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「半分の月」橋本紡作品でエロパロ「曜日シリーズ」
- 1 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 00:26:33 ID:LLqvsI2R
- 半分の月がのぼる空、リバーズ・エンド、曜日シリーズなど
橋本紡作品の総合エロパロスレです。
とりあえず雑談あり、荒らしはスルーで。
- 2 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 00:43:01 ID:2wLQVds6
- test
- 3 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 00:45:39 ID:KTE5Mezx
- PSPで3げと
- 4 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 00:57:22 ID:Pl1LAv7J
- おつ!
- 5 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 01:17:31 ID:bb44XW5S
- >>1乙!
職人さんきてくれるかね?
そいえば保管庫に拓己×七海あったね
- 6 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 01:39:56 ID:sH0pcGgQ
- 唯かわいいよ唯
- 7 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 03:12:37 ID:+wl7hshF
- 人いなさす('ω`)
- 8 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 06:44:05 ID:EAEF9Ckh
- ライトノベルのスレは一部を除いてこの程度の寂れ具合
- 9 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 07:00:13 ID:P8nKfxiL
- 半月のアニメがやってるからここ1ヶ月ぐらいは、そこそこ人くるかな
- 10 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 13:15:12 ID:i7huUgmU
- 山から下りた夏目は、里香の携帯に電話しまっくって「里香ちゃんハァハァ」とテレホンセックスを強要する。
被害が重なってノイローゼとなった里香の訴えを聞いた裕一は、「自分が綺麗な女の子に近づく勇気がないから、こんな陰湿な真似をするんだ、許さない、許さないぞ」と親近憎悪する。
が、これは「実は俺もそうなんだ」としか受け取れない。
夏目を不審尋問で問い詰めた裕一は、
「あんた、『 里 香 ち ゃ ん テ レ ホ ン セ ッ ク ス し ま し ょ !』、って言っただろう!!」
と絶叫するが、その甲斐もなく、夏目は証拠不十分で医務室に留まる。
しかも夏目は尋問された際、ポケットに忍ばせていた携帯の録音モードで、裕一の声を録音していた。
そしてその『 里 香 ち ゃ ん テ レ ホ ン セ ッ ク ス し ま し ょ !』という部分だけをダビング・編集して復讐戦を開始する。
半分の月が出てる夜、里香の部屋に張り込む裕一。
携帯の着信音が鳴る。おそるおそる携帯をとる里香。顔を近づける裕一。
すると携帯からは裕一の絶叫が響き渡る。
『 里 香 ち ゃ ん テ レ ホ ン セ ッ ク ス し ま し ょ !』
・・・さらにエンドレス。
『 里 香 ち ゃ ん テ レ ホ ン セ ッ ク ス し ま し ょ !』
『 里 香 ち ゃ ん テ レ ホ ン セ ッ ク ス し ま し ょ !』
『 里 香 ち ゃ ん テ レ ホ ン セ ッ ク ス し ま し ょ !』・・・
携帯を放り投げ、裕一の顔を凝視した里香は、突然錯乱して絶叫、自らパジャマを引きちぎる。
「うぎゃー! ぬ、脱げばいいの? ネェ!! 脱げばいいの!?」
- 11 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 18:43:48 ID:P8nKfxiL
- GJメ
- 12 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 00:37:56 ID:vl5JDs7T
- ワロタww
- 13 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 00:41:18 ID:DABDvpjF
- とうぜん、続くんですよねw
- 14 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 01:17:13 ID:zeksF6uE
- >>1の執念に脱帽
- 15 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/28(土) 20:29:56 ID:Bn8yqUE+
- 期待して保守
- 16 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 00:42:40 ID:JvvqQqjl
- 里香可愛いよ里香
- 17 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 03:47:32 ID:/DPRFgpZ
- 半分の月はどうしてでもSEXさせてあげないと悲しくなるがな
- 18 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 10:56:35 ID:/DPRFgpZ
- 保守
- 19 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 12:17:11 ID:H9Aiz03l
- 夏目と小夜子ってヤったの?
- 20 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 16:12:01 ID:/DPRFgpZ
- 保守
- 21 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 16:13:12 ID:/DPRFgpZ
- 保守
- 22 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 20:01:58 ID:b/W0N6Eq
- 落ち阻止のために保守
皆もなんでもいいから書きこもうよ
- 23 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 20:25:11 ID:BrANDnDB
- >>22
>なんでもいいから書きこもうよ
・・・
白い巨塔のジャングルに
今日も荒らしが吹き荒れる
ルール無用の看護婦に
怒りのキックをいただいた
逝け逝けゼブラー ゼブラー
ゼブラーマスクー
- 24 名前:リレーでもすっか?:2006/01/29(日) 21:09:40 ID:cVTbwyx/
- 「…裕一」
母親の、低くて冷たい声が耳に届いた。
「はい」
僕は弱々しく返事を呟き、母親の眼を見た。声と同質の、冷たい眼差しだった。
「…裕一君」
里香のお母さんも、僕を冷ややかに見ている。なんでこんなコトになってんだよ…ちょっと状況を整理しよう。
続きよろ
- 25 名前:CM:2006/01/29(日) 21:16:46 ID:H9Aiz03l
- じゃ俺も
祐一「嵌められたのが悔しかった…俺はこのデス〇〇二ーで全てを薙払う!!」
夏目「面白いからさ」
祐一「あんたって人はァーーーーーーーー!!!」
ぶつかり合う運命、半月!!!!!!!!!
- 26 名前:25:2006/01/29(日) 21:18:21 ID:H9Aiz03l
- スミマセンでした。もうしません。ごめんなさい。
- 27 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/29(日) 21:58:18 ID:/DPRFgpZ
- いよいよ第6巻で完結か・・
- 28 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 00:40:15 ID:To/ctHlY
- >>24
ちょっと書いてみた。
下手だが我慢してくれ
穏やかな昼下がり僕は、里香のパシられ図書館へ本を借りに行くことになった。ちなみに僕は状態が悪化し外出は禁止されている。そう無断外出だ。
里香のために本を借りに行っていた、と言っても相手はあの不良看護婦、亜希子さんだ。許してはくれる訳がない。バレたらナースステーションの前でまた正座をさせられ、長々と説教されるだろう。確実に。
何としてもバレる前には戻りたい…
でも最近は些細な事で里香が喜んだり笑ってくれたる。それがとても嬉しかったりする。
里香の笑顔が見られるなら亜希子さんの説教くらい甘んじて受けてもいい………前言撤回…やっぱり亜希子さんの説教は勘弁してほしい…
そんな事を考えながらオンボロ自転車のペダルをこぎながら図書館までの道を急いだ。
結局目的地の市立図書館につくまで20分もかかってしまったが…
ここへは里香にパシられ何度も本を借りに言っている。
そのため、カウンターのおばちゃんとも随分と顔馴染みになってしまった。
「あら、裕一くんじゃない?今日は何の本?」
「あ、えっと…これなんですけど…」
中に入るなりおばちゃんがはなしかけてきた。
僕はダッフルコートのポケットから四折りになったメモ用紙を渡す。
おばちゃんはパソコンを使い、目的の本のある場所を調べ、プリントしてくれた。
「はい、これ見れば本のある場所わかるからね」
「はい、ありがとうございます」
お辞儀をしてカウンターを後にし、本を探し始める。
目的の本を探し終え、貸し出し手続きを済ませ帰ろうとするとおばちゃんに声をかけられた。
「とこで裕一くん、例の女の子とはどこまでいったの?」
「ななななな!?」
いきなりだった。不意打ちもいい所だ。多分、僕の顔はトマトみたいに真っ赤になっていると思う。
「あらあら…その反応だと進展してないの?」
「………」
何もいえない。
「いい?女の子って力押しの強い男の子に弱いの。まずは押し倒してキスでもしなさいな。そしたら……」
全てを聞く前に僕は本を詰めたバックを持ち駆け出した。
とりあえずおばちゃんの話は長い。逃げるが勝ちだ。
……病院についた時、陽は既に大きく西に傾き、ナースステーションの前で仁王立ちしていた亜希子さんに捕まり正座させられたのは言うまでもない…
僕が里香の部屋へ向かう頃にはすっかり陽は落ちていた。
続き誰かよろ
- 29 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 04:50:27 ID:Cft0SOre
- なんだかんだいって書けるだけみんな凄いな…俺には小説を書くことなんか無理だ
- 30 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 07:13:46 ID:1CKUDlDS
- 半月のエロを書くのって大変だよな
あまりアレな事をして里香に無理をさせる訳にはいかないし
- 31 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 07:36:24 ID:To/ctHlY
- >>30
実際聞いた程度なんだが心臓病の子とそういう事するとやっぱり結構負担かかるらしい。
例えば心臓にある血液の逆流を防ぐ弁がもろかったりすると、してる最中に逆流して辛いらしい
でも女の子は病気だと知ってても好きな人とは繋がりたいものらしいよ
- 32 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 15:34:23 ID:1CKUDlDS
- >>31そうなんですか、つらさより一つになりたい思いの方が強いんだ
- 33 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 15:52:38 ID:cMtlnbaw
- 「え…本当にやるの?」
「あぁ…」
暗闇の中に
- 34 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 18:54:49 ID:To/ctHlY
- >>32
んー…なんて言うか、色々なモノを共有したいらしい。
例えば一緒にいる時間とか食事とか聞いている音楽まで。
おそらく病気というハンデがあるからこそ同じラインに立ちたいんだろうね
- 35 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 20:04:23 ID:+68X6u68
- やべ、なんか泣けてきたw
俺の涙線ゆるいなwww
- 36 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 20:05:29 ID:+68X6u68
- 保守しとくな
- 37 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/30(月) 21:00:02 ID:4ES0dgD2
- >>34そう考えるとアレな話もいい話っぽく見えるね
- 38 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 00:15:41 ID:5FppeIWT
- 保守
- 39 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 02:01:41 ID:5FppeIWT
- 保守
- 40 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 05:01:44 ID:w1hvCW3u
- 期待age
- 41 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 07:11:24 ID:PpHZyz79
- アニメ見て思ったんだが…里香って 貧 乳 だよな
- 42 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 11:25:22 ID:SZ1CZAbt
- // :/:::::/::::::.!:::|:::: !::::::::、:::::::::::::::::、::ヽ::::::::ヽ
!|:::/::::::.!:::::::|:::∧::::|、::::::::!.、:::::::::::::ヽ: !:::::::::: !
i:l: ::|:/:::.!::::::ii|_:| ヽ:::!l\:::!'、\::::::::::::!::!::::::::::::.!
. |/l:::.!|, :::ヽ::::l'l:lヽ、ヽ:|l'´ヾr==ミ、:::::::|::|:::::::!::::: !
|::.!l:.!::::::lヽ|,==、 `' ヽ \:|:: !: ::: !::::::.! うるさいうるさいうるさい!
l/ `ヽ::|:::l , - 、 ll'::::!.l:::::.!:::::::.!
l`l::.!! l/ ̄ ヽ /.!::::.!:|::::::.!:::::::l
!::::.!.!ヽ ヽ ノ /::::|:::::|::.!:::::.!:::::::.!
.!::::| !::::.` ー 、._ ´ ,/ |::: !:::::|:::l::::::.!:::::::|
|:::::|.!::::.!:::::.!:::::::::`Г l-,|::::.!::::|::::::.!:::::::|
|::::::l':::::.!::::::|:::::_, -/} /:l:::::lー-: !:::::::.!
!::::::|:::::_!, .‐' ´.:.:.:!r- 、_ /.:.:.:!::::l// /`ヽ:: !
. |::::::|/ ヽヽ.:.:.:.:.:.lィーミ./.:. :.:.:.!:::.!/ / !::.!
. |:::::::! ヽ ヽヽ.:.:.:.ヽ / .:.:/ !::::| / |::::!
- 43 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 12:29:43 ID:6MJnsQu5
- 折れにはシャナとかぶって見え(ry
- 44 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 18:35:49 ID:On3HuVA1
- >>41
貧乳だからこそよいのだよ
- 45 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 19:10:01 ID:FUpSa2pC
- 心臓が弱いから、乳をもぐことも、もがれることもないんだろうな・・・
裕一がエロ本でボイン娘にハァハァしてたのには、嫉妬の感情も入ってたのか?
- 46 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 19:30:18 ID:5FppeIWT
- 保守
- 47 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 20:45:04 ID:fXjW7lcj
- 小さい方だとは思うが貧乳ってほどじゃなくね。
- 48 名前:名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 21:45:46 ID:5FppeIWT
- 保守
- 49 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 06:00:03 ID:9Fb96/mt
- 書けそうな人いる?
- 50 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 07:08:21 ID:36HOP/4f
- >>49立ってからまだ一週間も経ってないし気長に待とうぜ
それよかスレを安定軌道に載せるのが先決だろ
- 51 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 09:39:50 ID:vdHb5QIl
- 書くにも、原作最終巻を読んで自分の中で消化してからにしたいと思っちゃうなあ。
里香と祐一は兎も角、夏目とかそのへんの決着がなあ。
今の状態で書くと、すっげー暗い話になりそうだ、エロなのにw
- 52 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 13:47:30 ID:NJsQISdD
- 半月のエロって言うと、「多田コレクションを見て、裕一がつい考えてしまった妄想」と思い浮かんだのは私だけ?(←お前だけ)
- 53 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 14:24:08 ID:G31vdpEV
- 夢オチとか
- 54 名前:蟲っぽい人:2006/02/01(水) 16:30:42 ID:4147ozzN
- はっ!夢オチや妄想なら亜希子さんをイかせることも……(←外道)
よし……
……(数分後)……
エロ小説なんて書けるかーーーーー!ちくしょーーー!(←失敗したらしい)
- 55 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 18:08:40 ID:36HOP/4f
- 小説書くのって難しいよな
妄想ならいくらでも浮かぶのに
- 56 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/01(水) 21:31:23 ID:NYNns4PB
- 保守
- 57 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 00:21:21 ID:LmQmj6bo
- 半月の三巻のIFストーリー
裕一がナーバスになってる時に亜希子の知り合いの美沙子に部屋に連れこまれ裕一が寝取られる
なんてどうだろ?
- 58 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 05:16:49 ID:xdvbDNAR
- ちょっwwそれは洒落にならんぞ
- 59 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 07:46:48 ID:wJZaCzD2
- 美沙子さんって挿絵で顔出てきてたっけ?
- 60 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/02(木) 10:18:38 ID:LmQmj6bo
- 顔は出て来てないな
- 61 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 01:34:48 ID:XQwNSgpi
- ダメだこのアニメ、小説読まないとついていけん。0.5クールアニメ展開速すぎ。
- 62 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 04:36:11 ID:ecgA6Vfb
- 保守
- 63 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 19:18:55 ID:Uh5voWvu
- 保守します
- 64 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/04(土) 05:23:40 ID:G+cj79SI
- 最終巻発売まであと一週間か…それまでの間どうやってスレを盛り上げようか?
- 65 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/04(土) 17:11:56 ID:XbQN9Zgx
- 誰もふれてないけど半分の月がのぼる空 one dayは読んだヤシいないのか?
- 66 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/04(土) 19:10:35 ID:ieCd5IL5
- 買ったよ、あかふくぜんざい萌えす
- 67 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/05(日) 04:42:59 ID:FSepf1Qr
- >>66あかふくぜんざいに萌えたのか
- 68 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/05(日) 10:01:43 ID:VN3/oisf
- 「あっかふくぜんざい〜」
と口ずさむ里香に萌えたということだろう
つーか俺がそうだ
- 69 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/05(日) 10:27:20 ID:SH51/f5A
- ――心では繋がっている。そう信じているから今まで我慢できた。
美紗子さんの家に行くまでは・・・。
「いいか?今日のことは絶対にしゃべるんじゃないよ。あんたがどんなに情けなくい男でもそれぐらい出来るだろう?」
病室の前で、僕は再び亜希子さんから忠告を受けた。――と思う。今の僕にはそんな声なんか聞こえない。
僕のスイッチは、まだ入ったままだから・・・。
警備員などに見つからない様に息を殺し、東病棟に向かう。
目指す場所には目をつぶってでも行くことが出来るくらい道順は体に染み付いている。
――里香。
前に多田コレクションで陵辱もののエロ本を読んだことがあった。
か弱い女を押さえつけ、泣き叫ぼうとする口を押さえ込み、獣の様に腰を振る。
そんな風に里香を『犯そう』。汚れた僕に、彼女を愛する資格はないから。
誰にも渡さぬよう、どこにも行かぬよう――
彼女を『犯そう』
- 70 名前:SH51/f5A:2006/02/05(日) 10:38:07 ID:SH51/f5A
- きっと僕がいつ来ても良い様に仕掛けておいたのだろう。ドアに蜜柑が、黒板消しトラップのように仕掛けられていた。
欲望に満ち満ちた頭は氷の様に冷たく、冴えていた。こんな子供だましには引っ掛からない、いつものドジな僕は何処へ行ったのだろうか?それほどまでに目の前の「女」が欲しいか。
「むにゃ・・・ゆー・・・いちぃ・・・」
「・・・・・・」
彼女の夢にまで僕は出て来ているらしい。夢の中の僕もやはり奴隷のごとく彼女のわがままを聞いているのか。きっとにやにや笑いながら言われるままに使われているだろう、いや、使われていてほしい。それが一番楽しかった。
「里香・・・」
彼女の名前を呟いた。
今の僕はもう昨日に戻れない、そんな気がしたから。
昨日の僕を忘れないでほしいから。そんな気持ちから呟いた。
「里香・・・」
彼女に別れは告げた。
さぁ、『犯そう』
- 71 名前:SH51/f5A:2006/02/05(日) 11:25:41 ID:SH51/f5A
- 僕は早速彼女のパジャマをひっぺがした。知識があるといった訳ではない、それでも僕は快感が欲しかった。
ただそれだけを求めて里香の下半身にかぶりついた。
「んんっ!?裕一?!」
急な下半身への刺激に寝ていた里香が目を覚ました。
だが知ったことか、僕は里香の秘所を舐めてやった。
「何してるの裕い・・・きゃぅっ!」
ほとんど病院から出たことのない彼女、やはり処女だ。好きな女の初めてを奪う。
僕はそのことに異常なまでに興奮し始めた。
まず彼女の自由を奪う。抵抗する彼女の腕を押さえつけ、口を口で塞いだ。
「いやっ!裕一やめっ、んぐっ!?むむぅ・・・!」
すべての物理的な抵抗手段を奪われ、彼女はただ目に水晶の様に美しい水滴を浮かべた。
でも、もう涙で痛む良心なんてない。泣いても無駄だよ里香、一緒に快楽に溺れよう。
僕は残った片手で自分のズボンを降ろした。
「っ!!・・・んぅっ・・・はっ・・・」
病室内は静寂に包まれていた、微かにベッドの揺れる音、そして小さな喘ぎ声。
待ちきれなかった僕は自分のを里香の秘所に勢い良く入れてしまった、本とかの知識だと多少濡らしても初めては痛いらしい。
僕と繋がった彼女の目からは涙が溢れ、その量が一定以上になる度に頬へと流れている。
「はぁ・・・締め付け過ぎだよ里香・・・」
体の激しさをわりに口からは優しい言葉が彼女に放たれた。
当然だ、資格はなくても好きなのだから。
「裕一ぃ・・・もう・・・やめっ・・・んぁぁっ!っ!!」
悲痛な彼女の声が僕の脳を、前立腺を刺激する。脳が体に更なる快楽を要求する。命令に従い腰の動きはさらに速く、激しくなる。
「はぁっはぁっ・・・里香、里香!里香!!・・・」
「んっんっはぁっ!あんっ、ああっゆっ、いちぃ・・・!」
自然と声が大きくなってくる、涙を流し、涎が口の端から垂れる。
お互いに初めての快感に理性が飛び始めた。もう里香も拒むことを忘れ、僕のもたらした快感に溺れている。
そうだ、壊れてしまえば良いんだ、落ちて来てくれ。
資格のない僕のところまで、低い位置まで。
- 72 名前:SH51/f5A:2006/02/05(日) 11:28:53 ID:SH51/f5A
- ちょい部屋の日差しが暑すぎるんで中断。
続きは日が落ちた頃にでも
- 73 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/05(日) 12:01:31 ID:cJ1n7PW9
- ネ申 降 臨 !
- 74 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/05(日) 13:50:54 ID:wNbGcg5U
- 神だ! やっと神と・・・
- 75 名前:SH51/f5A:2006/02/05(日) 15:10:45 ID:SH51/f5A
- >>71の続き
「!」
急に里香の膣が僕のを強く締め付けた、見ると里香は体を軽く痙攣させながら放心状態になっている。
(・・・イッた?)
初めて女性が絶頂を迎える姿を見て僕もイキそうになったが、それ以上の怒りが僕の体を支配した。
「おい・・・なんで先にイってるんだよ・・・」
「え・・・?何?裕・・・」
「なんで一緒にじゃないんだよっ?!」
まだ余韻の残っているだろう里香の体に僕は再びのしかかった。
そして、再び彼女の秘肉を思い切りめくり上げてやる。
「あひぃぁっ!くぅぅっ・・・!」
絶頂を迎えたばかりの体に再び快楽が、波打つ様に走り、暴れる。
「裕一っ!んんぅっ!もうっ、む、りぃ!!抜いてぇ・・・!」
里香の哀願が耳に入り、抜けていく。
「抜く?何を馬鹿なこと言うんだよ里香。一緒にイこうよ?」
「だから、も、無理なのぉっ!私が、こ、われっ、ちゃうよ・・・」
押し寄せる快感に理性の檻が壊れようとしていた。
そう、していたんだ。
でも僕は今の里香の、性欲をくすぐるような甘い喘ぎを前に――
完全に崩壊した。
「いいから壊れちゃいなよ・・・」
このまま、彼女を、死ぬまで『犯す』
- 76 名前:SH51/f5A:2006/02/05(日) 15:42:35 ID:SH51/f5A
- エラー起こしてもーた
- 77 名前:SH51/f5A:2006/02/05(日) 15:45:46 ID:SH51/f5A
- 最近の体育の成績はそこまで良くない、まして入院患者になってからは図書館に行って帰ってくるだけで疲れて快眠な日があったほど体力は落ちていた。
そんな体の何処にこんな力が残っていたのか。
時刻は既に零時を過ぎていた、半分の月は何処にもない。
東病棟の一室で、僕はひたすら里香の体に快楽を求めていた。
- 78 名前:SH51/f5A:2006/02/05(日) 17:11:45 ID:SH51/f5A
- 「里香っ、里香っ!」
愛する資格を無くしても、なお僕は腰を振り続ける。疲れは全て快楽が持っていってくれる。
「はっ、はっ、んっ!あぁっ・・・!んぅ」
- 79 名前:SH51/f5A:2006/02/05(日) 17:13:58 ID:SH51/f5A
- 彼女は既に二回目の絶頂を迎えていた。涙と愛液でグシャグシャになったシーツを
- 80 名前:SH51/f5A:2006/02/05(日) 17:17:10 ID:SH51/f5A
- 送信できん(´・ω・`)
- 81 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/05(日) 18:45:26 ID:qJsfqsAI
- >>80大丈夫ですか!時間を2、3分ずつずらして送信するといいですよ
がんばって下さい!!
- 82 名前:SH51/f5A:2006/02/05(日) 19:36:07 ID:SH51/f5A
- いや連投じゃないんだ。
送信データの URL エンコーディングに失敗するそうだよ。
1行ずつくらいしか小説が投稿できん。
- 83 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/05(日) 19:45:12 ID:qJsfqsAI
- URLエンコーディングですか、自分にはさっぱりわかりません
すいません力になれなくて。
- 84 名前:SH51/f5A:2006/02/05(日) 20:00:30 ID:SH51/f5A
- 一行ずつでいいなら投稿するけど・・・。
他のひとに迷惑だしね。誰か続きお願いします。復活できたら投稿するんで
- 85 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/05(日) 20:05:13 ID:nQzwhog2
- >>82少し時間を置いて見ては?
明日になればIDも変わるしよほどの事がなければしばらく待てば書き込めるようになると思いますよ
- 86 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 07:09:20 ID:03bSy0Hc
- 保守
>>84さん、頑張って下さい
- 87 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 19:57:42 ID:xmiAYvAA
- 保守
- 88 名前: SH51/f5A :2006/02/06(月) 20:11:45 ID:Rmnqbl4B
- 最近の体育の成績はそこまで良くない、まして入院患者になってからは図書館に行って帰ってくるだけで疲れて快眠な日があったほど体力は落ちていた。
そんな体の何処にこんな力が残っていたのか。
時刻は既に零時を過ぎていた、半分の月は何処にもない。
東病棟の一室で、僕はひたすら里香の体に快楽を求めていた。
「里香っ、里香っ!里香っ!!」
愛する資格を無くしても、なお僕は腰を振り続ける。疲れは全て快楽が持っていってくれる。
「はっ、はっ、はっ、んっ!あぁっ・・・!んぅ・・・」
彼女は既に二回目の絶頂を迎えていた。涙と愛液でグシャグシャになったシーツを掴む手は、まるでそれが理性も繋ぎ止めているかの様に力が込められている。
でも僕は未だに絶頂を迎えていなかった。だから腰を振る、里香の中にこの欲望をぶちまけるまで。
「うっ!里香!イきそう・・・なかに出すよっ!」
「え・・・あ、なか?・・・ダメ・・・なかはダメぇっ!」
後少し、きっと後一突きだ。漸く彼女の、里香のなかにぶちまけられる!
一度自分をぎりぎりまで引き抜き、僕は体中の力を全て溜め込み、力一杯彼女の膣を突いた。
はずだった。
何かが後ろから僕を思いっきり彼女から引き抜いた。その衝撃で僕はそのまま自己の欲望をぶちまけた。
「あう・・・熱・・・」
一部が里香にかかる、僕によって白く汚された里香は二つの悲痛な瞳を僕に向けていた。
それが僕に見ることの許された、最後の里香の姿だった。
- 89 名前:SH51/f5A:2006/02/06(月) 20:28:25 ID:Rmnqbl4B
- 振り返ると、そこにいたのは病室に僕がいないことに気づいた亜希子さんだった。
彼女の目は、まるで汚いものを見るかの様に僕を見下していた。
「・・・このクズがっ!」
強烈な痛みが側頭部に走り、僕の視界には月も、何も映らなくなった・・・。
その後、僕は自分の家で目が覚めた、追い出された、僕はその事実をすぐに理解することができた。
下の階ではあのクソ親父が死んだ時の様に、母さんは泣いている。僕があのダメ人間の様に成り下がったからだろう。彼女は涙のもとがなくなるまで泣き続けるに違いない。
「里香・・・」
好きだった人の名を呟いた、一時の快楽の為に裏切った人の名を。
壊した、僕が彼女を完全に壊した。壊してしまった。
あまりにも下らなすぎる幕切れだ。彼女が全てだったのに分かっていつつも、それを壊した。
「り、か・・・」
欲望に満ちた白濁によって汚された、最後に見た彼女の壊れた姿を思い出し、僕は柱に頭を付け、泣き続けた。
過ちで失ったものは、二度と戻ってこない・・・。
終
- 90 名前:SH51/f5A:2006/02/06(月) 20:30:05 ID:Rmnqbl4B
- なんとか血路を開き書ききれた。
一行ずつとかになってるとこはスルーで
- 91 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 20:34:31 ID:xmiAYvAA
- >>90
GJ!
- 92 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 20:52:06 ID:Bltsp4CV
- >>90 お疲れ様でした!!
- 93 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 22:40:21 ID:03bSy0Hc
- 無事書き込められたようでよかったです
可哀想な里香に萌えてしまった自分はSなんだろうか…
- 94 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 23:48:09 ID:xmiAYvAA
- 流れ豚切って悪いがリバースエンドって需要あるか?
