:oq/DaPkl
そろそろ中将SSの人こないかな〜

90 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 12:44:14 ID:welXmcZ6
>>88
携帯で読む香具師もいるのか…。
SSの中に含まれてるアラビア文字とか文字化け起こしてたんじゃ…?

91 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 12:44:39 ID:n5w75Dj5
>>88
ファイルシークとか使えばよめるんだぜ

92 名前:漢たちの挽歌注意書き:2008/01/09(水) 12:48:17 ID:GzBUXJLm
では投下します。
今回の注意
エリオと結ばれるのはキャロだけだ!と信じる人はスルーした方がいいです。
英雄とは清廉潔白な人だ!と考える人はスルーで。
今回、本編で一度もしゃべってない人がしゃべります。口調などはやはりスル
ーでお願いします。では・・・・

93 名前:漢たちの挽歌その8(1/5):2008/01/09(水) 12:49:06 ID:GzBUXJLm
がたん、と言う音がした。

同時に部屋の気温が下がった気がした。

そして僕は見た。ああ、きっと死神というのがいるのなら、こんな姿なのだろう。

−−−グリフィス・ロウラン



とうとうVIP席からみえる位置に女性陣が姿を現した。今のところ、直接姿を見たグ
リフィス以外は気付いた様子は無い。彼の宵はすでに虚数空間の彼方に吹っ飛んだ。
其処に

「さーて、じゃあはじめようぜ!」
と言うヴァイスの声が響いた。グリフィスの顔が青ざめているにも気付かず、彼はノ
リノリである。よっぽどこのゲームが好きらしい。
そして、おおよそ内容は想像がつくもののあえてティアナが問う。

「へぇ。それってどんなゲームなんですか?」
「そりゃぁ、まず俺達が目をつぶるだろ。そんでもってお姉ちゃん達の胸を触って
さわり心地で誰だかあ、て・・・・る・・・・・」
「それで?どうするんですか?」

94 名前:漢たちの挽歌その8(2/5):2008/01/09(水) 12:49:31 ID:GzBUXJLm
ヴァイスがようやく気付く。話しながらに背後を振り向くと其処にいたのは。修羅が
いや、魔王がいた。
(魔王ってのはなのはさんの専売特許じゃなかったのか?いや、そんなことより何で
この場所が?って言うかどうやって誤魔化す?いや逃げるのか?てか、逃げれるのか?
此処に姐さんがいないのが救いか?いや、あんまし意味ねえ・・・)

エリオ・ヴァイスの2名の酔いも一気に醒めた。そして異口同音に尋ねた。

『何でここに?』

「ヴァイス陸曹の部屋の机の上にクロノ提督からの連絡用媒体が残っていたんです」

『な、なんだってー!!!』

もはや彼らは大パニックである。
何でそんな見つけやすい場所に置いといたんですか!?
とか、
つーか何で部屋に入れたんだ!?
とか、
そんな時間に何の用が!?
とかが一切消し飛ぶほどだった。

「あ、とりあえず皆さんは危険なんで裏手の方に行ってて下さい」
シャーリーが嬢達に言うと、彼女達は釈然としないながらも危険を感じたのかいそいそ
と戻っていく。その際・・・・
「がんばってくださいね!」
「生きてたらまたきてん♪」
と言う応援のメッセージに混じってから
「ヴァイスさん?今度よろしかったらご飯食べに行きましょう」
「グリフィスさんの手、きもちよかったですぅ」
「エリオ君才能あるわ。もう少し大きくなったらお姉さんとイイコトしましょ」
等、爆弾を置いていった。

95 名前:漢たちの挽歌その8(3/5):2008/01/09(水) 12:50:04 ID:GzBUXJLm
「で!?」
男たちは地べたに正座させられている。彼らの前にはやては仁王立ちで3人を問い詰め
る。ちなみになのははどこかへ行ってしまい、フェイトは先ほどの爆弾発言を聞いてから
心此処にあらずと、いった様子だ。
「いや、その・・・・」
「何と言いますか・・・」
「ええと・・・・」
どもる3人に続いてティアナが
「楽しかったですか?」
「ああ!」
「もちろん!」
「最高でした!」

サムズアップして馬鹿としか言いようの無い答えを吐いてしまった。


そうして・・・・


case 1 ヴァイスの場合

「さて、ヴァイス陸曹?クロスファイアとダガーでの一刀両断。どっちがいいですか?(ハ
イライトの消えた瞳に黄昏色のオーラ)」
「いや、俺の命の保障は!?」
「そんなものあるとでも?(嘲笑)」
「理不尽だぁぁぁぁぁ!!!」
叫ぶヴァイスの胸倉を涙目のスバルが掴み前後に烈しくゆする!
「こっちの方が理不尽ですよぉ!ティアが帰って来たと思ったら腕引っつかまれて会議
室ですよ!ヴァイス陸曹も男の人だからこういうお店に行きたがるのも解からなくは無
いです!“お父さんだって”行ってますからそんなことで攻める気はありません!!だからっ
て、よりによって何だって今日なんですか!?ティアが一念発起した今日に限って!ソレも
よりにもよって証拠隠滅が杜撰なまま!!!!おかげで私はなのはさんとティアの二人のオ
ーラを直接浴びまくったんですよ!!!見てくださいよこの髪!!!なのはさんを押さえ込む時に
非殺傷設定で撃たれて焦げちゃったんですよ!!!!!」
「あががががががが。た、助けてくれれれれ・・・・・ア、アルトぉぉ・ルキノぉぉぉ・・・・がが
がが」

烈しい振動の中でも意識を失わないのは流石はヘリパイといったとこか(あんまり関係
ない気がするが)。そんな中後輩二人に助けを求めるも・・・

「「サイッッッテェェ!!!!」」

の一言で見捨てられてしまった。

96 名前:漢たちの挽歌その8(4/5):2008/01/09(水) 12:50:29 ID:GzBUXJLm
case 2 グリフィスの場合

彼は、足元を凍れる足かせで固められている。
その後ろでは満面の笑みのヴィータがグラーフアイゼンで素振りをしている。早く鬱憤
を晴らしたいらしい。正直身動きが取れない状況ではかなり怖いと思う。
そして、はやては・・・不気味なほどの無表情で一言もしゃべらなかった。そんな沈黙に
耐えかねたのかグリフィスが弁明を始めようとするも・・・
「あのコレは・・・その・・・」
「言い訳なんて聞きとぉない!!このムッツリスケベ!!!!」
バッサリやられてしまった。しかもムッツリスケベ呼ばわり。憧れている女性からの一
言はかなり効いた。(←じゃあ、ランパブなんて来なきゃいいじゃん!)
「シャ、シャーリー!!」
そこで、近くのシャーリーに助けを求める。幼馴染の彼女ならば!と期待したものの手
遅れだった。彼女はどこかと通信していた。
「え、あ、はい。じゃあ通信変わりますね。はい、グリフィス。お客さんよ」
「お、お客さん?・・・まさか」
サァッと顔から血の気が引いてくのが彼にはわかっただろう。

「ええ、貴方のお・か・あ・さ・ま・よ。ムッツリスケベ君」
彼女も先ほどの発言により何かが切れたらしい。
「ひさしぶりね、グリフィス。元気だった?」
通信の相手は、レティ・ロウラン提督だった。

たかが、母親に見つかったくらいで・・・・とお考えの諸兄、それは違う。想像してみてほ
しいエロい本を読んでる時に母親がノックもせずに部屋に入ってきて現場を見られた
気分を・・・・・

猶、レティ提督の家族の語らいはその後数分にわたって続き・・・・・

「一通り話は終わったわ。じゃあ、おやすみなさい(ブツン)」

「グリフィス?生きてる?」
「・・・・・」
話が終わったときにはグリフィスは真っ白に燃え尽きていた。

97 名前:漢たちの挽歌その8(5/5):2008/01/09(水) 12:50:49 ID:GzBUXJLm
case 3 エリオの場合


エリオは困惑していた。
なにせ好きな女性が、いつもは凛々しくてとても優しい女性が自分を抱きしめてワンワ
ン泣いているのだから。
「エリオぉ。エリオぉ・・・。今度からはもっと一緒に居れるようにするから。お風呂だって、
食事だって、お布団だって一緒にするから・・・・私をおいていかないでぇ」
フェイトも最初は“胸を触って誰か当てようゲーム”などと言う破廉恥なものに積極的に
参加しようとしたエリオを叱ろうと思っていた。しかし嬢の一人が残した爆弾が思いの決
壊の引き金となったのだ。
ここで、『普段の貴方の妄想のほうがずっと破廉恥ですよ』などと突っ込んではいけない。
私(作者)も全力で我慢しているのだ。
「あ、あのフェイトさん?」
「なんで、こんなお店に来たの?やっぱり私は魅力がない?それとも私のこと嫌い?」
「えと、あと、その・・・・」
「確かにエリオは法律上は大人だよ。でも、でもだからって・・・」
フェイトの言葉は涙に混じって途切れだした。
「あの、フェイトさん。僕は確かにフェイトさんから見たら子供ですけど、男なんですよ」
「私じゃ・・・・」
「え」
「私じゃダメなの?」
「フェイトさん?」
二人見詰め合う。
「私は、エリオのことが好きなの。この世のどんな男の人よりも絶対に!貴方が子供だから
って関係ない。エリオが好きなの。貴方を愛してるの!!」
フェイトの声にエリオはやっと追いついた。
「フェイトさん・・・・」
「え?」
「僕もフェイトさんのことが大好きです」
「エリオ・・・」
「フェイトさん・・・」

桃色空間を形成しつつある二人に対し、まったく空気を読まず(と言うか読めず)キャロが小首
を傾げつつ一言放った。
「ねえ、エリオ君?エリオ君はやっぱりオッパイを触るのが好きなの?」

その後、勿論お説教が始まったのは言うまでも無い。

ここでも、一つ想像してほしい。大好きな女性から『女の子の胸というものは・・・・・』などと延々
言われる気分を。実に暗澹たる気分になるのではなかろうか。



その後、10分ほどで男達は連行されていった。後にこのときのボーイは語る。
「バインドで雁字搦めに拘束されて連れて行かれる3人を見たときにはドナドナが聞こえたよう
な気がしました」
と。

いや、だからなんでドナドナを知ってるのミッドの人!?

98 名前:漢たちの挽歌その8あとがき:2008/01/09(水) 12:54:27 ID:GzBUXJLm
はい!以上です。
今回も私の妄想とか何とかいろいろハッチャケました。
今回は精神攻撃編です。皆さんお楽しみの肉体攻撃編(全年齢)は次回です。
(注)作者はR18を考えてなかった!
この後少しおまけがあります。それでは。

99 名前:漢たちの挽歌その8おまけ:2008/01/09(水) 12:54:56 ID:GzBUXJLm
おまけ1 グリフィスの前で無言を貫くはやての胸中

ここで喋ったらあかん。此処は徹底的に冷たくあたって・・・・

「あのコレは・・・その・・・」
「言い訳なんて聞きとぉない!!このムッツリスケベ!!!!」

・・・・・あたって、少し間をおいて優しくするんや。そしたら、グリフィスの気持ちは完全に私の元
に倒れる。それからは勿論お楽しみのイイコトの時間や。ふふ、ふふふふふふ。クロノ君たちも
グリフィスを悪の道へ誘い込んだことは許す気にはなれへんけど、この一点に関してだけは評
価したってもええかなあ。

実は、こんなこと考えてました。



おまけ2 その頃なのはさんは?

なるほど、やっぱりユーノ君ってば私とのお出かけを断ってる時の3回に1回はこのお店に来てるの。
クロノ君たちと一緒に来るのがほとんどみたいなの・・・・・クスクス。

あ・し・た・が・た・の・し・み・な・の♪

白い大魔王EX ver2に進化していた。



おまけ3 六課メンバーが帰った後付近のVIP席にて

「いやぁ焦った焦った。六課のメンバーが入ってきた時には如何しようかと思ったよ」
「いや、まったくだ。下手をすると此処を作る許可を出したのがワシらだと解かってしまうからな
ぁ」
「あの若いモンにはかわいそうじゃがいい隠れ蓑になったな」
「うむ、まぁ詰めが甘かったのを悔いてもらうしかあるまいな。ハッハッハッハッ」
彼らの名はラルゴ・キ−ル 、レオーネ・フィルス 。時空管理局の黎明期を支えた『伝説の三提督』
の内の二人であった。『英雄、色を好む』と言うがその典型的な例であった。

100 名前:漢たちの挽歌挨拶:2008/01/09(水) 12:56:08 ID:GzBUXJLm
それでは今度こそ、失礼します。

101 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 13:51:40 ID:Cbc6RdQe
GJです。

皆さん予想よりは、扱いがいいですね。
明日は、リンディさんの登場か?

102 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 13:52:17 ID:7rgboUUh
とりあえず、淫獣の命が風前の灯なきがしてならないGJ!
エリオは美味しいとこもってったなw

あと、クロノというかハラオウン家は一体どうなってしまうのかが(ry

103 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 13:57:17 ID:5OwuVfCW
エリオは助かったのか?
それとも搾り取られるのか?

ナンにせよGJ

104 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 14:16:21 ID:E3nOUq2T
死地に趣く三人の漢に敬礼と作者にGJを
でも、この三人って明日もずっと六課のターン状態なんでしょうね……

>>白い大魔王EX ver2
まだ神化もとい進化する余地があるんですか?!?!もう魔王や冥王より上の称号なんてあまりないのに……淫獣のライフは何処まで持つのかな??

105 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 14:33:41 ID:Cbc6RdQe
でもランパブなのが救いですよね。
これが、さらに上級の風俗にエスカレートしていたら…

衛星軌道上からのSLBで店ごと蒸発か…

106 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 14:58:35 ID:5MuQIKhG
なのはをパチンコにしよう!!
みんなでこれをコピペしてアチコチに張ろう!!
また、アニメの人気も爆発するよ!!

CR魔法少女リリカルなのはStrikerS
メーカーはアクエリオンや倖田來未の完成度の高さでおなじみのSANKYOさん希望!!
大元はエヴァ、アクエリオンのビスティ。

―魔法少女、打っています。

ステップアップ予告
1スバル「リーチがかかるみたいだね♪」

2ティアナ「リーチ!?クロスミラージュ!!」

3はやて「うちが行くわ!!」

4フェイト「行くよ!バルディッシュ!!」

5なのは「レイジングハート…」>>ロング台詞>>「少し…頭冷やそうか」プレミア!!

その他、BJバージョンや変身時(セクシー系)も存在!?

2R確変に魔王モードが有る!?
大当たり中の曲にはOPEDは勿論、挿入歌も!?
ゆりかごモードは大当たり目前!?
ヴィヴィオはプレミア、確変確定!?

色々、楽しめそうな台になりそう!!みんなでリクして作ってもらおう!!

107 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 15:11:41 ID:mRhXrZ6A
朝鮮玉入れとか滅べよ

108 名前:ておあー:2008/01/09(水) 16:05:55 ID:MYxfIX/r
前回書き込めなかった原因がさっぱりわからないままですが再度投げ込みにチャレンジ。
つかもう新スレ100突破なんですね……

今回の注意

・単発非エロ
・グリフィスとシグナムの話

小ネタなんでさほど注意する事もないはず。


109 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 16:07:59 ID:MYxfIX/r
 それは『JS事件』が終結し、事後処理に追われた機動六課も少し落ち着いてきたある日のこと。

「はああっ!」

 事件で大破した隊舎が再建中のため、暫定的に六課の司令部になっている艦船アースラ。
 その訓練場に、すぱこーんと心地良い音が響いた。

「さあもう一度だ。それとももう限界か?」

 愛用する炎の魔剣の代わりに、第97管理外世界製の竹刀を携え訓練場に立つのは機動六課ライトニング分隊
副隊長、シグナム。

「あ、あの……シグナム副隊長」
「どうした?」
「その……もう少し、手加減と言うものを……」
「生憎私は他人にものを『教える』のが苦手でな、実戦に近い形でしか相手に何かを伝える事ができん。故に
手心を加えてしまうと、ただ一方的に相手を打ち据えるだけになってしまうのだ」
「そうですか……」

 そしてシグナムに打ちのめされ床に倒れているのは、同ロングアーチ所属で部隊長八神はやての補佐を務める
青年、グリフィス・ロウランである。


 一見同じ部隊である事以外に共通点のなさそうな両者がなぜこのような場所に二人でいるのかというと、上に
記した役職以外の、彼女達のもう一つの役職に関係がある。

 はやてを中心とした部隊員達がオフシフトの際にその穴を埋める交代部隊。その部隊長を務めるのがシグナムで
あり、指揮官を務めるのがグリフィスである。つまり二人は画面に映らな……もとい、陰では意外と話をしたり
行動を共にしたりする機会が多いのだ。
 そして今二人がこのような状況にある理由も、二人が勤務中に交わしたある会話がそもそものキッカケである。

「そんな事では強くなれんぞ」
「……別に、シグナム副隊長のような強さを求めているわけではないんですが……」
 竹刀を杖代わりにしながら、グリフィスがよろよろと立ち上がる。
「ボクはただ、『内勤組の自分でも、少しくらいは体を鍛えた方がいいかもしれない』と言っただけであって、
何も魔導師と体一つで渡り合えるようになりたいわけでは断じてないです」

 そうシグナムに話したその翌日、彼はなぜか訓練室に連れてこられしこたまボコられ続けているのであった。

110 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 16:10:08 ID:MYxfIX/r
「むう……とはいえ、先日の六課襲撃のように内勤組であろうと戦闘に巻き込まれる機会は少なからずある。体は
鍛えておいて損はないはずだぞ」
「だから、同じやるのであればもっと基礎的なところから……ぎゃふん!」
 グリフィスの発言は竹刀の一撃で中断させられた。
「なんだ、もうふらふらではないか。私は軽く小突いただけだぞ」 
「……すいません」
 もうこの日何度目かわからない『床に大の字』の格好で、グリフィスはもうこの日何度目かわからない謝罪の言葉を
呟いた。
「始める前は『一本』取るまでと言ったが、この調子では何日かかるかわからんぞ」
「……いえ、むしろこうなる事はわかってたと思うのですが……というか」
「なんだ?」
「八神部隊長から聞いたのですが、向こうにいた頃は非常勤の講師として現地の方に剣術の指導をしていたんですよね?
その頃からこのような指導スタイルだったのですか……?」


 グリフィスとしてはただ純粋に心に浮かんだ疑問。
 しかし、その言葉を聞いた瞬間、彼はシグナムの表情が変わったのがハッキリとわかった。苦笑いに似た笑みは
口元から消え、代わりにその顔に深い翳が差す。まるで周囲の空気さえも冷え切ってしまったかのように、グリフィスの
背筋を冷たいものが通り過ぎた。

「……あの……シグナム副隊長……?」

「あ、ああスマンな……少し昔を思い出してしまっていた」

 シグナムの表情が元に戻り、止まった訓練室の時間が動き出す。
 だがグリフィスの心からそれで疑問が消えるわけではない。むしろより深まって当然。

「何か、ボクがマズい事を言ってしまいましたか」
「……いや」
 
 二人の視線が交錯する。しばし見つめ合った後、先に視線を逸らしたのはシグナムの方だった。

「お前は母君――レティ提督から、十年前の事件について聞いた事はあるか?」
 彼女が口にし、そしてレティが関与しているという事はおそらく『十年前の事件』とは彼女も当事者として関与した
『闇の書事件』の事を言っているのだろう。グリフィスは頷くとシグナムに先を促す。

「……詳しい背景までは。ただ少なくとも、事件の経過や結末について誤りのない程度には把握しているつもりです」
「ならば我々が闇の書の頁を蒐集する為に、各地の魔導師や生物を襲撃した事も聞き及んでいるだろう……主はやては
『多くの人々に迷惑がかかる』と闇の書の頁蒐集を拒んでいた。それゆえ蒐集は主はやてに知られる事なく秘密裏に
行う必要がある……主の下を離れ家を開ける際には、何かもっともらしい理由が必要になる」
「つまり、『講師の話は嘘』という事ですか?」
「そういう事だ。ただ私と違い、ヴィータやシャマルはその限りではないが」
 
 ザフィーラだけは別だが、とシグナムは笑った。

「まあそんな訳で、私はずっと以前から『指導』といえばこんなやり方しかできん」
「……よくわかりました」

111 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 16:10:46 ID:MYxfIX/r
 グリフィスは苦笑いしながら立ち上がる。

「む、まだやる気か?」
「ええ。話を聞いている間に少し休めましたので」
「……小賢しい奴だ。だがそれでいい。どのような場面においても諦めずに活路を開く事は重要だ。大きな魔力は確かに
強い力を生むが、それが力の全てではない。けして諦めない心の強さもまた立派な力だ」
「……はい!」
 
 竹刀を振りかぶったグリフィスが一直線にシグナムへ突進する。型も戦略もない、ただ闇雲な突進。歴戦の武人である
シグナムにとっては目を瞑っていてもかわせるような攻めである。が――


「うわわっ!」

 慣れない運動(もといフルボッコ)で疲労から体が思うように動かなくなっていたグリフィスが足を絡ませ。

「何っ!?」

 バランスが崩れた事がその剣筋に予想外の変化をもたらし。





 訓練場に、すぱこーんと心地良い音が響いた。


「あ……」
「う……」

「……えーと、これってその……『一本』ですか?」
「……うむ」

「……はは。やった、のかな……」

 グリフィスは笑みを浮かべ――

「だが数十度打ち合ったうちのほんの一度、それも偶然にとった『一本』に過ぎん。これからもさらなる鍛錬を――っておい、
大丈夫かグリフィス!?」

 そこで体力の限界を向かえバッタリと倒れた。

112 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 16:11:36 ID:MYxfIX/r
    †
   

「人の副官を攫って何をしとるんかと思ったら……」
「なんだか、すごくいい感じですねー♪」
 
 扉の影から訓練場を覗き込んでいるのは、はやてとリィンフォースU。
 リィンを伴ってグリフィスを探していたはやてだったが、まさかと思って覗いてみた訓練場で彼を見つけ、しかも予想外の
展開になっていたのですぐに声をかけずに様子を窺っているのであった。 

「しかしシグナムも隅におけへんなあ。主の私が行き遅れそうやっちゅうのに、自分はヴァイス君に続いて二本目の
フラグ立てやなんて」
「まったくですね。シャマルやヴィータちゃんに見つかったら大変な事になるですよ」
「まあ、うちでシグナムの味方をしてくれそうなんはザフィーラぐらいやろうなあ」

 訓練場の中では、備え付けの長椅子に寝かされたグリフィスがシグナムに膝枕されて眠っていた。
 実際はグリフィスは眠っているのではなく気絶しており、しかも揺すっても声をかけても起きないのだが気絶の原因を
作った張本人としては放ってもおけない(かといって医務室に運ぶとシャマルに色々言われそうなので)のでとりあえず
付き添っているだけ、膝枕は長椅子のスペースが足りず彼の頭を膝に乗せないと上手く座れないから、あとちょっと寝苦しそう
だから……と一応理由があるのだが、既に発見時がこの状態で、その後もずっと影からその光景を観察している二人はそんな事を
知る由もない。
  
「じゃあどうします? 入って邪魔するですか?」
「……いや、いち武装局員のヴァイス君と違って、グリフィス君は親が提督で本人もキャリア組。ここでシグナムが玉の輿に
乗れば八神家全体にとっても大きなプラスや。ここは甚だ不本意やけど応援に回った方が得やろ」 
「うわあ……はやてちゃん、発言が真っ黒すぎですよ……」
「いやいや、さすがにそれは冗談やけどな。でもヴァイス君の場合はほら、向こうが手の届かへんシグナムを諦めて手近な子に
切り替えたとこがあるっぽいから、どうせやったらうまくいきそうな方を応援したほうがええかなー……と思ってな」
「はやてちゃん、その発言も大概真っ黒ですよ……」
「あーあー聞こえへーん。とりあえず今晩のお楽しみ用に……ポチッとな」

 はやては携帯端末のカメラ機能を使い二人の様子を撮影する。ちなみにシャッター音は六課が誇るメカニックである、
シャリオ・フィニーノによって鳴らないように改造されている。ある意味犯罪である。

「さ、もういこかリィン。私らは誰かさんと違って勤務中にいちゃついたりできへんからな」
「本当ですね。本性を知らずに騙されてるアギトちゃんがかわいそうですよ」

 半ば呆れ顔の二人はシグナム達に声をかけることなくその場を後にした。



「……この膝枕というものは、地味に足にくるな。やはり立って待つとするか」



 数日後、はやての撮った写真が原因でグリフィスの眼鏡が叩き割られる事態になるのだが、それはまた別の話である。

113 名前:ておあー:2008/01/09(水) 16:16:34 ID:MYxfIX/r
以上です。お付き合いくださった方、ありがとうございました。

どうやら、書き込む際に一行目が空白行になるようコピペすると表示はOKでも書き込みができないようです……前は
こんなこと無かったと思うのですが……勘違いかしらん。
いろいろ試行錯誤した結果タイトル欄がデフォのままですが一応『烈火の将×白き鷹(違)』というタイトルがあったり
なかったりします。
あと『非常勤の講師〜』は漫画版ではやてが一人語りするシーンしか知らないんでSSとかで本当に講師をしてるシーンが
あるのであればスイマセン。あと六課隊舎の再建速度は異常。


114 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 17:38:40 ID:qP7WL2pv
>>100
GJ!
エリオはこれでいいんだよ!酒豪になった将来が楽しみだ。

115 名前:26-111:2008/01/09(水) 18:16:26 ID:EZR+v3m8
>>ておあー氏

GJ!グリフィスも色々弄り甲斐がありそうなキャラですよね
15歳当時のなのは達と接点があったり、レティ提督の息子だったり、メガネな幼馴染みが居たり、同僚が片思い?だったり、
・・・あれ?こんだけ美味しい条件で・・・何で画面に映れなかったの?



さて、見習い司書から業務連絡です

>>39-362
申告通りに修正しました。しかし、一言だけ苦言を呈させてくれぃ
修正箇所はなるべくわかりやすく明記してください。43スレ中で正式に決まったタイトルのことはなかなか気付けません
構成など、今一度ご確認をお願いします

>>どっかのゲリラ兵氏
改行の変更などはすぐできますのでお任せください
それと、はやての一人称に関しては私はノータッチですよ?先程確認しましたが、はやての一人称「うち」→「私」に変更しますか?
一人称を置換したテキストはもうできています。ご判断をお願いしますね

では


116 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 19:36:36 ID:rFAzBzqh
>>100
GJ。
まあ、クロノは妻帯者だから酌量の余地はないとして。
残り2人は、とやかく言われる筋合いないと思うんだが……
なんか
「提督はともかく、僕らはフリーなんだけど。何か問題でも? そもそも、何の権利があって僕らのプライベートに干渉するの?」と冷静に言われて、言葉が返せない女性陣が見えた。
まあ、その後は魔力の嵐が吹き荒れるだろうけどw

117 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 19:40:05 ID:SJJqtiCT
>ておあー氏

はやてに言う事が黒すぎて吹いたwwWW
gj!

118 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 20:07:44 ID:hGjAfQB/
>>116
ユーノがラウンドガーダーで凌ぎつつ逃走。
巻き添え多数。

119 名前:( ゚Д゚):2008/01/09(水) 20:25:44 ID:hGjAfQB/
プロジェクトF.A.T.E.のF.A.T.E.って正式に書くとどうなるんでしたっけ?

120 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 20:32:53 ID:utMBxQ8J
>>119
デスティニープラン、運命計画……
先生、冗談じゃ無い本当の答えが知りたいです……

121 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 20:36:21 ID:tQF05uJx
First Encounter Assault Reconぐらいにこっているんだろうな(棒読み)

122 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 20:36:46 ID:AlQCKOmI
公式には決まってない。

123 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 20:41:38 ID:mRhXrZ6A
フェイトちゃんの
アナルを
徹底的に
えぐる

124 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 20:44:54 ID:OlenHdeb
>>100
GJです。みなさん容赦が無いようなそうでないような?

>>116
ヴァイスの場合はティアとかの行為から逆算さして脈ありと判断してここぞとばかりに口説く
ユーノの場合はなぜか強く切り返せず、怒りからなぜか自虐に陥って泣き付くなのはさんといい感じに
といった状況のifが浮かんだ


125 名前:( ゚Д゚):2008/01/09(水) 20:48:14 ID:hGjAfQB/
>>123
  _.._
( ゚д゚)



 ジャコッ……

126 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 20:55:26 ID:IwXaNBur
F、フルパワーで
A、アリシアを
T、テスタロッサ家の科学力を使い
E、ええ感じに蘇らせる。

127 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 21:02:03 ID:pRYcYVvS
>>126はやて乙

128 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 21:32:21 ID:mF26Gw69
>>65
胸が締め付けられました……フェイトさん可哀相過ぎる

なのでHAPPY ENDに期待します
耐えろ耐えるんだ俺
最高にGJです


>>67
あなたとは美味い酒が(以下略

129 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 21:35:00 ID:WH1xGDlP
F フェイトちゃんを

A
T
E

ate 食べるの過去形、食べました

つまりなのはさんが妻を得るための壮大なプロジェクトだったんだよ!!!

130 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 21:35:13 ID:4z9k6js6
>>100
GJ!!エリオKYというところです。いや、もはや店にきてるどころで再生不可能か・・・
わからんでもないですけど。

>>113
GJ乙!!です。グリフィスは将より実は強いという意外な事実(?)
でも、やっぱ冷静な分析をできる性格は高級事務官向き
というところですかね。

魔法少女のエロ18禁スレでも何でこんなにバリエーションにとんだ
SSが読めるかが、いまだに不思議でなりません。

131 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 21:41:33 ID:T0tUQ1SS
最近のエロパロスレは非エロも普通に取り込んでるところをよく見る
こことほぼ同じ速度の某エロパロスレ住人が言うんだから間違いない

132 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 21:50:02 ID:IwXaNBur
幸せや修羅場でみんなの心を鷲づかみしてから、
濃いエロとかくると反応せざる得ないですぜ。

133 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 22:14:35 ID:SJJqtiCT
>>131
非エロとはいわばエロに至る前菜、いわばお通しのような物……
エロパロ不覚にはなるまい。
前菜を味わい尽くし、高められた食(性)欲により、本番である主食が(ry

>>129
な、なんだってーー?(AA略

134 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 22:38:20 ID:7hcNCDkQ
だがどうも、非エロSSのみを目当てに来る香具師もいるらしいぞ
何か最近、理想郷の捜索でもここがよく紹介されてるのを目にするし、一般客も来てる?
ま、そのうちここの空気に染まってしまってオッパイオッパイ言い出すに決まってるがなw

135 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 22:51:09 ID:gIhPdYrq
>>119
Fabricate 製作する
Artifical life 人工生命
TEchnique 技術

だと勝手に妄想。っていうかコレしか思いつかないorz馬鹿だな…orz

136 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 22:54:27 ID:JWWqnavY
>>113 ありがとうございます、前スレから書き込めなかった謎が見事に
氷解いたしました、あと、はやてに惚れそうです、わーい

他にも、おっぱいは良いものですが、それはそれとして、

イヤぁ、明太子で、明太子でペチペチぶたないでぇっ

などと前々スレから今まで、ゲリラ兵さんの倒錯した嗜好の被害に会いながらも、
唐辛子と海産物の香りにめげず、ちょっと投下させてくださいな

ウチとこのキャラとかも遠慮なくご使用どうぞですよー、汚染物質ですが
言われてみれば、ウチのなのはさん達って、Mしか居ないなぁと……

え、私はMでは、Mでは、イヤぁ、もう明太子はイヤアアアァァ

そんな反省から、ちょっと頑張りました。
忘れがちですが、フェなのユ前提です。

なの×フェです、内容が無いのはキニシナイでください
毎度の事ながら、微妙なベクトルのエロです、略してみれば微エロです
フェイトさんの、穴という穴が埋め尽くされます…嘘では無いですよ、うん

やる気無さげにユーノが出てきます、お気をつけください
前スレ雑談ネタを、一部拝借しています、ありがたやりがたや

137 名前:或る執務官に夢見る佳人:2008/01/09(水) 22:55:49 ID:JWWqnavY
 よお、俺の名はレイジ、インテリジェントデバイスさ。
 女みたいな声や顔つきだからって、舐めてかかると火傷するぜ。

 まったく、バルディッシュの兄貴みたいな男らしい外見だったならなぁ。
 そういえば、あの堅物男−


工具箱を片手に、自分が見た初夢を語ったマリエル・アテンザ精密技術官は、
レイジングハートとバルディッシュの強化改造(BL的な意味で)案を提出し、
その5分後には放送事故でも起こったかの如く、呪いウサギに姿を変えていた。

「会議室の扉がピンク色や金色に光っていた」

近くを通りがかった一般局員の証言である。

しかし、これが最後の801系メカニックマイスターとは限らない。

いつの日か、レイハさんやバルたんにナイスなジョイスティックを生やそうとする
デバイスマイスターが現れたら、私たちはどうすれば良いのだろうか…

「あ、宇宙NINJA バルたんという方向ならどうかな?」

−s、sir Fate !?




138 名前:或る執務官に夢見る佳人:2008/01/09(水) 22:56:42 ID:JWWqnavY
『或る執務官に夢見る佳人』



その夜、高町なのはが何か気掛かりな夢から眼をさますと、
自分が寝床の中で一匹の不定形生物に変わっているのを発見した。

とりあえず、隣ですやすやと寝息をたてている恋人に、覆いかぶさる。

すべすべのお肌に、サラサラの金髪に、昨晩は散々に弄んだ双丘に、
絡みつき、ひとかけの隙間も残さず、覆い尽くす。

その膣に、直腸に、生温かい何かが入り込んでくる感覚に、
身震いをしてフェイト・T・ハラオウンが眼を覚まし、驚愕した。

「あ、フェイトちゃん、起きた?」

首から下がスライム状の、高町なのはのようなモノが絡み付いていた。
現実離れした光景に、驚愕に開いたその口に、スライムが自分を飲み込ませる。

仰け反る身体を締め上げて、吐瀉物や排泄物を吸収しながら、奥へ。

舌に絡み、歯に挟まり、咽の奥の、さらに奥まで入り込み、嚥下させる。
子宮の入り口から入り込み、卵巣を弄び、S字結腸を通過して、直腸へと入り込む。

「あはぁ、フェイトちゃんの子宮と…」

胃袋の酸に溶かされる痛みに、思わず身震いをした。
内臓の奥深くまで揺らされた衝撃からか、股間に肌とは違う生温かい感触があり、

…あ、フェイトちゃんが私の中に、お漏らししてる

体内にアンモニアの混ざった金色の部分が出来上がり、染みる。
せっかくだからと、そのまま尿道からも入り込み、膀胱を満たして膨れ上がらせる。

跳ね上がる身体に、動きで内臓を傷つけないようにするためにも、
擦り寄ってしがみつく様に、全身を持ち上げ、纏いつく。

耳掃除も兼ねて、耳穴や鼻からも入り込み、気管支を満たし、鼓膜に絡みつく。
やがて十二指腸へも到達し、小腸から登ってきた自分と合流した。


139 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 22:57:01 ID:DNPTDjLd
>>135
なら
Fabricate of Artifical life TEchnologyとかのほうが説得力ある希ガス(スペル合ってる?)

そしてもうスレ違だなノシ

140 名前:或る執務官に夢見る佳人:2008/01/09(水) 22:57:15 ID:JWWqnavY
「にゃはは、フェイトちゃんの盲腸って可愛いね」

全身を、内から、外から、愛撫して味わうたびに、
全身の筋肉で、私を締め付けて悦んでくれる。

だけど、その瞼からはボロボロと涙が溢れていて、
鼻腔の辺りの私には、常に塩辛い感触がある。

なんで泣くの? なんで泣くの? なんで泣くの?

せっかくこんなにも、ひとつになれたたのに。
せっかくこんなにも、喜びが私たちを満たしているのに。

ああそうか、だから、そうだ、きっとこれは嬉しさの涙。

理由を見つけて安心しても、私の大好きな綺麗な瞳が、涙に曇る様が悲しくて、
瞼から、するりと入り込んで、眼球の全体を、覆うようにキスをする。

そのまま内側へと入り込み、視神経に絡みつき、肺を満たし、鼓膜に溶け込んで、
三半規管を嬲りつくし、毛穴を埋め、表皮から染み込み、身を震わせて愛を囁く。

気がつけば、私に全身を取り込んでいて、溶け合ってひとつになった喜びに震えながら、
身体全体で、フェイト・T・ハラオウンを構成する細胞の隅々まで、味わい尽くして、


ああ、やっぱり


 フェイトちゃんは

美味しい




141 名前:或る執務官に夢見る佳人:2008/01/09(水) 22:57:54 ID:JWWqnavY
(付録:分岐前の世界)



「という夢をみたの!」
「いや、流石に引くから、それは」

年中仕事が無限書庫の司書長席の横、ちゃぶ台の横で教導官が初夢について語っていた。
司書長は一冊、また十冊と資料の検索を続けながら、適当に受け答えをしている。

「悪夢以外の何物でもないよ、ていうか、それ肉欲じゃなくて食欲」
「ほら、食べてしまう事が究極の愛とか、そんなノリかな」

口ではそう言うものの、ちゃぶ台の上に置かれた表情は、反省。

「そんなにセックスの向こう側に行きたいんなら、妊娠でもしなって」
「頑張れ、炎の孕ませ無限書庫司書長なのー」


 炎の孕ませ無限書庫司書長 〜二期に戻って孕ませナイト〜

 前作、炎の孕ませ無限書庫司書長とは、パラレルワールド扱いになる。

 ユーノ・スクライア司書長は交際を続けていた高町なのは一等空尉から、
 ついに結婚話かと思ったら、突然に別れ話を切り出される。

 その夜、高速道路で暴走スバルと正面衝突した彼が意識を取り戻したら、
 そこは10年前の管理外世界、鳴海市の高町家であった以下略。

(無限書庫供出資料:JRよりは国電パンチの方が良いよね より抜粋)



142 名前:或る執務官に夢見る佳人:2008/01/09(水) 22:58:32 ID:JWWqnavY
「そして世界制服の野望を実現するためにって、違うでしょ!」
「んー、私はいいけど、フェイトちゃんの時は……バスターは我慢してあげる」

「あと、ザンバーとスティンガーブレイドと高町一家もどうにかして欲しいんだけど」
「そこはまあ………防御に定評のあるユーノ君って事で、なんとか」

「絶 対 無 理」

清々しさを感じる爽やかな笑顔で、何故かしら誇らしげに言ってのけた。
鬱蒼たる無限書庫に、たまさか、癒しの風が通り抜ける。

「で、まさかとは思うけど、なのは、君が今日来たのって」
「うん、そんな感じの変身魔法とか、ロストロギアとか無いかなって」

「誰か、ちょっとこの炸薬式暴走教導官にツッコミ入れてあげてー」

−すごいよなのはさん! 謎の司書長YSとはエロさの格が違うって事!?
−俺たちに考え付かない事を平然とやってのける、そこに痺れる憧れねぇ!!
−まあ、あれぐらいエロくないとウチの司書長は飼えんよな

「え、エロくないよ、エロくないってば!?」
「飼育前提はスルー!?」

司書の言葉に失意体前屈を披露しながらも、検索魔法の速度は落とさない無限書庫司書長。
そのあまりにも悲しい、けなげな姿に、誰もが首に巻かれた首輪を幻視したと言う。

(終)

143 名前:或る執務官に夢見る佳人:2008/01/09(水) 22:59:22 ID:JWWqnavY
あとがきー

要は、目玉を包めば私しか見えないって話で、あと盲腸、あ、痛い、物を投げないで

そういえば、保管庫の司書様方にはお手数をかけて申し訳ないのですが、

37スレ『或る執務官の手ぬぐい』の真ん中あたり、
フェイトさんが出てきたあたりの

 『 深く澄んだ蒼瞳には一抹の儚さの、鋭い眼差しに人は強く魅了される。 』



 『 深く澄んだ丹瞳には一抹の儚さの、鋭い眼差しに人は強く魅了される。 』

に差し替えておいてください。

投下時にもツッコまれていましたが、色を間違えておりまして、
どうぞ宜しくお願いします。


144 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 23:10:16 ID:7hcNCDkQ
>>143
ちょ、名作文学が……
こりゃカフカも吃驚だなGJ!

145 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/09(水) 23:33:23 ID:nIUhw8LC
ええと、すいません投下いきます
『幻影の射手』
例によって例のごとく微妙に伸びて後編で終りませんでした、また中篇入りましたorz

注意事項
・非エロ
・エリティアの世界
・フェイトさん、ナンバーズも何人か死んでいるIF話です
・今回はティアナメインです

以上の事よろしくお願いします
では


146 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/09(水) 23:35:58 ID:nIUhw8LC
幻影の射手B

回想1  ヴォルケンズ


「…シュランゲ…フォルム」

シグナムの呼びかけに応じて変化したレヴァンティンの刃が主人を護るかのように
渦を巻き始めた

ヒュン…ヒュン…ヒュン…

 鋭い金属片が魚群の様にゆるやかに空気中に漂い
静まり帰った空気の中、擦過音だけが静かに鳴り響いている
 シグナムの目は真剣そのものだった、すでにピリピリと張り詰めた空気をその周囲に纏いその双眸は細められている
体全体は先ほどから僅かな反応にも即応するため本人も意識しないレベルでごくわずかにミリ単位で前傾していた

 まだだ…まだ…まだだ…
シグナムは自分に言い聞かせていた

 腕を組み見守るはやてと息を飲み、心配そうに祈るように両手を合わせたシャマルが見つめている
足元には真っ赤なBJ姿に憮然とした表情のヴィータが愛用のハンマーを担いで胡坐をかいていた
その額に赤いペイントの印が付いていた、つけたのははやてだ

『…チュン』

右後方で僅かに小さな火花が跳ねた、その瞬間、床を蹴り
音めがけてシグナムの体は宙を飛んでいた

「は…ぁあああああああああ!!はぁっ!!!」
裂帛の気合と共に振り下ろした剣は中空で何かに激突して宙でギリギリと音を上げていた
「…ぅ…くっ!」
 その剣の下で見えなかった対戦者の姿が浮かび上がっていた
交差したクロス・ミラージュの刃、苦しい表情を浮べたティアナ・ランスター、今は執務官だった
「でぁっ!」

 気合と共にシグナムがレヴァンティンを振りぬいた、軽々と吹き飛ばされたティアナは
くるくると宙を舞い一回転するとトンと地上に降り立った

「はっ…ぁ…」
息をつく間も無くシグナムの追撃の刃が襲ってきて、ティアナは慌ててデバイスのダガーを上げ応戦した
「うぁっ……っく…うぅっ!…」

2合、3合、4合…かろうじて受け流すが、パワーに差があるのは歴然だった
よし、いけ、シグナムの攻勢にヴィータが手を握り締めた、シャマルは相変わらずハラハラと見守っている

 明らかな劣勢にティアナはバックステップして距離を取ると両手を上げた
デバイスのコールと共に足元に魔方陣が展開したツーハンドモードの刃が長大なものに変化していた
即座に間合いを埋めようと、剣を腰溜めに追おうとしたシグナムが足を急激に止めた
その顔が何かを警戒している

「はあああ!」
輝くティアナの両刀が振り下ろされた
 しかしシグナムは鋭い視線を据えたまま剣をだらりと下げ、一見棒立ちになっていた、その頭上に刃が迫る
視線は正面を見据えたままだった
「…ってぇ!?、おい!シグナム!!」
横合いからの声に気も留めず、ピンク色の髪に切っ先が触れそうになった時、その目がチラリと下を見た

たまらず壁際に座るヴィータが腰を浮かせかけ声を上げた
はやては腕を組んだまま見入っている

147 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/09(水) 23:37:59 ID:nIUhw8LC
「ふぅっ!」
次の瞬間、息を短く吐くとシグナムは落ちかかる刃に目もくれず
レバンティンで鋭く『足元』を払った

ガィン!
「あ!っ」
 小さいが激しい激突の後にティアナの声が上がり床にクロスミラージュが弾き飛ばされてカラカラと回った
踏み込んでいたままの低い体勢でティアナの呆然とした顔の首筋に刃の切っ先を突きつけられた
ようやくシグナムはホッとした顔で声をかけた

「…やれやれ勝負ありだ、今回は私の勝ちだなティアナ…」
しゃがんだままティアナも小さく苦笑して応えた、その前にシグナムの手が差し出される
はい
「ですね…ありがとうございました、シグナム副…さん」

その手を握った、6課解散から何年経っただろうか




「ありがとうございました!」
明るい声に、「ああ」、「おぅ」、「はい」、「ん」、と各自それぞれの声が返る
帰り際、改めて出口で小さくお辞儀をするティアナに4人は手を挙げ振った
その姿がもう一度会釈してドアの向こうに消えた
「………」
明るい目新しいフローリングの講堂、ここは八神はやてが経営する保育施設園の一部だった
夜である

「…ま、なんとか最後は面目は施せたなシグナム、ヴォルケンリッターとしても、将としても」
明るいはやての声が尋ねる
「はい…正直焦りましたよ、もう少し真面目に聞いておくべきでした…」
やはり昔の事がありましたし…半信半疑でしたので、少々きまりの悪そうに微笑するシグナム

 頬を掻きシグナムがBJを解除してそのすらりとした長身にジーパン、セーターの普段着に戻った
園のエプロンを拾う、見事なスタイル…と見事なお尻
 未だに浮いた話一つ無いのが不思議な人だった
そや!主のの警告を真面目に聞かんからやw
 可笑しそうに笑うはやて

憮然としているのは先に一回だけ勝負して負けたままのヴィータだけだった
「ちぇっ…あたしだってなぁ…大体…なぁ、はやて…もう一回やれば…」
「なんとかなったか?」
シグナムが面白そうにその顔をのぞきこんだ
「…多分…まぁ多少は…手こずるかもだけど…」
プイとヴィータはそっぽを向いた、やや自信なさげだ、大体ヴィータはあの手の駆け引きが
いまいち得意では無いというより、好きではない

「それにしても…」とシャマル
うん?シグナムはエプロンを着けて振り返った

「最後のティアナのあれ…どうして攻撃が下から来てるのが解ったのかしらシグナム?」
ヴィータも熱心に頷いた、ヴィータにはさっぱり解らなかったし、ティアナの『あれ』、翻弄されたまま終ったので釈然としていない
「そうだよ、なんでだよシグナム、ティアナのあれ、クセでもあんのか?教えろよ」
「ああ」
あれか、とシグナムはペタペタとスリッパで歩き出しながら
少し考える風に指先を上げた顎に当て応えた

148 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 23:38:47 ID:U4mHUdrZ
>>143
相変わらず頭悪いな!(ほめことば)

スライムなのはに萌えたのは秘密だ。
むしろそのままエロにつっぱしってほしかったのも内緒だ。

149 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/09(水) 23:39:02 ID:nIUhw8LC
「足だ」

「「足?」」

「踏み込んだ足先だな…ティアナの『あれ』が部分的なものだというのは初戦で見当がついたからな…
踏み込む足の方向、加重のかかり具合、やや前に移動しつつあってな…上段がフェイクだと解った…後は…まぁ勘だったがな」
 はぁ〜、関心したような呆れたような声を出すシャマル、ヴィータは頬をついてむくれている
気がつかなかったのが悔しいらしい

やっかいな事に変わりは無いがな、とシグナムはレヴァンティンを鞘に収めた
「ご苦労だったなレヴァンティン、だが久々の戦闘、良い錆落としになっただろう?」
主も、と愛用のデバイスは応えた
「違いない」
シグナムは微笑した

 歩きながらシグナムははやての後ろに回って夜着姿のその細い肩に上着をかけた
ありがと、とはやて
「…とは言え不覚にも…初戦は何が起こったのかも解りませんでした…やられました…もし実戦なら今頃…」
「な?びびったやろ?…、あれが執務官ティアナの実力、どや?烈火の将と接近戦でタメ張ってたやろ?」

 苦笑する将になぜか得意げに振り返るとはやては笑った
「『また」かつての教え子に追いつかれてしまいましたね、…エリオの時もそうでしたが」
シグナムも感慨深げに頷いた、その表情はどこか少し嬉しそうだ
「主の仕込みですか?」
それには応えずはやては返した
「ま、これで決闘マニア、シグナムもストレス解消の相手に困らんようになったやろ?
                          …悶々としてたしな〜ずっと」と続ける
「え?…い、いえ私はそんな…」
 少し顔を赤くしたシグナムが顔を巡らせると、少し気晴らしの方法を見つけニヤニヤしたヴィータと
ニコニコしたシャマルと目が合った

「あーぁ…そーだな〜…フェイトが居なくなってから、まぁ、あたしらばっか…
 いや正確にはあたしだけよ、延々とまぁ…休みの日ごとによー…まったく保母さんにそんな戦力必要もねーのに
                             エリオは忙しいし…」
「ホントねー、これで、休みの日にお部屋をイライラしながら歩き回るシグナム見なくてすむわ」

 お前達…と笑う二人に反論しかけたシグナムはふいに懐かしい昔を思い出した
ふっと息をつくと小さく肩の力を抜いた
「そうだな、…テスタロッサ
               ぁあ……そうだったな…少々寂しくはあったのかもしれないな…」

少しだけ寂しそうに小さくなったシグナムの肩をはやてがポンポンと優しく叩いた





150 名前:39-362:2008/01/09(水) 23:39:11 ID:iqwo39Wm
>>115
保管庫の更新お疲れ様です。それから、ご迷惑をかけて申し訳ありません。
とりあえず、修正箇所等を見てみましたが特に問題はないかと。
本当に申し訳ありませんでした。



>>143
炎の孕ませ司書長……
三期のキャラは攻略できないんでしょうか、タイトル的に。
でも二期のキャラだけだとほとんどロ(ry




151 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/09(水) 23:42:27 ID:nIUhw8LC
幻影の射手C

戦闘1 ガンナー


 ミシ…

 ティアナの左の『ハイ』つまり上段蹴りが鞭のようにしなり首筋にヒットしていた
「が…!」
踏み出しかけた足を慌てて止め、手出しするタイミングを計っていた隊員は我が目を疑った
「な…」

 同僚はそのまま膝を折り、声も立てずに崩れ落ちた
これで続けざまに二人…

 ノーヴェらと分離した別働隊の4人だった、発見、追撃されたティアナは途中二人に分裂した
狙撃ですでに一人やられ、残るは8人、
 目配せしてうち一人を別れたノーヴェ隊長の元に向かわせた、三人で追う、あえて分裂した、片方だけを
(2,2まで減らしては各個撃破の危険性が高まる…)
 すぐにノーヴェも来るだろう、こちらがハズレでも良かった数の優位を保つ
二人でも勝てるだろうが念のためだ、悪くない選択のはずだった

だが

またたく間に仲間二人は沈んでしまった

「この…ガンナー風情が…」
悔し紛れに呟き、栗色、細身のショートヘアの機人はガードを上げた
無論機人である以上筋力は細身であっても常人の非ではない

 (この女…)
冷たい夜なのに額を汗が一筋流れた
(同僚は奴の左のローを軽く足で受けた、、受けたと思った次の瞬間…)

 空手の蹴り技にローキックの軌道を途中で急激に切り替え、変則的にハイキックにしてしまう技がある
むろん天性があるか、熟練者のみが使えるような高度な技だが、今のは『それ』ではなかった、まして奴はガンナーだ

「コイツ…幻影使い…」
(ち…よりタチが悪いな…)

このガンナーはあろう事か
恐らくは股間節あたりから下をハイド(透明化)し、その上で目晦ましのフェイクの蹴りを放っていたのだ
(ダブルフェイク…シルエット…?)

透明化と幻影を同時に出現させる、そんな器用な能力があるのか
変化させずに初めから振りぬく分、変化させるような蹴りよりもスピードがまったく落ちない
例え機人といえどもガードを外した無防備な急所をそんな状態で打ち抜かれてはもたない

『IS、…ツインブレイズ』
両腕から伸びた光剣を交差して構えた、相手もダガー状に変化したデバイスを構えている
(だったら…そんなもの、つきあわなければいい…)
ジリ…間合いを詰める、ティアナは正面を避けるように動き始めている

(ガンナーのくせに接近戦を挑んできた時は何を血迷ったのかと思ったが)
それも罠の一環だったのか

「…………」
 ティアナはソロソロと時計回りに足を運び位置を移動している
双剣を構えたまま、時計の針のように、そいつの動きを追う、逃走しようとすれば後ろから…
油断したのはしょうがない、少女と呼べるような容貌の細身の隊員は思った

152 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/09(水) 23:44:39 ID:nIUhw8LC
 相対している…データによると執務官の手口はおおよそ解った
こいつは…部分的に『ハイド』と『フェイク』を織り交ぜて攻撃してきている
二人倒されたのは失態だったが、ある意味仕方なかった
 初見でこれをやられたら
むしろ見切りに自信のある熟練者ほど避けるのは困難だろう
少し違うがやられた二人は接近戦の能力が高かった
 嫌な能力だ、そう思う、ガンナーだという先入観が
余計に手にした武器の対応を甘いものにしてしまったのだろう
「だけど…そうと解れば、手はある…」

 ノーヴェ隊の中にはノーヴェ以外にも二つ以上の能力を持つものも数名いる、自分もそうだ
長距離狙撃でティアナにすでに一名やられたが…彼女もそうだった
(惜しかったなあいつが唯一のレイストーム持ちだった)
広域攻撃も有効だったろうに、終った事は仕方ない

(IS、ライドインパルス…構える間もなく距離をつめて…切り飛ばしてやる…その目障りな足…)
 距離はまだ8Mほどある、が、これなら自分でも
ティアナの足が止まった、腕はややガードが下がっている
この距離を安全圏だと思っているのだろうか

(…その油断、逃さない)
「いけ!」
下生えの草の葉が舞い、戦闘機人の姿が掻き消えた
「はぁああああああああ!」

 ゴツン
(!!?)
 加速の後、急に目の前が暗転して、強烈な衝撃が体全体を叩いた
いや実際は順序が逆だったろうか?、隊員は自分の顔が夜の空を見上げているのを自覚した
 落ちていく視界、スローモーションのように腰に手を当てているティアナが見える
「おしい、残念だったね」
ジジ…ジ…

 空中にティアナが掌を添えたその前で透明化された立ち木が実体化していた
「物理…障壁…透明化して…」

隊員の意識が闇に落ちた







「見させてもらったぜ」

ティアナは顔を上げた、懐かしい顔がそこにあった、あまり友好的ではないその顔が
「脱走以来だね」
「ああ、あん時は世話になったな…なかなか面白い見世物だったぜ…だが、これまでだな」
ノーヴェの左右からバラバラと隊員が出てきてティアナを半包囲の形に包み込んだ
「手品の種はあれだけか?」
「…あら、もっと見たいのなら…」

 ティアナは腰に手を当て、ノーヴェに話かけながら
頭の中で時間を計算していた、…想定時刻まで、あともう10分ぐらいだろうか?
(このままお喋りして過ぎてくれたらいいな)
無理なようだ、ノーヴェが前進してきた、スバルの『あれ』にそっくりな『あれ』が回転を始めていた
 肉が挟まったら…痛いんだろうな…ティアナは苦笑いして思った



153 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/09(水) 23:45:38 ID:nIUhw8LC
「…悪ぃーが話はここまでだ、後はウーノ姉とでも喋るんだな…口さえ付いてりゃ…手足折れててもいいだろ!」
ノーヴェと共に他の機人達も地を蹴っていた
「うぁ…ちょっと」
 制止する形に片手を上げ
ヤバイかもと口に残る手をあてたティアナの横っ面をノーヴェの右足が唸りを上げて通り過ぎた
「…フェイク」
「隊長!」
ノーヴェが着地すると、見るとティアナは10Mほど先を風のように駆けていた


「ふん…逃がさねぇ…」
さしたる驚きも見せず、ノーヴェは冷たい眼差しで部下達に指示を出した
 全員のセンサーを熱源感知に切り替えさせる
先行させた奴らには悪いが、あいつが何かするのは予想がついていた、様子見は終わりだ
 部分ハイド、透明化したバリケード、注意すべきはそれだけだ

 たちまち隊員達の視界が緑色に染まり前方を駆けるティアナがそれぞれの瞳に赤く映し出される
これでもう逃さない
「そっちは行き止まりだぜ」
 思わず笑みが湧いた
 焦る事は無い、奴の能力は把握した、面白い、少し遊んでやろう、倒された部下の仇だ
宣言どおり四肢をへし折って引きずっていってやろうか
 「おっと、あと見えないバリケードもあったんだったな…おい」


 まだこちらには奴の知らない新能力もある
振り向いてその部下に合図した、そいつがコクリと頷いて前に出た
『…IS・ドルフィン・エコー』
 超音波を利用したこの能力、これで万全

ハンター達はゆっくりと獲物の包囲の輪を縮めていった




幻影の射手 中篇終わり

154 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/09(水) 23:46:49 ID:nIUhw8LC
週末には終らせます、たぶん
あと保管庫管理人の方、タイトル変更の件、素早い対応ありがとうございました
素早すぎてびびっちゃいましたよw

ではではまた

155 名前:26-111:2008/01/09(水) 23:49:25 ID:EZR+v3m8
>>143
GJ!貴兄の作品が大好きです。なんと言うか、色々斜め上で
誤字修正承りました。差し替えておいたので念の為ご確認ください

>>39-362
確認報告感謝です。新米司書ですが今後ともよろしくお願いします

>> y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA氏
おっと、修正の報告を忘れていましたね。申し訳ないです

>素早すぎてびびっちゃいましたよw

HAHAHA、何を仰る。私などまだまだスロゥリィ。速さが足りません



さて、最近こればっかりですが・・・

保管庫からの業務連絡です
40スレの保管作業を終了しました。執筆陣諸兄は確認をお願いします
こちらは引き続き保管作業を受け持ちます

ハッハァーッ!あと5つ!しかし職人一覧を更新するのを忘れていたので、私が更新した、
32、33、35、36、37、38、39、40スレの執筆陣諸兄の名前の登録を一つ一つ重複を調べながらやらなきゃなんないぜウェーィ!

・・・スンマセン、ホンマニ、スンマセン・・・ o...rz

現行スレに追い付くまでは司書業に専念しようと思っています。職人一覧の修正も並行して進めます
それでは、失礼しましたー


156 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 00:00:38 ID:66TnObeP
>>143
爆笑w
しかし最初で不定形生物ときいて『沙耶』を思い出しちまったぜヽ(゚∀゚)ノ

>> y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA氏
またまたエリティアだ〜w
戦闘シーンGJっす!

>>26-111
ええい、乙としかいえねえぜww
あんたがいるからこそはりあい(?)があるってぇもんだ!

>速さが足りません

HAHAHA(CV運送会社社長)
遅ければ作業にかける時間を2000年かければいいじゃないですか!