- 95 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 23:49:59 ID:xmiAYvAA
- 誤爆…orz
×…リバースエンド
〇…リバーズエンド
だな…
吊ってくる…(AA略)
- 96 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/07(火) 00:55:38 ID:d4x+PKTU
- まぁ実際里香がセクロスなんかしたら確実に死ぬだろうな
- 97 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/07(火) 05:30:21 ID:ePruEABj
- >>94総合スレだし、別にいいんじゃない
- 98 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/07(火) 06:56:48 ID:YnLp2eqa
- >>90GJっす
>>94SSが増えるのは悪いことじゃないし、橋本作品総合スレだから問題ないんじゃん
- 99 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/08(水) 07:09:20 ID:8Oxp/bJX
- 保守
- 100 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/08(水) 19:29:37 ID:V3r6WV7u
- みんなは半月で、どんな話が読みたいんだ?
- 101 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/08(水) 21:18:37 ID:A3/ehito
- 亜希子×夏目
- 102 名前:SH51/f5A:2006/02/08(水) 22:12:43 ID:EM2yjhpY
- これが陵辱、というものなのか。
男性経験を持たない谷口亜希子にはそんな知識など皆無なのでよくはわからない。
「ん、くぅ・・・」
自分から誘ったのだろうか、それともこいつは元々亜希子のことを襲おうと考えていたのか。夏目との問いかけをろくに訊かずに生返事で返していたせいで何について話していたかがものすごく曖昧になっていた。
「ああっ・・・!」
全身を走る電流のようなものが亜希子の思考を妨げる。見ると夏目の指が亜希子の秘所に存在する縦一文字のすじをなぞる様に這わせている。
「あんまりでけぇ声出すとバレるぞ?」
「だったらその手をどけたらどうなんですか・・・?」
現役を退いてなおも衰えぬ気迫を視線に乗せて、亜希子は夏目に眼をつける。
しかし彼女の口から言葉とともに甘い吐息を漏らしてしまっていてその迫力がいまいち様にならない。
「顔が真っ赤だが、酒でも飲んだのか?」
「勤務中に隠れて一升瓶抱えながら飲んでる駄目医者じゃあるまいし・・・」
「・・・俺は勤務中に飲んだことなんか無いがなぁ・・・」
そう言いながらも夏目は亜希子の顔から視線をそらす。
この医者、裕一をボコボコにした時のことも忘れているらしい、もっとも、それだけではなくちょくちょく酒を飲んでいるところは見かけているが。
「で、どうする?」
「はぁ?」
「続きをするのかしないのか、だよ」
どうやらあたしはこいつに犯されなければならないようだ。断る、
といって逃げることも普段ならできるだろうが・・・いま亜希子の体にはメンチを切れるほど力が入らない。
「逃げねぇってことは、いいんだな?」
二枚目の顔がニヤつきながら近づいてくる。
逃れることはできない。
- 103 名前:SH51/f5A:2006/02/08(水) 22:13:43 ID:EM2yjhpY
- 一応出だしだけ、今日は疲れてるんで明日またできたら続きを
- 104 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/08(水) 23:04:28 ID:A3/ehito
- GJ!
wktkしながら待ってる!
- 105 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/08(水) 23:57:47 ID:banzGdLL
- >>98
うむ、そのために総合スレにしたんだからな。
是非ともお願いしたいね。
- 106 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/09(木) 17:59:10 ID:CzZeoR5c
- >>>103期待
- 107 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/10(金) 03:14:55 ID:UbcQD4Lq
- 最終巻読んだ、淡々としてるけどいい話だった。
- 108 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/10(金) 12:35:07 ID:WCGAFuBi
- 最終巻発売記念あげ
- 109 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/10(金) 18:21:25 ID:TbJd2ZtQ
- アニメのミニスカエプロン&胸デカ里香も萌えたけど、6巻4コマの里香も良かった
- 110 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/10(金) 21:47:53 ID:4M+3k/i2
- 巫女キタコレ!
- 111 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/11(土) 01:00:19 ID:f8f3oWMG
- 巫女里香テラ萌えス
- 112 名前:SH51/f5A:2006/02/11(土) 20:12:32 ID:Ar+FRfLm
- やっぱ続き書く?
- 113 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/11(土) 21:43:08 ID:HStAy4vx
- >>112できればヨロ
- 114 名前:SH51/f5A:2006/02/11(土) 22:14:40 ID:Ar+FRfLm
- 激しい運動、もとい労働によって皺のついたナース服のスカートの中で、夏目の腕が蠢く。
服の中で下着をずらされ、乳房が弄ばれる。乳頭が服で擦れてわずかに痛覚を働かせた。
「触れてみて初めて分かるな、予想通りなかなか大きいじゃないか」
「あ、そ」
平静を装う為になんともないという感じで答えたかったのに、口が羞恥心に負けてどもってしまった。頬も紅潮しているのではないだろうか。
「あれ、おっかしいなぁ・・・感じないか?」
「あぁ何とも感じないね、下手なんじゃない?」
あの二やついた顔、間近で見ててすっげぇムカつく。しかもそいつの手のせいで力が入らないのがさらに悔しい。
それにこいつはあたしが感じているのわかってて言っている、そうに違いない、絶対そうに違いない。そう思うとさらにムカッとした。
「お前じゃ、役不足なんだ・・・ひゃぁっ!?」
「おっ乳首攻めは効くみたいだな」
「あはぁっ!?な、なにすんだ・・・」
「気持ちよくするに決まってんだろう。もっと強くつまんでやるよ」
「あ、あああああっ!!」
胸の尖端からから痛みと、そして快感が亜希子の脳に電流として走る。
急な刺激に脱力した体が一瞬硬直し、次の瞬間さらに強い脱力感が全身を襲った、筋力は重力に負け、ガクンと床に膝をついてしまった。
「おいおい、随分と早くいっちまったなぁ・・・まだまだこれからだぜ?」
言いながら夏目は亜希子の手を掴み、自分のズボンへと誘導した。
堅い「何か」が、そこには存在した。
「さぁ、本番だ」
- 115 名前:SH51/f5A:2006/02/11(土) 22:15:47 ID:Ar+FRfLm
- 忘れてた
>>102の続きね
- 116 名前:SH51/f5A:2006/02/11(土) 23:27:04 ID:Ar+FRfLm
- ちょい忙しいんで少しずつ書いていきますね
- 117 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/12(日) 02:58:36 ID:+OD7Mdm1
- wktk
- 118 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/12(日) 04:27:38 ID:pqWOCVqZ
- ttp://image.blog.livedoor.jp/asu6/imgs/3/4/34e9799a.jpg
↑エプロン里香
- 119 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/12(日) 20:08:08 ID:b95v6GqB
- ミニスカエプロン巨乳美人妻か…男の夢の結晶だな
- 120 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/13(月) 07:29:52 ID:XVIEHC5f
- みゆきかわいいよみゆき
- 121 名前:SH51/f5A:2006/02/13(月) 19:15:03 ID:I+yBy9Dd
- >>114の続き
初めての絶頂のせいか、それとも本能がそれを求めたのか。
亜希子は夏目のズボンに押し付けられた自分の手を動かし、その何かを解放した。
「あ・・・」
青年にしてはかなり大きいそれは、亜希子の目の前に強い臭気を放ちながら姿を現した。
勝手に鼻がひくつく。その匂いは脳へと運ばれ、まるで媚薬のように全身に行き渡る。股が熱を帯びるのを亜希子は感じた。
「・・・匂い嗅いでないでさっさとくわえてくれないかな?変態ナース」
「だ、誰が変た、むぅっ!?」
当然口を無理矢理開かせられ、熱く煮えたぎるそれをくわえさせられる。
大きくて顎が・・・。
「なめてくれ」
「あふ・・・」
甘い、脳が痺れる様な媚薬が鼻の先から漂ってくる。頬が、体が、股が熱くなる。
舌が快楽を求めそれを舐め回す。
もっと欲しい、甘い、熱い、痺れるような快楽が。
- 122 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/13(月) 19:35:27 ID:dlyTQkIT
- ところでネギま!の一話のクラス写真の佐々木まき絵が
リバエンの唯に見えたのは俺だけか?
2、3コマしか出てなかったのに第一回人気投票で一位になった時
ちょっと泣いた。
- 123 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/14(火) 05:01:17 ID:98Yh/guO
- ネギまネタはキャラ多すぎてわからん
- 124 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/14(火) 12:56:31 ID:pQWVDZwq
- ナイチチ萌え保守
- 125 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/14(火) 19:00:58 ID:ALdyS6SM
- ここってエロバロじゃないと駄目?
折角2月14日という事で、さっきから里香と裕一のバレンタインSS、書き始めてんだけど。
ただラノベ板の本スレの方はSS投下しにくい雰囲気なので、どうしようかと。
- 126 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/14(火) 20:11:54 ID:66REd/3S
- >>125
ぜひぜひぜひ!!!
- 127 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/14(火) 20:39:05 ID:vLJMZo/X
- >>125
wkwktktk
- 128 名前:125:2006/02/14(火) 22:45:53 ID:ALdyS6SM
- >>126 >>127
それでは、お言葉に甘えまして。
でもスイマセン、久々のSS書きだったもので、本日中に間に合いそうにないので前編だけ。
駄文の上に、無駄に長くて申し訳ありません。
なお第6巻の更に後日談となりますので、原作6巻、未読の方はご回避をm(_)m。
- 129 名前:裕一と里香のバレンタイン前編1/5:2006/02/14(火) 22:46:47 ID:ALdyS6SM
- 「じゃあね、裕一。また明日」
「…………ああ、じゃあ、また明日な。気をつけて帰るんだぞ」
僕は動揺を隠すべく、目一杯の虚勢を掻き集め、別れの挨拶を告げた。
ただ呆然と里香の背中を見詰めることしかできない中、その姿は徐々に小さくなってい
き、やがてその柔らかな輪郭は夕陽の中にかき消えてしまう。
今日一日、いやその何日も前から膨れあがっていた希望という名の心の風船が急速に萎
んでいく。
代わって襲ってきたのは、猛烈な虚脱感と脱力感。
何故か今日に限って里香は、僕の如何なる誘いにも乗ってこなかった。
駅前で伊勢うどんを食べて帰ろうと誘っても、七越ぱんじゅうを買って帰ろうと云って
も、首を横に振るばかり。
「今日は俺が奢るからさ」と云った時だけは目を輝かせて暫らく考え込んでいたけれど、
残念そうに「今日はちょっと大事な用事があるから」って。
ひょっとしたら、里香にとっては今日はとても大切な日なのかも知れない。
例えばお母さんの誕生日だとか、お父さんの命日だとか、二人の結婚記念日だとか、そ
んな家族にとって大切な日。去年の今頃はそれどころじゃなかったから、今年は特に大切
な日になっているのかも知れない。
だけど、よりによって今日がその日じゃなくてもいいじゃないか!
2月14日。
聖バレンタインという一年に一度の今日でなくっても。
里香と出会う前までならば「バレンタインなんてお菓子会社の陰謀だろ? 馬鹿馬鹿し
い」って山西あたりと一緒にグダグタ云って斜に構えながらも、内心「実はわたし、前か
ら裕一さんのこと!」なんて、ありえもしない夢のような展開に期待して、だけどそんな
春の雪よりも淡い妄想が現実化する筈も無くって、お情けのように母親やみゆきから、義
理以外の何ものでもありえない板チョコを貰って、そんな自分の情けなさにますます自己
嫌悪を深める、なんてのが北極星の如き動かしがたい僕の真実だった。
そのみゆきにだって、疎遠になっていたここ数年は義理チョコさえ貰ったことがない。
以前のように普通に喋れるようになった今年はどうかと云えば、現在三年生は入試の真
っ直中。いや、それ以前に、みゆきには本命チョコを上げる相手がいる。……みゆき、上
げる相手がお菓子作りの達人である司だからと云って、変にチョコ作りに凝って、入試の
本番に響かなきゃいいけど。
うん、幼馴染みのそんな心配まで出来る僕って、なんて心が広い人間なんだ。
……勿論そんな心の贅肉が許されるのは、今の僕には里香がすぐ隣にいてくれるからこ
そだけれど。
- 130 名前:裕一と里香のバレンタイン前編2/5:2006/02/14(火) 22:47:42 ID:ALdyS6SM
- 実際この数日来、里香と登校中の僕、教室にいる僕、里香と下校途中の僕には、いくつ
もの視線に常に晒されてきた。
普段なら他人からの視線なんて居心地が悪くなるだけだけど、うなじの辺りがもぞもぞ
するような、羨望と僅かばかりの妬ましさを伴った視線は、不思議と心地よかった。僕に
は縁遠いものだと思っていたけれど、所謂「勝ち組」ってのはこんな気分なのかも知れな
い。
山西の馬鹿のお陰、というのも癪だけど、例の結婚騒動以来、学校では僕と里香の仲は
公然のものとなっている。
勿論、当初は里香に憧れている一部の女子生徒から「戎崎先輩なんて里香先輩に釣り合
ってないわよね」なんて云う声も当然のように上がっていたようだけど(当然だ、僕だっ
てそう思っただろう……里香の情け容赦ないあの性格の悪さと、どこぞの軍曹とだって真
っ向から張り合えそうな口の悪ささえ知らなければ)、最近ではそんな声さえ下火になっ
たらしい。
流石に不審に思って、みゆきにさりげなく探りを入れて貰った所、なんでも里香の前で
同じような趣旨のことを告げた女の子がいたらしい。
「……裕ちゃん、その後の里香ちゃんの反応、聞きたい?」
みゆきの問いかけに、僕は即座に首を振った。惚気になるような言葉を、幼馴染みの口
から聞くことが耐えられなかったからじゃない。女子生徒の中では里香のことを一番よく
知っていて、一番仲の良い筈のみゆきの、引きつったような笑顔が全てを物語っていたか
らだ。……その女子、変なトラウマを抱え込んでなきゃ良いけれど。
そんなエピソードも挟みながら、それでもこの一週間ほどは、僕の幸せはマックスで、
フルスロットルで、全力一杯な状態だった。
里香がどんなチョコレートをくれるのか。
里香がどんな風にチョコレートを渡してくれるのか。
それに対して、僕はどんな顔をしてチョコレートを受け取ったらいいのか。
毎晩それを想像するだけで、遠足を前日に控えた小学生のように興奮してしまい、この
数日は寝不足気味になっている有様。
でもきっと里香のことだから、素直にチョコを渡してくれないだろうな。
朝、通学路で会った時に、ぶっきらぼうを装って突きつけるようにチョコを渡して来る
かもしれない。
いや、その程度の想像では甘いぞ、戎崎裕一。なんと云っても相手は“あの”秋庭里香
なんだから。
ひょっとしたら昼休み、学校の屋上に呼び出してくるかもしれない。
バレンタインという特別な日の里香の誘いに、僕が舞い上がってノコノコと屋上にやっ
て来たら、久々にあのトラップが発動するんだ。見事にトラップに引っかかり、情けない
顔をしている僕を大いに笑い飛ばすことで照れ隠しをしながら「裕一、誰からも貰えなか
ったら可哀想だから」だなんて誤魔化しながら渡してくるのかもしれない。
いやいや、里香のことだから、思い切り焦らし作戦で来る可能性も濃厚だ。
朝から散々思わせぶりな態度で僕を焦らしながら、それでも決して里香の方からは切り
出したりしない。
一緒に下校していても、決してチョコレートの“チョ”の字も、バレンタインの“バ”
の字も話題にのぼらない。耐えきれなくなった僕が「……里香さん、どうか哀れなワタク
シめにバレンタインのチョコを頂けませんでしょうか」と頭を下げるまで、決してバレン
タインの話題に触れてさえくれないんだ。
うん、里香のことだから十分にあり得るな。――あまりにも自虐的すぎる想像の中の自
分の反応を、あながち否定できないのが僅かばかり悲しいけれど。
人にそこまでさせておいて、散々勿体ぶった挙げ句に、一ヶ月後のホワイトデイのお返
しを決して忘れないように、と念入りに釘を刺された上で、やっと宝石のように貴重な里
香のバレンタインチョコに対面が叶うんだ。
- 131 名前:裕一と里香のバレンタイン前編3/5:2006/02/14(火) 22:48:40 ID:ALdyS6SM
- そうだ。今のうちにホワイトデイのお返しを考えておいた方が良いかもな。
やっぱり本命は本かな? だけど、サンなんとか云う、本を贈る日は別にあるみたいだ
し、そもそも「里香が好きそうな本で、里香が読んでいない本」を探すのは半端じゃなく
大変そうだ。
となると、やっはり古式ゆかしくマシュマロかな? だけど、なんとなくだけど、マシ
ュマロと里香って相性が悪い気がする。マシュマロの、あのどっちつかずの食感と味は、
里香を苛つかせるだけのパフォーマンスを備えていそうだ。
まあ、そっちはまだ一ヶ月の猶予があるんだから、今から焦る必要なんてない。これか
らの一ヶ月、ない知恵を必死に絞って、あの里香だって素直に喜ぶようなプレゼントを考
えておこう。
それよりも、いま考えるべきは里香からチョコを貰う時の、僕の反応の方だ。
里香はものすごいお父さん子だから、父親にバレンタインチョコを上げたことは、きっ
とあるだろう。けれど、それ以外の男にチョコを上げたことがあるとは思えない。
そうさ。きっとあの夏目の野郎だって貰ったことがないに違いない。……ひょっとした
ら、もしかすると、まかり間違ったりすると、医者の癖に煙草をやめないアイツの禁煙の
手伝いになればと(里香がそんな回りくどいことをする筈がない、と判っているけれども)、
渋々シガレットチョコくらいは渡したことがあるかも知れない。だけど、それだってあく
までも“義理チョコ”に過ぎない。
里香の本命チョコが貰えるのは世界で唯一人、自分だけなんだって思うと、それだけで
頬がにやけ落ちて零れそうになってしまう。
だけど、油断は禁物だ。
下手な反応を見せて機嫌を損ねたら「やっぱり上げるのや〜めた」と平気で言い出しか
ねないのが、里香が里香たる由縁だからだ。
勿論、里香が普通にチョコレートを渡してくれるんだったら、なんの迷いも衒いもなく、
諸手をあげて万歳すればいいだけだ。
けれど、想定すべきなのは里香がチョコを渡してくるときに、一捻りも二捻りも加えて
いたときのことだ。
チョコの箱の中身がびっくり箱だったとき、貰ったハート形チョコが真っ二つに割れて
いたとき(偶然の場合と故意の場合の双方を考えておくべきだ)、チョコの味に「当たり」
と「外れ」があったときのリアクション等々、考えられるありとあらゆる事態に備えてお
かないと、気合いがバッチリ入っているに違いない里香相手では安心できない。
そして絶対に、決して、殆どあり得ないことだとは判っているけれど――里香がチョコ
の一方の端をくわえて、その唇ごとプレゼント……なんて嬉し恥ずかしで硬直してしまう
ような事態も――ま、そんな可能性は万に一つもないとしても、それにも備えて一応、心
の準備をしておかないと。
- 132 名前:裕一と里香のバレンタイン前編4/5:2006/02/14(火) 22:49:34 ID:ALdyS6SM
- かくなる次第で、考えられるありとあらゆる事態を想定しつつ、今日という日を迎えた
訳だけれど、その事前の予想は尽く覆されてしまった。
朝、通学路で会ったときも、昼休み図書館で顔を会わせたときも、そしてつい先程まで
一緒に下校していたときも、里香の口からバレンタインの“バ”の字も出なかったんだ。
念のために、机の中と鞄の中と下駄箱は朝、昼、晩の三回、ちゃんと確認した。
帰りがけなんか、一目見て空っぽだと分かる下駄箱を、眼を皿にして隅々まで確認して
いる所を、当の里香本人にバッチリと目撃されてしまったりもした。
それでもてっきり最初は“焦らし作戦か!?”と思ったんだけど、里香の雰囲気からして
どうもそんな風でもない。流石に一年以上の付き合いともなると、その辺の見極めはちゃ
んとつくようになっている。
少なくとも今日一日、学校でと学校への登下校の間で、里香が僕にバレンタインのチョ
コレートを渡すつもりがなかったってことは、遺憾ながら認めざるを得ない。
と云うことは――どういうことだろう? 僕は里香の背中を見送ったその場でしゃがみ
込み、思わず頭を抱えてしまう。
ひょっとして里香、病院暮らしが長くて、この日本独特のバレンタインの慣習をよく理
解してないんじゃないだろうか? いや、幾らなんでもそれはない。確かに里香はテレビ
を見るより読書をしている方がずっと好きだけれど、それでも全くテレビを見ないなんて
事はない。そしてこの時期ともなると、バラエティ番組だけでなく、ニュース番組だって
バレンタインを取り上げている。それに一概に読書と云っても、純文学だけじゃなくて、
漫画だって――恋愛をテーマにした少女漫画だって――里香は読んだりする。それでいて、
今時のバレンタインについての知識がない筈がない。
じゃあ、以前の僕や山西じゃないけれど、この商業主義に毒された日本独特のバレンタ
インという慣習が好きになれない、って線はどうだろう? 歴史も好きな里香ならあり得
ることかも知れない。水さえ向ければ、史実上の聖人ヴンレンティーヌの事跡を事細かく
語った上で、如何に日本のそれが俗世間じみたイベントになっているかの批判を――って、
里香はそんなタイプじゃないよな。
だとすると、一番考えたくない事態――そんな事態を想定するだけで心に隙間風が吹き
込んできてしまうのだけれど――知らない間に里香を傷付け、里香に嫌われてしまったん
じゃないだろうか?
だけど、それこそあり得ない、ってなんとか自分を奮い立たせる。先程の別れ際だって、
里香の機嫌が決して悪くないことは見間違えようもなかったし、この数日、里香を怒らせ
るようなことをした心当たりもない。
そうさ。ここのところ、あまりに順風満帆に里香との関係が続いていたからこそ、今日
のバレンタインを楽しみにしていたんだ。ああ、先々週のデートの別れ際になんて、まば
らながらもまだ人通りがあったから、ほんの軽く触れあう程度だったけれど、ちゃんと僕
は里香に――!
- 133 名前:裕一と里香のバレンタイン前編5/5:2006/02/14(火) 22:50:20 ID:ALdyS6SM
- 頭の中がゴチャゴチャで、どうやって家まで辿り着いたか覚えていない。
台所から僕を呼ぶ母親の声に気付いたときには、自分の部屋のベットの上に寝転んでい
た、なんて有様だ。
ショックを隠しきれないまま、母親の呼びかけも無視して半ば不貞寝をしているところ
に、更に追い討ちの声が聞こえてくる。「裕一、晩御飯を食べるのを忘れてるの?」って。
そうか! 頭の中に雷が走ったように、その瞬間、ある可能性が思い浮かぶ。
そうだよ、里香はきっとバレンタインのチョコレートを家に置き忘れたんだ。
しっかりしているように見えるし、実際甘ったれの僕なんかよりずっとしっかりしてい
る里香にしては考えにくいポカだけど、それでも考えられない事じゃない。
そしてそんなポカをしたとすれば、里香は決してそれを簡単に認めたりしないし、僕に
は隠そうとするだろう。それならば、今日の里香の“バレンタイン”というイベントだけ
を故意に記憶から消去しているような態度だって腑に落ちる。
とすれば――里香からの呼び出しの電話が、もう間もなくあるかもしれない。
だとすれば、早めに夕飯を片付けて準備しておかないと!
そう思い至るなり、僕は慌てて跳ね起き、階下へと降りていくことにした。
だけど――――里香からの電話は、夕食の時間を過ぎても鳴ることはなかった。
(続く)
- 134 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/15(水) 02:47:09 ID:H7lj3jHj
- GJ!
久々の神降臨!後半もwktkしながら待ってます!
- 135 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/15(水) 14:41:01 ID:vgGFgv+Z
- グッジョブ!!!!!!!!!!
- 136 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/15(水) 21:22:00 ID:nk3Fsk8+
- 祐一の思い過ごしの予感
- 137 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 03:08:35 ID:k2JKWYrk
- GJ!!
ところで本スレにいたSS職人はどこいったんだろう。結構好きだったんだが
- 138 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 12:57:01 ID:muAuWZo/
- 本スレにSS職人なんていないぞ?
- 139 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 19:22:07 ID:b+PnDVza
- 保守
- 140 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/17(金) 01:43:37 ID:fv5A7el5
- アニメでセックルキタキタキター
- 141 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/17(金) 13:11:56 ID:3qSSdngh
- 期待age
- 142 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/17(金) 21:30:18 ID:Cxi1T/Ug
- 「僕はあの時思ってもみなかったんだ、まさか1年後まで後半が投下されないなんて」
- 143 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/18(土) 02:52:03 ID:5Y+/l2tk
- >>138
あれ? いなかったっけ?
ラノベ板の本スレにSSが書かれてた時期があったと思ってたんだが…。別のスレかな?
- 144 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/18(土) 04:07:29 ID:OzDF/lAS
- >>742何そのじらし攻め?
- 145 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/18(土) 16:45:43 ID:po8erDdT
- >>143
相当前だな…
半月2巻発売あたりだったか、もうちょっと後だったか
- 146 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/19(日) 00:19:47 ID:YR0pGcYk
- >>145そういう時代もあったんだなぁ
- 147 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/19(日) 19:31:38 ID:uvdlyEph
- 保守
- 148 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/20(月) 17:45:51 ID:Sg5P+UFU
- >>145どんなSS?
- 149 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 12:02:39 ID:Et1n7AHY
- 捕手
- 150 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 16:48:44 ID:OXyD0In6
- ホシュ
- 151 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 18:02:23 ID:Ec/3URUC
- 後編って・・
投下されるよね?
- 152 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/22(水) 19:02:55 ID:aFZfLW5R
- 現実は厳しいものだ
- 153 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/22(水) 21:30:08 ID:0+j7Jp06
- 夏目「なあ戎崎、知ってるか?」
裕一「なんですか?」
夏目「里香はな、耳が弱いんだよ」
裕一「なッ!?」
夏目「胸をイヂメながらな、そっと甘噛みしてやると艶っぽい声で鳴くんだぜ?」
裕一「んな…バカな…あんた、医者のくせに何してんだよ!」
夏目「医者もナニはするんだよ。ま、そういうことだからしっかりヤるんだな」
裕一「そんな…じゃあ里香は初めてじゃないってのかよ!ふざけるなよ、このヤブ医者!」
夏目「安心しろ戎崎、まだ…
後ろしかヤってねえよ」
- 154 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/22(水) 21:41:34 ID:EY1SKoVc
- >>153
テラワロスwwww
- 155 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/23(木) 04:41:26 ID:3lOFDlfB
- >>153後ろから突かれて悶える里香ハァハァ
- 156 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/23(木) 20:24:59 ID:OD+0xhSJ
- >>153祐一「あんたって人はァァァァァ!!!
俺もまだ口でしてもらった事しかないのにぃぃぃぃ!!!!
- 157 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/23(木) 23:47:44 ID:Ro08tpZu
- 恐ろしい程に過疎ったな、
バレンタインネタの後編は執筆中なの?>>作者
- 158 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/24(金) 02:20:08 ID:KAE0Ziy8
- アニメ終わったな
- 159 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/24(金) 16:35:21 ID:igIdVLWI
- まだ終わらんよ!