157 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 00:05:32 ID:nih7x+vw
>>154
GJです!!ティアに勝機があるのか。気になる!!
続き期待してます。

158 名前:シャマるときシャマれば:2008/01/10(木) 00:09:35 ID:3c8xf8n0
とりあえず、ぱっと思いついたのさっと掬いあげで出来たものなので、職人さん方の作品に対するおつまみ感覚でどうぞ。




一息つくようにフェイトがペンを置くと、隣に座るクロノの手が腰に回ってくる。
ぎゅっと、強く抱きしめてくるその手に、フェイトの頬に桜色が差した。

「あ…クロノ…まだ勉強が…」
「もう教える事なんてほとんどないよ。それよりも…」
「いや……待って…放して」
「なら、振りほどけばいいじゃないか……」

弱々しくクロノから目をそらすフェイトに、振りほどこうとする意思はない。
抵抗するフリをして、嫌がってる様に見せかけなければ、きっとクロノとの睦み合いばかりに気を取られたいやらしい女の子と思われる。
そんな取り繕いもは無視するように、クロノは一層身をフェイトに摺り寄せてきた。
腰に一方の手を回し、もう一方の手でフェイトの頬に触れ、優しく自分の目を見つめさせる。

「フェイト……」
「あ…クロノ…」

義兄妹という倫理を燃やす男の情欲がクロノの瞳の奥にあった。そんな熱にあてられたように、ぽーっとフェイトの思考も甘く鈍っていく。
じっと、見つめ合っている時の間、クロノの唇が近づいてくるのをフェイトはいとわない。
柔らかな口づけがされて初めてフェイトが目を閉じた。軽く、つつくようなキスがしばし。
それからふいにフェイトがクロノの唇に吸いついてくる。一気に、激しくなった。
半開きになったクロノの口へと、フェイトが舌をそろりと差し込む。

「ん…」

押し付けられるフェイトの匂いを大きく吸い込んで、クロノも自身の舌を積極的にフェイトの舌にからませた。
蛇がじゃれあうように、二人の間で健康的な色の





という風に、フェイトの執務官試験対策をクロノが見ていたら
を考えてたら、脳内スカリエッティが「使ってよ」とうるさいので、気づいたら↓こうなっちゃいました


159 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 00:23:26 ID:3c8xf8n0
a

160 名前:シャマるときシャマれば:2008/01/10(木) 00:24:56 ID:3c8xf8n0
ありゃ、書き込めない

161 名前:シャマるときシャマれば:2008/01/10(木) 00:29:24 ID:3c8xf8n0
どうにも、長文が書き込めない様子。
と、言うわけで以下、何事もなかったように続行して下さい。

162 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 00:32:39 ID:qtJRNwu1
>137
ジョイスティック……NINJA……

ハッタリ仕事しろ。

163 名前:B・A:2008/01/10(木) 00:44:51 ID:Xp/pCI6i
どうもお久しぶりです、今投下しておkですか?

164 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 00:50:19 ID:7m+b1flt
>>163
OK!カモン!GO!

165 名前:B・A:2008/01/10(木) 01:02:34 ID:Xp/pCI6i
では、投下しちゃいます。

注意書き
・ある意味禁断の果実、ザフィーラ×リィンフォースU
・エロは一切ありません。
・A’sエピローグ後、八神家がまだ海鳴に住んでいた時の話です。

166 名前:リィンのお父さん@(1/5):2008/01/10(木) 01:05:41 ID:Xp/pCI6i
ある休日の昼下がり。ザフィーラは自宅のリビングで日向ぼっこに興じていた。
今日は主である八神はやては一等陸尉への昇進試験、シグナム達も任務でミッドチルダに赴いている。
ザフィーラも本来ならばはやての護衛かシグナムたちの手伝いとして同行するのだが、今日はとある事情により、
主不在の八神家の管理を任されていた。それは・・・・・・・・。
「おはようございますぅ」
頭上から眠たそうな声が聞こえてくる。見上げると、リィンフォースUが眠そうに目を擦りながらふわふわと飛んでいた。
「起きたのか」
「はいですぅ・・・・・はやてちゃんたちは?」
「主は昇進試験、シグナムたちは任務だ」
「そうですか・・・・・・・って、何で起こしてくれなかったですか!」
置いてきぼりにされたと聞き、リィンは完全に覚醒する。頬をぷくっと膨らませながら、ザフィーラの目線まで降りてきた。
「主はやてから、今日は筆記試験だからリィンはいなくても良い、気持ちよさそうに眠っているから起こさないでやってくれと
仰せつかっている。故に、起こさなかった」
そのため、たまたま用事のなかったザフィーラが留守番とお守りを任されたのだ。もっとも、本人が聞けば間違いなく怒るので、
口には出さないが。
「そういうことなら別に良いですけど、なんだか除けものにされたみたいです」
「そう言うな。主とて、お前に苦労はかけたくないという配慮があってのことだ」
そう言って、ザフィーラはのっそりと起き上がる。リィンが起きたので、はやてが作り置きしてくれた昼食を温めるためだ。
とその時、リビングに据え置きされているFAX付き電話が鳴り響いた。


167 名前:リィンのお父さん@(2/5):2008/01/10(木) 01:11:12 ID:Xp/pCI6i
「電話か。リィンフォース、出てもらえるか?」
「はいです・・・・・・もしもし?」
『あ、リィンちゃん? シャマルです』
「おはようございます。何か用事ですか? ひょっとして、リィンにもお仕事が?」
『ううん、そうじゃないの。実は、借りていたDVDの返却期限が今日なんだけど、私もシグナムも
ヴィータちゃんも今日は遅くなりそうなの。はやてちゃんは試験中だから電話するわけにもいかないし、
悪いけど、返しに行ってもらって良いかしら?』
「DVD・・・・・ですか?」
『そう。場所はザフィーラが知っているから・・・・・あ、ヴィータちゃん、一人で突っ込んじゃ・・・
・・ブッ・・・・・プープー』
そこで、電話が切れてしまう。どうやら、向こうは戦闘中だったようだ。
「シャマルからか?」
「はいです。借りたDVDを返しに行って欲しいって」
「わかった、食事を終え次第、私が行こう」
「リィンも行って良いですか?」
「構わぬが、見ていて楽しいものでもないぞ」
「リィンだって、たまにはお外に出たいですよ」
リィンは人間サイズに変身することもできるが、消費魔力の燃費の都合から
普段は身長30pの小型サイズでいることが多い。そのため、あまり率先して街に出ることがないのだ。
「好きにしろ・・・・・・それよりも、食事が冷めてしまう。早く顔を洗って、席に着くんだ」
「はーいです」


168 名前:リィンのお父さん@(3/5):2008/01/10(木) 01:13:57 ID:Xp/pCI6i

休日ということもあって、繁華街はかなりの賑わいを見せていた。
リィンは物珍しそうに周りをキョロキョロと見回しながら、先を行くザフィーラの後を追う。
「ちゃんと前を向いて歩かなければ、人にぶつかるぞ」
「は、はいです」
口ではそう言うものの、好奇心がそそられるのか、すぐにまた別のものに注意が行ってしまう。
考えてみれば、彼女はまだ生まれてから3年しか生きていない。デバイス故に生まれた時から
しっかりとした自我は確立できていたが、こういった子ども特有の好奇心も多分に持ち合わせているのだ。
(とはいえ、この人混みは・・・・・・・)
普段は狼・子犬形態で脇道を歩くことが多いため気にならなかったが、こうして人間の姿になって歩きまわれば、
改めて人の多さが実感させられる。うっかり人の流れに巻き込まれれば、前に進むこともままならない。
「リィンフォース、手を出せ」
「はい・・・・こうですか?」
差し出された手を、ザフィーラはできるだけ優しく握る。
「はぐれぬよう、用心するにこしたことはない」
照れているのか、ザフィーラはリィンと顔を合わせようとしない。そのまま無言で人混みをかき分けながら、前へと進む。
「ザフィーラ、まるでお父さんです」
「よせ、私はまだ独身だ」
そう言うザフィーラの横顔は、リィンには心なし赤くなっているように見えた。


169 名前:リィンのお父さん@(4/5):2008/01/10(木) 01:16:41 ID:Xp/pCI6i
それからしばらく進むと、青い看板のレンタルビデオ店に辿り着いた。
ザフィーラは自動ドアを潜ると、勝手知ったるとばかりにレジ横に設置された
回収BOXに持参したDVDを放り込んだ。
「えっと、これで良いですか?」
「ああ。客の待ち時間を減らすための措置だそうだ」
「ザフィーラ、何だか手慣れているですね」
「シャマルの使いで何度か来たことがあるからな。私自身は利用したことなどないが」
「というか、ザフィーラがテレビを見ている姿を見たことがないです」
リィンの記憶では、ザフィーラはいつも床で寝そべっているか、はやての足下で伏せているかのどちらかしかない。
戦場での猛々しさなど微塵も感じさせないぐうたらっぷりだ。
「テレビくらい見るですよ。すごく面白いですから」
「あまり、そういうのは好かないのだが・・・・・・」
「面白いですって。そうだ、ついでだから何か借りていったらどうですか?」
「興味がないな」
「絶対に面白いです。ちょっと待っていてください」
そう言って、リィンはトコトコと店の奥に走って行った。


170 名前:リィンのお父さん@(5/5):2008/01/10(木) 01:18:40 ID:Xp/pCI6i

ややして、リィンは一枚のDVDを持ってきた。
「ほら、101匹のワンちゃんが大活躍する映画です。きっとザフィーラも気に入るですよ」
「待て、私は狼だ。せめてそっちの系列にしてもらえぬか」
主の意思を汲み、普段は動物として振る舞っているが、本来のザフィーラは誇り高いベルカの守護獣だ。
だというのに、最近では長年苦楽を共にしたシグナムたちですら、彼を犬扱いしてくるのだ。もし、
そんなものを見ている場面を見られたら、ただでさえ忘れ去られがちな守護獣としての立場が一層危うくなる。
「これが良いです。リィンも見たいです」
しかし、いくら諭そうとしてもリィンは譲ろうとしなかった。既に思考はザフィーラが気に入りそうな映画から
自分が見たい映画にシフトしている。
その後もザフィーラは説得を続けたが、頑として首を振ろうとしないリィンに、とうとう根負けしてしまう。
「わかった。私の負けだ」
「わぁっい、ワンちゃんです、101匹のワンちゃんですぅ」
「だから、私は狼なのだが・・・・・・」
言いかけて、ザフィーラは苦笑する。目をキラキラと輝かせながらまだ見ぬ映画に思いを馳せるリィンの姿が、
何だか微笑ましく見えたからだ。
そんな日が来るかどうかはわからないが、仮に子どもを持てたとしたら、きっとこんな気分になるのではないだろうかと、
柄にもなく思ってしまったザフィーラだった。

                                               つづく

171 名前:B・A:2008/01/10(木) 01:22:16 ID:Xp/pCI6i
第一話はこんな感じです。
ほのぼのした感じで作ろうと思っています。ただ、この2人って脇役だと物すごく使い勝手良いくせに、
メインに据えるとすごく動かしづらいッス。本編じゃ会話もほとんどしていない組み合わせですからねぇ。


なんだか、長文が書き込めなくなっていて途中かなり焦りました。
次はもうちょっと小出しで書き込んでいこうと思います。

172 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 01:26:21 ID:7m+b1flt
>>171
ザフィーラパパンって何か良いなGJ

173 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 01:27:38 ID:ezf3NBIF
>>171
なんというGJ!

ザフィーラ始まったなww

174 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 01:32:03 ID:4F7u/rgT
GJ!基本リインスキーな俺だからこういう和むのもイイ!
リインのフィギュアホスィ

さっきのクロノ×フェイトを見たらふと、クロノがフェイトとしてる時にリンディが部屋に入ってきて・・・

っていう電波を受信した。

175 名前:シャマるときシャマれば:2008/01/10(木) 01:53:32 ID:3c8xf8n0
さて、どうだ?
あ、エロはないです。
>>174ゴメんなさい


それはフェイトが一度目の執務官試験に失格して程なくの頃合い。
ハラオウン一家が居間のテーブルを囲って深刻な顔を合せていた。
ただひとり、フェイトだけがうつむきがちに視線を低くしている。

「うーん、成績は申し分ないし、実践演習もホントに実践をこなしているんだけど…」
「そうだそうだ! 落ちたのは絶対何かの間違いだよ!」
「アルフ、実際の試験は練習や演習と違う。どこか、捻くれた所があるんだ」
「そうね、フェイトさん、少し素直すぎるものね」

褒めを半分、たしなめを半分、リンディが微苦笑。
褒められた、と思ったフェイトの顔が照れている。

「よし、わかった。今まで仕事の片手間に勉強を見ていただけだったが、本腰入れて僕もフェイトを見よう」
「そ、そんな…いいよ」
「君はもっと問題を出す人間の意図を読んだ方がいい。僕がいろいろと意地悪な問題を作ろう」
「あ、そうだわ」

ぽん、と手を打つのはリンディ。
一同の目が集まる。

「家庭教師を、雇いましょう」



「という訳でフェイトくん、今日から君の勉強を見るようになったジェイル・スカリエッティだ。よろしく」
「逮捕」

スカリエッティがフィイトへと差し伸べた手をクロノのバインドが縛り上げる。
両手を縛る薄水色の手錠じみた魔力を不思議そうに見て、スカリエッティは不満げだ。

「この家では家庭教師の人権は認められていないのかな?」
「次元犯罪者がよく言えるな……母さん! 極悪人捕まえたけど!」
「あらあら」

パタパタと、台所からエプロンで手をぬぐいながらリンディが現れる。

「ようこそ。フェイトさんの事、お願いしますね」
「任せなさい。10問解けば人間不信、20問考えれば社会不適合社になるような悪徳な問題の数々を提供しましょう」
「フェイト、ヤバイよこのおっさん」
「ううん、でも……執務官になるためだし…」
「ドクターとでも呼びたまえ。なに、君は優秀だと聞いている。私は君の視野を広げる手伝いをするだけさ。最初は遊び感覚で構わないよ」

ぷちぷちとバインドを破りながらスカリエッティがニヤリと笑った。
断固としてクロノとアルフがスカリエッティの前に立ち塞がる。


176 名前:シャマるときシャマれば:2008/01/10(木) 01:54:49 ID:3c8xf8n0
「いいや、こんな怪しいのにフェイトは任せられないね!」
「ふむ、それは困ったな。これでも仕事はきっちりとこなす人間なのだがね」
「どうだかね! 信用できないよ!」
「いや、仕事をこなさねばならん、理由があるのだよ、アルフくん」
「?」
「私の家には12人の姉妹がいてね、全員が全員まだ幼いのだ。両親はおらず、私ひとりで育てねばならんのだが、流石に12人だ。口に糊する
だけでも精いっぱいなのだよ。いつもいつも私が作る小さな椀に入ったカレーを不満なく『美味しいよ、ドクター』と笑ってくれる。足りるはずが、な
いのだ。育ちざかりだぞ、あの娘たちは。それなのに、もっと、と一言も口にせずにただ出されたものを食べて過ごしてくれるのだ。あまつさえ、
『ウェンディ、もっと食べなよ』と姉が妹に分けてあげるのだ。それを見た時、私は己の不甲斐なさを呪った。もっと身を粉に……いいや、できるこ
とならばこの身をあの娘たちに食べさせて腹を満たしてやりたいぐらいだ。私はいい。私はどんなに辛い思いをしていいのだがね、なぜあんなに
いい娘たちが苦しく貧しい生活を送らねばならんのか………だから、私はもっと美味しいものをあの娘たちに届けるために、今、仕事をきっちり
こなさねばならんのだ」
「うう、ぐす。フェイト、このおっちゃんに任せようよ…ぐしゅぐしゅ」
「おい、泣くな! だまされるな! ウェンディまだ稼働していないぞ!?」

大泣きに泣くアルフはもう全開でスカリエッティ応援の態勢である。秘蔵の骨までスカリエッティに差し出す始末だ。
クロノ一人でスカリエッティを止めようとするが、当のスカリエッティはと言えばリンディに顔を向けている。

「奥さん、どうやら息子さんは人格に問題があるようですな」
「やはり!? 薄うす気づいていたのですが……師匠を間違えたかしら……」
「仕方ありますまい。ならばフェイトくんと一緒に、クロノくんの面倒も見てあげましょう」
「あら大助かり」
「いや、僕はもう試験に受かってるんだが…」
「君の場合は、道徳と倫理観を排除した、自分のための自分だけの自分による快楽の見出し方を教授しよう。任せたまえ、伊達に欲望を無限に抱えてないよ」
「結構だ」
「そう壁を作る事はない。大した自己管理能力だが、それでは彼女の一人も作れんよ?」
「僕には……」
「僕には?」
「僕には?」
「僕には?」
「僕には?」

ニヤニヤしながらスカリエッティが、不思議そうにフェイトとアルフが、嬉しそうにリンディが、聞き返す。
一発で頭が冷えたクロノは小さく、恥ずかしそうにそっぽ向いた。

「…………な、なんでもない…」
「エイミィよね?」
「か、かあさ!?」
「ほぉ、興味深い。後でどんな娘さんなのか聞かせてもらいたい」
「あ、エイミィとか」
「へー、エイミィとねぇ」

不貞腐れたクロノがプリプリ怒りながら出て行こうとするが、スカリエッティのバインド。

「な!? 離せ!?」
「そう邪見する事はあるまい。人生の先輩として、女性の喜ばせ方なども授業しようじゃないか」
「要らん!」
「さて、フェイトくん、まずは君の試験対策からだ。教材は残念ながらひとつずつしかないのでね、クロノくんと一緒に読むといい」

手渡された教科書には『嫌われ者の思考』『好かれない人の行動パターン100』といったタイトルが並ぶ。
著名はレジアス・ゲイズさんだ。
著名を眺めながらスカリエッティがしみじみと。

「いや、彼も努力をしているとは思うのだがね、それでも映像描写のほとんどが敵役のそれではないか」
「? 誰のことですか?」
「8年もすれば分るよ。さて、まずはそもそもどんな人間が試験官に抜擢されるか、なんて話をしようか」

まだもがくクロノを無理やり座らせて、スカリエッティが講義口調で2人に対面して椅子に腰を下ろした。

177 名前:シャマるときシャマれば:2008/01/10(木) 01:55:39 ID:3c8xf8n0
ここまでです。
というか、こんなのが続いていいのか分かりません。

178 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 02:03:30 ID:PIavbwbS
You続けちゃいなYo!!

179 名前:( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/01/10(木) 02:05:58 ID:g5jSZ2Vu
(゚д゚ 三;゚Д゚) 投下もうちょっと待ったほうが良い?

180 名前:シャマるときシャマれば:2008/01/10(木) 02:13:57 ID:3c8xf8n0
いえ、全然投下しちゃって下さいな。
続きがあるといっても纏まりきってないのですぐに出せるわけじゃあ御座いませなんだ。
張り切ってどうぞ

181 名前:( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/01/10(木) 02:29:02 ID:g5jSZ2Vu

それじゃ投下行きまーす。

注意事項
・捏造有り過ぎ
・レイジングハートの形状が(アニメ、リリちゃとも)違います。
・ついでに本編とレイジングハートの特性も違います。
・正直アリサ強杉。どこの跳躍系だ。
・非エロシリアス。
・BGM「Take a Shot」(だが俺の部屋にかかっていたのは「リリカル・マジック」だ。しかし謝罪も賠償もしない)
・あぼーんキーワードは「リリカルバイオレンス」

182 名前:リリカルバイオレンス 11-1/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/01/10(木) 02:29:54 ID:g5jSZ2Vu

「寝言抜かしてんじゃないわよ」
 崩れかけたフェイトの左側、なのはの反対側から歩み出る。
 まだ無垢であっても良い少女から放たれた、凄みのある低い言葉。
 プレシアの哄笑が止まる。何事か、とモニターに視線を向ける。
「さっきから聞いてりゃ、自分勝手な妄想ばっかり!」
 アリサの荒い声に、プレシアの眉がひくん、と跳ねた。
「アンタは悲しんでるんじゃない! アンタはアリシアを失って悲しんでるんじゃない!
ただ、世界の物事が自分の思い通りに行かなくて、駄々捏ねてるだけだ!」

 そもそもアリシアはなぜ死んだ?

 ────握られた白いカチューシャ、泣いている女の子。

 誰がその原因を作った?

 ────自分の物ではないカチューシャを握り、有頂天に笑う女の子。

「大きい小さいはあっても、誰にだってあることなのに!」

 ────一人ぼっちの女の子。一人ぼっちに落ちていく女の子…………

 ギリッ、プレシアは歯をむき出し、憎悪の目でアリサを睨んだ。
「ガキが! 私の何がわかる、アリシアの何がわかるっていうの!?」
「そのガキんちょに言われて図星のアンタはなんなのよ!」
 年齢差をものともしない烈しさで、アリサは即怒鳴り返す。
「フェイトだって、貴女がお母さんって事が間違いじゃないんじゃない! フェイトを好
きになれないアンタは、アリシアだって愛していたわけじゃない! ただ、自分が不幸で
す、周りが悪いんですっていう状況に浸るのに、丁度良かっただけよ!」
「小娘が……殺してやる……」
 激しい憎悪の表情。武装隊を灼いた時ですら、そこまでは見せなかった顔。
 だが、アリサは怯まない。
「OK」
 アリサはニヤリと笑う。
「今からそっちへ行ってあげる」
 言いながら、右手の親指を立てて、自分ののどの前に横一文字を切り、
「首洗って、待ってなさい」
 その親指を下へ向け、さらに下へと突き出した。

183 名前:リリカルバイオレンス 11 ◆kd.2f.1cKc :2008/01/10(木) 02:30:27 ID:g5jSZ2Vu
あっはっは、間違えた。ごめんなさい。

 仕切りなおします。

184 名前:リリカルバイオレンス 11-1/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/01/10(木) 02:30:47 ID:g5jSZ2Vu
「プレシアはね、最初の事故のとき、ひとり娘だったアリシア・テスタロッサを亡くして
いるの」
 プレシアの哄笑を背景に、エイミィが語る。
 辺境に飛ばされたプレシアが、同様に中央を追われたジェイル・スカリエッティと共に
進めた、人造生命の研究。
 だが、プレシアが望んだのは、ただ生命を、生殖行為に拠ることなく、人の手で生み出
すことではなかった。
 “既存の生命の再現”。
 “ただのクローン”ではない、記憶、性格全てを受け継いだ、“コピー人間”の製作。
 即ち、────アリシアの復活。
「でも、駄目だった。出来たのは、姿だけそっくりな人形。アリシアの記憶を与えてみた
けれど、フェイトでは駄目だった」
 Fabricate Artificial life TEchniques、Project “FATE”。フェイトの名はそのスペ
ル読みをそのままつけただけに過ぎなかった。
「やめて…………」
 人間を決めるのは遺伝子だけではない。クローン技術はコピー人間を作れない。出来る
のは“人工的に作られた一卵性双生児”だ。
「アリシアはもっと賢い子だった。アリシアは時々わがままを言うこともあったけど、私
の言う事を良く聞いてくれた。アリシアはもっと私に優しかった。アリシアは良く私に笑
いかけてくれた」
「やめて…………」
 弱々しい悲鳴のようななのはの声に反応することもなく、プレシアの独演は続く。
「アリシアを蘇らせるまでの間、私が慰みに使うだけのお人形。だからフェイト、貴女は
もう、どこへなりとも消えなさい!」
 ────ギリッ
「アッハハハハハハ、アハハハハハハ!」
 哄笑を上げるプレシアの顔は、しかし、どこか自嘲的にも見えた。
「フェイト、見えていて? 最後に良いこと教えてあげるわ」
 俯きがちになり、今にも零れそうなほどの涙をたたえていたフェイトが、顔を上げる。
「私は、貴女のことが、最初から、大嫌いだったのよ」
 …………何かが、砕けた。
 フェイトは、身体から喪失するように脱力し、膝を突いた。
 待機状態のバルディッシュが、床に落ちた。

リリカルバイオレンス
 PHASE-11:The flame which burns vigorously of Magic user (前編)

185 名前:リリカルバイオレンス 11-2/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/01/10(木) 02:31:10 ID:g5jSZ2Vu

「寝言抜かしてんじゃないわよ」
 崩れかけたフェイトの左側、なのはの反対側から歩み出る。
 まだ無垢であっても良い少女から放たれた、凄みのある低い言葉。
 プレシアの哄笑が止まる。何事か、とモニターに視線を向ける。
「さっきから聞いてりゃ、自分勝手な妄想ばっかり!」
 アリサの荒い声に、プレシアの眉がひくん、と跳ねた。
「アンタは悲しんでるんじゃない! アンタはアリシアを失って悲しんでるんじゃない!
ただ、世界の物事が自分の思い通りに行かなくて、駄々捏ねてるだけだ!」

 そもそもアリシアはなぜ死んだ?

 ────握られた白いカチューシャ、泣いている女の子。

 誰がその原因を作った?

 ────自分の物ではないカチューシャを握り、有頂天に笑う女の子。

「大きい小さいはあっても、誰にだってあることなのに!」

 ────一人ぼっちの女の子。一人ぼっちに落ちていく女の子…………

 ギリッ、プレシアは歯をむき出し、憎悪の目でアリサを睨んだ。
「ガキが! 私の何がわかる、アリシアの何がわかるっていうの!?」
「そのガキんちょに言われて図星のアンタはなんなのよ!」
 年齢差をものともしない烈しさで、アリサは即怒鳴り返す。
「フェイトだって、貴女がお母さんって事が間違いじゃないんじゃない! フェイトを好
きになれないアンタは、アリシアだって愛していたわけじゃない! ただ、自分が不幸で
す、周りが悪いんですっていう状況に浸るのに、丁度良かっただけよ!」
「小娘が……殺してやる……」
 激しい憎悪の表情。武装隊を灼いた時ですら、そこまでは見せなかった顔。
 だが、アリサは怯まない。
「OK」
 アリサはニヤリと笑う。
「今からそっちへ行ってあげる」
 言いながら、右手の親指を立てて、自分ののどの前に横一文字を切り、
「首洗って、待ってなさい」
 その親指を下へ向け、さらに下へと突き出した。

186 名前:リリカルバイオレンス 11-3/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/01/10(木) 02:31:38 ID:g5jSZ2Vu
「! 庭園内に多数の魔力反応!」
 CICコンソールの、エイミィが、叫ぶような声で言う。
「魔力値、Aクラス相当……まだ、増加中」
「庭園周辺部の魔力素偏差、異常です」
 環境モニターコンソールのオペレーターが声を上げる。
「3000万……いえ、7000万、まだ上昇中!」
「次元震発生します、危険度B!」
 モニターに警告表示が踊る。エネルギーが波状に押し寄せ、「アースラ」を不気味な振
動が襲う。
「転移可能距離限界まで離脱! ディストーションシールド準備!」
 プレシアと丁々発止、口先で渡り合っていたアリサに唖然とさせられていたリンディだ
が、瞬時に我に返り、指示を下す。
「プレシア・テスタロッサ、何をしようって言うの!?」
「何も。ただ、邪魔されたくないのよ。私達の旅を」
 睨み付けるように険しいリンディの顔に、プレシアは高慢な口調で言い返す。
「失われた永遠の都、アルハザードへの旅を」
「なんだって!?」
 クロノが、驚愕の声を出す。
「ごめんなさいね、お嬢さん。殺してあげられなくて」
 嘲笑うプレシアに、アリサはムッ、と眉を吊り上げる。
「永遠の都アルハザード、私達はそこで、失われた時を、幸福を、取り戻すのよ!」
 虚空を抱くように腕を広げ、プレシアは言う。
「行くわよ、ユーノ、なのは」
 アリサはモニターから視線を離し、2人を振り返る。
「うん」
 アリサの言葉に、ユーノとなのはは、力強く頷いた。
「っと」
 ユーノ、なのはと共に駆け出そうとして、アリサは、思い出したように、一度振り返る。
 アリサの視線の先には、アルフに支えられているフェイト。弱々しげな表情で、アリサ
を見ていた。
「ごめん、フェイト、お母さんの事、悪く言っちゃって」
「ううん、気にしないで良いよ」
 儚げに、フェイトは言う。
「それに、ありがとう」
「へ?」
 予期しなかった、フェイトの言葉に、アリサは一瞬、間抜けな声を出し、目を円くした。
「僕も行くぞ」
 クロノが、ユーノとなのはを追って飛び出しかける。
「ちょっ、あっ、待ちなさいよ、あんた達ーっ!」
 アリサは我に返り、怒鳴りながら、3人を追いかけた。

187 名前:リリカルバイオレンス 11-4/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/01/10(木) 02:32:12 ID:g5jSZ2Vu

 「時の庭園」、上部構造物。
 転移魔法の輝きながら魔法陣が展開し、そこに4人が姿を現した。
『はーい、もう1人、補助要員送るよー』
 エイミィの声が、念話越しに届く。4人がキョロキョロしかけると、そこにもう1人、
光を伴って転送されてきた。
 武装隊の制服。反りの入ったナイフのような刀具が付いた、錫杖形のストレージデバイ
ス。それにもうひとつ、足に履くインラインスケートも、ストレージデバイスだった。
「クイント・ナカジマ陸士長です。よろしくお願いします」
 敬礼する女性に、アリサ、ユーノ、なのはは、反射的に身を硬くする。
「よろしく……でも、陸士ってことは」
 クロノは、返礼しつつ、少し戸惑ったように言う。
「交換要員での出向ですが、与えられている任務は執務官殿と変わりません。それに、室
内なら、私の能力に適しています」
「解った。それじゃあ、よろしく頼む」
 クイントの言葉に、クロノが頷いた。
 そして、5人は庭園のエントランスに視線を向かわせる。
 そこには、巨大な西洋甲冑の群れ。だが、その中に収まっているべき人間の姿はない。
「こいつらは?」
 レイジングハートを構えて睨みつけつつ、アリサはクロノやユーノに問いかける。
「傀儡兵(くぐつへい)、主人の命に従うだけの、作り物の兵隊だよ」
 クロノがS2Uを構えつつ、説明する。
「つまりロボット兵ってワケね。じゃあ、遠慮は必要なしってワケだ。なら、なのは!」
「うん!」
 アリサが不敵に笑って言うと、なのはがL4Uを突き出した。
『Braze Canon』
 L4Uの先端に、魔力弾が収束する。
『Break Shot』
 収束した魔力弾が、無数の矢となって迸る。桜色の光の矢が、傀儡兵の身体を貫く。当
たった傀儡兵は、そのまま崩れ落ち、ただのガラクタへと変わる。
「君と言いなのはと言い、本当に管理外世界の人間なのか? 規格外もいいところだ」
 クロノが呆れたように言う。クイントは、なのはの射撃に唖然としている。
「喧嘩売ってるんなら後で買うわよ」
 アリサは、済ました表情でそう言ってから、
『Axel fin』
 飛び出す。
「負けてられるかっ、行くぞ、クイント!」
「はいっ」

188 名前:リリカルバイオレンス 11-5/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/01/10(木) 02:33:00 ID:g5jSZ2Vu
 クロノが飛行魔法で、クイントがスケートデバイスで飛び出した。
『Sprite Slash』
 キィン
 レイジングハートが、青白い光を帯びる。
 傀儡兵の身体に当たる。赤い線を引いて、刀身が通り抜ける。傀儡兵は瓦礫になって崩
れ落ちる。
『Ray Lance, Clash mode』
 正面に迫る1体に、青白い魔力弾をぶつける。吹っ飛び、仰向けに倒れる。完全に機能
停止はしていないが、起き上がる動きが弱々しい。
『Stinger Ray, Multi Shoot』
 6発の青い光が、S2Uの先端に収束し、放たれる。
 光の矢が傀儡兵を貫き、動かぬ空の鎧へと変えていく。
『Break Slash』
 クイントの持つパルチザン型デバイス「GBF-T3」の、刀具部分が、深い青の魔力光を
帯びる。
『Flash move』
 スケート型デバイスが高速移動魔法を展開する。クイントが、群がる傀儡兵の隙を縫っ
て走り抜け、その背後からGBF-T3の刀具で斬り付ける。1体だけに、かと見えたが、クイ
ントを挟んでその反対側に居た1体も、同時に崩れ落ちた。
『Stinger snipe』
 3人の背後に回りこもうとする傀儡兵を、やや後方から、なのはが狙い撃ちにする。
『Brake Impact』
 GBF-T3の声と共に、押し当てられたクイントの手から衝撃波が走る。手の先にあった、
木製だが重厚な扉が木端微塵に吹っ飛ぶ。
 キッ
 クイントが真っ先に飛び込んできて、デバイスを構えながら、180度方向を変えつつ、
状況確認も兼ねて一度停止する。アリサとクロノ、そしてなのはとユーノが後に続いて入
ってくる。
 センターホール。
 一瞬、傀儡兵の姿は見えないようにも思えた。だが────
「危ない!」
 ユーノが、アリサに飛びつくような勢いで、その側に駆け寄る。
「ラウンドシールド!」
 緑の光の盾が、5人の上にかさのように広がる。
 ガシャガシャと、天井の方から無数の傀儡兵が降ってきた!
 アリサたち目掛けて降ってきた傀儡兵は、ユーノのラウンドシールドに阻まれ、姿勢を
崩して、自由落下で床に叩きつけられる。

189 名前:リリカルバイオレンス 11-6/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/01/10(木) 02:33:26 ID:g5jSZ2Vu
「このっ」
『Devin Clasher』
『Blaze Canon』
 レイジングハートからオレンジ色の、S2Uから青の閃光が迸り、転げた傀儡兵を瓦礫に
帰した。
「Thanks、ユーノ」
 アリサはウィンク交じりに、ユーノに向かって言う。
「だが、エントランスの連中よりレベルが高いな。キリが無いぞ」
 クロノはS2Uを構えつつ、少し焦れた様子で、周囲をジロリと見渡した。

190 名前:リリカルバイオレンス 11-7/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/01/10(木) 02:33:54 ID:g5jSZ2Vu

『フェイトだって、貴女がお母さんって事が間違いじゃないんじゃない!』
 医務室のベッドの上で、フェイトはアリサの言葉を反芻していた。
「あの子は、私が、お母さんの娘だって言ってくれた」
 フェイトが欲しかったのは、同情でも、慰めでもない。
 フェイト・テスタロッサが存在する。
 プレシア・テスタロッサの娘として存在する。
 それをアリサは肯定した。否定するプレシアを糾弾した。
 フェイトは、今一度ゆっくりと目を閉じて、アリサとプレシアの姿を、脳裏にリフレイ
ンさせる。
 アリサ達は「時の庭園」に行った────
 だが、本来ならばその場にいなければならないのは彼女たちではなく、自分のはずだ。
 フェイトはベッドから降り立ち、プレートアクセサリーになっているバルディッシュを
手に取った。
「フェイト!」
 立ち上がったフェイトに、人間形態のアルフが慌てて駆け寄る。
「大丈夫だよ、もう」
 フェイトは微笑んで、アルフを振り返った。
「終わらせに行かなきゃ、私が」
 フェイトはそう言って、手の中のバルディッシュに視線を移した。
「そうだよね、バルディッシュ」
『Yes, sir!』
 質実剛健にして実直なインテリジェントデバイスは力強く答える。
『Set up, Ready』
 金色の、垂直の魔法陣が展開し、白い病人衣を着せられていたフェイトの四肢を、黒い
バリアジャケットが覆う。マントが、翻る。
 終わらせよう、
 プレシアと、
 アリシアと、
 私と、
 ────始める為に。
「行くよ、アルフ」
「解った!」
 緋色の魔法陣が展開し、2人の姿が吸い込まれる。

191 名前:リリカルバイオレンス 11-8/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/01/10(木) 02:34:38 ID:g5jSZ2Vu

『Sprite Slash』
 ガキィンッ
 魔力光を帯びるレイジングハートは、しかし、白い光の盾に遮られた。
「ぐっ」
 アリサが表情を歪ませる。
『Caution!』
「!?」
 その横に、肩に榴弾砲のようなものを備えた傀儡兵が、側面から、アリサにその砲身を
向けてくる。
「ラウンドシールド!」
 発射光が瞬く。だが、その光は、アリサの寸前で、爆ぜ、霧散した。
 緑色の光の盾が、アリサのすぐ横に張られている。
 ユーノが、フローターに立ちつつ、シールドを張りながら、アリサにはにかんだ様に笑
いかける。
「レイジングハート、もう1段!」
『Sprite Slash, Dual Excise』
 キィン
 オレンジ色の光を帯びたレイジングハートが、傀儡兵のシールドにめり込み、そして、
砕く。そのまま傀儡兵を両断し、瓦礫に帰す。
「うぉりゃっ」
 乙女にあるまじき声を上げつつ、返す刀で、砲撃型を下から斬り“上げる”。
「はぁ、はぁ……」
 ガラクタへと変わっていく砲撃型を見ながら、荒い息を整える。
 まだ残ってはいるが、クロノとクイントでがっぷり四つ。後はなのはの砲撃で一掃を─
───
 ガラガラドガガラ……!!
 ホールの壁を砕いて、傀儡兵が現われた。1体。だが、サイズは今までの4倍はあろうか。
そして、巨大な魔力臼砲を、両肩に背負っている。
「こ、これはまずいんじゃないかしら……」
 レイジングハートを構えなおしつつ、アリサの顔が引きつった。
 砲の照準がアリサに向いたその瞬間、砲撃の術式が展開する直前。
『Photon Lancer』
 金色の魔力弾が、雨霰と、巨大傀儡兵に降り注ぐ。
「フェイト!?」
 傀儡兵はシールドを自動展開し、右斜め上から降り注ぐ魔力弾をことごとく凌ぐ。だが、
その分、砲撃の術式は展開できない。
 黒と金色を纏った少女が、アリサの傍らに降りてきた。

192 名前:リリカルバイオレンス 11-9/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/01/10(木) 02:35:14 ID:g5jSZ2Vu
「あれの弱点って、無いわけ?」
「重砲撃型、巨大な分シールドも強力だし、動きが鈍い事ぐらいだけど……」
 フェイトも構えつつ、言葉で迷う。
「よし、一撃撃たせよう。その隙を突くんだ」
 そんな、とんでもない事を言い出したのは、アリサのすぐ後ろで術式を準備させていた、
ユーノだった。
「アリサ、得意でしょ?」
「って、言うけど、あんなでかいの!」
 アリサは、目を剥いて、ユーノに抗議の声を上げる。
「防いで見せるよ」
 ユーノがそう、答えたとき、アリサには既に選択肢はなかった。
 砲の術式が展開し、マズルフラッシュが周囲を眩く灼(や)く。
「ラウンドシールド、デュアルエクササイズ!」
 アリサ達の目前に、緑の、光の盾が、2重に現われた。
「ぐぐぐっ」
 圧力で圧されつつも、ユーノはシールドを維持し続ける。
 果たして、砲撃は、霧散して消えた。
『Thunder Smasher』
 バルディッシュの先端から、雷光を伴って、金色の砲撃魔法の奔流が、今度は傀儡兵に
向かって迸る。
 白いシールドを張り、凌ごうとする巨大傀儡兵。だが、砲撃で蓄えられている魔力を使
用した後に、強烈なフェイトの砲撃を受け、シールドは軋み、ひび割れる。
「このぉぉっ!」
『Sprite Slash, Dual Excise, Tri』
 鮮やかなオレンジ色に染まったレイジングハートが、シールドを失った傀儡兵の、胴の
真芯に、つき立てられた。
 漏れ出た魔力素が煙となって撒き散らされながら、巨大傀儡兵はその場に擱座し、赤錆
び朽ちた鎧へと変わり果てた。
『Stinger Ray, Multi Shoot』
 3発の魔力弾が、目前の傀儡兵の胴を次々に貫く。
「君は……来たのか!」
 険しい表情で、クロノは片付けた傀儡兵に一瞥もくれず、アリサとユーノ、そしてフェ
イトに向かって駆けてくる。
 同じくクイント、そして心配そうな表情のなのはもやってきた。
「ごめんなさい、でも、私……」
 険しい表情のクロノに、気後れしたのか、フェイトは戸惑ったような声を上げかけた。
 だが、クロノは、それをばっ、と。手で制した。
「話は後だ! 今はプレシアを止めるのが先だ」
 強い調子で、きっぱりと言う。

193 名前:リリカルバイオレンス 11-10:2008/01/10(木) 02:35:46 ID:g5jSZ2Vu
「プレシアは、アルハザードへと至る為に、次元震を、次元断裂を起こそうとしている」
 次元断裂、空間の裂け目。その先は“無”ですらない、全てが無意味。そこに落ちたも
のは、“消失”する。永遠に戻ることは出来ない。
 そして、時にそれは、1つの世界、宇宙そのものを飲み込んでしまう事さえある。
 だが、プレシアはその先に、アルハザードがあると信じている。その為に、ジュエルシ
ードで大規模な空間干渉を行い、次元断裂を引き起こそうとしている。
 存在するかどうかもわからない物の為に、いくつかの世界を、そこに住む何も知らない
生命もろとも“消失”の危機に陥れようとしている。
「それに、君には当事者として、事件を見届ける義務があるのかもしれない」
 クロノの言葉に、フェイトは、こくり、と、深く頷いた。
「クロノ君、やっぱり優しいんだね」
 傍らからなのはにそう声をかけられ、ビクッ、と、クロノは驚いたように跳ねた。
「そんなんじゃ、ぼ、僕は現状の最善をだな……」
 慌てたように、なのはに言うクロノ。それを見て、クイントがクスクスと笑う。
 だが、場が和んだのも一瞬。
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
 「時の庭園」が、激しい振動を始めた。
 構造物が崩壊を始めている。
「くそっ、プレシアめ、始めたな!?」
 クロノが毒つく。
「大規模な次元干渉を行うんだ、この『時の庭園』自体も、もたないぞ!」
 ユーノも険しい声を上げる。
「死んで元々のつもりなのよ、プレシアは」
「そんな……」
 クイントの言葉に、なのはが悲痛な声を出す。
「…………」
 フェイトは、無言。
「そんなの、許さないわよ」
 そして、アリサが言う。
「あのバカ女、まずはフェイトの前に引きずり出して、あの高慢ちきな顔を土下座させて
やる! そうでもしなけりゃ、気が治りゃしないわ!」

194 名前:リリカルバイオレンス 11-11/10 ◆kd.2f.1cKc :2008/01/10(木) 02:38:50 ID:g5jSZ2Vu
>>184-193
今回は以上です。

クイントさん出したのはちょっと戦力分配を調整したかったので。
まだ闇の書事件前でベルカ式が再興していないので、ミッドチルダ式です。
シューティングアーツも未完成、ということで。
スケートデバイスの名前は、「ソニックキャリバー」。

しかし俺が書くとアリサ、お嬢様のはずなのに下品だなぁ……

195 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 02:46:26 ID:0U0RA+hI
>>194
GJです!
完結に向けてワクテカが止まりません。

ぜひA'Sも書いてください。

196 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 03:50:30 ID:bqvcyH+z
ガチバトルばっかで全然抜けない
中二病みたいな文章いいかげんにしろ

197 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 04:05:06 ID:v0JSbNTm
抜くなボケ

198 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 04:08:21 ID:dMC3K5a8
口調はアレだが
用途をちゃんと書いてるあたり勇者だなw

199 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 04:15:07 ID:JlGFHopy
エロ全開の実用向けがいいんですね

200 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 04:45:34 ID:MpzBpoIK
>>194
GJです!
原作と照らし合わせると、いよいよクライマックスですが、
クイントさんの登場や原作には登場しないユーノの二重盾魔法、
アリユノ(&クロなの?)描写などのオリ要素がたくさんあるのに、
鼻に付かない程度の強さなどので、ストーリーの良いスパイスになってると思います。

でも、すずかが魔法少女になった版(「Raload」だっけ?)も続きがあるなら読んでみたいです(我侭)w

201 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 07:29:10 ID:ILwVNxcA
>>136

亀レスですがGJ!!
教導官は新年そうそうなんて夢を見ているんだwww
恐ろしいと思いつつ萌えてしまった・・・w
こうなると執務官の初夢も気になる。


202 名前:ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2008/01/10(木) 07:30:58 ID:vFHor5RL
おはようございます。何か賑やかでいいですねw
……朝刊が進んでなくて申し訳ないですが。えぇ、昨日は飲み会でしたしょぼーん
今日は1レスしかないぜ。そして次回は月曜だぜ・゚・(ノ∀`)・゚・。

(レスとか)
>100 いやいやいや、裏切ってなんて!黒幕は三提督とかもうねwwwwミゼットばーちゃんにもぶっ飛ばされるwwww

>113 なるほどそんなトラップが。人柱感謝致します。しかし叩き割るのは……誰なんだろう?

>134 うん、おっぱいおっぱい!ちなみに朝刊は一応、非エロじゃなかったりするんですがね……一般客がショック受けなきゃいいけどw

>136 倒錯してるのはどっちじゃー!?……あれ否定しようよ自分!?っていうか私は明太子かよオノレwww
そして、実は朝刊のフェイトさんはずっと前から或る執務官と同一人物だったr(部屋がラムネで埋め尽くされました

>154 さすがティアナ、トリッキー。そういえばはやてとティアナの会話書いてると、何故かホームズとワトソン君のようなイメージが

>170 リィン可愛い!101匹のワンちゃんですぅ〜は脳内で完璧に声ががが
でも確かに扱いにくいんですよね
3末っ子の1人なんで頑張らないといけないのだけど……あとの2人が強くってなぁ……w

>177 スカ博士が素敵すぐるwwwwどんだけwwww
でもできるなら注意書きというか前置きも一緒にするといいかもわかりませんね
>1はやっぱり大事ですから

(業務連絡)
>115 ああ、いえ「うち」で大丈夫です。手元のファイルが「私」、になってましたので……他の司書様が差し替えて下さったのかな。感謝感謝
あとはお任せいたします。しかし本当に追いつきそうですねw凄い


プロジェクトF.A.T.Eは……
...Fucking And Tasting Endless?はっはっは。もうだめかもわからんね


(注意書き)
[熱血魔法少女"恋愛"アクションSS〜ソラノカケラ〜第47回・クアットロ再び(6)][当分非エロ][多分シリアス]
シルバーカーテン、もといNG発動キーはタイトルで「ソラノカケラ」「ゲリラ兵」を指定すれば確実に消えるかと思われます

(今日の注意)
クア姉とディードちゃんの会話しかないです。あと1レスです。ごめんなさい⊂´⌒つ。Д。)つ
ちなみに説得の会話の中身はあくまで雰囲気作り程度ですので、深い意図は特にないです。伏線は入ってるけど(ニヤ

では、朝刊〜

203 名前:〜ソラノカケラ〜(47)(1/1):2008/01/10(木) 07:32:13 ID:vFHor5RL
 しばらく硬直していたが、過去の幻影パターンと一致するのに実機であったトリックに気づくフェイト。
(幻影が被せてあるんだ……)
「幻影が被せてあるみたい。自力で探すしかないね。シャーリー達は、ニタヴェリールの識別をやってみて」
「……了解しました」
画面を閉じて、U型のかなり近くまで高度を下げるが攻撃は無い。
ただし気分の悪くなる方向、とした漠然とした情報を頼りに、ゆっくりと旋回してみても、どうにも厳しかった。
(わからないな……どこだ……どこだ)

 メインスクリーンを見ながら、はやては相変らずティアナと相談を繰り返していた。
(ひやっとしたけど、とりあえずまだ平気そうやね……それにしてもわっからんなー、やっぱ何が目的なのかがわからん)
(そうですよね……やっぱりスカリエッティの開放以外の目的が?)
(開放以外っちゅーとなんや?あの物質を使ってできること……)
(う〜ん)
悩む二人を他所に、現場の音声が指揮室に響く。
「つまんない子でも構いませんから、帰りましょう。みんな待っていますから」
「あのねえ、ディードちゃん、貴方達は裏切り者なのよぉん?生みの親を裏切った貴方達と一緒なんて死んでもお断りですからー」
「ドクターを説得すれば、裏切り者でなくなります。みんなで一緒に、と言えば、きっとわかって頂けますから」
「そうかしらねえ〜?くくく、何の冗談だいディード、とかいいそうよ?」
「そんなことはありません。ドクターはいつだって私達の事を考えてくれています」
「はぁ……ほんっとお人良しもいいとこ。私の妹とはとても思えないわ」

 傍から見ていたノーヴェとウェンディは念話でディードの成長振りに心底、驚いていた。
(すごいっすね!ディード、クア姉に口で負けてないっす!)
(だな……前は全然喋らなかったのに)
(ところで、このクア姉本物っすか?)
(ああ、多分な。さっき確かめた。……中身が空洞だったらしらないけどな)
(あー、そういえばなんかダミー人形を作るとかドクターが言ってたっすね〜)
(あれ完成してたか?)
(わからないっす!クア姉とドクターは秘密主義っすから)
(何か説明されたような、されなかったような……がー、あーもう、話は難しいし頭痛くなってきた……)

 再びメインオペレータールーム。
相変らずディードとクアットロの声だけが響いている。
「思えなくても構いませんから、戻ってきてください。お願いします」
「いやーよ、結局管理局でこきつかわれるんでしょ?真っ平ごめんだわー。きっと上司を殺したくなっちゃうしぃ〜」
その言葉に、はやては何か引っかかりを覚えた。
(殺したい上司……?誰かを殺したいんか?)
(うーん?)
漠然と嫌な予感を覚えながら、ディードの懸命の説得に耳を傾ける。
「そんなに……この世の中がお嫌いですか」
「あーそれはもー!決まり法律約束事、かんじがらめで腹が立つ。そうは思わな〜い?ディードちゃ〜ん」
「それでもいいじゃないですか。みんなが幸せに暮らしていけるなら」
「そう?本当に皆幸せかしら?貴方の隣で笑っていた誰かも、その愛する人も、笑顔の下では何を考えているかわからないもの」
「どうして、どうして、そんなに疑うんですか……信じられないんですか?」
「あっらー、この世の中は嘘だらけよーん?疑惑、欺瞞、偽善――信じられるのは自分だけ。そうじゃない?」
「そんなことはありません、みんなが想いを持ち寄って、この世界は成り立っているんだって、私はそう思います」
「ふん、そんな綺麗ごとばっかり言ってると――」
と、そこでギンガの後方に見える、婚約したばかりの白いエースオブエースの方をちらっと見やってから続けた。
その視線に、はやてとティアナはほぼ同時に閃く。
(彼女が殺したいほど恨んでいて――)
(数百万人の人命に引き換えにしても惜しくない、数億人、数京人の人間を助けることのできる価値のある人物、といえば――!)
「どっかの悪魔さんみたいになっちゃいますよぉ?」

204 名前:どっかのゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2008/01/10(木) 07:34:25 ID:vFHor5RL
……そういえばガチ戦闘でもアドレナリンでっぱなしなら抜けそうな
がんばってきます(できるのか?)
ほいではまた月曜に〜ノシ


205 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 07:58:56 ID:nih7x+vw
>>170
GJです。ザフィーには不本意だけどすごい和みました。
「101」を今後、3人にネタにされるんだろうなw

>>194
GJ!クイントさん出てきたのにはびっくりでした。
アリサの熱意がどこま通用するかですね。

>>204
朝刊毎度ご苦労様です。ディードの性格がすごくにじみでてますね。
わかりやすくて面白いです。続きを早く見たいです。

206 名前:43-154:2008/01/10(木) 09:21:07 ID:H9D8eIHT
あ、なんかもう200超えてる。
>>203朝刊ご苦労様です!

こちらも投下用意完了。投下しますがよろしいですか?
"漢たちの挽歌その9"今回は『いつもに比べて長め』と言った昨日より後一つ
長いです。


207 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 09:23:34 ID:2TgZ8yqk
おお、お願いします!

208 名前:43-154:2008/01/10(木) 09:28:00 ID:H9D8eIHT
では、いきます。
今回の注意。
少し(漢たちへのお仕置きが)ぬるいかも知れないです。
作者は英語とドイツ語が絶望的な人間です。
鉈分が含まれています。摂取の際は御気を付けください。


209 名前:漢たちの挽歌その9(1/6):2008/01/10(木) 09:28:55 ID:H9D8eIHT
新暦075年12月某日 0050時 機動六課演習場


高町なのは一等空尉の完全監修の下構成されたこの演習場はいかなる想定され得るあらゆる状況が再
現可能となっている。

今、再現されているのは小高い丘。無数の十字架が立ち並ぶ丘。見るものに死を予感させる丘。救世
主が処刑されたゴルゴダの丘と呼ばれる場所の風景だった。


バインドで何重にも拘束された男たちが訓練場のど真ん中に放り出された時に考えたのは。
(((しかし、一体何を思ってこんな風景を用意してたんだろう?)))
だった。3人まったく同じ事を考える辺り仲がいいと言えるだろう。が、

「ん、何か不愉快なこと考えなかった?」
レイジングハート(なんか色が黒っぽい気がするが)を構えたなのはに睨まれた。
『いえ何も!!!』

余計なことを考えることすら今の彼らには許されないらしい。

210 名前:漢たちの挽歌その9(2/6):2008/01/10(木) 09:29:15 ID:H9D8eIHT
まず、ランパブより運び出された男たちははやてが調達しておいたトラックの荷台に詰め込まれ、かな
り雑な運転で六課まで運ばれた。その後、この演習場に空のダンボールよろしく放りだされたのだ。此
処にいたるまで誰一人荷台の3人のことを気にかけはしなかった。


地べたに蟲のごとく転がされた男3人をCの字に囲む女性達がいた。その真ん中のはやてが言う。
「さて、これより夜遊びを覚えた男3人の裁判を行う」
ヴァイスが器用に身を起こし抗議しようとしたが、
「いや、ちょっとまって下さいよ八神隊長!何も俺達は(ズダン)(パラパラ)」
くすんだオレンジ色に発光するかなり肉厚な鉈がヴァイスの前髪の何本かを切り落とした。
「発言があるのなら挙手のうえ、承認をもらってからにしてくださいねヴァイス陸曹?」
そこには魔王がいた。だが、自分達のよく知る魔王とは違う。何せ彼女は刃物は使わなかったはずだ。
しかし間違いようの無いこの気配、彼女がティアナだと気付くのには少々時間がかかった。

確かにティアナの魔力はなのはに比べれば全然少ない。しかし魔王とはその単純な力をさす称号にあら
ず。その者の本質、相対するものに与える恐怖、ソレらを持つものこそが魔王たる称号を持つ者なのだ。
嗚呼、ならば間違いなく彼女は魔王だ。

男たちは黙った。『そんな無茶な!』と言う叫びすら押し殺した。こんな状況で声を上げる事が出来る人
間がいるだろうか?至極当然の判断である。

211 名前:漢たちの挽歌その9(3/6):2008/01/10(木) 09:29:41 ID:H9D8eIHT
「裁判長は私。検事は此処に居る女の子達皆や。何か質問は?」
『弁護士は?』
異口同音に3人が問い返す。
「ん?何か寝言が聞こえた気がしたなぁ」
「はやて。寝言は寝て言うものだよ?だからコレは・・・・・戯言だよ」
フェイトさんなかなかに辛辣ですな。
ところでなのはさんは?
「ごめんなの、はやてちゃん。私明日の為に今日は早く寝るの。あと、デスクの上に興味深い書類を
置いておくの。後で読んで置いてなの」
「せやなぁ。明日はなのはちゃんぎょーさんやらなあかん事あるもんなぁ。わかったでぇ」
「ありがとうなの。おやすみなの」

ユーノにぶつけるパワーをチャージする為、裁判には参加しないらしい。もっとも、もうすでに2代
目の魔王がいる以上何の救いにもならないが。


「では開廷!検事諸君求刑はどないする?」
『私刑!』
女性陣が口をそろえて私刑(リンチ)を求め・・・・
「では、判決!私刑!!」
はやては速攻で決を下した。

「いや、まって下さいって!俺らの命の保障は!?あと、俺が動けなかったら誰がヘリの操縦を・・・」
「そ、そうですよ。明日はもともと休暇ですから大丈夫ですが以降の書類などは!?」
「それに、ティ・・・・スバルさんもフォワードのローテーション崩れたら困りませんか!?」

必死にすがる男たち、だがソレも無常に潰されて行く。

212 名前:漢たちの挽歌その9(4/6):2008/01/10(木) 09:30:13 ID:H9D8eIHT
「ヘリの方なら心配なさらずとも私がいますので大丈夫です」
と、アルトが。
「今は急ぎの書類が無いから復活しだい溜まった分を片付けてくれればいいよ。どれぐらいたまる
かなぁ」
とはシャーリーの弁。
「んー、ギン姉が代わりに入るから大丈夫だよ。今はそんなに緊急出動もないし」
スバル、君は憂さ晴らしがしたいだけでは?

「それになあ、命の方は大丈夫や。リィンがシャマルを連れて来てくれたからな」
「ええ、すいません。ちょっと体調が悪くて・・・・(もちろん嘘。怒り心頭のはやてから逃げてただけ)
でも、もう大丈夫ですよ。怪我をしてもちゃんと治しますからね」
(((嫌な予感が)))
「と、言うわけで多少大怪我してもすぐに治してまたスタートの繰り返しや・・・・何時までもつか楽
しみやわぁ」

そう、絶望の宴は今より始まる・・・・・

213 名前:漢たちの挽歌その9(5/6):2008/01/10(木) 09:30:35 ID:H9D8eIHT
阿鼻叫喚の地獄の幕が開いた。


惨劇としか言いようは無い。

男たちはかろうじて走ることは出来る。しかし両腕は縛られ一切手が出せない(二重の意味で)。

そんな中、戦闘能力の無いアルト・ルキノ・シャーリーは実行犯の援護要因としてあらかじめ設置
してある『魔王印のトラップ教導隊仕立て』を作動させていく。

トラップが無くなったと思えば・・・・


「轟天爆砕!ギガントシュラァァァク!!」

「ディバイィィィィン!バスタァァァァァ!!」

大出力攻撃で吹き飛ばされ・・・・


「プラズマランサー・・・・ファイア!!」

「クロスファイア・・・・シュート!!」

「キュクー!!!」

散り散りになった所を狙い撃ちされ、キャロがかなりおねむだったので寝る際にフェイトが頼んで
置いていったフリード(竜魂召喚済)にどつき回される。流石にヴォルテールは無理だったが・・・・・正
直焼け石に水だろう。

214 名前:漢たちの挽歌その9(6/6):2008/01/10(木) 09:30:58 ID:H9D8eIHT
個々で逃げ回れば・・・・・

「フリーレンフェッセルン!」
「雷光一閃!プラズマザンバァァァァ」
「響け終焉の笛!ラグナロクッッッッ」
『ブレイカァァァァァ』

足止めの上ダブルのブレイカーが降りそそぐ!
黒焦げになり薄れ行く意識の中
『やっと終わったか・・・・』
等と考えていると、

「静かなる風よ、癒しの恵みを運んで」

シャマルの回復魔法のおかげでHP全快にされた状態で再び地獄に戻らされる。その間トラップの補
填も完了し再び宴が始まる。

此処に響くは、悲鳴に絶叫。そう、漢たちの挽歌。そこに慈愛の心は欠片も無く、夜が明けるまで続
いた。


夜が明けたとき、彼らはもう動かなかった。体には一切傷もなく、深刻な内部の損傷も無いにもかか
わらず彼らは指一本動かせなかった。

そして、もう一箇所地獄の幕開けを待つ場所があった。

その名を聖王教会という。

215 名前:漢たちの挽歌あとがき:2008/01/10(木) 09:41:51 ID:H9D8eIHT
なんとかEND。やっぱり戦闘描写がいまだ未熟ですな。
今回のキャラのイメージは
スーパー系        :ヴィータ、スバル
リアル系         :ティアナ、フリード
限りなくスーパーなリアル系:フェイト、はやて
です。(某大戦を知らない人すいません)
ちなみに、シグナムはもう寝てます。ザフィーラは想うところがあるのか
黙ってじっと子守をしています。
次回は実はなのはの誘いを断ってランパブに行ってた淫獣とか、妻帯者の
黒いのとか、髪が鮮やかな緑色の(俺の中では)プレイボーイな人が白い大
魔王EX ver.2.3の砲撃にさらされる予定です。
それでは。

216 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 09:47:18 ID:66TnObeP
地獄始まった\(^o^)/


GJ!!!!!

217 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 10:31:05 ID:qtJRNwu1
>215
2.3……まだ上がるんかい!

218 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 10:32:49 ID:wzth2NEt
GJ!!!!!

しかし、前回予想よりは寛大と書きましたが
やっぱり地獄ですね。

これって、妻帯者の人ははっきりしてますが、
残りのカップルて正式なものなんでしょうか?