- 160 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/24(金) 17:00:47 ID:yenyPzAJ
- もうエロネタじゃなくてもいいから萌えネタでも
誰か投下してくれないかな?過疎るより100倍マシだし
それに6巻の後とか色々妄想したいしさ
- 161 名前:125:2006/02/24(金) 21:13:30 ID:L4h3KHr6
- スイマセン、スイマセン、仕事で忙しかったので後編がこんなにも遅れました。
既に時機を逸してしまった感はありますが「裕一と里香のバレンタイン」後編です。
駄文の上、相変わらず無駄に長く、しかも里香の出番が極端に少なくて申し訳ありません。
そんなSSでも宜しければ、お付き合い下されば幸いですm(_)m。
- 162 名前:裕一と里香のバレンタイン後編 1/7:2006/02/24(金) 21:14:05 ID:L4h3KHr6
- 「最悪だ……」
部屋に辿り着くなり、電気も付けないままベットに倒れ込む。
食事の間中、携帯を気にしていたくらいなら気が付かれることはなかったんだ。
だけど、携帯はいっこうに鳴らないまま、時間だけが過ぎていく。
箸と口だけは自分の意志とは無関係に動いてはいたけれど、御飯の味なんてろくに分か
りゃしない。
最初から不審な目で僕を見ていた(らしい)母親は、食事中携帯を見つめながら何度も溜
息を洩らした挙げ句の果てに、ソースで刺身を食べようとした(らしい)我が子の奇行に、
事情を察してしまったらしい。
「どうせ裕一が悪いんでしょ?
里香ちゃんと喧嘩したんだったら、早くちゃんと謝りなさいよ」
「里香と喧嘩しても勝てっこないんだから、喧嘩なんてするわけないだろ!」
反射的に僕たちの真実の関係を吐露してしまいかけたけれど、なんとか踏み止まる。
「……喧嘩なんてしてないって」
そう短くぶっきらぼうに言い捨てるけれど、母親の疑いの眼差しは確信へとランクアッ
プするばかり。
母親は今ではすっかり里香の味方だ。ファンとさえ云っても良い。僕の母親の前に限っ
て里香は常に猫被りして、いつもの意地悪さも我が儘振りも隠しおおしているからだ。
その結果、里香の云うことはなんでも信じる癖に、我が息子の言い分はこれっぽっちも
聞いてくれやしない。……ま、あの里香の完璧な擬態を見せつけられたら仕方ないとも思
っちまうけど。
ともあれこれ以上は何を言っても無駄なのは学習済みなので、残りの御飯をかき込むよ
うにして片付け、自分の部屋へと逃げ帰る。
母親の「出来れば今日中に仲直りしなさいよ」という、痛すぎる言葉を背に聞きながら。
- 163 名前:裕一と里香のバレンタイン後編 2/7:2006/02/24(金) 21:15:01 ID:L4h3KHr6
- ベットに突っ伏した姿勢のまま、視線だけで携帯の画面を確認する。
だけどそんなことを何度繰り返したところで、里香からの着信が何処かから湧いて出る
わけじゃない。
里香は“万が一”の時に備えて、症状を説明し、その際の対処方法、連絡搬送先を記し
た手帳を常に持ち歩いている。その連絡先を登録した携帯もだ。
ただ、里香本人は携帯を通じて話をするのがあまり好きじゃない。
病院暮らしが長くて携帯の必要性がなかった、ということもあるのだろうけれど、退院
後も僕は里香と携帯を通じて長電話した記憶が殆どない。
それどころか、里香の声が聞きたくって、なんだかんだ適当な用事をでっち上げてこち
らから連絡を入れても「電話してくるくらいなら直接会いにきなさいよ!」と、携帯の意
味が全くない、無茶なことを云われる始末。
それだけでも理不尽なのに、里香の方からは携帯のメールを通じてバンバン用事が送り
つけられてくる。しかも大半は簡潔この上ない「誰々の何々の本を買ってきて」「明日は
何時に迎えに来て」「今度の日曜日、どこどこに連れて行って」なんて一行メールばかり。
いや、それはそれで情けないことに慣れちまったし、たとえ命令形であっても里香との
デートの連絡が嬉しくないわけはない。
だけど、僕としては、毎日会っていても、それでも無性に里香の声が聞きたくなる時が
あるんだ。
……そんなこと、面と向かって里香には云えないけどさ。
だけど、それでも一度で良いから
「里香の声を聞かないと、眠れない夜だってあるんだよ」
って、こっ恥ずかしいけれど、本当のことを里香にハッキリ告げてみたい。
笑われるかな?
きっと、笑われるだろうな。
そんなことを云ったら、思いっきり指を指して、馬鹿笑いされるに違いない。
でも、ひょっとしたら――そんな可能性は明けの明星が西の空に輝くくらいの可能性か
も知れないけれど――里香は僕の言葉に真っ赤になって黙り込んでしまうかも知れない。
きっと可愛いだろうな。
うん、ファインダーに収めて永久保存しないではいられない程、可愛いに違いない。
普段はあんなに意地悪で、我が儘で、僕なんかいっつも振り回されてばっかりだけど、時折見せる里香の素直な表情って、すっげえ可愛いんだから。
それこそミスユニバースに選ばれるような美人だって、あの一瞬の、里香の宝石のよう
な輝きと較べたら、見劣りするに違いない。
ああ、そんな里香からバレンタインのチョコを、しかも本命のチョコを貰えたら、本当
に飛びあがっちまうほど嬉しいに違いないさ……って、現実逃避の妄想もグルリと一回り
して、再び容赦ない現実が自己嫌悪とともに襲ってくる。
- 164 名前:裕一と里香のバレンタイン後編 3/7:2006/02/24(金) 21:16:13 ID:L4h3KHr6
- 散々焦らされたり、大いに感謝するように云われたり、ホワイトデイの三倍返しを約束
させられるくらいは全然想定の範囲内だった。だって相手はあの里香なんだから。一筋縄
で行くと思う方が間違ってる。そんなこと、この一年で身に染みて理解している。
けれど、チョコレートが貰えない、貰える素振りさえない、なんて事態は想像もしてな
かった。
でもよくよく考えてみれば、バレンタインに関して、僕は里香となにか約束してたわけ
じゃない。
それどころか、僕たちの間でバレンタインの話題がのぼったことは一度だってなかった。
勿論偶々話題にのぼらなかったわけじゃない。
里香の方はどうだか分からないけれど、少なくとも僕は敢えてその話題を避けていた。
だってそうだろ?
里香にバレンタインの話題を振れば、暗に「チョコを頂戴」って云ってるようなものだ。
そりゃあ、里香のチョコは欲しいさ、心の底から。大好きな女の子からの本命チョコが
貰えるチャンスなんて、十八年生きてきて初めてなんだから。
だけど、それを僕の方から切り出すなんて、あからさまに催促しているみたいで格好悪
いじゃないか。
里香の笑顔のためなら、端から見た僕の姿が、どんなにみっともなく映ったって、どん
なに格好悪く映ったってかまやしない。
たとえそれで周囲から笑われたって、僕は大威張りで胸を張って答えただろう。
僕にとっての里香はそれだけ大切で、自分の全てを投げ出したって守らなければいけな
いかけがえのない輝きなんだって。
だけどこと僕自身に関してだけのことになると、里香を想うときには湧き出る、なりふ
り構わない勢いは、急速に萎んでしまう。
……いや、そんな難しい話じゃないな。バレンタインのチョコレートが欲しいって、自
分から里香に切り出すのが、ダサくて、情けなくて、そして正直に云えば怖かったんだ。
里香とはこれまで何度も気持ちを確かめあってきた。
黄色いチボー家の人々の第一巻はお互いの本棚に収められ、僕の机の引出の中には、僕
ら二人の名前が並んで書いてある書類も遠くない将来、正式に提出するその日まで正式に
大切に保管され、そして何より、砲台山での誓いの言葉は僕たちの心をしっかりと繋いで
いる。繋いでいる筈だ。
だから今更チョコレートの一つや二つでオタつくのは、我ながらおかしなことだってこ
とも分かってる。
だけど、恥も外聞もなく正直な気持ちを打ち明ければ、10円のチロルチョコだってい
いから、僕が何も云わなくても、里香からバレンタインのチョコが貰いたかった。
- 165 名前:裕一と里香のバレンタイン後編 4/7:2006/02/24(金) 21:17:09 ID:L4h3KHr6
- でも我ながら不思議なんだけれど、なんで僕はこんなに拘るんだろう?
このところずっと浮かれていたので記憶の片隅に押しやって忘れていたけれど、ひょっ
としたら小学生の時のバレンタインの思い出が、他人からすれば笑ってしまう程ちっぽけ
なものだけど、トラウマになっているのかもしれない。
あの時は好きだったその女の子から本命チョコを貰えるなんて、思っていなかった。
いや、今だからこそ分かることだけれど、ホントは違うな。たとえ義理チョコであった
としても、貰えたらいいな、貰えるんじゃないかな、貰えたら一体どんな反応をしたら良
いんだろう、って。
自分一人で盛りあがって、結局それが全部自分の一人相撲だったと分かって、更に追い
討ちをかけるように、その子に嘘をつかれたことが分かったショックで徹底的に打ち砕か
れたあの時の虚しさが、まだ僕の心の底で澱のように沈んでいることに気付き、更に自己
嫌悪を深めてしまう。
里香は一言だって事前にバレンタインチョコレートをくれるなんて云ってない。
僕が勝手に期待して、勝手に自爆しただけのこと。
だけど、僕たちは心が通じあっているんだ。
今更チョコレートのやりとりでお互いの気持ちを確認しあう必要なんてない。
まったくない、そうだろう?
どこまでも萎えていきそうな気持ちを、そう自分に言い聞かせて奮い立たせるけれど、
それも長続きせず、里香からチョコレートを貰えなかった、という非情な現実だけが怒濤
のように襲いかかってくる。
きっと今の僕は随分と情けない、酷い顔をしてるんだろうな。
こんなんじゃ明日の学校で――この数日来、言葉にならない、熱い羨望と嫉妬の眼差し
を浴びていた教室で――僕は一体どんな顔をしたら良いんだろう?
- 166 名前:裕一と里香のバレンタイン後編 5/7:2006/02/24(金) 21:17:59 ID:L4h3KHr6
- ―――埒もないことを考えているうちに、いつの間にか眠り込んでしまっていたらしい。
月明かりだけが差し込む薄暗い部屋の中、何かが僕の神経に触れる。
未だぼんやりとした頭の中で、何が僕に目覚めを促したのかを考える。
部屋の片隅で、明滅を繰り返す小さな光点。
その瞬間、僕の意識は完全に覚醒した。
「!?」
机の上に置いておいた携帯電話を、ひったくるようにして掴む。
発信者は名前は――瀬古口。
司だった。
脱力感でそのまま崩れ落ちてしまいそうになるけれど――考えてみれば、司がメールだ
なんて珍しい。
そもそも司は春から修行する東京の店の下見、というか、事前挨拶に行っている筈だ。
その司の東京滞在の期間が「偶然にも」みゆきの東京の学校の受験日程に重なっていた
りするのは……まあ司曰く「き、奇遇だよね」ってことにしておこう。
あれ? そう云えば今日はそのみゆきの本命大学の受験日だった筈。
そんな大切な日に一体? って携帯の時計機能を見ると、うわっ、もう夜の11時過ぎ
じゃないか。
ひょっとしたら、二人揃って帰ってきた報告かな? てっきりもう一晩「泊まってくる」
とばかり思っていたのに……ってなんだか勝手に想像したこちらの方が面映くなりながら
メールを確認する。
「―――――――――!」
電気を点けるのも、上着を羽織るのも全部すっ飛ばして、僕は着の身着のまま、部屋の
外に飛び出す。
早く、早く、一刻も早く!
母親に叱られる事なんてお構いなしに、階段を壊しそうな勢いで駈け下る。
何故そんなに急ぐのかって?
それは司からの着信の筈なのに、そのメールの文面に何故かデジャブを感じたからだ。
簡潔この上なく、そこには次のように記されていた。
『家の外、出てきて』
- 167 名前:裕一と里香のバレンタイン後編 6/7:2006/02/24(金) 21:18:58 ID:L4h3KHr6
- ご近所の迷惑も顧みず、ガラガラガラって派手な音を立て、玄関の扉を開く。
月明かりが眩しい。
ずっと電気も点けないまま薄暗い部屋にいたので、一瞬昼に逆戻りしたような錯覚を起
こす。
そんな僕の目の前で、中空に浮かぶ満月に近い月の光が、扉を開けたところに立つ少女
をスポットライトのように照らし出す。
透き通った白い肌は月明かりに美しく映え、漆黒の髪は夜の闇よりも深く艶やかに輝き、
まるで地上に降り立った月の精みたいだ。
――――ああ、本当に綺麗だな。
悩み抜いていたバレンタインへの拘りへの疑問が、その瞬間、ストンと胸に落ちる。
全ての答えは――僕の目の前にあった。
そんな月の化身のような少女の姿に、僕は言葉を忘れるほど見とれてしまっていたけれ
ど、それでも咄嗟に僕の口をついて出たのは全然別の、だけど心からの言葉だった。
「馬鹿! なんでこんなに夜遅く出歩いてるんだよ!
あぶねえし、風邪ひいたらどうするんだよ!」
「折角来てあげたのに、いきなり馬鹿とは何よ! 裕一の馬鹿!」
月の精――ではない、里香はムッとした表情で言い返してくる。
「だいたい少しくらいは驚きなさいよ。折角、瀬古口君の携帯を借りたのに」
――間違えっこないって。
お前からのメールをこの一年でどれだけ受け取ったと思ってるんだよ。
「裕一、今日が何の日か、忘れてるでしょう?」
――忘れてっこないって。さっきまで苦悶のあまりベットの上で転がっているくらいに。
勿論そんなこと、里香の前じゃ、おくびにも出すわけにはいかないけどさ。
「そんなことじゃ、わたしから以外、誰からも貰えないだろうなって」
――ああ、そうだよ。
里香からしか貰える当てはないし、里香にさえ貰えれば他に何もいらない。
「戎崎さん、その前に私に何か言うことはないの?」
――里香の肩越しに、少し離れた街灯の下でドスカラスが親指を立てているのが見える。
その脇には受験を無事に終えたらしい、みゆきの姿も。
こんな大変な日に里香のチョコ作りの師範まで。
ありがとう、僕らのヒーロー、ドスカラス。アンタ最高だぜ!
それに、みゆきも疲れているところをありがとな。
「ホワイトディ、期待してるからね。こういうのは三倍返しが基本なんでしょ?」
――ああ、分かってるって。
今はまだ思いつかないけれど、一ヶ月後を楽しみにしてろよ。
そして一年一年これからずっと積み重ねていこうぜ。
僕と里香との大切で、かけがえのない思い出を。
- 168 名前:裕一と里香のバレンタイン後編 7/7:2006/02/24(金) 21:20:31 ID:L4h3KHr6
- 「痛っ! いきなり何すんだよ!?」
おデコへの唐突なクリティカルな攻撃に、一瞬目の前に火花が散る。
「…………裕一、気持ち悪い。
顔にやけてるし、どうせまたヘンなコト考えてたんでしょ!」
「オマエな……って、チョコ! なんでよりによってチョコの箱で殴るんだよ!
中のチョコが割れちまったらどうすんだよ!?」
「――――!? 馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿っ! ど、どうしてくれるのよっ、裕一!」
怒る怒る怒る。
堤防が決壊したような勢いで里香が怒る。
ものすごい勢いで押し寄せる、理不尽な罵倒の濁流。
その中を、僕は馬鹿みたいに突っ立っててることしかできない。
藁をも掴む思いで司とみゆきに救いを求めるけれど、二人は「健闘を祈る」とばかりに
揃って親指を立て、そのまま仲睦まじく肩を並べて帰っていってしまう。
…………友情って儚いもんだよなあ。
ともあれ、どうやら自分一人で里香の怒りをなんとかするしかないようだ。
うちの母親にこんな光景を目撃されたらファンを一人減らしてしまう。
僕は口元の綻びを必死に隠しながら、
そうさ、他ならぬ僕へ渡すチョコレートのことで、怒りのボルテージを上げる里香を
宥める算段をはじめた。
(おわり)
乱文乱筆失礼致しましたm(_)m。
この二人の未来に幸あらんことを。
- 169 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/24(金) 23:08:17 ID:yenyPzAJ
- >>161
最高ですた、アニメが終わり原作も終わって
途方に暮れていた心にあなたは光をくれますた。
これからも暇があったらお願いします。
- 170 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/25(土) 01:07:37 ID:Z8l6T7Py
- GJ!!!11!!!!!
いやいいなぁ…ほのぼのとしていて…
よければホワイトデーの話も是非書いていただきたい!
- 171 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/25(土) 01:14:42 ID:cMrG+9Vr
- すげえ、原作の雰囲気がスゲェ感じられる…天才や
- 172 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/25(土) 02:13:25 ID:3FgC7CAb
- GJGJ!ほのぼのふいんき(ryイイ(・∀・)!!
お疲れ様でした。
- 173 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/25(土) 12:28:54 ID:fEItN7kP
- 神 光 臨 !!!!!!
あんたすげぇよ…
- 174 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/25(土) 20:06:22 ID:6ZMvVZC7
- 捕手sage
- 175 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/25(土) 22:38:17 ID:TYseqSuT
- 神文章よりもこんなに人がいたことにオドロキ
- 176 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/26(日) 00:36:51 ID:fq8qD+DU
- 夏目「多分、お前にとっちゃ最悪の結末だ。
何故ならこの後、神は誰一人として光臨しなかったんだからな・・」
このスレがこんなことにならなきゃいいんだが・・
とにかく後日談に飢えてるので神光臨を祈ります
- 177 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/26(日) 15:45:13 ID:fq8qD+DU
- 保守
神光臨望む
- 178 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/26(日) 17:02:43 ID:2DPC4MVV
- 保守
- 179 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/26(日) 17:29:25 ID:+jhSpDvK
- 自分の見たい絡みでも上げてくか
- 180 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/26(日) 18:45:28 ID:fq8qD+DU
- 王道は裕一×里香だけど
夏目×昔の恋人もいいね。
ああもちろんエロは無しでも有りでも構いません
- 181 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/26(日) 20:15:03 ID:fq8qD+DU
- ああゴメン、
昔の恋人も何も奥さんだったね。
結婚してたはずだったよね。
- 182 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/26(日) 22:40:52 ID:fq8qD+DU
- 保守
- 183 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/27(月) 07:00:21 ID:24DH9Vyk
- 夏目×里香の診察プレイ……
- 184 名前:アニメ視聴専念者:2006/02/27(月) 21:43:31 ID:KY+XezXv
- 原作既読者であらせられる>>166様にご質問
原作では司とみゆきってカップルになったんですか?
それなら 司×みゆき のネタも・・・?
- 185 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/27(月) 22:01:10 ID:lExm/aM0
- 過疎り杉、良スレなのに過疎らせるのはもったいない
- 186 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/27(月) 22:33:39 ID:Ob0Du5fU
- 実はこの作者意外とアンチ多いからそのせい鴨試練
- 187 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/28(火) 05:22:14 ID:qPdJFiOz
- >>184カップルになったよ。キスもした。
- 188 名前:名無しさん@ピンキー:2006/02/28(火) 19:30:30 ID:u9nPCn99
- 来春にはセックルの予定
- 189 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/01(水) 18:51:41 ID:vFmB7yQr
- >>188来春どころか6巻の時点で脈アリ
- 190 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/01(水) 19:51:06 ID:9AbJDZtk
- なぁ過疎り杉じゃね?
もっと盛り上げようぜ
- 191 名前:アニメ視聴専念者:2006/03/01(水) 20:49:06 ID:3bkfVcbD
- >>187-189
ありがとうございました。
意外な展開に衝撃を受け取ります。
(幼馴染にマスクマンと、なんつーマニアックなカプやねん・・・)。
- 192 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/01(水) 21:01:06 ID:i/RjXIBx
- >>190
亜希子さんメインの、リアル病院もの(完全シリアス)ならいま書いてますけど、
今回は萌え要素も、ほのぼの要素も皆無なので、投下しても間違いなく白けそうなので。。。
萌えな展開の書ける方に、期待してます。
あと、ここで里香と裕一でも、司とみゆきでも、萌えのシチュエーションを語ってみると
創作意欲が湧く人が出てきそうな気もするんですけれど、皆さん如何?
たとえばですが、2巻の夢うつつの裕一が里香に云った「漁師をやってる叔父さんの家
に行こう」って話がありますが、実際二人で出かけた場合の展開を考えてみるとか?
- 193 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/01(水) 22:09:29 ID:Go1oS7VW
- それイイ!
- 194 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/01(水) 22:26:03 ID:9AbJDZtk
- 裕一×里香 ツンデレ里香を喜ばせようとする裕一など見ていてほほえましいカプ
夏目×小夜子 二人の世界が構築されていて他の者を寄せ付けないカプ
司×みゆき ???
- 195 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/02(木) 18:31:54 ID:d4MA8Oja
- 見ていてイライラするほど初々しい恥かしがり屋同士のカプ>>司×みゆき
- 196 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/02(木) 23:41:06 ID:mtL/45F+
- 保守
- 197 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/04(土) 06:08:55 ID:dtgaM4DO
- 捕手
- 198 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/05(日) 13:40:35 ID:IFM+3uR3
- 保守
- 199 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/05(日) 19:51:25 ID:uBRsyIaX
- やべーよ、このスレ過疎り杉。
エロパロの負け組スレにすにゃあもったいない、
神はもういないのか!?
もう冗談抜きでエロはいいからネタを求む!
- 200 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/05(日) 23:01:38 ID:WnlTKQPg
- 上に同じく。
クレクレだが、恥も外聞も無い。
- 201 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/06(月) 00:58:37 ID:BP2uA1w2
- 上に同じく。
マイナーカポーでもどんとこーい。
- 202 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/06(月) 05:45:55 ID:WHj2j9UR
- 短編とDVDが発売し終わるまでが勝負だな
- 203 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/06(月) 17:02:14 ID:cuAS0Yzz
- 妄想でも上げてけば盛り上がるんじゃね
- 204 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/07(火) 12:55:32 ID:kJM9EBI2
- 保守
- 205 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/07(火) 17:06:29 ID:KwHtzNBU
- 裕一の頭の中なら何をやろうが里香を死なすことはない。
裕一よ、妄想を膨らますのだ!
- 206 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/07(火) 17:46:27 ID:DM2LlacD
- コスプレが読みたい巫女さんとかセーラーとか
- 207 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/07(火) 17:47:18 ID:xRLztyd1
- 「はぁ・・・はぁ・・・」
トイレがこんなに音を反響させるなんて今まで知らなかった。入院する前は自分の部屋で出来たし、こんなに息を荒げるほどの自慰はしなかった。
でも、今は別だ。
いまの僕には里香がいる。
「里香・・・里香・・・」
トイレの壁が皮膚と皮膚が擦れる音を響かせる。
そんなことはどうでもいい、頭の中の里香を犯せ、そうだ。
突け
突け!
突け!!
「う・・・!」
「おう戎崎か?随分唸ってるが肝臓の調子が悪くなったか?」
「うおっ!?」
「あ?どうしたんだその顔」
「トイレに隠れてこっそりヨーグルトを食べてました」
ど
う
み
て
も
精
子
で
す
。
- 208 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/07(火) 17:51:26 ID:xRLztyd1
- 抜けるもんなら抜いてみろ
- 209 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 12:53:25 ID:Js5JRzGr
- 抜いた
- 210 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 13:30:12 ID:tXoMbU0Y
- アニメのEDの一番最後
裕一と里香が式を挙げているシーンが気に食わないのは俺だけか?
- 211 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 21:14:38 ID:zjLBxdfD
- >>210
どうして?
自分はあのシーンこそが原作・アニメ共通の
真のEDと信じて疑わないのだが
- 212 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/08(水) 23:52:12 ID:sBHwsw7H
- あの写真の夏目のとなりにいる人って誰?
- 213 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/10(金) 00:32:45 ID:28HsOqkU
- おいおいもう少しでホワイトデーだぞ、
誰も何も書かないんですかいな?
これを期に何か投下してスレを活性化させてくれよ頼むんでさ
- 214 名前:名無しさん:2006/03/10(金) 09:35:58 ID:nLFfZarI
- 「裕一と里香のバレンタイン」の作者さん、ホワイトデーverも書いてほしいです。
お願い申し上げます。
- 215 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/11(土) 17:29:18 ID:p+MTtrKb
- おいおい勘弁してよ、夏の短編集まで保守なんて勘弁してくれよな
- 216 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/11(土) 18:17:07 ID:zTa4MO1p
- ネタだネタを張れ!
妄想が尽きるまで貼り続けるんだ!!!
- 217 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/11(土) 19:15:15 ID:Zl8ndvD3
- 「里香・・・もう我慢できないよ・・・」
「うん・・・裕一、入れて・・・いいよ・・・?」
里香は僕の欲求を恥ずかしがりながらも受け入れてくれた。
顔を真っ赤にしながら自分の両足を広げていく姿は可愛くて、それでいてとても官能的だった。
「じゃ、じゃあ入れるぞ・・・」
「来て、裕一・・・」
里香の股間に僕は熱く煮えたぎるそれをあてがう。
そして・・・
「おっとそうは問屋が降ろさねぇ!」
「ふ、婦長!」
- 218 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/12(日) 04:44:52 ID:SJubcBDQ
- ちょっ…婦長ォーーー!
- 219 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/12(日) 17:19:14 ID:7wmdwqBt
- 亜希子さんじゃないのか
- 220 名前:125:2006/03/12(日) 20:29:12 ID:X8eCZHev
- 前回のSS、多くのGJ頂きまして有り難うございました。
ホワイトデー前に毛色の違うものを一本挟んで……と思っていたのですが、
そちらを書き始める前に3月14日を過ぎてしまいそうなので、まず毛色の違う方を。
但しスイマセン、事前に謝っておきます。
今回は亜希子さんと夏目がメインの話ですが、完全にエロ要素も萌え要素も皆無です。
ごめんなさい。
またそのうち里香と裕一のSSをアップするつもりなんで、今回だけは御容赦をm(_)m。
- 221 名前:手に入れた奇跡 1/9:2006/03/12(日) 20:30:16 ID:X8eCZHev
- なんでペーペーの看護師のわたしが、こんなエライさんの集まる委員会に出なくちゃいけないんだよ。
心の中で思い切り毒づくが、流石にそれをそのまま口にすすほど、向こう見ずじゃない。
委員会の開始から既に一時間を超えている。しかもこの委員会の出席者の階層で云えば、
わたしは一人だけ、ぶっきぢりの最下層、底辺だ。
居心地が悪いどころの騒ぎじゃない。
……煙草が吸いたい、無性に。
だけど、無理矢理出席させられた委員会は、まだ当分は終わる気配さえ見せそうにない―――。
病院ってところはやたら委員会が多い。
どれくらい多いかって云えば、委員会の叩き売りが出来るくらい多い。
総会に当たる病院運営委員会を筆頭に、薬事委員会、医療機器購入委員会、安全衛生委
員会、院内感染対策委員会、看護委員会、診療材料委員会、病院広報委員会、倫理委員会、
褥瘡対策委員会等々、数えだしたらキリがない。
おかしなものだと駐車場運営委員会やHP作成委員会なんて、わざわざ委員会を作るこ
と自体が馬鹿馬鹿しいものまである。
実際委員会が開催されても一部の重要な委員会を除いては、参加した医者の半分くらい
が寝ていたりする。
「そんなくだらない委員会を開いている暇があるなら、一人でも二人でも患者の相手をし
たらどうなんだ!」
そう云いたくなることもしょっちゅうだけど、それでも開催しないわけにはいかないの
は「リスクマネジメント」ってヤツらしい。
平たく云ってしまえば、事故や不祥事が起こった時に「当院はちゃんとした体制をとっ
ており、事故・不祥事は不幸な偶然・結果だ」と云う為のアリバイ作りと云うわけだ。
お役所仕事って云えばお役所以外の何ものでもない。
まあうちは確かに市立病院だけどさ。
勿論、子供(ガキ)じゃないんだから、組織の論理くらい心得ているし、実際役に立って
いる委員会もない訳じゃない。
それでも、ただでさえ日常業務に忙殺されている医者や看護師を、無理矢理集めてまで
開催する意味の委員会がどれくらいあるっていうんだろう?