グリはや等は、はやての一方的なものとか?
エリフェは一方的ですよね?

だとしたら酷いですね。
ランパブくらいいいじゃないかと

219 名前:漢たちの挽歌作者:2008/01/10(木) 10:40:15 ID:H9D8eIHT
>>218
いえいえ、女の嫉妬は恐ろしいんですよ。そう、特に出鼻をくじかれたティアナ
あたりとかはもう・・・・。まあ、はやては何か黒いこと考えてますが。

220 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 11:00:54 ID:JB1K7ErM
淫獣「というか、なのはが怖くて一緒にいて安らげないからランパブ行ってるんだけどな。」

とか淫獣が口を滑らせようものなら・・・・・・ (( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

と、遅ればせながらGJです。

221 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 11:23:11 ID:PSHURoBX
クロスミラージュアクスフォームか……

222 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 11:25:56 ID:vaeVnCOv
なんという等活地獄www
GJです。

223 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 11:31:38 ID:qe7wIPXA
GJ!
こちらのキャロ嬢は純真無垢と言うことでおけ?


224 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 12:50:56 ID:BS5j7sFw
ふと思ったのだが、高級男性局員用のそーゆー施設があるのなら
女性用もありそうなものだけど…ホストクラブみたいな

六課の女性陣は潔癖ぎみ(一部除く)ってことかな

225 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 12:56:26 ID:hI/33W8N
>>215
スーパー系に近いリアル系…つまりGガンダムですね?

…なのは天驚拳なんていう単語が浮かんだぞどうしてくれる

ともあれGJ

226 名前:B・A:2008/01/10(木) 13:20:25 ID:Xp/pCI6i
>>215

GJ。そして淫獣と黒と緑に合掌。あいつら無事に朝日を拝めるんだろうか?


僕の方も投下いきまーす。

注意書き
・ザフィーラ×リィンフォースU
・エロは一切ありません。
・A’sエピローグ後、八神家がまだ海鳴に住んでいた時の話です。


227 名前:リィンのお父さんA(1/5):2008/01/10(木) 13:22:20 ID:Xp/pCI6i
シャマルからのお使いも終わり、後は家に帰るだけ。そう思ってレンタルビデオ店を出ると、
リィンがザフィーラのズボンをくいくいと引っ張った。
「なんだ?」
「もう、帰っちゃうですか?」
「用事は済んだからな」
「けど、まだお日さまは出ているですよ。もう少し遊んでいきましょうよ」
甘えた声を出しながら、リィンフォースはザフィーラを見上げる。
「リィンフォース、我らはシャマルからの使いでここまで来ただけだ」
「けどぉ」
まるで子どものように、リィンは駄々をこねる。目に涙を浮かべながら地べたに座り込むところなんか
周りの子どもとほとんど変わらない。
(いや、待て・・・・・)
考えてみれば、リィンはまだ生まれて3年。人間ならば外の世界に興味を示す年頃だ。なまじ責任感が強く、
率先して仕事をこなしているため気づかなかったが、この娘には何よりも思いっきり遊ぶということが必要なのかもしれない。
「やれやれ、柄ではないのだがな」
自嘲気味に呟くと、ザフィーラは視線をリィンに合わせて、その大きな手でリィンの頭を優しく撫でる。
「日が沈むまでだ。主はやてがご帰還する前に家に戻ると約束できるな」
その言葉に、リィンの表情がパッと明るくなる。
「はいです」
さっきまで半ベソをかいていたのが嘘のように、リィンは満面の笑顔を見せる。
本当に柄ではないなと思いながらも、ザフィーラはこの小さな少女のわがままに付き合うことが、
不思議と不快ではないことを感じていた。


228 名前:リィンのお父さんA(2/5):2008/01/10(木) 13:23:47 ID:Xp/pCI6i

そして、何故かやってきたのは海鳴市を一望できるタワービルだった。内部にはレストランや服飾店、
レジャー施設などがあり、おすすめの休日スポットとして雑誌などにも取り上げられる場所だ。
だが、階下の映画館やゲームセンターはともかく、無料展望台は子どもには不人気なのか、家族づれはあまり見かけない。
ザフィーラにしても、ただ景色を眺めているだけというのは些か退屈な気持ちだった。
「ザフィーラ、人があんなに小さいです」
だが、リィンはここに来たがった。ここから海鳴の景色を見たいと言ったのだ。
『テレビでこのビルを見た時から、ずっと気になっていたです。ここから街はどんな風に見えるのかなって』
日常的に空を飛んでいるからこそ、地に足をつけて景色を見たいと思ったのだろう。ザフィーラには同じ街に見えても、
リィンの目には違う景色に見えているようだ。
「あそこははやてちゃんが通っている学校ですね。あっちははやてちゃんが入院していた病院・・・・・・はやてちゃんの
お家は見えないですね」


229 名前:リィンのお父さんA(3/5):2008/01/10(木) 13:25:31 ID:Xp/pCI6i
「リィンフォース、ちょっとこっちにこい」
そう言って、ザフィーラはリィンを備え付けの望遠鏡まで連れて行った。そして、
懐から硬貨を取り出して、それを望遠鏡の投入口に入れる。
「覗いてみろ」
「はい・・・・・わぁ、はやてちゃんのお家が見えます」
「望遠鏡という、遠くを見るための道具だ」
「すごいです。なのはさんのお家まで見えるです」
大声ではしゃぎながら、リィンは自分が知っている者の家を探そうと望遠鏡を右に左に動かす。
その光景を微笑ましく思いながら、ザフィーラはそっとその場を離れた。
手持ちの硬貨はもうない。リィンのはしゃぎようからして、1回だけでは満足しないだろう。
売店にでも行ってお札を崩してこなければ。

ガチャンという音と共に、視界が暗転する。
「あれ?」
しばらく待ってみるが、視界が回復することはない。故障だろうか?
「ザフィーラ、望遠鏡壊れちゃったですよ」
振り向くが、そこにザフィーラはいなかった。慌てて周囲を見回すが、ザフィーラらしき人影は見当たらない。


230 名前:リィンのお父さんA(4/5):2008/01/10(木) 13:27:23 ID:Xp/pCI6i
早熟故に、リィンはこの程度のことで泣いたりはしない。職場でははやてと別行動を取ることもあるのだ、
一人ぼっちには慣れている。
とはいえ、一人ではできることも限られているので、その場にチョコンと座ってザフィーラの帰りを待つことにする。
「あれ?」
不意に、視界に自分と同じ背丈の男の子が映る。
黒髪に赤い野球帽。親とはぐれたのか、うずくまったまま一人で泣いている。
「どうしたですか?」
何となく親近感を覚え、リィンは男の子に話しかけた。
「うぅ・・・ぐすっ・・・・」
「お父さんとお母さんはどうしたですか?」
「・・・・わかんない」
「はぐれたですか」
コクンと、男の子は首を振る。
「どの辺ではぐれたかわかるですか?」
「・・・・・・・・ゲームセンター」
それならわかる。確か一つ下の階のはずだ。
「それじゃ、リィンが一緒に探してあげるです」
「本当?」
「本当ですよ。リィンに任せてくれれば、すぐにお父さんとお母さんを見つけてあげるですよ」
太鼓判を押して、リィンは男の子の手を取る。そして、そのまま階下へ向かうエスカレーターに乗りこんでしまった。


231 名前:リィンのお父さんA(5/5):2008/01/10(木) 13:29:08 ID:Xp/pCI6i

「毎度ありがとうございました」
一礼する店員に手だけで別れを告げ、ザフィーラはリィンのもとに急いだ。
彼の手には、2本の缶ジュースが入った袋が提げられている。偽札防止のために
両替は受け付けていないと店員に言われたため、仕方なく買ったものだ。ただ、
どれを買えばリィンが喜んでくれるのか迷ったため、かなり時間がかかってしまった。
あの小さなお姫様がご機嫌を損ねていなければ良いのだが。
「すまないな、リィンフォース。遅くなって・・・・・・・」
言いかけて、押し黙る。
先ほどまでリィンがいた望遠鏡は、見知らぬ男女が寄り添い合うように利用していた。
場所を間違えたかと、他のも見て回るが、あの目立つ空色の髪はどこにも見当たらない。
念のためさっきまでいた売店も覗くが、当然そこにもおらず、通りすがりの女性に頼んで
女子トイレの中も探してもらったが、そこにもリィンはいなかった。
「これは・・・・まいったな」
さっきまでいたはずのリィンの姿がどこにも見当たらない。気まぐれでも起こしたのか、
事件に巻き込まれたのか。いずれにしろ、自分は彼女とはぐれてしまったようだ。

                                   つづく

232 名前:B・A:2008/01/10(木) 13:34:16 ID:Xp/pCI6i
今回はここまでです。
父性に目覚めたザフィーラ、しかし保護者としてはやってはいけないことをしてしまいました。
一言も声をかけずに目を離すなんて。

233 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 13:58:39 ID:wzth2NEt
GJです。

嘘分岐
警官「すいませんが、お宅とその子の関係は?」
ザフィーラ「…」
警官「ちょっと交番に来てくれませんか」

てことになったるかとおもいました。


234 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 14:14:33 ID:ICoIWk+M
>225
魔拳撃ち込むなのはさんなら、ここのssでもたまにみるけどなw

235 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 14:31:22 ID:PSHURoBX
>>232
そういや彼もそんな年頃だもんなぁ。
ていうか二人そろって同じ失敗したのかwwww

続き期待してます。GJ!

236 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 15:02:27 ID:h8+OHBYU
>>204
クアットロはなのは狙いか――!?
なんてこった。しかしなのはには物理破壊モードの
極悪SLBという切り札もあるし、だ、大丈夫だよな…?

237 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 15:11:49 ID:g/OIir9w
>>154
GJ!
続きキター!!!!
なんと言われようがエリティアが大好きです。
そして相変わらず戦闘シーンが燃えます。後編期待大!

238 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 16:18:20 ID:3c8xf8n0
ここの職人レベル高いな。
べらぼうに早いわとても上手いわ実にとっつきやすいわ。
なぁ、職人さんがた、書く時はどんな事に注意しているか、コンセプトがあるか、教えてもらえませんかね?

239 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 17:06:04 ID:PqjDSUHU
http://www.bbs-knight.com/knight10/knight.cgi?cat=2165adltad
画像うpに使え

240 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 17:57:39 ID:KltysyFn
>>238
・一人称・呼称の注意(テンプレのサイト参照)。
・一度プロット作ったら、メインキャラのファンの気持ちになって見直す。
・キャラヘイトになってないか(作品の内容によりけりだが)。
・てめえの筆力に見合った話になってるか(これが原因でこけるとマジへこむ)。

こんぐらいしか気をつけてないなあ自分。

241 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 18:07:41 ID:kce6Sk2r
釣りか?と思って>>238のID検索したら……
貴様もその職人のひとりだろうがw

242 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 18:25:51 ID:XE6qQnLW
>>215
GJ!!です。前回の感想の八神部隊長達にはもともと関係ないじゃないか?
とかキレていったらというのも見てみたいです。

243 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 18:31:18 ID:G2a+FyHK
>>238
ここでは投下したことないけど、
他所のスレでは結構変わった組み合わせでSS書いてたんで、
「何故そのキャラでないといけないか」には気をつけてたかな。
そうしないと名前変えれば誰でもいいような作品になっちゃうんで。

244 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 18:46:53 ID:U/mhix1R
>>238
・こまめに見直してより良い表現が思いついたら数行消してでも書き直し
・キャラの大まかな性格や口調を把握する、キャラぶっ壊し物でないなら台詞回しに気をつける
>>243と同じだけど、キャラ名の「太郎」「花子」変換

結局の所、見直しと経験が大事です
その内一つ投下できると良いな

245 名前:ザ・シガー:2008/01/10(木) 19:53:54 ID:M6dA21hv
エロ分補給、と言う訳でリンディさんメインのエロSSの四話目が出来たんで投下してもいいですか?

オリキャラ×リンディのエロです、今回はAOKANな話です。

246 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 19:57:27 ID:I2K35tmw
>>215
GJ!!俺としてはなのはさんが気になる。

>>232
GJ!!ザフィー、まぁお父さん(初心者)だからね・・・しょうがないか。

>>238
エロでも非エロでもいいから是非作品を投下してくれ。期待してるぜ!!

247 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 19:57:42 ID:rpxAXR8I
カモン〜!

248 名前:ザ・シガー:2008/01/10(木) 20:00:08 ID:M6dA21hv
それじゃあ投下します。

なおこのSSのリンディさんは大変“淫蕩かつ淫ら”に設定されていますのでご利用の際はご注意を。

249 名前:ザ・シガー:2008/01/10(木) 20:02:21 ID:M6dA21hv
甘党艦長と俺物語4

我輩はジョンである、苗字はまだ無い。
っていうかたぶん永遠に付かないと思うのでドゥでもスミスでも好きな苗字で呼んでくれ。


今日は休日であるにも関わらず俺はアースラにいる、“休日出勤か”って? 違う違う。
本日は艦長からのお誘いを受けて海鳴でデートだったりする。

そんな訳で俺はアースラ内部の通路を転送ポートに向かって一人で歩いていたんだが、そんな所に運悪くあの戦闘狂がやって来たんですよこれが。



「こんにちは…シグナムさん」
「おうジョンではないか! 昨日は午前の訓練には出なかったらしいな、どうかしたのか?」
「いや……なんと言いますか…艦長から直接命令を受けまして別の仕事を…」
「そうだったのか」


筋肉で形成された脳を持つ古代ベルカの騎士には、こんな苦しい嘘八百でも通用するのだから、そこはありがたい。
だがこの脳筋巨乳はこの後トンデモない事を言い出した。


「ところで私は今から訓練室で一人で鍛錬するんだが、お前もどうだ?」
「いえ…それはちょっと……っていうか今から用事が」
「武装隊の者と遊びにでも行くのか? 他の者には私から言っておいてやるから安心しろ。たまにはサシでやり合おうじゃないか」


いや! だから何が“安心しろ”なんだっちゅうの! 自分と俺の力量の差も分からんのか!?
いやむしろそんな事はどうでも良いのかこの人は……しかし本当にこの人の頭の中は戦いしか無えな。
マジでこれに付き合ってるフェイトちゃんは凄えよ、あの子って頼まれたら断れ無さそうだもんなぁ……いや! それは置いといて。
このバトルマニアに付き合わされたら俺の身体がもたない、っていうかこの後の艦長とのデートの為の体力が危ない。ここは紳士的に丁重に断ろう。

「いえ、お断りします」

俺はそうきっぱりと断言した、だがこのバトル大好き女はいつの間にかモニター越しに俺の上司であるクロノ君と話していた。

「っと言う訳でジョンと個別で模擬戦をしたいのですが、良いですか?」
『ああ、構わないよ』
「即答かよ!? ってか勝手に決めんなよ!!」

本人の意見は一切無視で勝手に模擬戦すると決めやがった上司の執務官に、俺は思わず突っ込んだ。

『まあ、そう言うなジョン。君が最近訓練に顔を見せないのは確かなんだ、たまにはシグナムにでも鍛えてもらえ』

クロノ君はそう言うと通信を切った……薄情な上司に思わず恨みを言いたくなったが、彼の母親と乱れた関係にあると考えるとそうも言ってはいられなかった。
俺がそんな物思いにふける中、空気を読まない脳内筋肉女は俺の手を思い切り掴んで訓練室に向かおうとする。

「さあ上からの許しも出たし、訓練室に行くぞ! サシの模擬戦は最近してないから腕が鳴るな!」
「ちょっ! ま、まだ俺は何も言ってないですよ。っていうか自分が模擬戦したいだけでしょうがあなたは! とにかく待っ…」


俺が言葉を言いかけた時、俺の手を引くシグナムさんの目の前にバインダーが飛んできて鋭い音を立てて壁に突き刺さった。

うん…バインダー、あの書類とか挟むやつね。これって壁とかに刺さるようには出来てないよね? でも今、目の前で刺さってんだよこれが……

そして俺とシグナムさんは同時にバインダーの飛んできた方向を見る、そこには輝く笑顔のリンディ艦長が立っていた。

250 名前:ザ・シガー:2008/01/10(木) 20:11:37 ID:M6dA21hv
書き込み出来てる?

251 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 20:12:47 ID:rpxAXR8I
反映されてないですね?

23時くらいにまた投下してみては?

252 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 20:12:48 ID:+HJ3IvPI
>>249はできてますよ

253 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 20:14:30 ID:kce6Sk2r
書き込めないのか?最近やたら多いな。
原因は何だろ。1行目が空白行だと書き込めないとか誰か報告してたような。それとは違うのか?

254 名前:ザ・シガー:2008/01/10(木) 20:14:56 ID:M6dA21hv
なんか長文の書き込みが出来ねえ! とりあえず30分くらいしたらもう一度試してみます。

しかし何故だ? 遂にリンディさんのファンの皆様から呪いのお年玉送られたか。

255 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 20:33:40 ID:LlvPZcPW
>>238
一人称、呼称、口調のチェック。
漢字の変換ミスチェック。
同じ表現が連続してないか。
キャラの性格がベースを大きく逸脱していないか(ギャグ除く)
見直しは必ずする。

とまあ、思いつく限りではこんなとこ。参考になるかどうか。

256 名前:ザ・シガー:2008/01/10(木) 20:51:17 ID:M6dA21hv
それじゃあ続きからの投下を試してみます。

257 名前:ザ・シガー:2008/01/10(木) 20:51:40 ID:M6dA21hv
「ごめんなさいね? ちょっと手が滑ってしまって♪」

女神のような笑顔と朗らかな口調で艦長はそう言うが、その身体からは凄まじくドス黒いオーラが漂っている。
俺はつい”殺気って目に見えるんだなぁ“とか考えてたりした。

しかし艦長、普通は手が滑ったくらいの勢いで軟質プラ製のバインダーは壁に刺さりませんよ……

艦長はゆっくりと俺達の前に近づいて壁のバインダーを抜くと、その菩薩のような笑みでシグナムさんを見据える。

「ところでジョンになんの用かしら? シグナムさん」
「は、はい。その…も、も、模擬戦をしようと思いまして」
「そうですか……模擬戦ねぇ」

仏の笑顔で鬼のような邪気を放つ艦長の迫力にシグナムさんが涙目で怯えている。
数百年間戦いに生きてきた古代ベルカの騎士が震えてんですよ、丸腰の女一人に。



「それじゃあ私がお相手しますね♪」
「はい!? いえ…その」
「それじゃあ行きましょうか」

そう言うと艦長はシグナムさんの手を取って訓練室の方に引きずって行く、俺はその哀れな様に若干の憐憫をもって生暖かい眼差しを送った。

艦長はシグナムさんを引きずりながら、ふと何かを思い出したように振り返って俺に嗤いかけてきた。

「それじゃあジョン、先に向こうで待っててくださいね♪」
「えっ…ああ、はい分かりました」

そう言い残して艦長はシグナムさんを引きずっていった、その30分後シグナムさんは病院送りになったらしい。
南無…





海鳴の町で有名な喫茶店、翠屋。その店内に一組の男女がいる。
一人は次元航空艦アースラの艦長を務める美しき女性リンディ・ハラオウン、もう一人はアースラ所属の武装局員ジョンである。

リンディは砂糖たっぷりの紅茶にチョコケーキという見ているだけで口の中が甘くなるようなメニューを口に運び。
対するジョンは真っ赤になるほどタバスコをかけたピザとブラックコーヒーを食している。

「ジョン。少しは、お砂糖入れたらどうですか?」
「いえ結構です……っていうか艦長は入れすぎですから」

リンディはブラックコーヒーを美味しそうに飲むジョンにテーブルの上の砂糖を指しながら尋ねるが、ジョンは少し困った顔でこれに返す。

「コーヒーの御代わりはいかがですかお客様?」

そんな二人の下に店の店主夫婦でありなのはの母でもある高町桃子がジョンの傍にコーヒーの御代わりを持って話しかけてきた。

「こんにちは桃子、久しぶりね」
「ええ、来てたんなら言ってくれれば良かったのに。こちらの方はどなたかしら?」

桃子はそう言うとジョンに向き直り優雅な笑みで尋ねる、この微笑にジョンは鼓動が高鳴るのを感じた。
美人ぞろいのアースラ女性陣だが、それに負けず劣らず桃子もまた美しく。ジョンの目を奪う。
一瞬の思考の遅れの後にジョンは桃子に笑みと共に言葉を返した。

「アースラに勤めてる武装局員のジョンです。艦長に素敵な喫茶店があると聞いたんで今日は連れて来てもらいました」


258 名前:ザ・シガー:2008/01/10(木) 20:52:19 ID:M6dA21hv
「まあ、そうなんですか? それでご感想は?」
「聞いた通りの素晴らしいお店です」
「それはどうも♪」


しばらく桃子と軽く会話をしてから食事を終えた二人は翠屋を後にすると海鳴の町をゆっくりと散策した。


そして海鳴でのデートが2時間ほど過ぎ時計の短針が4を指した頃、二人は木々の緑が深く生い茂る公園へと足を進める。

この日の穏やかなデートはここに来るための下地に過ぎず、これからが二人の宴の始まりだった。





「それじゃ始めますか艦長?」
「ジョン……今は艦長じゃなくて…」
「ああ、そうでしたね……ドマゾで淫乱のリンディさんって呼ばなきゃだめですよね〜」
「そ、そんなこと……言わないで…」

笑顔で自分をなじるジョンの言葉にリンディは被虐の悦びを感じ、瞳を潤ませ紅潮した頬で匂い立つような女の色香を放つ。
ジョンはそのリンディに近づき、彼女の服の襟を乱暴に掴むと力任せに胸元を開いた。

「いや、だってこんな状態で外歩いてるなんて“ドマゾの変態”意外になんて言えば良いんですか?」
「きゃっ!」

肌蹴たリンディの服から覗くのは赤いレザー製のボンテージ。
秘部をまったく隠さないそれは本来の下着としての機能はまるでなく、あるのは扇情的に女の身体を彩り男の欲情をそそる淫らな装束としての能力のみ。
さらにそれだけではなく、リンディのたわわな乳房の頂、綺麗な桃色の乳頭には振動で性的快感を与える淫らな玩具、ローターが医療用テープで括り付けられていた。

リンディは屋外で無理矢理に痴態を晒され、興奮に息を荒くして甘い吐息を漏らす。
そのリンディの姿にジョンもまた自身の中に芽生え始めたサディスティックな炎を熱く燃やす。

ジョンはリンディの乳首に付けられたローターを優しく撫でながら彼女の耳元にそっと囁く。

「正直に言ってくださいね。これを遠隔操作で動かされて何回イきましたか?」
「ろ、6回です…」
「翠屋で桃子さんと喋ってる時も動かしましたけど、あの時もイってたんですか?」
「はい……桃子と喋ってる時も…そ、その…イってました」
「ふ〜ん……だからこんなに…」

ジョンはそう言いながらリンディのスカートをたくし上げて、彼女の股ぐらを曝け出す。
リンディの下半身もまた赤いレザーのボンテージで彩られ秘部を晒し、恥部の肉芽には乳房と同じくローターを付けられていた。

「…メチャクチャに濡らしてんですか?」


そしてリンディの股間はしとどに濡れそぼり、足首まで垂れるほどに果汁を垂れ流している。
ジョンはそのリンディの秘部に容赦なく手を挿し入れ、水気を含んだ音をたっぷりと響かせて彼女の陰部を弄ぶ。

「しっかしこんだけ濡らしてんのに誰も気づいてないんですかね〜? ああ、もしかしたらもうバレてたりして」
「あぁ……そ、そんなぁ…」
「あっ…リンディさん、今ちょっとイったでしょ? またエロイ想像してマンコ感じてるんですね♪」
「やめてぇ……そんな…んぅ、ことぉいわないでぇ」

言葉と共にグチャグチャと音を響かせながら膣と肉芽を弄られたリンディは、精神と肉体の両方を辱められ、さらに愛液を垂れ流し声を甘くさせていく。


259 名前:ザ・シガー:2008/01/10(木) 20:54:21 ID:M6dA21hv
ジョンの与える陵辱は彼女に無常の悦楽をもたらし、優秀な管理局の提督をどこまでも淫らなメスに変えていく。

ジョンは慣れた手つきでリンディの股ぐらを弄りながら、敏感な彼女の耳たぶに優しく舌を這わせて囁く。

「ところで興奮してるところ悪いんですけど、ここが外だって忘れてません?」


そう、ここは公園の中。
周りに木こそ生い茂っているが、多くの人に解放された公共の場である。
二人の睦事はいつ誰に見つかってもおかしくはないのだ。
その事実を改めて教えられたリンディは身体を小刻みに震わせて羞恥心を踏みにじられる悦びを味わう。

その時、ジョンはリンディの耳元で少し驚いた風に言葉を漏らした。

「あっ…今、向こうの人こっち見てた…」

その言葉にリンディは彼の視線を追う、そこには犬の散歩をしている一人の女性が立っていた。
そして、その女性の視線はこちらに向けられている。

「あ…ああぁ……そんなぁ…」

リンディは絶望的な羞恥心の陵辱に膝をガクガクと震わせて、今までの辱めを遥かに超える被虐の悦びに蜜を潮と吹いて絶頂に至る。

ジョンはそのリンディに、まるで今思い出した、とでも言わんばかりにわざとらしく話しかけた。

「ああ、そうそう。今はデバイスで認識阻害と幻術の視覚フィルターの魔法使ってますから誰にも見られないっすよ♪」


リンディはその言葉に安堵を感じて、一瞬身体から力を抜くが彼はその時を狙いすましたかのように後ろから彼女の乳房を鷲掴んだ。
一片の容赦もなく力が込められ、たわわな乳肉に指が食い込む。
ジョンはただ力の限りにリンディの豊満な乳房を揉みしだき、彼女の柔い耳を血が出るくらいに噛んだ。

「ふあぁっ! んぅ…いたぁい……やめてぇぇ」

その苦痛を伴う刺激にリンディは切ないくらいの甘い嬌声を漏らす。
だがその甘い響きに込められたのは苦痛に対する不満ではない、あるのは自分を骨の髄まで嬲り尽くされる事に対する悦びだけだった。
形式的な否定の言葉はもはやその意味を成さず、陵辱をさらに激しくする為の燃料に成り果てている。

ジョンはそのリンディの言葉に彼女の期待通りの反応で返す、それはこの1ヶ月足らずで習慣化した二人の情交の常識であった。

「“やめて”ねえ……本当にやめたら涙流して“もっとして”とか言う癖にそんなこと言うんですか? やっぱり挑発でしょそれ?」
「んぅ……いわないでぇ…」
「またそうやって誘うんだから……本当に、いぢめられるの好きなんですね〜」

ジョンはそう言うと乳房を掴む手はそのままに、リンディを近くの巨木に引きずっていく。
そして木の幹に向かってリンディを立たせると彼女の服にあらかじめ仕掛けた魔法術式を行使した。
それは服を一時的に別異層の空間に移すものであり、通常はバリアジャケット着用時の衣服に使われるが今この場では情交の効率的な流れの為だけにあるものだった。
リンディはその魔法により一瞬で服を失い、扇情的な赤いレザーのボンテージ姿となる。

ジョンはリンディに括りつけられていた3つのローター乱暴に剥がして捨てると、彼女の背中を突き飛ばす。
リンディは反射的に両手を木の幹に突いて尻を突き出す形になる。それはすっかり手馴れたバックへの移行術であった。

「それじゃあどっちにぶち込みますか?」

リンディはジョンの言葉に淫らで妖艶な笑みをこぼす。

260 名前:ザ・シガー:2008/01/10(木) 20:54:52 ID:M6dA21hv
振り返った彼女の瞳は情交の期待に潤み、だらしなく開いた口から唾液を垂らしながら哀願した。

「それじゃあ前ぇ、オマンコにぶち込んで…もう我慢できないのぉ」
「了解〜」

ジョンはそう返しながら取り出した男根をリンディの蜜壷にあてがい力いっぱい挿し込んだ。
洪水のように果汁を垂らしたリンディの膣は淫蕩な水音を響かせて硬い肉根を受け入れると、その快楽は瞬く間で頂点に達する。
肉棒が全て埋まった時にはリンディは絶頂のもたらす甘い快楽の電流に脳を幾度も焼き尽くされていた。

「んはぁっ!! あぁぁ…これ、さいっこうぅ……きもちよすぎて…おかしくなっちゃうぅ」

余韻に浸って身体を震わせるリンディだが、ジョンの責めがこの程度で和らぐ筈もない。
次の瞬間には凄まじい速さで腰を動かしながら膣内の性感帯を的確に擦り上げ、両の手で乳首を掴んで正気を失うような快楽を彼女に与える。

「ああぁぁっ!……すごっい…あんぅっ……はげしいぃ…」
「しっかし…リンディさんって本当にバック好きですね」
「はいぃ……あんっ!……無理矢理…んぅ…されてるみたいで…くぅんっ…だいすきですぅ」
「もう救いようがないマゾっぷりですねぇ……じゃあもうちょい激しくいきますよ。もちろん反論は聞きませんが」

ジョンはそう言うと乳首を捻り上げていた右手を離すと魔力を集中し始める。
集まった魔力が光と共に形を成すと、彼の手には男根を模された玩具が形成されていた。
それは魔力で作られたバイブである、彼は迷うことなくリンディの菊座にあてがうと一気に貫いた。
日々の淫行により緩くなったリンディのアナルはバイブの表面に塗られた潤滑剤の効果もあり驚くべき滑らかさをもってそれを受け入れた。
そして容赦ない強烈な振動で菊座に悦楽の痺れをもたらし、蜜壷の男根と同時にリンディを深い肉欲に狂わせていく。

「あはあぁぁっ! おしりぃぃ……はぁん……んあぁぁ…すきぃ…これすきぃぃ」

リンディは二つの穴を抉り嬲られる悦びに、髪を振り乱して鳴き叫ぶ。
そうして彼女は髪から甘い香りを振りまき、口からは甘い鳴き声を漏らす。
その全てがジョンの中の獣欲にさらに熱い炎を宿す。

激しく突き動かされる肉棒で膣から蜜が飛沫となって飛び散り、肉と肉がぶつかり合う音に女の嬌声を交えたコーラスが青空の下に響く。
屋外での情交であるという認識がリンディの被虐心を熱く熱く滾らせる。

両の乳首を捻り上げられ、バイブによる菊座の肛虐を受け、猛々しい肉棒の蹂躙で蜜壷を掻き乱され、リンディはこの日最高の絶頂を迎える。

「くぅ、リンディさん…俺そろそろ出しますよ」
「もう…だめぇっ!! んあぁぁっ……あんっ……わらひもぉ…イっくぅぅぅ!!!」

ジョンは言葉と共に凄まじい勢いで精液を膣に解き放つ。
リンディは与えられたあまりの快楽に、愛液を潮と吹き、尿を失禁しながら意識を悦楽の波に呑まれる。

その後も淫らな狂宴は彼女が気を失うまで続けられた。







リンディが意識を取り戻した時、彼女の目に映ったのは満点の星空だった。
その光景に目を奪われていたリンディに上から声がかけられる。

「起きました?」
「えっ!?」

突然リンディの視界いっぱいにジョンの顔が広がる、それは上から顔を覗き込まれるような体勢だった。


261 名前:ザ・シガー:2008/01/10(木) 20:56:45 ID:M6dA21hv
リンディは後頭部に当たる柔らかい感触で自分がジョンに膝枕されていると気づいた。

「ご、ごめんなさい! 私ったら…」
「いえ、お気になさらず」

リンディは慌てて起き上がり周囲を見回す、そこは公園内のベンチだった。
空と同じく辺りはすっかり暗くなり、先の情交からそれなりに時間が経った事を物語っている。

「今日は少しやりすぎました…すいません」
「良いのよ、私が頼んでる事なんですから。それより私どれくらい寝てました?」
「2時間くらいですかね」

リンディはふと自分の身体を見る。
身体に付着した体液は全て拭い去られ肌には一片の汚れも無く、着せられた服は脱がされる前よりも綺麗になり微塵のシミも無い。
情交の度に見せられるジョンの清掃の手際にリンディは苦笑する。

「相変わらず掃除が上手いんですね」
「まあ数少ない取り柄ですから。それじゃあ、はいどうぞ」

ジョンはそう言葉を返しながら立つと、リンディに手を差し出して彼女が立ち上がるのを助けた。








公園を出た俺は艦長とハラオウン家の住むアパートに向かってる。
あそこの転送ポートがアースラに帰るのに1番早いし、管理外世界で無闇に転移魔法は使えないからな。

今日はあんまり出せなかったけど、まあどうせ明日か明後日にはヤるんだからこれくらい抑えた方が身体の為だ。

そう考えながら俺はふと隣を歩く艦長に目を移す、こうやって改めて見ると本当に美人だ。
とても子供がいるとは思えない、まだ20代で十分通用する。
そんな事を考えながら艦長の顔を見つめていると、俺の視線に気づいたのか艦長は俺の方に振り向いた。

息がかかるくらいの距離で真っ直ぐに目が合い、俺は一瞬で彼女の瞳に吸い込まれた。
鼓動が跳ね上がり顔が赤くなるのを感じるて、思わず恥ずかしくなって顔をそらす。

「どうしたんですかジョン?」
「いえ……なにも」
「そうですか……ところでジョン…そ、その…一つお願いがあるんですけど…良いですか?」

また激しいセックスのオネダリですか!? と思ったがどうも様子がおかしい。艦長の顔には情欲の熱に浮かされた妖しさは少しも無い。
その顔はまるで初めて好きな相手に思いのたけを伝える少女のようだった。

艦長は、ほんのりと赤らんだ顔を俯けながら上目づかいで俺を見上げてくる。

「私達……その…まだしてませんよね…」

WHAT? 何をですか? 様々な種類のセックスして、まだ至ってない境地があったんですか? スカトロ? それとも、もしかして獣姦ですか? ならばザフィーラさんに頼まねば。

262 名前:ザ・シガー:2008/01/10(木) 20:57:24 ID:M6dA21hv
俺が馬鹿な思考を繰り広げていると艦長はそっと自分の唇をなぞり、もう片方の手で俺の唇に優しく触れる。
そして恥ずかしそうに小さな声で呟いた。


「私達、まだキスしてません…」


そうだった。
最初の交わりから激しいセックスで始まり、それから約1ヶ月間、ひたすら互いの身体を貪ってきた俺達は未だ唇を重ねた事がない。
俺は一瞬迷ってから、艦長に聞き返した。

「えっと…それはつまりキスがしたいとおっしゃりたいのですか?」
「…はい」
「良いんですか? その、俺とキスなんて…」

俺に対する艦長の答えは無言で差し出された唇だった。

静かに目を瞑って無言で唇を差し出すその姿は陳腐な言い方だがまるで“天使”みたいだ。
そして俺は艦長の腰に軽く手を回してその柔らかい身体を抱き寄せながら、そっと唇を重ねる。

初めて味わう艦長の唇は柔らかくて、温かくて、何よりもの凄く甘かった。
俺達はしばらく時間が止まったみたいに互いの唇を味わう。
ただ軽く重ねるだけのキスが気持ちよくて堪らない。
どれだけそうしていたのか、1分にも1時間にも感じられた。

俺は意識を甘い口付けから覚醒させると、そっと顔を離す。
艦長はうっすらと開けた瞳で少し名残惜しそうに俺の唇を目で追う。

俺は乾燥肌だから唇が結構荒れてる。
だからキスして艦長が痛い思いしてるんじゃないかって気が気じゃなかったから、嫌悪を含んでいない艦長の表情に安堵した。


すると艦長は俺の唇にそっと指を這わせながら言葉を漏らす。

「ジョンの唇、少し辛いですね?」
「えっと……昼食の時のタバスコです、たぶん……すいません」
「別に謝らなくても良いですよ。私の口はどうでした?」
「その……凄く甘かったです」
「そうなんですか? 甘いものばかり食べてるからでしょうか……ちょっと恥ずかしいですね」

艦長は恥じらいに頬を赤く染めながらそう言うと、少しおどけた感じで舌を出した。


263 名前:ザ・シガー:2008/01/10(木) 21:02:42 ID:M6dA21hv
まるで年頃の少女みたいにあどけないその仕草があまりに可愛くて、俺はまた唇を重ねる。


「んぅぅっ!」

艦長は可愛い声を上げて驚くが俺は力を抜いたりしない。
今度はさっきみたいな優しいキスじゃなく、貪るように舌で彼女の口内を蹂躙する。
突然の事に身をよじって驚く艦長の身体を近くの壁に押し付けて動きを封じ、ひたすら彼女の唇を味わう。

耳に響く声も、鼻腔に漂う髪の香りも、舌に溶ける唾液の味も、どれもが極上の砂糖菓子のように甘い。
俺は息が続く限り何度も激しく口付けをした。

続く。

264 名前:ザ・シガー:2008/01/10(木) 21:06:05 ID:M6dA21hv
投下終了です。

ネタ不足です、とりあえず次回から別のキャラも絡ませようかと思ってます。

しかしオリキャラがちんこ要員の癖にでしゃばってきたな、あんまりウザがられなければ幸いですが。

265 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 21:07:44 ID:JB1K7ErM
GJ!
個人的には無問題。
肉欲から始まる愛があってもいいんじゃないかな。
何だかんだでお互い愛があるようだし、俺個人の意見としては
リンディさん妊娠して再婚とかでもおkですお。

266 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 21:15:31 ID:XE6qQnLW
GJ!!
クロノの反応はどうなるか楽しみです。
ジョンにS仲間がいればメス犬奴隷のみせあいとかできるんですがなぁ。

267 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 21:23:47 ID:66TnObeP
>シガー氏
さあ、LOVE要素が入ったッッ!!
二人の関係はコレより先、不可知領域へと投入する。


久しぶりの良オリキャラ(チンコ要員)だ!
ジョンの過去経歴とか背景が知りたいぜw

268 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 21:24:07 ID:kce6Sk2r
>>264
いいねぇGJ!

>>266
>ジョンにS仲間がいればメス犬奴隷のみせあいとかできるんですがなぁ。
S仲間と聞いて、某教導官を思い浮かべた。
高笑いしながら奴隷を見せあいに…あれ?そうすると、親子揃って…

269 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 21:29:26 ID:G2a+FyHK
>>264
なのはやフェイト相手にオリキャラ出張るのは微妙かもしれんけど、
リンディならあまり気にしなくていいと思う。
むしろ立ち位置の関係上既存キャラ絡ませにくいし。

270 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 21:31:11 ID:XE6qQnLW
ザフィーラが調教したアルフかヴォルケンズ女性陣を・・・アルフだったらハラウオン家のM率増加w

271 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 22:50:04 ID:1027jpgX
>>264
正直に言おう、そのへんにしといてくれ
色々言いたいがスレの雰囲気を壊すのは本意ではないのでやめておく

272 名前:26-111:2008/01/10(木) 23:07:18 ID:+HJ3IvPI
>>215

GJ!
思わず男性陣に同情しそうになりますが、
リアルに考えると、恋人(?)の浮気を笑って流すことはできるでしょうか・・・自分の浮気も許して欲しいのかと逆に勘ぐられたりするかも・・・
終末が破局で無いことを願います。恐らく大丈夫でしょうが・・・?

>>264

GJ!続編で誰を出すのか楽しみにしています



さてさて、保管庫からの業務連絡です
41スレの保管作業を終了しました。執筆陣諸兄は確認をお願いします
こちらは引き続き保管業務を受け持ちます

あと4つ!しかしぼさっとしてるとあと5つに引き離されてしまうのがここの怖いところですね
追い付け追い越せ引っこ抜け〜♪

それでは

273 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 23:13:23 ID:Ut+zEDpp
>>272
業務お疲れ様です。
原作アニメは終了からすでに3ヶ月強なのに投下が衰えませんからすごいですね。
きっとそれだけこの作品が愛されていると言うことなんでしょう。

274 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 23:15:30 ID:rpxAXR8I
>>264
GJです!
リンディさんをおかずにしてる私には最高ですwwwwww

275 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 23:15:42 ID:NSD7rO85
>>272
乙かれさまー
てか、もう41スレまで追いついてきたのか。
ここ数日の保管庫更新の速度には目を見張るものがある。マジ乙です。

276 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 23:44:06 ID:3c8xf8n0
>>240
>>243
>>244
>>255
べらぼうに有難う。べらぼうに参考になった。べらぼうに参考には届かなくても、べらぼうに再認になった。
ここの人、べらぼうに意識しっかりしてると思う。そもそもこうやってべらぼうに返事もらえるとはべらぼうに思ってなかったのでべらぼうに有難う。

277 名前:B・A:2008/01/11(金) 00:52:45 ID:oMKfl1vC
>>272
業務乙かれです。自分の名前が目次に並んでいるのってなんかいいですね。

で、一つ注文なのですが、「フェイトの〜」シリーズは「悩み」「戸惑い」「暴走」で一つの長編にして、
「入院」を短編に変えていただけないでしょうか。
他3つとお話は繋がっているんですけど、「入院」は独立した構成になっているので。

278 名前:B・A:2008/01/11(金) 00:54:44 ID:oMKfl1vC
いや、投下する前に短編、長編ってちゃんと書いておけば良かったんですけどね。
次から気をつけます。

279 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 01:17:43 ID:UWxJt0UM
>>272
自分の分ではないけど、気づいたのでちょっと報告。

保管庫の「スレ別著作一覧」の39スレにある
Mr.P氏のエリフェクロスの区分について。
R-18なのに【非エロ】に区分されてますよー。

280 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 01:42:45 ID:83N3Ir1o
なんてゆうか、地獄絵図を見るのも飽きてきたな。

281 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 01:51:02 ID:7K/NVNH2
まあなんだ
満漢全席は確かにイケるけど
味噌汁の味わいは毎日通用するよな

282 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 01:53:42 ID:bkcaBG2/
そこでそろそろガチバトルですよ

283 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 02:33:52 ID:dzo22DwN
地獄絵図か極楽絵図しかなくね?
悪食だからどっちも美味しく頂いて、御馳走様の代わりにGJ置いていくけどさ。

284 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 07:25:49 ID:yCLUv1ti
上手くアドバイスすれば職人さんも上手くなるから、実はそこは読み手の力量かもしれない……

>238 キャラ、作品への愛
それさえあれば、例えフェイトさんが柳生でもラップにくるまれてもスライムになってもきっと面白いから大丈夫w

285 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 07:29:57 ID:wfhiGbCL
エロも非エロもどっちも楽しめるこのスレ自体、まさにGJだ。

286 名前:B・A:2008/01/11(金) 09:47:09 ID:oMKfl1vC
いやはやまったく。良い意味でカオスですね。ジャンルが幅広い。


まあ、それはさておき、投下いきます。

注意事項
・ザフィーラ×リィンフォースU
・エロは一切ありません。
・A’sエピローグ後、八神家がまだ海鳴に住んでいた時の話です。

287 名前:リィンのお父さんB(1/7):2008/01/11(金) 09:50:06 ID:oMKfl1vC
迷子の男の子の手を引きながら、リィンはやかましい音楽で満たされたゲームセンターの中をグルグルと回っていた。
男の子は両親から、用事が済むまでここで待っているようにと言われたらしい。だが、渡されたお小遣いが底を尽き、
退屈を持て余していた男の子は待ち切れなくなってゲームセンターを離れてしまったのだ。そして、
あちこち回ったが両親を見つけることができず、展望台で泣いていたらしい。
「けど、どうして展望台にいたですか?」
「・・・・・最初に、行ったから」
家族とここに来て、まず展望台に昇ったらしい。それからゲームセンターに降りて、両親はお小遣いだけ
渡してどこかに行ってしまったようだ。
男の子は、ひょっとしたら最初に行った展望台に行けば両親に会えるかもしれないと思ったようだ。


288 名前:リィンのお父さんB(2/7):2008/01/11(金) 09:51:23 ID:oMKfl1vC
「けど、下手に動いたら会えるものも会えなくなるですよ」
親も子どもを探しているだろうから、迷子になったらできるだけ動かずにその場でジッとしていた方が良いと、
はやてから言われたことがある。
その言葉が、自分を非難しているものと思ったのか、泣き止みつつあった男の子の目に再び涙が滲みだす。
「ぼく・・・・・・ぼく・・・のせっい・・・・ぼくが・・・わるいの・・・・・・?」
「ち、違うです。君は悪くないですよぉ」
「・・・・ほんとう?」
「はいです」
さっきから、ずっとこの調子だった。
迷子になったという不安から、男の子はとても泣きやすくなっていた。子守りの経験などないリィンにとって、
すぐに泣きだす子どもの相手はとても困難なもので、謝ったりなだめたり面白い話をしたりとかなりの苦労を強いられた。
今度、暇があったらフェイトから子どものあやし方でも聞いてみようと、リィンは思った。


289 名前:リィンのお父さんB(3/7):2008/01/11(金) 09:53:00 ID:oMKfl1vC
「ケンイチ!」
不意に背後から呼びかけられ、男の子の表情が明るくなる。
「ママ!」
ダッと、男の子は駆け出し、買い物袋を提げた女性に抱きつく。
「勝手に動いちゃダメでしょ。もう、心配させて!」
口ではそう言いつつも、母親は男の子をギュッと抱きしめている。はぐれてしまった我が子を本気で心配し、
見つかったことを心の底から喜んでいるのが赤の他人であるリィンにも容易に察することができた。
「君が、ケンイチの相手をしていてくれたのかい?」
母親の隣りにいた男性が、そっとリィンの前に屈む。多分、あの子の父親だろう。
「はいです」
「ありがとう。あの子は泣き虫だから、相手をするのは大変だったろう」
「いいえ、そんな」
もの凄く疲れました、とは億尾にも出さない。
「本当にありがとう。さ、君もご両親のところに戻りなさい。きっと心配している」
去り際に、父親はリィンの頭を優しく撫でていく。大きくてゴツゴツした手だったが、優しい暖かさがあった。
何となく、ザフィーラの手と似ているなとリィンは思った。


290 名前:リィンのお父さんB(4/7):2008/01/11(金) 09:54:26 ID:oMKfl1vC
「お姉ちゃん、ありがとう」
そうして、男の子は両親に両手を引かれて去って行った。
3人の姿が見えなくなると、リィンはどこか寂しそうに微笑んだ。
「お父さん・・・お母さんか・・・・・・」
自分といる時はすぐに泣きだした癖に、両親が現れたらそれが嘘のように明るい笑顔になった。
きっと、あの子にとって家族とは無条件に安心できる、暖かい場所なのだろう。自分にとって、
八神家がそうであるように。
「いいなぁ・・・・・お父さんがいて」
唯一違うものがあるとすれば、それは父親の不在だった。
主であるはやては幼い頃に両親を亡くしており、後見人であるギル・グレアムはどちらかというと
お祖父ちゃんという感じなので、リィンは父親というものがどういう存在なのかほとんど知らなかった。
それを不幸に思ったことはないが、それでも父親がいる子どもを羨ましいと思うことはある。
自分もあんな風に手を引かれたり、おんぶされてみたいな。


291 名前:リィンのお父さんB(5/7):2008/01/11(金) 09:56:58 ID:oMKfl1vC
「さて、早く戻らないとザフィーラが心配するですね」
思考を切り替え、急いで展望台に戻る。未だザフィーラの姿はないが、きっとすぐに戻ってくるだろう。
そう思って、自分が使っていた望遠鏡のそばにチョコンと座った。
きっと、すぐに戻ってくる。
多分、トイレにでも行っているのだろう。
お腹が空いたのかもしれない。
可能性は低いが、女の子を口説いているとか。
もっとありえないが、腕っ節の強い喧嘩自慢と力比べをしているのかもしれない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
日が傾いていく。
段々と人の数が減っていく。
遠くで聞こえる家族の談笑、恋人たちの笑い声、そして去っていく足音。
西日を嫌ってか、リィンの周りだけほとんど人がいない。それでもリィンは待ち続ける。
「・・・・ごめんなさい」
リィンの頬を、涙が伝う。
「ごめんなさい・・・・・ごめんなさい・・・・・・ごめん・・な・・・・さい・・・・」
慟哭で喉が詰まる。涙は枯れることなく流れ、大好きなはやてからもらった洋服を濡らす。
「リィンが・・・・・リィンがここを離れたから・・・・・・ザフィーラ・・・
・・怒って帰っちゃった・・・ですね・・・・・・」


292 名前:リィンのお父さんB(6/7):2008/01/11(金) 09:59:13 ID:oMKfl1vC
迷子になった男の子に偉そうなことを言っていたが、結局自分もあの子と変わらない。
勝手に動き回って、保護者に心配をかけさせているただの子どもだ。
「ごめんなさい・・・・もう、わがまま言いません・・・・・・ずっとお家にいます・・・・
・・・一人でお留守番してるです」
今日、ザフィーラについていったのも、一人で留守番をするのが怖かったからだ。
一人でいるのに慣れているというのは本当だが、それが寂しくないなんていうことはない。
本当はいつだって、不安と寂しさで胸がいっぱいなのだ。だから、できるだけ誰かと一緒にいたかった。
「はやてちゃん・・・・・みんな・・・・・・」
今だって、孤独で胸が押し潰されそうなのだ。それでもここを動かないのは、あの迷子の男の子に
言った言葉を信じているからだ。
『下手に動いたら会えるものも会えなくなるですよ』
迷子になったら、はぐれた場所でジッとしているようにとはやてから教えられた。
ザフィーラは怒っているに違いない。見つかったらあの大きな手でぶたれるかもしれない。
ひょっとしたら、本当に怒って帰ってしまったのかもしれない。それでも、
自分が家にいないことに気づいた誰かが、心配して探しに来てくれるはずだ。
今は、そう信じて待つことしか、リィンにはできなかった。

そして、とうとう太陽が水平線に沈んでしまう。
日が沈む前に家に帰るという、ザフィーラとの約束をリィンは守れなかった。


293 名前:リィンのお父さんB(7/7):2008/01/11(金) 10:01:00 ID:oMKfl1vC
夜景を見にきたカップルで賑わう展望台に、リィンはとても浮いた存在だった。
泣いているリィンのことを誰も気に留めようとせず、まるで、
みんなからお前なんていなくてもいいと言われたような気分だった。
「ごめん・・・・・なさい・・・・・」
もう何度目かの謝罪。既に、何に謝っているのかさえ定かではない。
誰にも気づいてもらえない。
誰も迎えに来てくれない。
きっと、自分はいらない子なんだ。だから、誰も迎えに来てくれない。
「ごめん・・・・・」
「リィンフォース」
不意を突く、低い男性の声。
顔を上げると、肩で息をしているザフィーラが酷く険しい顔でこちらを見下ろしていた。
「ザフィー・・・・ラ・・・・」
口にした瞬間、リィンの目から大粒の涙が零れた。そして、あの迷子の男の子のように、
ザフィーラの胸に飛び込む。
怒られても良い、ぶたれても良い。嫌われて、二度と口を聞かれなくても構わない。
とにかく今は、彼が迎えに来てくれたことだけが嬉しかった。
「ごめん、なさい。ごめんなさい」
ザフィーラは何も言わない。
悪いのは自分なのに、彼は咎めようともしない。黙って抱きしめ、頭を優しく撫でるだけだ。
ただ一言だけ、次の言葉を口にした以外は。
「お前が無事でいてくれて、良かった」

                                    つづく

294 名前:B・A:2008/01/11(金) 10:05:14 ID:oMKfl1vC
以上です。

リィンの後ろ向きな思考はちょっと強引かなぁとは思いましたけど、あえて断行しました。
思念通話使えば良いだろって言葉はなしでお願いします。
とりあえず、次回で最終回になる予定です。

295 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 10:13:15 ID:sMdENqLD
>>264
GJGJGJ!
やばすぎる、めちゃツボすぎるw

296 名前:43-154:2008/01/11(金) 10:55:23 ID:sbOQ4fOV
>>294GJ
ザフィーラパパの深い想いが伝わってきます。

さて、こんないい話の後でアレなんですがウチのお馬鹿な話の投下いいですか?
漢たちの挽歌その10です。

297 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 10:57:14 ID:XYwX5qjO
>>296
家紋

298 名前:漢たちの挽歌注意書き:2008/01/11(金) 11:18:26 ID:sbOQ4fOV
ではいきます。
今回の注意
俺のなのはさんは魔王じゃない!と世界の中心で叫べる人はスルーしてください。
ロッサはまじめに仕事に取り組む男だ。俺はそう信じてる。と語れる人もスルー
してください。
それでは・・・・漢たちの挽歌その10“お仕置き準備編”どうぞ


299 名前:漢たちの挽歌その10(1/4):2008/01/11(金) 11:18:53 ID:sbOQ4fOV
新暦075年12月某日0900時   聖王教会のとある一室


会議は1000時からの1時間の予定だった。しかしはやてはカリムに言われた40分前どころで
はなく1時間も前に現れた。

そう、ランパブに通う妻帯者とか親友の誘いを断りランパブに誘った淫獣とかグリフィスを
悪の道(夜遊びの道)へ引きずり込む手伝いをした緑のとかに天罰を下す準備の為に。


「いらっしゃいはやて。とりあえずは書類の整理をしながら話しましょう」
「せやな。まあ六課の方の準備はなのはちゃんに一任したし大丈夫や」
カリムに言われたように書類を片付けつつはやてが準備の進行について語る。
「もう当初の予定を遥かに超えるスケールのお仕置きが出来る様になって・・・・・(ピピピ)
お?ちょお堪忍な。はい、こちらはやて。フェイトちゃんどないしたん?」
『うん、義母さんとアルフとエイミィがこっちに着いたからその連絡。後、なのはの持って
きたレポートも読んだよ』
その話を聞いたカリムが首を傾げると
「ああ、その受刑者3名のお店の利用状況を纏めたリストや。ちゃんとカリムのも用意してあ
るんよ」
とはやてがカリムにレポートを渡す。それを見たカリムは驚愕に目を見開く。
「スクライア司書長が週1回、クロノ提督が戻ってくる度に一回、そしてロッサは・・・・週5
回ですって?あ、あの子ったらもう」
口調と表情は笑っているがオーラはどす黒いオーラが漂っている。と言うかヴェロッサ、仕
事はどうした?

300 名前:漢たちの挽歌その10(2/4):2008/01/11(金) 11:19:36 ID:sbOQ4fOV
『とりあえずこっちの準備は問題ないからあ、今の進行度は230%だよ』

「当初の予定の2倍かぁ。ええ感じかな?」
「そうですね。ではハラオウン執務官、其方はお願いします」

『ええ、はやてとカリムさんも連行のほうは宜しくお願いします』

ここで、通信は終わる。その後、連行の方針などを打ち合せを終わらせたところにクロノ・
ユーノ・ヴェロッサの3名が到着した。・・・・・リンチされに


退屈の極みたる会議の間に今回の作戦概要がどのような物かを説明しよう。

1、まず、怪しまれないように普通に会議を行う。
2、その間なのはが『魔王印のトラップ教導隊仕立て2〜そして伝説へ〜』の準備を整える。
3、会議が終了しだい、カリムが『そういえば六課の視察を行いたいのですが今から大丈夫
ですか』だの、『クロノ提督たちもご一緒に・・・・』とか、『念のためシャッハに護衛につい
て来てもらいましょう』等と言い六課演習場に誘い込む。
4、開幕

このようになっている。メンバーは

301 名前:漢たちの挽歌その10(3/4):2008/01/11(金) 11:19:57 ID:sbOQ4fOV
リンディ・エイミィ・フェイトの「クロノへ制裁を」組
「何であんな子に育っちゃったのかしら?」
「クロノ君。まじめですから日ごろのストレスとかじゃないですか?まあ、許す気はないんで
すが」
「クロノ・・・・。自分の悪事がばれるのを恐れて懐柔を図るなんて・・・・許せない。ましてや
『私の』(←ここ重要)エリオに夜遊びを教えるなんて」


なのは・アルフの「ユーノ君の更生を目指せ」組
「ユーノ君。ふふ、ふふふふふ。ちゃんとシメてあげるの」
「いや、なのは?あくまでお仕置きなんだよ?殺しちゃだめだかんね?」
「解ってるの。これは愛の鞭なの。ふふふふふユーノ君が私しか見れないようにするための
通過儀礼なの」
「ユーノ、骨は拾ってあげるよ(汗)」


カリム・シャッハ・はやての「ロッサへの教育的指導!」組
「はやてがくれたこのレポートによるとロッサは『仕事』で出て行った日もこの店に通っていた
様ですね」
「騎士カリム、ロッサの部屋から領収書の束が発見されました。どうも経費で落とそうと考えて
いたようです」
「やっぱり仕事ほったらかして遊んでたんやなあ。いや、これは身内としてはしっかりと教育せ
なあかんよなぁ」

302 名前:漢たちの挽歌その10(4/4):2008/01/11(金) 11:20:18 ID:sbOQ4fOV
何?ユーノへは二人で甘いって?そんなことは無い。現在のなのはさんの戦闘力はSクラス
二人分くらいはきっとある。ユーノにお仕置きする為にずううううぅと怒りとか何とかをチャージ
し続けたのだ。現在の彼女は『白い・・・・』等とは誰も呼ばないだろう。バリアジャケットは確か
に白だが、立ち上るオーラは漆黒、鮮やかな桃色の魔力光もくすんで見える。まさしく『闇の衣
を纏いし大魔王』だった。きっとこれを何とかしても中からは『管理局の白い大魔王EX ver3』が出てくることだろう。


まあ、ともあれ長話の間に会議も終わったらしい。

「ふう、こんなところだな。ではこれにてJ・S事件事後処理を終了したものとする。機動六課は
これより治安維持関連に力を入れてほしい。以上だ」
「はい、お疲れ様です。ところではやて最近の六課の隊員たちはどう?私達一度も隊舎の
視察とかは行ってませんし、よろしければこれから行おうと思ったのですが大丈夫ですか?」
「ふむ、僕もそうだな。後見人が一度も顔を出さないと言うわけには行くまい。良ければ僕
も行こうと思うんだが・・・」
「勿論大丈夫や!あ、ユーノ君とロッサはどないする?」
「僕達もこの後オフなんだクロノとの用事もあるし付き合うよ」
「うん、そうだね。やっぱり興味はあるかな」

はやてとカリムが目を合わせ嗤った。
漢たちは、自分の命の終焉が近いとは気付かずに今夜の予定のことを話す。
実は、今夜は彼らがランパブ『マイバッハ』に繰り出すつもりであった。
ああしかし、彼らの予定は果たされない。なぜなら



地獄に放りだされるのだから。

次回へ続く

303 名前:漢たちの挽歌あとがき:2008/01/11(金) 11:25:16 ID:sbOQ4fOV
はい、以上です。
次回こそお仕置き本編・・・・に入れるといいなあ。
今回は某竜を探す旅の闇の衣が出ました。解除方法?なのはさんがある程度
スッキリするしかありません。

まあ、一言言うなら淫獣は墓場へGo!!を予定してるってことです。
作者のテンションによって変わりますが。ではでは、次回は月曜日です。

304 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 11:38:23 ID:/7XO/yDB
>>294
GJ! リイン可愛いよリイン

ってあれ、あの男の子はエリオじゃなかったのか……
密かに期待してただけに残念。

305 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 12:13:44 ID:mS1Zx3sV
エリオの(性的な)お仕置きがみたいぜ
こんちくしょー

306 名前:漢たちの挽歌作者:2008/01/11(金) 12:17:40 ID:sbOQ4fOV
あ、誤字と脱字発見。>>299の7行目
・・・親友の誘いを断りランパブに誘った淫獣      ×
・・・彼女の親友の誘いを断りランパブに通った淫獣   ○

307 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 13:24:03 ID:DpvBIXgD
>>294リインかわいいよリイン
でも、なんか誘拐されそうなシチュでもあるよな・・・そして陵(ry

>>303
この中じゃフェイトが一番マシだな・・・

308 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 13:24:59 ID:exdskkuj
>>303
GJ!
というか、妻帯者のクロノ自重wwwwwwwwwww
そしてロッサ何経費で落そうとしているwwww
墓場か・・・・・・淫獣南無。
まあ、なのはが魔王になったきっかけもお前がレイハ渡したからだし・・・・・・
人生かけて責任とるんだな。

309 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 13:58:30 ID:r/UitRvY
>>308

いや、なのはRHがなくても魔王だ(゜Д゜)!
と主張してみるw
ともかく
>>303
GJすぐる!!