- 222 名前:手に入れた奇跡 2/9:2006/03/12(日) 20:31:18 ID:X8eCZHev
- そういう意味では、いまわたしが師長の代理として出席されられている、この「治験審
査委員会」は重要な委員会の部類だ。
委員長は副院長だし、事務方の代表は一番エライ局長だし「外部識者」というよく分か
らない枠で、市の元教育長まで参加している。
治験ってのは、簡単に云えば「新薬の実験や薬の飲み合わせによる新しい治療法を見つ
ける為の実験」のことだ。
実験と云えば物騒に聞こえるけど、うちのような地方病院まで降りてくる治験は実際の
ところ危険性は少ない。既に大学病院や専門病院で第T相(フェイズT)と呼ばれる安全性
を十分に吟味した初期の実験が終わっている薬だけが、第U相試験、第V相試験として持
ち込まれるからだ。
それでも第U相(フェイズU)だとまだ厚生労働省で正式認可された薬じゃない。である
以上、その薬を使う際には危険性は常に付きまとう。
だから、治験を受ける前に病院側がその治験の内容を吟味して、危険と判断した治験は
修正を求めたり、そもそも治験を断ったりするわけだ。勿論一度認可を受けたとしても、
その治験が終了するので、この委員会で常に報告義務があったりする。
もっともわたしら看護師がこの委員会に出ても、正直云って出番はない。
日常の治療やら手術に関連する委員会ならば、治療そのものしか目に映っていない医者
の先生より、正直わたしら看護師の方がずっと詳しい。だから医師がメインの筈の委員会
が、結局看護師同士の意見交換の場になることが少なくないし、どう見たって医者より患
者に身近に接するわたしらの方が真剣だ。
『リバビリンが入るとインターフェロン単独よりも、脱落例が多くなります。ヘモグロビ
ンが非常に下がりますので、ヘモグロビンが6.7とか8.1とかですね、治験ですので
厳密なヘモグロビン量は正常の人を選んでいるにもかかわらず、かなり減るという症例は
世界中で問題になっております』
『今度は8ミリ、12ミリとプラセボという三群比較の、第U相ということで再度スター
トをして、結果的に第V相のデータとして二重盲検のデータを、プラセボ比較の二重盲検
というデータとして、結果を救い上げる、という形で』
こんな専門的な話を聞かされたって、右から左だ。
辛うじて自分の病棟の患者に関する治療行為そのものについては理解できるけれど、そ
れが何を意図したものか、如何なる結果が期待されているのかは、頭の良いセンセイ様た
ちだけが立ち入ることが出来る領域で、看護師は完全な傍観者にしかなりえない。
- 223 名前:手に入れた奇跡 3/9:2006/03/12(日) 20:32:39 ID:X8eCZHev
- それでも無理矢理出席させられるのは、委員会の「定足数」ってヤツのせいだ。
つまり最低数の参加者がいない限り委員会は成立しないため、数合わせ的に各部署の人
間が集められ、本来の委員が欠席する場合には代理を出すことになっている。
本来委員である筈のうちの病棟の師長は、研修のため出張中。
その代理に何故わたしを指名したのか。偶々なのか、それともこの間、またサボって屋上で
煙草を吸っていた罰のつもりか。
いずれにせよ、冗談の一つも云えない空気の漂う会議室で、二時間近く無言で――無論
煙草をふかすことなど論外で――黙って会議の成り行きを聞いていることしか出来ないの
は、拷問の類に他ならない。
その不快な気分に、先程から更に追い打ちを掛けているのは、斜め向こうの窓側の席に
座っている夏目の存在だ。
確か、夏目もこの委員会の委員じゃない筈なので、恐らくは誰かの代理で無理矢理参加
させられたのだろう。
それだけなら「お前もザマーミロ」で済む話だが、先程来夏目の頭は、ユラリユラリと
舟を漕いでいる。
……あの野郎、完璧に寝てやがる!
怒りがフツフツと湧き上がってくる。
このテの委員会では余程派手な寝方でもしていない限り、参加者が寝ていても咎められ
ることはない。実際別の委員会に出席した場合、いつ自分が逆の立場になるか分かったも
のじゃないからだ。
だけど、それは立場の強い医師の場合に限ったこと。わたしら看護師が「委員会で思い
切り寝ていた」なんてことになれば、後で師長からどんな大目玉を喰らうか知れたもんじ
ゃない。
こっちがさっきから欠伸を必死に堪えているのに、あの野郎!
足が届く範囲ならば、机の下で向こうずねを蹴飛ばしてやるところだけど、とても届く距離じゃない。
どうやってあの野郎に、この拷問を共有させてやろうか。
そんな算段をして気を紛らわせているうちに、ようやく前の先生の報告が終わったらしい。
……やれやれ、やっと後一人か。
手渡された異常に分厚い資料がようやく最後の報告まで辿り着いたのを確認して、僅か
に安堵の溜息をつく。どうやらわたしの忍耐の限界に到達する前に、この長ったらしい委
員会も終わってくれそうだ。
だけど、この日最後の議題である「治験終了の報告」はすぐには終わらなかった。
そしてわたしは―――後で師長から大目玉を喰らうことになった。
- 224 名前:手に入れた奇跡 4/9:2006/03/12(日) 20:34:37 ID:X8eCZHev
- 「―――そろそろ落ち着いたか、谷崎」
たっぷり時間をかけたその一本を吸い終わろうかというところで、夏目が話しかけてくる。
「―――礼は礼として言っておくよ。助かったよ、すまなかったね」
紫煙と共に大きな溜息を吐き出しながら、今日ばかりは素直に夏目に感謝しておく。
あの時、夏目に会議室の外に連れ出されなかったら大目玉どころでは済まなかった可能
性が濃厚だ。なにせ副院長だけでなく、事務方の局長、それに市の元エライさんまで雁首
揃えている場だ。
あのまま感情の赴くままに口を開いていれば、辞表を書く手間すら不要になっただろう。
「アンタの方は良いのかい? こんなところで時間潰しなんてしてて」
院内連絡用のPHSで呼び出されて委員会を退席した癖に、そのまま屋上まで人を連れ
てきて、いつものように咥え煙草をして手すりにもたれかかっていることを問い詰めると、
この不良医師は、とんでもないことを自白しやがった。
「ああ、ありゃ。嘘だ」
「―――はあん?」
思わず間抜けな声を洩れでてしまうけれど、夏目は悪戯を見つかった子供のようにバツ
が悪そうな態度で、投げやりな具合にトリックを暴露する。
「事務方からな、普段使ってないPHSを失敬してな、ほら、こうやって」
そう云って、白衣の中からもう一台PHSを取り出して実演してみせる。右のPHSから左の
PHSへ。とんでもない自作自演だった。
「―――呆れた。アンタ、ほんとにそれでも救急関係の医者かい?」
「救急からの連絡はちゃんと分かるようにしてあるさ。
だいたい委員会なんて全部が全部、最初から最後まで出ていられるかっての」
身も蓋もないことを云いやがる。ま、それに関しちゃ、全くもって同感だが。
二本目の煙草に火を点ける。
それからまた暫くお互い無言のまま、紫煙をたなびかせる。
静かだった。
わたしたちだけが、この世界から隔絶されたような錯覚に襲われるほどに。
空を見上げる。
どこまでも澄み切った空の蒼が、いまのわたしにとっては何かの嫌がらせのようにしか、
思えなかった。
肺まで吸い込んだ煙が、胸の中にわだかまるもやもやを、更に攪拌させる。
………ああ、やっぱダメだ。
一度思いっきり吐き出さないと、やっぱり気が済みそうにない。
それに、認めたくはないことだけど、この件に関して吐き出すことが出来る相手と云えば、
いま隣で高校生のガキのような仕草で煙草を咥えているコイツくらいしかいないのだから。
あのさ、と口を開こうとする私の機先を制する格好で、だけど夏目の方が先に声を掛けてきた。
「谷崎、オマエ、戎崎のことを散々ガキだガキだって云っておきながら、お前も随分とガ
キなトコがあったんだな」
裕一のことをガキだガキだって云ってたのはアンタの方だろ?
そう思いつつも、
「―――ああ、自分でも意外だったよ」
そもそも普段ならそんな言葉を聞いた瞬間に蹴飛ばしてやるところだけど、今日ばかり
は素直に認める。いや、認めざるを得ない気持ちだった。
自分自身に関わる理不尽なことなら別だ。
だけど、今回のような直接関わらない理不尽な事態に対して、まだこんなにも激しく憤
れる自分が、ほろ苦くて、それでも何処か………。
若い頃はもっともっと色んなものに対して、そう、自分を取り巻く世界のありとあらゆ
る理不尽に対して、激しく憤っていた。
わたしが世間一般で云う、所謂「若気の至り」に走った理由の主たるものがそれだ。
だけど歳を重ねるに連れて、その理不尽さを受け入れるようになっていた。
いや、正確にはそうじゃない。その理不尽こそが社会を成り立たせている構成要素であ
ることに、否応なく気付かされたんだ。
世界のそんな仕組みを理解し、受け入れることが「大人になる」ってことなんだろう。
それは同時に、社会の至るところにある理不尽を受容し、諦めるということでもある。
だけど今回の件ばかりは、素直に諦めるにしては、あまりにも理不尽が過ぎた―――。
- 225 名前:手に入れた奇跡 5/9:2006/03/12(日) 20:35:30 ID:X8eCZHev
- その治験薬は末期の肺癌患者を対象としたものだった。
しかもその骨転移段階まで進んだ、現代医学ではほぼ「お手上げ」とされる状態の患者
の、疼痛を抑えることを主眼に置いた薬だ。決して患者の治癒を主目的とした薬ではない。
第U相試験として全国の病院で治験が試みられた。エントリーした被験者は何十人もいた。
この若葉病院でエントリーした患者もその一人だった。
そしてその患者――彼女にはその薬が効いた。劇的に効いた。
しかし彼女とは対照的に、対象症例が症例なだけあって何ら不思議はないのだけれど、
エントリーした患者は次々と亡くなっていき、遂には二人だけとなった。
それでもこの治験は続けられた、二年もの間。
だけど更に一人の患者が亡くなったことで―――遂に製薬会社も厚生労働省もある判断
を下した。
この治験の担当医師である三島先生の、委員会での発言が脳裏でレプリイされる。
『―――そもそも端的に云わせて頂ければ、この薬がこんなにもよく効いて患者が生存し
ているということが、現実離れしてるんですよ。
肺癌があそこまで骨転移しているならとっくの昔に亡くなっていても不思議はない筈な
のに、症状が薬を投与しだした時点でピタリと転移も止まり、疼痛も麻薬なしで耐えられ
る程度に軽減しているんですから。
我ながら誤診じゃないかって、何度も何度も検査して結果を確認しましたよ。治験を実
施している製薬会社には勿論、大学の教授にも資料を送りました。で、結局戻ってきた答
えはなんだったと思います?
揃いも揃って“奇跡だ”の一言ですよ』
- 226 名前:手に入れた奇跡 6/9:2006/03/12(日) 20:36:43 ID:X8eCZHev
- 「巫山戯るなっ!」
委員会の場では、無理矢理抑えざるを得なかった言葉を、そのまま吐き出す。
「奇跡を起こした薬が、いや奇跡を現に起こしつつある薬がそこにある。
なのに、なんでその薬の投与を中止になんか出来るんだよ!
製薬会社も! 厚労省も! そしてあんたら医者も!!」
目の前の夏目が全ての元凶であるかのように、ありったけの憎悪を籠め睨みつける。
理不尽な筈のわたしの怒りを、だけど夏目は黙って、煙草の灰をポンと一つ、静かに屋
上の床に落とすだけで受け止める。
以前の夏目ならば「そんなこと、俺の知ったことか」とでも吐き捨てて、会話すら成立
しなかっただろう。
だけど、今の夏目は私の完全な八つ当たりさえ、黙って受け入れている。
―――これが文句なしの“いい性格”をしていたあのクソ医者だとはね。
人ってどう変わるのか、本当に分かんないもんだねぇ。
そんなことをぼんやりと考えているうちに、私より一足先に夏目は二本目の煙草を吸い
きっていった。
「―――さっき、三島先生が云った通りだ。
今回の治験薬と彼女の症状が改善されたことに因果関係は認められない」
吐き出されたのは、どこまでも事務的で、淡々とした声。
「なんだ?
アンタまで薬が効いて彼女の症状が止まったわけじゃないって云ってるのかい?」
「医学上のデータだけを見ればそういうことになる。
実を云えば、全くの専門外だが俺もカルテを見た。守秘義務違反とか言うなよ? 見た
くなかったが、データにミスがないか確認してくれって無理矢理見せられたんだからな。
……まったく。こんな話、他の病院の人間にしたらうちの呼吸器科、馬鹿にされるぞ」
流石にこの時ばかりは苦々しく吐き捨ててから、
「結論だけ云っちまえば、厚労省が“この治験薬では患者の症状改善が認められない”っ
て判断したのも決して間違ってねえし、薬の製造自体の許可を止めるのも当然だ。全く効
果がないと“確認”された薬なんだからな。
だいたい製薬会社だって骨転移した末期肺ガンの患者の症状を抑えるなんて、そんな奇
跡みたいな薬を開発したんだったら、大儲けは間違いなしだ。血眼になって“奇跡”の原
因を突き止めようとしたに違いねえんだ。
さっきの委員会じゃ、企業の誠意で延長したとかなんとか云ってたが、それが猶予期間
の二年の正体だよ」
益々こちらの胸糞が悪くなる解説をしてくれやがる。
- 227 名前:手に入れた奇跡 7/9:2006/03/12(日) 20:37:37 ID:X8eCZHev
- 「だから諦めろっていうのかい?
“この数年、貴女の命を繋いでいたと思われていた薬は、実は全く効かない薬でした。
つきましては、一般的な有効性は確認されていますが、貴女に効くかどうか分からない
治療法に切り替えます”って?
アンタ、本当にこの治験薬の投与を止めても彼女の症状が悪化しないって思ってるのかい?」
「―――――――」
夏目が黙りこくる。
相当性格が捻くれ曲がっている夏目だけど、こんなところだけは実に分かりやすい。
でもこの治験を受けていた患者は、三島先生の遠回しの「死刑判決」も受け入れたそうだ。
『寂しいですけれど……』
命を繋いできた薬を断たれることになった彼女は、弱々しい笑顔を浮かべ、
それでも気丈に答えたそうだ。
『仕方ないですね』って。
許せなかった。
叫びたくなる衝動を抑えきれなかった。
だけど、わたしの憤りの本当の対象は、委員会の参加者にじゃない。
掌の中に転がり込んできた奇跡を、むざむざ手放そうとするこの患者本人に対してだ。
無論伊達に何年も看護師をやってない。
“ただ生きいてること”が必ずしも幸せじゃないことは十分すぎるほど知っている。
だからこんなのは患者とは直接関係のない、部外者の勝手な想いだ。
ましてこの患者の症例は、骨転移した肺癌。
完治など望むべくもない。
そしていくらこの治験薬で疼痛が和らいだと云っても、それでも健康な人間からすれば、
想像を絶する痛みを抱えながらの生活だろう。
それだけ身体がキツければ、心が挫けそうにもなるだろう。
理不尽な現実になんら抵抗することなく、そのまま受け入れてしまいたくなることもあ
るだろう。
それでもわたしは彼女に最後まで戦い抜いて欲しかった。
他の患者がどれだけ望んでも手に入れられぬ“奇跡”を、彼女は手中にしていたのだから。
- 228 名前:手に入れた奇跡 8/9:2006/03/12(日) 20:39:04 ID:X8eCZHev
- 「夏目。もしあんたが当事者だったら。いや―――」
胸を掻きむしりたくなるような強い衝動を抑えきれず、つい同意を求めるように問い質してしまう。
「この患者が里香だったら?
いや、あんたの、いや“あんたの友達の”奥さんだったら、諦めきれるのかい?」
だけど、口に出してしまった次の瞬間「しまった」と猛烈な後悔に襲われる。
流石にそれだけは訊くべきじゃない。訊いてはいけないことだった。
だけど、一度口から零れ出た言葉は決して虚空に掻き消えてくれたりはせず、夏目の鼓膜を揺らしちまう。
「―――――――」
「―――――――」
再び私たちの間に沈黙が舞い降りる。
すまなかった、今の質問は忘れてくれ。
そう云おうと、そう云うべきだと分かっているのに、それでも心の何処かに夏目の答え
を聞きたいと思う自分がいるのか、咄嗟に言葉が出てこない。
更に時計の秒針が一回りする程の時間が流れ、わたしが諦めかけた時に夏目がボソリと
呟くように云う。
「…………諦めるかよ」
ゾクリ、と背筋に電流が走る。
修羅場はそれなりに潜ってきたつもりだけど、魂の底から響くようなその言葉に思わず
怖気をふるっちまった。
「…………諦めるかよ、諦めてたまるかよ!」
剥き出しの感情そのままの言葉は、まるで獣のようだ。
その瞬間、わたしは会ったこともない夏目の奥さんに猛烈な嫉妬を覚えた。
別にわたしがコイツ(夏目)に惚れたはれた、って話じゃない。
それは純粋に――――“一人の女”としての嫉妬だ。
死んじまってもなお、一人の男からこんなにも激しく愛されている。
それは女として至上の喜びでもあり、
そんな男と巡り会えたこと自体が、彼女にとって―――
- 229 名前:手に入れた奇跡 9/9:2006/03/12(日) 20:41:42 ID:X8eCZHev
- 「あれ、亜希子さん? またこんなところでサボってるんですか? って夏目先生も!
あんまり待たされるもんだから、もう里香、カンカンですよ!」
聞き慣れた少年の声で、張りつめた空気が融解する。
「やべ、もうそんな時間かよ!
なんでPHSに連絡……って、チッ。さっき電源まで切っちまってたのか」
裕一の声に、夏目はまるで遅刻寸前で校門に駆け込む学生のような必死さで、階段を駆
け下りていく。
先程の獣のような雰囲気は―――綺麗サッパリ掻き消えていた。
ホッとしたような、残念なような、そんな不思議な感情が揺らめくわたしの前で、里香
の検査に当然のように同伴してきた裕一は露骨にザマーミロって顔をしている。
やれやれ。
端から見れば似た者同士以外の何者でもないの癖に、何を近親憎悪している事やら。
「最近の里香の具合はどうだい?」
そう軽く水を向けてやると、裕一は喋る喋る喋る。
学校でのこと、家でのこと、この夏に少しだけ足を伸ばして裕一の親戚の家がある南島
町の海に行ったこと。
普通に健康な身体をしていれば、誰もが経験しているようなささやかなエピソード。
だけどそれが里香にとってはどれだけ貴重で、どれだけ大切で、どれだけ嬉しいことなのか。
里香と出会う前は、自分が何者なのか、自分が何をしたいのか、まるで分かっていない、
ただのクソガキだった裕一が、いつの間にか里香と同じ視点で物事を見られるように。
―――まったく。
二人の出会いのきっかけを作ったのが他ならぬ自分だってことも忘れ、嘆息する。
たった一つの出会いが、ここまで人を変えることが出来るんだね―――
「本当に今日はどうかしたんですか、亜希子さん?」
気が付けば目の前にあるのは、裕一の不思議そうな表情。
チッ。
裕一にまで気付かれちまうなんて、我ながら今日は本当にどうかしてる。
なんでもないよ、と云おうと思っていたのに、ついまた口を滑らせてしまったのは我な
がら情けない。
「―――裕一、あんた、奇跡ってヤツを信じるかい?」
唐突なわたしの問いに、裕一は戸惑ったような表情を浮かべる。
そりゃ、そうだ。
こんなこと、唐突に云われたら、わたしだって戸惑うしかない。
だけど、裕一は―――
「―――信じますよ。里香のためだったら、どんな奇跡だって」
キッパリと、一片の迷いも衒いもなく、裕一はわたしの質問の意図を読み取って答えた。
その表情は以前のクソガキのものではなく―――守るべき者を見つけた、紛れもない一人の男としてのそれだ。
ああ、と身も蓋もない感情が心の中を占めちまう。
本当にあんたたちが羨ましくて仕方ないよ。
里香。
そして、夏目の奥さんよ。
アンタ達はアンタ達で、しっかりその手に掴んでいたんだ。
こんなにもアンタたちのことを愛してくれる、こんなにもいいオトコを。
それこそが―――アンタたちが手に入れた奇跡ってヤツだったんだね。
(終わり)
萌え要素皆無な長文に最後まで付き合って下さった方、有り難うございましたm(_)m。
- 230 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/12(日) 20:53:15 ID:XaaVqRUi
- 飛ばし飛ばしにだけど読んだ、亜希子さんが凄い頭良いキャラになってるように感じたよ。
これなんかの体験談?
- 231 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/13(月) 08:11:17 ID:R0dMfcMF
- >>221GJ!面白かったよ
- 232 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/13(月) 21:17:19 ID:HdTAqp1t
- やっぱアンタ最高だよ、GJ!!
- 233 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 00:14:07 ID:nFXk7eKz
- エロ要素と萌え要素が皆無でも最高にGJ!
原作のふいんきそのままだし、、あと考証って言うか病院の内部事情が詳しすぎてすごい。
- 234 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 20:48:25 ID:KpMBakYi
- ちょwwwww
今日ホワイトデーだぞwwwwwww
誰かなんとか汁wwwwww
- 235 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/15(水) 01:07:38 ID:Te5qB8n8
- ホワイトデーオワタ、氏ねよオメーラ
- 236 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/15(水) 02:18:19 ID:Qvx6NGvo
- >>235
書けねぇくせにグダグタ吐かす屑が!
そういう文句は書いてから言いやがれ
- 237 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/15(水) 13:00:38 ID:q1diZfcG
- >>236
気持ちは分かるが落ち着け。
で、>>235は黙って氏んでくれ。
- 238 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/15(水) 21:08:52 ID:Z0tg9QxA
- 保守っとくか
- 239 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/15(水) 21:27:15 ID:OJWvG+c4
- 明日暇だからもし気が向いたら頑張ってみるが?
終わったいまさらホワイトデーものかい?
- 240 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/16(木) 00:42:08 ID:14t1fnQJ
- >>239
ぜひお願いします
- 241 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/16(木) 18:44:10 ID:14t1fnQJ
- >>239さん、どうでしょうか?
- 242 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/16(木) 22:58:02 ID:wfErJaEz
- さらに遅くなる予感・・・
- 243 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/16(木) 23:01:07 ID:wfErJaEz
- つい最近までは平和な、いつもと変わらない日々が続いていた。
――でも今日は違う。
のんびりいつもの様に過ごすわけにはいかない、テストや宿題などよりも大事なものを今日完成させなければならない。
今日は3月14日、この日には海の日とかクリスマスとかと同じように別名がある。
その名もホワイトデー、義理にも本命にも平等な三倍返しを行わなければならないバレンタインチョコのお返しを送る日。
バレンタインデーにはチョコをあげるという決まりがあるのに対して、ホワイトデーに相手に何を送るかは不思議な事にちゃんと決められていないらしい。
同じようにチョコだとか、ホワイトだからマシュマロだとか、クッキーだとか、財布に余裕のある奴なんかはとんでもなく高い貴金属類を送ったりするらしい。
ホワイトデーのことを司の家で話題に出したら、あいつは律儀にも毎年手作りクッキーを配っているといった。
司はあれでかなり女子には人気だ。
一回司にチョコを渡す為に群がる女子の集団を見かけた事もある、きっとそれだけホワイトデーのお返しが期待出来る品なのだろう。
モテることは羨ましいけど山の様にお返し作らなければいけないと思うと、正直同じようにモテたいとは思えなかった。
それでも司はお返し作りを楽しんでいるというから、僕はある意味司を尊敬した。
そんな司に対して僕の方はホワイトデー当日だというのに未だに悩んでいる。
司に手伝ってもらって僕もクッキーを焼くという事はもちろん出来る、でもそれじゃなにかいまいちしっくり来ない。
なにせ里香には大見栄張って、
「三倍返しといわず、十倍返しで返してやるよ!」
なんて言ってしまった。
今思うとまるで子供が言う様な馬鹿みたいな事だが、それほど里香からチョコを貰った事が嬉しかったんだ。
だからそのとき僕は里香をもっと喜ばせてやろう、そう思ったんだ。
- 244 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/16(木) 23:03:26 ID:wfErJaEz
- 「裕一、どうしたの? 」
「え? い、いやなんでもないけど?」
悟られちゃいけない、まだプレゼントが決まっていないなんて事を絶対に悟られるわけにはいかない。
もし、バレたらどうなるか。両手でぽかぽか叩かれて土下座されられる位ならいくらでもする。
でも絶対にそれだけで済むわけが無い。里香の機嫌が直るまで何があっても無視され続けられるか、逆に顔を合わせる度にその事をちらつかせてくるか。
それとももう会ってすらくれなくなるんじゃないか。いや、でもバレンタインのお返しをしなかったくらいでそこまでは……あるかもしれない。
とにかくバレたら何があるか分からない、とにかく良い考えを、それも里香をあの時の十倍は喜ばせられる様なアイデアを。
当然何も考えていないというわけじゃない。これまでにも何個かは作戦を考えていた。
一応マシュマロやクッキーなども考えたし、里香が好きそうな本を送る事や、少しだが我慢して貯めていた小遣いを使って服や指輪、なんて事も考えた。
でもどれもいまいちしっくりこない。そもそも里香はそんな高かったりするものを送るだけで喜ぶだろうか。
そりゃ里香だって女の子だから服や指輪なんかをプレゼントすれば喜ぶに違いないし、好みの本や普通にお菓子をプレゼントしても喜びはするだろう。
何故だか、どれも本当に喜んでくれるかはいまいち自身が無い。
「裕一本当に大丈夫? さっきからどんどん顔が青くなっていってるけど」
「え? あ、あはは大丈夫だってば! ほら早く行こうぜ、遅刻しちゃうしさ」
「うん、そうだね」
まだ僕の心の中を察知していないだろう里香は、本当に僕の事を心配してくれていたようで、上り坂では自転車から降りて一緒に自転車を後ろから押してくれた。
それが僕は嬉しくて、そして少しばつが悪かった。
里香の喜ばせる為に絶対凄いものを用意してやろう。
僕は決意を確認するように自転車を押す手に力を込めた。
自転車のグリップがその力を同じように返してきた。
- 245 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/16(木) 23:04:05 ID:wfErJaEz
- かなり不完全燃焼だけど書き上げ次第あげてきます
- 246 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/17(金) 01:15:06 ID:dwwJfQFS
- GJ!
続きまってまふ!
- 247 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/17(金) 02:09:59 ID:UJAGql4s
- GJ!!!
wktkして待ってます!!!
- 248 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/17(金) 05:28:41 ID:qgjCi8/I
- やっと本物の出会い系サイトみつけました!
Hまでは行きにくいけど確実に女の子には会えました
http://eben2360.web.fc2.com/
他にサクラがいない出会い系サイト知ってる人いたら教えてぇ
- 249 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 00:30:36 ID:KCE6sBds
- 保守
- 250 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 13:06:59 ID:9vElL0B+
- 里香って自慰すると心臓発作起きるのかな?
- 251 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 16:07:27 ID:041DTep+
- では試してみるか…
- 252 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 20:45:18 ID:sToO6KYf
- とりあえず>>251の心臓を里香に移植しといた
- 253 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 21:43:16 ID:KCE6sBds
- 里香じゃないんだなこれが、
第一移植なんかしたら里香保たんよ。
- 254 名前:251:2006/03/18(土) 22:32:52 ID:041DTep+
- うわーん、そういう意味じゃなかったのに…。一作書いてみるかって意味だったのに…
- 255 名前:252:2006/03/18(土) 22:53:55 ID:sToO6KYf
- とりあえず戻しといた。あとはガンガレ
- 256 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/18(土) 23:41:31 ID:KCE6sBds
- >>255
神の手を持つ男・・BJか!?