310 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 14:16:45 ID:StzJ7MNP
>>303
GJ!ユーノは人生の墓場行きだな!

311 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 14:24:28 ID:kD3dUmOu
>>303
GJ。自業自得とは言え、三人の未来がピンク色の閃光の中なのには合掌w
そしてユーノあたりは、なのはにお持ち帰りされそうだな。ボロ雑巾のようにされて

312 名前::名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 14:25:12 ID:DbWZ2p0y
>>303
GJ!ユーノとクロノはお仕置きのあと夜のお仕置きも待ち構えているとみた

313 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 14:38:00 ID:PGD12iNP
ヴァイスはティアナが
グリフィスははやてが
エリオはフェイトが
クロノはエイミィが
ユーノはなのはが
お持ち帰りして夜の(性的な)お仕置きもアリでしょう。

…ロッサ?
シャッハが…と言いたいとこだが、彼女だと夜も(性的でない)肉体言語しか想像出来んw

314 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 15:53:18 ID:9zpEz3EI
この子知ってる??詳細キボンヌ
http://wwwr.power.ne.jp/machi_jyan/

315 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 16:06:20 ID:CqyK8wxq
いや、シャッハ女史はあのバリアジャケットのおっぱい魔人度からして、「脱いだら凄いんです」という想像も。

316 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 16:26:22 ID:exdskkuj
>>315
そうだな。それに、あの腋の破壊力も侮れない俺腋フェチ

317 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 16:27:08 ID:fHdvKux8
ロッサ相手だと巧みに口車に乗せられリードされるシャッハしか思いつかん、どう考えても


318 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 16:41:07 ID:WOL7SRBo
>>303
GJです。

ユーノ終わったな,名無。
だがここでユーノが「あれ?なのは,僕に嫉妬してくれたの?」と上手く懐柔していちゃいちゃ(性的な意味)するんですよ

319 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 16:45:08 ID:DpvBIXgD
>>316貴様・・・腋巫女好きだろ

320 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 16:48:04 ID:exdskkuj
>>319
腋巫女はちょっと筋肉が足りないな!
ちょっと筋肉質気味なアスリート系や武闘派な人の腋が好きなんだ、すまない。

だから腋っていう点で見ればアルフも(ry

321 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 16:56:29 ID:ZddCEAst
トーレさんのが見えないのは痛いぜ。

322 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 16:58:20 ID:xzCJxlII
>320
確かに腋を愛でるなら、筋肉は欠かせないな!

もっとも僕はフトモモスキーだが。

323 名前:ておあー:2008/01/11(金) 17:16:34 ID:i/kQLQ59
>>313
そんな時のためのカリムさんじゃないか。

>>26-111
司書業ご苦労様です。目を通しましたがこれといってマズい点は見当たりませんですハイ。
もっとも自分の投げ込んだものを改めて見直すと色々ムズ痒くなってくるんでおざなりな
確認ですが。
追いつかれないよう頑張りたいところですが、そういえば保管が終わらないと氏の作品も
読めんのですよね。適度に頑張りますw

ところでたまにはスレの需要が高いものに挑戦してみたいんですがスレがカオスすぎて求め
られてるものがサッパリわからんとです。やっぱりハードな話とかなのかしらん。


324 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 17:22:40 ID:9aeq7PUt
個人的にはナカジマ姉妹とかロングアーチ内勤組とか教会組、
ナンバーズとかのエロという珍しいのが見てみたいところだが需要は少ないだろうなー

325 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 17:27:50 ID:PibhgqrL
つまるところ
ヴァイス=ティアナ・アルト・ラグナ
クロノ=エイミィ・リンディ
エリオ=キャロ・フェイト・ルーテシア
グリフィス=はやて・シャーリィ・ルキノ
ユーノ=なのは
これらの組み合わせでお仕置き(性的な意味で)ができるな
正に六課(+色々)オールスターw

326 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 17:47:26 ID:qxk9AIsG
>>324
保管庫にはそれなりにあるがナンバーズだと1とドクター
ロングアーチだとノーマルCPしようとすると男が一人しかいないので
グリフィスとだれかというのが多い、百合でロングアーチ内勤組みは無かったと思う。
ナカジマ姉妹はギンガのやつはあまり見ないね、百合CPで少しあったか?
スバルは百合でなのは、ティアナがあったはず、ノーマルCPでオリキャラものもある
教会組みはロッサ×シャッハ、ロッサ×はやてが多い、変り種でカリム×クロノ
の描写もある作品もあるが主題ではなくおまけ程度。

やはり本編でフラグっぽいものがあると書きやすいようです。
そういう意味ではティアナ×エリオ、スバル×ロッサとかのCPを考えて、作品を作れる
人はすごい

327 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 17:53:02 ID:gAku9LM/
>>323
確かに需要は結構細かくバラけてるように見えるわな〜
個人的にはエリオだのユーノだのレジアスはもうお腹一杯なので
珍しいカプか、ガチ百合みてみてぇ。なのスバが意外と少ねぇよ…

328 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 17:57:32 ID:3GT/NGUk
百合は百合スレ行けって言われるよここは

329 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 17:57:39 ID:klQyzIfD
>>323
シグナム×ヴァイスをエロエロで希望します
意外と少ないっすよ?

330 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 18:06:10 ID:gAku9LM/
>>328
そうだっけ?4スレ目からいるけど、そういう文句でた記憶ないけどな

331 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 18:09:05 ID:LGc5n1ez
俺の記憶では百合よりノーマルカプの方がでてけって言われた気が

332 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 18:34:58 ID:3KWzBbeY
>>330
最近来たんでよくは知らんが、少なくとも百合カプの投下が少ないのは事実じゃないか?
スバルみたいに本編で男性とフラグの立ってないキャラはSS少ないんだよな…
男性陣が主に絡む相手を考えると…

ユーノ→無論なのは
クロノ→エイミィと結婚済
エリオ→「胸触り」キャロと「お姫様抱っこ」フェイトが双璧
ヴァイス→ほぼティアナ専門
ザフィーラ→アルフ、ヴィヴィオ(カプではなく、父親的ポジションで)
ヴェロッサ、グリフィス、ゲンヤ→作品自体が少ないがその中では比較的はやてが多い

そういえばエリオはフェイトはじめ色々なキャラとのカップリングがあるのに対して
キャロはエリオ以外のカプ見たことない気がする…

333 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 18:37:12 ID:B+W23K4H
しかし結婚済みのくせにクロノの相手はエイミィな場合よりフェイトの場合の方が多い悲劇。
いやまあ個人的にもエイミィさんの話とか別に萌えないんで、それよりはクロノとフェイトの方が良いんですけどね

334 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 18:37:36 ID:Sf0DEPM2
シグナムなら触手とかで陵辱系が読んでみたい。
ぼでぃは文句なしの筈だがこれも割と少ない気がする

335 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 18:42:39 ID:ZBgCg3zF
ageんな

336 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 18:43:00 ID:YysX9tEH
>>332
海鳴組が不憫・・・

337 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 18:43:35 ID:DpvBIXgD
フェイトだったら
フェイト×クロノorエリオorたまにユーノ
が王道ってとこじゃないか?

ヴォルケンズだったら
ザフィーラ×ヴォルケンズ各々+リイン
が多い気がする

338 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 18:56:30 ID:PibhgqrL
主人公なのに出番少ないとか言われるスバルいと哀れ

339 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 18:59:20 ID:wKe5tPp2
スバルはエリオとゲンヤ以外の男性と会話ないからな。そりゃ書きづらいわ。

340 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 19:05:19 ID:/7XO/yDB
スバエリで充分におつりくるやん

341 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 19:10:34 ID:GQ8/e+iL
>>332
百合スレがあるから逆に全部そっちに百合がいってるだけじゃないのかなぁ?

342 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 19:12:18 ID:3KWzBbeY
>>333
クロフェの場合、「義妹」というポジションだけで妄想の材料に出来てしまうからな。
(「フェイトがクロノをお兄ちゃんと呼ぶまでの過程」とか)
あとエイミィ自体ほとんど出てこないから書きづらいし、
公式で結婚まで行くとかえって書きにくい面もある…
>>340
まぁ絡ませるとしたらエリオなんだけどな。
ただフェイトとキャロがいるんで敢えてスバルにする必然性が乏しい。

343 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 19:28:51 ID:79LBplfj
>>342
つかぶっちゃけ純粋にクロエイの人気が低い。

344 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 19:32:15 ID:6qdVenfp
クロエイ・・・2人の馴れ初めも、2期終了から結婚までの課程も、何一つ描かれず・・・
挙げ句、結婚が発表されたのはメガミの付録ドラマCD・・・SS01には出演したけど、流石に出番は少なかったし・・・

私は大好きですよ?
「姐さん女房」・・・何ともハートが震える響きではありませんか!?


345 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 19:33:50 ID:StzJ7MNP
今初めてクロエイという単語を見たような気がする

346 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 19:51:20 ID:LGc5n1ez
クロエイって魚介類っぽい響きだな

347 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 19:53:58 ID:jure7cZw
つーかエイミィって三期で言えばシャーリー程度の扱いだったから、キャラが微妙に把握できない

348 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 19:57:08 ID:FckrFjFp
ここってエロパロスレなんだから百合でも薔薇でもエロでも非エロでもグロでも陵辱でも寝取りでも人肉シチューでも
なんでもOKな気がするっちゃするんだけどね
百合スレがあるのだとしてもどっちに投稿するかは作者さん次第なんだし

349 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 19:59:05 ID:G1JA4Ifo
>キャラが微妙に把握できない

エロパロ史上最悪の鬱SSでエイミィやアリサのキャラを掴んでしまったと思い込んでいるオレ負け組みorz

350 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 20:12:45 ID:PibhgqrL
>>349
ど れ だ ?
鬱と聞くと名無ししか思い付かない俺割と新参

351 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 20:20:58 ID:3KWzBbeY
>>349
俺は本編見る前に同人とか買ってたらフェイトに
「なのは激萌えの変態」というイメージがついてしまってなかなかそれが抜けなかった…
最近ではようやく「エリオ激萌えの変態」まで戻せたが…あれ?

352 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 20:27:52 ID:CqyK8wxq
>>317
口車に乗せられリード→シャッハ「まだまだイケますよ!」 ロッサ「勘弁してください」
のフラグにしか思えん。

353 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 21:17:55 ID:Jc0qSfpG
>>334
姐さん何されても反応しなさそうだ…。>>344
姐さん女房といえばシグナム×ヴァイスもいいんじゃね?しかしそうなるとヴァイス×ティアが…。そうか俺はヴァイス萌なのか。

354 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 21:19:00 ID:8VkO7m9I
愛のある和姦もいいが、陵辱物の方が好きだ
夫婦や恋人同士のエロも嫌いじゃないが、読んでも心温まるばかりでエロい気分にはならないんだ

355 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 21:49:55 ID:F7/Q+nNs
>>354
(・∀・)人(・∀・)ナカーマ
でも陵辱書く書き手さん少ないのよな…。

356 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 22:05:03 ID:G1JA4Ifo
>>353
発想を斜め179度ほど逆にして考えるんだ!


ヴァイティアが理想だがシグヴァイスも大好きな貴方に送る必勝公式ッッ!!

(ティアナ+シグナム)×ヴァイス=ラグナ「どっちのお姉ちゃんが先にお兄ちゃんの赤ちゃんを生むのかな?」



なお先行入力で、お好みによってラグナとスバルを加えるのも良いだろう

357 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 22:06:50 ID:CByZwDw6
>>356
甘い!!
(ティア+アルト+シグナム)×ヴァイスだぁぁっ!!

358 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 22:10:41 ID:/7XO/yDB
おまえら何言ってんだ、ルーテシアになぶりものにされるヴァイスを忘れてるぞ

359 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 22:12:52 ID:exdskkuj
よし、ならばヴァイス×ユーノ、クロノ×ヴァイスだな。

360 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 22:13:41 ID:G1JA4Ifo
>>350
そうです!その「名無し」です……orz


>>357
(´゚ω゚):;*.':;ブッ  アルトのことすっかり忘れてたwww


361 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 22:19:02 ID:Jc0qSfpG
>>357
何!?ヴァイスはアルトとの絡みもあるのか!
散々案を出してもらったのに申し訳ないんだが、まだ本編見てないんだスマソ。

362 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 22:23:26 ID:MdCbDBQ2
>>303
投下乙ですー。
ああ、これからお仕置きという名の拷問が再び始まるのか……

しかし、何故でしょうか、リンディ提督とエイミィは、ここまで極端な行動をしないイメージがあるのですが。
なんというか、二人とも艦長職の重圧や責任の重さを知っているから
「キレてしまわないように、ガス抜きは必要だよねー」
位のノリで許してくれそうな感じが。
付き合いが長い分、昔のクロノがガス抜きが下手だったのを知っているから余計に。
後、欲求不満の教導官と違って、余裕もありそうだし。 ガチガチに縛ると逆効果とか思ってそうだし。

まあ、羽目を外しすぎないように釘は刺すだろうし、まだ未成年のエリオをその手の店に連れて行った罰
として、しばらくの風俗への出入り禁止とか、小遣いの減額とか家族サービスをもっとしろとか
色々と言うとは思いますけどね。

いや、ギャグ物なんだからもっと気楽に読むべきなんですけどね。

363 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 22:30:42 ID:/7XO/yDB
>>361
ヴァイスとアルトは六課入りする前はどちらもシグナムの同僚。
というかヴァイスはティアナと散々フラグ建てておいて結局アルトで妥協したし……。

364 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 22:54:31 ID:0sSHbjwN
>>363
べつにカップルが成立したわけじゃないだろ。
想像の余地なんざいくらでもある。とか言ってる俺はティアナ派

いつの間にかノーマルカプ議論スレになってるな……
でも、俺は投稿したいSSが完成してなくて泣ける。まあどの道次世代ネタだから、微妙に投稿していいか迷うんだがな

365 名前:26-111:2008/01/11(金) 23:16:14 ID:6qdVenfp
陵辱・・・難しいのです・・・匙加減は勿論ですが、文字通りの意味で「話にならない」のデスヨ・・・
「パロ」として、キャラの特徴を踏まえた上での仁義なきどろり濃厚エロストーリー。ってのは超絶難しいのです・・・
フリもオチもなくギシギシアンアンだけで済ませるなら何でも良くなってしまうし・・・

考えすぎ?しかし、モノがエロパロだろうが何だろうが、そこに拘りたいのが「職人」なのですぜ、兄弟。



さて、保管庫から業務連絡です
42スレの保管作業を終了しました。執筆陣諸兄は確認をお願いします
こちらは引き続き保管業務を受け持ちます

あと3つ。この分なら実質2つかな?
・・・うん、甘いね私。


>>B・A氏

修正しておきました。確認をお願いします

>>279

報告感謝です。細かいミス多いですね・・・気を付けます


それでは

366 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 23:40:34 ID:pptnhj9i
お疲れです

さっそく見てみたら◆Ev9yni6HFA氏って短編も書いてたんだ
上級大将がチラリと触れられててワロタw

367 名前:シャマるときシャマれば:2008/01/11(金) 23:42:30 ID:dzo22DwN
>>365さん、いつもお疲れ様です。「話にならない」という事については、その通りだなぁ、と頷かざるを得ないですね。

さて、それでは投稿失礼しますね。
エロが望まれる時、送り出すのがまるでエロのないSSという申し訳なさでいたたまれなくなる。
それでも投稿するのは、どうにか、誰かが、少しでも楽しんでくれたらと思うので。
とはいえ、ちょっと今回、趣味に走りすぎたというか、まるで面白味というか味がないような物でさらに申し訳ないです。

注意書き
・非エロ
・シチュエーションが不自然
・クセのあるキャラを丸く書きすぎて個性が潰れてる
・味が薄い

368 名前:シャマるときシャマれば:2008/01/11(金) 23:43:39 ID:dzo22DwN
気づくと新緑の中だった。
森だ。それも、大きな。

「また、来ちゃったか」

苦笑しながら、なのはが歩を進めた。特に当てはない。
して言うならば、せせらぎの音へ。
清々しい空気をいっぱいに吸い込みながら伸び。心も体も空っぽになっていくように気分が良くなる。
今なら、吹き抜ける爽やかな風と共にどこまでも飛んで行けそうだ。魂が軽く、それが空ほどに晴れやかだった。

森を抜けた。
少し先に、川。
川の向こう側はかすれて見えない。それでも、美しいと感じるほど淡やかで、儚い情景。
傍らに、大きな樹が立っていた。
その下に、2人いる。
そっと近づけば、知ってる顔だった。
あぐらをかいて、話をしていた2人が、なのはに気づく。

「おや…君は」
「はい、時空管理局本局武 「ああ、いい、そんな肩書は…ここで無意味だよ、高町なのは君?」

なのはの敬礼をレジアスが、片手を挙げて制止した。
巌のような顔は相変わらずだが、いつも張り付いていた険はもうない。
ゼストがその横で、眩しそうになのはを見上げていた。やはり、こちらも資料で見た顔よりも穏やさが差している。

「すぐに、帰った方がいい」
「はい……長居するつもりは、ないです」

微苦笑しながら、なのはが空いていた場所に目を向ける。
レジアスとゼストとで、三角形になる座位置。

「ご一緒して、よろしいでしょうか?」
「構わんよ。華がないと、思っていた所だ」
「レジアス…」
「少しの間だ。それに、聞きたい事もある」
「失礼します」

ちょこんと、いい顔をしないゼストにレジアスが笑った。いかつい笑顔だが、下品さはなかった。

「ゼストと面を合わせるのは、初めてではないのか?」
「ええ。しかし資料にも目を通しましたし、同僚から良く話を聞いていました。騎士として尊敬に値すると」
「そうだろう? 自慢の、友だ」

レジアスの強面が歯を覗かせて笑った。
演説を見ていた時には、こんな子供っぽさなど欠片も残っている人間とは思っていなかったが、心を飾る必要もない今、ただレジアスも純粋だ。

369 名前:シャマるときシャマれば:2008/01/11(金) 23:44:23 ID:dzo22DwN
「アギトは、上手くやっているか?」
「はい、シグナムさんと息、合うと思います……それに、リィンともいいお友達になれそうですよ」
「そうか」
「それと、メガーヌ・アルピーノさんも目を覚ましました」
「!」
「ルーテシアちゃんと、一緒に暮らす事になるはずです」
「そうか…」

ゼストの頬が緩んだ。短かな言葉でしか反応していなが、無骨な優しさで2人への想いに満たされているのが良く分かる。

「結局、お前は妻帯しなかったな」
「俺は、そんなに器用じゃない」
「ルーテシアちゃん、ゼストさんをお父さんのように思っていましたよ」
「……俺になんかが、か…」
「お前がそう言うか? 1人、娘を残してきたわしに対する嫌味にしか聞こえんわ」
「あ…」

レジアスが眉間にシワを寄せ、初めて苦い物でも飲み込んんだような口元になった。
なのはが、気づくように声を上げた。多分、レジアスが聞きたかった事は、オーリスの事だろう。

「レジアス中将」
「こんな場所だ。中将をつけるのは、やめてくれんか?」
「えと……レジアス元中将……?」
「いや、そうじゃなくてな……」

後ろ頭をかいて苦笑するレジアスを眺めて、ゼストが少しだけ微笑んだ。
天然じみて、さん付けで構わないとようやく気付いたなのはが慣れない風に口を開く。

「なんか、無礼な感じがするんですけど……あの…レジアスさん」
「ああ、それが気楽だ。それで、何かね?」
「オーリス三佐……オーリスさんの事ですが……」

むずむずするようにレジアスが落ちつかなげに目を動かせる。

370 名前:シャマるときシャマれば:2008/01/11(金) 23:44:58 ID:dzo22DwN
「レジアスちゅ……さん直轄の部下ほとんどを上手く掌握して、ソツなく全員を機能させています。事件後の混乱に立ち回ってるんでまだ、忙しいようですよ」
「高町君」
「はい」
「嘘は、要らん」
「……」

そわそわしていた様子も一変して、岩みたいに固い意思のレジアスが鉄の声でなのはに言った。
大きく、なのはが息をつく。

「事件後、裏取引にかかわっていた証拠が挙げられて逮捕されました……今は、裁判中です」
「……そうか。やはり、あの子は局に入るべきでは、なかった…」

今度はレジアスが大きく息をつく。
ゼストは、ただ静かに2人を見ていた。

「私はな」

ぽつりと、レジアスが呟くように口を開く。
覇気はない。ただ、燃え尽きた想いが唇を動かしている。

「その理想を忘れたつもりはない」
「……」
「ただ……覚悟がなかった。自分の命を懸ける覚悟だけではなく、人の命を使う覚悟だ……ゼストが俺に命を預けてくれると言ったとき、こいつこそ死ぬべきではない、と私はその命を惜しんだ」
「……」
「ずっと、誰も死ぬなと思い続けてきた。私は……誰も死んで欲しくなかったんだ……」
「……」
「そんな覚悟のなさが、結局ゼストを急がせ隊を壊滅させ、何十年と長くを経てあんな事件につながった……」
「……」
「すまなかった」
「レジアス中将…」

なのはが来るまでに、散々ゼストと語った事だった。
今、新たな来訪者にレジアスは頭を下げる。なのはは、頭をゆっくり振った。

「顔を上げてください。あなたの炎のような生涯は、それでも尊敬されるものでした」
「……苛烈すぎたと、振り返って思う。いくらか、私のようなやり方を受け継ごうとする者が部下にいるはずだ」
「います。レジアス中将を慕う人たちが、何人も」
「彼らに言ってやってくれ。やり方は、いくらでも盗んで構わん。しかし、私の志を受け継ぐな、と」
「志を……受け継ぐな?」

不思議そうに、なのはは反芻する。
しかし、分る。理解できる。
道は、自分で示すもの。
上にいる者たちは、ただ道を往くための力を、受け継がせるだけで良い。
心指す方向へ、立ち止まらない強さを与えるだけで、いい。

371 名前:シャマるときシャマれば:2008/01/11(金) 23:45:33 ID:dzo22DwN
「分かります……分かりました」
「特に、オーリスには…強く言っておいてくれ。あれは管理局にいない方が……」
「そこだけは、俺と意見が食い違うな」

ずっと、黙していたゼストが口をはさんだ。
なのはも、レジアスがオーリスに対してだけ評価を間違っていると思っている。

「オーリスは、優秀だぞ?」
「ゼスト……」
「わたしも、そう思います」
「高町君まで……」
「子は、親に似るものだ」
「……だからと言って、それが幸せにつながるとは思えん。現に、今も…」
「後悔は、していないようでした。きっと、いいえ、間違いなく、オーリスさんはレジアス中将を支えられた日々を誇りに思っています」
「私は……」
「心配性の、お父さんなんですね」
「ああ、頑固者だがな。もっとも、その頑固がオーリスにも遺伝したようだ」
「どこの親も、子供を自分と同じ場所に居させたくないみたいです。その反対を押し切って、みんな、憧れの場所を走ってる」

くすりと、なのはの口元が綻んだ。周囲の人間が、ほとんど背中を見た人間の後を追う事から始めている。
新人4人も、親友のフェイトさえ。
クロノとて、母親と同じ道を歩みその先を走っている。
そして、自分の背中にいるのは……

「あ」

目まいが、なのはを襲った。
息が乱れる。痛い。つらい。
目の前に広がる、優しくて美しい風景の穏やかさなど一瞬で消し飛ぶ不愉快な苦しみ。
両手を抱いて、歯の根を鳴らすなのはの肩に、ゼストの手が触れた。

「……帰りたがっているんだな、心も体も。大丈夫か?」
「う…う…は…い」

呻き声に交じり、なのはが頷いた。レジアスとゼストに無理して笑い顔を向けた。

「語り足りんな、高町君」
「ふふ……う…ぐ…また…来ます…」
「当分、君は来んでいい。ゆっくりして、この川を渡りたまえ」
「は…い…」
「俺たちは、もう逝く事になるだろう。残った者たちを……よろしく頼む」

ゼストの声に返事をしようとした時、激しく強い頭痛で……目を醒ました。

372 名前:シャマるときシャマれば:2008/01/11(金) 23:46:17 ID:dzo22DwN
「ママ!」

まぶたを開けると、ヴィヴィオの顔が飛び込んでくる。
ひどく気分が悪かった。痛みも引かない。それどころか、倒れる前よりもきつくなっている。
億劫な体を気力で起こせば、医務室だった。ザイーラが壁に立っていた。

「起きたか……無事か? すぐシャマルを呼んでこよう」
「ママ! 大丈夫!?」
「ヴィヴィオ……うん、ママは大丈夫だよ」

吐き気に目まいに瞬く視界いっぱいに、目に涙を浮かべた娘の顔。
立ち上がる力も出てこないはずなのに、そんなヴィヴィオを優しく抱きしめる力は湧いてくる。

「なのはちゃん!」
「シャマルさん…」

息を弾ませ、シャマルが入室。
すぐに脈や呼吸を診てくれる。

「わたし…どのくらい、寝ていましたか?」
「1時間も眠っていないわ。みんなには……まだ知らせてない」
「有難う御座います」

ヴィヴィオとの戦いで、無理がたたった。
たびたび、削った命の分だけ、なのはは彼岸へ渡る川へと迷う。
初めて他人の魂魄にも出会ったが、驚くほどあの時は穏やかな心持だった。
というのも、今回で、あのせせらぎへ赴いたのは3度目だ。
徐々に魔力も失っているのを実感するが、まだはやてやフェイトたち幹部連中にしかこの異常を話していないし口止めもしてある。
まだ、新人たちに心指す方向へ突き進む力を、分け切っていない。
そして、ヴィヴィオにも。

「ママ、大丈夫?」
「ふふ、大丈夫だよ、ヴィヴィオ」

ごっそりと生気の抜けた笑顔で胸の中のヴィヴィオを撫でてやる。
どう見ても大丈夫じゃないなのはに、ヴィヴィオは納得できるはずがない。
加えて、ゆりかごでの最終決戦を鮮明に記憶しているヴィヴィオは薄々だがなのはの異常を己のせいだと悟っているのだ。

「本当に、大丈夫だよ、ヴィヴィオ」
「本当に本当?」
「本当に本当」

子を成す時に、痛みを伴う。
ヴィヴィオを産んだわけではない。それでも、なのはの子だ。
この痛みと苦しみがヴィヴィオという子を取り戻すために必要だったのであれば、何程でもなかった。
愛しさのまま、ヴィヴィオをぎゅっと抱きしめる。その行動だけでも、鋭い痛みが各所に走った。

「ママ?」
「ちょっとだけ……こうさせて」
「うん」

死の淵にあった爽やかな気分も、精神が喜ぶ清々しさもヴィヴィオの温もりには敵わない。
肉体を蝕む激痛も苦痛も飲み込んででも、死にたくないと思う。
フェイトが心を込めてエリオとキャロを見守っているように、ゲンヤが苦笑交じりに娘たちを見守っているように、レジアスが内心を抑えて気丈に娘を見守ったように、今度は自分の番。

373 名前:シャマるときシャマれば:2008/01/11(金) 23:49:31 ID:dzo22DwN
終わりです。
オチもイミもない短編なので、濃い旨味を求めている人にはちょっと邪魔な話で、申訳がない。

374 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 23:56:06 ID:F7/Q+nNs
>>373
GJなんだが、シャマるとき(ry)のひとがこういうのも書けるとは意外だ
趣味に走りすぎたっていうけど、こういうしんみりした感じの、俺は好きだぜ。

375 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 00:03:18 ID:8XcTy6UL
GJ!

ただ、この作品タイトルは?
その「シャマ(以下略)」というのはペンネーム…なんだよな?

376 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 00:17:25 ID:pGB2rvYo
GJっした!
シャマル最後にちらりと出ただけだからタイトルには合わないかと


ヴァイスカプで盛り上がってたようだがヴァヴィーやヴァヴィヴィの幼女カプはありか?

377 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 00:23:32 ID:1FDFt4NR
>>376
ヴァヴィヴィwwwwww
ふたつとも語呂悪すぎワロタw
ヴァイス×ゲボはまあありとしても、ヴィヴィオは流石にねーよ。
未遂でおわって、怒れる魔王に嬲り殺されるヴァイスしか想像できん。

378 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 00:40:16 ID:9F81X3P7
ゲボ子がヴィータなのはわかるが、未だにゲボ子の意味がわからない俺は一体

379 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 00:45:05 ID:dfKAO7ZJ
>>378

「ゲ」ート「ボ」ールの「子」
グラーフアイゼンがゲートボールスティックに似た形だからそういわれてた。
そしたらほんとに老人会でゲートボールやってたのでますます定着した。

しかしなんだ、未だに定期的にこの疑問が出るけどwikiかなんかに載ってなかったっけ?

380 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 00:46:27 ID:DqsEyyfW
俗語に乗ってるんだけどねぇ・・・
Wiki読んで無いか、俗語関連が嫌いのどっちかかな?

381 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 01:29:37 ID:fRNmuyC5
最近脳内でヴィヴィエリがマイブーム
いつだったか忘れたがstsの後日談でエリオとキャロとルーの三人?で小隊組むような話があったけどあの話が大好きだったw

金髪ツーサイドかわいいよヴィヴィオ










本命はアリサ(小)だけどね

382 名前:B・A:2008/01/12(土) 01:31:11 ID:gwIb8dGf
>>26-111

確認しました。お手数おかけします。
この調子ならこのスレが終わる前に追いつきそうですね。

383 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 01:36:13 ID:8JfAflE2
闇の書時代の外道主に命令されて強制陵辱させられるザフィーラ×ヴィータとかはどうだろう

陵辱でありながら和姦でもあり、絶望や鬱屈や仲間への気遣いがないまぜになった荒んだ空気の中、
ヴィータを気遣うものの、体格差からどうしても負担をかけてしまうザフィーラとか
早く終わらせてしまいたくてヤケぎみに強がるものの、不安と怯えを隠しきれないヴィータとか
それをニヤニヤ眺めては時々ちょっかいかけてくる外道かつ変態な主とか

まあ俺が読みたいだけだが こういうのはあまり需要無いのかな

384 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 01:42:33 ID:FOEnVkKV
ありえないカップリングだがザフィーラ×なのはとかいいかもと思ってしまう。
ミッドチルダでホームシックになるなのはとそれを慰めるザフィーラ(士郎と同じ声優)ってな感じで。
そしてstsではなのはの父親+白髪=ヴィヴィオのお爺ちゃんに・・・・・・

385 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 01:45:53 ID:yH+hMf7N
>>383
ちょっと読んでみたい俺がいる

で、いまそのレス読んでて思ったのだけど
ヴォルケンたちは主には逆らえないようにできてるのかな?
逆らったら電気ビリビリってわけじゃないだろうけど
主に消されちゃうとか体だけは逆らえないようになってるとか
SSでは精神的には反抗(主にヴィータ)してたから
なんとなく心で反抗できても体で反抗できないのが
不自然かなあと思って

386 名前:378:2008/01/12(土) 01:59:33 ID:9F81X3P7
>>379サンクス。StS見るまではどっかの動画よろしく、本編でリバースしたのだと思ってたよ・・・

387 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 02:00:36 ID:jbXsZOj5
あくまで限りなく人に近い精神と肉体を持った闇の書の付属パーツだから
基本的には主に対して反抗?何それ?な感じなんじゃないでしょうか?


388 名前:シャマるときシャマれば:2008/01/12(土) 02:28:51 ID:K08Y9zSv
>>375
ものごっつい今更なんですが、以前来てた時に全部の話に「シャマるときシャマれば」というタイトル使ってたので、そのままこのままでいっかと通してしまってました。

と、いう訳で保管庫を整理してらっしゃる最強の縁の下の力持ちな26-111さんにお願いがあります。
今回の話のタイトルを「子へ」として、私の名前を「タピオカ」というものにしていただけないでしょうか?
図々しいわ負担増やすわで「自分でやれ」と思われそうですが、ID取得して勝手に触っていいのかも分かりませなんだで、まずはお願いをします。
まだ42スレッド目の作業中に妙な事を私信して申し訳ないです。

389 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 03:04:38 ID:8JfAflE2
>>385 ちょっと同調して貰えて嬉しいよ
闇の書時代のヴォルケンズは傍観の境地の軽く病んだ精神状態なんで。
主がザフィに「嫌なら兵士にヴィータ犯らせてもいいけど?」とか脅せばザフィは無理に逆らえないだろうし
ヴィータも無駄な抵抗するよりは投げやりに諦めて、内心の怯えを隠すために強がって積極的に
「やればいいんだろ、さっさと終わらすぞ!」となりそうで特に不自然ではないと思ってるんだがどうだろうか

390 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 03:17:46 ID:yH+hMf7N
>>387
まぁ、プログラムですから〜って言っちゃえばそれまでなんだけどねw

>>389
おお、ごめん
決して否定の意味で書いたわけじゃないんだ、誤解させてスマソ
ただなんとなく今まで流しちゃってたけど
よくよく考えればそういえば…的な感覚で思いついただけで

俺はその設定全然ありだと思うんだぜ
むしろその状況とヴォルケンの性格から考えると
一番とりそうな行動だと思う



391 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 03:23:01 ID:MV4iEG5f
>>376
ヴァイスと幼女ならリインUを置いて他にあるまいと某同人を読みつつ思う

392 名前:39-362:2008/01/12(土) 03:23:25 ID:ary5+vuC
投下してもよろしいでしょうか?

393 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 03:27:00 ID:Ml0wBkwD
>>392
カモーン

394 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 03:30:45 ID:WpgypKup
>>392
攻めるときは躊躇せずに、それがベルカ式だ。

395 名前:39-362:2008/01/12(土) 03:31:51 ID:ary5+vuC
今回は結構早く書けました…が、内容のほうは・・・・・・・・・あははは。

注意書きなど
・前回の続き
・非エロでございます。前菜です。
・ユノフェですけど、ラブラブしませんね。
・暗い展開が嫌いな方はスルーを
・キャラ改変、捏造嫌な方はスルーを


396 名前:A crossroads of Fate END1:2008/01/12(土) 03:32:41 ID:ary5+vuC
ユーノがなのはと恋人になって数ヶ月。
彼はフェイトのことを未だ引きずっていたものの、かつてほどの心を裂かれるような痛みは感じなくなってきていた。
それには、ユーノが驚くほどのなのはの甘えるような態度も一因であっただろう。
一方、フェイトは管理局を辞め、キャロとエリオをシグナムに預け、そのまま失踪した。
失踪した彼女の心情を思い、ユーノは胸に鋭い痛みを覚えたが、彼女もきっと立ち直るために旅に出たのだと、そう自分を納得させた。
きっと、彼女はあのときにすべて諦めてくれたのだろうと思う。
そうだからこそ、あれから今まで連絡すらこなかったのだろう。
ようやく、これできっと、すべてが終わる。
後は、自分がフェイトのことを忘れるだけだ。
「どうしたの?ユーノ君?考え事?」
夕暮れの散歩道、前を歩くなのはが、ユーノの顔を心配そうに覗き込む。
はっと気付き、急いで取り繕う。
「い、いや。ちょっと明日のことを考えてただけで……」
「…ふふ。やっと、やっとユーノ君と一緒になれるんだね。その、長い間…待たせちゃってごめんね?」
幸せそうなその表情に、喜悦が加わる。
そう、明日はなのはとユーノの結婚式だった。
式は、なのはの実家のある、海鳴市で行われることになった。
そのため、二人はこの世界に戻ってきたのだった。
「いや…元はといえば、僕が悪かったことだし。」
恋人としてのなのはの態度は、彼にとっては新鮮なものであり、それゆえに喜びも大きかった。
あれから、たくさんの思い出をなのはと作ってきた。
そんな折、なのはから『そろそろ、いいよね?』と言ってきたのだった。
無論、ユーノには断る理由がなかった。
「はぁ、幸せだよ。ユーノ君と、ユーノ君と一緒になれるなんて…」
腕を組み、ユーノに寄りかかる。
蕩けるような、甘い表情を浮かべるなのは。
「僕は…なのはと一緒になれるなんて、思ってなかったな。」
ずっと、自分はなのはとどのような関係なのだろうか、と悩んできた。
彼女の照れ隠しのそっけない態度に、不安になって、そして。
そこまで考えたところでユーノは首を振る。
今は、彼女のことは考えるべき時ではないと。
「でも、これで、なのはと僕の関係は。」
「恋人から、夫婦だね♪」
楽しそうに、嬉しそうに、なのはは笑う。

楽しい時間は早く過ぎるもので、気付けば、彼女の家の前に着いていた。
その手を離したくはないと、ぎゅっと腕を掴むなのは。
「明日、なのはは先に行ってるんだっけ?」
「うん。わたしのほうは、その、ドレスとか色々あるから。」
「そっか、楽しみにしてる。」
ユーノは笑い、そっとなのはから腕を離す。
「それじゃあ、また明日。」
「うん、ユーノ君、また明日。」
なのはが家に入っていくのを見届けて、ユーノは振っていた手を下ろし、ゆっくりと歩き始める。


397 名前:A crossroads of Fate END1:2008/01/12(土) 03:33:21 ID:ary5+vuC
「本当にここまででいいんですか?」
「ああ、後は歩いて行くことにするよ。」
タクシーの運転手に代金を支払い、ユーノはゆっくりと歩き始めた。
あれから、数ヶ月経った。フェイトのいない、時間が。
その間、彼女のことは極力考えないように、なのはだけを見ようとし続けてきた。
そして、今日はなのはとの結婚式だ。
いつかの自分の夢が叶ったことに、ユーノは嬉しさを感じていたが、フェイトのことを考えると、どうも素直に喜ぶことができなかった。

(ダメだな…僕も、そろそろ吹っ切らなきゃ。なのはに心配掛けちゃうしな。)

エリオとキャロは自分とフェイトの関係を知らなかったのか、素直に祝福してくれたことが、何よりも彼の心に堪えた。
けれども、すべてはもう終わってしまったことで、どうにもならないことだった。
式場まで、あと徒歩で数十分。
わざわざ徒歩で行くのは、今までの事を振り返るため。
フェイトのこと、なのはのこと。
そして、今の自分の想い。
すべてに向き合わなくてはならない。
これから、なのはと共に歩んでいくために。




「やぁ、ユーノ。今日はすまないな、わざわざ。」
「いや、別に構わないけど。それで、何の用?」
フェイトが失踪してから数日後のある日、ユーノはクロノに呼び出された。
「まぁ、君もわかってると思うが……フェイトのことだ。」
ユーノにもソファを勧めながら、彼自身も向かい側に深く座り込む。
テーブルの上に置いてあるコーヒーが、湯気を立てている。
ぼんやりとユーノはそれを見つめる。
「フェイト………か。」
ポツリと、暗い表情で呟きながら、ユーノもソファに座る。
あの日から、ずっと考えないようにしてきたこと。
もちろん、彼女の失踪の理由が自分だということはわかっている。
だが、それをクロノは知っているのだろうか。
「ああ。君とフェイトが付き合っていた、というのは本当なのか?」
「本当だ。確かに、僕達は付き合ってた。」
「そうか…………」
考え込むようにして、クロノはあごに手を当てる。
フェイトとユーノの関係は、周囲にも知らせていなかったため、フェイトの失踪の理由は不明ということになっていた。
その理由を知るのは、当事者であるユーノとフェイト、なのはとあの局員。
クロノが知っているということは…
「フェイトから聞いたのか?」
「いや、なのはから聞いた。もっとも、なのはから聞いたのは『ユーノ君に聞いて』ということだけだったが。」
「じゃあどうして……」
「エイミィがフェイトに恋人が出来たみたいだって言ってたからな。それでちょっと君にカマをかけてみたんだが。」
まさか、本当だったとはな、と苦笑する。
家族も知らないとすれば、フェイトはユーノの言った通り、誰にも言わなかったのだ。
その事実に、ユーノの胸がチクリと痛む。ずっと感じ続けている罪悪感が、またうずき始める。

398 名前:A crossroads of Fate END1:2008/01/12(土) 03:33:54 ID:ary5+vuC
「根掘り葉掘り聞くつもりはない。僕が聞きたいのは…君が、フェイトの失踪の原因かどうか、ということだ。」
「そんなこと、言わなくてもわかるんじゃないのか?」
「そうだな。答えなんてわかりきっている。だが、僕はユーノ、君から直接聞きたいんだ。」
「……僕がフェイトを振ったから、彼女は失踪した………少なくとも、僕はそう思ってる。」
クロノから視線を逸らさず、ユーノは答える。
自分があの時、勘違いをしなければ、あるいは最初からフェイトを選んでいたのならば、彼女は決して失踪などしなかっただろう。
その事実は、覆しようがない。
「……それで、今、君はなのはと付き合っている、と。」
「ああ…………」
「三角関係、か。…………………ふぅ。」
クロノはしばらくユーノを見つめていたが、軽く溜息をつき、テーブルの上のコーヒーをすする。
怒鳴られるだろうと覚悟を決めていたユーノとしては、気が抜けるようであった。
「……殴らないのか?」
「君を殴って何になる。そんなことをしたところでフェイトが帰ってくるわけでもない。それに……」
「それに?」
「三角関係は、一人が消えなければ正常な関係にはならない。だから、誰かが抜け落ちていくのは当然だ。
 今回は、その誰かがフェイトというだけの話さ。まぁ、多少腹立たしくはあるが……」
「………………………」
「だがな、ユーノ。もし君が、どちらとも関係を続けてたなら、僕は殴るしかなかった。そんな男に大事な妹を任せられないからな。」
「フェイトが……それを望んだとしても?」
「ああ、そうだ。彼女が望んだとしても、だ。」
強く、クロノは断言する。
恐らく、彼はフェイトがそう言ったであろうことを確信している。
そして、それをユーノが拒否したということも。
「…まぁ、仮定の話をしたところで、どうでもいいことか。」
呟き、ソファから立ち上がる。
「今日はわざわざ、すまなかったな。ユーノ。」
「いや、これも僕のせいだから………それじゃ。」
ユーノも立ち上がり、ドアへと足を向ける。
「そうだユーノ、一つ、聞き忘れていたことがあったんだが……いいか?」
クロノはユーノに背を向け、窓から空を見上げる。
その空は、いつかのように、雲が空を覆っていた。
「…なんだ?」
ユーノも、振り向かず答える。
「君はフェイトを…………………今も……愛して、いるか?」
「僕は…………」
そこまで言いかけ、ユーノの声が止まる。
「いや、答えなくていい。………すまなかったな。なのはを選んだ君に聞くことじゃなかった。」



あの時、自分は何と言おうとしていたのだろうか。
今でも好きと言うつもりだったのか、嫌いと答えたのか、それとも、まったく別の返答だったのだろうか。
考え込んでいるうちに、歩みが遅くなっていく。
それにも気付かず、ぼんやりと、歩き続ける。
ぼんやりしすぎていたのか、彼のポケットからハンカチが落ちる。
「おっと……」
それを拾おうと、彼は屈み、手を伸ばす―その、瞬間。


399 名前:A crossroads of Fate END1:2008/01/12(土) 03:35:22 ID:ary5+vuC
「ぐ……………………ッ!?」
背に、焼け付くような強烈な痛みが走る。
目の前が赤く、血のように赤く染まっていく。
ずぶりと。
彼の胸を裂き。
光の剣が、赤い液体を滴らせていた。
血が沸騰し、肉の焼かれる匂いが鼻をつく。
剣が抜かれ、栓を失った血液は溢れ返る。
体の力が急速に抜けていく。
まるでスローモーションのように、ユーノはゆっくりと地面に倒れる。
血溜りが、じわりと地面に広がっていく。
彼の体に、影が覆い被さる。
ふと見上げると、そこにはかつて見慣れた、白い外套に黒い防護服。
金の髪に、赤い瞳。
視界が彼女だけを切り取ったように映し出す。
ユーノの世界に残ったのは、フェイトと、血のような赤だけだった。
「………ごめんね、ユーノ。」
ユーノの頬に、掌に。彼女の涙が落ちていく。
涙が、血と混ざり合う。
久しぶりに見た彼女は、いつかと同じように。
泣いている、ひとりぼっちの少女のように見えた。
居場所が欲しくて、誰かにそばにいて欲しくて、泣いている少女のように。
「ごめん……ごめんなさい…………」
涙を流しながら、ひたすらにフェイトは、ごめんなさい、と謝り続ける。
ユーノには、不思議と、憎しみも、怒りも感じなかった。
―だって、こんなに風に泣いてる子を、憎めるわけがない。
「ユーノに振られて……もうわたしを見てくれない、ユーノはもう、なのはしか見ないって、そう思って……
諦めようと思ったんだよ?でも、でもダメだったんだ…!諦めるなんて……出来なかった!」
流れた雫は髪を濡らし、朝の陽に煌く。
嗚咽し、しばし静寂が訪れる。
その間にも、フェイトの涙がユーノの体を濡らしていく。
彼女の涙の冷たさだけが、体に刻まれていく。
「……わたしは、ユーノが好きで好きで好きで、ずっと一緒にいたかった。ユーノ以外、何にも、ほんとうに何にも、要らなかったんだよ?
 わたし、ユーノがいない……ユーノがわたしを見てくれない世界なんて嫌だった……」
泣きながら、支離滅裂にフェイトは呟く。
血が、彼女の足を浸していく。
「わたしは、ユーノを誰にも渡したくなかった……わたしだけの、わたしだけを愛してくれるユーノでいて欲しかった……」
「……ごめん、ぼくは、……ずっとフェイトに……謝り…たかった…本当に……ごめん。」
口から血を溢れさせながら、ゆっくりとユーノは喋り始める。
もう、自分に残された時間は僅かしかない。なら、最後にフェイトに謝罪しておきたかった。
「ユーノ?なんで……何で謝るの?わたしが、わたしがユーノを、殺してるんだよ?どうして?」
「そう…だとしても……君、は悪く………ないから。」
ここまで彼女を追い詰めたのは誰だ?
そんなの、自分しか、いない。
ならば、この最後だって、自業自得以外の何物でもありはしない。
「言いたい………こと、あるんだ…聞いて……くれな………いか?」
そこまで話したところで、口から更に吐血する。
時間が迫っている、なら、早く言わなくては。
最後に、伝えなくては。
「あの…さ、フェ……イト…?」
「………………………」
両目に涙を溜めて、ぐずる子供のような表情をしている。
どうしてか、微笑ましい。
壊れた笑顔よりは、ずっといい。


400 名前:A crossroads of Fate END1:2008/01/12(土) 03:35:57 ID:ary5+vuC
「今、でも……君の…こと、好き………だ…」
あの時、自分が言おうとした答え。
きっと、こんな形でもなければ言うことはなかっただろう。
そう、今でも、フェイトを愛してる。
「なんで……どうして、今、そういうことを言うの?卑怯…だよ。」
膝が崩れ落ち、血溜りに浸されていく。
「ごめ………ん。」
「ううっ……もう、嫌だよ、こんなの!わたし、嫌だよ……!!苦しいのも、辛いのも……全部、全部…」
ただ、嗚咽する声が響いていく。
「何もわからなくて、もうめちゃくちゃで!諦めても諦めきれなくて、どうしても届かなくて……!」
「……………………………」
「そんな時に、ユーノとなのはが結婚するって聞いて……もう、どうしようもなくて!」
ああ、そうだ。
なのはにも、謝らなくては。
約束を、守れなかった。
結局、自分はなのはもフェイトも裏切ることしか出来なかった。
「もう……いい……から、だ……から…もう、」
もう、早く行ったほうがいい。
これで、自分のことはすべて終わったのだから、次に。
どんな形でもいいから、前に進んで欲しかった。
「もう、ダメなんだ………わたしは、ユーノなしじゃ生きていけないから…ユーノのいない世界なんて、意味がないから。だから……ね?」
にっこりと、どこか儚げに微笑む。
フェイトは、ユーノを刺したその刃をしばらく見つめ、軽く息を吐く。
きっと、彼女は最初からこうするつもりだったのだろう。
『…………!!………』
バルディッシュが何かを言っている。
それは別れの言葉だったのかもしれないし、制止の言葉だったのかもしれない。
だが、彼女は微塵も表情を変えず、呟く。
「……さっき、止めようとしてくれたの、ありがとう、バルディッシュ。」
躊躇いなく、自分の腹部に突き刺す。
溢れる彼女の血が、ユーノの血と混ざり合っていく。
それと同時に、バルディッシュから光が消え、実体を失った剣はからんからんと音を立てて落ちる。
その主も、力を失い、倒れた。
「ユーノ…ごめ…ん……ね………大好き…だよ?」
腹部を刺し、倒れながらも笑みを浮かべるフェイト。
その微笑みは、穏やかで、でも、どこか哀しそうで。
このままじゃ彼女は救われないと思った。
そんな悲しい気持ちのままで死なせてはいけないと。
だから、ユーノは、最後の力を振り絞って、フェイトを胸に抱きしめる。
互いの血で汚れようが、気にも留めなかった。
倒れたままで無様だろうが、どうでもよかった。


401 名前:A crossroads of Fate END1:2008/01/12(土) 03:36:30 ID:ary5+vuC
「ユー………………ノ……?」
どうして、と。
嬉しさと困惑が混じったような表情で、彼女はぼんやりと彼を見つめる。
「ばか…………だ……なぁ…もう………」
いつもと同じ、困ったような笑みで。
いつかと同じ、子犬にするように。
優しく、慈しむように、フェイトの頭を撫でる。
フェイトの瞳から、また涙が溢れる。
ごめんね、と口だけを動かす。
その顔はいつもの―ユーノに甘えていた時の―満ち足りた笑顔だった。
薄れていく意識の中、確かな温かさがこの腕の中にある。

(僕は、最後に…フェイトを救うことが……出来たの、かな……)

そうだとしたら、自分はフェイトとの約束は守ることが出来たのかもしれない。
けれども。
結局、なのはを裏切ってしまうことになった。
結婚して、幸せにすると、約束した。
でも、その約束は守れそうにない。
こんなことを思う資格なんてないのかもしれない。
けれども、なのはには、自分のことを忘れて幸せになって欲しい、そう、思う。
フェイトの顔を見る。
穏やかな、幸せな、満ち足りた。
見ているだけで、幸せだと、この死に何の後悔もないとわかる表情。

(やっぱり、フェイトを一人には出来ない…ごめん、なのは…約束守れなくて……僕は、この子の居場所でいなきゃいけないから……)




雲一つない青空が、この空いっぱいに広がっていた。
人通りの少ない散歩道。
その半ば、道の中央に血溜りが広がり、その中心に一組の男女がいた。
互いの血で染めあい、倒れている様は、あるいは悲惨であると言えるかもしれなかった。
だが。
奇妙にも、二人は、まるで死体とは思えないほどに。
穏やかな表情を浮かべ、まるで恋人のように抱き合っていた。


もう二度と、離れぬように。

ぎゅっと。







FIN


402 名前:39-362:2008/01/12(土) 03:41:57 ID:ary5+vuC
以上でEND1は終了です。
なんかもう…色々とすいません。
次回からは分岐であるEND2の内容となります。
分岐は、なのはさんから告白される、5からの続きとなります。

自分の作品が読んでもらえるというのは純粋に嬉しいです。
こんな内容ですが、最後まで読んでいただけると非常にありがたいです。

y=ー( ゚д゚)・∵. ターンAさん、投下に割り込んでしまって、どうもすいませんでした・・・

>>365
保管庫の更新、お疲れ様です。
最近の更新のスピードはすごいですね。すごいびっくりです。
こっちも新米です。
こちらからもよろしくお願いしますね。

403 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 03:55:56 ID:GYA+kR4v
>>402
GJです・・・、王道の『あなたを殺して、私も死ぬ!!』ENDで来ましたか〜〜。
次回の別ENDのお話も楽しみにお待ちしております。

404 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 04:23:27 ID:K08Y9zSv
GJ!
いいね。この後のなのはさんを考えると、「あぁやっぱりなのはでは結婚するやつぁ片方欠けるのか」と心痛みますが、一読者としては実にいい。
あ、そしてバルディッシュの描写も挟まれてやっぱり職人さんは芸細かいなと感心しました。

405 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 08:37:36 ID:v+l1IRrp
>>402
GJです!
一つ目の完結おめでとうございます。
フェイトの不幸大好きの身としては、失踪中の鬱妄想や荒んだ生活なんかも気になりました。
ルート2も楽しみにしています。

406 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 09:07:06 ID:w3IzFOxt
うーん、まずGJ! ではあるんだが……
この流れだとEND2はなのはとフェイトの立場が逆、つまりなのはがユーノかフェイトを殺す、もしくは殺そうとして返り討ちにあう、
END3はスーパークロノタイム! ずっと俺のターン!! とゆーのが想像できてしまって……

407 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 09:21:56 ID:F7n0leUF
>>406
そういうのは思っててもあまりカキコしない方が…
職人さんが困るケースも出てくるだろうから…

408 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 10:22:38 ID:XYXw8m51
>>402
GJです。フェイトはダークが似合うなあ。
最後の二人の描写が儚くてすばらしい。
次回も楽しみにさせていただきます。

409 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 11:00:25 ID:nC/rfWln
>>404

確かなのはで両親健在なのって高町夫妻と未来の恭也と忍だけか。
けど、前世じゃ桃子さん未亡人なんだよな。レティ提督って旦那いなかったっけ?

410 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 11:01:15 ID:8A0d9laf
>>402
GJ!!ヤンギレフェイトさん怖い・・・
でもすごく面白かったです。
でも分岐EDのSS投下する職人さんは珍しいですね。

411 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 11:36:33 ID:dld01QKc
>>354
初めは陵辱好きだったが、最近和姦が良くなってきてる俺は異端かな?
無理やりではできない愛の営みによるパワーが、凄い事になりそうだと
思ってな。


412 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 11:51:12 ID:+LVeGne4
>>391
ヴァイスリィンUだとサイズ的に陵辱も和姦も無理じゃないかと思ったり。
その同人誌をノベライズすべし。

413 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 11:55:43 ID:KA8tmJf9
>>412
エリオキャロサイズにはなれるんだから、サイズ的な問題は無いと思うが…
まあペドの汚名ぐらいはくっつくかもしれないけど

414 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 11:58:45 ID:yS23mmye
>>402
END1
Nice boat

415 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 12:00:23 ID:H2YKFQ2q
遅レスですがターンA氏GJ!
後半がめっちゃ楽しみです。
どうやってティアナが切り抜けるのか気になります

416 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 12:14:16 ID:DqsEyyfW
>>411
ほほぅ・・・貴殿と杯を酌み交わしたいものだ

417 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 12:25:17 ID:xvf18f+p
ノーマルなら、カプが自分の趣味じゃなくてもある程度は書けるんだ。
でも、18禁ならまだともかく、それも陵辱とか強姦となると……痛々しさとか苦痛とか、キャラが泣き叫び堕ちていくのが好きな人には問題ないんだろうけど、そういうのが苦手な者としては、プロットのカケラも浮かんでこないというか、想像しようとすら思えないのね。
陵辱書ける人はすごいなと思うよ。

418 名前:B・A:2008/01/12(土) 12:41:45 ID:nC/rfWln
>>417

まったくもって。
エロというのは奥が深い。


ところで、鬱な空気を180度変えちゃいますのでご了承を。

注意書き
・ザフィーラ×リィンフォースU
・エロは一切ありません。
・A’sエピローグ後、八神家がまだ海鳴に住んでいた時の話です。

419 名前:リィンのお父さんC(1/5)::2008/01/12(土) 12:43:56 ID:nC/rfWln
結局は自分の不注意だった。
リィンのもとを離れる時、一言声をかけてやれば、彼女に寂しい思いをさせずにすんだのだ。
「まったく、ままならないものだな」
盾の守護獣が聞いて呆れる。幼子の面倒すら見れぬとは。
「父親になるのは、まだまだ先のようだ」
泣き疲れて寝てしまったリィンをおんぶしながら、ザフィーラは自宅へと続く道を歩く。
日はとっくに沈んでいて、はやても家に帰っているだろう。恐らく、家に着くのは夕食時になるだろうから、
そろそろリィンを起こすべきだろうか。
「・・・うぅん・・・・・・・ん・・・・・・」
やめておこう。
どんな夢を見ているのか知らないが、とても気持ちよさそうに
眠っているのを邪魔しては悪い。


420 名前:リィンのお父さんC(2/5)::2008/01/12(土) 12:45:36 ID:nC/rfWln
「それにしても、入れ違いになるとはな」
リィンが展望台に戻ってきた時、丁度ザフィーラは階下を探すためにエスカレーターに飛び乗ったところだった。
もし、もう少しだけ長くあの場に留まっていれば、ビル中を走り回ることもなかったのだ。
雑貨売り場で缶詰の山を崩すことも映画館で大声を上げて大恥をかくことも立入禁止の企業フロアに侵入して
怒られることもなかったのだ。
「・・・・・・・・主に何と弁解すれば良いものか」
あんな情けない姿を晒したとあっては守護獣失格だ。いっそ明日から本当に犬として生活しようかと、
半ば本気で考えてしまう。
「だが、この娘が無事で良かった」
弁解も反省も、後でいくらでもできる。口にできないような赤っ恥は、リィンに寂しい思いをさせてしまった
自分への戒めとしよう。
「お詫びに、あの映画を見るとするか」
本当に、今日は終始自分らしくない一日だった。


421 名前:リィンのお父さんC(3/5)::2008/01/12(土) 12:47:39 ID:nC/rfWln
まどろみの中で、リィンは自分が揺れていることに気づいた。
誰かに背負われている。青い髪に、大きな背中。腕も太くて、肌は浅黒い。
(ザフィーラ・・・・・・?)
そう、確か今日は、ザフィーラと一緒に街へ出かけて、そしてタワービルの展望台に昇ったのだ。
その後、迷子の男の子の両親を探してあげて、代わりに自分が迷子になってしまった。
(そうです・・・・ザフィーラが、迎えにきてくれたです)
とても怖かった。自分が世界で一人ぼっちになってしまったかのような気がして、すごく寂しかった。
けれど、ザフィーラの姿を見た途端、そんな気持ちは吹っ飛んでしまった。
(ザフィーラの背中・・・・・温かいですぅ・・・・・)
鍛え抜かれた背筋はまるで岩みたいに角張っているけれど、何故だかとても安心できた。
何も心配することはない。何があろうと守ってくれる。そんな気がした。
多分、お父さんというのは、こういう背中をした人のことを言うのだろう。
(おとう・・・・・さん・・・・・・)
意識が綻び始め、リィンは再びまどろみへと沈んでいった。

422 名前:リィンのお父さんC(4/5)::2008/01/12(土) 12:49:52 ID:nC/rfWln
数日後。
無事、昇進試験を終えてくつろいでいたはやてのもとに、アースラ経由で管理局から
一通のメールが届いた。内容は一等陸尉への合格通知で、それに伴って来月から
陸上警備隊104部隊で指揮官研修を受けるようにという旨が書かれていた。
「みんな、今晩はパァーっとお祝いや」
みんなと喜びを分かち合おうと、はやてはみんなが集まっているリビングに駆け込む。
すると、珍しくザフィーラが狼形態のまま日当たりの良い窓際で眠っており、
何故かその周りに残りのヴォルケンリッターが集まっていた。
「どないしたん、そんな隅っこに固まって?」
「シーっ・・・・はやて、静かに」
ヴィータが人差し指を唇にあて、眠っているザフィーラを指さす。他の2人も似たり寄ったりだ。
だが、ここからだとソファが邪魔で指先にあるものがよく見えない。
「何やの、いったい?」
何があるのかと、ソファをまたいで覗きこむ。そして、納得した。
「なるほど・・・・」
「そういうわけです、主はやて」
「あたしらも気ぃ使って、テレビも見れねぇんだよな」
「本当、もうすぐ昼ドラが始まる時間なのに」
クスッと、4人は笑い合う。

423 名前:リィンのお父さんC(5/5)::2008/01/12(土) 12:51:01 ID:nC/rfWln
4人の視線の先には、大きな体を横にして眠っている盾の守護獣と、そんな彼の腕を
枕代わりにしている祝福の風の姿があった。
2人は見られていることにも気づかず、スヤスヤと眠っている。時折、リィンが
寝返りを打ってザフィーラの胸にしがみついたりする光景が何とも微笑ましかった。
「ほな、2人を起こさんようにごちそう作らなあかんな」
「ごちそう? はやて、何か良いことあったの?」
「あったで。実はな・・・・・・・・・」
開いていた窓から暖かい風が吹き込む。
リィンの呟きは風にかき消され、誰にも聞かれることはなかった。
「・・おとう・・・さん・・・・・だいすき・・・・・」

                                おわり


424 名前:B・A:2008/01/12(土) 12:53:40 ID:nC/rfWln
以上です。
ザフィーラの出番、ちょっと少ないかもしれませんがご勘弁を。

「リィンのお父さん」はこれで終了です。
ここまで読んでくださったみなさん、ありがとうございます。

425 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 12:59:35 ID:sEvQ11RS
GJ!
ラスト1シーンが非常にほのぼのでいいですね
ザッフィーに抱きつくリインかわいいよリイン

sage忘れ注意!ですね

426 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 13:16:58 ID:9F81X3P7
GJ!スーパーザフィーラタイムだな

427 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 13:24:36 ID:idDDA75h
>>424
GJ。お父さんしているザフィーラが目に浮かんだわw

428 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 13:43:57 ID:8A0d9laf
>>424
GJ!!です。和みSS投下お疲れ様でした。
特に最後の日だまりシーンなんかもう・・・
鬱SSの後だからといって投下して悪いということはないですよ。
むしろCome on!!

429 名前:ザ・シガー:2008/01/12(土) 13:59:54 ID:yGyVfbhF
本当にここのSSは面白いですね。
特に>>424 B・A氏GJです!! リィンが可愛い過ぎですよ、なんか俺もリィン書きたくなったな……陵辱とかで。


ところで話の流れをぶった斬って悪いんですがリンディさんメインのエロSS『甘党艦長〜』の五話目ができたんで投下してもいいですか?

430 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 14:01:46 ID:wUYA5NLq
>>429
オッケー!待ってたんだぜ!

431 名前:ザ・シガー:2008/01/12(土) 14:05:52 ID:yGyVfbhF
それじゃあ投下します、オリキャラが出るSSなので“受け付けない”という方はスルーしていただくとありがたいです。

今回はリンディさん以外のキャラも出ます、そしてエロです! 断固としてエロです!! っていうかエロ分補給!!!

432 名前:ザ・シガー:2008/01/12(土) 14:06:55 ID:yGyVfbhF
甘党艦長と俺物語5

ここは次元航空艦アースラ。
その内部の男性用更衣室において甘い女の嬌声が響く。
発情した獣の如き鳴き声を上げるのはアースラの艦長であるリンディ・ハラオウン。そして彼女と交合して卑猥な音色を奏でさせているのはアースラ所属の武装局員のジョンである。


二人は更衣室に置かれた椅子の上に座って、正面から抱き合うような格好、対面座位の形で繋がっていた。
そして脱ぐ時間すらも惜しいが故に、互いに服を肌蹴ただけの状態で激しく交わる。
汗で濡れて若干透けたブラウスがリンディの身体を淫らに飾り、ジョンの欲望を果てしなく高めていく。

「くっ…どうですかリンディさん、気持ち良いですか?」
「んはぁっ!…はいぃ…あんっぅ…きもちいぃぃ…ですぅ」

ジョンはリンディの腰に回した手と肉棒の突き上げる動きで彼女の身体を上下に激しく揺さぶり、容赦なく蜜壷を擦り上げて彼女の性感帯を的確に刺激する。
正常な思考を奪う程に与えられた肉の悦びに、リンディはだらしなく開いた口から唾液を服の襟元まで垂らしながら甘く官能を誘う声で鳴く。


「誰か来るかもしれないってのにまあ、よくそんなに興奮できますね?」
「ふぁい……んぅっ…ドマゾの淫乱リンディは…あんっ!……そんなことで興奮するド変態ですぅぅ」
「よく言えました、それじゃあご褒美ですよ」

ジョンはそう言うとリンディのブラウスの胸元を掴むとボタンが引き千切れるくらいの力で乱暴に開いて彼女のたわわな乳房を露にする。
そうして顔を覗かせた豊満な二つの果実、そのなかでも一際敏感な右の乳頭にジョンの口が吸い付き力いっぱい吸い上げながら舌で転がす。

「あはああぁぁっ!! むねぇ…すごっおいぃ……もっとぉ♪…もっと吸ってぇぇ」

リンディは大好きな胸への刺激に甘い声を上げて悦ぶ。
そして射精が近づいて来たのか、ジョンの腰の動きが一段と速くなりリンディの身体をさらに激しく上下に揺さぶる。
リンディもまたその動きに絶頂の波を迎える。

「わらひもイくからぁ……ジョンも…んぅっ…早くチンポミルクらしてぇ」

そのリンディの言葉に対するジョンの返答は間断なき腰の突き上げと乳房への刺激だった。
そして最高の力を込めた腰の動きと共に白濁とした子種がリンディの体内に放たれ、彼女も時を前後して絶頂に達した。

「んはぁぁ…んぅっ!…イっくううぅぅ!!」



「はぁ…はぁ……すごぉい…熱くておなかの中…焼けちゃいそう」

リンディは体内に吐き出された精の熱に、蕩けるような甘い声を漏らして絶頂の余韻に浸る。
甘い吐息を吐くリンディの唇を、ジョンは欲望の赴くままに自分の口で塞いだ。

「んぅっ!…ちゅぷ…むぅ…」

ジョンは淫靡な水音を立ててリンディの舌を味わい、彼女もまた彼との口付けがもたらす快感に酔いしれる。
そうして二人は激しい契りの末に濡れた身体を抱き合いながら、再び情欲の炎を熱く滾らせていった。






ジョンです、近頃使いすぎで股間が痛いです、ジョンです。
ここ1ヶ月くらいオナニーしてません、したら赤い玉が出ます、絶対出ます、そして死にます。

今日も今日とて朝っぱらから艦長と無人の更衣室でヤってました。
最近はなんかもう時間が出来たらヤってます、艦長スタミナありすぎです、俺を殺す気ですか?

433 名前:ザ・シガー:2008/01/12(土) 14:08:45 ID:yGyVfbhF
この前、体重計乗ったらメチャクチャ減ってました、でも艦長はどんどん肌のツヤが増してます。
俺なんか吸収されてる? それって血とか命じゃないよね?

と言う訳で腰痛とスタミナ切れが致命傷になる前になんとかすべく、俺はアースラの医務室へと向かってる。
とにかくシャマルさんに強壮剤マカビンビ○の追加をもらって、腰を診てもらう。



そんな俺の前に、上司であり長年の付き合いであるクロノ君とその妹のフェイトちゃんが正面から歩いてきた。


「やあジョン」
「こんにちは」
「ああ…こんにちは」

二人を見て思わず艦長の事を思い出してしまった……ごめん、君らの母さんと爛れた肉体関係になってます。
なんかフェイトちゃんの穢れ無い眼差しが凄え痛いよ、お願いだからそんな綺麗な瞳で俺を見ないでくれ。
俺は思わず顔をそらしたがそんな想いも虚しくフェイトちゃんは挙動不審な俺の顔を覗き込んできた。

「どうかしたんですか?」
「いや…なんでもないよ」

ああもう、君はなんでそんなに純粋で綺麗な目ができるんですか?
ひねた兄貴とは大違いだね、出来れば一生似ないでくれることを心の底から祈るよ。
俺を心配してくれるフェイトちゃんと違い、兄であるチビ執務官は容赦なく棘のある言葉を投げてきた。

「っていうかジョン! 君は今日も午前の訓練をサボったろ!? まったく何してるんだ!?」
「まあ…その色々とありまして……詳しくは艦長に聞いてくれクロノ君」
「母さ…艦長に?」

“君の母さんと激しく契ってました”って素直に言ったらどうなんだろな……でもそんな事言ったらフェイトちゃんが可哀想だからやめよう、うん。



俺は二人と少し話してから医務室に向かう。
医務室には約束通りシャマルさんが精力剤マカビ○ビンの追加をダース単位で用意して待っていてくれた。

「失礼します、シャマルさん」
「あら、いらっしゃいジョン君♪」

白衣姿のシャマルさんは、なんとも眩しい笑顔で俺を迎えてくれた。
疲れきっている俺の心には素晴らしい清涼剤だ、これでハードな肉体労働(腰に負担の掛かる)にも耐えられる!
俺がそんな事を考えているとシャマルさんが声をかける。

「そういえば腰が痛いと言ってたわね? とりあえずベッドに寝てちょうだい」
「はい、お願いします」

俺はそう返事をしてベッドにうつ伏せに横たわる。
シャマルさんは慣れた手つきで服を軽くめくり俺の腰を優しく触って診断すると、治癒魔法で日々の激しいピストン運動で悲鳴を上げていた俺の腰を癒していく。
まったく“風の癒し手”の二つ名に偽り無しだ、これで明日からの艦長との行為も滞りなく行えるだろう。

そんな事を考えていた俺にシャマルさんが、ふと思い出したように話しかけてきた。

「随分疲れてるんですね。それにマカビンビ○もあんなに必要なんて、何かあったんですか?」
「ええ……まあ…なんと言いますか、激しい運動を少々」

434 名前:ザ・シガー:2008/01/12(土) 14:09:35 ID:yGyVfbhF
「へ〜、そうなんですか。それって例えば……」


シャマルさんは突然俺の背中にしなだれかかるように身体を押し付けると、耳元で思考の全てを凍らせるような言葉を囁いた。



「…リンディ提督とのセックスとか?」


その言葉に俺は完全に頭をフリーズさせた、するとシャマルさんは宙にモニターを展開して映像データを映す。
それは俺が艦長との情交を魔法で展開したカメラで撮ったものだった、データは消した筈なのになんで…
そんな疑問はシャマルさんの次の言葉ですぐに解消する。

「クラールヴィントのセンサーを舐めちゃいけませんよ? 艦内でこんな魔法使ったらすぐ分かっちゃうんですから…」

振り返った俺の目に映ったのはシャマルさんの笑顔、でもその笑顔には最初に感じた朗らかさは微塵も含まれてはいない。
それはよく見慣れた表情、俺に淫蕩な要求をする時の艦長と同じ顔だった。

「…ねえジョン君……私の“お願い”聞いてくれますよね?」


俺は凍った思考の片隅で“きっと女郎蜘蛛の巣にかかった獲物はこんな気分なのかな”なんて考えていた。







「ジョン君、私達がプログラムだって事は知ってるわよね?」
「ええ、まあ」
「それでね、闇の書事件から私達も少しずつ普通の人間とほとんど変わらなくなってるのよ」
「はあ…」
「つまり3大欲求も生まれてくる訳なのね? 分かる?」
「え〜っとその話からいくとシャマルさんが言いたいのは…」
「もちろん性欲の話よ♪」
「……さいですか」


医務室のベッドの上でジョンは仰向けに横たわっている。
ただ寝ているだけならば普通の光景だが彼は両手をベッドの支柱にバインドで固定され衣服は全て剥ぎ取られていた。
そして彼を拘束している張本人であるシャマルは白衣姿でその横に腰を下ろし、だらしなく開けられたシャツの胸元からは下着を付けられていない豊かな乳房が覗いている。

シャマルは身動きを封じられたジョンの全身を舐めるような視線で観察しながら、ゆっくりと彼の身体に指を這わせる。

「武装局員にしてはちょっと痩せ気味ね? リンディ提督と激しくしてるからかしら?」
「ええ、たぶん……ところで、バインドを外してくれるとありがたいんですが…」

全裸姿を見られて悦ぶ趣味のないジョンはとりあえず拘束の解除を頼むがシャマルは満面の笑顔で否定した。

「そんなのダメよ〜、だって逃げられたら面倒でしょ?」
「いや……あんな痴態映像を握られたら逆らう気なんて起こらないんですけど…」
「まあ保険みたいなものですから少し我慢してね♪ それじゃあ始めましょうか」

シャマルはそう言うとジョンの股ぐらに手を伸ばし、萎えていた男根を撫で始める。
リンディの絶妙な手つきに比べれば稚拙な手淫であったが、白衣姿でシャツの胸元を開け豊かな乳房をちらりと見せるシャマルの姿にジョンも少しずつ興奮を覚えていく。
そうしてジョンの股間の肉根は硬く隆起して天を突き、その姿にシャマルは瞳を潤ませ頬を赤くしながらうっとりと見入られる。

「大きさも形もなかなか……それにこの硬さとカリがなんとも…ジョン君、良いモノを持ってるわね〜♪」

435 名前:ザ・シガー:2008/01/12(土) 14:11:09 ID:yGyVfbhF
「それは…どうも」

そしてシャマルは手にしたジョンの肉根をしばし弄ぶと、突然舌を這わせ始めた。

「うぅっ…」
「ぴちゃ…ジョン君って可愛い声だすのねぇ♪」

ジョンは唐突に与えられた快感に呻き声を漏らしながら身体を震わせた。
シャマルはそんな風に悶えるジョンの姿を嬉しそうに見上げながら口淫の刺激で容赦なく彼の肉棒を責める。

自分を見上げてくる上目遣いの視線、頬にかかった金髪を手で掻き揚げる仕草、乱れたシャツの胸元から覗く白く美しい乳房、そして白衣のかもし出す色香。
それら全てがどこまでも扇情的で、リンディの持つ最高の性技に慣れていたジョンでも簡単に絶頂を迎える。

「シャマルさん…俺…もうっ!」
「んぅぅ!」

今朝リンディと交わした情交が嘘のように、ジョンの肉棒は凄まじい勢いで白濁を放つ。
一瞬驚きながらもシャマルはたっぷりと吐き出された精液を全て口で受け止める。
シャマルは射精の震えが終わった男根から口を離し、ゆっくりと舌でその濃厚な子種を堪能してからゴクリと音を立てて飲み干した。
白濁の青臭さを楽しんだシャマルはうっとりと欲望に潤んだ瞳でジョンを見つめる、その視線には自分の淫らな欲求を満たすだろう若い精への期待に溢れていた。



そしてシャマルは射精により萎えた男根に手を当てると何かの呪文を詠唱し魔法を行使する。
それは何の魔法だったのか、ジョンの肉棒は瞬く間に硬度を取り戻し雄雄しく屹立した。

「ちょっ! シャマルさん、いったい何の魔法使ってんですか!?」
「まあ細かい事は抜きで♪ それじゃあ、お待ちかねの本番に行きましょうか…」

シャマルはそう言うとスカートをたくし上げ、猛々しく天を突く肉根に跨ってその先端を濡れそぼった自分の蜜壷の入り口にあてがう。
そして上唇をペロリと舐めて淫蕩な笑みを浮かべる、それはまるで発情期のメス猫を思わせるような姿だった。


「くぅぅっ!!」
「んんぅっ!」

二つの呻きと共に肉棒は蜜壷に飲み込まれ、シャマルはその硬い感触に悦びの表情と淫らなあえぎを漏らして快感に浸る。

「すっごぉ……これ最高ねぇ…きもちいいぃ」

飲み込んだ肉棒の余韻に身体を震わせていたシャマルだが、やがてそれだけでは足りずに身体を激しく上下に揺さぶりさらなる快感を得ようとする。
シャマルの桃のような尻が淫らに上下左右に振られ、淫蕩な水音を響かせて肉欲を貪る。
だらしなく開いた口から唾液を垂れ流し、上気して赤く染まった頬と潤んだ瞳で自分を見下ろしてくるシャマルの顔にジョンもやがて燃えるような欲望を感じ始める。

そしてシャマルは自分の動きだけでは足りなくなったのかジョンのバインドを解除する。
そして自分のシャツの胸元を完全に開き、揺れる豊満な乳房を露にすると甘えた声で誘惑をかけた。

「ほら、見てぇ。サイズならリンディ提督に負けるけど、私の胸もなかなかでしょ?」
「う…はい」
「じゃあいっぱい触って? もみくちゃにしてちょうだぁい♪」
「…はい」

逆らい難い甘い猫撫で声で誘うシャマルの誘惑に導かれるままに、ジョンの手は彼女の豊かな胸に伸びる。
そしてリンディとの情交ですっかり覚えた見事な手つきでシャマルの胸を揉みしだき、頂きの乳頭を転がしていく。
甘い快感が乳房の先端から走りシャマルは悦楽に酔った声で鳴くが、肉欲に火がついたジョンの責めはこれだけでは終わらない。

ジョンは乳首を強くつねる瞬間に自分の腰を勢いよく突き上げて、今までの交合で学習したシャマルの性感帯を的確に擦りあげた。

436 名前:ザ・シガー:2008/01/12(土) 14:11:56 ID:yGyVfbhF
胸と膣に唐突に与えられた強烈な快感にシャマルは一瞬で絶頂の高みに達する。

「んはああぁぁっ!……イくうぅぅ」

シャマルは背を折れんばかりにのけぞらせて、身体を駆け巡る快感の電流に酔いしれる。
だがその甘い陶酔もつかの間で、彼女の身体はベッドに押し倒される。

拘束を解かれ自由を得たジョンは、今度は逆にシャマルを押し倒して騎上位から正常位へと移行する。
ジョンの目には今度はこちらが責める番だという攻撃的な欲情が満ちていた。
シャマルは彼のその様にうっとりと瞳を潤ませて甘い鳴き声を上げる。

「ほらぁ…はやくきて…メチャクチャにしてぇ♪」

アースラの医務室には淫蕩なメス猫の鳴き声が延々と続いた。








一方その頃アースラブリッジでリンディはいつものように砂糖とミルクをたっぷりと入れた緑茶を飲んでいた。
そのリンディにアースラ通信主任のエイミィはふと尋ねる。

「あ〜…艦長?」
「何かしら? エイミィ」
「何か良い事でもあったんですか? すごく嬉しそうですけど…」
「ええ…色々とね」

リンディはそう言うと妖しく微笑む。
この1ヶ月近くでリンディの身体は今が華と言わんばかりの輝きを放っていた。
若い精と愛を溢れるほど浴び続けているリンディの身体は年頃の少女に勝るとも劣らぬ程の瑞々しさを誇り、全身から熟成された女の色香が漂っている。
目に見えるこの変化をエイミィが不思議に思うのも道理であった。



過剰な程に甘い緑茶を口に運びながらリンディはそっと自分の唇を撫でて若い愛人と今朝交わした情事に想いを馳せる。

(キスがあんなに気持ち良いなんてすっかり忘れてた……それに今日も朝からあんなに激しくって…)

被虐心をくすぐる罵倒と辱め、体内に吐き出される白濁の熱、交わされる深い口付け、その全てが彼女を満たしていく。
リンディは自分の求めるままに愛欲を与えてくれる愛人への愛おしさが胸に広がっていくのを感じる。

(……私をこんなに燃やしてるんですから、ちゃんと“責任”はとってもらいますよジョン♪ だってあなたはもう私のモノなんだから…)

リンディはそう心中で呟くと、見る者の背筋が寒くなるような妖艶な微笑を見せる。
その笑みを見たエイミィは全身に鳥肌が立つのを感じる、公私共にリンディを良く知っているエイミィだがリンディのこんな顔を見るのは初めてだった。

それは理知的で慈愛に満ちた常の彼女のものでなく、淫らなメスの性を知る女の貌だった。

続く。


437 名前:ザ・シガー:2008/01/12(土) 14:16:31 ID:yGyVfbhF
投下終了です。

基本的に俺はシグナム・シャマル・リンディが好きなキャラなんでこんな感じなりました。
もしかしてマイナーでしょうか?

とにかくこのままリンディさんとシャマル先生で行きたいです。

438 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 14:25:05 ID:wUYA5NLq
エロいぜ、GJなんだぜ!

貴様、なぜ俺のキャラの好みを知っている!w
年上の女性が乱れるのは大好きなんだw

439 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 14:38:54 ID:SBqf/gwU
おま、何てことを・・・・・・
シャマルさんは俺の嫁だというのに!

サーセン、冗談っすwwwwww
それはさておきGJ! あと、マイナーではない。マイナーではないですよ。
俺はそこにレティさんがはいr・・・・・・ゲフゲフゲフ

440 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 14:49:48 ID:oRrU3kiN
>>439
リンディ、桃子、レティ、プリシア、カリム、クイント、メガーヌ好きの私が通ります。
毎晩母親キャラをオカズにしてますが何か?

441 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 14:56:51 ID:etQ4OLZm
リンディママン孕ませネタとか誰かやらんかなぁ。レティ提督とかプレシアママンでも勿論可。

442 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 15:16:08 ID:9F81X3P7
>>441リンディ孕ませ俺も期待

443 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 15:33:37 ID:oRrU3kiN
どういう事か不明だがプリシアが生きていて、管理局に現れる。
フェイトが連れて行ことしたがプレシア拒否。
仕方なくユーノが引き取る事に、生活を共にしてプレシアはユーノに惚れ始める。
それを見て、リンディ・レティ・カリム・メガーヌはユーノを自分のにしようとアレコレ考える…

>440
プリシアじゃなくてプレシアだwww
アルハザードに逝くよ

444 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 15:41:34 ID:SBqf/gwU
>>443
あえて言おう。淫獣ならきっとみんな身篭らせてくれる。
淫獣の名前は伊達じゃないんだよな?

445 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 15:43:13 ID:wUYA5NLq
>>440
>毎晩母親キャラ
カリムが泣くぞw


446 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 16:06:14 ID:SBqf/gwU
>>445
作中で母親にしてしまえば無問題でs・・・・・・・
あれ、誰か来たみたいだ。ピザ屋かな?

447 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 16:44:36 ID:kUkfoKd0
>>424
GJ!
ようやっと本スレに追いついたと思ったら良作が。
大変美味しゅうございました。

448 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 18:22:54 ID:196vZf6D
>>443>>444
激しく同意しても構わないだろうか?

449 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 18:29:46 ID:DqsEyyfW
プレシアママンとエリオで!!!

450 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 18:31:50 ID:jbXsZOj5
>>443>>449
いいッ!!すごくいいッ!!

451 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 18:34:22 ID:GYA+kR4v
なんだ、このプレシア人気はwwww

452 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 18:44:57 ID:DqsEyyfW
「貴方をフェイトが育てた・・・ねぇ・・・笑わせるわ」
「フェイトさんへの侮辱は許しません」
「許さないのならどうするというの・・・?この場で義理の祖母を切り捨てるの・・・?」
「・・・・・・」
「いいわ・・・」
「!・・・バインド・・・?」
「私に対する態度をその身に教えてあげるわ・・・!」
ビシィッ!!!
「んぐっ!!!?」
「フェイトは貴方のように私を睨んだりはしなかったわ・・・教育してあげる・・・!!」


数十分後・・・


「んああぁぁ・・・も、もういやぁ・・・やめなさいいぃぃ・・・」
「まだ4回しか出してませんよ・・・最低でも後2回はしないと収まりがつかないんです」
「な、なんなのぉ・・・フェイトは・・・どんな教育したのよぉぉ・・・」

「人呼んでエロオ・モンデヤル!六課という淫獄の中で培われたこの性欲!!淫獣の後継者!!
性技の名において、貴方を粛清する!!」
「いやああぁぁぁぁ・・・助けてリニスぅ!アリシアぁ!フェイトオオぉぉぉ・・・!!」


俺の中でビックバンが起こった

453 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 18:48:37 ID:SBqf/gwU
>>452
プレシアさん、あんたは一つだけ間違いを犯している。
フェイトがエリオを教育したんじゃない。
エリオがフェイトを調教したんだ。

流石淫獣の後継者は伊達ではないな。

454 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 18:52:37 ID:jbXsZOj5
究極M奴隷であるフェイトさんを満足させるために手に入れた力か・・・
その攻めを究極Sであるプレシアは耐えられまい、エリオ・・・恐ろしい子ッ!!

455 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 18:56:09 ID:etQ4OLZm
エリオ過去スレから転載

ロストロギアの影響で10年前にタイムスリップしたエリオは
そこでアルフとふたりきりでジュエルシードを探索するフェイトと出会う。
タイムパラドックスを知らないわけではなかったが
フェイトとの戦いで傷つくなのはに耐えられず彼女からレイジングハートを奪うエリオ。
しかし相手は空戦AAA、敵うわけも無くフェイトが順調にジュエルシードを集めていく。

「空も飛べない君は何度やっても私には敵わない。なのに、何故諦めない?」
「……ホント、何ででしょうね……」
(……なのはさんに頼るべきなんでしょうけど……でも、それだけは嫌だ!)
「…………………アルフ、お願い」

ズタボロになるエリオはしかし寝床すら無くどんどん消耗していく。
そして尽きるカートリッジ。
しかし、そこに差し伸べられる手が……。

ある日、ジュエルシードの報告をしにプレシアの元へとやってきたフェイトは
そこで信じられない光景を目にする。
そう、それはあの赤毛の少年に組み伏されて恍惚の表情を浮かべる母の姿だった……。
(プレシアさんに新しい生きる目的を作ってあげれば……
のたれ死にそうになっていた僕を救ってくれた恩人にこんな事するのは気がひけるけど……)
「――――――くっ!出しますよっ!」
「出してぇっ!アリシアの兄弟を孕ませてぇっ!」

「フェ、フェイト……あの、その、何だ……今日は叱られなくて良かったな!」
「(遠くをボンヤリ眺めながら)…………………そうだ、京都に行こう」

456 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 18:57:47 ID:c4gI8o8O
前半エリオかっこよかったのに後半でずっこけたw

457 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 19:00:12 ID:DqsEyyfW
その後

「フェイトさん・・・とんでもないご報告があるのですが言いたくないというかそのなんというか」
「どうしたの・・・か、母さん・・・」

「出来ちゃいました・・・」
「ポッ・・・」

「ノ ( o ))           ・ ・」

「この子は生まれたら・・・アリシアと名づけゴホッゲフッゴハッ」
「プレシア!安静にしていないと!」
「(既に呼び捨て!!!)」

「負けないわ・・・この子を産むまで私は死なない・・・!」

458 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 19:04:14 ID:fRNmuyC5
>>437
貴 方 が 神 か 

あまりスポットが当たらない脇役がメインでしかもエロとか嬉し過ぎるよ

459 名前:246:2008/01/12(土) 19:16:57 ID:6DCyV9lt
>>26-111
司書長お疲れ様です。もうあなたが神しか見えない。
流れ読まず続き投下させていただきます。

注意
鬱後鬱。時々お兄ちゃん。
血とか出ます。

では。


460 名前:君に届けたいただ一つの想い:2008/01/12(土) 19:18:03 ID:6DCyV9lt
 ――――第97管理外世界、現地惑星名称「地球」。
 八神はやての生まれ育った世界であり、フェイト・T・ハラオウンの育った世界。そして、高町なのはの家
族の住む海鳴市のある世界だ。
 そこに、もう一人に家族が住まうようになったのはつい最近の事だった。

『それでは桃子さん、また改めてお電話致します』
「ええはやてちゃん。ほんと、迷惑かけて……」
『い、いえそんなっ! こちらの方こそなんてお詫びをしたらええか――――』

 そんな事ないと桃子が笑い、それに応えてはやてがもう一度受話器の向こうで頭を下げ電話が切れた。最後
はいつもどおりの言葉だ。8年前言い続けた言葉は、既に口癖にようになってしまっている。きっと、もう慣
れてしまったのだろう。
 そう桃子がため息を吐き、はやてからの定期連絡で中断していた夕食の準備を再開させる為キッチンへと
戻った。
 今日の夕食は孫の大好きなハンバーグと、デザートにアイスクリーム。そして、キャラメルミルクが一杯分。 
 既に生地は練り上げられ、後は焼くだけ。時間にして、十数分と言ったところだろうか。その間、夕食をつ
くる桃子の背後では、録画したアニメが映し出されていた。笑い声は途絶えない。きっと、アニメのキャラク
ターが笑っているからなのだろう。意識していないと、いつもこうだった。

「美由紀、お皿出してくれないかしら」
「はーい。父さん、この子お願いね」

 パタパタと美由紀がキッチンへ駆け、戸棚から皿を取り出した。自分の皿と両親の皿、そして妹の皿だ。新
しく子供用のを買ってあげたいが、どれを気に入るのかが分からないのだからしょうがない。
 美由紀が並べた皿の上に、野菜が盛り付けられハンバーグが乗せられる。それを美由紀がテーブルへと運べば、
夕食の準備は完了だ。

「さ、ハンバーグが出来たぞ。おぉ、キャラメルミルクもついてるな。今日はおじいちゃんの隣で食べようか」
「はい……」

 カチャカチャと食器の奏でる音と、士郎と桃子の笑い声。美由紀はハンバーグを頬張りながら、姪へと笑い
かける。
 楽しい夕食のひと時だ。そんなに塞ぎこんでいたら、美味しいものも美味しくなくなってしまうから。
 だが少女は笑わない。快活さが嘘のようになくなってしまい、代わりに美由紀の耳を打ったのは、ごちそう
さまという沈んだ声。

「あら、もうお腹いっぱい? まだ半分も食べてないじゃない」

 桃子の言葉どおり、皿の上にはまだ半分以上ハンバーグが残されている。子供用に小さくした、多分大人なら
三口程で食べてしまえる量だ。お腹が一杯だとは思えなかった。
 だが少女は首を振り、いつもどおりごめんなさいと頭を下げ、自室となった母の部屋へと走り去った。

「はぁ、やっぱり最近ちょっと元気が無いわねぇ……」

 いつの間にか、笑い声がアニメのキャラクターだけになった。もう笑う必要も無いのだ。わざわざ疲れるよ
うな事をする余裕は無いのかもしれないが、寂しかった。
 しばらく経ち、美由紀が食事を終え道場へと歩いて行く。最近トレーニング量が増え事を士郎が咎めるが、
美由紀は曖昧にごまかすだけ。

「ちょとと、上行ってくるよ」

 そして、士郎が口にしたのは、残った二人が食べ終わり、桃子が皿を洗っている時だった。
 リビングを出た士郎がノックしたのは、長いことノックしなかった娘の扉。返事は返ってこないが、いるこ
とだけは気配で読み取れた。
 時間にして数分、士郎は扉越しに話しかけていた。だが、一向に声は返ってくることはなく、士郎が諦め
去っていく。
 すすり泣くような声が扉から漏れたのは、それからしばらくしての事。

「……なのはママ」

461 名前:君に届けたいただ一つの想い:2008/01/12(土) 19:19:41 ID:6DCyV9lt
 分かっていはいるのですが。そんな言葉がティアナの口から零れていた。
 性格なのだからしようがない。クラウディアへ来てもう一ヶ月だが、全く落ち着けやしない。こんな時、あ
の馬鹿なら笑いながら打ち解けてしまうのだろうが、こっちにはそんな羨ましいスキルはない。
 見るからに落胆したティアナに、シャーリーがポンと肩を叩き指を差した。

「ほら、ここにいいお手本がいるから」
「は?」
「先輩を見習いなさい。先輩を崇めなさい。先輩の後輩である事を誇りなさい」

 ポカン、と口を開けたティアナの横をクロノが通り過ぎ、ティアナの後ろにいたシャーリーの頭を軽く小突
いた。
 目をきつく瞑り何ですか、と涙を溜めるシャーリーを視界に収めながらクロノが一言。

「いいところだけ見習うように。他は無視したほうがいい」
「は、はい……分かりました……」

 シャーリーが地団駄を踏んで暴れていた。それにティアナが苦笑する。
 不意に、伸びてきた大きな手に反射的に目を瞑るが、頭を撫でられている事に気付き慌てて目を開け彼を見た。

「く、クロノ提督……何でしょうか……?」
「とにかく気を張らずにやるように」

 それだけだ、とクロノが去っていく。去り際、細かく何やら執務官について説いていたがティアナの耳には
入らなかった。
 ぼんやり、と扉の向こうを見つめシャーリーがどうしたのと首を傾げるのを無視して、呟いた。

「なんか、お兄ちゃんみたい……」
「ぶっ……!」

 すぐ隣で吹き出した先輩に、我に返りティアナが慌てて否定する。真っ赤になり部屋から飛び出して。その
背中を見ながらシャーリーが笑う。

「まぁ、お兄ちゃんだしねぇ……」

 何でもないことのように呟いて、そのすぐ後。

「全く、妹さんはどうしちゃったんでしょうかねー、クロノ提督」

 長い息を吐いて、一ヶ月部屋に閉じこもり続けている彼女の事を考えていた。


* * *




462 名前:君に届けたいただ一つの想い:2008/01/12(土) 19:21:08 ID:6DCyV9lt
「クロノだ、入るぞ」

 ノックをし、返事が返ってこないkと尾を確認したクロノが執務官室の扉を開いた。
 中は照明と呼ばれるものが点いていない。だが一つ、開かれたディスプレイの淡い光が、デスクに突っ伏して
いるフェイトの姿をぼんやりと照らしていた。
 クロノが有無を言わせず照明を点ければ、突然の光にフェイトの身体が僅かに動く。それと共に、全く手入
れをされなくなった金髪が一房、デスクから零れ落ちていた。
 普段の彼女には無い様子だ。見ることすら胸が締め付けられそうな姿は、一ヶ月前突然シャーリー達を連れ
てクラウディアへ帰ってきた時から何ら変わりない。
 だがクロノが気にせずフェイトに歩み寄り、フェイトのデスクに置かれた写真立てに視線を移す。
 フェイトのデスクに置かれた写真立ては四つ。ハラオウン家のもの。テスタロッサの母と姉。エリオとキャロ
が笑っているもの。そして最後は、なのはとヴィヴィオ、フェイトの三人が笑っている写真だろう。
 四つの内、一つだけが伏せられていた。まるで拒絶しているように見えたそれをクロノが戻せば、やめてと
小さく呟いてフェイトの腕が動く。すかさずフェイトの手の届かない位置に写真を置いたクロノが彼女の元へ
来た用件を口にした。

「なのははまだ見つからないそうだ」

 フェイトがティアナ達を連れ、機動六課から去った前日の事だった。キャロが髪の毛をぐしゃぐしゃにして
泣き喚いていた。キャロの手を引くエリオは足を引きずり、ボロボロになっていた。
 二人を問い詰めたはやてがその後すぐ、なのはを探しに隊舎を駆け回る頃にはもうなのはの姿はどこにも
ありはしなかった。
 あれから今もはやて達はなのはを探している。
 だがフェイトは何も言わない。感情の乗っていない声がクロノの耳を打ったのはしばらくしての事。

「もう出てって……後、そんな報告一々いらない」

 一ヶ月前から何も変わらない様子にクロノがため息を吐く。いいかげんにしろ、と嗜めるがフェイトは身じ
ろぎ一つしなかった。
 そうやって、フェイトは全てを拒絶したから。たった一人を拒絶する為に、全てを遠ざけてしまっていた。
ディスプレイに表示されているエリオとキャロからの溜まっている未開封のメールが、それを否応にも語って
いる。

「フェイト、なのはと何があった? 何故なのははいなくなった? 少しでいい、話して欲しい」

 フェイトが頑なに口を閉ざしているのを知っている。命令などすれば、きっと何も言わず何処かへ消えて
しまうだろう。故にクロノは乗艦としてではなく、家族としてフェイトに声をかけた。
 だが返ってくるのは知らない、という拒絶の言葉。クロノが一度、諦めるかのように目を瞑る。

「君はなのはの一番の親友だと思っていたんだが、違ったのか?」

 踵を返したクロノが、背中越しにそう呟き退室した。そのすぐ後、掠れた笑い声が部屋に漏れ出した。

「違うよクロノ……私はなのはのそんなんじゃない」

 呟き、不意に伸ばしていた指先にそれが触れている事に気付き、フェイトが顔を上げた。そこにあるのは
生みの母の見たことがない笑顔。そして、自分と同じ顔の姉の写真だ。
 無意識にそれを手に取り、泣いていた。

「アリシア、アリシアだったら……どうしてたのかなぁ……」

 聞かずにはいられなかった。違うとは分かっていても、アリシアだったらと思ってしまう。
 現実にあった事の無い、夢の中一度きりの会話だ。だがそれだけでも、アリシアがどれくらい綺麗な心を
持っているかが理解できた。
 何故こうなってしまったのか。自分だって、元は同じ存在だったはず。アリシアのコピーなのだから、心
だって同じものの筈なのに。


463 名前:君に届けたいただ一つの想い:2008/01/12(土) 19:21:55 ID:6DCyV9lt
そんな事あるわけないよ、と頭の中でフェイトの声が否定する。それに首を振り、写真をデスクに置いた。

「私は、なのはの事が好きなだけだったのに……」

 きっとあんな事をしてしまったから、なのははいなくなってしまった。探しに行って誤りたい。そう何度も
挫けそうになるのを堪え、涙を拭う。
 もう後には引けない。あんな事をして許されるはずが無い。永遠に、なのはを避け続けるしかない。

「ごめんね……私、こんなに弱かったんだ」

 友達のままだったらどんなに良かったことだろう。友達だったら、こんな苦しみを抱えないですんだ。なの
はに嫌われるなんて不安を感じずに済んだ。なのはにあんな事をしないで済んだのに。
 ――――でももう自分には、そんな資格があるわけないから。

「なのは……」

 視界の先、写真の中のなのはは笑っていた。ヴィヴィオと手を繋いで、娘になった愛しい少女と幸せそうに
映っている。きっと、この先もずっと続く笑顔だった筈だ。何よりも硬い絆で、結ばれている二人だった筈だ。
 それを壊して消してしまったのは自分だとフェイトが拳を握る。デスクに何度も頭をぶつけ、唇を強く噛んで。
 
「名前なんか……呼ばなきゃ良かったよ……」

 言って、嗚咽を堪え切れなかった。
 扉の向こう、ずっとそこにいたクロノが去ったのはそのすぐ後。


* * *


「これにも、無いか……」

 呟いた言葉は疲れ果てている。翠色の瞳も同様。女性のような端正な表情を無精ひげで乱し、ユーノは眼鏡
を外して目頭を押さえた。
 いい加減限界だ。ここ最近、まともな睡眠を取っていない。自分の時間、その全てを使って彼はクロノから以
来されたジュエルシードの調査を続けていた。
 ディスプレイに写されているのは、膨大な量の報告書だ。そして、フェイトが触れたジュエルシードの状態
を示す数値は全てが異常。
 クロノがユーノに依頼したのが、一ヶ月と少し前。もうその時点で異常は発見されていた。それが急激に跳
ね上がったのは今から一ヶ月前。
 それがユーノを焦らせている。同時にいなくなった彼女の存在が、ユーノを休ませる事を許さなかった。

「なのは……どこ行ったんだよ」

 なのはがいなくなった事は、はやてに直接連絡を受けていた。丁度、ジュエルシードの異常数値が跳ね上
がったと報告を受けた僅か数時間後だ。
 関係していない筈が無い。確証はないけれど、間違っているとは思えなかった。
 だから今もここにいる。なのはを探しに行きたいのを堪え、自分しか出来ない事をやっている。

「司書長、もうそろそろお休みされたらどうでしょうか」
「すいません、もうすぐ切り上げますので……」

 心にも無いことを言いながら、ユーノが作業を続けた。無限書庫に現存するジュエルシードのデータ。そし
て、他の類似するロストロギアのデータを片っ端から調べ、何か手がかりになるものは無いかを探すという、
地道な作業だ。急いだところで、見落としが出来てしまう事があるだけで、他には何も無い。
 そもそも、何が起こっているのかが分からない。フェイトは何も語らず、無言を貫き通しているとクロノが
言っていた。探しているものが何なのか分からないまま、探し物をするという終わりがあるかも分からない状
態だ。それがますますユーノの負担を重くしていた。
 たがそれでも二つだけ分かっている。いつ次元震が起きてもおかしくないという事。それは、ジュエルシード
が何らかの願いを叶えようとしているという事だ。
 封印魔法を受け付けない強い願い。あるいわ、封印をさせないための魔法がかけられているのか。

464 名前:246:2008/01/12(土) 19:25:30 ID:6DCyV9lt
以上です。ありがとうございました。
うん分かってるんだ。エロパロで百合が受容無いって。
でも、何とかGJ貰えているここを離れられないチキン野郎なんだ……orz
というわけで次回も目立たないように頑張ります。
次回:「働いたら敗けでござる」
ではまた次回。

465 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 19:32:49 ID:N/S0DpX6
>次回:「働いたら敗けでござる」
ちょw

466 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 19:43:56 ID:jbXsZOj5
>457
今度はエリオとフェイトがプレシアを助けるためにジュエルシードを集めそうだw
クロノと対戦時にプレシアとお腹の子供のためにとか言ったらめっちゃ驚きそう。
>464
GJ!!絶望的ですなぁ・・・関係の修復はあるのだろうか。

467 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 20:16:23 ID:DIj6DxYm
>464
うう、痛いけど引き込まれる文章にGJです!
ああ、ハッピーエンドが待ち遠しいぜ!

468 名前:246:2008/01/12(土) 20:20:50 ID:6DCyV9lt
あれ、ちゃんと投下されてない……orz
すいません、続きから投下しなおします

469 名前:君に届けたいただ一つの想い:2008/01/12(土) 20:23:36 ID:6DCyV9lt
「そんなわけ、ないか」

 だが出来るはずが無い。彼の知る限り、そんな事が二人だけ。そして、その二人はもういない。一人は名前
だけを残し、空へと消えた。もう一人は、彼女だけを残し叶わない願いを求めて消えた。
 思考が迷路を彷徨っているかのように纏まりが無くなっていた。このまま作業をしても意味が無いと、ユー
ノが立ち上がり、ソファに腰を下ろす。
 クロノへのいつもの報告をさっさと済ませて今日は休もう。そんな腹積もりだった。

『――――クロノだ』
「あぁ、僕だよ。とりあえず、いつもの報告ね」

 まだ分からない。その一言で報告は終わりだ。前回と全く変わりのない報告に、クロノが小さくため息を
吐く。その表情は、ユーノ程では無いにしろ疲れきっていた。恐らくフェイトの事だろう。ユーノが休んだら
と促すがクロノは首を縦にせず、同じ言葉をユーノにぶつけた。
 それにユーノが僅かに眉を顰めた。

「誰のせいでこんなになってると思ってるんだよ」
『悪いが僕のせいじゃない。そもそも、誰のせいなのか今探している段階だと思っていたが?』
「まぁ、そうだけどさ……」

 そうは言ったものの、やはりユーノの様子を見て少しは悪いと思っていたのだろう、クロノが済まないと口
にした。
 ユーノがクロノからの言葉で最も聞きなれないそれに苦笑するが、クロノは真顔でフェイトの事だと言葉を続
ける。

『まだ何も言ってくれなくてな……あれは、どうにも口を開いてくれそうに無い』
「いいよ。人のせいにしても何にもならない」
『なのはの事もだ』

 ユーノが閉口した。
 フェイトの様子を見れば嫌でも分かる。二人の間に何かがあった。そして、それにはジュエルシードが関係
している。その程度の事だったが、ユーノが唇を噛むには十分すぎた。

「なのはは……何があったって逃げるような事しないよ。あの子を置いて、いなくなったりしない」

 なのはがどれくらいヴィヴィオの事を想っていたか知っている。泣いて他人に迷惑をかける事を嫌い、不安
や悩みを打ち明けようとしないなのはが、ヴィヴィオが攫われた時にあんなに泣いていた。泣いて、何も出来
ない自分に苛立っていた。それだけで、十分すぎるほどなのはの気持ちが分かってしまった。
 そして、それ以上に想っている彼女の事も分かっている。ヴィヴィオの事が目に入らなくなる事など、フェ
イト以外ありえないから。
 それが無性に辛くて、嫌だった。

『そんな顔をしないでくれ……なのはを探しに行きたいのは分かってるつもりだ』
「ごめん……大丈夫だから」

 こんな事を考えている場合じゃない。そう、ユーノが頭を振った。クロノもしばらく何も言わず、ユーノが
顔を上げるのを待った。
 どれくらい経った後だろう。顔を上げたユーノに、クロノが気分転換代わりに言ったのは。

『しかし君も悲惨だな。玉砕すると分かっていながらまだ気にしてるなんて』
「い、いきなり何だよ! 深刻な話してる時にっ、き、君には関係無いじゃないかっ!」

 ユーノが真っ赤になりクロノを睨みつけた。対するクロノは意地の悪い笑みを浮かべ、勝ち誇るように
ユーノを笑っている。

470 名前:君に届けたいただ一つの想い:2008/01/12(土) 20:24:41 ID:6DCyV9lt
『全く君はいつでも何処でも仕事、仕事だからな。そんなんだから、十年間振り向いて貰えないんだぞ』
「それだけは君に言われたくない! エイミィさんの事放って仕事してるくせに! いつか愛想尽かされるに
決まってる! それにっ、まだ全然、これっぽっちも振り向いて貰えないなんて決まって無いだろっ!?」

 語気を荒くし、ユーノが力の限り叫んでいた。
 苛立ちよりも、悔しさよりも、今は憎らしい。
 
『まぁ、絶望的だとは思うがな。その一途さだけは認めてやるぞ?』

 にやにや、とクロノが笑っている。いつの間にこんな笑みが出来るようになったのか分からないが、ユーノに
はどうでもいい。
 きるぞ、とクロノが通信を切り、ユーノがソファから立ち上がった。
 無論、奴の思惑に嵌ったのは分かっている。

「くそ、元気出ちゃったじゃないかよ」

 本当に憎らしい。
 次会ったら、どうにか反撃してやると心に決め、ユーノが作業を再開させた。
 ――――そのすぐ後だ。

「なっ……!?」

 突然の事だった。鼓膜を激しく刺激するアラート音が無限書庫に鳴り響いていた。
 いや、無限書庫だけじゃない。時空管理局本局。そこはいまや普段と様相を変え、警戒体制へと変わっている。
 ユーノは突然の事に無様にも慌てず、今起こっている事態を確認しようと、慌てている秘書を呼びとめ情報収
集をさせた。
 そして、無限書庫を飛び出した。

「はぁっ、はぁっ……!」

 普段走ったり、まして戦闘行為など行わなかったからだろう。全力疾走に身体がついていかない。痛む肺を
抑えながらユーノがそこへ向かえば、何人もの武装局員が同じように走っていた。
 心臓が、ドクンと高鳴った。

「……」

 場所は、ユーノがあるロストロギアの調査を依頼した場所だ。いうまでも無い。一つしか、そんなものは預
けてない。
 そこを、誰かが襲撃した。

「……」

 床には白衣を着た局員が倒れ、痛みに身体を震わせている。或いは意識を失っている。そして、それ以外
にも何人もの武装局員が倒れていた。全て命には支障が無い。動けない程度に誰かに傷つけられただけ。
 それが容易に出来るくらい、卓越した魔力運用が出来るのだから、当然だろう。
 だが分からない。分かりたくない。

「……」

 ユーノは歩みを止めていた。武装局員が包囲する中心。そこにいる姿に目を奪われている。
 紅いものにバリアジャケットを染め、彼女は立っていた。普段の白を基調にした彼女のバリアジャケットには、
その紅が一際陰惨のものに映ってしまう。
 二度と見たく無いと思っていたものだ。八年前同じものを見て、誰もが思っていたこと。
 違うのは、それが自分のものでは無いということくらい。後は似たようなものだろうが、ユーノにはどうで
もいいことだった。
 そんな事を考える余裕など、もうありはしなかった。

「なに、やってるの……?」

471 名前:君に届けたいただ一つの想い:2008/01/12(土) 20:25:30 ID:6DCyV9lt
彼女は答えない。血の滴るバリアジャケットと、同じように血を滴らせている金のデバイスを手にし、その
反対側――――右手にロストロギアを掴み、俯いているだけ。
 震えているのだろうか。泣いているのだろうか。前髪に表情を隠し、それだけは分からなかった。

「何やってるって聞いてるんだよ! 頼むから答えてよっ!」
 
 沈黙している場に、ユーノの叫びだけが響いていた。
 彼女は俯いているだけ。
 彼女を取り囲む武装隊は、彼女の持つそれが光輝いていることに動けずにいる。それがどんなに危険なもの
かは、十年前に証明されているだろう。
 ジュエルシード。何かを代償に、限定的に願いを叶える宝石だ。それを手にし彼女が何を願ったのか。それは
今知ることじゃない。
 今知ることは、彼女が何故ここにいるか。
 何故、こんなことをしたのかだ。

「これが……欲しかったの」

 不意に小さく呟かれた声は枯れ、ユーノの記憶のどれとも一致しない。柔らかそうな頬も、今は肉を失って
いた。
 だがそれでも。
 その姿は、彼が一緒にと願い続けた存在で。
 ずっと会いたかった存在だ。
 ――――高町なのは。
 それが、今武装隊に囲まれ、ユーノに見つめられている魔道師の名前だった。


* * *


 雨が降っていた。
 土砂降りの雨は、一向に休む様子を見せてはくれない。そればかりか、更に激しくなる予感すら感じてしまう。
 そんな中、なのはは雨に打たれ空を仰いでいた。

「レイジングハート、少し休もうか」

 レイジングハートは無言のままだ。一ヶ月前、こうすることを決めてしまってから、彼女は主であるなのはの
声に答えてはくれなくなった。
 たった今探索魔法を解除したのは、命令に応えたわけじゃない。これ以上の魔法は使わせたくないと思った
から。
 周囲に誰も追っ手がいない事を確認し、なのはがほっと一息を吐く。瞬間、不快な痛みになのはが顔をしか
め小さく呻いた。
 気にすることじゃない。身体に纏わりつく痛みは、なのはがゆりかごでの戦いを経てからは変わらない。それ
が顔をしかめる程度に変わったのは、武装隊から逃げる為に魔法を酷使してしまったからなのだろう。
 そんなもの、特にどうでもいい事ではあったけれど。

「ねぇ、フェイトちゃん……フェイトちゃんはこんな事する私の事、嫌いになるかな」

 言って、そんな事は無いだろうと自嘲する。
 嫌いになる訳が無い。もう嫌われているのだ。これ以上なんて無いだろう。もしこれ以上があったなら、自
分がどうなってしまうか分からない。
 身体は、痛み悲鳴を上げている。
 思考は彼女だけを考え、まともに考える事を許してくれない。
 寂しさは、あれから一向に消えてはくれない。

「これ……もう一度受け取ってくれるかな」

 だから動くしかない。
 もう一度最初から。もうそれだけでいい。たったそれだけなのだから。
 手にした桜色のリボンを強く握り締めた。


472 名前:246:2008/01/12(土) 20:27:04 ID:6DCyV9lt
以上です。
すいません。本当に投下されてなかったのかは分かりませんが、さっきの続きです。
出かけてて他の方投下される前で良かった……orz
次回は連休中に。



473 名前:246:2008/01/12(土) 20:34:07 ID:6DCyV9lt
って、今見直したら所々投下されて無い……初めから投下しても大丈夫でしょうか?