- 257 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 01:07:29 ID:EaOn1O5a
- 本スレにあったネタ
BJ 手術料は5000万だ
裕一 つ30,000
- 258 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 01:49:46 ID:EoR/li1K
- サンマンかww
- 259 名前:Ξキソケ:2006/03/19(日) 11:28:51 ID:Wlza+GhF
- 250ですが、実は少し前から里香の自慰SSを書いていたので、
二回に分けて投下したいと思います。
嫌な人はスルーをお願いします。
半分の月はいつもそこにある
若葉病院の消灯時間である九時を何十か回った頃、
東病棟にある少女の病室を、半月が柔らかい光でガラス窓越しに照らしていた。
その病室の主は秋庭里香。
彼女は、一般的な同年代の少女の顔に比べて、希な白さを持つ愛らしい顔を眠気に少しだけ歪ませて、
スタンドの明かりを消し裕一に借りて来てもらった本をしまうと、明日に備えて早めにベッドに入っていった。
(もうちょっと本読んでからでも良かったかな‥)
いかにも病院に備え付けのものといった感じのベッドと布団に
彼女の細い身体と、着ている質素なパジャマが包まれる。
腰まで伸びる程の長さで、蒼みがかったような長い黒色の男好きしそうな髪もベッドと掛け布団の間に収まっていく。
こういう形容の仕方なら、何ら違和感が無いかも知れないが、
彼女の身体は病魔との闘いを一生続けなければならないものだ。
その痕は身体の様々な所、例えば服の上からは見えない手術痕や、病院暮らしらしい白い肌、
髪を切る余裕が無いからこそ保たれている、彼女の長い髪がそうである。
(今日も裕一、おっかしかったな〜‥)
寝る体勢を整えつつある里香はベッドの中で、その日あった事を一つ一つ思い返していた。
寝付けないせいか、それとも楽しいのか、自然と彼女は身体をもぞもぞっと布団の中で動かす。
(ちょっとからかったらムキになっちゃってさ…)
- 260 名前:Ξキソケ:2006/03/19(日) 11:29:53 ID:Wlza+GhF
- ―普通の、健常な人なら眠くなったら愉しい事を考えながらベッドに入り、
朝起きれば当然の様に太陽を見て、学校なり会社なりに行くという生活を、何も考えずに繰り返す。
何も考えずにだ。
しかし、里香の場合はそうでは無かった。
(確か明日は、また検査があって…)
里香にとっては明日見る町の景色が、太陽が、月が、愛する人の顔が、
この世で最後に見た景色になるかも知れないのだ。
だから彼女はベッドの中で思い返す。裕一の事を。
平等かどうかはわからないけれど、少しでも長くいたい世界で、最も愛おしいその人を――
彼の姿形や言葉を思い出す度に、里香の鼓動が発作を起こさない程度に高まった。
(ゆういち…‥)
里香はもう今までの人生の長く辛い闘病生活で悟っていた。
―自分の心臓は、激しい運動を控えなければならないのは勿論、
好きな人と繋がる事や、まして妊娠・出産等は容易では無いのだと―
世間一般で言う、『人並みの幸せ』は、里香の物にはならないだろう。
- 261 名前:Ξキソケ:2006/03/19(日) 11:31:01 ID:Wlza+GhF
- だからせめて自分の心の中だけでも、現実では出来ない事で裕一を想う。
(裕一だって、どうせ私でヘンな事考えてるんだからお相子だよね)
里香がそう考えてしまうのを安っぽく言って、悲しい運命と言うべきなのか。
それとも?
その切なさを分け合うパートナーがいて、共に生きて行けるから少なくとも不幸では無いのだろうか。
里香は先ほどまで身体を転がしてくねらせていたが、
彼女は、布団から上半身を出して絹の様に白い腕を、サイズの小さい胸の辺りに回していく。
(私、胸ちっちゃいな‥もっと大きい方が好きなのかな?
結構スケベだもんね…裕一)
彼女の腕が彼女自身の胸をパジャマ越しにさする事に、可愛い声が漏れた。
いじましく、初々しさを感じさせる手つきで何度もさすったり揉んだりしている。
「んっ…‥」
健全なもので乳首とかダイレクトな所は責め倦ねて、
里香ははっきりとしないむず痒い感覚を感じる。
「………」
これが裕一の手だったら、どんなに幸せだろう?
里香の脳裏にこんな想いが滲んできたが、それはしょうがない事である。
- 262 名前:Ξキソケ:2006/03/19(日) 11:32:02 ID:Wlza+GhF
- 次に、里香はぎこちないなりに自らパジャマのボタンを外すと、
小振りだが形の良い胸がひんやりとした外気に晒される。
そして両手でその胸をふにふにと揉みしだく。少し乳首が硬くなって来た。
「ふぅ…」
赤くしこりたってきた乳首の内、右乳首を里香はぎゅっと掴んで弾いてみた。
「ひゃっ!」
ピンという感覚が里香の精神に電撃を走らせ、思わず目を瞑ってしまう。
そんな愛撫を繰り返している内に里香は、更に自分の顔や身体が火照り、
それどころか口に出しては言えないような部分まで熱を帯びているのを感じ取っていた。
同時に、自分の心の中で淫らな、現実には難しいであろう光景が浮かんでは消えて行く。
「はぁ…はあ…」
裕一に胸を遊ばれている自分。裕一に耳を責められている自分。裕一に前から貫かれている自分。
どの自分も裕一も、悦びに酔いしれていた。
そして今の自分は身体中に汗をかき、息が荒くて、
そしてどうしようも無く身体の奥が疼いている。
(…胸だけじゃ、おさまらないよ…)
- 263 名前:Ξキソケ:2006/03/19(日) 11:35:16 ID:Wlza+GhF
- 一回目の投下終了。
>>262の下から2行目の
そしてどうしようも無く身体の奥が疼いている。
は、そしてが2連続だとおかしいので脳内で消して下さい。
- 264 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 12:33:24 ID:UYpz6puP
- >>263
キタヽ(゚∀゚ )メ(゚∀゚ )メ(゚∀゚ )メ(゚∀゚ )メ(゚∀゚)メ( ゚∀゚)メ( ゚∀゚)メ( ゚∀゚)メ( ゚∀゚)ノコレ!!!!
- 265 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 16:28:57 ID:lUkeyHm/
- >>263全然大丈夫っすよ、後半も楽しみにしてます。
- 266 名前:Ξキソケ:2006/03/19(日) 20:32:39 ID:NlQok82V
- では後半分の投下行きます。
いやほんと里香ちゃんって可愛いですね。
里香は自分の昂ぶりを解消する為に、自らの右腕をパジャマのズボンの更に奥、
誰にも触れられた事の無い、口に出しては言えない様な部分に接触させていった。
右手の指が何本かある部分に触れた時、くちゅっと、水音がした。
「っ……」
自分の昂ぶりによって漏れ出た淫らな音に里香は少し躊躇するが、
それでも彼女の右腕は動きを止めず、左腕は胸を弄り続けている。
彼女の秘部は昂ぶりに応じてかなりの量の蜜を垂らして、右腕での自慰を容易にしている。
ショーツが濡れて気持ち悪かったが、やや薄い恥毛が
自分の愛液に濡れて指に触れる感覚は、背徳的な快感だった。
くちゅ‥くちゅくちゅ…くちゃっ…
何度目かの水音が鳴った時、ふと彼女の視界に半月が入る。
彼女は自分の視界に半月が入った時、涙で視界が歪むのを感じた。
- 267 名前:Ξキソケ:2006/03/19(日) 20:33:20 ID:NlQok82V
- ――自分が、裕一の人生のお荷物になってしまう事を里香はとっくに悟っていた。
身体的に、経済的に、そして精神的に…第三者から見たら自分は裕一にとって間違いなくお荷物だろう。
とても重い重いお荷物だ。しかも誰かに代わりに運んでもらったり、途中で下ろす事は出来ないし、
かといっていつ下ろす事になるかのかもわからない。
それにだ。
―The end―
よく本でも見かける言葉だけれど、自分と裕一との関係の終わりが、
それ以外の何物でも無い、自分の死でしか訪れない事も彼女はとっくに悟っていた。
自分は、最愛の人と自分の死で別れるしか無いのだ。
それでも…
(裕一…ゆういち‥ユウイチ…!)
裕一は、他にどんな犠牲を払ってでも里香と一緒に生きると誓ってくれた。
そして里香も、『いのちをかけて君のものになる』と誓った。
この人生を、自分にとってかけがえのない生きる力、無償の愛を注いでくれる裕一と共に生きようと決意した。
- 268 名前:Ξキソケ:2006/03/19(日) 20:34:29 ID:NlQok82V
- ―だから今は、裕一に夜這いなんてかけてもらえなくとも、こうやって我慢しよう。
里香の左手はさっきから右胸と左胸を行ったり来たりして、摘んだり揉んだりを繰り返している。
右手は、今まで自分でも触った事の無いクリトリスの包皮を剥こうとしていた。
少し剥こうとするだけで、全身に電流が流れて、
自分の理性を丸ごと刈り取ってしまいそうな感覚に里香は耐えた。
「ふぁっ‥くぅっ…!」
なんとか包皮を剥き終わった里香は、肉真珠を右手の人差し指と親指で摘みあげると同時に、
残りの指と左手で一気に愛撫を始めた。
今までより一層大きく声と水音が病室に漏れ出し、昂ぶりも絶頂に近づいていく。
ぐちゃ‥くちゅくちゅっ…くちゃっ…ぐちゅっ!
(も、もう…!)
最後に一回、里香は強く肉真珠を右手の人差し指と親指で摘みあげると同時に
残りの指を秘裂に突っ込んだ。
(裕一っ…!)
その時、里香は身体が弓なりになり、目を思いっきり瞑って絶頂に達する。
「あぅ、ひやぁっ……!」
左手は強く右胸のしこりたった乳首を掴んだままだ。
本当は、この高みを裕一と共に迎えたいのに…
彼女の中の熱が冷めて行くと同時に、
漏れだして来た愛液にショーツもズボンもかなり濡れてしまっている。
…里香は、絶頂の感覚に身体の奥から震えていた。
「はあ…はあ…はぁ…はぁ‥」
息を荒くした里香が目を閉じると、窓の外の半分の月は見えなくなった。
- 269 名前:Ξキソケ:2006/03/19(日) 20:35:28 ID:NlQok82V
- 主が服を整えて眠りについてしまった暗い病室を、
さっきとは少し角度を変えた半月が…半分の月が照らしていた。
数ヶ月前、砲台山で二人を祝福してくれた半分の月。
里香と裕一にこれからどんなに辛い事があっても、もしくは楽しいことがあっても、
きっと、半分の月はいつもそこにある。
終わり
- 270 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 22:41:18 ID:DEL3OQuP
- GJ!
家でしてるのかと思ったら病室ですか
- 271 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 00:03:00 ID:OmnV6hSj
- Xかよw
- 272 名前:Ξキソケ:2006/03/20(月) 10:10:34 ID:o3T9uRJN
- >>270
個人的に病院の方がなんか良いので…
>>271
このネタがわかる香具師がいましたかw
所で、絵本の方のone dayは買うべき出来なんですか?
- 273 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 15:23:16 ID:vsRFZ4Dr
- >>272
金に余裕な人は買うべし、話的に進むと5巻→one day→6巻になる。
- 274 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 16:14:43 ID:p7pi2ahp
- X=ガンダムX
いかんな・・某所の影響を俺は強く受けているらしいorz
- 275 名前:Ξキソケ:2006/03/20(月) 17:23:44 ID:o3T9uRJN
- >>273
ありがとうございます。
じゃあ買ってみようかな…まだ6巻買ってないし。
>>274
SSのタイトルと終わりの部分だけならパロッても問題無いと思ってやっちゃいましたが、
半月における半分の月のイメージと、里香と裕一の関係で何かSSを妄想していて、
そしたらガンダムXのラストが勝手に被って来ちゃいました。
ガンダム嫌いな方が読むことがあったら丸ごとスルーしてください。すみません。
- 276 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 22:29:08 ID:p7pi2ahp
- 某所=○ャナスレ
- 277 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/20(月) 22:49:45 ID:aFnT/Sbw
- >>272グッジョブメ
良かったです
- 278 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 00:28:11 ID:HMd7D9VX
- >>276を討滅しといた
- 279 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 01:31:14 ID:YUd+vjXE
- 夏目「月は出ているか!?」
里香「あなたに・・・力を・・・」
とか想像してしまった俺はもう末期ですかね
- 280 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 01:57:21 ID:HMd7D9VX
- >>279
普通だから心配するな
- 281 名前:Ξキソケ:2006/03/21(火) 12:32:34 ID:LOEDcLiu
- >>279
普通ですよ普通普通w
あ〜one dayが売ってなかったから
リバース・エンド一巻買って来ちゃった…
- 282 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 20:12:31 ID:V7pdS/er
- >279
虎面「何も考えずに走れ!」
小夜子「天国なんてあるのかな」
多田「おさらばで御座います」
…‥なんだいくらでもできそうだな。
- 283 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 21:24:09 ID:te6OPdOd
- 里香「私が一番裕一をうまいように使えるのよ!」
はいはい1st1st
- 284 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 21:37:54 ID:LOEDcLiu
- 夏目「小夜子、私を導いてくれ」
すいません調子乗りました…
- 285 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/21(火) 22:57:47 ID:mHFNnCR/
- 裕一「俺は里香と添い遂げるッ!」
実に普通ですね。
- 286 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 00:55:14 ID:rAtHx8pt
- 裕一「生きる方が戦いだ!」
これもわりとまとも、かな?
- 287 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 08:22:51 ID:AVsyl4sp
- 裕一「お前が好きだッ!お前が欲しいッ!里香あぁぁぁっ!」
合わねぇ…
- 288 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 12:51:35 ID:2eGonAid
- 祐一「アンタって人はァァァァァァ!!!!!」
なんでだろう…すごく合ってる様な気がする
- 289 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 13:36:38 ID:AVsyl4sp
- 俺はアニメ版見られなかったけど、そりゃ声優が一緒だもんなぁw
- 290 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 13:54:05 ID:TQ/W/Fwf
- 夏目「俺はあと何度人を殺せばいい?教えてくれ、裕一・・・」
- 291 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 13:59:55 ID:AVsyl4sp
- まだ続けるのかよw
夏目「死んだ女房の口癖だ・・」
- 292 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 15:41:40 ID:RCKx74GP
- 夏目「悲しいけどこれ病気なのよね」
似合わねぇ〜wwwww
- 293 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 17:50:42 ID:AQxVvqBh
- >>292
死亡フラグwwwww
- 294 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 21:27:50 ID:AVsyl4sp
- 夏目「小夜子、俺はもう悲しまないぜ。
お前みたいな娘を増やさせない為に心臓病を叩く、徹底的にな!」
- 295 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 22:28:09 ID:GBKOKVEd
- 心臓を叩くに見えた
- 296 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 22:50:01 ID:AVsyl4sp
- 開胸した後に、直接マッサージか…
- 297 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 23:58:39 ID:AQxVvqBh
- ブラックジャックじゃあるまいし
- 298 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 00:28:19 ID:x/H1RsY1
- 多田「裕一君にあのエロ本を届けてくれ。あれはいいものだ!」
- 299 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 00:51:59 ID:Jg3pnB2s
- 多田「ありがとう…裕一君にエロ本を届けてくれて…ありがとう、亜希子さん…白いしにがみさん…」
多田爺逝去
- 300 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 02:30:54 ID:0LPJp9Xq
- 夏目「ええい!近年の心臓病は化け物か?!」
- 301 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 10:40:30 ID:iJTKTchh
- >>297
良くわかったな?このネタ。
>>298
マ・クベ
>>299
しにバラと半月がコラボレーションしたら
面白い作品になりそうだなとオモタ。
>>300
化け物呼ばわりしてないでなんとかしろよ夏目w
夏目「裕一、私の手向けだ。里香と仲良く暮らすがいい」
- 302 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 15:14:04 ID:0LPJp9Xq
- 裕一「殴ったな!親父にも殴られたことないのに!」
- 303 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 15:35:03 ID:TeifEcW3
- 夏目「甘ったれるな!!」
- 304 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 17:18:42 ID:Jg3pnB2s
- このスレは21禁にするほどでもないなw
- 305 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/23(木) 19:29:14 ID:0LPJp9Xq
- まぁ神が滅多に光臨しないし過疎るよりはマシかと・・
- 306 名前:Ξキソケ:2006/03/23(木) 22:41:48 ID:iJTKTchh
- またエロSS考えても良いけど、リバエンは2巻までしか読んでないし、
半月は心臓病の里香をいかに萌えるシチュエーションでHさせるかが難しい上に、
二人の関係は二次創作では表現仕切れないモノがあるから難しいです…
- 307 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 00:15:15 ID:fq3ZiErQ
- 日常生活送れるぐらいまでは回復したんだし普通にエロでもいいと思うが。
- 308 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 00:20:36 ID:bZOjFT1m
- 里香は既に鋼鉄のハートを手に入れてるよ
- 309 名前:Ξキソケ:2006/03/24(金) 11:11:41 ID:OsCpOIg8
- >>307
じゃあ時系列は退院する少し前辺りで、ネタを考えてみようと思います。
>>308
サイボーグですか?
- 310 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 15:29:36 ID:jJZs3Gcs
- そうか、鋼鉄のガールフレンドか………
- 311 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 15:35:20 ID:OsCpOIg8
- サイボーグと聞いて某勇者王や009を思い出す俺は少数派ですか?
- 312 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/24(金) 21:51:43 ID:yYUuS5+b
- ホワイトデーネタ書いていた方、
後半はどの位書き終わりましたか?
- 313 名前:ff:2006/03/25(土) 00:21:59 ID:8XbE98vE
- 結構才能のある人多いな。
キソケ後半も期待している!
(´∀`)ノシ
- 314 名前:即席ラーメン:2006/03/25(土) 00:33:14 ID:8XbE98vE
- リバエンで話を書くとすれば唯か七海でどっちを使いますか?
- 315 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 01:21:34 ID:ZQCptyXM
- 即席ラーメン氏>
個人的には七海でお願いしたい
- 316 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/25(土) 17:26:22 ID:1YgnbTUD
- 神待ちage
- 317 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 06:37:54 ID:IpiOtAsA
- おお、久々に来たらずいぶんレス進んでんな この調子なら夏まで持ちそうだ
- 318 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 09:06:39 ID:yfQg/xOB
- ライノベ板で人材募集していたからなw
- 319 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 16:45:12 ID:o8ZH97FE
- というか何故かガンダムネタで(ry
- 320 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 19:20:29 ID:zInUa998
- 「裕一何見てるの?」
「ああ、ガンダム種だよ」
『あんたって人はー!』
「いいぞシン!今日こそ妹の敵のキラを倒すんだ!」
「なに子供みたいに熱くなってるのよ・・・」
「いや・・・なんだかこのキャラだけは応援せずにはいられなくて・・・」
『あはははは・・・やった・・・』
「うおっ!?ついにやったなシンッ!おめでとう!」
「ゆ、裕一がおかしくなった・・・谷崎さーん!」
- 321 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 20:14:23 ID:q8AwcYGc
- 亀ですが>>69さん乙でした。
犯されつつも、しっかり裕一を感じてた里香がエロかったです。
ところで途中からハッピーEDにフラグ変更したネタがあるんですが
書いてもいいでしょうか?
- 322 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/26(日) 21:06:56 ID:ryYeLAIi
- ∧_∧
( ・∀・) ワクワク
oノ∧つ⊂)
( ( ・∀・) ドキドキ
∪( ∪ ∪
と_)_)
- 323 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 03:58:10 ID:z8tpF/bM
- マニア(?)ネタで悪いんだが、誰か亜希子さんのシルビアの画像をUPしてくれる優しい人はいませんか?
プラモで作ろうと思ったけどアニメが見れないから詳細が分からないんだ…
暮れ暮れでスマソ。
- 324 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 12:08:58 ID:fhHsSuPf
- >>323
すまん、俺の行きつけのキャプ画像掲示板には無かった。
- 325 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 21:43:59 ID:KteFqd9u
- YOU TUBEで全話見て北。里香が可愛いね!
恥ずかしいけど少しずつ作品を書いてみようと思う
- 326 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 13:58:23 ID:cKqr3St7
- YOU TUBEってどうやってダウンロードすんの?
- 327 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 15:25:40 ID:kF2xqIAA
- 以下、>>326などの教えて君はスルーで。
- 328 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/28(火) 18:57:30 ID:WvSLv3G5
- >>324
そうなんだ…。
わざわざ調べてくれてありがとうございます。
でも、アニメだと亜希子シルビアの全体図が出たみたいですね。
YOUTUBEで頑張ってみまつ。
- 329 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 16:11:39 ID:IA2HI/4x
- 今更ながらYOUTUBE第三話消されてないか?
- 330 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 18:05:00 ID:w1eRIerU
- >>329
ヒント「hantuki」
それと、短編集が6月10日に出るとゆう情報がありましたよ。
- 331 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 18:13:28 ID:w1eRIerU
- >>329
ごめん。前はhantukiで出てたんだけど、どうやら消されてるみたいです。
- 332 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 18:22:22 ID:w1eRIerU
- 再々訂正。やっと分かりました。本当に何度もすみません。
hantsukiと検索すれば3話ごと全部見れるようになりますよ。
- 333 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/29(水) 18:26:29 ID:IA2HI/4x
- >>332
漏れの為に何度も・・
こちらこそ本当にサンクス!!
しかし半月7巻って・・、普通に番外編にしておけよ・・
- 334 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/30(木) 01:47:08 ID:sNBRaC4m
- どうやら8月にも番外編として8巻も出るとか言う噂。
ちょっと・・・。
- 335 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/30(木) 05:49:09 ID:3ix8QTIz
- また里香に会える。
俺はソレだけで充分だ!
- 336 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/30(木) 11:11:32 ID:z6aEcV3w
- また6巻売ってなかった…orz
夏目「俺さ、里香と愛し合ったなぁ」
裕一「お、俺の知ったことか!」
夏目「谷崎亜希子もなんだ」
裕一「・・・何を言ってるんだ?」
夏目「いやさぁ、クソガキなんて馬鹿にしてたさ。だがね、味わい深かったって感動したぁ・・・」
裕一「くぅ!」
夏目「はっはっは、怒れよ!」
裕一「はああああ!」
夏目「普通こういう話は面白がるんだぜ?怒るっていう意味はわかるよなあ?
お前には里香の恋人を務めることはできない!」
裕一「嘘だ!夏目の強がりだ!」
さて元ネタは何でしょう?
- 337 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/30(木) 11:24:13 ID:rIqylgYD
- 情熱を秘めた肉体だな 懐かしいw
- 338 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/30(木) 12:00:44 ID:tKCZsZPL
- >>336
お前の大体の年齢は掴めたwwww
- 339 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/30(木) 23:33:47 ID:tKCZsZPL
- >>1-1000
- 340 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/31(金) 16:24:16 ID:zjmlGrtV
- あのさ流れ星が消えないうちに読んだやついる?
俺はまだ買ってないんだがハードカバーみたいで高いから買おうか迷ってる
で感想聞かせてほしいんだが…………
- 341 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/31(金) 16:27:10 ID:zjmlGrtV
- スマソ…ageちまった…orz
- 342 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/31(金) 16:42:34 ID:PXwVJniF
- 場違いじゃないか
- 343 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/31(金) 19:17:19 ID:62heLY2+
- 本スレに誘導
ttp://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1142435163/l50
- 344 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 00:09:50 ID:551v5X4V
- 4月コネー!
- 345 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 04:56:45 ID:tduM8Wvy
- 嘘つけねー
- 346 名前:名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 20:30:05 ID:TAlWer42
- 「裕一、話がある。里香の事だ」
「はぁ・・・」
急に夏目が、夏目先生が僕を呼び出した。
「里香・・・なんだがな、その・・・」
「・・・」
「妊娠してる・・・」
「ごめんなさい、僕がやりました」
「・・・四月馬鹿だったんだがなぁ・・・」
この文が最後に来るようにしてエロい文章を書きなさい。
- 347 名前:小夜子さんの日記完結編:2006/03/32(土) 22:51:04 ID:1S2PVH4D
- エロは書けないんでパロだけで
『○月○日
今日は嬉しいことがありました。吾郎さんが主治医だった女の子、里香ちゃん
が退院しました。入院中仲の良かった男の子、裕一君と一緒にです。退院日を
合わせてあげるなんて、やるなぁ、吾郎さん。眩しい位楽しそうなカップルに
見えます。
私と吾郎さんもそうだったのかな?だったらいいな。だけど吾郎さんと裕一君
あんまり仲良さそうじゃなかったし、あの吾郎さんが患者さんに暴力を振るう
なんて信じられなかったなあ。
私のせいかな。わたしが死んで吾郎さんと別れわかれになったからかな。里香
ちゃんも不治の病を患っているから、片方が居なくなる、そんな悲しくて苦し
い気持ちを経験させたくなくて、罵ったりしたのかな?
ごめんね。吾郎さんに裕一君。謝っても届かないけど、もう一度言わせてくだ
さい。本当にごめんね。』
小夜子は、日記帳を閉じると、雲から作った毛糸でマフラーを編んでいます。
夏目が寒いところに行くような気配がして、編み続けたマフラーです。本来
なら夏目の手には届かないはずですが・・・。
−リン。
- 348 名前:小夜子さんの日記完結編:2006/03/32(土) 22:52:18 ID:1S2PVH4D
-
その音に視線を上げると、真っ白な女の子が立っていました。アクセントで
しょうか、真っ赤な靴を履いています。そして、似合わないことに鈍色の大
きな鎌を持っています。そして傍らには、蝙蝠のような羽根をつけた黒猫が
こちらを見ています。
女の子が言います
「私は死神、魂をあるべきところに運ぶ役割を持つ者。小夜子・・・さんだっ
たっけ。ダニエル」
「そうだよ、モモ」
少年のような声で猫が答えます。どうやら女の子はモモ、奇妙な猫はダニエル
という名前のようです。
「小夜子さん、あなたがここにいられる時間は終りました。もっと高いところ
へ行かなければなりません。ですが、そこからでは地上は見ることが出来ない
でしょう」
小夜子さんはうろたえます。
「そんな、急に言われても!」
うつむいて
「吾郎さんに会えなくなるなんて」
顔をあげ、モモをじっと見つめます。
モモは、その視線を受け止め、言います。
「何か心残りがあるのなら、わたしのできる範囲ならしてあげましょうか?」
ダニエルがあわてて問いただします
「モモ!またなにか余計なことをしようとしてるでしょ!」
モモはすました顔で
「いいでしょ、わたしがいいと思ったんだから」
ダニエルは器用に前足で頭を抱え
「また局長に怒られる」
と呟きます。
「ちょっと待って、もう少しだけ時間をちょうだい」
小夜子は急いでマフラーを仕上げます。
「できた」
白い地の中に、赤い文字が編みこまれています。
「これを、夏目吾郎という男性に届けて欲しいの。それとメッセージもいい?」
「ええ」
「あのね、こう伝えて欲しいの・・・。」
- 349 名前:小夜子さんの日記完結編:2006/03/32(土) 22:52:52 ID:1S2PVH4D
-
夏目は一日の仕事を終え、自宅のアパートに帰っていた。
帰路の途中、コンビニで弁当と一緒に買った缶ビールを飲む。
まずい。
だが何故か飲んでしまう。
ほろ酔いかげんで弁当を食べ、万年床にもぐりこもうとした。
−リン。
音のしたほうに顔を向けると、白い女の子が立っていた。足元には金色の大きな
目をした黒猫が、少女を守るように立っている。
「なんだ、お前ら?」
夏目が問いただす。だが少女は怯えることなく答える。
「私は死神。あなたの大切な人から預かり物を届けに来たの」
「大事な人・・・まさか?!」
夏目は立ち上がり、少女へ近づく。
「さ、小夜子からか?」
「そう。さ、受け取りなさい」
夏目の手の中にマフラーが現れた。広げてみる。白いマフラーの真ん中に赤い文字
で、"Fight! Goro"と編みこまれている。
「それから伝言を言付かってきたわ」
マフラーを抱きしめ、目を潤ませていた夏目が顔を上げる。
「がんばって!前に進んで、旦那さん」
「前に・・・」
夏目は言葉が出ない。視線を下げ、じっと手元のマフラーを見つめている。
「私にできるのはここまで。じゃ」
と言って少女と猫は消えていく。
「待ってくれ、小夜子は、小夜子はどうなったんだ?」
少女は答えず、消えてしまった。
「小夜子、お前、ずっと見ててくれたんだな」
夏目の頬を一条の涙が零れていた。
- 350 名前:小夜子さんの日記完結編:2006/03/32(土) 22:53:24 ID:1S2PVH4D
-
数年後
「戎崎さん、奥さんも女の子の赤ちゃんも無事ですよ」
看護婦が伝えに来た。
ここは伊勢市のとある産婦人科の病院。
「あ、ありがとうございます」
裕一が頭を下げる。伊勢市内で心臓病を患っていても安心な病院に入院していた
里香が無事、出産を乗り越えた。病気のことを考え、一度は子供を諦めかけてい
たが、里香がどうしても欲しいといい、夏目に手紙を送ったところ、大丈夫との
回答と病院の紹介があったことから踏み切ったのだった。
・・・そういえば。里香から手紙を預かってたな。
思い出して裕一は里香からの手紙の封を開けた。
思わず笑い出してしまう。
"子供の名前、男の子だったら裕吾(ゆうご)、女の子だったら小夜香(さやか)"
これ以外は認めないんだろうな。裕一は思った。
「さ、赤ちゃんをご覧になられるでしょう?」
ずっと横で待っていた看護婦に促されるように保育室に向かう。
「はい」
裕一は看護婦の後をついていく。小夜香に会うために。
- 351 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 00:02:35 ID:pj8p7rWw
- アニメ一話目で裕一が見てたグワビアのモデルってミサコさんじゃね?