474 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 20:38:12 ID:fRNmuyC5
おkっすよ

475 名前:246:2008/01/12(土) 20:41:20 ID:6DCyV9lt
ありがとうございます。
なんで投下できなかったのか……。
>>26-111
大変申し訳ありませんが、今から投下するものを、
『君に届けたいただ一つの想い』7話として扱ってください。
連投ほんとすいません。


476 名前:君に届けたいただ一つの想い:2008/01/12(土) 20:43:09 ID:6DCyV9lt
 ――――第97管理外世界、現地惑星名称「地球」。
 八神はやての生まれ育った世界であり、フェイト・T・ハラオウンの育った世界。そして、高町なのはの家
族の住む海鳴市のある世界だ。
 そこに、もう一人に家族が住まうようになったのはつい最近の事だった。

『それでは桃子さん、また改めてお電話致します』
「ええはやてちゃん。ほんと、迷惑かけて……」
『い、いえそんなっ! こちらの方こそなんてお詫びをしたらええか――――』

 そんな事ないと桃子が笑い、それに応えてはやてがもう一度受話器の向こうで頭を下げ電話が切れた。最後
はいつもどおりの言葉だ。8年前言い続けた言葉は、既に口癖にようになってしまっている。きっと、もう慣
れてしまったのだろう。
 そう桃子がため息を吐き、はやてからの定期連絡で中断していた夕食の準備を再開させる為キッチンへと
戻った。
 今日の夕食は孫の大好きなハンバーグと、デザートにアイスクリーム。そして、キャラメルミルクが一杯分。 
 既に生地は練り上げられ、後は焼くだけ。時間にして、十数分と言ったところだろうか。その間、夕食をつ
くる桃子の背後では、録画したアニメが映し出されていた。笑い声は途絶えない。きっと、アニメのキャラク
ターが笑っているからなのだろう。意識していないと、いつもこうだった。

「美由紀、お皿出してくれないかしら」
「はーい。父さん、この子お願いね」

 パタパタと美由紀がキッチンへ駆け、戸棚から皿を取り出した。自分の皿と両親の皿、そして妹の皿だ。新
しく子供用のを買ってあげたいが、どれを気に入るのかが分からないのだからしょうがない。
 美由紀が並べた皿の上に、野菜が盛り付けられハンバーグが乗せられる。それを美由紀がテーブルへと運べば、
夕食の準備は完了だ。

「さ、ハンバーグが出来たぞ。おぉ、キャラメルミルクもついてるな。今日はおじいちゃんの隣で食べようか」
「はい……」

 カチャカチャと食器の奏でる音と、士郎と桃子の笑い声。美由紀はハンバーグを頬張りながら、姪へと笑い
かける。
 楽しい夕食のひと時だ。そんなに塞ぎこんでいたら、美味しいものも美味しくなくなってしまうから。
 だが少女は笑わない。快活さが嘘のようになくなってしまい、代わりに美由紀の耳を打ったのは、ごちそう
さまという沈んだ声。

「あら、もうお腹いっぱい? まだ半分も食べてないじゃない」

 桃子の言葉どおり、皿の上にはまだ半分以上ハンバーグが残されている。子供用に小さくした、多分大人なら
三口程で食べてしまえる量だ。お腹が一杯だとは思えなかった。
 だが少女は首を振り、いつもどおりごめんなさいと頭を下げ、自室となった母の部屋へと走り去った。

「はぁ、やっぱり最近ちょっと元気が無いわねぇ……」

 いつの間にか、笑い声がアニメのキャラクターだけになった。もう笑う必要も無いのだ。わざわざ疲れるよ
うな事をする余裕は無いのかもしれないが、寂しかった。
 しばらく経ち、美由紀が食事を終え道場へと歩いて行く。最近トレーニング量が増え事を士郎が咎めるが、
美由紀は曖昧にごまかすだけ。

「ちょとと、上行ってくるよ」

 そして、士郎が口にしたのは、残った二人が食べ終わり、桃子が皿を洗っている時だった。
 リビングを出た士郎がノックしたのは、長いことノックしなかった娘の扉。返事は返ってこないが、いるこ
とだけは気配で読み取れた。
 時間にして数分、士郎は扉越しに話しかけていた。だが、一向に声は返ってくることはなく、士郎が諦め
去っていく。
 すすり泣くような声が扉から漏れたのは、それからしばらくしての事。

「……なのはママ」

477 名前:君に届けたいただ一つの想い:2008/01/12(土) 20:44:00 ID:6DCyV9lt
 全てが変わってしまったのは一ヶ月前。
 彼女が、大切な存在に拒絶された日。
 なのはは、あの日を境に少女の前から姿を消した。

「会いたいよぉ……」

 たった一人の存在の為に、護りたかった全てを彼女は手放した。
 もう、ヴィヴィオの声は届かなかった。


魔法少女リリカルなのはStrikerS
―君に伝えたいただ一つの想い―
(7)


 ため息が出そうだった。宛がわれた自室に積まれた本は、既に山のようになっている。そして、自分の頭よ
りも高い位置まで本を持ち上げ、腕は痺れて悲鳴を上げている。無論、山を崩す為ではなく増やす為の行為だ。
 持ち上げていた本をドスン、と床に下ろし、やはり堪え切れなかったのだろう。新米執務官補佐ティアナ・
ランスターは小さくため息を吐いてしまった。

「こらぁ、ため息吐かないの」
「す、すいません、シャーリー先輩」

 だが、隣で手伝っていた彼女はそれを見逃さなかった。すかさず頭を小突き、目を瞑ったティアナを嗜めると
部屋の中を見渡した。
 第一印象は本。第二印象は多い。そして、最後は確かにやりすぎだなぁ、という他人事。執務官への道は険
しいもの。ティアナはまだ執務官補佐となったばかり。勉強量も、やらなければいけないことも増えてくる。
彼女の夢への道は、機動六課の任務を得てやっと下地が出来たという程度だろう。無論、シャーリーには他人
事でしかない。
 だが、後輩をサポートするのが先輩というもの。無言でティアナの部屋へと本を運び続け、ティアナがため
息を吐く度頭を小突いて。

「よしっ、これで最後!」

 ティアナの声と共に、ようやく最後の本の山が彼女の部屋に腰を落ち着かせたのだ。
 大粒の汗を拭いながら、ティアナがシャーリーに頭を下げる。シャーリーがいつものように笑い、二人は本
の山をかき分けベッドに腰かけた。
 互いを労いながら、冷たいドリンクを一気に胃に収め、しばし疲れた身体を癒していた。どれくらい経った
後だろう。不意のノックの音にティアナが立ち上がり、扉を開け目を見開いた。

「すまない、誰か男手に手伝わせられれば良かったんだが――――」
「い、いえ! 大丈夫です!」

 そうか、と現れたクロノは部屋を見渡している。ティアナはクロノが現れた瞬間からずっと背筋を伸ばし、
敬礼の姿勢を崩さない。

「全部覚えろとは言わないが、僕が執務官時代に使っていたものだ。一度目を通しておくといい。シャーリー
もちゃんと手伝ってあげるように」
「りょ、了解しました!」
「はーい。クロノ提督」

 耳を打ったのは、顔をしかめるようなティアナの大きな声と、なんとも言いがたいシャーリーの間延びした声。
それにクロノがため息を吐いたのは言うまでも無い。もう一ヶ月だ。いい加減にしてもらわないと落ち着かない。

「ティアナ」
「は、はい! 何でしょうか!?」
「まぁ、僕が言うのもあれなんだが、もう少し肩の力を抜いたほうがいい。そんな事じゃ落ち着けないだろう?」

478 名前:君に届けたいただ一つの想い:2008/01/12(土) 20:45:45 ID:6DCyV9lt
 分かっていはいるのですが。そんな言葉がティアナの口から零れていた。
 性格なのだからしようがない。クラウディアへ来てもう一ヶ月だが、全く落ち着けやしない。こんな時、あ
の馬鹿なら笑いながら打ち解けてしまうのだろうが、こっちにはそんな羨ましいスキルはない。
 見るからに落胆したティアナに、シャーリーがポンと肩を叩き指を差した。

「ほら、ここにいいお手本がいるから」
「は?」
「先輩を見習いなさい。先輩を崇めなさい。先輩の後輩である事を誇りなさい」

 ポカン、と口を開けたティアナの横をクロノが通り過ぎ、ティアナの後ろにいたシャーリーの頭を軽く小突
いた。
 目をきつく瞑り何ですか、と涙を溜めるシャーリーを視界に収めながらクロノが一言。

「いいところだけ見習うように。他は無視したほうがいい」
「は、はい……分かりました……」

 シャーリーが地団駄を踏んで暴れていた。それにティアナが苦笑する。
 不意に、伸びてきた大きな手に反射的に目を瞑るが、頭を撫でられている事に気付き慌てて目を開け彼を見た。

「く、クロノ提督……何でしょうか……?」
「とにかく気を張らずにやるように」

 それだけだ、とクロノが去っていく。去り際、細かく何やら執務官について説いていたがティアナの耳には
入らなかった。
 ぼんやり、と扉の向こうを見つめシャーリーがどうしたのと首を傾げるのを無視して、呟いた。

「なんか、お兄ちゃんみたい……」
「ぶっ……!」

 すぐ隣で吹き出した先輩に、我に返りティアナが慌てて否定する。真っ赤になり部屋から飛び出して。その
背中を見ながらシャーリーが笑う。

「まぁ、お兄ちゃんだしねぇ……」

 何でもないことのように呟いて、そのすぐ後。

「全く、妹さんはどうしちゃったんでしょうかねー、クロノ提督」

 長い息を吐いて、一ヶ月部屋に閉じこもり続けている彼女の事を考えていた。


* * *


「クロノだ、入るぞ」

 ノックをし、返事が返ってこないkと尾を確認したクロノが執務官室の扉を開いた。
 中は照明と呼ばれるものが点いていない。だが一つ、開かれたディスプレイの淡い光が、デスクに突っ伏して
いるフェイトの姿をぼんやりと照らしていた。
 クロノが有無を言わせず照明を点ければ、突然の光にフェイトの身体が僅かに動く。それと共に、全く手入
れをされなくなった金髪が一房、デスクから零れ落ちていた。
 普段の彼女には無い様子だ。見ることすら胸が締め付けられそうな姿は、一ヶ月前突然シャーリー達を連れ
てクラウディアへ帰ってきた時から何ら変わりない。
 だがクロノが気にせずフェイトに歩み寄り、フェイトのデスクに置かれた写真立てに視線を移す。
 フェイトのデスクに置かれた写真立ては四つ。ハラオウン家のもの。テスタロッサの母と姉。エリオとキャロ
が笑っているもの。そして最後は、なのはとヴィヴィオ、フェイトの三人が笑っている写真だろう。
 四つの内、一つだけが伏せられていた。まるで拒絶しているように見えたそれをクロノが戻せば、やめてと
小さく呟いてフェイトの腕が動く。すかさずフェイトの手の届かない位置に写真を置いたクロノが彼女の元へ
来た用件を口にした。

479 名前:君に届けたいただ一つの想い:2008/01/12(土) 20:46:41 ID:6DCyV9lt
「なのははまだ見つからないそうだ」

 フェイトがティアナ達を連れ、機動六課から去った前日の事だった。キャロが髪の毛をぐしゃぐしゃにして
泣き喚いていた。キャロの手を引くエリオは足を引きずり、ボロボロになっていた。
 二人を問い詰めたはやてがその後すぐ、なのはを探しに隊舎を駆け回る頃にはもうなのはの姿はどこにも
ありはしなかった。
 あれから今もはやて達はなのはを探している。
 だがフェイトは何も言わない。感情の乗っていない声がクロノの耳を打ったのはしばらくしての事。

「もう出てって……後、そんな報告一々いらない」

 一ヶ月前から何も変わらない様子にクロノがため息を吐く。いいかげんにしろ、と嗜めるがフェイトは身じ
ろぎ一つしなかった。
 そうやって、フェイトは全てを拒絶したから。たった一人を拒絶する為に、全てを遠ざけてしまっていた。
ディスプレイに表示されているエリオとキャロからの溜まっている未開封のメールが、それを否応にも語って
いる。

「フェイト、なのはと何があった? 何故なのははいなくなった? 少しでいい、話して欲しい」

 フェイトが頑なに口を閉ざしているのを知っている。命令などすれば、きっと何も言わず何処かへ消えて
しまうだろう。故にクロノは乗艦としてではなく、家族としてフェイトに声をかけた。
 だが返ってくるのは知らない、という拒絶の言葉。クロノが一度、諦めるかのように目を瞑る。

「君はなのはの一番の親友だと思っていたんだが、違ったのか?」

 踵を返したクロノが、背中越しにそう呟き退室した。そのすぐ後、掠れた笑い声が部屋に漏れ出した。

「違うよクロノ……私はなのはのそんなんじゃない」

 呟き、不意に伸ばしていた指先にそれが触れている事に気付き、フェイトが顔を上げた。そこにあるのは
生みの母の見たことがない笑顔。そして、自分と同じ顔の姉の写真だ。
 無意識にそれを手に取り、泣いていた。

「アリシア、アリシアだったら……どうしてたのかなぁ……」

 聞かずにはいられなかった。違うとは分かっていても、アリシアだったらと思ってしまう。
 現実にあった事の無い、夢の中一度きりの会話だ。だがそれだけでも、アリシアがどれくらい綺麗な心を
持っているかが理解できた。
 何故こうなってしまったのか。自分だって、元は同じ存在だったはず。アリシアのコピーなのだから、心
だって同じものの筈なのに。
 そんな事あるわけないよ、と頭の中でフェイトの声が否定する。それに首を振り、写真をデスクに置いた。

「私は、なのはの事が好きなだけだったのに……」

 きっとあんな事をしてしまったから、なのははいなくなってしまった。探しに行って誤りたい。そう何度も
挫けそうになるのを堪え、涙を拭う。
 もう後には引けない。あんな事をして許されるはずが無い。永遠に、なのはを避け続けるしかない。

「ごめんね……私、こんなに弱かったんだ」

 友達のままだったらどんなに良かったことだろう。友達だったら、こんな苦しみを抱えないですんだ。なの
はに嫌われるなんて不安を感じずに済んだ。なのはにあんな事をしないで済んだのに。
 ――――でももう自分には、そんな資格があるわけないから。

「なのは……」

 視界の先、写真の中のなのはは笑っていた。ヴィヴィオと手を繋いで、娘になった愛しい少女と幸せそうに
映っている。きっと、この先もずっと続く笑顔だった筈だ。何よりも硬い絆で、結ばれている二人だった筈だ。
 それを壊して消してしまったのは自分だとフェイトが拳を握る。デスクに何度も頭をぶつけ、唇を強く噛んで。

480 名前:君に届けたいただ一つの想い:2008/01/12(土) 20:47:35 ID:6DCyV9lt
「名前なんか……呼ばなきゃ良かったよ……」

 言って、嗚咽を堪え切れなかった。
 扉の向こう、ずっとそこにいたクロノが去ったのはそのすぐ後。


* * *


「これにも、無いか……」

 呟いた言葉は疲れ果てている。翠色の瞳も同様。女性のような端正な表情を無精ひげで乱し、ユーノは眼鏡
を外して目頭を押さえた。
 いい加減限界だ。ここ最近、まともな睡眠を取っていない。自分の時間、その全てを使って彼はクロノから以
来されたジュエルシードの調査を続けていた。
 ディスプレイに写されているのは、膨大な量の報告書だ。そして、フェイトが触れたジュエルシードの状態
を示す数値は全てが異常。
 クロノがユーノに依頼したのが、一ヶ月と少し前。もうその時点で異常は発見されていた。それが急激に跳
ね上がったのは今から一ヶ月前。
 それがユーノを焦らせている。同時にいなくなった彼女の存在が、ユーノを休ませる事を許さなかった。

「なのは……どこ行ったんだよ」

 なのはがいなくなった事は、はやてに直接連絡を受けていた。丁度、ジュエルシードの異常数値が跳ね上
がったと報告を受けた僅か数時間後だ。
 関係していない筈が無い。確証はないけれど、間違っているとは思えなかった。
 だから今もここにいる。なのはを探しに行きたいのを堪え、自分しか出来ない事をやっている。

「司書長、もうそろそろお休みされたらどうでしょうか」
「すいません、もうすぐ切り上げますので……」

 心にも無いことを言いながら、ユーノが作業を続けた。無限書庫に現存するジュエルシードのデータ。そし
て、他の類似するロストロギアのデータを片っ端から調べ、何か手がかりになるものは無いかを探すという、
地道な作業だ。急いだところで、見落としが出来てしまう事があるだけで、他には何も無い。
 そもそも、何が起こっているのかが分からない。フェイトは何も語らず、無言を貫き通しているとクロノが
言っていた。探しているものが何なのか分からないまま、探し物をするという終わりがあるかも分からない状
態だ。それがますますユーノの負担を重くしていた。
 たがそれでも二つだけ分かっている。いつ次元震が起きてもおかしくないという事。それは、ジュエルシード
が何らかの願いを叶えようとしているという事だ。
 封印魔法を受け付けない強い願い。あるいわ、封印をさせないための魔法がかけられているのか。

「そんなわけ、ないか」

 だが出来るはずが無い。彼の知る限り、そんな事が二人だけ。そして、その二人はもういない。一人は名前
だけを残し、空へと消えた。もう一人は、彼女だけを残し叶わない願いを求めて消えた。
 思考が迷路を彷徨っているかのように纏まりが無くなっていた。このまま作業をしても意味が無いと、ユー
ノが立ち上がり、ソファに腰を下ろす。
 クロノへのいつもの報告をさっさと済ませて今日は休もう。そんな腹積もりだった。

『――――クロノだ』
「あぁ、僕だよ。とりあえず、いつもの報告ね」

 まだ分からない。その一言で報告は終わりだ。前回と全く変わりのない報告に、クロノが小さくため息を
吐く。その表情は、ユーノ程では無いにしろ疲れきっていた。恐らくフェイトの事だろう。ユーノが休んだら
と促すがクロノは首を縦にせず、同じ言葉をユーノにぶつけた。
 それにユーノが僅かに眉を顰めた。

「誰のせいでこんなになってると思ってるんだよ」
『悪いが僕のせいじゃない。そもそも、誰のせいなのか今探している段階だと思っていたが?』
「まぁ、そうだけどさ……」

481 名前:君に届けたいただ一つの想い:2008/01/12(土) 20:48:24 ID:6DCyV9lt
そうは言ったものの、やはりユーノの様子を見て少しは悪いと思っていたのだろう、クロノが済まないと口
にした。
 ユーノがクロノからの言葉で最も聞きなれないそれに苦笑するが、クロノは真顔でフェイトの事だと言葉を続
ける。

『まだ何も言ってくれなくてな……あれは、どうにも口を開いてくれそうに無い』
「いいよ。人のせいにしても何にもならない」
『なのはの事もだ』

 ユーノが閉口した。
 フェイトの様子を見れば嫌でも分かる。二人の間に何かがあった。そして、それにはジュエルシードが関係
している。その程度の事だったが、ユーノが唇を噛むには十分すぎた。

「なのはは……何があったって逃げるような事しないよ。あの子を置いて、いなくなったりしない」

 なのはがどれくらいヴィヴィオの事を想っていたか知っている。泣いて他人に迷惑をかける事を嫌い、不安
や悩みを打ち明けようとしないなのはが、ヴィヴィオが攫われた時にあんなに泣いていた。泣いて、何も出来
ない自分に苛立っていた。それだけで、十分すぎるほどなのはの気持ちが分かってしまった。
 そして、それ以上に想っている彼女の事も分かっている。ヴィヴィオの事が目に入らなくなる事など、フェ
イト以外ありえないから。
 それが無性に辛くて、嫌だった。

『そんな顔をしないでくれ……なのはを探しに行きたいのは分かってるつもりだ』
「ごめん……大丈夫だから」

 こんな事を考えている場合じゃない。そう、ユーノが頭を振った。クロノもしばらく何も言わず、ユーノが
顔を上げるのを待った。
 どれくらい経った後だろう。顔を上げたユーノに、クロノが気分転換代わりに言ったのは。

『しかし君も悲惨だな。玉砕すると分かっていながらまだ気にしてるなんて』
「い、いきなり何だよ! 深刻な話してる時にっ、き、君には関係無いじゃないかっ!」

 ユーノが真っ赤になりクロノを睨みつけた。対するクロノは意地の悪い笑みを浮かべ、勝ち誇るように
ユーノを笑っている。

『全く君はいつでも何処でも仕事、仕事だからな。そんなんだから、十年間振り向いて貰えないんだぞ』
「それだけは君に言われたくない! エイミィさんの事放って仕事してるくせに! いつか愛想尽かされるに
決まってる! それにっ、まだ全然、これっぽっちも振り向いて貰えないなんて決まって無いだろっ!?」

 語気を荒くし、ユーノが力の限り叫んでいた。
 苛立ちよりも、悔しさよりも、今は憎らしい。
 
『まぁ、絶望的だとは思うがな。その一途さだけは認めてやるぞ?』

 にやにや、とクロノが笑っている。いつの間にこんな笑みが出来るようになったのか分からないが、ユーノに
はどうでもいい。
 きるぞ、とクロノが通信を切り、ユーノがソファから立ち上がった。
 無論、奴の思惑に嵌ったのは分かっている。

「くそ、元気出ちゃったじゃないかよ」

 本当に憎らしい。
 次会ったら、どうにか反撃してやると心に決め、ユーノが作業を再開させた。
 ――――そのすぐ後だ。

「なっ……!?」

482 名前:君に届けたいただ一つの想い:2008/01/12(土) 20:50:16 ID:6DCyV9lt
 突然の事だった。鼓膜を激しく刺激するアラート音が無限書庫に鳴り響いていた。
 いや、無限書庫だけじゃない。時空管理局本局。そこはいまや普段と様相を変え、警戒体制へと変わっている。
 ユーノは突然の事に無様にも慌てず、今起こっている事態を確認しようと、慌てている秘書を呼びとめ情報収
集をさせた。
 そして、無限書庫を飛び出した。

「はぁっ、はぁっ……!」

 普段走ったり、まして戦闘行為など行わなかったからだろう。全力疾走に身体がついていかない。痛む肺を
抑えながらユーノがそこへ向かえば、何人もの武装局員が同じように走っていた。
 心臓が、ドクンと高鳴った。

「……」

 場所は、ユーノがあるロストロギアの調査を依頼した場所だ。いうまでも無い。一つしか、そんなものは預
けてない。
 そこを、誰かが襲撃した。

「……」

 床には白衣を着た局員が倒れ、痛みに身体を震わせている。或いは意識を失っている。そして、それ以外
にも何人もの武装局員が倒れていた。全て命には支障が無い。動けない程度に誰かに傷つけられただけ。
 それが容易に出来るくらい、卓越した魔力運用が出来るのだから、当然だろう。
 だが分からない。分かりたくない。

「……」

 ユーノは歩みを止めていた。武装局員が包囲する中心。そこにいる姿に目を奪われている。
 紅いものにバリアジャケットを染め、彼女は立っていた。普段の白を基調にした彼女のバリアジャケットには、
その紅が一際陰惨のものに映ってしまう。
 二度と見たく無いと思っていたものだ。八年前同じものを見て、誰もが思っていたこと。
 違うのは、それが自分のものでは無いということくらい。後は似たようなものだろうが、ユーノにはどうで
もいいことだった。
 そんな事を考える余裕など、もうありはしなかった。

「なに、やってるの……?」

 彼女は答えない。血の滴るバリアジャケットと、同じように血を滴らせている金のデバイスを手にし、その
反対側――――右手にロストロギアを掴み、俯いているだけ。
 震えているのだろうか。泣いているのだろうか。前髪に表情を隠し、それだけは分からなかった。

「何やってるって聞いてるんだよ! 頼むから答えてよっ!」
 
 沈黙している場に、ユーノの叫びだけが響いていた。
 彼女は俯いているだけ。
 彼女を取り囲む武装隊は、彼女の持つそれが光輝いていることに動けずにいる。それがどんなに危険なもの
かは、十年前に証明されているだろう。
 ジュエルシード。何かを代償に、限定的に願いを叶える宝石だ。それを手にし彼女が何を願ったのか。それは
今知ることじゃない。
 今知ることは、彼女が何故ここにいるか。
 何故、こんなことをしたのかだ。

「これが……欲しかったの」

483 名前:君に届けたいただ一つの想い:2008/01/12(土) 20:51:04 ID:6DCyV9lt
 不意に小さく呟かれた声は枯れ、ユーノの記憶のどれとも一致しない。柔らかそうな頬も、今は肉を失って
いた。
 だがそれでも。
 その姿は、彼が一緒にと願い続けた存在で。
 ずっと会いたかった存在だ。
 ――――高町なのは。
 それが、今武装隊に囲まれ、ユーノに見つめられている魔道師の名前だった。


* * *


 雨が降っていた。
 土砂降りの雨は、一向に休む様子を見せてはくれない。そればかりか、更に激しくなる予感すら感じてしまう。
 そんな中、なのはは雨に打たれ空を仰いでいた。

「レイジングハート、少し休もうか」

 レイジングハートは無言のままだ。一ヶ月前、こうすることを決めてしまってから、彼女は主であるなのはの
声に答えてはくれなくなった。
 たった今探索魔法を解除したのは、命令に応えたわけじゃない。これ以上の魔法は使わせたくないと思った
から。
 周囲に誰も追っ手がいない事を確認し、なのはがほっと一息を吐く。瞬間、不快な痛みになのはが顔をしか
め小さく呻いた。
 気にすることじゃない。身体に纏わりつく痛みは、なのはがゆりかごでの戦いを経てからは変わらない。それ
が顔をしかめる程度に変わったのは、武装隊から逃げる為に魔法を酷使してしまったからなのだろう。
 そんなもの、特にどうでもいい事ではあったけれど。

「ねぇ、フェイトちゃん……フェイトちゃんはこんな事する私の事、嫌いになるかな」

 言って、そんな事は無いだろうと自嘲する。
 嫌いになる訳が無い。もう嫌われているのだ。これ以上なんて無いだろう。もしこれ以上があったなら、自
分がどうなってしまうか分からない。
 身体は、痛み悲鳴を上げている。
 思考は彼女だけを考え、まともに考える事を許してくれない。
 寂しさは、あれから一向に消えてはくれない。

「これ……もう一度受け取ってくれるかな」

 だから動くしかない。
 もう一度最初から。もうそれだけでいい。たったそれだけなのだから。
 手にした桜色のリボンを強く握り締めた。

484 名前:246:2008/01/12(土) 20:53:08 ID:6DCyV9lt
以上です。
他の書き手さんの投下を止めてしまって、大変申し訳ありません。
次このようなことが無いようにしたいのですが、投下した内容がスレに反映されないってあるのでしょうか……?
最近良く耳にするのですが……。
スレ汚し申し訳ありません。

485 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 21:02:33 ID:+e+W9/E/
GJ!!
フェイトォォォオオオオ!!!!!。・゚・(ノД`)・゚・。

都築待ってます!!!

486 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 21:03:53 ID:hf7LMXgn
乙です。
ヴィヴィオの心配はどうした、と紅に染まった
冥王様に突っ込みたくて仕方がないのですが。

487 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 21:47:26 ID:N/S0DpX6
…う〜ん……
何だか段々「やりすぎ」な感が漂ってきたような…
個人的にはなのはにもフェイトにもあまり同情できないです。

488 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 22:04:06 ID:2APq8KbT
そこは踏みとどまるべきだろ、的な終わりの言葉を口にしすぎてる所があるよね。
なのははなのはでヘタレすぎるしフェイトはフェイトで意固地になりすぎだし
はやてもやや短気な気がする。展開的にそうならざるをえないのかもしらんけど。

ハッピーエンドだそうなのでハッピーエンドを待ってます。

489 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 22:14:53 ID:4KwA9SHD
>>484
>うん分かってるんだ。エロパロで百合が受容無いって。
そんなことないぜ。GJ!こういう展開は自分好みなのでwktk

ヘタレななのはでもいいじゃないですか。
本編じゃありえないから、かえって新鮮で面白く感じられるな、俺は。

490 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 23:38:34 ID:SBqf/gwU
百合作品だろうが何だろうが無問題

百合かノーマルか、どっちかを排斥しようとするほうが問題さ。

491 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 23:43:44 ID:etQ4OLZm
百合でも薔薇でも息子がおったてば無問題。
まぁ、百合に関してはレズ・百合萌え板があるしそっちの方が百合を
投下するに当たっては雰囲気も良いから、百合の人は自然とそっちに
流れているけどね。

492 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 23:48:50 ID:MrppSHUI
>>487に激しく同意。
後、ユーノは出さない方が良かったんじゃ…
クロノの台詞といい、噛ませ臭踏み台臭が激しくするんだけど;

493 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 00:12:07 ID:AYn6imy2
>>492
まあそのあたりはしゃーないんじゃね?
なのユーだった場合フェイトが噛ませ踏み台になることもあるわけだし。
そこまで言ってたら逆に書きづらくなるぜ

494 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 00:15:28 ID:dF68MHlg
放っておかれた上に親(親権取り上げられるかもしれんけど)が
次元犯罪者になってしまったヴィヴィオがなあ……。
ハッピーエンドでそのへんどうクリアするのか楽しみではある。

495 名前:26-111:2008/01/13(日) 00:20:02 ID:h4gpbsqW
>>484 246氏

GJ!
賛否の意見が出ているようですが、私は貴兄の話が大好きです
今後の展開もどこかに冷や汗かきながら楽しみにしています
「働いたら負けでござる」がどの様に絡むというのですか・・・!?wktkしてます

7話分の構成は 476-483 でOKですね?そのように保管します

それと、一つ訂正を・・・私はあくまで、最近になってちょっと頑張ってみているただの新米司書です
保管庫設立者: 549 ◆xbn1Z6LB3Q 殿こそが“司書長”・・・褒めていただけるのは嬉しいですが
読み手として、書き手として、“司書長”殿には一念の敬意をお忘れ無く



フヒヒ、ムキになっちまった。サーセンww
おいぃ、それよりもそろそろ現行スレに追い付いちまうんだが?

保管庫から業務連絡です
43スレの保管作業を終了しました。執筆陣諸兄は確認をお願いします
こちらは引き続き保管業務を受け持ちます


>>39-362

編集の都合上、ページの構成が少々特殊になりました。一度ご確認をお願いします


修正依頼がありましたらお気軽に〜。それでは



496 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 00:32:07 ID:dIsVWJVO
形はどうあれ、批判が須く排斥されるってのも珍しい

497 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 00:39:02 ID:VWJwYkRE
排斥?

498 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 00:39:42 ID:VqxJYBVL
最近ユーノ物のSSはユーノスレに出すものなのかこっちに出すものなのか悩む。
まだ出来てないけど。

499 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 00:42:50 ID:aUrpFiVx
>>495
いつもご苦労様です
私36スレ575なんですが、短編「ユーノ君と、ある使い魔の願い」の修正願いです

25と26行の間に書き込み忘れた一文を入れて欲しいのです
こんな感じで


そんな目の前にいる少年と同い年、たった9歳の子供を犠牲にして『闇の書』の脅威を未来永劫取り除く。
>そのことに罪悪感が無いわけじゃないが、主が悩み抜いて決断したことだ。使い魔たる私達は従うだけ。
>全てはクライド君の時みたいな悲劇を二度と起こさせない為。

(何で皆が幸せになれるような、都合の良い答えが無いのかな……)


>の部分が挿入して欲しいところです
結構前のスレの修正で申し訳ないのですがよろしくお願いします

500 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 00:43:22 ID:hkf7OKOg
>>498
ユーノスレの中の会話の流れで出来た一過性のものはユーノスレが相応しいと思うが
別に普通のやつとエログロホモはこっち推奨。

501 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 00:50:54 ID:VqxJYBVL
>>500
返事サンクス。だったらこっちっぽい。
連休中に出来たらいいな

502 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:12:40 ID:ypAz70KC
さっき、こんな電波を受信した。

503 名前:劇場版嘘予告:2008/01/13(日) 01:14:36 ID:ypAz70KC
全ては、高町なのはの失踪から始まった。

続発するロストロギア強奪事件。

暗躍する異形の集団、狼男、吸血鬼、そしてその先頭に立つのは・・・・・・。

「嘘やろ・・・・・・・」

八神はやてに向けられる砲口。凝縮していく桃色の光。

「・・・・・・なのはちゃん」

「・・・・・・ディバインバスター・・・・シュート」

黒く染まり、闇へと堕ちた高町なのはだった。



主を守るため、あえて剣を抜くシグナム。非殺傷設定を解除したなのはを相手に、手加減はできない。

「高町相手に手加減はできぬ」

「けど、あいつはシグナムの仲間なんだろ!?」

「仲間だから、その実力は誰よりもよくわかるのだ。アギト、ユニゾンだ!」



聖王教会にて対峙する三提督、クロノ・ハラオウン、カリム・グラシア、リンディ・ハラオウン。

「“輝ける柱の箱”、最初に発見されたロストロギアだ」

「敵の狙いはこのロストロギアにあると?」

「そう、この箱が閉じられた時、世界は終わる」

「『捩じれた支柱を収めし箱、夜を司る者に閉じられ、空の女神は大地に堕ちる』」

カリムが予言するのは、ミッドチルダ崩壊の予兆。


504 名前:劇場版嘘予告:2008/01/13(日) 01:18:34 ID:ypAz70KC
「各地で再びガジェットが目撃されています。これもあなたが仕組んだことなのでしょう?」

「仕組んだのは私だ。しかし、脚本を書いた者は別にいるのだ、フェイト・テスタロッサ。踊らされたのだよ、私も最高評議会も」

無限の欲望すらも手玉にとる黒幕の存在。その名は“神”。



焼け落ちる草原で、少女は叫ぶ。

「そんな、ヴォルテールが負けた・・・・・」

「下がってキャロ、この人は・・・・・強い」

エリオとキャロの前に立つのは青い髪の少女・・・・月村すずか。

「ごめんね・・・・けど、仕方ないの」



「先ほど、高町なのはの抹殺が決定された」

「嘘やろ・・・・嘘って言って、クロノくん!」

「クロノ、それ本気で言ってのかよ!」

「落ち着いて、ヴィータちゃん」

「放せ、こいつはなのはを殺せって言ってんだぞ!」

「そうだ。僕は管理局提督として君たちに命じる。高町なのはを見つけ次第、抹殺しろ」

下される絶望。そんな中、希望を捨てない者たちがいた。

「あたしは信じている。なのはさんは必ず帰って来る」

「あなた・・・・・」

「信じよう桃子、俺達の娘を」




505 名前:劇場版嘘予告:2008/01/13(日) 01:20:34 ID:ypAz70KC
「なのはを助けるには、全力全開手加減抜きでぶっ飛ばすしかない!」

「さすがユーノさん、わかりやすい」

『まったくです、相棒』

ぶつかりあう不屈のエースと鋼のストライカー。思いと意地の全てを賭けて、スバルはなのはの教えを貫く。

「魔法は誰かの涙を止めるために・・・・・いくよ、相棒!」

『All right buddy. A.C.S. Standby』

「レイジングハート・・・・」

『A.C.S. Standby』

広がるピンクと青の翼。放たれるのは、思いを届ける必殺の砲撃。

「一撃必倒っ!」

「・・・ディバインバスター―――」

「ディバイン・・・・・・バスタァァッ!」

「――シュート」



傷つくエリオとキャロを庇うように、紫の召喚師はすずかに立ちふさがる。

「君は・・・・・この子たちの仲間?」

「違う・・・・友達」



「よお、苦戦しているみたいだな」

「助けに来たっスよ、ティアナ」

「ノーヴェ・・・・ウェンディ・・・・・」

かつての敵が、友の窮地に駆けつける。



「ごめんねヴィヴィオ、心配かけて」

「なのはママ、泣いているの?」

「うん・・・・ちょっとだけ、泣かせて・・・・・・」




506 名前:劇場版嘘予告:2008/01/13(日) 01:25:12 ID:ypAz70KC
「こんなこともあろうかと、アースラは確保済みですよ、はやてさん」

「さすがグリフィスくん、気が利くなぁ。ほな、機動六課再結成や」

「ルーテシアにナンバーズも加わって、今度は前以上の大所帯になりそうですね」

「私も忘れてもらっては困るな」

「まさか、あんたまで手伝ってくれるとは思わんかったわ」

「なに、大事な作品を傷つけられた恨みという奴さ。それに、私の欲望は世界をも救う」



「それは本当か、ロッサ!?」

『ああ。“輝ける柱の箱”は第97管理外世界・・・・・地球にある』

運命は、少女たちを始まりの地へと誘う。



海鳴市に現れた無数の傀儡兵、ガジェット、異形の怪物。

傷つき倒れるアルフの前に、蒼き狼が駆けつける。

「ザフィーラ・・・・・」

「我が名は盾の守護獣ザフィーラ! ただで帰しはせぬぞ、雑魚どもよ!」




507 名前:劇場版嘘予告:2008/01/13(日) 01:26:18 ID:ypAz70KC
ロマンス。

「助けてくれてありがとう、ルーテシア」

「ルーで良いよ、エリオ」



「エリオくん、わたしを抱いて!」

「キキキキキキャロ!?」

「ライバル出現?」

「ルーぅぅ!?」



「あんたのこと、嫌いじゃないよ」

「私もだ。お前が己の主の居場所を守るのなら、私はそのお前を命がけで守る」



「無事みたいだな、ティアナ」

「ヴァイス・・・・さん」

「彼女のピンチも救えないようじゃ、ストライカーの恋人は務まらないからな」



「なのは、好きだよ」

「私もだよ、フェイトちゃん」

「「みんなのことが、大好きです」」




508 名前:劇場版嘘予告:2008/01/13(日) 01:27:34 ID:ypAz70KC
そして駆けつける、次元世界のエース達。

「私のデバイスに、魔法なんて利かないわ!」

別の可能性の世界からやってきた魔法を無効化する親友。

「私の名前は月村雫。よろしくね、なのはおばさん」

未来からやってきた不屈のエースの姪。

「やれやれ、吸血鬼にアンドロイド、挙句魔法使いか」

過去から呼び出された御神の剣士。



明かされる衝撃の事実。

「クラナガンに月が落ちる?」

「ええ。予言にあった空の女神とは、なのはさんのことではなく、ベルカの月を指していたの」

「質量もさることながら、内包されている魔力も厄介だ。爆発すれば、ミッドは滅ぶ」

「その起爆装置が、“輝ける柱の箱”か」



立ちふさがるは、無数の敵・敵・敵。

「ここは私らに任せて、なのはちゃん達はミッドに!」

「あたしらベルカの騎士はただじゃ死なないぜ」

「盾の守護獣の名にかけて、ここから先は一歩も通さん!」

「フェイト、あたしらを信じて」

「いくぞ、アギト」

「おうよシグナム!」

「みんな、傷ついたらすぐに回復を」

「いくですよ、みんな」




509 名前:劇場版嘘予告:2008/01/13(日) 01:30:06 ID:ypAz70KC
「ミッド全域に聖王の鎧を展開すれば、月の落下速度を緩めることができるはずだ」

「って、ヴィヴィオちゃんを使うってことですか?」

「シャーリー君、研究に犠牲は付き物だ。もっとも、今回は本人の自由意思を尊重するがね」

「いいよ。なのはママの力になれるなら、ヴィヴィオも頑張る」

鍵を握るのは、幼い聖王と。

「出力はレリック50個で補えるとして、問題はその制御方法だ。ミッド中の人間の意志を一つに束ねなければ50のレリックは制御できない」

「それは、わたしがなんとかします」

「頼むよ。君の魔法でミッドを一つにまとめてくれたまえ、高町なのはくん」

極めて遠く、限りなく近い世界より現れた幼い魔法使い。



「ガリュー、僕と君で、キャロとルーを守ろう」

「(こくん)」



「私はエリオくんが好き!」

「私は、キャロのことも好き」

「戦闘前に何言い合っているんだか、このロリっ娘たちは」



ミッドで待っていたのは、JS事件の再現。落下する月と、無数の敵。

「先に行ってください」

「地上は私たちが食い止めます」

「フェイトさんたちは空に!」

「すずかさんを、助けてあげてください」

「行って」




510 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:30:14 ID:dIsVWJVO
魔王様が九頭龍の虜になったようです?

展開は激しく燃えるものになりそうだ
実際予告だけ見てても心が踊るわw
しかし難点が
どうもオチの付け方が陳腐になりそうな気がする
愛だの絆だのは王道ではあるけど持ってき方次第では「ハイハイ○○某との愛は無敵無敵」になることがあるし

511 名前:劇場版嘘予告:2008/01/13(日) 01:32:48 ID:ypAz70KC
「さて、スバルばかりにいい格好させてられないわよ、ブリッツキャリバー」

『Yes sir』



「君、後は頼む」

「提督、どちらへ?」

「これでも元は戦闘魔導師でね。古巣に戻るだけさ・・・・いくぞ、S2U、デュランダル」

『OK.BOSS』



「すずかちゃん!?」

「なのはちゃん・・・・ごめん・・・・・・」

倒れるすずかを抱きかかえるなのは。壇上では、壊れた魔導師が哄笑をあげている。

「これでアリシアが蘇るのですね、神よ!」



「あなたを止めます、母さん」

「やってみなさい、この出来損ない」



そして、なのはは全ての元凶と対峙する。

「あなたの目的は、ミッドの崩壊ではないと?」

『その通り、この月に満ちた魔力を使い、封じられた故郷への道を開く』

「アルハザード・・・・・・」

『あんな幻想とは違うよ。もっと愚かで楽しい原始の宇宙だ』

「そのために、全ての次元世界を犠牲にすると?」

『だとしたらどうするね? 白き魔王よ』

「止めます。私の全てを賭けて」

『不可能だよ。人に神は殺せない』




512 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:33:33 ID:GUn+w/p7
正直、予告だけされてもなぁ。

513 名前:劇場版嘘予告:2008/01/13(日) 01:34:15 ID:ypAz70KC
仲間の思いを背負い、なのはは無謀な戦いに挑む。

しかし、神になのはの魔法は通用しない。例え心が挫けぬとも、やがては摩耗し、擦り潰れてしまう。

なのはが挑むのは絶望。そして――――



『なんだ、これは?』

「レイジングハート?」

『はい、決して諦めないあなたの想いが、奇跡を呼びました』



そして、それは来た。

希望に燃える次元の彼方―――

無限/無量/無窮の宇宙の彼方より不屈の魂をその胸に秘めて

『・・・・・来たか。揃いも揃ってやって来たか、『君』たちは。悼ましいほどの希望を抱く『君』たちが!』

それは高町なのはだ。

無限/無量/無窮の宇宙の彼方より来た、無限/無尽/無垢の高町なのはだ。

宇宙の全てを埋め尽くす、高町なのはの大軍勢だ。



魔法少女になりたての、新しい高町なのはがいた。

激戦を潜り抜けた、古強者の高町なのはがいた。

未だユーノと出会っていない、普通の少女の高町なのはがいた。

傷つき、最後の魔力を燃焼させる高町なのはがいた。

別の時間軸の高町なのはがいた。




514 名前:劇場版嘘予告:2008/01/13(日) 01:35:15 ID:ypAz70KC
クロノと結ばれた高町なのはがいた。

ユーノと結ばれた高町なのはがいた。

フェイトと結ばれた高町なのはがいた。

別の誰かと結ばれた高町なのはがいた。

見知らぬ誰かと結ばれた高町なのはがいた。



一人で戦う高町なのはがいた。

仲間と戦う高町なのはがいた。

性別の違う高町なのはがいた。

人以外の種族の高町なのはがいた。

機械の体の高町なのはがいた。



巨大な高町なのはがいた。

小柄な高町なのはがいた。

獣の形の高町なのはがいた。

形すらない高町なのはがいた。




515 名前:劇場版嘘予告:2008/01/13(日) 01:36:05 ID:ypAz70KC
液体の高町なのはがいた。

気体の高町なのはがいた。

電離体の高町なのはがいた。

幽体の高町なのはがいた。



レイジングハートを持たない高町なのはがいた。

そもそも魔法少女ではない高町なのはがいた。

高町なのはを継いだ高町なのはがいた。



神になった高町なのはがいた。

魔に堕ちた高町なのはがいた。

デバイスと融合した高町なのはがいた。

デバイスに生まれ変わった高町なのはがいた。




516 名前:劇場版嘘予告:2008/01/13(日) 01:36:50 ID:ypAz70KC
かつて在りし高町なのは、今在りし高町なのは、来るべき高町なのは。

別の可能性の高町なのは、可能性すらない高町なのは、次元の狭間を彷徨う高町なのは



それは高町なのはが織りなす縞模様。

無限の数の高町なのはたちが紡ぐ物語の名は――



――劇場版 魔法少女リリカルなのはSTRIKERS



「いくよ、みんな」

無印のなのはが、A‘sのなのはが、STRIKERSのなのはが、レイジングハートを構える。

「「「全力全開、スターライトブレイカァァァっ!!!」」」


517 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:38:30 ID:ypAz70KC
書ききった・・・・物は投げないで。こんな電波が降りてきたんです。
ちなみに、私の文才ではまず書けないと思います。

518 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:39:19 ID:dF68MHlg
終わったかな? さすがに割り込むのはどうかと思ったので。

>輝ける柱の箱
偏四角多面体の結晶が中に入ってるアレか。で、ラスボスの声優は折笠愛と。

これは一種のクロス? どう見てもフノレハシ版デモベだし。

519 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:40:46 ID:ZR78RO7v
>>517
つ「降臨した電波は最後まで書ききるべきである。」

さあ、本編を執筆する作業にもどるんだ。

520 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:42:04 ID:GUn+w/p7
割り込んじゃった、すまない。
ただ、単なる単発妄想ネタならこんなにレスを(改行しまくって)使わないほうが良いんじゃないかな。
つうかラストの「〜の高町なのはがいた」も機神飛翔だしな……。
そのへんも明記して、というかスレチじゃないかこれ。

521 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:42:28 ID:yqqjybmB
>>513-514
ちょwwwwwwなのは軍団wwww超展開自重wwwwwwww

>液体の高町なのはがいた。
>気体の高町なのはがいた。
おまwwwwwwwww何じゃそりゃwwwww

>神になった高町なのはがいた。
>魔に堕ちた高町なのはがいた。
この文読んでも違和感がないのはどうしたことか?

むむむ…なんとか形に出来ないかと途中まで本気で考えていた…
しかしこれは壮大すぎて俺の筆力ではとても扱いきれん…

522 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:48:12 ID:vTYSTypZ
予告だけダラダラ書いて、最後は「機神飛翔」パクリとかwww
最悪だなオイorz


523 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:56:46 ID:SlY6DF3y
クロノと結ばれた高町なのはがいた。

これなんてトラハ8パキューン

524 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 02:11:17 ID:ypAz70KC
>>520
>>522

やっぱりそうですか。クロス行ってきます。
目の毒でしたら削除してくれて構いません。

525 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 02:17:31 ID:Bsuc43Qu
今書いてるのとまったく同じセリフがまじってたorz
セリフ自体は王道なので誰でも思いつきそうなヤツなんだけど
盗作といわれないように今のうちにネタかぶりだと主張しておく。

まあ、まだ導入書いてるところで、該当セリフがでるのは中盤だからだいぶ先だが。

526 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 02:56:41 ID:6wCI5/Vv
公開まだ〜
(°▽°)

527 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 03:14:55 ID:vRoiTyiZ
>>517
スパロボにも影響されてそうだなぁ
主に『極めて近く限りなく遠い』とか

つかモロにシャイニングトラペゾヘ○ロンじゃねえかw

528 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 03:24:43 ID:H7xujpYa
予告程度の、しかももろパクリな物を「書ききった・・・・」などと陶酔して言われてもなぁ・・その程度でだから何?

529 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 03:32:54 ID:DRiHMWmw
>>484
最近、貴方のssを見ることだけが生きがいです(ぉ
若干の批判もあるようですが、気にせず今までどおり書き続けて欲しいと思います。
がんばってください。GJ!

>うん分かってるんだ。エロパロで百合が受容無いって。
そんな事はないと思いますよ。なのユー派となのフェ派が水面下で争ってる気はしますが。
もっとも私は246氏なら百合スレでもやってけるとは思います。

530 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 04:08:51 ID:aW/0VWPm
その冷戦を尻目になのクロ派縁側でお茶を飲む。
「お茶が…美味い」

531 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 05:06:15 ID:ZTFen1OI
>>530
貴方とは良いお茶が飲めそうだ

532 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 07:28:13 ID:WFPSdaru
>>457
いまさらだがフイタw

533 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/13(日) 07:35:04 ID:IhFvdsnl
誰もいませんね?
投下させていただきます
『幻影の射手』後半

注意事項
・非エロ
・エリティアの世界
・フェイトさん、ナンバーズも何人か死んでいるIF話です
・今回はティアナメインです
・ティアナの子供の名前はフェイトです(紛らわしいですが)

ではスタート

534 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/13(日) 07:35:59 ID:IhFvdsnl
幻影の射手E

回想2 

パラダイム・シフト



 頬を風が吹き抜けていく
後方には多数の戦闘機人が追ってきている
一人として侮れる相手は居ない、全員が危険レベルの戦闘機人
だけど、だけど恐怖は無い、なぜなら

(…ヒロインは必ず最後に勝利する、決まってるじゃない?)

そうでしょティアナ?
前を見る、疾走するティアナの数歩前に、『もう一人のティアナが』駆けていた
いつかなる自分の姿…理想の幻影


スピードを上げる
「…あと少し、も、ちょい…」
口元から歯がこぼれる、姿が重なりそうになる
 ティアナの口元が綻んだ
また少し二人の姿がぶれてくる、自分と追いかけっこ、あ、やっぱりあちらが速い

前を行く、見える、最強のガンナーが…『幻影の射手(あたし)』が







「考え方を変えるんや」

くるくるとティーカップをなで園長室の来客ソファーに腰掛けたはやては澄まして答えた
くるっとな、と、指を宙でまわし、くいっと嚥下する

「くる…変えるって…具体的にどう…」
ずず…紅茶をすすりながらティアナは尋ねた、肩が落ちている、目にも元気が無い、薄く隈があった
先日の失敗、あの事件以来、眠れない日々が続いていた

 エリオにも相談できず、かといってなのはさんを尋ねる気にもなれなかった
そうでなくても『あの生きた伝説の』なのはさんの直弟子として新人執務官時代から風当たりがきつかった
(あのなのはさんの直接指導を受けたくせに)
ティアナには耳慣れた言葉だった、余計な心配をかけたくなかったし、第一今は部下でも無い

 とぼとぼと気がついたら足がここにきていた
保育施設ヴォルケンリッター



「例えば…」
はやては少し思案して喋り始めた

535 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/13(日) 07:36:52 ID:IhFvdsnl
「そやな…さしあたり、うん、すでにあたしは無敵や、…と思って、イメージやな
  日ごろから、そや!、最強執務官ティアナ様が、犯罪者をバッタバッタとなぎ倒す姿を…」

「…む、無理ですよ、そんなの…」
がっくりと肩を落とした、やっぱりそんなところか…天才の人達って…一体…

「………むりかなぁ?人はイメージ次第でやな、それが次第に、ついには体にや…」
「…無理です…絶対」
この人にして…凡人の苦しみが解って…くれないだろうなぁ…
 溜息をついた
それができないからここにきているのだ

園内から子供達の声が小さく聞こえてくる

 ふー
コン、はやてはティーカップをローテーブルに置いた
 はやてにも思案のしどころだった、想いを言葉で伝えるのはいつも難しい作業だ
特に『できない』という信念をもっている人には容易な事ではない
それは地上最強の信念の一つなのだから

「…あのなティアナ、私が以前ティアナの事を『天才』やと言ってたのは覚え取るな?」
 怪訝な顔でティアナは不承不承頷いた
「でも…」
 反論しかけるティアナを小さく手で制してはやては続けた、ちっちと指を振る

「…なぜなら、ある種の…この世の成功した者、天才などと呼ばれる者達はな…
 …つまるところ、ただ二つの資質を持った者達なんや
  …ひとつ、『耐え続け努力し続けられる者』ふたつ『倒れてもすぐ起き上がりまた歩き出す者』
 …これだけや、それしかない…で、私が観るに
  ティアナ・ランスターはすでに両方とも備えとる、…何事にも耐え努力できる、すぐ立ち直る歩き出す
 ちゃんとできとる、私が保障する」

「………」
 前者はともかく後者についてはティアナは自信が無かった、たしかに常に起き上がってはいるが
起き上がりこぼしなイメージだった、またその場に立ち尽くす自分…

再び肩を落とすティアナを見てはやては微笑んだ、かつての部下に尋ねた
「…随分、まだ何か言いたそうやな?」
きゅっきゅっとカップの縁を擦り、ティアナはようやく落ち着きを装い、顔を上げ、声を絞り出した

「…でも…でも、努力したってダメな人は居るじゃないですか…?世の中…一生頑張っても…
 その…どうにもならない人だって居るじゃないですか…たくさん…そういうのは…」
「ああ…うん…いるな気の毒な人たちが…たくさん」
「…じゃあ」
はやては静かに首を振った

「ティアナ、私はティアナの事信じてる…お世辞やあらへん、本心や…たしかに世の中努力が報われん事も多い
 ただしそれは努力の方向が定まってないからや、がむしゃらに頑張るだけじゃだめなんや…
 でもティアナの場合はスペック的にも申し分ないもんを持ってる、使い方次第では凶悪とさえ言えるもんをな…
      だから後は気構え…心…でも…それでも、…どうしても私の言葉が信じられへんのやったら…」
 はやては言葉を継いだ
ティアナも唾を飲み込んだ

「じゃあな…お手本のマネからはじめたらええ」
「え?お手本?」
「そや、すでに最強の人についていき」
当面その人に付いていき、その人の真似だけしとったらええ
ティアナはややあって首を傾げた



536 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/13(日) 07:37:41 ID:IhFvdsnl
「…誰ですかそれ?達人?なのはさんですか?それともクロノ提督?…大体…そんないつも…任務中に
 あ…まさかエリオの事…そんな…尚更、ついてきてもらうわけにも…」
不安げに呟くティアナにふるふるとはやては顔を振った、指先をぴたりと正面に差す
「だからティアナ先生や」

ティアナは呆気に取られた、次いで膝の掌を握り締めた、その拳がブルブル震える
「全然意味が解らないですよ!」
やけっぱちになって腰を浮かせた
「ええから聞く!」
 それより速く立ち上がりティアナの両肩をむんずつかむと、小柄なはやてがティアナを強引に座らせた
ちょ、あの、と言いかけるティアナの耳元に急いで、何事かささやく

…だから具体的に言うと、な?…で、…やって…時は…

 しばらくの間、嫌々ながら、はやての説明を聞いていたティアナは
やがて少しづつその話に聞き入っていた、じょじょにその目が不信から興味へと移行していった
やがて

「…ま、まぁ、…確かにそのくらいなら」
できるかも、と小さく理解を示した

「せやろ?」
指をたてたはやては得意そうだ、さらにティアナの首を抱いて引き寄せると耳元で話を続ける

…んでな、私前々から思っとったアイデアなんやけど…例えば…こう…
ごにょごにょ、ボソボソ

…え?…あ、あぁ……はい、それは…その…多分…できる…んじゃないかと…うん…うん…


 20分後、窓から園の門を出て行く魂の抜けたようなティアナの歩く姿があった
そのふらふらとした足取りが、やがてほんの少しづつ速くなり、とうとう小走りになって走り出したのを
はやては面白そうに眺めていた
(頑張れ、頑張れティアナ)
その時卓上の回線がコールを告げた
「お?」
ピッ、宙に長年の今となっては唯一無二の親友の姿が浮かび上がる

「や、なのはちゃんか、今…タイミング良いというか、悪いと言うか、…ティアナなら帰ったよ」
少し寂しそうに微笑んで今や空士のトップに立つ人は呟いた
「…ごめん、はやてちゃん…ティアナの事本当はわたしが負わなきゃいけない責任だったのに…
 やっぱり…あの頃の…わたしの指導が間違ってたのかな…ティアナ…ここのところ伸び悩んでたし…」

はやては、ふるふると首を振った

「…いや、そうやない、それは違うな…なのはちゃんの教導は間違ってなかった…と思う
6課の頃の、あの時点ではあれがベストやった
 …実際基礎ができてなかったからね、あの頃のティアナは、…あの頃はあれで正解やと思う」
強く断言する

「本当?…じゃあ…でも…ティアナ…ずっと頑張ってたのに…結果が出なくて…わたし…でも声もかけれなくて」

元気の無い親友を力付けるように、ややあってはやては尋ねた

「んー……あのな、そやなー…なのはちゃんは『パラダイム・シフト』って言葉、知ってるか?」
「パラダイム……?」
ややあってなのはは答えた

「ごめん、よく知らない、それがティアナとどう?」
はやては少し真面目な顔つきで腰に手をあて、マホガニーの机に寄りかかった

537 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/13(日) 07:38:23 ID:IhFvdsnl
「発想の転換と言うか…考え方を変えるだけで現実が劇的に変化する、そういう事かな…」
はやては一度切って指を上げた

「たとえばー…なのはちゃん!…大阪で道に迷ってるのに東京の地図広げて
 一生懸命目の前の光景を、理解しようとしても意味無いやろ?
…ちゃんと大阪の地図を広げれば、…そうすれば、目の前の道の意味が解り、正しい自分の位置を教えてくれる…」

東京の地図ではダメなんや…
懐かしい故郷の地名を聞いて、だがなのはは小首を傾げた
「つまり…?」
うん

「ティアナは今な…変わった…かもしれんよ?今まで…
ティアナは今までピンチになるたび…そのつど、別の方法で理解して、解決しようとしてたんやないかと思う…
 それが残念ながらティアナにピッタリの方法ではなかったんやなかったのかな…」

「別のもの?」
なのはは尋ねた、はやては頷いた

「…多分…なのはちゃんやないかな」
はやては通りを見ながら答えた
ややあって、なのは小さく身じろぎした
「わたしの…」

「…どんなに一生届かないと思ってても…心の底ではやっぱりティアナは…
 『なのはちゃんみたいになりたい』そう思ってたんやないかな…」

コンコン、はやてはガラスを指先で叩いた
 画面の中のなのはは何か言おうとした、だが言葉が喉につかえて出てこないようだった
ようやく言葉を繋いだ

「…はやてちゃん…昔、なんの取り得も無い子がいたの…、家族はその子以外みんな
                …本当に優秀でその子だけ居場所が無かった…でも」
はやてはうんうんと頷いた
「でも、ある日少女は…自分にピッタリ合う特性に目覚めて当代一の魔砲少女になったわけや」

「ちょっと、もうはやてちゃんw」
なのはは笑った、はやても笑った

「人間…誰しも、おんなじかどうかは別にして何か抜きん出たものをその頭脳に眠らせてると思う
だから…
なのははこくりと頷いた、
「ティアナはティアナにぴったり合った方法があると思う…わたしの真似なんかする必要ないよ…」


それに…
なのはは思った
わたしにユーノ君がいたように、ティアナにもちゃんと居る
支えてくれる人が

538 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/13(日) 07:39:08 ID:IhFvdsnl
 はっ…はっ…はっ…はっ

ティアナは全力で走っていた
(あたしは…あたしはまた何を落ち込んでいたんだろう)

 あの人は一度堕ちた、常人以下の体にまでなったじゃないか
でもあの小さな少女は画面の中立ち上がっていた、何度も何度も
 あたしは知ってたはずじゃないか
あの夜、あたしはあの人にちゃんと教わったじゃないか

 ゴシゴシと頬を伝う熱いものを腕で拭った、鼻先が赤かった、もう!そんな年じゃないでしょ
笑った、塩辛かった


 そうだ…あれを…ああして…そうすれば…もう少し持続時間を
………できる…きっとできる!
 どんどんアイデアが湧いてくる、ティアナの頭の中で新しい何かのスイッチが入ったかのようだ
湧き上がる考えを全部書き出せないのがもどかしい
帰ったらまずペンと紙を用意して


 バン!
我が家のダイニングのドアを開けた時、呆気に取られた顔で出迎えたエリオの顔があった
「ティ、ティアナ?…どうしたの?」
思わず家に持ち帰り、キッチンテーブルで読んでいた報告書から顔をのぞかせる旦那様

 「はぁ…はぁ…は…エリオ…」
膝に手を当てて息を整えるのももどかしく、つかつかと寄ったティアナはエリオの両手をぎゅっとにぎった
「え?な…何?」
「ぉ…お願いっ!」
頭を下げた
「協力して欲しいの…あたしの…その…特訓とか…そういうの…」

 とっくん…?
強くにぎられたまま、驚いた顔でティアナのオレンジの後頭部を見つめていたエリオはようやく答えた
「い、いや、そりゃも…もちろん…もちろんだよ、僕にできる事なら…なんでも」

 強く言うと
やっと体勢を整えてエリオも少し微笑んだ
まだハァハァと息をつきならがら久々に眩しい笑顔を見せる妻の表情を見てホッとしていた

 良かった…と思う
(ここのところどこか表情が暗く落ち込んでたみたいだけど…)
激しく息を整えるティアナの姿
 どう声をかけていいのか解らなかった
 わが身の未熟を感じるだけのエリオだったが、今は嬉しさを感じていた

(ああ、もちろんさ、もちろん手伝うとも)
頼ってほしい、そのために僕は居る、苦しいときいつもティアナは励ましてくれた
今度は僕の番だと

539 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/13(日) 07:40:00 ID:IhFvdsnl
幻影の射手E

戦闘2 

トリック・トリック




密林に閃光が瞬いた
走りながらティアナは両手のCミラージュをを連射していた
もとより命中を期待してのものではない、牽制の弾が後方へ続々と飛んでいく

「あと少し…もう少し…」
追い手に迷いが無い、おそらくは熱源を追ってきているのであろう
あと五人…





 先頭を走る銀髪の戦闘機人の娘はほとんどスピードを落とす事無く
枝が入り組んだ中を駆け抜けていった、その様はまるで暗闇を苦も無く飛び回る蝙蝠のようだった
「IS・ドルフィン・エコー…」
ルート上にティアナの設置した不可視の倒木があったが、少女には関係無かった、後方に合図を送ると
難なくそこを飛び越えていく、ノーヴェ以下4人がその後に続く
「…パティ、進行方向以外にトラップは視えるか?」

 ノーヴェの問いかけに、問われた方はしばしあって、小さく首を振った
音波によって視覚化された世界にごまかしは効かない
「…よし、二人回りこめ、できればそこで仕留めてもいい」
ノーヴェは手を振り頷いた二人が左右に散った




「!っ…」
ティアナは舌打ちした
回りこまれた?正面に追っ手が出現した
 足を止めたとたん
後ろの大人が3かかえもするような大木の中から両手が出現した
ティアナの両足首をつかんだ
(これは!?…教会のセインちゃんと同じ能力…)

 スパッ!
 思考するよりも速く、瞬間的にクロスミラージュを宙に放られていた
月光がデバイスに反射して光った
 しゃがみながら両足の太股に装備しているナイフを抜く
躊躇なく自分の足首をつかむ細い腕を貫いた

 悲鳴と鮮血が上がり、再びクロスミラージュをキャッチ
心中でゴメンと謝る

 そのまま正面から突っ込んできた戦闘機人に銃口を定めた
カウンター…至近距離…そして2重貫通弾…
 「これなら」

 正面の子が両腕を交差したまま光弾に貫かれ弾けるように倒れ2,3度転がった
動きが止まる
この間、瞬きするほどの時間しか過ぎていない

540 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/13(日) 07:41:12 ID:IhFvdsnl
 …あと三人!