- 352 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 02:45:11 ID:ZiBwNgjH
- >>347
GJ!しにバラと半月のコラボはいろいろネタに使えるな
- 353 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 11:30:43 ID:Ko76lWU6
- 前に言ってた物の投下始めます。
気に入らなかったらスルーして下さい。
二、三回に分けます。
淫らな月が上る空〜里香の変なおつかい〜
伊勢の若葉病院の物語を覚えている者は、幸せである。
心豊かであろうから。
私達は、十七歳の時の記憶を印されてこの世に生きているにもかかわらず、
思い出すことのできない性を持たされたから・・・。
それ故に、戎崎裕一の語る、次の物語を伝えよう。
里香に頼まれたお使いを済ませた僕は、ちょっと不思議に思っていた…わだか・まり‥
じゃなかった。わだかまりっていうヤツだ。
とりあえず、里香ご所望の本を図書館で借りて来て、病室のベッドの上で何をするでも無く待っていた里香に手渡した。
恐らく、体力作りの散歩後で休憩していたのだろう。今は昼下がり、丁度眠たい時間かも知れないし。
「裕一、いつもいつも悪いね!」
「あ、ああ‥」
僕がその本を手渡すと里香は、僕にしか見せてくれない飛びっきりの笑顔で、お礼を言ってくれた。
すると、僕の頭の中のわだかまりは、心の端っこに追いやられた。
里香は、目から笑っているのでその笑いがお愛想笑いでは無いのがわかる。
最近の里香はとても調子が良いらしく顔色も健康的な赤みを持っているし、
全体の雰囲気も明るくなっていて、身体の肉付きも良くなってきている。
この里香の笑顔を見るためなら、いくらだって、何回だって本を借りて来てやると思った。
「いや、そりゃさ、里香も最近は体力作り頑張ってるし、俺もこの位の事はさ」
少し前から里香は自分から努力して、体力を日常生活に支障が起こらない程度に上げたのだ。
多分、里香がそういう事をするのも、僕と一緒に退院したいとか、外出したいとか、デートしたいとか…
…デートしたいかどうかはわからないけど、とにかく、今の里香は心身共にとても良いコンディションなのだ。
そういう、里香から見たら邪な事を考えながら里香と少しおしゃべりしていると、時間が部屋に戻るように言っていた。
「げっ、俺そろそろ検査あるから戻らなきゃ…」
僕が何気なく里香にこう言っても、やはり里香は機嫌が良いのか、
「検査なんかしなくっても裕一は元気なのにねぇ」
と、可愛い仕草でさほど大きくない本の背表紙を撫で撫でしながら言ってくれた。
「誰かさんに散々無茶させられてるお陰で逆に身体が強くなったんじゃないのか? じゃ!」
僕はそう言い残すと、少々走って里香の病室を後にする。
「裕一ぃ! 誰かさんって誰の事!?」
帰りがけにドアを閉める時に、そんな声が聞こえたが、とりあえず今は検査に間に合わなくては。
今日の僕の担当の亜希子さんを怒らす訳にはいかない。亜希子さんには色々借りもあるしさ…
- 354 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 11:31:51 ID:Ko76lWU6
- ――それから僕の心の中で、今日里香の為に借りてきた本に対するわだかまりが浮かび上がって来て、
僕がそれで考え込んでいるのは、若葉病院の消灯時間を三十分程過ぎた頃だ。
入院患者というのは、消灯時間が過ぎたからと言って直ぐに寝られる訳でも無く、
種々雑多なシリアスな事から下らない事まで考えてしまうものだ。
で、今晩の僕は、あの昼間の本の事で考え込んでいた――
やっぱり、あの本はおかしい…
筋金入りの読書家の里香の読みたいモノなんだから当然面白いんだろうが、作者の名前も僕は知らなかった。
何だよ? 『×××な月が上る空』ってよくわからないタイトルは?
しかも借りる時に、貸し出しカウンターのお姉さんに凄く変な目で見られたし。
まあ、それだけならまだ変じゃないけど、借りる時にちょっと見た、章ごとに決まってるサブタイトルなんか、
『ハーフムーンラブ』『カーテンの向こうで』『スイート・メモリーズ』『飛翔』
僕が覚えてる限りこんなのが続いていた。あぁ、そこはかとなくエロスだ。
本の表紙とかは普通だったけど大人向けの小説なのは間違いないし、という事は……
―ベッドの中で何度も寝返りしながら考え込んだ裕一が出した結論はこれだった―
(大人向けのエロシーンあり、愛憎劇ありの官能まがい小説!?)
里香がそういうモノに興味があるとは…僕はうつぶせの体勢のままショックで数秒固まったが、
里香の年頃を考えればあるいは…本人が聞いたら怒るだろうがおかしい事では無いし、
自分だって、オリジナルのコレクションを所持しているのだから、
もしかしたら里香もその手のモノをコレクションしている可能性はあった。
すると、僕は急に会いたくなった。里香に。
いやらしい事を期待しているのは否定出来ないけど、
『今日は昼間あんまり話せなかったから』なんて理由を付ければ、里香と会って話せると思った。
そう考えた僕は、自分の部屋を抜け出す準備をした。
――消灯時間を超えていたから、僕はこっそりこっそりと里香の病室の前までやって来た。
秋庭里香と書かれたプレートを読んでドアの前に立つと、僕の心は弾んだ。
今まで何度も何度も、このドアの前に立った。
初めて里香に会った時、あの時は本の中身を知ったかぶりしちゃったんだよな…
砲台山に連れ出した時、我ながら無茶だったけど、多田さんが見守っててくれたのかも知れないな。
壁を走ってやっとたどりついた時、あの時の事は…いいや、めんどくさい。
とにかく色々あったけど、やっぱり里香の事は大好きだ。
さ、普通十七歳の男女がこんな時間会うなんて明らかに変だけど、
僕が夜会いに来る事ももう珍しく無いんだし、少しおしゃべりしたら帰ろう。
僕はあんまり五月蠅くないようにドアを二回ノックして開けた。
里香の返事を待たず開けてしまったんだ。
- 355 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 11:33:53 ID:Ko76lWU6
- 続きはまたその内に。
まだ完全に出来上がってはいないので。
- 356 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 13:24:05 ID:Ko76lWU6
- 続きを投下します。
僕が里香の病室に入って、ドアを閉めた後に初めて目に入ったのは、
ベッド脇のスタンドで明かりを採りながらベッドで本を読んでいる里香の姿だった。
布団は掛けていなくて、身体が露出する様に捲ってある。
里香が持っている本はさっきから僕のわだかまりになっていた本で、里香はそれを左手に持っている。
で、僕はその一秒後位に、里香のパジャマの前がはだけてて、
右手がズボンの中…‥股間辺りに突っ込まれてるのに気付いてしまった。
次の瞬間僕は慌てて後ろを向いて、消灯時間を過ぎているのに割と大きな声でこう言った。
「お、俺何も見てないよ! ホ、ホントに!」
……‥ああ、もう駄目だ。これはマジで。
女の子の、しかもなぜか例によって地獄で悪魔と言うか晴天のヘキレキと言うか…
里香の、里香の●●●●を見てしまったなんて…
でも里香の胸、ぺったんこだけど可愛かったなぁ‥顔もなんか色っぽかったし…
ん? ブラジャーとかはどうしたんだろう? 最初から付けてなかったのかな?
いやいや今はそんな事考えてる場合じゃない。
‥鬼神の如き強烈さで里香に怒られた後、散々パシリにされるならまだしも、
今回はそういう展開では無く、多分かなり長い間里香に口をきいてもらえないだろう…
三日‥? 五日‥? 一週間…? 二週間…?
里香の気持ちもわかるけど、僕にとっては地獄だ。
地獄…正に地獄だ……! どうすれば良いんだろう……俺……
――僕のちっぽけな脳の内部を様々な情報が駆けめぐり、
世界恐慌並の大パニックを起こしている時に、不意に里香が声をかけた。
「裕一っ! …こっち…」
頼み込むような里香の声に僕は思わず声を上げていた。
「へ……!?」
「こっち、向いて良いよ」
- 357 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 13:25:49 ID:Ko76lWU6
- 「…裕一、良い?」
里香のベッドで仰向けに近い体勢になっていて、枕に背中を付けている状態の僕に、
下の方から四つん這いみたいな体勢の里香が話しかけてきた。
里香は下半身に何一つ着ていなくて、上のパジャマだけ着ている状態だ。
僕からは、里香のパジャマの胸元の隙間から素肌が見えていて、
顔なんかもう恥ずかしくて直視するのがある意味辛い。
とにかく、その光景はひどく初々しくて可愛くて、エロくて、どんなエロ本よりも僕の男心を掻き立てる。
で、事の成り行きの強引さを否定することも出来ずに、僕は情けなく頷いた。
すると、里香は恐る恐る僕のズボンとパンツを下ろし始めた――
―――どうなってるんだろう、この展開は。
…さっき僕が里香の行為を目撃してしまった後、
里香は僕を怒るわけでも、遠ざけるわけでも無く、ベッドに寝てといった。
ベッドに寝ながら僕は、もしかしたら里香もこういう事態に『期待』していたんじゃないかと考えた。
でも、だからってそれでどうこうなる訳じゃなかったし、嫌な気分はしなかった。
僕達はいつまでも子供じゃないっていう考えもあったし、里香が望む事なら何でもしてあげたい。
例え、僕が経験不足だったり力不足だったとしても。
…里香のお母さん、すみません。僕はまた里香を奪います…。
- 358 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 13:27:27 ID:Ko76lWU6
- ―僕がそんな回想や決心をしている内に、僕のズボンとパンツは里香によって脱ぎ捨てられて、
里香は十分に勃起し、力強く脈打っているペニスを慣れない手でこねくり回しながら観察していた。
「男の子のここって、こんなになってるんだ…」
薄暗い中で読み取れる表情は強張っていると言うか、赤面していると言うか…
里香も性経験はゼロに等しいはずなので、本で仕入れた情報を基に実銭に移すのだろう。
そりゃあこんな顔もするはずだ。男の僕だって恥ずかしさで理性が飛びそうなんだから。
ああ、せめて僕がロード出来れば…と言っても僕の持っている性知識なんてこの場合では生かせそうに無いが。
そんな事を思っていると、里香が口ごもりながら話しかけて来た。
「‥裕一、痛かったら言ってよね? わ、私だって初めてなんだから…
私にあんまり恥かかせないでよ…」
「う、うん…」
ああくそ、これじゃあ更に情けないじゃ無いか…
…僕が自虐的になっている事なぞお構い無しに里香は僕のペニスを愛撫して来た。
里香が真っ白な右手の細い指で僕のペニスの皮を剥いて、空気の中に亀頭を露出させる。
そののまま大胆にも、ペニスに舌を伸ばして愛撫しはじめた。
里香の舌は生温かくて変な感覚で、僕は嫌でも興奮した。
まずはエラの所から、亀頭全体を舐める様にする。
亀頭全体が里香の唾液と僕の先走りで濡れてぬらぬらと光り出す。
次に里香の舌は裏筋に向かってきた。僕のペニスがピリッとした快感を感じる度に震えた。
ここが気持ちいいって知ってるって事は、やっぱり例の本で知ったのかな…
どうやら、最初ぎこちなかった里香も、僕の表情やペニスの部位ごとの反応を見て、
「実践的な」知識を頭に入れる度に大胆になる様だ。
次に里香は僕のペニスを口で咥え込むようにして、口内全体で愛撫を始めた。
「っ…‥!」
予想外の里香の大胆さに、僕の口から恥ずかしい声が漏れる。
でも里香も多分恥ずかしくて、『‥く、咥えて良い?』なんて露骨な事は言えなかったんだろう。
- 359 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 13:28:48 ID:Ko76lWU6
- そして、里香の形の良い小さい口の中に、僕のペニスがすっぽり収まる。
里香の長い髪の毛が僕の太股辺りにあたってサワサワする。
里香の方は、ほとんど目を閉じて僕のペニスをしゃぶってくれている。
僕の中に情けない気持ちが湧きあがって来るが、それ以上に里香に対する愛おしさは一層だった。
当の里香はやはり恥ずかしいのか目は閉じていて、その顔がまた可愛い。
里香の舌が、口の中の温かさが僕のペニスを愛撫する度に、僕の中で段々スイッチが入っていく。
僕のペニスの隅々まで、里香は健気に気持ち良くしてくれる。ああ、何でこんなに里香は巧いんだろう?
口の中全体がねちゃっと吸い付いて来るような感覚の上に、敏感な尿道にも裏筋にも里香は舌を這わせて来る。
僕がその快感につい腰を引いてしまうと、里香は僕が丁度良く感じるように、
愛撫の強さや早さや方法、それに体勢を微調整してくれた。
たまに亀頭を甘噛みしてくれる所なんか、いやらしい言い方だけど病み付きになりそうだと思う。
更には頭全体を程良い早さで振って、しっかり扱いてまでくれた。
もちろん、先走り液も舐めとってくれているのだろう。
今まで自分が集めていたエロ本のコレクションがどうでも良く思える快感だ。
いやらしい水音が、病室に少し響いている。
僕は、すっかり里香に欲情していた。
しかし、未熟な僕がそんな快感に長く耐えられる訳もなく、射精の感覚が襲って来た。
実はここ三週間程全く抜いていなかったので、多分もの凄い量が出てしまうだろう。
- 360 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 13:29:44 ID:Ko76lWU6
- 付け加えて言えば三週間程前に僕を見舞いに、いやイジりに来た山西が、
「おい知ってるかよ裕一? オナニーってな、
長いことやってないと女にモテるようになるんだぜ!
だからさぁ、里香ちゃんがいるお前も試してみたらどうだ!? 関係が良くなるんじゃねぇか?」
…なんて事を言っていたから僕はホイホイそれを信じて、それからずっと禁欲生活を送っていた。
だが実際禁欲してみると、里香と話す時の楽しさが二割増しになったし、
里香も楽しそうな顔をしてくれた。そのお陰か僕の体調も安定していた。
そして今、禁欲生活のお陰で相当ドロドロに溜まった僕の精液が、里香の口の中に吐き出されようとしている。
里香、ハードだってこれは…そもそも飲めるの?
「ひっ…!」
射精の先走りの、股間に何かが集まって蠢いている快感に僕は耐えきれずにまたも情けない声を上げる。
するとその声を聞いたからだろうか、里香が目を閉じたまま僕のペニスを口からちゅるんと引き抜いた。
これは寸止め状態に近い。こ、堪えるなぁ…
ねちゃっ、といういやらしい水音が鳴ると共に、僕のペニスが再び外気に晒される。
例に漏れずそのペニスは里香の唾液でぬらぬらと濡れて光り、
亀頭も輸精管も血管もビキビキになっているので益々いやらしかった。
次の瞬間、里香は何も言わずに僕のペニスの皮を右手で上に捲っていったかと思うと、
思い切り良く、物凄い早さで扱き始めた。
唾液やら何やらでかなり滑りやすくなっていたのだから、音もかなり出た。
思わず僕の腰が反射で震える。
- 361 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 13:30:42 ID:Ko76lWU6
- ぐちゃっ!ぐちゃっ!ぐちゃっ!ぐちゃっ!
「ひぃっ…!」
さっきからいい加減射精しかけていた僕が耐えられる訳も無く、
あえなく僕は絶頂を迎えてしまった。
「うっ‥! ごめん里香、出ちゃうよ…!!」
今まで溜まっていたモノが、脳を麻痺させる様な快感と共に放出される。
ドクドクッと僕のペニスが強く脈打ってその度に里香の可愛い顔に、
僕の色が濃くてドロッドロッの精液がかかってしまう。
とんでもないシチュエーションと快感に、僕は射精している間里香を直視出来なかった。
僕の射精が収まって里香の顔を見ると、僕は背徳感と罪悪感に震えそうになった。
里香は僕の射精の時に目を閉じていたらしく、目には入らずに済んだ様だが、
それ以外の顔のパーツのほとんどに僕の精液がベットリとかかってしまっていた。
最近健康的になってきたほっぺたにも口元にも、髪で隠れているおでこにもだ。
それどころか、綺麗なつやつやの前髪や、耳元の髪の毛まで白い粘着性の汚れがこびりついている。
辺りには二人の汗と僕の精液の匂いが混じって漂い始める。
そして、里香は顔を紅潮させて、一種の放心状態に近い表情をしている様に僕は見えた。
息もやや荒くて、体調が安定していない里香ならば発作を起こしてしまうかも知れないと僕は思った。
僕はそんな考えもあって、里香にこう言ってしまった。
「り、里香大丈夫…? ‥ゴメン‥俺、里香に…」
しかし口から出てきた言葉をとりあえず言ったら、僕は里香に予想外の反応をされてしまった。
僕の言葉を聞いた里香は、怒るような、悲しむような表情になってこう言ってきたのだ。
「‥こ、このバカ裕一! そういうのが私に恥かかせてるってわからないの!?」
ちなみに里香の顔にはまだ精液が付いてはいるが舌なり指なりで、少しずつ舐めとっているらしく、量は減っていた。
男の僕でも舐めた事のない精液を、里香が舐めてるのか…
僕は色んな事に面食らいながらなんとか応対する。
「え、でも‥里香がこんなに一生懸命にしてくれたのに俺は何もしなかったし…
それに、こんなに汚しちゃったし…」
里香はその言葉もやっぱり気にくわない様だ。
きっと、里香の真剣な想いを、煮え切らない僕が傷付けてしまったんだ。
心臓病の患者である里香にとって、こういう行為に命の危険が無いとは限らないのだから、
健常な女の子以上に勇気と覚悟を持って望む必要があるのだ。それなのに僕と来たら…
だから、心の中で、僕はまた里香にごめんと言う。
「だったら、ごめんなんて言わないで…
代わりに今度は…裕一が私にその…‥してよ!」
新たな里香の発言に、僕の脳がごめんモードをとりやめる。
え? 何をしろって言うんだ?
あぁ、こういう場合はもう…
- 362 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 13:31:42 ID:Ko76lWU6
- 遂に僕の妄想が現実に、いやこんな形でとはわからなかったけど…
とにかく今僕は里香の病室のベッドで、仰向けになっている里香の上に覆い被さる様になっている。
と言っても、手はベッドに付いていたりと、里香に重みをかけない様にしてあるが。
例によって二人とも着ていなくて、薄めの一枚の布団でお互いが下半身を隠している状態である。
僕の体温を里香が間近に感じて、僕も里香の体温を間近に感じていた。
病室の中で、二人の鼓動と呼吸が響く様な静けさだ。
そんな状態で、僕は下の里香の顔を向いて最後の許可をもらう。
「…里香、良い?」
里香も僕の目を見ながらこくんと頷く。
里香は、先ほどとは打って変わって、とてもしおらしくなってしまっていた。
顔を恥ずかしそうに赤らめ、目は上目使いのまま、少し怯えている様にも見える。
可愛い…可愛すぎる‥これは是が非でも僕が里香をリードしてあげなくてはと気持ちにさせる。
僕は、幸せ者なんだ。
僕の気持ちは行動に転化されて、次の瞬間僕は里香を正面からぎゅっと抱きしめて、
そのまま横にゴロンと転がっていった。
僕の鼻に里香の肩の髪の毛のシャンプーの匂いが入り込む。
それに腕と身体全体で、里香の柔らかくて暖かい、未発達な身体を感じる。
確かに、里香の存在があった。
「ちょっ、ちょっと裕一‥!」
里香が恥ずかしがってるけど、構うもんか、もっと強く抱いてやる。
僕は里香が死ぬまでこの手で守って行くんだ。
- 363 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 13:32:51 ID:Ko76lWU6
- 「里香、耳って弱い?」
「え、何?………ひゃっ!」
里香が急に声を上げたのは、僕が里香の耳たぶを甘噛みしてやったからだ。
女の子は一度性的興奮が高まると全身が性感帯になってしまうと話しは嘘じゃなさそうだ。
少し調子に乗った僕は続けて耳への愛撫を繰り返す。
強さを調整して甘噛みを繰り返した後、舌で舐めてやったりした。
里香はその度に何かしら気持ちよさそうに反応してくれたので、僕としても悪い気はしなかった。
僕がそんな里香を見ていると、ふと、里香のさほど大きくない胸の乳首が目に入った。
薄暗い病室の中で、赤くしこりたった可愛い乳首が僕の視線を固定する。
僕はほとんど躊躇せずに、その右乳首の方を自分の口に含んで愛撫していた。
その乳首は、僕がコリコリと前歯を使って愛撫する度にどんどん硬くなっていく。
味は‥そんな事はわからなかったな…
「っ‥いきなり何するのよ‥!」
里香がその感覚に思わず目を閉じてしまいながら言うが、それがやっぱり僕には可愛く見える。
次に僕は左側の乳首を口に含んで、今度は口の中で舌を弾く様にする。
ちなみに先ほどまで口に含んでいた右側の乳首は、僕の右手で弄り続けている。
こうすればさっきとは違う快感を里香は感じるはずだと思った。
「ひぁっ‥ふぁ…」
案の定、里香は時折身体をくねらせたり、喘ぎ声を出して反応してくれた。
そして僕がその愛撫を続けて行くと、里香は何度か身体をビクッとさせた後、
懇願するような、それでいて切なさを纏った顔で僕を見つめて来た。
- 364 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 13:34:36 ID:Ko76lWU6
- 僕は、その今まで見た事の無い里香の表情にどきっとしてしまった。
恥ずかしそうな顔や、イーだの顔や、拗ねた顔やらなら見たことがあるが、
こういう顔を見た事は無い。多分、夏目だって見た事は無いだろう。
僕がそんな事をぼけっと考えていると、里香が口を開いて喋っていた。
「ゆ、裕一‥あのね…」
不意打ちに近い状況だったので、僕は気の利かないクソ真面目な返事をしてしまう。
「何?里香? まさか発作が‥!?」
里香は僕の言葉には応えずに、舌から唇をスッと重ねて来た。
その口付けの味には、里香の心がこもっているような気がした。
「…‥」
僕は里香と唇を合わせながら、僕と里香の下半身を隔てている
薄めの一枚の布団を剥ぐと、里香の秘部にそっと右手を添える。甘ったるい空気が漂う。
僕はその瞬間、手に里香の愛液がねばついた瞬間に激しく興奮した。
とても里香の秘部を観察している余裕なんて無かった。
里香は僕がいつ行為に及んでも良いように、正常位の状態をとっていてくれたので、
そして僕は自分のペニスの亀頭を里香の秘部にぴとっとあてがう。
そのまま僕は里香に問いかけた。
「…良い?」
里香は切なげに目を閉じたまま、こくんと頷いた。
多分、普段はツンツンしている里香も、今は怖いんだろう。
僕はここまで自分に尽くしてくれる里香が本当に愛おしかった。
- 365 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 13:36:10 ID:Ko76lWU6
- 僕は覚悟を決めて、里香の秘裂に腰を落としていった。
生温かく、なんとも言えない感覚が僕の脳を走る。
このまま自分の全てが包み込まれてしまうような、そんな感覚だ。
僕のペニスがある程度里香の秘裂に入ると突然、里香が呻く様な声を上げて来て、
僕の背中まで手を回して必死になってしがみついて来る。
「っ……!!」
僕がまさかと思って里香の秘裂に目をやると、たいした量では無いが喪失の際の血が流れ出ていた。
実際に見ると結構ショックだったが、とにかく僕は腰を一回止めると、
なんとか里香の気を紛らわす為に里香に話しかけた。
「里香、大丈夫!? 痛くない?」
里香はなかば涙目でこう言った。
「だ、大丈夫…」
嘘だと思った。里香は明らかに無理をしている。
少しでも里香の気が紛れるならと、僕は虚勢を張って里香を言葉責めしてみた。
「…でもこれで、里香もバージン卒業だし、俺も童貞卒業だね?」
その僕の言葉を聞いて、里香の顔が羞恥心に赤くなる。
「バ、バカ…!」
里香の意識が上手くそれて来たようなので、更に続ける。
僕にとってもなかなかこれは面白い。
「そんな事言わないでくれよ里香…?
だってそもそも里香がこんな時間に一人で…」
「う、うるさいうるさい!」
僕のすぐ近くで、里香の声が弾ける。
- 366 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 13:37:05 ID:Ko76lWU6
- 大分普段の里香に近づいて来た様なので、僕はまたアプローチをする。
「じゃあ…このまま続けても良い?」
里香は、割と落ち着いた顔で、うんといってくれた。
里香の許しを得た僕は、少しずつ確実に腰を落として行って、
とうとう僕のペニスの全てが里香の胎内に収まった。
今確かに、僕のペニスが里香の温かさに包まれながら力強く脈打っている。
僕は妙な昂揚感を感じながら、今度は前後に里香の胎内をかき回す様に腰を振る。
「はあっ…!はぁっ‥!」
「っ‥!いやぁっ‥ふぁ……」
それが続いていく内に二人の口から思わず快感にまみれた吐息が漏れ出す。
気付けば結合部からも、身体の悦びの声がクチュクチュと聞こえてきた。
僕はそれをネタにしてまた里香をからかってみる。
こういう事をしていると、まるで自分が夏目みたいな気がしたが、今はどうでも良かった。
「里香、ほら聞こえるか? ‥俺達のクチュクチュって音?」
里香は目を瞑ったまま、僕にせめてもの反論をしてくる。
その顔は艶っぽく上気して、息の荒さまでもが可愛く見えた。
「‥スケベ…! バカ…!」
二人の会話の合間にも、二人の興奮と発する水音は高まっていく。
不意に、里香の胎内が僕をきゅっと、抱擁してくる様に締め上げて来た。
僕はそのまま射精したくなるのを堪えながら、里香に話しかける。
「り、里香だってどうせ本で予習してて、興奮してるんだろ?
今だって俺が話しかけたら、締め付けが強くなったよ?
ぬるぬるしてて凄く気持ちよいし…」
「や、やめてぇ…!」
- 367 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 13:38:20 ID:Ko76lWU6
- そんな下品な事を話している間に僕のペニスが里香の胎内の奥の方で、何かにコツンと当たるのを感じた。
僕の性知識が間違っていなければ、これは子宮口と言うモノだ。
僕が試しにその部分を重点的に責めると、里香が身体全体で反応してきた。
「ひぃっ…!」
身体を、快感に震わせ、両腕で僕を抱きしめ、胎内も収縮を繰り返す。
僕も出来る限り、かなりのスピードで腰を振り、体位を整えて里香を責め立てる。
二人は何度もお互いの身体の境界がわからなくなる程の絶頂の先走りに飲まれた。
グチュッ!グチュッ!グチュッ!グチュッ!グチュッ!!
激しい水音が鳴る中、とうとう僕にも里香にも限界が来た様だ。
里香が荒い息の中、なんとか僕に話しかけて来た。
「ゆ、裕一‥私もう駄目…」
里香は目を瞑り、半ば歯を食いしばって必死に自分を押しとどめていると言う感じだった。
その里香の表情に、僕も相づちを打つ。
「一緒にイこう、里香‥!!」
「うん‥!」
返事はそれだけで十分だった。
僕は最後の一突きに、里香の一番熱い部分を貫くと、そのまま里香と一緒に果てる。
お互いの身体の境界がわからなくなる。二人で溶けていく。
僕は、恐らくは里香も意識が焼き切れてしまう程の快感を感じる。
里香は快感にわななき、僕はただ精液を放ち続けるだけだった。
「‥イく! 私イッちゃうよぉ…!」
「り、里香ぁぁ…!!」
さっき前戯で一回射精してしまったとは言え、僕は三週間分の精力を溜めていたのだ。
かなりの量の濃い精液が、胎内の激しい収縮とペニスの脈動と共に里香の胎内に送りこまれる。
里香の胎内があっと言う間に満たされ、結合部にまで愛液と精液の混ざり物が溢れて来る…
- 368 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 13:39:22 ID:Ko76lWU6
- ――嵐の様な一時が過ぎて、僕と里香は何とかベッドや衣服を整えて、
今は二人とも落ち着いてベッドに座っている。
しかし、さっきまでは証拠隠滅に大変だった。万が一でも、行為の痕跡が残っていたとして、
それが二人以外の人間に見られれば大変な事になるのは火を見るより明らかだったので、
二人で必死になって隠滅したのだ。
大分心身が平常に戻って来た所で、僕は大変な問題に気が付いた。
そのままダイレクトに里香に不安をぶつけてみる。
「あの‥里香?」
里香がどこか幸せそうな顔をして、薄暗い中で僕を見る。
「なに?」
「今日さ…里香って‥その‥安全な日だったの?」
僕の問いに里香ははっとして僕に答えた。
「わ、わからない…でももし妊娠しちゃったら…」
「大丈夫」
うろたえた里香に向かって、僕は出来るだけ誇らしく言ってみせた。
「大丈夫だよ。 ‥里香は何があっても俺が守って行ってやるからさ!」
この台詞は自分でも青臭いかなと思ったが、里香の反応はもっと青臭かった。
「裕一、ありがと…!」
急に僕に抱きついて来た里香をしっかりと抱き返した僕は、世界一の幸せ者だと思った。
終わり
- 369 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 13:40:01 ID:h7azV7jj
- リアルタイムキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
- 370 名前:Ξキソケ:2006/04/02(日) 13:48:05 ID:Ko76lWU6
- 余談ですが、このSSは、俺の友人の協力があって完成した作品です。
だいたいの話しの流れを考えたのは彼で、俺がそれを小説にしました。
このSSと、このSSに寄せられる感想を、彼に贈ります。
多分ここ見てるかな?
- 371 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 14:01:10 ID:pj8p7rWw
- 神が光臨なされた!
GJ!!!!!!
- 372 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 15:30:59 ID:SAtvP91u
- 俺が求めてたSSキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
- 373 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 19:07:00 ID:zoEv6fDg
- 超GJ!!!
- 374 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/02(日) 20:06:48 ID:hNfAhPbZ
- 初代神光臨
━━(゚∀゚)━━!
- 375 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/03(月) 03:37:21 ID:aiBtOUne
- 抜いたし感動した!
やっぱこの二人は純愛が好きw
- 376 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/03(月) 06:36:49 ID:JckH/3mr
- 久かたぶりにキテター!GJ!!
- 377 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/03(月) 09:59:50 ID:aiBtOUne
- SSの挿し絵代わりになれば……
と、ついやってしまった。
今は反省している。
ttp://ranobe.com/up/src/up98155.jpg
- 378 名前:Ξキソケ:2006/04/03(月) 10:49:41 ID:7a3HMtJj
- みなさんお褒めの言葉をどうもありがとうございます!
頑張って書いたかいがありました!
>>377
保存しました。挿絵代わりですかwエロイですね。
これからもこのスレにSSが投稿される事があって、
気が向いたのであればお願いします。
- 379 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/03(月) 12:11:19 ID:eZH0PVBM
- 神キター!
- 380 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 03:00:30 ID:O2bvecvz
- >>337の絵もいいね
- 381 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 05:06:13 ID:B7MPKbl+
- >>380
プギャー
- 382 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 10:21:34 ID:AxnQ1aJb
- SSを作ってみました。
でもはじめてで、文章も拙く、なにいってるのかも分からないところがあるかもしれませんが、ご了承くださいです・・・・。
- 383 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 10:22:17 ID:AxnQ1aJb
- 陽もだいぶ傾いて、夕暮れといったところか。
僕は2週間ぶりの自慰に浸っていた。
病室なんかでやったら誰かに見つかってしまうんじゃないか・・・なんてことは考え付かなくなるほど、
僕の気持ちは昂ぶっていた。なぜだろう?
思えば、今日も里香と散歩へ行こうといつものように彼女の部屋に行ったとき・・・
部屋の前まできて、ノックをしようとした瞬間、扉の向こうから声が漏れてきたのだ。声にならない声が。
僕は混乱した。いったい誰が「こんな」声を?・・・しかしここは里香の病室。そこにいるとすればただひとり、
「里香・・・」
1分ほどその場に立ち尽くしていた。もっとも、僕にはそれがとても長く感じたのだが。
声は最初に聞いたのが最後だった。となるとあの時達したのだろうか・・・
それにしても里香が・・・・
当然彼女も僕とおなじ17歳で、ちょうどその頃の連中なんて考えることは同じだった。
でも僕には、同年代の女の子がそういうことを実際にするということが、いまいち考えられないのだ。
里香にしても、あるいはみゆきにしても・・・。
男って生き物は、多分無意識のうちに、女の子にそういう「清らかさ」みたいなものを抱いてしまうのだろう。
でも、人間の3大欲のひとつは「性欲」だ。別におかしいことじゃないんだよな・・・。
だから里香だって・・・あ、でもいったい何を考えながら行為に及んでいたのだろう?もしかして・・・
扉の前で突っ立って考え事している姿なんてやっぱり不自然なのだろう。ふと横に目をやるとお婆さんと目があった。
とりあえず笑ってみたが、これがまた自分も分かるくらい不自然だった。
お婆さんはそんなことは気にしないで、また歩き出していった。
深呼吸して、落ち着いて、ノックをしよう。
見てしまったことを悟られないように、冷静に。
- 384 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 10:23:20 ID:AxnQ1aJb
- ノックをして、「里香、入るぞ。」
「裕一?・・・いいよ。」
扉をくぐる。そこにはいつものように里香がベッドにいる。
「・・・遅い。」
「え?」
「3分も過ぎてるじゃない。時計くらいよめるでしょ?」
な、何を言ってるんだろう、里香は。3分前といったら、まだ彼女は・・・。
と、ここで二つの考えが浮かんだ。
あの里香のことだ。何かと理由をつけて僕をしかりつけたいのかもしれない。
僕が怒られているとき(亜希子さんに)の顔を見る里香は、なぜかいつも笑顔だ。
本当に性格悪いよなぁ。そんなに僕の困った顔を見て楽しいのだろうか?
もうひとつの考え。里香は本当は僕にあの光景を見てもらいたくて、そしてそのまま・・・・
・・・っと、これは違うか。
「裕一・・・どうしたの、ニヤニヤして。」
「え?・・・いや、ぜんぜんそんな顔はしてない!」
顔に出てしまっていたのか。これはまずい。妙に鋭いからなぁ、里香は。
「それよりも、はやく散歩に行こうぜ?」
「・・・うん。」
いつものように彼女の手をとる。
その小さくて綺麗な手に、いつもと違うぬくもりを感じた・・・・気がした。
- 385 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 10:23:53 ID:AxnQ1aJb
- 散歩はなんら変わりなく終わった。
いつもどおり・・・だけど僕は興奮しっぱなしだった。
落ち着こうなんて口だけで、ずっとさっきのことが忘れられなかったのだ。
あのときの里香の声と、姿(これは僕の勝手な妄想)が頭の中でループ再生されて、止まらない。
当の里香はいたって普通。これじゃ、僕一人だけオドオドしててみっともないじゃないか。
その後、部屋で喋っていたら、
「里香、診察にきたぞ・・・って、クソガキは邪魔だ。さっさと自分の病室に戻れ。」
・・・一方的に追い出されてしまった。扉を開けるとき、
「今日の予定でしたっけ?」
「ん・・・あぁ、まぁな。」
という会話が耳に入ったので、すぐさま確信した。
あのバカ医者め・・・・・・。
でも、「今日」に限ってはよかったのかもしれない。
僕もそろそろ我慢の限界だったのだ。いつボロが出てしまうかわからない。
気持ちが冷め切るどころか、ますます膨れ上がって、病室に戻ってきたのだ。
・・・とまぁ、こんなところだ。
ついに欲望を抑えられなくなって、自慰にはしってしまった。
抑えきれない、いや、抑えたくない。一心不乱に手を動かし続ける。
ひとつの足音が近づいてきているのに気づかずに・・・。
- 386 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 10:24:31 ID:AxnQ1aJb
- 続きは夜に。
すごくだめだめですがどうかよろしくお願いします・・・。
- 387 名前:Ξキソケ:2006/04/04(火) 10:48:21 ID:XP2G3iDq
- 一人称で書いてる分、原作の雰囲気は良く出てると思いますが、
職人として、他人から批評を受ける覚悟を持つならば
何かハンドルネームを考えておくと良いと思いました。
僭越かも知れませんけど頑張って下さい。
- 388 名前:サイファ:2006/04/04(火) 11:03:05 ID:AxnQ1aJb
- アドバイスありがとうございますw
確かにHNがあったほうが感想とか聞きやすいですね。
この名前で行きます。よろしくお願いします。
- 389 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 11:45:01 ID:dFWGGKQY
- 山西は『裕一』ではなく『江崎』だと思われ。字が違うか?
>>サイファ
今後に期待。がんがって書け
- 390 名前:Ξキソケ:2006/04/04(火) 12:08:22 ID:XP2G3iDq
- サブキャラの劇中呼称って曖昧になりやすいですよね。
「戎崎」って字も出にくいし。
- 391 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 12:44:37 ID:wRoIxWjM
- やっとこのスレも活気付いてきたな、
最初の頃はどうなるかと・・
- 392 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 19:03:16 ID:B7MPKbl+
- ガンダムネタに走った時はヒヤッとしたけどなw
- 393 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 19:34:24 ID:7gbxPIW7
- >>377
ちょwwそれ髪の色変えてあるがD.C.のことりじゃまいかwww
- 394 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/04(火) 19:50:32 ID:lvvmiyWE
- 変えてるの髪だけか?
- 395 名前:サイファ:2006/04/05(水) 00:18:04 ID:YEHnNmjB
- すみません 諸事情により投稿が遅れます。
読んでくださった方には本当に申し訳ないのですが、しばらくお待ちください・・・。
- 396 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/05(水) 02:30:55 ID:vosKpjqU
- 楽しみにしてる。
でもまぁ自分のペースで良い作品を描き上げて下さい。
- 397 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 16:40:46 ID:vxAiN9mZ
- ttp://www.icnet.ne.jp/~aaj1srr1/
ネタが切れそうなので貼ってみる。
姓名判断が結構当たっててビビッた…
- 398 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 21:21:58 ID:H8m8Fgdu
- このスレは活気があっていいなぁ・・・
- 399 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/06(木) 21:51:09 ID:vxAiN9mZ
- >>398
「このスレは」ということは、
同じ電撃文庫の作品のスレの住人の方ですか?
- 400 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 13:11:40 ID:LSqp/yOx
- 保守age
- 401 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 14:50:38 ID:4l3sqgm3
- >健康面では、心臓系の失患にかかりますから注意してください。
>開運法は、積極性を出して突き進むことが開運法です。
キソケ氏のSSのような展開なら当分は安泰だな。
- 402 名前:Ξキソケ:2006/04/07(金) 17:09:51 ID:nphcXMCX
- >>401
いや、どうも名指しされると照れますが、ありがとうございます。
まぁでも流石に騎乗位までは里香にさせませんけどねw
- 403 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 09:57:50 ID:Z+h+7xRl
- 「裕一、これなに?」
「えっと…男の、生理現象…かな」
「ふ〜ん…誰を想像してたらこんなふうになっちゃったの?」
「あ、いや…その…」
「誰?」
「……です」
「聞こえない。誰のことを考えて、何しようとしてたか大きな声で言って」
「…っ…」
「ほら、早く」
「オレは…」
「オレは?」
「…里香のことを考えてしようとしてました」
「ふふ…裕一って変態サンだね。女の子の前でおっきくしちゃうなんて」
「……」
「私をオカズにしてたんだ…ホントに変態サンだね、裕一は」
むしゃくしゃしてやった
今は反省している
- 404 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 10:42:36 ID:H5Knk7ZV
- >>403
むらむらしてやった の間違いじゃないかw
里香の気分次第では、その後に手コキくらいしてくれそうだな。
- 405 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 12:45:10 ID:eq/Wdy3T
- むしろ足d(ry
- 406 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/08(土) 18:00:10 ID:AS3qH6+W
- 足の方が手より数倍萌える
- 407 名前:403つづき:2006/04/08(土) 20:14:09 ID:Z+h+7xRl
- 「あの…この状況すごい恥ずかしいんだけど…」
「でも裕一は変態サンだから、大丈夫でしょ?」
「そん、な…それに中途半端に止めると…その…」
「我慢できない?」
「あ、いや…………ウン」
「じゃあ…続きしたい?それともシテほしい?」
「…え?」
「男の人って、そういうことシテほしいんでしょ?」
「いや…そりゃそうだけど…でも」
「裕一って変態なのに意気地なしなんだ?」
「っ…そんなの関係ないだろ!」
「じゃあ、言ってみなさいよ」
「う…あ…その」
「ん?」
「里香の手で…してほしい、です」
「よく言えました。でも裕一は変態だから…」
「あ、ちょ…そんな足でなんて…ぅわ…」
「情けない声だね…足でされて感じてるんだ?」
「仕方…ない、だろ…里香、待って…ぅ…シャレに、ならな…い」
「裕一、イッちゃいそうなの?足で弄られてイッちゃうんだ?」
「あ…ダメだって…里香、やめて…うぅっ!…」
「あ〜あ、べとべと…足でイッちゃうなんて、裕一の変態」
- 408 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 01:53:10 ID:coXxvrpP
- うはwww
ktkr!!!!!!!!!!!!
- 409 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 02:21:58 ID:N7+z01OZ
- 「でも里香。おまえも変態だよな」
「え?」
「ペニスを足でしごいて下着を汚すなんて」
「う、うそっ…」
「ウソじゃないさ、ほら、吸ってやるよ」
「ちょっ……んっ、ゆうい……ち……」
「ほら、こんなにベトベトだし。えっちな匂いがする」
「や、やだっ……あんっ。駄目……やぁ…」
「里香?どんどん、溢れて来るよ」
「やっ、やだ、やだっ……」
「嫌?ほんとに?」
「……うん…。もう……舌だけじゃ、嫌……」
「どうして欲しいの?」
「え、い、言うの…?」
「うん、里香の口から聞かせて欲しいな」
「ゆ、ゆういちの、…っ…欲しい…よぉ…」
「じゃあ自分で入れて、自分で動かしてごらん」
「え、こんな。やぁっ……恥ずかしい……
……入っていくの、見えてるよぉっ……
んっ……裕一の…膣奥まで……届いてるよ…」
「里香……っ……すごい、締めつけてる」
「やぁんっ…あっ…あんっ…ゆ、ゆういち……そんなに動かさないで」
「里香が動いてるんだよ」
「そっ…んっ!そんなこと、ない……んっ…やぁっ…」
「声殺さないで、我慢しないで聞かせてよ」
「ばか、やぁっ……ヘンっ……タイ……」
「里香……気持ちいいのか」
「うんっ、気持ち良いよ、ぉ……」
- 410 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/09(日) 09:05:37 ID:OvhSnVy6
- 神キテルー!!
- 411 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 01:41:38 ID:X2ztNWvt
- よぉーし。
俺もネ申には負けないぞ。
題 日常
「ただいまー」僕
ちょっとばかり疲れた声で僕、裕一が言います。
ベットの里香は不機嫌そうな顔をしながら、
「おかえり」里香
なぜ不機嫌そうな顔をしているのですか?
僕は重い体を引きずって図書館に行ってきたのに。
行・っ・て・き・た・の・に!!
まぁ良いです。もう慣れましたから。
「本、あった?」里香
ベットに寝たままのハズなのに見下ろされてる気がします。
「ぁったょ!」僕
おっと、恐怖のあまり声が裏返ってしまいました。
しかもビックリマーク付きで。
とにかく渡さないと何をされるか分からないので頼まれた本を渡します。
- 412 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 01:43:44 ID:X2ztNWvt
- 「なに、これ?」里香
妙にドスをきかせた声で聞いてきます。
え!?、何何何何何何!?
「た、頼まれた本だよ?ピーターラビットの」僕
僕の心臓はバクハツしそうです。
これがハートブレイクってヤツですか?
「ふ〜ん。これがピーターラビットなんだ?」里香
僕を睨みながら里香は言います。
え? やっぱり違う?しかもピーターラビットであるハズのその本を軽く否定した気もします。
「そ、そんな。その本は里香に頼まれた本だよ?
ほ、本当だよ!?メモした紙を受付のお姉さんに渡して持ってきてもらった本だからマチガイナイハズデスヨ」僕
「うるさぁい、この本のどこがピーターラビットなのよ!?どうみてもミッフィーじゃない!!」里香
え?
そんなハズは無い。
僕が信頼している美人のお姉さんが間違える訳が無い。
「ちょっと見せて」僕
里香から奪うように本を取ります。
……
………
…………
………
……
「里香!!ミッフィーの口は◇←こんな風に開くらしいよ?」僕
現実逃避へレッツゴー!
「うるさい!!こんな簡単なお使いも出来ないの?あんた何歳なのよ!!」里香
「僕?僕は正真正銘17歳さ!!」僕
ヒュン、ヒュンヒュン、ヒュンヒュンヒュン
- 413 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 01:47:35 ID:X2ztNWvt
- 「ごめんなさいごめんなさい、今すぐ図書館に行ってピーターラビットを借りて来ますからACアダプターを高速回転させないでー」僕
「うるさい、うるさい、うるさ〜い!」里香
「ちょっWWそのセリフはあの貧乳キャラの名セリフ!?駄目だよ?勝手にパクっちゃ、本が違うんだから。
え?、違うよ?、決して里香の事を貧乳って言った訳じゃないよ?違う、それは誤解だ、君の誤解なんだよ?本当だよ?
確かに里香も貧…だけど、あわわわ!
やめて!!こっちに来ないで!ACアダプターを不思議な音を立てながら回わさないで!
怖い、怖いよぅ
ひぃぃいいいぃぃぃ」僕
僕の鼻先をACアダプターがカスリました。
なんだかとってもヤバイです。
ヤバイ・デス。
でもコレハ脅しデスヨネ?
きっとそうですよね?
いくら里香でも本当に当てたりはしませんよね?
ねっ!?
「メゴッュダャカァィぃ!!」僕
突然の衝撃。
どうやら当たったようです、ACアダプターが。
「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪」里香
「だから他の人のネタをパクっちゃ駄めぇ…ガフゥ↓」僕
これは僕たちにとっては本当に特別で特別な日常のほんの一部のまだ怪我の軽い物語。
- 414 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 01:54:35 ID:X2ztNWvt
- 小説って難しいですね。
初めてなんで簡単そうな、おかゆまさき氏の書き方を真似てみたけど自分ではイマイチだった。
修行せねば。
- 415 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 02:13:50 ID:8yQKZk73
- なんかスレが進んでるが…
ちなみに>409はオレ(403)じゃないんであしからず
- 416 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 02:13:52 ID:2ngdQvHU
- GJだけどやはり「半月のような裕一視点」のほうが読み易いかな?
- 417 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 02:16:56 ID:2ngdQvHU
- >>415
それはとあるサイトでさっき知ったw
- 418 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 08:30:48 ID:JUwGSwRP
- >>409
書いた人があの人だったとは・・・。
- 419 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 11:41:17 ID:rSPoVnhr
- 新しいSSが完成したのでこれから投下します。
エロに入るまで長いですが前座だと思って読んでやって下さい。
気に入らなかったらスルーをお願いします。
ちなみに、今日は訳あって昼間っから家にいられる日だから、
こんな時間から投下させていただきます。
- 420 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 11:42:10 ID:rSPoVnhr
- 淫らな月が上る空〜里香とオリジナル戎崎コレクション〜
伊勢の若葉病院の物語を覚えている者は、幸せである。
心豊かであろうから。
私達は、十七歳の時の記憶を印されてこの世に生きているにもかかわらず、
思い出すことのできない性を持たされたから…。
それ故に、戎崎裕一の語る、次の物語を伝えよう。
僕が里香の病室に入った途端に、頭上からミカンが落ちて来た。
ミカントラップである。
僕が頭にぽこっぽこっという感覚を感じると共に、里香の実に楽しそうな笑い声が弾ける。
「ひ、ひっかかった〜! あはは!」
「くっ‥最近やられてなかったからなあ…」
「残念だったね、裕一」
僕は今日も、里香の病室に来ては借りて来た本を渡したり、本の事等を話したり、
里香の散歩兼体力作りに付き合ったりする日常を送っていた。
第三者から見れば特別に幸せでも無く、ましてやパラダイスでも無い生活だろう。
でもその生活が、今の僕達にとってかけがえの無い毎日だった。
最近は里香のお母さんとも大きな摩擦は起きていないし、夏目も大人しくしている。
たまに司やみゆきや山西が来たりするけれど、三人とも丁度良く空気を読んで発言してくれる。
僕と里香の事をわかってくれているみたいでありがたかった。
お陰で僕も学校の事を忘れずに済むし、里香は本からでは得られない知識が得られた。
今の里香の笑顔にはもう、闇に喰われそうになっていた少女の面影は無い様に思える。
僕はベッドの近くにある見舞い患者用の安っちいイスに座ると、里香と話し始めた。
「今日はどうしたの? もしかしてまた本借りに行ってくれるとか?」
「お前なぁ‥人にミカン落としておいてそれは無いだろう…」
里香はほとんど悪びれる様子もなく、楽しそうに話しかける。
「行ってくれるなら、前借りてきてもらった本の中下巻を頼みたいんだけど?」
「わかったよ‥はぁ…」
- 421 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 11:43:36 ID:rSPoVnhr
- 少し前、ふとした事で里香は僕と関係を持ってしまったのだが、
それが原因での悪影響は里香の心身に無かったようだ。
僕と普通に口をきいてくれるし、妙に恥ずかしがる事もない。
それ所か、里香の身体は以前よりも可愛く、色っぽくなった気がする。
機会があったらまた抱いてみたいとは思うが、僕にはそんな事をするチャンスは当分無さそうだし、
何より…僕の考えで里香に無理はさせられない。
僕がそんな事を考えながら里香と他愛ない話をしていると、病室のドアが開いて看護婦の亜希子さんが入って来た。
多分、里香の様子を見に来たのだろう?
「よぉ裕一、まぁた里香ちゃんとべったりかい?」
亜希子さんは、二人で話していた僕達を冷やかす様に挨拶してきた。
けれど、元はと言えば里香と僕を出会わせてくれたのは他でも無い亜希子さんであって、
それ以後も僕と里香の関係の為に尽力してくれたのだ。
だから、今の亜希子さんの表情や口ぶりは冷やかしというより、僕には祝ってくれている様に感じられた。
そういう感覚は里香にもあるらしく、僕と里香は少しだけ照れて挨拶をした。
「こんにちわ、亜希子さん」
「谷崎さん、こんにちわ‥」
僕達の初々しい反応に亜希子さんは目を丸くした後、くっくと笑ってから話しを続ける。
「ちゃんと挨拶が出来る、若くて良いカップルだねぇ。 感心感心!」
その亜希子さんのカップルという言葉に、僕達は思わず顔を赤らめて反論してしまった。
実際、やましい事をしてしまった訳だし…
「そんな、カップルだなんて冷やかさないで下さいよ!」
「そ、そうですよ谷崎さん!」
「はいはいわかったよ…‥裕一も上手くやったもんだねぇ?」
「またそういう事言うんですから亜希子さんは…!」
僕達の過剰とも思える反応に、亜希子さんはまた笑って言う。
- 422 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 11:44:42 ID:rSPoVnhr
- そして亜希子さんは、このやりとりの中でポロッと、
とある単語を口に出してしまう。実に自然に笑っている顔でだ。
「まぁ、この調子ならオリジナル戎崎コレクションの出番も無さそうだね!」
亜希子さんはあろう事か、僕の最重要機密を喋ってしまったのだ。
「………あ‥」
「………げ…」
「……………」
数秒間、この病室の時間が止まる。
その後亜希子さんは表情を変えて、必死にフォローしようとするが無駄だった。声が上ずっている。
僕は自分でも表情が凍り付くのがわかった。今里香の顔を見ている余裕は無い。
「ま、まぁコレクションったって前みたいな、エ、エロ本じゃないよなぁ?