「っらあ!!」
「!!?」
 その声にティアナは慌てて前方に転がった
後ろにあった大木が枯れ木のようにへし折られ大量の木片を撒き散らしながら吹き飛んだ
 言うまでも無くノーヴェだった
追いつかれた、いや間に合ったと言うべきだろう、危うく挟撃されて終わりだった

 はぁ…はぁ…
一転して跳ね起きる
でもさすがにティアナの息が切れそうになる

 だが追撃を回避して転がりながらティアナは観ていた、幻影の姿を、あたしはもう立ち上がって走り出していた
ぐっと息を飲み込む
(ハァ…ぉ…遅れない!)
ティアナもまた走り出していた、前を行くあたしは息も切らしていない、なら、あたしもできる、できるはず
「ちぃ!」
すぐにノーヴェが追ってくる
チラリと後ろを見る

 三人…あと…あと三人…全員ノーヴェと似たような装備…
考えろ…勝利する自分の姿をイメージして逆算するの…
数秒でプランをまとめる、まずは…
ティアナは足元に不可視状態にしていた石を放った、茂みを抜ける間際、そこに不可視の枝を添えた

肩越しに暗視ゴーグルの目を凝らした、追っ手のうちの先頭の一人が『視得ない』石を蹴飛ばし
手で『視得ない枝』を払うのが見えた、その後ろにノーヴェが続く

 パシン

 ティアナから放たれた玉をノーヴェはとっさに払った
前を行くティアナが両耳を押さえているのが見えた、ハッとした
「しまっ…」

 お前等!と言いながら両耳を塞いだノーヴェは耳の音量制限を限界まで下げようとした

『『『!!!!!!!!!!!!!パンッ!!!!!!!!!!!!!』』』

 静寂の夜に音響弾の調べが響き渡った

「………!!!!!!!!!!ッ…ぐ…やっ…………ろお!」

 辛うじて間に合った、ノーヴェは思った
ふらつく頭を巡らす、だが『ドルフィン・エコー』の機人は身を捩って倒れていた
耳を押さえたままピクリとも動かない、失神している

 もう一人の部下は間に合ったのか、距離が遠かったのか、ふらつく頭でかろうじてついてきている
ノーヴェはギリギリと歯を鳴らしながら、だが最後の最後の勝利を疑ってはいなかった
 手を振り、最後の部下と共に最後の茂みを突き破った

(くそ…くそぉ…だが…だが問題ねぇ、この先はもう…)






541 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/13(日) 07:42:24 ID:IhFvdsnl
 森を抜けた

そこに月光を前に、ティアナが立ち尽くしているように見えた

 崖まで5,6M

 はー…はー…

 弾む息を整えると
ノーヴェはちょいちょいと、部下に合図した、ティアナが初めて気がついたようにこっちを向いた
じりじりと崖に向かい後ずさりしようとしている
「逃がすな!」
無言で命令に従った部下は瞬時にアイススケートのように滑らかな動きで
ティアナの背後にまわりこんだ、そう思った次の瞬間

「うわあああああああぁぁ!!」
部下の声はそのまま黒々とした闇の森へ落ちて行った
「な…」
下を向いたティアナがくるりとノーヴェに向き直った、暗視ゴーグルの下の口元が微笑していた
「…あとは貴女だけね」
(後ろのスペースが全部フェイク…幻影だったのか…)
ピタリとクロスミラージュがノーヴェに向けられた、カートリッジが一つ排出され
 その足元に魔方陣が展開された
「窮地に立ってるのは今度は貴女だと思うんだけど?」
崖はティアナのすぐ後ろまで『前進していた』深い夜の森が眼下に広がっている


ノーヴェは拳を握り締めた
「やっぱり引いてはくれないのね…」
「…たりめーだ」
もうすぐあたしの任務は終わりなんだけどなぁ…ティアナはふっと夜空を見上げた

 こいつで終わりにしてやる、ギリ…ノーヴェは奥歯を噛んだ
ノーヴェの全身からパワーが漲っていた、ジェットエッジが唸りを上げ
 ガンナックルをギリギリと握りこんだ

「クロスファイアーMAXパワー…」
ティアナが呟く、そのデバイスが光を収束していく

 ノーヴェの唇がやっと僅かに笑った
(ふん…面白い…ようやく正面から真っ向勝負か、あたしのジャケットの能力…はまだ解ってないようだな…
 そしてあたしの突破力…いける…恐らくは問題無い…勝てる…だが…奴のこと…)

ノーヴェは手の中に小石を握りこんでいた、詰めが肝心だ、捕食者はは機会を慎重に伺う

その時ティアナの後ろ足が僅かに崖を踏み外し、踵からバランスを崩した、かのように見えた

(期!)
「はぁああああああ!!」
瞬間、ノーヴェは地面を蹴ると同時に手中の石を体勢を崩したティアナの顔面に向かって親指で弾き出していた
「!」
首を振ってティアナはとっさにそれを避けた、ノーヴェは確信した、つまり目前に障害物は『何も無い』
「もらったあ!…ライド・インパルス!」

次の瞬間ティアナの至近に快心の笑みを浮べたノーヴェの顔があった
白く歯を剥く
その右手が破壊力の開放のため振り上げられていた




542 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/13(日) 07:43:52 ID:IhFvdsnl
同刻

 書斎の整理をしていた小フェイトはママの化粧台の前で『練習』に余念が無かった
フンフンフン…♪

 くるくると口紅を出してみてはそろそろと口先につけてみる
(最強魔法少女は…美への努力も惜しまないのよね、うーんあたしってば…)

フェイトにとってティアナはアリシアと共に常に理想とする女性像だった
…エリートで美人でその上、執務官でもかなり優秀なトップグループに位置する…
友達に対しても自慢できるママは…フェイトの理想だった、だから、そのママのする事は
積極的にマネ…じゃなくて自習

「あ」
 手が当たって、積んであったママのノートを崩してしまった
慌ててイスから飛び降りて、びっしりと何事か書き込まれたノートを拾い集める
 内容はフェイトには難しくてよく解らなかったが

それはティアナの戦術についてのアイデアを書き記したものだった
 夜遅くまでパパとママはよく話し合い勉強をしていた、小さな頃からフェイトは日常的にそんな光景を見ていた
努力家のママ…強くてもその上、努力を怠らない姿が真にカッコイイ…のよ、と思ってきた
後年、この努力する天才少女は管理局の怪物王女と、そのお供と共に呼ばれる事になる

拾い集めるうちフェイトは一冊の小冊子を手に取った、そのタイトルをフェイトは読み上げた
    ?
「…ぱんとまいむ…?」
  裏返して見る
小首を傾げる、パントマイムって…あれ…?
 TVで観た事のあるフェイトはおどけた仕草でパントマイムするママの姿を想像した
「…………」
ブンブンと首を振った
コミカルな動作が、綺麗でエリートなママのイメージとどうしても重ならなかった
何か別の仕事の資料なんだろう
フェイトはそう思ってトントンとノートを揃えた








「………ッ」
パラパラと木片が落ちてくる、ノーヴェは遥か上空を見ていた
小さく影が見える、ティアナだ
コツコツと宙を歩いて、暗い森を見下ろしていた

ティアナの足の下には『何も無かった』ティアナは『空中を歩いていた』

「…執務官―なのよねー、…一応、飛べないなんて一言も言ってないわよ?」

 ティアナのトラップは2重仕込みだった

 広大な空中に幻想の崖を作り出し2分割した、その上であえて最初の崖だけを消して見せた
続いて残る幻影、その幻の存在を実在だとノーヴェに印象付けるため
 そこに確かに地面がある事を錯覚させるために『しっかりと歩いて見せた』

最後に最大攻撃手段を用意して見せ、僅かに残るノーヴェの注意を引き、不信を完全に払拭する…

543 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/13(日) 07:45:39 ID:IhFvdsnl
(苦労してるのよね、これでも)

 手品師は見せたいものを観客に見せ、見せたくないものをさりげなく隠す
ティアナは一流のトリックスターだった

その時呟くティアナの半面が眩しい光に照らされた
「ん?」
(あっちも終ったみたいね)
地上から光の柱が立っているように見える、あれは…エリオの広域攻撃魔法…

ピッ
ティアナは通信を繋いだ
「…こちら執務官ティアナ・ランスター、陽動任務終了、帰等します……ご苦労さまクロスミラージュ」
その言葉に信頼するデバイスは主に敬意で応えた








折れた枝の間から、飛び去って行く白いマントを眺めていた
ノーヴェは傍らの幹をドンと蹴った

「くそっ…」









幻影の射手F

エピローグ


 夜空を低音で特機の輸送ヘリが駆けていく、夜間仕様のその姿は闇夜のカラスのようだ

(…結局のところ…避けては通れない運命なのだな…)

 後部ハッチが開いていた、そこにチンクはいた
後方に保護した人達、その前に緊張した面持ちのアリシアの姿もあった

 チラリとアリシアの方を見た、それから独眼の少女は後方に向き直り夜を見通した
半ステルスにもかかわらず追っ手はきていた
ガジェット2型の編隊が見える、『あの頃』よりより良くシャープに洗練された新型
(…50というところか、…あれが今や『敵』か……私は一体…何をしているんだろうな…)


 片膝をついたチンクの手のひらから次々と切片のようなものが
ヘリの外に次々と吸い出されていた、キラキラと光るそれらは、あたかも夜空に雪が舞うかのように
夜の闇の中、ガジェットの群れを包み込んでいった
「IS・ランブルデトネイター…」




544 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/13(日) 07:47:11 ID:IhFvdsnl
「チャフ…?」
 画面の一つが少しずつ白くなっていく
(何を?…)
 不可解な行動だった、目晦ましにしては中途半端過ぎる…

ガジェットには複数の視認可能な高性能カメラアイが搭載されている
操作も遠隔と自動の2系統が存在する、この世界では常識だ
(レーダーしかない旧世界ではあるまいし…)

そう思ったウーノの目の前で画面が輝き、傷跡のある彼女の半面を照らした
「……!?」
 小さな爆発光が続々と連なり50機のガジェットは翼を折り、尾翼を飛ばされ、落ちていった
画面が閉じる前、去っていくヘリの後部に懐かしい妹の顔が見えた

「チンク…」
ウーノは呻いた
 くっくっくっく
後方から男の低く笑う声が聞こえてきた、素晴らしい…素晴らしいじゃないか…

『くっく…素晴らしいじゃないかね…まさにハードではなくソフト面で独自の進化を遂げている…
 特機とやらに使わせて…経験地を積ませるのも、そう無駄でもなかった…そうは思わないかねウーノ?』
ウーノは無言で振り向いて見つめた、彼女が唯一生涯の忠誠を捧げる対象を

「チンクは…私が直接呼びかければ…戻ってきてくれます……必ず、です…」
 ウーノの声に上の空で頷いて画面の中の男は続けた
『ああ…そうだね、全体的な出力はさほど上がってはいないようだ…しかもあの小さな破片程度の爆発力
 …だがしかし、たしかに航空機の薄い装甲なら…あの程度の爆発で十分だろうね、よく考えたものだ…』

「…ドクター」
『…くっく…ナンバーズ同士が相打つ、時を経て別の形で進化を遂げた者同士がね、それもまた面白い…』

「…ドクター、チンクは必ず…」
 ドクターと呼ばれた男は思考するのを止めた、初めて気がついたようにウーノに向き直った
『…ああ解っている、解っているとも、仮定さ…ただの仮定…
 …そう、最悪の場合の話さ…決まってるだろう?…チンクは私の可愛い娘でもある知ってるだろ?ウーノ』
「………」

 ウーノは再び画面に視線を投じた
 一つだけ生きている画面の中、ヘリのハッチが閉まっていく、チンクの姿が小さく遠ざかっていった
「チンク…」
ウーノは再びそう言ったきり沈黙した


 画面の中の男、かつてJS事件において『ドクター・スカリエッティ』と呼ばれた男は
かつての白衣、そのままの姿で邪悪な笑みを浮べていた

『時が経ち季節は巡る…そして<祭り>はまた始まる、そうだろう
                                  …我が娘達よ、…祭りの季節がやってきたのだ…』




545 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/13(日) 07:51:04 ID:IhFvdsnl




くつくつと鍋の鳴る音がする

「おかえり」
「ただいま」
「おそかったね」
「うん、途中でお肉買ってきたの」

 バタン、ティアナは後ろ手にキッチンのドアを閉じた、コートを椅子にかけた
フェイトはもう寝てしまったのかな、あぁ…やっぱり家はいいな、暖かな空気、そして…

 ティアナは後ろ手にその背中を見つめた
(エリオの大きな背中…)
いつの間にこんなに大きくなったのだろう、出会ったその日彼は小さな少年だったのに
人差し指を唇にそっと当てる

 えっと…こんな時、こんな時…わたしはどうしよう?
ティアナは少し考えた、習慣により目の前に理想のあたしが現れた

 理想のわたしは、でも、こちらを振り向いて、そして静かに微笑んで消えた

パチパチと目を瞬かせ、そして苦笑するように、ティアナはそっと目を閉じた

(あはは…そうね、ここから先にお手本は必要ないもの)
クスリと苦笑して、エリオの背中にぎゅっと抱きついた

「っと…」
 エリオはシチューを回す手を止めた、クンクン…うん、いい香がする、エリオは料理も上手だ
 でもいい匂いなのは彼も同じだ
火を止めてエリオは向き直った、その大きな手がティアナの肩を抱いた、暖かい
引き寄せられ抱きしめられた

「ぁ…」
 ティアナは少し息を詰まらせた、幸せだった
ゆっくりと深呼吸する、時が静かに流れる、優しい時間、エリオが耳元でそっと語りかけてきた

「あ、そうだ…ね、ティアナ…そろそろ君の言う…幻影の射手…最強の君の姿にはとどいたのかい?」
「…ん」
少し考えてティアナは微笑んだ
「あは……そうね…そう…ええ…」

とどけたわ

 ティアナはひょいと背伸びをした、エリオは少しだけ驚き、やがて二人は静かに唇を重ねた


ティアナはエリオの胸の中で思った



(こうして貴方の胸で、…わたしは貴方のパートナーなんだって…ちゃんと胸を張れるわたしになれたのだから…)

机の上で待機状態のクロスミラージュが暖炉の鈍い光を反射していた



幻影の射手  end

546 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 07:52:25 ID:NI8OFY+/
少し楽しみかも

Bleach、ラガン、デモン等パクリが多いのが残念

547 名前:y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA:2008/01/13(日) 08:03:47 ID:IhFvdsnl
これにてティアナの話は終了です
ティアナの執務官の話は戦闘全然しない推理ミステリーみたいなのにしようか迷いましたが
結局こっちに、対戦相手も当初はノーヴェじゃなくてクアットロと騙しあいとかでしたが
ティアナを鮮やかに勝たせるには突っ込んでくれる猛牛タイプの彼女の方が解りやすかったのでこうなりました

さてこの話で何がしたかったのかと言うと『ティアナは実は強いんだ』という事で
これは本編放送時の時から思ってましたが、大体の事は書けたかなぁ?
他の漫画でも幻影を操れる者は最強クラスが多いですからね…ヒソカとか、ちょっと変則的ながらアカギとかもそうじゃないでしょうか
シグルイで闘いの途中に刀身の長さを5cmでも操作できたらもはや魔剣の部類でしょう全員死んでますね
セイバーの剣とかは最初から見えませんが任意に対物の見せ方を操作できるティアナの能力は…(切りが無いのでこのへんで

パラダイムシフトとかは本当は天動説、地動説の方が一般的なのかもしれませんが
今回のは自己啓発的な心理方面でのパラダイムシフトです、出典バラしてしまうとコヴィーの著作の小エピソードのパクリです
お手本の人物を…はこれもその方面ではよくある話ですね、はやてが読書家という設定は非常に便利な人で助かります
意識改革すれば…少々性格が悪くなればティアナ最強!
長々と失礼しました

ではまた

548 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 09:29:39 ID:RrqruVdp
ターンA氏GJ!!
あなたは何と言うティアナを書いてくれたんだ。惚れ直してしまったじゃないかw
最後のエリオとのラブラブもGJ!
スカさんも何かたくらんでいるみたいだ。今後も気になる。


549 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 09:52:37 ID:+HY6n19c
>>517
途中までは面白かったよ。スバル(&ユーノ)VSなのはさんとかマジで見てみたいしw
ただ全体的にダラダラしすぎ。予告っていうより総集編になってる。

>>547
これは実に良いティアナw

550 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 10:10:30 ID:OXGeuz5g
遂に完結ですか。お疲れ様です。
非常に読み応えがありました。
確かに幻術魔法は完全に使いこなせればこれほど強力なものはありませんね。
今回の場合「そこに地面がある」という最低限の前提条件すら覆せるわけですから。


551 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 11:20:04 ID:HPWMehmK
>517
『下がる高町なのは』『カニアーマーなのは』『ハッタリなのは』
これらを忘れている。
>547
乙。実に読みごたえがありました。

552 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 12:35:10 ID:kSjq9K3I
>>551
>『下がる高町なのは』『カニアーマーなのは』『ハッタリなのは』
アルティメット高町なのはがラスボス乗っ取って、
シャアの無駄遣いと申すか

553 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 13:00:46 ID:AYn6imy2
お姉さんなエイミィさんがDTクロノキュンを喰っちまうSSが読みたいぜ・・・・・・。

自分で一本書いてみようかな。久々に

554 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 13:27:16 ID:hkf7OKOg
DVクロノに見えてしまった。
それで嫌気が差したエイミィさんがユーノ辺りと浮気して修羅場になるのか

555 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 14:03:54 ID:ypAz70KC
>>547

GJ! ティアナかっちょいい。
ターンA氏すげぇ。

556 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 16:20:59 ID:aMRRU0fm
>>551
どこのクレバーだよww

557 名前:ザ・シガー:2008/01/13(日) 16:24:43 ID:k2kGeHT1
そう言えばレティさんのエロって無いっすよね? もし書いたら需要ってあんのかな?

なんかあのメガネを見てたら無性にかけてやりたくなったんですが。

558 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 16:28:32 ID:AYn6imy2
>>557
バーロー、んな需要

あるに決まってるさ。というか、どこまであんた最高なんだ。

559 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 16:29:54 ID:YmtZs2zY
>557
是が非でも。提督のメガネはぶっかけられるためにあると思っている。
もちろんグリ(ry

560 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 16:33:04 ID:AYn6imy2
>>559
一瞬グリフィス『にも』ぶっかけるのかとおもったじゃないか。

ぶっかけるのはヴァイスかクロノか淫獣か。
想像してしまった人サーセンwwww

561 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 16:33:11 ID:RcSP5VzO
>>557
少し前の需要の話題を見る限り、どこにどんな球を投げても誰かがキャッチしてくれる
きっとここはそんな場所だと思う・・・w


562 名前:ザ・シガー:2008/01/13(日) 16:40:23 ID:k2kGeHT1
>>560 問題はそこなんですよね、ちんこ要員をどうやって確保するのかがエロパロの難しいとこなんですよ。

旦那が具体的に判明してないから夫婦の夜の情事って訳にもいかないし、こうなったらストーリー抜きの陵辱蹂躙輪姦ショーとか?
まあ困ったら濡れ場の為だけにオリキャラ投入って裏技もありますが。


563 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 16:41:47 ID:YmtZs2zY
>560
うん。グリフィスにもぶっ掛ける。親子丼ですよグヘヘヘヘ

>562
名無しのモブキャラどもにリンカーンさせれば無問題かと。

564 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 16:45:19 ID:HPWMehmK
>556-557
レティ提督にぶっかけられる柊蓮司、でゴザルか。

【他人に感染してないで、ハッタリ仕事しろ】

565 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 16:48:00 ID:ojrUxTrb
>>562
あれだレティ×リンディ
百合厨ですまん

566 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 16:48:42 ID:AYn6imy2
いっそ、クロノとユーノを呼び出して3Pでもよくね?
もちそれぞれAs終了直後くらいのDT時のを呼び出して喰うってパターンで>レティ提督

567 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 16:50:20 ID:OsQxIZTK
リンディ×エリオという全く新しい親子丼を…

568 名前:ザ・シガー:2008/01/13(日) 16:51:50 ID:k2kGeHT1
>>566 それだ!!!

569 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 16:52:13 ID:jT946zLs
…レティママンにぶっかけるグリフィス(ボソッ

570 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 16:53:45 ID:dIsVWJVO
キャラが立ってるから要員としては原作キャラが正直邪魔な時があるんだよなあ

571 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 16:54:22 ID:HPWMehmK
>565
逆のカップリングがどうにも想像出来ない、王道カップルだよな。

……うん、なんて、夏☆しちゃってるボーイなんだ、ハッタリは。

【わかって下さい、そして笑って下さい】

572 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 17:01:09 ID:AYn6imy2
>>571
リンディ×レティさんの場合、柔和な笑みを浮かべたドSリンディさんに
身も心も調教されきってるレティさんしか妄想できないんだが。

573 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 17:01:16 ID:aW/0VWPm
>>570
お手軽な短篇で済まそうって時はな。
突っ込んでガチ恋愛とかやろうって時には色々ソースになって便利なんだけど。

574 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 17:38:25 ID:BYRvWZ10
みんなが年齢を重ねた妙齢の女性陣が好きながよくわかる流れだ
あれ? シャマルが話題に出てない……

575 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 17:40:34 ID:RcSP5VzO
>>574
シャマルさんは妙齢とは言わん
推定年齢ウン百歳はいってるし

576 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 17:40:35 ID:Q6kEiJ0k
シャマルの見た目は22なんだぜ?
今となってはエイミィよりも下だったりするんだが…

577 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 17:41:33 ID:YmtZs2zY
>565
熟女同士の濃厚エロスな百合もいいなぁ。

>574
捨○先生は一応外見年齢が22歳という設定だからじゃない?
まぁ、リンディママンやプレシアママン、レティ提督もぜんぜん実年齢どおりには見えないが。

578 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 17:52:31 ID:AYn6imy2
そういや何ヶ月か前にユノシャマネタがあったが
それを覚えてるくらいに少ないよなぁ、シャマネタ

579 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 18:02:55 ID:SlY6DF3y
kwsk

580 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 18:05:14 ID:OXGeuz5g
>>578
正直シャマルの場合どうしても「保健室の先生」系のネタしか思い浮かばないんだよなぁ…

581 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 18:09:23 ID:AYn6imy2
ぶっちゃけ淫獣厨の俺の色眼鏡をかけて見れば淫獣と絡ませるのはラクなんだよな
シャマルも淫獣もどっちもサポート系だし、参謀色もあるから二人で談話して〜とか
そっからお姉さんが教えてあげるな展開ならいけるんだが。
で、実は猛獣な淫獣に逆に食われるというのもパターンだ。

582 名前:CRR:2008/01/13(日) 18:21:56 ID:uifuTh9W
ども。珍しく夕方の投下行きます。

・グリフィス×ルキノ実験作品
・スクランブルシャマルさんシリーズ
・エロ(ただしライトめ)

ではドゾー

なお、NanohaWikiのグリフィス:17歳・ルキノ:16歳説を採用しました。

583 名前:CRR:2008/01/13(日) 18:25:44 ID:uifuTh9W
「ふぅ……平和ねぇ……」 

機動六課、医務室。 
部屋の主であるシャマルは、優雅な昼下がりを過ごしていた。 
デスクの上にはポットに入った紅茶と、ちょっとしたお茶菓子を完備。 
今日こそは何も無い、はずだった……

「……シャマル先生」

「なんてこったい」

医務室のドアを開けて入ってきたのは、シャマルの同僚、ロングアーチのスタッフ。

「ルキノ……どこか具合が悪いの?」

「いえっ、その、あの……具合が悪いってわけじゃないんですが」

とにかくイスを出し、ルキノに座るように促すシャマル。
自分もデスクチェアに掛けなおし、相談相手と正対した。

「……あの、ちょっと相談に乗ってもらっても、いいですか……?」

【ルキノ・リリエの症状:あがり症】






緊急出動!スクランブルシャマルさん3







584 名前:CRR:2008/01/13(日) 18:29:14 ID:uifuTh9W
「……で、この前デートの帰りに……」

(……また地雷踏んじゃったわ)

ルキノの相談内容とは、ルキノの交際相手であるグリフィスとの事であった。
あまり知られていないが、J・S事件が終わり落ち着いたころから付き合いだしていた新米カップルである。

「……で、ロウラン提督がどうしてもと言うもので、そのまま三人で夕食とか……」

しかももう親御さん・レティへの挨拶を偶発的ながら済ませたらしく、もはや公認。
しかし、それほど順風満帆な交際でも、ルキノには悩みがあった。

「……で、悩みって」

「……確かに今も十分満足してるんですけど、その……もう一歩、進んでみたいなぁって」

いつもはスバルやアルトに比べると大分大人な雰囲気を醸し出しているルキノ。
しかし、今回ばかりは頬を染め俯きながら、歳相応な初々しい反応を見せる。

「……キス?」

シャマルの問いかけに、ルキノがフルフルと首を振る。

「……お触り?」

次の質問にも同じく。

「……なるほどね」

シャマルが察し、それだけ言い放つと、ルキノの顔が茹蛸のようになる。
要するに……セックスだ!
もじもじしたまま、ルキノが続ける。

「でも、あと一歩で勇気が出なくて……やらしい娘だとか思われたらどうしようとか考えちゃって」

それだけ言うと、ルキノは黙ってしまう。
今、ルキノはグリフィスに告白した時に匹敵、いやそれをも上回るプレッシャーに襲われているのだ。

「……………」

ルキノが沈黙を続ける間、シャマルはデスクの引き出しを開け、『何か』を取り出した。

「……誰にも秘密よ」

取り出した瓶から、シャマルが白いカプセルを一個取り出し、小さいビニール袋に入れる。
その薬を、悩むルキノへと手渡した。

「え、これは……?」

「『自分に素直になれる薬』……とだけ言っておきましょうか」

シャマルがチェアから立ち上がり、ルキノへ向かって釘を刺す。
『これはあくまでもお守り』という意図を言葉の中に込める。

「どうしてもダメな時だけ使いなさい。本当はこんな物に頼らずに切り開くのが一番いいんだから」

「……はい」

そこまで言うと、シャマルはルキノを見てにっこりと笑い、言った。

585 名前:CRR:2008/01/13(日) 18:31:42 ID:uifuTh9W
「私はいつも恋する乙女の味方よ。何か心配事があったらまた来なさい」

「……はいっ!!ありがとうございます!!」






六課の中のあまり使わない応接室。
大きな事件が無いので、最近は残業もほとんど無く、夕方は静かだ。

「ルキノ、今日はまたどうしたの?わざわざ」

「……えっ!?いや、あの、その、っ最近あんまり二人っきりで会ってなかったかなーと思って!!」

大きなソファに座るグリフィス。
ルキノに呼び出されるのは実は珍しい事で、自分が何かしたのだろうかと内心ドキドキしていた。

「……そうだね。ちょっと僕の仕事が残ってたから」

「うん……あ、はいコーヒー」

「ありがとう」

カップのコーヒーをグリフィスに渡したルキノが、グリフィスの隣にちょこんと座る。

「……………」

ルキノが、なんとなく制服のポケットを探る。
あまり好ましくないのかもしれないが、シャマルから貰ったカプセルが裸のまま突っ込まれていた。
無意識に取り出したカプセルはしっかりグリフィスに見られていたらしく、質問を受ける。

「何?それ」

自分でも何故取り出したか思い出せない。
とにかく隠さなくては、と思い混乱したルキノは、何とそのカプセルを飲み込んでしまった。

「!?!?!?!?!?」

ごくんと喉を鳴らし、カプセルがルキノの体内に入っていった。

「あ……」

「え、あ、その……ごめん」

ルキノの体がじわじわと熱くなっていく。これがシャマルの薬の効果なのだろうか。
うっすらと汗が滲み、体がムズムズしてくる。

「……ルキノ?」

グリフィスがそんなルキノの異変に気付き、言葉をかけてくる。
―――――シャマルは、これは『自分に素直になれる薬』だと言った。
ならば、自分に素直になろう。

「……グリフィス君。私の事、好き?」

「何言ってるn」

「いいから」

586 名前:CRR:2008/01/13(日) 18:34:12 ID:uifuTh9W
「……好きだとも。もちろん」

では、遠慮はいらない。
ルキノが欲するのは、もはやそんな優しい言葉だけではない。
熱くなった体とボーっとした頭で求めるのは、他人の体の温もり。

「ちょ、うわわわわ!!ルキノ!?!?」

「……なら私達、もう一歩……進んでもいいと思うの」

制服の上着を脱ぎ、肩だけ外す。
普段とはギャップのありすぎる、ルキノの艶っぽい瞳、唇。

「……そんな、まだ僕等には」

まだ早い、と言おうとしたグリフィスの腕を、ルキノが掴む。
何かを訴えるようなルキノの目を見ていると、グリフィスの本能が理性を押しのけ始める。
決心したグリフィスが、ルキノの肩を優しく掴んだ。

「……ルキノ」

「……グリフィス君」

見つめ合ったまま、しばらく時間が過ぎる。
やがて、どちらともなく唇を重ねた。

「ん……」

「あ……」

グリフィスがゆっくりとルキノをソファの上に押し倒す。
ぎこちない動きで、ルキノの纏うシャツのボタンを一個一個外していく。
その間も、キスはしたまま。

「んんぅっ……はぁ……あ……」

「あ、や……はぁっ……ん……」

かつて酔っ払ったヴァイスから聞いた知識を記憶の中から必死にサルベージしながら、グリフィスがルキノの体に指を這わせる。
手探りで下着をずらし、そこに隠されていた秘部を触る。

「あ……そこ……」

覚悟していたとは言え、自分の大事な場所を他人に触られ、反射的に体をビクンと振るわせるルキノ。
指を一本だけ入れられ弄られるうちに、水気を帯びた効果音が聞こえてきた。

「ひゃっ……!!は、あ……」

稀に自分でいじるのとは違う、他人の指から与えられる刺激。
モゾモゾと腰を動かしながら、ルキノが悶える。
しばらくすると、ゆっくりとグリフィスがルキノから体を離した。

「……あ、その……」

やはりやりすぎたのか。
開けっ広げすぎてやらしい娘だと思われたのではないか。
そんな考えが頭をよぎり、ルキノは後ろを向いたグリフィスに話しかける。

587 名前:CRR:2008/01/13(日) 18:37:06 ID:uifuTh9W
「ちょっと待ってて」

何かの封を切る音と、ベルトを外す金属音がうす暗くなった応接室を包む。

「……これでよし、と」

音が途切れ、また振り向いたグリフィス。
下半身のはち切れんばかりに膨張したそれに、避妊具が取り付けられていた。

「え、まさか持ち歩いてたの?」

この状況でコンドームが応接室にあるとはまず考えられない。
つまり、グリフィスが常に持ち歩いていたと言う結論になるわけで。

「――っ!!そ、あ、の、ぼ、僕だって……その……男だし……まぁ」

チャンスがあれば一歩踏み出したいと考えていたのは、実はグリフィスも同じ。
ルキノの指摘に顔を赤くしながら、改めてグリフィスがルキノの上に被さる。

「……ありがとう」

「う、これってお礼言われるようなものなのか……?」

間は開いてしまったが、自分の体を気遣ってくれた事がうれしくて、ついルキノの口からそんな言葉が漏れる。
戸惑いながらも、グリフィスは自らの性器を握り、照準を合わせる。

「……行くよ、ルキノ」

「うん……」

濡れたルキノの性器に、ゆっくりと沈めていく。
これほど太い異物が入るのが初めての膣は、当然キツくグリフィスの侵入を拒む。

「っあ、くぅっ……!!」

それに逆らうように、狭い膣内を進み続ける。
何か違和感のある部分を通り抜けると、ルキノが顔を苦しそうにしかめた。

「んっ……痛、っ……っは、あ……」

息を荒げ、深呼吸を繰り返し、破瓜の痛みに耐える。
そんなルキノを、グリフィスは見ている事だけしか出来ない。

「やっぱり、痛い……よね」

ルキノの頬に伝う涙を手で拭いながら、グリフィスがせめての思いでルキノに声をかける。
その声に、顔をしかめたままで必死に笑顔を作り、ルキノが答えた。

「うん。でも……もう少し、味わっていたいな」

二人の腰と腰が完全に密着する。
結合部からは、純潔の証が一筋伝う。

「せっかくグリフィス君と一つになれたんだから」

「ルキノ……」

見つめ合った二人は、またキスを交わす。
もう後には戻れない、大切な一歩を踏み出した二人。
初めて感じる異性の温もりを、ゆっくりと時間をかけて味わった。

588 名前:CRR:2008/01/13(日) 18:46:47 ID:uifuTh9W
二人を阻むものは、もはや何もない。





「……うふふ、あの二人うまくいってるかしら」

ザフィーラの腰の上で腰を振りながら、シャマルがくすっと笑った。

「シャマル、本当にそんな薬を渡したのか?」

「あら、聞いてたの?バカねぇ、あれはただのダイエット用サプリメントよ。物は言いよう♪」

そう。脂肪燃焼用の成分がルキノを錯覚させたのだ。
『自分の体が興奮している』と。

「……なんという」

「伊達にヴォルケンリッターの参謀、してませんから♪」

すでに1ラウンド終え、精が放たれた膣内で、ザフィーラのモノが動く。
ニコッとしていたシャマルも、段々と余裕がなくなっていく。
シャマルが体を反らせ、ザフィーラの上で本日三度目の絶頂を迎えたその瞬間……

「………っっぁぁぁあああああああ!!ザフィーラあぁぁぁぁぁぁぁあぁあ!!」

……はやてが部屋に入ってきた。

「主!?!?」

「はやてちゃん!?どうしたの!?」

「遂に部下にまで裏切られたあぁぁぁっ!!もう私は死ぬまで一人処女なんやあぁぁぁぁっ!!」

どうやら偶然ルキノとグリフィスの逢瀬を見てしまったらしい。
なかなかフラグの立たない彼女が、狂乱して自らの守護騎士にずずいっと歩み寄る。

「ザフィーラっ!!夜天の主として命ずるっ!!私の処女貰ってぇな!!」

「な……っ!?主、落ち着いてください!!」

ザフィーラの静止など耳に入らない。
ポイッとストッキングとパンツを脱ぎ捨てると、ベッドの上に乱入した。

「シャマル邪魔や!!ザフィーラのちんこから離れぇやぁ!!」

「はやてちゃん!?ちょっと、落ち着いて!!はやてちゃん!!」

「うわあああぁぁ!!カップルなんて皆死んでまえばええんやぁぁぁ!!」





―――――応接室で幸せそうに眠るグリフィスとルキノとか、
不本意ながら結局処女を守ってしまったはやてとか、いろいろあるけどそれはまた別の話。

おわり。

589 名前:CRR:2008/01/13(日) 18:49:51 ID:uifuTh9W
以上。酸いも甘いも知ったヴァイス×いい様に弄ばれる真面目なティアナもいいけど
こんな真面目カップルの初々しいエッチもいいと思うんだ。
でも文章構成能力が妄想について来ないぜ!エロはやっぱり日々修行です。

そして今回もオチ担当の八神家。
では、またお会いしましょう。

590 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 19:19:15 ID:JmkNSzau
>>358
今更だけどこれはあれか?ルールーに性的に苛められるヴァイスか?
美幼女に性的な悪戯をされるっていうのも中々良いかも

591 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 19:23:25 ID:r7pmga+N
GJ!このシャマルシリーズは大好きです!

592 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 19:26:06 ID:NVOyfp/5
CRR氏キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

あいかわらずエロくてGJw
そして吹けるwww

593 名前:39-528:2008/01/13(日) 20:10:11 ID:X/C0pbPI
皆様
お久しぶりです。

>>547
遅くなりましたが、エリオ隊長(?)シリーズのティアナ編完結、ご苦労様&GJでした。

私が数年ぶりにSSを書くようになったきっかけの一つは、ターンA様のこのエリオ
隊長シリーズを読んで感動したからでした。
まだまだストーリーはクライマックスへ盛り上がっていくようですので、楽しみに
続きを待っております。


>>592
CRR様、シャマルさんの参謀(?)ぶり&はやての不幸ぶり、いつもながらお見事です、


>> 26-111様
保管庫の保管作業、本当にご苦労様です。

拙作の「History repeats itself」もEpilogueまで掲載されていまして、嬉しいような
恥ずかしいような、でも掲載していただきまして本当にありがとうございます。


あと、誤字とかがありましたので修正をお願いいたしたいのですが、よろしいでしょうか。

1) -Chapter-C 164行目
誤) 誰一人避難したり咎めたりということはなく、当然ともいえる感じで2人に
正) 誰一人非難したり咎めたりということはなく、当然ともいえる感じで2人に

2) -Chapter-D 52行目
誤) の巨人の残骸のうち、原形をとどめずに破壊されている何体かは説断面の乾燥
正) の巨人の残骸のうち、原形をとどめずに破壊されている何体かは切断面の乾燥

3) -Epilogue- 356行目
誤) 両足のギアリングが唸りを上げて回転を上げていく。
正) 両足のブレイクスピナーが唸りを上げて回転数を上げていく。


それと誤字ではないのですが、表現とか字句を追加して欲しいのもあるのですが、大丈夫
でしょうか。

a) -Chapter-D 382行目
 そして、再びスバルと少年の2人。
 ->そして、その少し前……再びスバルと少年の2人。

b) -Chapter-D 52行目
 内部骨格フレームや人工筋肉の断面が、そこにあった。
 ->内部骨格フレームや神経ケーブル、人工筋肉の断面が、そこにあった。

c) -Epilogue- の324行目、
 今回の出動は……対クリーチャー新部隊発足後の、最初の任務であった。
の前(上)に、
 新暦81年、12月28日。
を一行追加


あと、擬音(ドスン等)のカギ括弧(「」)も、できれば外して欲しかったりするのですが、どうで
しょうか。
もしOKでしたら、場所を確認してお教えいたしますので、よろしくお願いいたします。m(_ _)m


594 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 20:40:31 ID:SfWUu9ri
SS書くためのネタ探しで軍事板をてけとーに覗いていたら、見覚えのある台詞みつけて吹いたw

軍オタが好きな名言、名ゼリフ Take2
http://hobby10.2ch.net/test/read.cgi/army/1187852980/261


595 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 20:42:26 ID:qS/QKNSE
>>594
頭冷やそうかの方も名台詞に感じたりするのかなあ…

596 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 20:46:02 ID:bF8A2ls/
ハラオウン兄妹の人と騎士よ眠れの人の新作マダー?

597 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 20:50:40 ID:0jrEhQlR
>>589
GJ!!シャマル先生ktkr
相変わらずの面白さw

598 名前:サイヒ:2008/01/13(日) 22:22:14 ID:PED2Ghzr
ザフィーラ×アルフのエロをいかせてもらいます。
でも俺は獣姦書けないから、普通のエロです。ロリも相手がショタでないとどうにも。
冬コミ温泉シート男湯編もあり。

そして当然のようにクロフェ時空の話。
というか、三割ぐらいはクロフェ。

599 名前:湯煙双景:2008/01/13(日) 22:23:28 ID:PED2Ghzr
 JS事件が完全に終息してしばらく後。ようやく社会情勢も落ち着いたところで、事件解決最大の功労者
である機動六課全体に褒賞として三日間の休暇が通達された。
 なら慰安旅行にでも行こうと部隊長が言い出し、さらに偶然休暇の時期が重なった部外関係者や個人的
係わり合いを持つ者まで来ることになり、かくして非常に大所帯の温泉旅行と相成った。



        湯煙双煙



 温泉に入るのは久しぶりだった。母の親友が風呂好きなので、お勧めの温泉宿とやらに何度か旅行した
ことはあるが、ここ数年は士官学校やら管理局勤めやらでご無沙汰になっていた。
 グリフィスに長湯の習慣はないが、じっと湯に身体を浸していると乳酸が溶け落ちていくような気分を
覚えるのは心地よい。
 普段は隊内の細々とした所まで目を光らせているグリフィスだが、今は緊張感をすっかり抜いて湯の温
かさを堪能することに専心する。
(しかし改めてみると、壮々たる面子だな)
 湯壷に並んでいる面子を見渡せば、無限書庫司書長、艦隊提督、陸士隊隊長に査察官。
 しかもユーノやクロノは、管理局の出世記録を塗り替えた超のつく優秀な面子である。
 一人年かさのゲンヤも、年季にかけては一番なのでどっしりとした重厚さを感じさせる。
 この中でグリフィスより階級が下なのは、ごきげんに鼻歌を口ずさんでいるヴァイスだけである。もっ
とも、こういう場所で無意味に階級を振りかざす人々でもないが。
 彼らはプライヴェートでどんな話をするのか、少し気になった。一番手近にいるユーノとクロノに注目
してみる。
 この二人の関係について管理局内の噂は混沌としている。顔を遭わせた瞬間にクロスカウンターを打ち
込むほど仲が悪いという説から、恋人を作ったのは偽装であり男同士禁断の関係にあるというものまで実
に色々。ちなみに後者の噂には、必ず教導官と執務官レズ疑惑がくっついてくる。
 グリフィスの周囲にいる二人の関係者からは、ああ見えてちゃんと親友同士だと聞いている。
 持ち込んだ猪口に手酌で酒を注ぎつつ小声で会話している二人の顔はしごく真面目で、なにか仕事絡み
の重要な話題でもしていうのかもしれない。その時はすぐに聞くのをやめようと思いながら、グリフィス
はそっと耳をそばだてた。

600 名前:湯煙双景:2008/01/13(日) 22:25:02 ID:PED2Ghzr
「さすがにそれだけ無駄に年を重ねると、フェレットに戻って女湯を覗きにいかない程度の分別はつくよ
うになったらしいな」
「そっちこそ、いつもいつもフェイトと風呂に入っているそうじゃないか。この淫行提督」
「合意の上だ」
「強姦魔はみんなそう言うね。どうせ風呂の中でも口に出せないことをやってるんだろ」
「ふん、自分のことを棚に上げるな。ヴィヴィオが言っていたぞ。パパとママが一緒に入る時は、自分は
お風呂に入れてもらえない、と」
「湯船が狭くて三人入れないからだよ。その程度のことも推理出来ないなんて若年性痴呆症だね。大人し
く引退して、縁側で茶でも啜って余生を暮らせば?」
「どっちにしろ、一緒に入っているのは事実だろう。人間は過去の実績から現在の評価が下されるものだ。
九歳の時から覗きをやっていたフェレットもどきが、おとなしく混浴しただけですませていると誰が思う
ものか」
「だったら義妹に手を出した男は、そのうち義理の娘にも手を出しかねないね。キャロの半径五百メート
ル以内に近づくなよ。念のため、エリオからも隔離しておいた方がいいか」
「……少し二人きりで話し合いたいことがあるから、風呂を出たら裏の林に来い。遺書を書いてからな」
「やだね。すっぽかしてやるから、朝まで馬鹿正直に待って凍死しなよ」
 アダルトな子供の喧嘩をしている二人から、グリフィスはそっと目を逸らした。
 酒だ。きっとユーノもクロノも酒に弱いのだ。でなければ、管理局若手の憧れの星である二人がこんな
低レベルな会話をするはずがない。
 司書長と提督への尊敬度を五ぐらい下げつつ、今度は隊長と査察官に近づいてみるグリフィス。
 こちらも湯に盆を浮かべて酒盛りをしているが、あちらと違って二人とも和やかな雰囲気である。
「さっきからはやてのことばかり訊いてきますけど、どうしてですか?」
「こんだけ年が離れてると、好みとか趣味とかそういうところでのすれ違いがけっこうあるんだよ。だか
ら俺以外の目線で見た八神のことも知って、参考にしたくてな」
「はやてはそういうの気にする女の子じゃありませんよ」
「そりゃ分かってるが、女のこと理解してやるのは男の義務だ。あいつが気にしないからって、合わせな
くていいってもんじゃない」
「だったらいっそのこと、はやてに直接訊いてみたらどうですか?」
「相手に知られないようにするのは、男の見栄ってもんだろ」
「難しい生き方してますね。まあ、僕もはやてには幸せになってもらいたいんで、およばずながらアドバ
イスはさせてもらいますよ」

601 名前:湯煙双景:2008/01/13(日) 22:26:39 ID:PED2Ghzr
 こっちはこっちで、軽そうに見えて深刻な話題だった。はやてのことは副官としてそれなりに知ってい
るが、いいなと思っている女性はいれどまだ告白もしていないグリフィスが立ち入れる会話ではない。
 大人しくヴァイスとでも話していようと振り向いたグリフィスは、眉をひそめた。
 六課のヘリパイロットはいつのまにか女湯との境にある壁の前に立ち、両手を挙げて虚空で何かを掴ん
だり離したりという珍妙な仕草を繰り返していた。おまけになにやらぶつぶつ呟いている。
「あそこの石はちょい掴みにくいからこっちに行くとして……足はあそことあそこ」
「ヴァイス陸曹、いったいなにを?」
 問いかけても、ヴァイスは壁を見上げたままである。
「……ロッククライミングの競技っていうのは、パズルと同じなんだってな」
「は?」
「ちゃんと手順を考えてから上らないと、絶対に頂上にたどり着けないように出来てるんだよ。ここの壁
はそんな専門的なものじゃないが、いちおう上り道考えておいて損は無いだろ」
「……まさかここ上るつもりですか!?」
 壁はコンクリートの基盤に石を埋め込んだもので、とっかかりは至る所にあるからその気になれば上れ
そうである。
 上ってなにをする気なのかは、さすがのグリフィスでも分かる。
「覗きは立派な犯罪です!」
「固いこと言いなさんなって。ほんのちらっと見るだけだから。なんなら一緒に上るか? ロングアーチ
連中の裸が拝めるぜ?」
「な、なにを言ってるんですかっ!? ルキノの裸なんて別に……!」
「誰もルキノなんて言ってないけどな」
「ぐっ……」
 初歩の誘導尋問に引っかかるグリフィスだが、いざとなれば実力行使で止めようと決意した時、壁の向
こうが急に賑やかになった。
「うーん、相変わらず立派なおっぱいやなぁ。最近大きさだけやなくてまろやかさも出てきたし」
「ちょっとはやて! 揉んじゃだめ!」
「なのはママもおっぱい大きいんだよ」
「ヴィ、ヴィヴィオ!? そんなところ触らないで!」
「大きさならシグナムも負けてないわよ。ほら、こうやって縛れば特に」
「こんなことにクラールヴィントを使うな! 解け!」
「ティア〜、あたしとなのはさんどっちが大きい〜? 触って比べて〜」
「誰ですかこいつに酒飲ませたの! ってなんであたしの揉んでくるのよ!」
「え〜、毎朝揉んでるからいいじゃない〜」
「……あら、やっぱりそんな仲だったの。ちょっと複雑だけど、スバルをよろしくね」
「巨大な誤解です!! ていうかやっぱりってなんですか!? ギンガさんまでそんな目で私達見てたん
ですか!?」
「私もフェイトさんぐらい大きくなれるかな?」
「わ、分からないよ……」
「いっぱい揉まれたら大きくなるって聞いたけど、誰か揉んでくれる人いないかなぁ」
「そういうこと男の子の前で言わないでよキャロ……」
「よっしゃあ! バッテンチビに勝ったぜ!」
「ふ、ふんっ! 大きくなればリィンの勝ちです!」
「……カップは大きくなっても一緒なんだぜリィン」

602 名前:湯煙双景:2008/01/13(日) 22:28:09 ID:PED2Ghzr
 女湯から上がった黄色い声に、各人の反応は様々だった。
 司書長と提督は一瞬虚空を見上げ、なにかを思い出す表情をした。そして我に返ったところで目が合っ
て、犬の糞でも踏んづけたような顔をする。
 陸士隊長は八神のやつしょうがねえなあと嘆息し、査察官は胡散臭さを増した笑顔でハハハと笑った。
 グリフィスはメロン級からマナイタまで各種取り揃えた女性陣の魅力的な裸体を思わず想像しかけ、慌
てて頭をぶんぶん振って妄想を追っ払う。しかし身体は正直なもので、微妙に前屈みになってしまうのは
避けられなかった。
 その僅かな隙に、ヴァイスは楽園へ向けての登攀を開始してしまった。こいつ実はクライマーが本職か
と思うほどの早業で、あっという間に手の届かない位置まで上ってしまう。
「ヴァイス陸曹!!」
 グリフィスは怒鳴るが、そんなもので止まる奴なら最初からしない。
 いよいよその手が壁の上にかかりかけた瞬間だった。
 どこからともなく飛来した緑色の鎖が、ヴァイスの両手両足に絡みついた。
「うぉわっ!?」
 引きずり落とされたヴァイスが地面に激突する寸前、今度は身体中にバインドが巻きついて簀巻きにし
た。最後に一際巨大なバインドが胴にはまり、身動き一つできない状態で空中に固定される。
 バインドミイラになった陸曹を絶対零度の視線で見る者が二人。
「もしも、の話だけど」
 右手の魔力光を消しながら、ユーノがクロノに問いかけた。
「自分の恋人の裸を覗いてる奴を見つけたらどうする?」
「そんなの決まっている」
 カード状のなにかを桶に放り込みながら、クロノは答えた。
「クラウディアの艦首から逆さ吊りにしてやる」
「僕ならこの間見つけた『次元世界残酷死刑百選』の実践かな」
「死なせてやるとは優しいな」
「だったら二ヶ月無限書庫で働かせることにしよう。無給かつ無休で」
「一週間に取れる水分が母さんの茶だけというのはどうだ」
「そうだ。なのはに三日間全力全開で教導してもらおう。これならどれよりもきつい」
「決まりだな」
 うん、と誰にともなく二人は頷き、猪口に残っていた酒を同時に干した。
 まだ喧騒の続く女湯と対照的に静まり返る男湯の中、グリフィスは心の片隅で納得した。
 この人達はやっぱり親友同士なんだ、と。


               ※


 一同が宿泊している温泉宿から直線距離で二キロ離れた山中。そこに、地元でのみ有名な秘湯が存在し
ている。
 広さは件の温泉宿の男湯、女湯を足したよりもまだ広く、湯量も豊富。成分分析によればリウマチに効
き、肌の荒れにも抜群の回復効果をもたらす。
 そこまで素晴らしい温泉ながらガイドブックなどにもいっさい触れられない理由は、ひとえにその立地
条件にあった。

603 名前:湯煙双景:2008/01/13(日) 22:29:56 ID:PED2Ghzr
 なにせ道路どころか登山道も無く、獣道に毛の生えたようなところを迂回につぐ迂回で歩き回すこと四
時間以上とくれば、行こうと思うのは筋金入りの山男か酔狂人ぐらいである。
 かくして秘湯から秘の字が抜けたことは発見以来なく、これからもないだろうと言われている。

 ただしあくまで人間が行こうと思えば難儀するというだけで、森をショートカット出来てさらに飛行す
ら可能な狼にとっては、そこまで難所でないのも事実である。


               ※


「いやー、いい温泉だ!」
 広い湯壷を存分に泳ぎ回っているのはアルフ。犬かきなので水飛沫が派手に上がり、音が山中に木霊し
ている。
「おまけに星がきれい。これで肉があったら言う事ないね!」
「……こういう所に来ても、お前は食欲第一か」
 腕を組んで肩まで浸かり、半眼でザフィーラは呆れた。
「温泉の中で泳ぐな。行儀が悪い」
「ケチケチするなよ。貸切状態なんだから」
 来た時には隅っこに猿やら猪やらがいたが、不意の乱入者に驚いてあらかた逃げてしまった。それでも
なお居座ろうとした根性あるやつもいたが、狼状態のアルフに唸られると退散していった。
「そういう問題ではない。慎みを持てということだ」
 水着どころかバスタオルも持ってきていないので、身体を隠すものは湯気しかない。泳げば胸や尻どこ
ろか、秘められた場所まで丸見えになる。
「別にいいだろ〜。あんたと私の仲なんだし」
 今度は背泳ぎを始めるアルフ。今は魔力節約型の子供形態ではなく成人姿なので、水面に二つの立派な
ものがぷかりと浮かぶ。
「……がさつなところはいつまでたっても直らんな」
 アルフに聞こえないよう小さく嘆息し、ザフィーラは眼を閉じて湯に浸かり直した。全身の力を抜いて、
身体の芯まで湯を染み渡らせる。
 湯温は水を混ぜなくても適温。肌にピリピリとくる硫黄系でもないので、長湯にもってこい。遠くに見
える山並は絶景。本当に、申し分ない温泉である。

604 名前:湯煙双景:2008/01/13(日) 22:31:24 ID:PED2Ghzr
(主には後でもう一度礼を言わねば)
 宿の従業員からここを聞き、アルフと行ってくればいいと勧めてくれたのははやてである。
『だいぶ長いことアルフと会えてへんやろ? 二人っきりでゆっくり温泉入ってき』
 恋人になってから数年経つザフィーラとアルフだが、逢瀬の回数は極端に少ない。ザフィーラははやて
の護衛にシグナム・ヴィータのサポートもしているのであちこち飛び回らねばならず、アルフが手伝って
いる無限書庫も仕事はハードであり、頻繁に会うのはなかなかに難しかった。
 一年前にクロノとフェイトがミッドチルダに住居を移し、アルフもそれについて来たので海鳴にいたこ
ろより距離は短くなった。しかし今度はザフィーラが六課に張りつきっぱなしとなり、ヴィヴィオの世話
まで始めてからは、さらに回数が減った。
 はやてもフェイトもそのことは気にかけており、自分たちに構わず独立した家庭を持ったらどうかと持
ちかけられている。しかし二人は、ありがたく思いながらも断っていた。
 ザフィーラには主を守る騎士としての誓いがあり、アルフはフェイトの帰る場所を守りたいという想い
があった。そのためには、今の環境がちょうどベストなのだ。
 恋人と主人。どちらが大切というのではなく、どちらも大切な二人が選んだ生活がそれだった。
 かといって、なら現状に満足かと言われたらそんなわけでもない。やはりもう少し逢瀬の回数は欲しい
と、ザフィーラは思っている。
(……もうすぐ六課の試用期間も終わる。そうすれば会える機会も増える。その時は、女らしい服でも買っ
てやるか。主かシャマルにも見立ててもらい……)
「……おいこらザフィーラ」
 ポカリと頭を殴られて、ザフィーラは思考を破られた。目を開ければ、不満顔のアルフが仁王立ちして
いた。
「なんだ」
「温泉入ったまま寝るな」
「きちんと起きている」
「目をつぶったまま黙りこくってたら同じようなもんだろ。ひとのこと放っておくのはひどいよ」
 たしかに恋人を無視して温泉を楽しんでいたのは悪かった。ザフィーラは素直に謝罪する。
「すまん。なにか話でもするか」
「しゃべるのもいいけどさ」
 立っていたアルフが、屈んで目線の高さを揃えてきた。
「男と女が裸でいたら、もっと別のやることがあるだろ」
 覗き込んでくる目には小さな情欲の炎があった。アルフの舌が、ちろりと唇を舐める。
 唐突な誘いに、ザフィーラは少し困惑する。
「……宿に戻ってからでもよかろう。主が気を利かせてくれて、私たちは同じ部屋だ」
 当然な意見のつもりだったのだが、アルフが不機嫌そうに眉をひそめる。
「私は、今すぐ、ここでしたいんだ」
「性急だな」
「誰かさんが誘っても全然乗ってくれないからね」
「……あれは誘っていたのか」
「鈍感もほどほどにしなよ」
 あんな色気の無い誘い方をするのはこの世でお前だけだと思ったが、口にはしなかった。すれば言葉で
はなく鉄拳が飛んでくる。

605 名前:湯煙双景:2008/01/13(日) 22:33:00 ID:PED2Ghzr
「外でしたら、きっと燃えるよ。私たち狼だし」
「……そうだな」
 ザフィーラの股間も、至近距離でアルフの裸体を眺め続けて徐々に硬くなりつつある。
 それにここなら、どれだけ声を上げても誰に聞かれるわけでもない。つまりどこまでも激しく出来る。
「するのかしないのか、どっちな……むぐぅ!?」
 言葉を遮り、ザフィーラは激しくアルフを抱き寄せその唇を吸った。
「……まったく、手間がかかるんだから。女に口に出させるのは、恥かかせたことになるんだから」
「重ね重ねすまん」
「謝るぐらいなら、思い切り激しくしてよ」
 蕩けだした声でそう言って、今度はアルフから唇を重ねてきた。



 湯壷の脇。二畳程度の広さがある平たい岩の上。
 そこにザフィーラは仰臥し、身体の上にアルフを乗せてその秘所に舌を這わせていた。
「あぅぅ……そこ、もっと……」
 喘ぎながらアルフもザフィーラの陰茎を握った手を動かしている。湯である程度湿っていた上に大量の
先走りでぬめりは充分であり、手は激しく上下して性欲をかき立ててくる。
 ザフィーラも秘唇を割って舌を侵入させ、アルフを感じさせる。桃色の肉壁を舐めれば、雫が滴り落ち
ザフィーラの顔を濡らす。上の淫核にも舌を伸ばせば、愛液の量が目に見えるほど増えた。
「そろそろ口でも頼む」
「いいけど……どうせなら口よりこっちで」
 ぐにゅりと、ザフィーラの肉棒が舌以外の柔らかいもので包まれた。
「ぐぅっ……!?」
 知らない感覚に呻き何事かと顔を動かしてみれば、アルフがその大きい胸でザフィーラのものを挟んで
いた。手を使い、主人に負けない大きさの乳房でしごきあげている。
「どうだい? フェイトの見よう見まねだけど、気持ちいいだろ」
 確かにアルフの胸は甘美だったが、聞き捨てならない言葉があった。
「待て、お前は主の情事を覗き見しているのか」
「……覗いてるっていうか、見せつけられてるっていうか」
 胸を動かす手を休めず、アルフは答える。
「時々、精神リンクを切り忘れたまますることがあるんだよ。そういう時に入ってくる記憶は、クロノと
ヤッた時の記憶ばっかりだし……。あんたもはやてとゲンヤが同棲したら気をつけた方がいいよ」
 今のはやてとゲンヤは別々の家で暮らしているので、外泊する際にはやてはちゃんと連絡してきてその
時に精神リンクを切る。しかし一つ屋根の下で過ごすことになれば、忘れてしまうことは十分あり得る。
「忠告感謝する。主に言っておこう」
「……まあ、今晩は繋いだままの方が、フェイトも口実が作れていいだろうけど」
「口実?」
「クロノに抱いてもらえる口実」
「……まさか。旅先でまでするはずはなかろう」
「どうだろうね。フェイトはクロノのこと、本当に大好きだから」

606 名前:湯煙双景:2008/01/13(日) 22:34:33 ID:PED2Ghzr
 小さく鼻を鳴らし、アルフはしゃべるのをやめ胸の間から出ている亀頭に唇を落とした。垂れ流されて
いる先走りを、ずちゅぅと音を立ててすする。
「まふぁをっきくなっふぁね」
「咥えたまましゃべるな……!」
 喉の奥から来る息が、鈴口どころか尿道口まで刺激する。歯が表面を掠めていくのもきつい。さらに、
幹では柔らかい胸が刺激を与え続けてくる。
 脳で処理しきれない量の快感に、ザフィーラの舌は止まってしまう。代わりに腰が無意識に浮いて、ア
ルフの動きに合わせて律動する。
 ここぞとばかりに、アルフが乳淫の手を強めてきた。挟む力と吸引力を倍以上に上げてくる。
「くぅあ……! 出すぞアルフ!」
 叫ぶような声と、射精までに一秒の差もなかった。
 爆発的な量の白濁液を、アルフの口内に叩きつける。喉や頬の内側に当たった飛沫が、跳ね返ってザフ
ィーラの陰茎にかかるのが自分でも分かるほどである。
 それだけの量を出されたアルフは苦しそうな顔で、放出が終わってからもしばらく時間をかけて飲み下
していた。
「んはぁ……早いと思ったら、やっぱりずいぶん溜めてたね」
 飲みきれなかった分が、胸に零れていた。白い泥のようなそれは、乳房の曲面に張りつくぐらいの粘り
気がある。
「浮気は論外だけど、この分だと自分でもしてないんじゃないかい?」
「六課では常に狼のままだ。やりようがない」
「……そういう時ぐらい戻りなよ」
 しゃべりながら、アルフは体勢を変えていく。ザフィーラの隣に手を突いて四つん這いになり、腰を高
く上げた。
「次は私にしてよ。私だって、溜まってるんだから」
 ザフィーラも頷いて、尻肉を掴み腰を密着させる。
 元が狼なせいか、この体位がザフィーラもアルフも一番感じる。
「行くぞ」
 一拍置いて、濡れそぼった秘所に一気に挿入した。
 槍のごときものに刺し貫かれた秘所からは、血ではなく淫水が吹き出る。
「あはあぁ! 出したばっかりなのに……なんでそんな大きいんだよ……!」
「まだ出し足りないからな」
 ぐりぐりと先端を捻りながら、ザフィーラはアルフの胸にも手を出す。
 肉棒が感じた柔らかさを手でも味わい、充血した乳首の固さを愉しみ引っ張ったり押し潰したりしてみ
る。
「久しぶりだから……すっごいくるっ!……ああああっ!!」
 アルフの爪が、ざりざりと岩を引っかく。悶える肢体がくねり、応じて膣が動きを変えて絡みついてく
る。
 手の平より柔らかいくせに、指の握りよりも強い締めつけにザフィーラは呻く。

607 名前:湯煙双景:2008/01/13(日) 22:36:12 ID:PED2Ghzr
「もう少し、力を……抜け」
「出来るわけ、ないだろぅ……! こんなに、硬くて太いんだからっ!」
 緩むどころか、逆に締めつけが強くなる。
 くっついてくる膣壁引き剥がすように、ザフィーラは乱暴に引き抜き、突き込む。
 腰をぶつけあう音と嬌声が湯面に反射して響き、山の奥に吸い込まれていく。
 その音には負けるが、淫水をかき回すぐちゃぐちゃという音は確かにザフィーラの耳に届いて、肉棒の
硬さと腰の速度を高める。
「はあっ! ザフィーラ、もっと、もっと強く……!」
 アルフのうわ言に応えて上半身を反らして斜め上に突き上げるのと、アルフが腰をぶつけてくるタイミ
ングが偶然一致した。
 下半身全体への衝撃に膝が砕けそうになりかけながらもザフィーラはもっと快楽を得て、同時に与えよ
うと腰を動かす。
 しかし久しぶりの性交への飢えは想像以上で、最初の射精などなかったかのように急激に最期が迫って
くる。
「もう一度、出すぞ……!」
 ザフィーラは激しく数度突き入れ、放った。
 狼の時ほど大量の射精ではないが、それでもアルフの子宮を溢れさすほどの白濁液が吐き出される。
「あ、ああああっ!! ザフィーラぁっ!!」
 がくがくと四肢を震わせて、アルフも果てる。半開きになった口から涎が落ちて、体液と汗で濡れた岩
の上に新しい染みを作った。
 射精し終えてもザフィーラはアルフの中から抜かず、再度腰を動かしだす。
「やぁふぁっ! ま、まだするのかい?」
「ああ、お前には悪いが、どうにも止まらん……!」
「いい、よ……私も、もっとしてほしいから!……んんぁ!」
 まさしく獣同士の交わりは、満月が天頂を越えるまで続いた。



 行為の後、再び温泉に入ったザフィーラはアルフに問いかけた。
「何があった」
「ん?」
 今度は泳がず、大人しく隣で湯に浸かっていたアルフが顔を向けてくる。
「今日のお前は、かなりおかしい」
 求め方が露骨すぎる。いつもはもう少し恥じらいを見せるものだ。そして今は妙に黙りこくっている。
 喜怒哀楽の激しいアルフだが、何か心に抱え込むことがあると感情の触れ幅がさらに大きくなる。
「口に出せば多少は胸が晴れる」
「別にそんな何も……」
「テスタロッサとハラオウン提督のことか」
 ザフィーラの言葉に、アルフの犬耳がぴくりと小さく反応する。

608 名前:湯煙双景:2008/01/13(日) 22:37:44 ID:PED2Ghzr
 情事の最中にフェイトとクロノのことを口にした時、アルフの口調に苦々しさのようなものが含まれて
いた。フェイトのうっかりに閉口しているというのとは少し色合いが違ったような気がしてかまをかけて
みたのだが、図星だったらしい。
「…………うん。……まあ、ちょっとね」
 ばしゃりと顔を洗ったアルフが、そのまま手で顔を覆う。
「…………三人一緒に暮らしてると、どうしても気づいちゃうんだよ。フェイトが私を見る時間が少し減っ
て、その分クロノを見てるってのが」
「ハラオウン提督がテスタロッサの想い人になったのに不満なのか」
「まさか。クロノは良い奴だし、フェイトが心の底から幸せなのも分かっちゃいるんだけど……。なんか
こう、取られたみたいな気分になってさ」
「……なるほど」
 誰よりも長い時間をフェイトと過ごしてきたアルフである。それだけにそういうちょっとした態度の変
化には敏感で、寂しさを覚えてしまうのだろう。
「あんたも、ゲンヤにそういうこと感じたりしないかい?」
「無い」
 ザフィーラは即答した。
「主が愛する男が現れたことを祝福こそすれ、そのような感情を抱いたことはない。主は主であり、我ら
のものではないからな」
「…………あっそ」
 ぷいっ、とアルフはそっぽを向いてしまった。
「無くて当然だよね。あんたは偉い騎士様だから」
 皮肉気な口調だが、肩が落ちて犬耳も心なしか萎たれている。
 切り捨てるような言葉になってしまったのを、ザフィーラは後悔する。しかし主への忠誠心を一時とは
いえ偽ることは出来ない。
 器用な世辞も、甘ったるい囁きも言ってやれない。自分に出来ることは、心の中にあることを嘘偽りな
く口にすることだけだ。
「……しかしお前の気持ちは分からないでもない。だから」
 背を向けたままのアルフの身体に、ザフィーラは手を回す。一瞬アルフがびくりとするが、構わず強く
抱きしめてやる。
「寂しかったら私を呼べ。必ずというわけにはいかないが、可能な限り側にいよう」
 しん、と辺りが静まり返る。湯面の揺らめきが止まるほどの時間が流れて、アルフの指がザフィーラの
手に絡む。
「……ザフィーラ、ありがとう」
 ゆっくりとザフィーラの腕を解き、アルフが向き直る。
「けどこういう時は嘘でもいいから、いつでもお前が呼んだら駆けつけてやるって言うもんだよ」
「すまんがそういうことは言えない性分だ」
「知ってるよ」
 この朴念仁。
 最後の言葉は触れ合った唇から直接伝えられ、ザフィーラの口の中で静かに響いた。



      終わり

609 名前:湯煙双景:2008/01/13(日) 22:39:07 ID:PED2Ghzr
      おまけ


「なんだかこうやって二人で夜景を見てると、新婚旅行みたいだねユーノ君」
「そうだね。結婚したら観光地とかじゃなくて、山奥の小さな温泉宿にでも来ようか」
「……ねえ、本当の新婚旅行と、一緒のことがしたいな」


『ユーノ君の、もうこんながちがちに……』
「は、はやて、なんか隣から変な声が聞こえるんだけど……」
「気のせいや。耳栓して寝てまい」


「どうしたんだフェイト。こんな夜中に」
「……クロノぉ」
「凄い汗じゃないか!? 具合が悪いのか?」
「アルフが、精神リンク繋いだままエッチなことしてて……逆流してきて我慢できないの」


『焦らさないでこれ、早く挿入れてぇ!』
「…………誰や。ユーノ君とクロノ君の部屋を私の左右にしたのは……!」
「部屋割りしたのはやてちゃんですよ」


『はぁん!! イッちゃうよユーノ君!!』
『クロノの熱いの! いっぱい出して!』
「離せシグナムー!! 私もゲンヤさんに夜這いかけるーー!!」
「スバルとギンガが同じ部屋で寝ています!」
「娘に見つかるかもしれへんというドキドキにゲンヤさんも感じてくれるはずやーー!!」
「落ち着けって! バッテンチビも寝てねえで止めるの手伝え!」
『『ああああぁぁぁぁ!!!!』』



 結局、ゲンヤさんは朝まで熟睡できましたとさ。


      今度こそ終わり

610 名前:サイヒ:2008/01/13(日) 22:43:03 ID:PED2Ghzr
以上です。
別名『温泉シートにアルフがいないのを嘆く暇があったら妄想しちゃえばいいんだ話』
……保護観察中のはずのアギトがいるんだから、アルフがいたっていいじゃないかよう。


うちのはやてはこんな扱いばっかりなんで、次回かその次あたりメインで。
しかし相手がゲンヤじゃないという罠。
このカプはエロでやるもんじゃねえなと痛感しながら、ゲンはやエロリテイク三回目をゴミ箱にぶちこむ新春。


>26-111
保管作業お疲れ様です。その速度にはただただびっくり。
すごい細かいことですいませんが、職人一覧から行ける俺のリストで
「別離の前に」「Mischief of cat」「彼女がジャケット着替えたら」の三編に
「完結」が入ってないので入れておいてください。
お願いします。

611 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 23:20:33 ID:SfWUu9ri
>>610
GJ!いいね、幸せの香りがするぜ(若干一名除く
そういや、はやて絡みの甘いSSってあんま見ねぇのぉ…


ちなみに現在448kb。そろそろ容量には気をつけたほうがいいかもしれんね

612 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 23:22:45 ID:r7pmga+N
GJ!やっぱはやてオチかwww

つーかもしかしてエリオ女風呂に入ってんのか!?
さすがエロオ・モンデヤルだな

613 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 23:25:45 ID:EwcDTR/g
>>610
GJ。そしてはやて哀れw

>>612
冬コミ温泉シーツが元ネタだからなー。
まあキャロに連れ込まれたんでしょうがね。

614 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 23:37:01 ID:QY6jNOXZ
男湯にエリオがいねぇと思ったら、貴様なんてとこにいやがるんだ!

GJ!

615 名前::名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 23:43:33 ID:+uW2WQGZ
GJ!あとヴァイス、無茶しやがって

616 名前:26-111:2008/01/13(日) 23:58:12 ID:h4gpbsqW
保管庫から業務連絡です
44スレの保管作業を終了しました。執筆陣諸兄は確認をお願いします

うん、とうとう追い付いてしまいましたね。追い付いたら終わり、って話では無いのですが
45スレの残り容量も50kb程。埋まり次第保管に入ります。それが終わったら、一息付けますかね

自分で作業に参加して、保管作業は結構難儀なものなのだということが良くわかりました
司書長殿、並びに先輩司書の皆様。今更な感がありますが、お世話になってました。お疲れ様でした



>>サイヒ氏、39-528氏、36スレ575氏

修正しておきました。確認をお願いします



さて、それでは私もぼちぼち執筆業に復帰しますかねー
それでは!






617 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 00:01:46 ID:N/sNheLu
>>610GJ
エロくてしかも楽しい、いうこと無しですな!

>ロリも相手がショタでないとどうにも。
アルフがロリになれるんだ。ザフィーラがショタになれない道理はあるまい

618 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 00:08:16 ID:wqrMRXyu
>>616
ついに追いつかれた!保管庫の方々乙!
近日中の仕事ぶりはGJとしかいえない

619 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 00:13:10 ID:n+z/sL9x
>>616
早ぇ!?
作品を創作する職人だけでもなく、あなたもまさしく職人よ!
心をこめて、GJ!

620 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 00:24:14 ID:i4x0gLzs
>>617
ルーテシア「……」
キャロ「ルーちゃん?どうしたの?」
ルーテシア「あの人、だれ」
キャロ「え?」

ルーテシアの視線の先には、銀髪で同い年くらいと思われる男の子が立っていた。誰かを待っているようだ。

ルーテシア「……カッコいい……」
キャロ「ルーちゃん?」

確かにカッコいい、と一瞬キャロも思った。まぁエリオきゅんには及ばないけどね!あと、目付きが少し鋭すぎる感じも苦手だった。
キャロ「あ!誰かと一緒に歩いて行っちゃったよ」

また同い年くらいの、赤い髪の女の子が彼を引っ張って行くのが見えた。

ルーテシア「……追う」
キャロ「ええ!ルーちゃん……多分さっきの子の恋b」
ルーテシア「愛は……うばうもの……殺してでも……うばいとる」

ルーテシアさんはとっても勘違いしているようです



こうですかわかりません><

621 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 00:45:27 ID:3LyNVW4w
>>620
ルー×ショタザフィか。これは新しい。

622 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 00:49:19 ID:98dClVTg
>>616
なんというリアルユーノ…、乙&GJです!

執筆の方も再開なさるとのことで楽しみに待ってますよ

623 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 00:52:20 ID:jOFn3ECq
>サイヒ氏
すげえ!超GJ!!!
あとヴァイスの地獄始まった\(^o^)/

>別名『温泉シートにアルフがいないのを嘆く暇があったら妄想しちゃえばいいんだ話』
うわー、
ちょーごーまん。
やっぱりサイヒ氏だwwwww(燃やされた弟風に)


>26-111
お疲れ様です!
しかし、ああ、ついにこの日が来てしまったw
再び保管庫と現行スレとの距離を、彼岸の彼方までぶっ飛ばす速度がほしい
つうか、描きたいです先生!!
誰かオラに(文章)力を分けてくれorz

624 名前: ◆Ev9yni6HFA :2008/01/14(月) 01:07:15 ID:COVGXKbE
これから中将SS(最近は地上本部SSになってるが)を投稿したいと思います

いつものようにオリキャラ、独自設定豊富ですので苦手な方は注意してください

625 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 01:08:05 ID:quYNWpEV
>>616
36スレ575です。修正確認しました
素早い対応ご苦労様です

さて、俺も書きかけの頑張って仕上げるかぁ…3P難しいよ…

>>610
クロノもユーノも行為に及ぶ前に止めればいいものをw
現認してからふんじばるって…ww

626 名前:尊ぶべき愚者 四話  ◆Ev9yni6HFA :2008/01/14(月) 01:09:15 ID:COVGXKbE
 地上部隊に合流するためにミッドチルダに移動中だった艦隊は騒動の渦中にあった。
「クラナガン周囲の位相がずれています!」
「地上本部との通信が途絶!」
 オペレーターや士官達の声が慌ただしく飛び交う。
「十五年前と同じか」
 その中で上級大将だけが冷静だった。
「提督、部隊の降下は?」
「降下させてどうする気だ? あの結界は私ですら破れなかったのだ」
「しかし……」
「アルカンシェルの発射準備を。あと二時間以内にケリがつかなければ発射する」
 本局から発つ際に与えられた始動キーを握り締める。
「ミ、ミッドチルダに向かってアルカンシェルを……?」
 予想すらしなかったであろう言葉にブリッジの空気が張り詰める。
「他の世界なら良いという訳ではないだろう。このままではミッドチルダ以外の世界も崩壊する」
「……」
「アルカンシェルなら問題を十五年程度先送りに出来ると判明したからな。本局に救援要請を忘れるな」
 事件解決の為ではなく市民救助の為である。
「ですが、地上本部のゲイズ中将とは」
 自分達の関係を知っていたらしいオペレーターが躊躇いがちに進言する。
「……だからこそ、この役目は他人には譲れんな。それに、親しい相手を失うのは初めてでもない」
 自嘲する。まったく、長生きはするものではない。




627 名前:尊ぶべき愚者 四話  ◆Ev9yni6HFA :2008/01/14(月) 01:10:45 ID:COVGXKbE
 准尉は医務室で目を覚ました。
 一度、夜中に目覚めた事もあったがその時はすぐに眠ってしまったのだ。
 長時間眠っていた影響か、起き上がると軽い頭痛がする。
 横を見ると先日保護した陸曹が起き上がり片腕を器用に使いながら制服に袖を通していた。
「もう動いて大丈夫なのか?」
 陸曹は驚いたように振り替える。気付いていなかったらしい。
「体調はよくないですが、なにやら一大事なようなので。……あの、もしかして起こしちゃいましたか?」
「多分な。けど感謝してる。このまま眠りこけてたら誰にも顔向け出来なかった」
 伸びをしてベッドから降り脇の台に置かれた待機状態のストレージデバイスを手に取る。
「あの、顔色が悪いようですが」
「ああ。二日続けてスプラッタな場面に遭遇しちゃってな。けどそろそろ克服しないとな」
 両手で頬を叩く。
「俺は先に行く。せっかく拾った命だ。無駄にはするな」

 通路に出るが誰もいない。
 目覚めた時から外が騒がしいので正面入り口から出る。
「お前か」
 二尉だ。彼だけでなく何人もの局員がデバイスを構えて隊列を組んでいる。
「どういう状況です?」
「……うん」
 二尉は手を差し出す。掴め、と言いたいらしい。
 准尉が手を取るとそのまま上昇。
「な、なんだよ、あれ」
 地平線の果て、巨大な何かが蠢いている。
 この距離でも巨大に見えるのだ。
 実際にはどれだけだというのか。
「二尉!」
「俺に聞かれても困るぞ。分かるのはあれがここを目指してるって事だけだ」
「……二尉、降ろしてください。俺も行きます」
「注意しろ。敵はあれだけじゃない。何かよくわからん連中もわいてる」
「二尉も、勝てなくてもいいので生き残ってください」
「はン。お前に心配されるほど落ちぶれちゃいねーよ。元教導隊だぜ?」
「元でしょ。今は始末書魔の」
 地面に降りた二人は互いに笑い、二尉はその場に残り、准尉は敵の元に走る。


『陸士34及び51部隊A3区画から進行中。あと数分で接敵』
『航空隊1部隊から3部隊。A3区画上空で待機中。いつでも攻撃可能です』
 司令部には絶え間なく部隊からの情報が入ってくる。
「航空隊の攻撃後、陸上部隊が進行。航空隊は攻撃を続行。本局艦隊との通信回復も急がせろ」
 指示を飛ばしながらレジアスは神経を磨り減らしていく。なにしろ自分の双肩に多くの人命がかかっているのだ。
 これで緊張しない訳がない。生来、人を使うほど器用ではない。

(だが、やるしかない)

 戦っているのは自分だけではない。
 皆が頑張っているのに自分だけが逃げる訳にはいかないのだ。



628 名前:尊ぶべき愚者 四話  ◆Ev9yni6HFA :2008/01/14(月) 01:12:03 ID:COVGXKbE
 人気のない大通りを准尉は一人で駆け抜ける。
「お前等、今どこにいる?」
『准尉ですか? A3区画で交戦中ですが、あの、療養中では?』
「馬鹿言うな。A3区画、本部から直進だな。すぐに合流する」
 通信を終えると、走りを加速する。
 三分の時間を全力で疾駆し准尉は部隊に合流する。
 地上部隊は側面の建物を崩して造った臨時のバリケードから身をさらし射撃を行い航空隊はビルの上や上空に陣取り弾幕を張る。
「隊長!」
「もう具合は良いのか?」
「バッチリです」
 現場指揮官である部隊長に挨拶し攻撃に参加する。
 そこで准尉は初めて敵を確認した。
 一言で表すなら物語に出てくる騎士だ。
 体には鎧、頭には兜、右手には槍、左手には盾。そんな物語の中の存在である筈の騎士が徒党を組みこちらに向かってくる。

 絶え間なく襲いくる弾幕に前面の騎士が崩れ落ちる。
 しかし後方の騎士達は気にもとめず、むしろ障壁にしながら進軍する。
「さっきからこんな感じか?」
「そうなんですよ! それに倒れた奴も時間を置くとまた動きだすんです」
「くそったれが」
「敵には遠距離攻撃の手段がないみたいでどの通りも膠着状態で」





629 名前:尊ぶべき愚者 四話  ◆Ev9yni6HFA :2008/01/14(月) 01:13:21 ID:COVGXKbE
 地上本部とも大蛇とも離れた郊外にそれはあった。
 巨大な三連装砲。
 地上本部がミッドチルダ防衛の要として進めていたE計画の成果の一つである。
 その地下、非常時には臨時の司令部を置く事も視野に入れて造られた制御室には数十人の白衣姿が動き回る。
「駆動炉出力安定」
「FCSは不調ですが獲物が大きいので命中精度は保証出来ます。主任!」
 部屋の中央に立ち、主任と呼ばれた老人は白髭をいじりながら口元を綻ばせる。
「かっかっかっ。良かったのう。密かに準備を進めておいたのが役に立つ時が来て」
 横にいた若い技術者もつられて笑う。
「まったくです。このまま何もなかったら全員減俸でしたよ」
「くくく。その時はほれ、レジアス達の恥ずかしい秘密を暴露すると脅すだけじゃ」
「秘密? なんですか?」
「聞きたいか? くく。レジアスが嫁をオトす時の逸話なんじゃが、本部長や室長、今の航行部提督を巻き込んで色々あったんじゃよ」
 思い出した事がツボにはまったらしく主任は腹を抱えて笑い出した。
「これを暴露すればあやつらは間違いなく破滅するのう」
「あの主任、そろそろ」
「おお、そうじゃったな。魔力チャージを開始せよ」
「了解」
 てきぱきと動く部下を見ながら主任は何故か嘆息する。
「本局の目が厳しくて結局レールガンの実装は出来んかったからのう。魔力で弾を加速させるなら問題ないじゃろうに」
「一応、質量兵器の範疇ですから」
 主任は納得してないように床を蹴る。そのさまは玩具を買ってもらえなくて拗ねる子供そのものである。
「いつだか本局から来た赤い小娘がおったじゃろ。あやつに比べればよっぽど魔法だと思うんじゃが」
「本局は質量兵器アレルギーですから。それに既得権益や維持費用の問題とかもありますし」
「つまらん。ガラクタから手に入れたAMF発生器とレールガンの合わせ技が見たかったのう。やっぱり黙って付けちまおうか」
「面白そうですが上のは既に三機とも魔導砲台になっちゃってますよ」
「むむ。やはり個人が携行出来るまで小型化して密かに配備するべきか」




630 名前:尊ぶべき愚者 四話  ◆Ev9yni6HFA :2008/01/14(月) 01:14:26 ID:COVGXKbE
「つまらないな」
 大蛇のすぐ隣にあるビルの屋上にいたヴィレオンは一人呟く。
「互いに全力を出している結果の膠着なら愉しいが、こんな半端な力じゃ世界に失礼だ」
 赤色の右目で大蛇を見据える。
「そろそろ学習しただろ? あんな歩兵じゃ埒が明かない。記録にあるもっと強力なのを呼び出せ。
 でないと、あの虹の光が全てを滅ぼしてしまう」
 言葉に呼応するように大蛇の眼に力ある光が宿る。





「チャージ、完了しました」
「射線上に味方がいない事を確認したらさっさと発射してしまえ。シールドも転送装置もないから反撃が来たら終いじゃ」
「では、はっ……待ってください! 敵内部に高エネルギー反応」
 大蛇は両翼で勢いよく空気を叩く。その体が持ち上がり、開かれた口に光が集まる。切れ長の眼の先にあるのは三連装砲。

「主任! 敵がこちらに」
「くっ発射しろ」


 大蛇と砲台。二つから放たれた光の奔流が激突。軌道がずれ砲台からの砲撃は上空に、大蛇の砲撃は地面に消える。
「! 全員手近な物に掴ま……」
 主任が言い終わる前に制御室を激しい振動が襲う。
「……大地は緩衝材にはならんか」
 床に腹這いになった主任は苛立ちを隠さずに悪態をつく。
 天井から落ちる埃を払い周囲を確認。
 自分と同じように床に倒れている者や機材にぶつかって悶絶している者もいるが重傷者はいないようだ。




631 名前:尊ぶべき愚者 四話  ◆Ev9yni6HFA :2008/01/14(月) 01:15:58 ID:COVGXKbE
 熱を帯びた空気が肌を焼くのを実感しながらヴィレオンは悦びにうち震えた。
「ようやくヤル気になったか。じゃあ次は大罪人の分際でオレ達を見下ろす奴等だ」
 応じるように再び口に光が集束する。
 それだけではない。
 前方に巨大な魔法陣が展開する。大蛇の咆哮と共に光が放たれる。
 しかし、その光はすぐに消失する。



 
 その異常に気付けたのは本当に僥倖と言っていいだろう。
 始動キーを握り締め、何気無く外を見ていた上級大将はデブリしかない筈の宇宙空間に輝く魔法陣が現れた事を視認した。
 そこからの動作は俊敏で的確だった。
「くっ、セットアップ」
 右腕に巻き付けていた十字架が刀剣型のアームドデハイスに変化する。

 魔法陣からまばゆい光が溢れ出す。大蛇の放った砲撃である。

「カートリッジロード!」
 デバイスが排気音と蒸気を吐き出す。

 魔法陣からの砲撃が船体に到達する刹那、幾重もの三角の魔法陣が展開する。
 そして、衝突。宇宙空間ゆえに衝突音はないが船内では人、物を問わずに多くのものが暴れまわる。
「被害状況の確認を急げ」
 指示を出すと艦長席に深く体を沈める。
「迂濶だった。まさか次元跳躍攻撃が可能だったとは」
「提督……」
「十五年前の二の舞になる気はないか。……この艦以外は本局に帰投しろ」
「しかし!」
「こちら側にはアルカンシェル以外に結界を越える方法はない。ならば旗艦以外の艦艇は不要。そして、アルカンシェルの発射なら一人でも可能だ」
 乗組員達には言葉の意味がすぐには理解出来なかった。
「諸君達も他の艦艇に移動し本局に帰還しろ。これは命令だ」





632 名前:尊ぶべき愚者 四話  ◆Ev9yni6HFA :2008/01/14(月) 01:17:29 ID:COVGXKbE
「おい。なぜ手を抜いた」
 不機嫌を隠そうともせず射殺すような視線をぶつける。
「なぜ艦内に転移させない。あいつは十五年前、そして今回も世界を滅ぼそうとする悪魔の手先だぞ?」
 大蛇は低い唸り声を上げるだけで何も答えない。
「……まあいい。これで時間制限はなくなった。次はあれだ」
 黒い魔力を纏ったヴィレオンが指差す先にある建物は管理局地上本部。


 それは地上本部の前面に展開していた部隊からもはっきりと確認出来た。
 大蛇が吠えた。怒りか悲しみか分からない咆哮を上げ、砲撃を放つ。

「総員、シールド展開を!」
 隊長の命令を合図に隊員達はデバイスを掲げる。
 地上本部の建物を淡い光が包み込む。
「ぐぅ……!」
「あぁ……!」
 砲撃は飛沫を上げ消失するがシールドも硝子のように砕け散る。
「! 二撃目が来るぞ」
 間髪を容れずに二度目の衝撃。今度もシールドは破砕するが砲撃は減衰せず地上本部の障壁を直撃する。
 そして三撃目。
「踏ん張れ! ここが落とされたら敗けだ」
 隊長の檄に局員達も歯を食いしばる。
 ここでの敗北は自分達だけの敗北ではない。管理局の敗北なのだ。
「「おお!」」
 砲撃とシールドが激しくぶつかり合い大気を震わせ破壊の音を奏でる。
 シールドが破壊されればその内側に新しいシールドを発生させ耐える。
 攻防は十秒ほど続いた。砲撃のエネルギーが次第に弱まり遂には完全に霧散する。
「よし!」
 局員の中から歓声が生まれる。
 
 


633 名前:尊ぶべき愚者 四話  ◆Ev9yni6HFA :2008/01/14(月) 01:18:53 ID:COVGXKbE
 だが、その喜びもすぐに消える。
 最初に届いたのは風切り音だった。まるで空気が悲鳴を上げているような異質な音。
 目を凝らせば大蛇の方から黒く小さな点が向かってくる。
 それは徐々に巨大化し、限界まで引き絞られた矢の如き黒い影が襲来する。

「新しい砲撃か?」
 局員の誰かが呟く。
「違う」
 二尉には確信があった。
 この胸の奥を凍えさせる悪寒は間違いない。
「奴だ……」
 疲弊していた彼等にシールドを展開する余裕はなかった。
 黒い矢は障壁を突き破ると本部の外壁に突き刺さる。
 外壁の破壊によって舞った粉塵が晴れた時、そこにいたのは、
「ヴィレオン!」
 黒い外套をはためかせたヴィレオンは眼下の部隊を一瞥すると軽薄な笑みを浮かべ本部の中に消える。
「司令部、敵の侵入を許した! 七階部分だ。急いで対処を」
「野郎!」
 二尉も後を追って本部内に飛び込む。



634 名前:尊ぶべき愚者 四話  ◆Ev9yni6HFA :2008/01/14(月) 01:20:35 ID:COVGXKbE
「これじゃジリ貧だぞ」
 バリケードの影から射撃を慣行しながら准尉は愚痴る。
 地上の戦線は膠着したままだが空中には変化が生まれていた。
 尾と翼を持った醜悪な生き物が航空隊を襲撃していたのだ。
 槍しか持たない敵に対し航空隊は優位に立つと思われた。
 しかし、魔法が直撃しても戦いを続行する相手に少しずつ追い詰められていく。

「このままじゃ、全滅を待つだけだ」
「だが、敵陣が突破出来ない」
「本部には敵が侵入したってのに」
 局員の間に悲愴感が漂い始める。
 それを歯痒く思いながらも策が浮かばない自分に准尉は苛立つ。
 と、あるものが目に留まる。
「地下水路、下水道を通るのはどうだ? 隊長」
 道路に敷設された円形の蓋、マンホールである。
 そこを通れば敵陣を抜け一気に大蛇の元に辿り着けるかもしれない。
「駄目だ。待ち伏せの可能性もあるし戦力の分散は危険だ」
 隊長は逡巡する様子を見せたが結局否定する。
「危険は承知。けど」
 脳裏に昨夜の記憶が蘇る。
 
『弱い奴ばかりだったけど皆、ミッドチルダが好きで守るために死に物狂いになってさ』
『俺もミッドチルダが好きだ。だからミッドチルダを守る為に力が使えるなら本望だ』
 そして自分も言ったのだ。親や故郷であるミッドを守りたいと。

「人を守るためだろ? なら悪くない」
 隊長は表情を変えない。しかし、 周囲から笑いが起きる。
 准尉が振り返ると他の局員が射撃を続けながらも笑みを浮かべている。
「隊長さんよ、一本取られたんじゃないか?」
「どんな言葉で説得するかと思ったら」
「でも、まあ、論理的な言葉よりはずっと、くるもんがあるな」
「お、おい。貴様等!」
「いいじゃねえか隊長さんよ。このままグダグダやってても始まらねえよ」
「結界破って外に出ちまったら大事だが、逆に言えば今なら何も知られないまま片がつく」
「本局の奴等に見せ場を奪われるのも癪だし、俺達がかっこよく決めないとな」
 盛り上がる局員を見ながら隊長は頭を抱える。こうなっては手がつけられないのだ。
「分かった分かった。許可してやる。ただ、割ける戦力は少ないぞ」
 現状を考えれば二割が限界。全滅の危険は高まるが言った所で止まらないだろう。




635 名前:尊ぶべき愚者 四話  ◆Ev9yni6HFA :2008/01/14(月) 01:22:08 ID:COVGXKbE
 准尉を中心とした一隊が部隊から離れる。
 一人がマンホールに手をかけ持ち上げようとするが持ち上がらない。
「おい、速くしろ」
「いや、これけっこー重いんですよ」
「片手で持ち上げる位の気合いを見せろ」
「無理に決まってんでしょうが!」
「どれどれ。あ〜これ確かに重いな。片手はさすがに無理か」
 准尉も手伝いやっとのことで持ち上げる。
 同時にかび臭い空気が鼻腔を刺激する。
「……入りたくねえな」
 いざ暗い穴に飛び込もうとすると恐怖が足に絡みつく。
「……大見得を切ったんだから早くしろ」
 隊長の声が聞こえたと思うと体が前のめりになる。
 蹴り飛ばされたと気付いた時には既に下水道に落ちていた。
「大丈夫ですか?」
 尻をさすっていると同僚達が下りてくる。
「大丈夫だ。それより急ごう」
 照明がきちんと設置されていたので視界は十分に確保出来ている。
 皆に合図を送り一斉に駆け出す。
 戦いは始まったばかりである。

636 名前:尊ぶべき愚者 四話  ◆Ev9yni6HFA :2008/01/14(月) 01:23:56 ID:COVGXKbE
以上です

俺達の戦いはこれからだ!

長編だとどのタイミングで話を切るかで結構悩む
当初は地上本部\(^o^)/な感じで終わらせようと思ったけど結局上のような展開だし

そしてどうしても戦闘は上手く書けないorz
アインヘリアルの活躍に期待してた人もごめんなさい。そのうち活躍すると思います。きっと。おそらく。多分。ひょっとしたら

作者自身も何の二次創作なのか時々失念する本SSですが次回は原作キャラもしっかり登場する予定なので勘弁してください


637 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 02:45:57 ID:kf6aiI1G
GJです

誰もがかっこよす

アインヘリアル使えねw
しかし、結界を張った上で次元を越えて攻撃出来るとかチートだろ

現状ではヴィヴィオ>>>>>>>>准尉+1か
では、都筑を楽しみにしています


638 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 04:20:57 ID:NjLo6xgo
ほんとに陵辱モノないな・・・チンポがピクリとも反応しない

639 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 05:53:25 ID:FtAtZBZ5
>>638
保管庫を漁って耐えよう
俺も耐えてる

640 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 06:35:42 ID:PYmH9/qL
GJだ!

漢の熱い魂を見せてくれるねぇ!!
これを見てると、女なんかいらねぇって思えてry

>>「くくく。その時はほれ、レジアス達の恥ずかしい秘密を暴露すると脅すだけじゃ」
>>「秘密? なんですか?」
>>「聞きたいか? くく。レジアスが嫁をオトす時の逸話なんじゃが、本部長や室長、今の航行部提督を巻き込んで色々あったんじゃよ」
>> 思い出した事がツボにはまったらしく主任は腹を抱えて笑い出した。
>>「これを暴露すればあやつらは間違いなく破滅するのう」

いったいどんな秘密か気になるじゃないかwwwwww

641 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 06:49:48 ID:g9X56l3y
おはようございます。って、中将様キテル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
戦闘は焦らなくてもいいと思いますよ。そもそも文章ってあんまり激しい動きには向かないしね……
書いているうちに徐々に上手くなるかと


女?ええもう女の子だらけですともさw文句なら都築さんにお願いします・゚・(ノ∀`)・゚・。

(注意書き)
[熱血魔法少女"恋愛"アクションSS〜ソラノカケラ〜第48回・クアットロ再び(7)][当分非エロ][多分……シリアス?]
シルバーカーテン、もといNG発動キーはタイトルで「ソラノカケラ」「ゲリラ兵」を指定すれば確実に消えるかと思われます

(今日の注意)
クア姉が何か言ってますが、口先八丁手八丁、舌先三寸嘘だらけ、疑惑と混乱盛り沢山の彼女の台詞、全部信じちゃ――駄目ですよ?w
……最後の部分だけシリアスになってないかもわかりません
でももしかしたら気分悪くなられる方もいらっしゃるかもわかりません、ご注意を
この辺の台詞は結構適当で特に深い意図はないんですが、相変らず何かが仕込まれているかもしれませんw

では、朝刊〜

642 名前:〜ソラノカケラ〜(48)(1/3):2008/01/14(月) 06:52:27 ID:g9X56l3y
悪魔、の一言にがたり、と激しく立ち上がるはやて。
「狙いはなのはちゃんか!」
全員の視線を集めてから、即座にヴォルケンリッターの融合騎――二代目祝福の風、八神家の末っ子の名前を呼んだ。
「リィン、いくで!間近でやられたら高町空尉が危ない!」
「はいです!」
「シグナム、後の指揮は任せるで。それからもしあれがばら撒かれたら、デバイスルームに避難すること。これは命令や、ええな?」
「了解しました」
「うん。はやても気をつけて」
ヴィータの了承にうん、と頷いてから、少しだけ申し訳なさそうな視線をシャマルに送ると、送られた側も気まずそうに目線を伏せた。
しかし今は身内の色恋に参謀術策を巡らせている時ではなく、とにもかくにも彼女の安全である。
だっ、と部屋の外に駆け出しながらティアナにフォローを頼む。
(ティアナ、高町空尉にもうちっと距離を置くように通信を頼めるかな)
(了解しました)
(でも、それでもクアットロがあれを持ってるとは限らへんのが嫌な所やけど……)
(そうなんですよね……やっぱり場所を見つけない事には解決には)
(そういえば、あれの大きさってどのぐらいやったっけ?)
(先程見た画像ですと数cm四方ぐらいでしたが)
(そんなん、何処にでも隠せるやないか。全くどっちが悪魔やかわかったもんやないわ!)
そして地上本部のテラスにたどり着くと、懸命の説得が続いている上空をぎっ、と睨みつつリィンと共にバリアジャケットを纏った。

 ティアナから通信を受けたなのはが若干クアットロから距離を取ると、その眼鏡の人はそれを見てほくそ笑んだ。
それから一瞬だけ、本人にだけ気づくようにオットーににやり、と視線を向け、それから冷たくディードに戻す。
「ま、貴方達がどうなろうともう、構いませんけどぉ〜」
「そんな……」
あまりの冷たさに、さすがのディードも少しだけ俯いて言葉を失くしてしまうが、オットーの思考は全く別方向。
――話に乗れ、ということか
勿論思惑まで読めたわけではなかったが、この後に来る展開を助けろという意図だけは事件当時の司令塔らしくはっきりと汲み取って、その時を待つ。
ここで諦めては、と末っ子は再び強情な4番目の姉にしぶとく立ち向かう。
「お願いです、お願いですから。もう事件は終わったじゃないですか……」
だが、姉はひどく不快そうに表情を曇らせた。
「何を言ってるの?ディードちゃん。あのね、戦いはまだ終わってないのよぉ?」
「もう終わりでいいじゃないですか。どうしてまた悲しみを増やすような事を?」
「いいえ、終わってないの。ドクターも、ウーノ姉様も、トーレ姉様も、セッテもまだ戦う事を止めた訳ではないわよん?」
「え?」
茶色いロングストレートが素直に意味が計りかねて、疑問符を浮かべると、意外と真摯な表情がそれに答えた。
「ドクターの夢、私達の意味。ゆりかごが沈んだだけで諦めるわけ?」
「……」
「たかだか管理局に捕まったぐらいで、懐柔されてていいのぉ?ノーヴェちゃんも」
「それは……」
「この世界を変えるんじゃなかったのぉ?」
不満そうな姉の瞳を向けられた、赤い髪のうさ耳つきは、それに反論できない。
「私は、例え世界中で誰一人味方がいなくなっても最後まで戦うわ〜。
ま、このスイッチだけじゃそこの悪魔さんを道連れにするぐらいが関の山でしょうけどぉ」

643 名前:〜ソラノカケラ〜(48)(2/3):2008/01/14(月) 06:53:05 ID:g9X56l3y
と、明らかな殺意を表明し終わったちょうどその時、はやてとリィンがその金色のデバイスを携えたツインテールの幼馴染の隣に浮かび上がってきて寄り添った。
「よかった、間におうた……」
「ふえ?はやてちゃん?どうしたの?」
「いや、クアットロの狙いは多分なのはちゃんや」
「ええっ!?わ、私!?」
ここまで話を振られているのに未だに自覚が無い辺り、さすがである。
「うん、せやから空に上がってきたんや」
「そ、そっか……じゃあ、やっぱり爆弾はクアットロが持ってる?」
「その可能性もある。道連れにする気ならな……」
「駄目だよ。そんなことさせないよ」
「うん。なんとか止めなあかん」
「だね……ところで、推参ってどういう意味?」
「ん?」
何事?と一瞬釈然としなかったが、ああ詠唱の一部分やな、と先程のやりとりを思い出し、分かりやすく言い換えてみた。
「推して参る、って意味やね」
「あ、うん、ありがとうー」
「いえいえ」
そうしてまたクアットロをじーっと見つめながら、ぶつぶつと詠唱の練習を始めるマイペースな彼女の大物ぶりに、はやては少しだけ救われるような気がした。

 その時フェイトは、緊張感とは違う独特の吐き気のようなものを覚える方向を少しずつ見出し始めていた。
(こっち……?うん、こっちだ……)
と、何かきっかけを得て移動しようとするのだが、何故かその先には露骨にU型が密集し先を通そうとしない。
(?)
少し位置を変えて違う方向から進入を試みるが、再びさりげに配置を変えられて止められる。
もう一度同じことを繰り返したその時に、その3箇所から向かおうとした1点の大まかな位置を割り出せたフェイトは、愕然とした。
通信を通して長年の相方に叫ぶ。
「シャーリー!クアットロの座標位置にニタヴェリールの反応は!?」
「え?少し待ってください!」
(まさか……まさか!?)

644 名前:〜ソラノカケラ〜(48)(3/3):2008/01/14(月) 06:53:37 ID:g9X56l3y
 同日、時刻午後4時38分――地上本部本局所属のオペレーター陣が、恐ろしいほどの高速で座標の割り出しを始めた元六課オペレーター3人娘に吃驚しているその間に
説得は終幕を迎えようとしていた、悪い意味で。
絶対に諦めるそぶりを見せないディードは、姉を助けたい一心で言葉を探して語りかける。
「道連れとかしなくていいじゃないですか。みんなで幸せになれば」
「みんなで幸せ?うふふふ、ディードちゃん、そんなことあるわけないじゃなーい」
「?」
「貴方達が幸せに着て、住んで、食べている間でも世界や次元空間のどこかで、飢えや病気で死んでいく人たちがいるのよぉ?
余った食料はドブに捨て、資源は食いつぶして、無駄な時間と馬鹿な笑いを繰り返している間に」
「――何が、仰りたいんですか?」
「つまりね、誰かが幸せになれば、その分どこかで誰かが不幸になるの。平たく言えば、私達の幸せな暮らしなんて――」
そこで一度言葉を区切ると、ひどく愉しそうに眼鏡の中央を指先で押し上げた。
「屍の山の上で暮らしているようなものよ?」
誰もが言葉を失くし、沈黙が支配する。
しかし――しかしそれでも、ナンバーズの末っ子の、かなり長い茶色いロングストレートに赤いカチューシャの彼女は、
聖母のような微笑でわずかに目を細めつつ、それをすら跳ね返した。
「それでも――それでも、いいじゃないですか。みんなで、少しずつ幸せになっていけば。
みんなが幸せになる方法が、きっとありますから。急がなくても、焦らなくても、きっと」
「ほんと――」
その言葉をもう一度繰り返しつつ、丸い眼鏡の姉は嫌悪感を含んだ冷めた目で妹を蔑んだ。
「ほんっとに、ディードちゃんつまんない子ね」
「クアットロお姉様……」
「そうやって犠牲を出して頑張って得た平和や幸せが、いつまでも続くわけじゃないのよぉ?」
「それでも私はいいと思います。例え明日世界が滅びようとも、今日の一日を守る事ができるなら」
「過去に何人死んでいると思ってるの?あの中将さんにその部下達、数十人、数百人が血に染まって命を捨てて守ってきたこの地上の平和ですら、現に危ないしぃ」
「それに――ドゥーエお姉様もですよね」
「――!」
あまり出されたくない名前を出されて、逡巡するクアットロ。
「ドゥーエお姉様の死まで無駄になさるおつもりですか?これ以上の犠牲を出したくないとお思いになられませんか?」
「ああもう、そんなの嘘、うそ、ウソ!何もかもが嘘じゃないのよ?なんでわからないの?!」
「目の前の一瞬だけでも、僅かな時間だけでも、幸せを守って生きて行きたい。小さな想いを守って暮らして行きたい。だからクアットロお姉様、もうやめて――」
「ふぅーん、ああ、そう。じゃあやってごらんなさいよ」
ゆっくりと上昇を始めるW番の人。
「本当はあの白い悪魔さんが、弱くて使えない人間を助ける事ができなくて、それでも逃げることをしなくてのた打ち回って死んでいく所を見たかったんですけどぉ」
「お姉様?!何を!?」
「ゆっくりと地獄で見物させて頂く事にしますわぁん」

 フェイトの周りで実体以外のU型が次々と姿を消し始める。
「!?」
そしてその直後、足元のほぼ全方向からの一斉射撃にさらされた。
「Round Shield」
即座に反応して黄色い盾で受け止めたバルディッシュと彼女であったが、この状況下で釘付けは例え数秒でも意味があった。
(――まずい!)

 シャーリーの見つめる画面が、あともう少しでクアットロと一致する座標の反応を絞り込める直前で、嘲笑うかのように無数にあった点が次々に消えていく。
「えっ!?」
そして――ほぼ絞り込みかけていた座標と、最後に1点だけ残ったごくごく小さな先程無視してしまった反応の座標が一致し、
シャーリーは両手で頭を抱え込みながら取り返しのつかないミスを犯したことに、このときようやく気づいた。
(ステルス性能のある外套シルバーケープと物理での隔離――つまり、つまり――)
「あ……あ……あ――!」
声にならない彼女の目の前の座標位置は、ほぼクアットロの腹部の座標と一致していた。
「はやてさん!」

 シャーリーからの物体の座標位置の報告を受けたはやてとなのはは、がばっ、と上空のその人をほとんど同時に見上げる。
「「まさか、そんな……!」」
「あら、やっと気づきました?やっぱり六課の皆さんは、ぐずで、のろまばっかりぃ〜」
そしてその人は、スイッチのない手をそっと自分の下腹部に当てながら、くすり、と笑った。
「女の体って、ほんっと便利よねぇ」

645 名前:ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2008/01/14(月) 06:54:32 ID:g9X56l3y
ほいではまたー

646 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 07:20:15 ID:2kFIONer
ぶっちゃけシャーリーはなにを見落としたの?

647 名前:rider7:2008/01/14(月) 08:55:23 ID:l6TwBESb
これから明日提出の卒論そっちのけで書いたフェイトパパなSSを投下します。
オチもエロも百合もないです。
思いつきです、腕時計はGショックです、KYなのは承知です。

俺、これを投下し終わったら未完成の卒論に取り掛かるんだ。

648 名前:明け方に 1/2:2008/01/14(月) 09:02:56 ID:l6TwBESb
夜明け直前、薄いインディゴの空に金色の月がぼんやりと浮かぶ。

ピピッ!

00分になったことを知らせる腕時計の音が静まり返った隊舎の廊下に短く響き渡った。
時計の青いバックライトが薄暗い空間の中で光り、現在がAM5:00だと知らせる。

そしてまた、静寂。

フェイトは消し忘れた腕時計のアラームが自室に戻る前に鳴ったことに胸を撫で下ろした。
何せ自室には多忙な教導官と幼い我が子が寝ている。
自分のせいで起こしてしまうのはとても不本意である。

そんなことを思いながら、フェイトは静かに自室のドアを開けて帰宅の途についた。
声に出さずに「ただいま」と言うと、煩わしげに腕時計を外し、髪を束ねていたリボンを解いた。
そして堅苦しい執務官の制服のジャケットを脱ぐと一つ溜息をついた。

ああ、やっと仕事から解放された。

腕時計とリボンをテーブルの上に置くと脱力感からソファーに吸い寄せられるように横になった。
ジャケットをハンガーにかけなくては、とは思うが身体は疲労で思うように動いてくれない。
身動きが取れずにソファーで沈み込んだ状態で、窓を何となく見上げていた。

インディゴの空は徐々にその色を弱め、月は金色の輝きを失いつつある。
あと少し、この空を見上げていれば綺麗な朝焼けを見ることができるだろう。
でも、それは今、それほど魅力的じゃない。
きっと太陽を見たら眩しすぎて疲れたこの身体は灰になってしまう。
・・・このままソファーで寝たいけど後でなのはママに怒られそうだな。

寝返りをうって視線を窓から外すと、テーブルの端に名刺大の紙が置いてあった。
教育が徹底されている我が家でテーブルの上に物が置きっ放しなんて珍しい。
少し興味が引かれて、うまく持ち上がらない腕をを精一杯伸ばしてその紙を手に取った。

手にとって紙を見てみる。
その紙は、ただの紙などではなかった。

紙には少々読みにくいが、色鉛筆で元気一杯に
「フェイトママおしごとおつかれさま」と書いてあった。

紙の正体は、ヴィヴィオから自分への労いの手紙。
フェイトは手紙を読むと、勢いよく起きあがって、寝室へと向かった。
身体に溜まった疲れなど、ヴィヴィオの手紙でもう吹き飛んでしまった。

今はただ、家族の顔が見たい。

649 名前:明け方に 2/2:2008/01/14(月) 09:05:46 ID:l6TwBESb
逸る気持ちを抑えてフェイトは寝室のドアを静かに開けた。
静まり返った寝室には、かすかに2人の規則正しい寝息が聞こえる。
薄暗い部屋だが目を凝らせば大きなベットで寝ている家族の姿が見えた。
ベットの右側に身を寄せ合うように寝ているなのはとヴィヴィオ。
無防備で安心しきったその寝顔に思わず頬が緩んだ。

家族の顔をもっと間近で見ようとベットの空いているところに腰かけるとベットが小さく軋んだ。
中央で寝ているヴィヴィオが僅かな変化に気づいたように、こちらに寝返りをうった。
毛布から小さな手が伸びてきて、ベットの空いてるところを探るような仕草をする。
一瞬、ヴィヴィオが起きたかとひやっとしたがまだ起きてはいないようだ。
小さな手は今だにベットの空いているところを彷徨っている。
思うようにいかないのか「うぅ・・・」と不満そうに寝言を漏らした。

あ、もしかして、私を探してる?

そう思うと急に胸の奥が温かくなった。
小さな手をそっと握るとヴィヴィオは安心したのか、また規則正しい寝息を立て始めた。

ああ、ヴィヴィオの顔を見たら急に眠くなってきたな。

何だか繋いだ小さな手を離すのが惜しくなって、制服から着替えもせずにベットの中に潜り込んだ。
起こさないように、眠るなのはとヴィヴィオの頬にキスをして目を閉じた。

制服が皺だらけになったって構うものか。
今は家族と一緒に寝たいという欲求には勝てないのだ。

白く靄がかかりかけた意識の中で誰にでもなく盛大に開き直る。
眠りに落ちる直前、なのはとヴィヴィオが右側に寄って寝ている理由が頭に浮かんだ。

そうだったのか、と一人で小さく笑って二人を抱き寄せるように腕を伸ばした。

目を覚ましたら「ただいま」と「おはよう」を言おう。


それまで、おやすみ。

END

650 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 10:19:32 ID:N/sNheLu
GJGJ!
だががんばれ、ちょーがんばれ


651 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 11:15:29 ID:oaa2E+HB
GJ
さて484kb
次スレ立ててくる

652 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 11:16:36 ID:oaa2E+HB
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第46話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1200276991/


653 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 12:01:40 ID:afjyfxip
おつ

654 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 12:41:38 ID:QEZBOhON
>>636
GJです!!もはや魔法少女2次SSの枠を飛び越えた秀作。セブンに映像化してもらったほうがいいのでは?

>>645
GJです。やっぱ自爆する気なのかな?

>>649
GJ。今フェイトさんと同じ心境なんだろうけど、卒論がんばれ。

655 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 12:57:40 ID:N/sNheLu
>>652
お疲れさまです

もう埋めの時間かな?埋め小ネタ投下おk?

656 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 13:00:15 ID:UfIzXWhQ
おけー

657 名前:1年H組 トンファー先生:2008/01/14(月) 13:02:27 ID:N/sNheLu
なら遠慮なく

わたし高町ヴィヴィオ!
ザンクト・ヒルデ魔法学院に通うふつうの女の子だよ!
家族はなのはママとフェイトママ。
二人ともじくうかんりきょくっていう所で働いていてとってもエラいんだって!
なのはママは「まおう」って呼ばれているらしいけど、「まおう」ってなんだろう?
前になのはママにそのことを聞いたら
「誰がそんなことを言ってたの?」
って言うだけで答えてくれなかったんだ。
なのはママも先生みたいな仕事をしているって聞いたことあるから、先生の別の言い方かな?

今日は学校であったおもしろかったことをみんなに教えてあげる!
先生の一人にね、シャッハ先生って人がいるんだけど、今日シャッハ先生の授業中……

「聖王の句には……」
「シャッハ!」
「今更なんですか、ロッサ!」
「僕が悪かった!」
「バカ!寂しかった……!」
ガラ!
「この泥棒猫」
「シスターカリム!」

ってことがあったんだ。
あのあと三人でどこかにいっちゃったけど何をしてたんだろうね?
クロノおじさんに聞いたら
「ロッサは美人の義姉と教育係お姉さんというこれなんてエロg……もとい複雑な環境で育ったんだ、あまり追求してやるな」
って言われちゃった。
よくわかんないけど関わらない方がいいのかな?

あ、ザフィーラの散歩の時間だ!
みんな、またね!

658 名前:1年H組 トンファー先生:2008/01/14(月) 13:05:46 ID:N/sNheLu
ニコニコでファンタのCMみてて思いついた


……ああ!?石を投げないで!イタイイタイ!

659 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 13:20:23 ID:C2nxHxGq
ちょ、ロッサ何しやがったwwww

なんというNanoha boat.エンドw

660 名前:ザ・シガー:2008/01/14(月) 13:25:56 ID:UfIzXWhQ
これは良い三角関係。

そういえばカリムのエロって皆無に近いよね? なんかレティさんとかシグナム姐さんのエロもなんだけど無性に見たくなったな、書こうかしら?

清楚な教会の女が淫らな色欲に狂っていく様とか良いエロスの香りがすると思うんだが。

661 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 13:49:34 ID:Jujir0N/
>>660
期待して待っておく。

662 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 13:50:06 ID:sdev99Vu
なんかヴィヴィオ視点のSSもいいな!

というかさっきのフェイトSS作者さん留年フラグがwww

663 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 14:05:31 ID:CtkuFgt2
>>660
ユーノを襲うカリムが見たいですwww

「お姉さんのテクニックで…」
「らぁ…らぁめぇぇ〜」
のようなwww

664 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 14:19:23 ID:lMT3FIUK
>>645
ゲリラさん!はやく、はやく続きが読みたいぃぃぃ!GJ!

>>647
ちょw卒論大丈夫なのか?
まあ、前日だし普通は殆ど出来上がってるもんだよな…たまに〆切数分前に駆け込んでくる阿呆もいるが…

665 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 14:36:41 ID:gV1iB3pF
卒論も気になるんだが・・・

書き手の一人としてずっと気になってるんだけど、最近書き込みがうまくいかない時がある
原因って何なんだろうね。とりあえず

・最初が空白行だと書き込めない
・長文が書き込めない

ケースが報告されてるけど前者は普通に書き込めてる場合もあるみたいだし。

666 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 14:45:13 ID:lMT3FIUK
>>665
SS書きの控え室スレでも話題になってるけど原因は掴めていない
板全体でこういうトラブルが起こってるらしい

667 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 14:48:02 ID:ZhRFjwJL
エロパロ板に限った話でもないっぽいな。
アニキャラ総合のクロススレでも言われてた。

668 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 14:52:28 ID:oaa2E+HB
ついでだから百合スレでも似たような症状に苦しんでいる人がいた
なんなんだろうね?

書き込めない時の早見表 - いきいき Wiki
http://info.2ch.net/wiki/index.php?%BD%F1%A4%AD%B9%FE%A4%E1%A4%CA%A4%A4%BB%FE%A4%CE%C1%E1%B8%AB%C9%BD


669 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 17:12:57 ID:3KAkz7Qo
490kbにつき埋めを開始します

670 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 17:14:16 ID:3KAkz7Qo
800 名前:名無しさん@自治スレでローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2007/11/30(金) 20:56:31 ID:bSOnqv/X
なのは可愛いよなのは
なのはなのはなのはなのはなのはなにょはなにょっ、な、の、にょっ…、
ええい、呼びにくいっ!!

801 名前:名無しさん@自治スレでローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2007/11/30(金) 20:59:43 ID:wN2qYJt6
(・x・)*\ 逆ギレ?!

803 名前:名無しさん@自治スレでローカルルール変更議論中[sage] 投稿日:2007/11/30(金) 21:35:57 ID:XRwDc1Lc
>>800
じゃあ、ヴィータはなのはのこと呼ばなければ良いんだよ


・・・
   /゙Y /^ヘヘYヘ
  ./,ィjミノレハ从リヾ        >>803それは無理だな。
  く+ハ(!(〃・-ノハ/ ̄ ̄ ̄ ̄/  あたしはなのはの名前を呼びたいんだ...と
      <(^!!つ/ Stars4 /
   ̄ ̄ ̄ ̄\/____/ ̄
                               __
                             (´ ,.-ヽ―- 、
                              彡ヘ==ヘ†〈V〉
   /゙Y /^ヘヘYヘ                   /{ l从从} }(咒)  おいティアナ
  ./,ィjミノレハ从リヾ  ヴィ、ヴィータ副隊長!       ,|人゚- ゚ V)ノゞ、  何してるんだ?
  く+ハ(!(〃・Дノハ/ ̄ ̄ ̄ ̄/           〈yと{_]†[_j⊃ (y〉 なのはが呼んでるぞ
      <(^!!つ / Stars4 /            〈リ /,、,、,、ヽ>、ヾ〉
  ~ ̄ ̄ ̄ ̄\/____/ ̄            `~(,八_)~ヽ〉

 (´ ,.-ヽ―- 、
   彡ヘ==ヘ†〈V〉
   /{ l从从} }(咒) ・・・ん?ネットか。
    ,|人゚- ゚ V)ノゞ、
  〈yと{_]†[_j⊃ (y〉
  〈リ /,、,、,、ヽ>、ヾ〉
    `~(,八_)~ヽ〉

【次スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第46話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1200276991/l50


671 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 17:14:39 ID:NF4oLMXA
N O  T H A N K  Y O U !

       .n:n    nn
      nf|||    | | |^!n
      f|.| | ∩  ∩|..| |.|
      |: ::  ! }  {! ::: :|
      ヽ  ,イ__ヽ  :イ
     / /    ヽ ::: \
     | (●), 、(●)、 |
     |  ,,ノ(、_, )ヽ、,,   |
     |   ,;‐=‐ヽ   .:::::|
     \  `ニニ´  .:::/
     /`ー‐--‐‐―´´\

672 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 17:15:14 ID:3KAkz7Qo
           __
    ,. -―/-、`)
  〈V〉†ヘ==べ゙ミ、
  (咒){ {从从! }ヾ 
  ,.ィゝ(V ゚ -゚ノ|ノ/ ̄ ̄ ̄ ̄/ ふん、こんなもの
 〈y)' (^!!]†[jつ/ Stars4 /
   ̄ ̄ ̄ ̄\/____/ ̄         カタカタ,,,,

  ・・・
           __
    ,. -―/-、`)
  〈V〉†ヘ==べ゙ミ、
  (咒){ {从从! }ヾ
  ,.ィゝ(V ゚ -゚ノ|ノ/ ̄ ̄ ̄ ̄/ ちゅきちゅきなにょはたん
 〈y)' (^!!]†[jつ/ Stars2 /
   ̄ ̄ ̄ ̄\/____/ ̄         カタカタ,,,,


        ,、,、ヘ
    ,' ~´ ハハヾ
   |  ノリノハ)))
  ノ. l| ゚ _ ゚ノlハ ,/ ̄ ̄ ̄ ̄/ 「阻止」っと
  ( ( /つ O) / 雷 1  /
   ̄ ̄ ̄ ̄\/____/ ̄         カタカタ,,,,

        ,、,、ヘ
    ,' ~´ ハハヾ
   |  ノリノハ)))
  ノ. l| ゚ _ ゚ノlハ ,/ ̄ ̄ ̄ ̄/ ついでに ウイルスを送信 ピッ
  ( ( /つ O) / 雷 1  /
   ̄ ̄ ̄ ̄\/____/ ̄         カタカタ,,,,


【次スレ】
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673 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 17:17:20 ID:3KAkz7Qo
>>671
ん?まだ埋めないほうが良かったか?とりあえず埋め停止する

674 名前:665:2008/01/14(月) 17:24:49 ID:gV1iB3pF

結局書き込めない理由は不明なのね・・・
投稿時はこまめにリロードして確認するくらいしかないか


675 名前:665:2008/01/14(月) 17:25:36 ID:gV1iB3pF
あら、今は一行目が空白のみでも書けるのかw マジでなんなんだろうw

676 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 17:26:41 ID:3KAkz7Qo
>>675
真偽はわからんけどこんな情報も

337 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2008/01/14(月) 16:55:25 ID:3b9b1QWD
一行目改行、且つ22行以上の長文はスルーらしいね

677 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 17:53:18 ID:zffE0/4z
とりあえず、こっちはもう埋め立てていいんじゃね?

678 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 18:22:25 ID:TtbGPB3S
埋めのなのティア

「なのはさんは……」
 その人は、私の独り言のような小さな呟きでも、私の髪を撫でる手を止めてこちらを見る。
「ズルイですよね」
 少し不思議そうな顔をしていた。
「ズルイかな?」
「ズルイですよ」
「そんな評価を受けたのは初めてだよ……」
 何だか新鮮だな、と呟いて、クスクスと笑った。
「多分、言うのは私が初めてだとは思いますよ……」
 私はその人の目を見つめたまま。
「きっとみんな、なのはさんはいい人だみたいな評価ばかりでしょう?」
「それも悪くはないと思うよ」
「そうですね……でも、なのはさんはそれが正しい評価じゃないことを知ってる」
「そこがズルイ?」
 またそうやって微笑む。
「違います、そういう風に評価させてるのがズルイと思うんです」
「そうなの?」
 そうですよ、だってそれは……
「もっと正確に言うとですね、本当の自分を誰にも見せないのがズルイんです」
「見せてるよ」
「見せてません、誰にも、一番大切な人にだって」
 騙してるんですから、みんなを。
「何でティアナにそんなことがわかるのかな」
 なのはさんはまた笑う。でも、その笑顔は少し苦い。
「……きっと、私となのはさんは似てるんですね」
「それが理由?」
「それが理由です」
 今度はなのはさんは何も顔に出さずに、ただ私を抱きしめた。
「疲れたら、言ってください……」
 抱きしめ返す。
「私はズルイなのはさんが好きですから」

679 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 18:41:08 ID:FtAtZBZ5
埋め立て

680 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 19:42:24 ID:C2nxHxGq
淫「なのはおいしいです」
雷「それははやてです」



淫「食あたりを起こしました」
雷「自業自得です」

681 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 20:27:19 ID:ju9plBCH
埋め埋め。
今年こそユノアルかユノシャマのエロを拝めますように。
無論、体格差があるユーノ9〜12歳設定がベスト。

682 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 20:34:38 ID:FtAtZBZ5
シャマルさんはエロいよなぁ、陵辱シテー

683 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 20:36:11 ID:/5cyv7m/
>>681

ならネタ提供だけ
なのはが落ちたことに対する責任を感じて、(ボクと出会って魔法を知ったりしなければ……的な)
看病やリハビリ方法の調査などで無茶を重ねるユーノが過労で倒れる。

→アルフルート
同じく自分を責めるフェイトにばっかり注意が向いてて、一緒に無限書庫で調べ物をしてたのに、
ユーノの不調に気付けなかったことに責任を感じてユーノの看病をすることに(ry

→シャマルルート
同じく自分を責めるヴィータにばっかり注意が向いてて、栄養剤の無茶な服用とかに気付かずに
ほいほいと渡してしまっていたことに責任を(ry




さぁ、誰か頑張って書いてくれ。

684 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 20:41:51 ID:FtAtZBZ5
           ,. -――-、,へ/ヽ/\へ へ /:.:.<⌒
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アギト様
次スレ
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685 名前:名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 20:47:18 ID:FtAtZBZ5
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