もちっとまともなヤツだよなあ裕一…?」
「い、いやだな亜希子さん! ‥そんな説明口調でやめて下さいよ‥あははは!」
「そうだよなぁ! ‥わ、わりぃわりぃ…なははは!」
「……」
そのぎこちないありがちなやりとりを目の前で見ていた里香は、少しうつむいたまま沈黙している。
先ほどまで恥ずかしげだった顔も、長い艶っとした前髪に隠れて今は見る事が出来ない。
僕はオリジナルコレクションを所持していた事がばれてしまったのかどうかかなり心配だった。
まるで、敵地に単独潜入したは良いが運悪く敵兵に姿を見られかけ、
今はダンボールを被ってなんとか息を潜めている隠密部隊隊員の気分だ。
そん風にビビッていると、里香が急に僕に話しかけて来た。
その表情も口調も僕が見る限り普通のものだったが、それが逆に怖かった。
「裕一、ちょっと今は部屋から出てて」
僕は思わず気の抜けた様な返事をしてしまう。
「へ?」
「いいから出てて! 私、谷崎さんと話す事が出来たから。
そうですよね?」
亜希子さんはなんとも言えない表情で頷く。
もちろん、この場合の里香の『谷崎さんと話す事』というのは紛れもなく
僕のオリジナル戎崎コレクションの事だろう。
里香は亜希子さんから根掘り葉掘り詳しく聞き出すつもりなのだ。
「え、ああ‥うん」
しかし、僕は里香の雰囲気に押されるがままにイスから立ち、
へたへたと里香の病室から出て行ってしまった。
病室には里香と気まずそうな亜希子さんだけが残る。
多分この後、僕は…いや想像したくない…
- 423 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 11:46:26 ID:rSPoVnhr
- ―――僕が亜希子さんを介して、里香に病院の屋上に呼び出されたのはもう夜の8時を回っていた頃だ。
あのわがままな里香に取り調べられて使い走りにされた形の、そして今回落ち度もある亜希子さんは、
何とも居たたまれない様子で僕の病室に来てこう言った。
「なぁ裕一、今回は私が本当に悪かった‥
お詫びにいつか必ず、お前と里香を私の車でドライブに連れてってやるよ…」
正直、かなり危ないので丁重に遠慮しておいた。
「え、遠慮しておきます…」
「そうか‥すまんな‥まぁ屋上なり砲台山の上なりで里香と仲直りしてくれや…」
「頑張ります…」
そんな低調な会話を済ませた後、僕は屋上までの廊下や階段を進みながら、今日の問題について考える。
ぼーっとしていたので、他の患者さんに一回ぶつかりそうになったが大事故は起きなかった。
……僕が里香に『コレクション』を見つけられて怒られるのはこれで二回目だが、
里香だって僕に、その手のモノを使って●●●●している所を見られてて、(多分ワザと)
それから二人同意の上で、口に出しては言えない事をしてしまったのだ。今思い出しても顔が赤くなる。
ならば、これでお相子じゃないかと僕は考えた。
でも里香の世間知らずな所も、性格が破綻してる所も良くわかっているつもりだし、
今回の僕は再犯で、しかも所持していたコレクションは相続したモノでは無くて自らが集めたモノだ。
普通の女子とは全く違う過酷な人生を送って来た里香が、
理由を付けてその辺の女子の様に怒ってみせて、僕に焼き餅を焼きたい気持ちもわかる。
何だかそう考えると、心のどこかを掴まれた様にとても切なかった。
そんな事を考えていると、僕の足がふと病院に設置されている自動販売機の前で止まる。
120円のミニペットボトルで大好きな里香の機嫌が取れるならと、僕は財布を取り出していた―――
- 424 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 11:48:28 ID:rSPoVnhr
- ――――里香があまり力を入れなくても開く様に僕が油を差したドアを、僕が開ける。
自分でもなかなか上手くやったと思うが、今の里香にはそんな事言っても通じないだろう。
ドアを開けた先には、見慣れた夜の病院の屋上が広がっていた。
風が少しだけ吹いてたが、あまり寒くは無かった。
洗濯物も取り込んであって、昼間の暖かみとはまた違ったその殺風景さがあった。
里香はそんな屋上の手すりに両手で寄りかかって、伊勢のわびしい夜景を見ていた。
風に揺れる見慣れた長い髪の毛と、柔らかく細いラインの身体が月明かりに映えていた。見間違える事はまず無い。
そんなものを見ても面白くないのになと思いながらも、僕は里香に声をかけた。
「…里香」
里香は僕の方を向かずに返事をした。
「遅い」
僕はちょっと落ち込みながらも、平身平頭徹頭徹尾謝ろうとしたが……
「あの里…」
「裕一、私がいいって言うまで目、瞑ってて」
僕は里香が何をしたいのかがわからなかったが、とにかく目を瞑った。
「え? うん…」
よくあるパターンならキスの一つでもされるのだろうが、里香の事だからまあまず違うだろう。
どんな酷い悪戯をされるんだろうなんて考えていたら、急に両脇の下にくすぐったさが走った。
「ひッ!」
里香が僕の背後に回り込んでくすぐっているのだ。
その里香の予想外の行動に僕は思わず変な風に笑ってしまう。
「…わひゃひゃひゃひゃ! 何だよ里香ぁ!?」
僕の変な笑い方を見た里香も、くすぐるのをやめて笑い出した。
「何その笑い方! …おかしい〜! またくすぐってやる〜!」
「わ、笑うなよ〜! う、わひゃひゃひゃ〜!」
「裕一おかしい〜!」
- 425 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 11:49:41 ID:rSPoVnhr
- ………二人のそんな笑い声がしばらく屋上に響いて収まった後、里香が急に切り出して来た。
その表情には怒りは感じられず、ただ楽しそうな里香がいた。
怒っていないということは、やっぱり里香はただ焼き餅を焼いてみたかっただけなのかなと、僕は思った。
「裕一、ここで一緒に夜景見ない? そうしたら許してあげる」
「あ、ああ」
僕は里香のすぐ隣に、手すりに両手で寄りかかった。
ふと、夜景を見る里香の綺麗な横顔を見ていると、その上の方に半月が見えた。
思わず、その柔らかい光を放つ半月を僕は見つめてしまう。
「裕一、ちゃんと夜景見てる?」
僕が夜景を見ていない事に気付いた里香が僕に聞いてくる。
「あれ、今晩って半月なんだ?」
半月に気付いた僕が試しに言ってみると里香は、
「そうだよ 今まで気付かなかったんだね?」
「お前の事で大変だったからな …そうだ、これ」
僕は今が丁度良いタイミングだと思って、
あらかじめポケットに突っ込んでおいた120円のミニペットボトルを取り出して里香に手渡した。
ちたみに中身は、里香が身体を冷やさないように僕なりに気を使った結果
ホットのはちみつレモン味のジュースになった。
「これ何? 私にくれるの」
里香は不思議そうな顔をしながらもボトルのキャップを開ける。
僕はジュースが里香の口に合うか心配だった。
「出来るだけ里香の好きそうなモノ買ってきたけど、どうかな?」
里香はボトルからジュースをごくっと飲んだ後、感想を言う。
「裕一にしては良いセンス」
「ど、どうも」
僕が少しおどおどしているのを見て、里香は楽しそうに言った。
「そんなに怖がらなくてもいいじゃない 裕一も飲めば?」
だけど僕は、里香が妙にすんなり許してくれたのがやはり不思議に思えた。
「あ、ありがとう…」
「今日の事は許してあげる 裕一にだって秘密はあるもんねぇ……」
僕は里香から手渡されたジュースを一口飲んで、また里香に手渡した。
これって良く考えたら間接キスだって事に気付いたのは、
口の中からはちみつレモンの味が消えていった頃だった…
- 426 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 11:50:58 ID:rSPoVnhr
- ―――先ほどのやりとりの後ヵ僕達は消灯時間も気にせず
わびしい夜景を見ながら、手すりで延々と色々な事を話し込んでいた。
これじゃ謝りに来たんじゃなくて、ただの病院内デートみたいなものだ。
付け加えて言えば今の話題は丁度、亜希子さんについての事だ。
「あの人、さっき俺の所に里香の伝言しに来たんだけどさ、すっごいテンション低くて、
『お詫びにお前と里香を私の車でドライブに連れてってやるよ…』なんて言ったんだぜ?あの亜希子さんが!」
「へぇ〜、谷崎さんがね…‥ ちょっと連れてってもらいたいかも」
亜希子さんがそう言う言動をした原因の一端は里香にあるのだろうが、本人に悪びれる様子は無い。
僕はそのまま話を続けた。
「何言ってんだよ…里香は知らないだろうけど、
あの人の車の趣味と運転なんて暴走族そのものだぜ?」
里香が目を丸くして言う。
「ホントに?」
「ああ、運転テクは凄いけど、スピードが滅茶苦茶で死ぬかと思った!
しかも急に車のカスタマイズについて語り出したり、いきなりレースしたりするんだぜ!」
「す、すごいのね…」
「俺も、あんなヤバイ乗り物が身近にあるなんて知らなかったよ…」
亜希子さんの車の事を僕が話していると、里香が少し伏し目がちになってこう言った。
「でもドライブかぁ…私行ってみたいなぁ…」
心にチクリと針が刺さった様な感覚がした。里香はこの手の外出経験が無いんだろう。
僕はまた、いつかの様に強がって里香に言ってみた。
「もし、俺が原チャリか車の免許取ったら、一番始めに里香とドライブに行くよ」
僕の馬鹿っぽい言葉に、里香は表情を明るくしてくれた。
「ほんと?」
「ああ! それに今だって、チャリの二人乗りでなら出掛けられるしな、
お前が食ったこと無い伊勢の名物だって沢山食べさせてやる! 前に教えたヤツだよ」
僕がそう言うと、里香は本当に嬉しそうな顔をしてくれた。
里香の形の良い顔が、花が咲いた様に華やかになる。
僕の強がりに、里香は喜んでくれているんだ。
- 427 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 11:53:00 ID:rSPoVnhr
- すると、里香が夜景を見るのをやめて身体の向きを僕の正面に向けた。
「…裕一、ありがとう」
里香がそう言ったかと思うと、僕の視界に里香の顔が広がって、僕の言葉は里香の唇で途切れた。
里香の持っていたペットボトルが、屋上のコンクリートに落ちて音を立てる。
そして両腕には、里香の身体の柔らかく暖かい感触があった。
僕は目を瞑りながら、身体のバランスを崩さないようにして
舌と舌を絡め合わせて里香と長く、激しい口づけをした。
里香もかなり積極的で、僕達の身体の隙間は全くと言って良いほど無かった。
僕達は、そこが病院の屋上だということも忘れてお互いの唇をただ求めた。
両腕でお互いの身体を抱きしめ合い、愛する人の温もりをただ感じていたかった。
僕は、殺風景な屋上がまるで舞台で、わびしい伊勢の夜景や星々が舞台照明で、
ただ一人の観客は、里香の向こう側の空に浮かぶ半月の様な気がした。
里香と同じ本を読んでいる内に、文学的な考えがうつってしまったのだろうか‥?
- 428 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 11:55:50 ID:rSPoVnhr
- ――――その後、二人の間にどういう会話があって、
どう考えて里香のパジャマのボタンを外したり、お互いのスリッパを脱いだかなんて覚えていない。
さっきから散々抱き合ってキスして、周りに誰もいなかったからかも知れない。
お互いが、『これも思い出作りの一つ』だと思っていたのかも知れない。
里香の方から誘って来た気もするが、これが何とも……
とにかく今僕は、パジャマの前がはだけた里香の両胸を愛撫している。
夜中の病院の屋上で、というのが二人の興奮を更に高めていた。
二人の喘ぎ声やら水音が、誰もいない屋上に少し響く。
里香は仰向けの形で横になって、僕はそれに覆い被さる様にしている。
里香の胸元と唇は、二人のものが混ざりあった唾液で濡れていて更にいやらしかった。
ついでに里香の好みの性感帯である耳も、里香がやめてよと言うまでつい嬲ってしまった。
小さいが、唾液で濡れて光っていて健康的な双丘も、痛いほどに乳首が赤く隆起していて弾きたくなる衝動に駆られる。
「はぁ…はぁ…ひぃっ!?」
里香自身も以前に比べて性感帯が開発されて来てしまったらしく、
僕がかなり強く乳首を噛んだり摘んだりしても、痛みでは無く快感として感じられる様だ。
里香のしなやかな髪が愛撫の度に揺れ、やわらかい身体が汗ばむのがわかった。
更に、僕が試しにパジャマのズボンを穿いたまま、
パジャマのズボンを穿いたままの里香の里香の秘部にペニスを擦りつけてみても、
「あっ!…くぅっ‥うっ‥!」
こんあ具合に、いかにも『寸止めされて辛い』様な喘ぎ声を上げる様になった。
僕の興奮も高まって、ペニスがどんどん大きく脈打って来ているのを感じる。
僕は里香から主導権を握って少し調子に乗っているのか、
一旦胸と秘部への愛撫をやめると、里香のズボンとショーツをするすると脱がした。
僕も里香も、また一線を越えていくという背徳感と、お互いの身体がより近くなる昂揚感を強く感じていた。
- 429 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 11:56:53 ID:rSPoVnhr
- 僕が里香の、よく見ると愛液で濡れている簡素なショーツを床に置いてしまうと、
そこにはもはや下半身に何も纏っていない里香がいた。
さっきから赤かった里香の顔が更に羞恥の色で赤くなるが、
そんな里香の顔が大好きな僕は、すっと里香の秘部に自分の顔を近づけていく。
里香の未発達な、薄い恥毛に守られた秘裂に近づいていく。
「裕一‥?‥…ひゃっ!」
僕の舌が里香の恥毛をかき分けて、すでに愛液が溢れていた部分を舐め上げると、
里香は弾けるように可愛らしい嬌声を上げて目を瞑った。
その里香の反応に僕は男心をくすぐられて、僕は更に顔を里香の秘部に近づけて愛撫する。
「えっちな匂いがするなぁ…」
「何するのよぉ…」
里香は僕の行動への恥ずかしさからせめてもの抵抗をするが、
拒否の言葉も二人を更に昂ぶらせる為に発せられている様にさえ思えた。
その間も僕の鼻孔の中には里香の女の子の淫らな匂いが絶え間なく入り込み、
僕の舌は、新しく染み出してくる里香の蜜を片っ端から舐め取っている。
「‥な、舐めないでぇ…」
里香は顔の見えない僕に向かって快感にまみれた、形だけ否定している言葉を発する。
僕が沢山舐め取った里香の愛液は、何とも言えない味だがどこか若さを感じさせる味だった。
せっかくなので両腕の方も愛撫を再開して、里香の身体の三点を責め続ける。
ぴちゃぴちゃぴちゃと言う水音が高くなるにつれて、里香に絶頂が近づいて来た様だ。
僕は里香の吐く息が荒くなって来たのを見計らったつもりで、二つの乳首を摘み上げた。
「あっ‥!やぁっ……!!」
僕は最後に里香の秘裂に口を付けて、愛液を吸い出しす。
「ふぁっ…ひっ‥っ…!!」
じゅるっという音が僕の口と里香の秘裂から発せられる。
こんな事をしているなんて変態じみているとは思ったが、その行為が更に二人の興奮を高めた。
「ひゃっ……!!」
里香は目を瞑りながら可愛い声を上げ、身体を反らせて軽く絶頂に達した。
- 430 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 11:57:54 ID:rSPoVnhr
- 「はあ…はぁ…」
里香はさすがに疲れたといった様子で、力が抜けた身体をただ横たえていた。
その、紅潮したまま目を閉じている顔や何とか落ち着こうとしている里香の仕草に
僕はある種の満足感を満たされると共に、自分の中で更なる欲求が鎌首をもたげて来るのがわかった。
もっと里香の気持ちよさそうな顔が見たい、気持ちよくなってもらいたい。僕も一緒に気持ちよくなりたい。
僕は里香を休ませている間、これから『どう』しようか考えていたが、答えが浮かんだので里香に提案してみた。
もちろん、出来るだけ里香の身体を気遣いつつの提案だ。
「里香、大丈夫?」
「うん…」
里香は大分落ち着いた様子でちょこんと座って、返事をしてくれた。
上半身が前がはだけたパジャマだけで、その下の隙間から愛液に濡れそぼった秘部が見え隠れしている。
僕は里香の痴態とも言える姿に興奮するのを抑えながら、里香に提案をした。
「里香? ちょっと頼みたいことがあるんだけど良いかな?」
里香は頷いた。提案しよう。
多分、こんな里香で無ければ聞いてすらくれないだろうおねだりを。
「…じゃあ里香に、僕の○○○を咥えてもらいながら、里香は自分で●●●●してもらおうかな?」
「……っ!!」
僕のとんでもなくいやらしいであろうおねだりを聞いた里香は、
かなりの恥ずかしさと少しの怯えが入り交じった表情になる。
里香には悪いけど、そういう顔に僕は男心がくすぐられてしまった。
案の定、里香はなかなか聞き入れようとしない。
「そ、そんな事出来る訳ないでしょ…この変態! ドスケベ! ケダモノ!!」
里香に罵倒される。元気で何よりだと思う。
上手く行くかはわからないが、僕はそのまま揺さぶりをかけ続けてみる。
「い、いや俺はそんなつもりで言ったんじゃ無くて…
ほら、前は俺が里香にしてもらってばかりだったから、今度は工夫しようと思って…」
「バカ! 変態! …どうせ裕一は自分が良ければ良いんでしょ〜?
絶対にやってあげないからね! そんなの!」
里香は今度拗ねたような顔になって渋り出す。
これでは何かまた僕が里香に謝っている様な状況だが、今の僕には交渉の材料があった。
- 431 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 11:58:57 ID:rSPoVnhr
- 「…里香、だったら何で前の時あんなに一生懸命に俺にしてくれたの?
「あ、あの時は成り行きで…」
里香の語調が弱まる。
「でもさ、俺は嬉しかったよ」
里香の眉がぴくっと動いた。
「それに今日だって里香、凄く可愛かったよ?」
里香の顔が、異性の事でドキッとした女の子の顔になる。
「な、何よ裕一………もう…!」
里香の心が揺れているのがわかった。
すると里香は、僕の目の前で前と同じような四つん這いの様な体勢になって僕を促してきた。
その目には恥ずかしさと、僕への愛おしさが宿っている気がして嬉しかった。
「…ほらっ、少しは感謝してよね?」
僕は、里香に心から感謝しながら下半身のパジャマと下着を脱いでいた―――――
- 432 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 12:24:53 ID:rSPoVnhr
- ――――結局、なんだかんだ言って里香はかなり積極的な女の子なんだなというのが僕の実感だ。
いつの間にか主導権を奪い返されていた。
今晩の里香は前の時の様な手探りをする訳では無く、里香なりに正確なテクニックを使ってきた。
まず里香は、その細く絹の様な白さの指で僕のペニスの包皮をゆっくりと、力を調整しながら剥いた。
少し焦らされながら剥かれているような感じだ。
亀頭が屋上の外気に晒された時、僕はまたペニスに血流が漲ってくるのを感じた。
次の瞬間、里香は僕のペニスを軽く口に含むと、口の中で舌を使い唾液をペニス全体に塗りつける。
甘噛みもされたりして、まるでキャンディの様に舐められ続けた。
しかし、それでそのまま続けるのかと思えばそうでは無く、里香はペニスを口から出していた。
唾液が糸を引いて僕の亀頭と里香の口に橋を架ける。
僕のペニスが里香の唾液に濡れて光っていた。
意外な展開だったので、僕は里香に聞いてしまう。
「えっ…り、里香?」
聞かれた里香の方はこれが答えだと言わんばかりに、
里香の唾液という潤滑液を得て滑り易くなった僕のペニスの包皮を扱き始めた。
里香の右手が、そのやわらかさに見合わない激しい上下運動で僕を責める。
里香の表情には妥協が感じられず、強気さが戻っている様にも思えた。
しかも、スピードだけでは無かった。里香は一回一回包皮を限界までひん剥き、
その後上に上げると言う、ある意味『手加減』の無い仕方だったので、自分の手では味わえない快感があった。
「うっ‥」
僕が思わず射精の前兆に襲われそうになると、里香はそこで剥き返すのをやめ、
僕のペニスを掴み、真ん中辺りでギュッと絞り上げてきた。
「い、いたっ!」
…一人じゃイカせてあげないんだからという里香の小さい声が聞こえた様な気がした。
- 433 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 12:26:18 ID:rSPoVnhr
- く見れば里香は四つん這いだった体勢を崩し、どちらかと言えば腹ばいの様な格好になって僕を愛撫している。
そして、里香の左腕は里香の股間の方に埋められ激しく水音を立てていた。
里香はいつからか、ずっと僕への愛撫と自慰を平行して来たのだ。
頼んだのは僕なのに、僕はこの光景にゾクッとしてしまった。
そんな僕を現実に戻すかの様に、今度は里香の左腕が自慰を止め、
右と左、二つの手で僕を責めようとしていた。
見れば、里香は右手にも唾液を自分の唾液を塗りたくっていた。
「…変態」
里香はそう静かに言った後、僕のペニスの包皮を左手で根本まで剥ききると、
右手で輸精管など様々な管がビキビキになっているペニスを人差し指でなぞり、
最後に唾液と先走りにまみれた亀頭に、同じようなものにまみれた右手の手のひらで触れる。
里香はそのまま手の平や指を使って直接僕のペニスを責め立てて来た。
「くっ…うぁっ…!」
里香の白い手のひらや細い指が、僕の亀頭やエラを隅々まで蹂躙していく。
里香はたまに鈴口までを指で愛撫してくる事がある。
「い、いたっ…」
しかも根本に包皮を集められているせいで、痛いほど僕のペニスはそそり立ってしまっていた。
包み込まれるのとは違う、神経が直接犯されている様な感覚だ。
自分の包皮や手では到底味わえないハードな手コキだった。
僕の理性は削ぎ落とされて、今はただ里香の手で達したいと思うだけだった。
しかし僕が絶頂の予兆を感じる度に、里香は愛撫を弱めたり、
先ほどの様にペニスを絞り上げたりして結局は寸止めされてしまった。
- 434 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 12:27:59 ID:rSPoVnhr
- 良く見れば里香は四つん這いだった体勢を崩し、どちらかと言えば腹ばいの様な格好になって僕を愛撫している。
そして、里香の左腕は里香の股間の方に埋められ激しく水音を立てていた。
里香はいつからか、ずっと僕への愛撫と自慰を平行して来たのだ。
頼んだのは僕なのに、僕はこの光景にゾクッとしてしまった。
そんな僕を現実に戻すかの様に、今度は里香の左腕が自慰を止め、
右と左、二つの手で僕を責めようとしていた。
見れば、里香は右手にも唾液を自分の唾液を塗りたくっていた。
「…変態」
里香はそう静かに言った後、僕のペニスの包皮を左手で根本まで剥ききると、
右手で輸精管など様々な管がビキビキになっているペニスを人差し指でなぞり、
最後に唾液と先走りにまみれた亀頭に、同じようなものにまみれた右手の手のひらで触れる。
里香はそのまま手の平や指を使って直接僕のペニスを責め立てて来た。
「くっ…うぁっ…!」
里香の白い手のひらや細い指が、僕の亀頭やエラを隅々まで蹂躙していく。
里香はたまに鈴口までを指で愛撫してくる事がある。
「い、いたっ…」
しかも根本に包皮を集められているせいで、痛いほど僕のペニスはそそり立ってしまっていた。
包み込まれるのとは違う、神経が直接犯されている様な感覚だ。
自分の包皮や手では到底味わえないハードな手コキだった。
僕の理性は削ぎ落とされて、今はただ里香の手で達したいと思うだけだった。
しかし僕が絶頂の予兆を感じる度に、里香は愛撫を弱めたり、
先ほどの様にペニスを絞り上げたりして結局は寸止めされてしまった。
- 435 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 12:28:57 ID:rSPoVnhr
- 「り、里香ぁ…」
僕が何とか言うと、里香はちょっと意地悪な笑みを浮かべて僕に返して来た。
「なぁに裕一? これから、私にどうして欲しいの?」
「…その‥イキ‥たいです」
僕の小さい声が聞こえなかったのか、それとも僕を苛めたいのか、
里香はいじらしく聞き直してきた。
「もっとはっきり言ってくれないと、わかんないな〜?」
僕は、里香の手玉に取られている事は承知で言わざるを得なかった。
「…り、里香の口で、僕の▲▲をだ、出させて下さい…」
情けなかったと思う。でも里香が喜んでくれれば僕に不満は残らないだろう。
里香は嬉しそうににやけると、僕に話しかけた。
「…裕一ってやっぱり変態だねぇ? こんな時でも口でして欲しいなんておねだりするなんて」
反論の言葉が見つからず、僕は情けない顔をして黙りこんでしまう。
そんな僕を察してくれたのか、里香は笑ってこう言った。
「そんな顔をしないでよ、ゆういち」
里香はそれだけ言ってから再び左手を自らの濡れそぼった秘部に埋め、口に僕のペニスをくわえ込んだ。
そして、前の時よりも密着感の高いフェラチオで僕と里香自身を昂ぶらせていく。
里香はその細い左手で自分を責め続け、僕のペニスを隅々までしゃぶり尽くそうとする。
「里香ぁっ…!!」
時には舌で激しく舐め回す様に、時には甘噛みと組み合わせて噛みほぐす様に、
時には中身を鈴口から吸い出す様に、時には口内と舌と歯茎とで上下に扱き上げる様に。
もう僕は何度も絶頂の前兆に襲われていたが、今度は本当に駄目そうだ。
ペニスがまるで胎内にあるかの様な錯覚さえ覚える。二つの陰部からの水音がいやらしい。
僕は里香に自分の限界を告げた。
「り、里香…俺もう…」
すると里香がそのまま愛撫のペースを早め、一気に僕達を絶頂に追いやろうとする。
フィニッシュのつもりなのか、里香は最後に大きく首を振って僕のペニスを扱き上げた。
耐えきれずに煮えたぎった僕のペニスが暴発を起こす。
「ぐっ…!」
僕の何度も寸止めされて限界に近かったペニスから、
夥しい量の精液が里香の口内に、ドクドクと力強く脈打ちながら送り込まれていく。
僕の脳にはその量に比例した絶大な快感が押し寄せる。
里香はそんな量の精液を、やや辛そうに喉を鳴らして飲み込んでいく。
恐らく、むせ返る様な味と匂いのドロドロとした熱い液体を、
僕が頼んだからこそ飲んでくれているのだろう。どこか申し訳ない気分にもなった。
よく見ると、里香の表情は快感にも耐えている様な、そんな顔をしている。
もしかしたら同時に里香も自慰で絶頂に達していて、イキながら僕の精液を飲んでいるのかも知れない。
そうかは結局わからなかったが、かなり長めの射精にも終わりが来て、
里香は僕のペニスをやや苦しそうな顔をして口から引き抜いた。
少しの精液と、唾液の混じった物が糸を引いた。
- 436 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 12:30:13 ID:rSPoVnhr
- 二人とも床にへたばって目を瞑り、荒い息を整えようとした。
その間に、僕は急に里香の身体が気になって声をかけてみる。
激しい運動は里香の命取りになってしまう可能性があるからだ。
「…里香、大丈夫?」
その声を聞いた里香は顔を上げた。その口元には少し僕の精液が付いていた。
里香は気にせず、微笑んでくれながら返事をしてくれた。僕は思わずドキッとしてしまう。
「あぁ〜〜…苦かった…また溜めすぎだよ…
裕一、飲まされる女の子の気持ちも考えなさいよ!」
「ごめん…」
僕が罰の悪そうな顔をすると、里香は僕の心遣いを汲んだのか話しを切り替えた。
「あ……うん、大丈夫 多分発作は起きないよ」
「よかったあぁ〜…」
僕は里香の返事に大袈裟に反応してしまったが、本当に安心した。
半月の月明かりに映える元気な里香を見ていると、心が暖かくなる。
そんな風に僕が安堵していると、今度は里香が頼み込む様な、それでいて艶っぽい表情になる。
その顔を見ると収まりかけた僕の中の何かが、またドロッと蠢いた。
「あのね……ゆういち…私…もうこれだけじゃ、嫌……」
僕は里香が何を求めているのかわかった。それは、僕が求めているモノと同じだからだ。
次の瞬間、僕は里香の上半身を覆っていた最後の衣類である、
汗に濡れて女の子の甘酸っぱい体臭がするであろうそのパジャマをするりと脱がし、
一糸纏わぬ姿になった里香の身体に正常位で迫った。
「え、何…?」
汗ばんだ顔に疑問符を浮かべる里香に僕は答えずに、
再び血流が漲った僕のペニスを、里香の秘裂にすんなり飲み込ませて行く。
「っ‥!」
程良く紅潮した里香の口から喘ぎ声が漏れる。
僕はその淫らな里香の姿に、そのままペースを無視して激しく腰を振って
射精したくなる欲求をなんとか堪えつつ、また里香に提案をした。
里香は快感に耐えている事を覗けば、まるでまな板の上の鯉の様な顔をしていた。
- 437 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 12:31:22 ID:rSPoVnhr
- 「…あのさ里香、これから俺の言うとおりに体位を作ってくれないか?」
里香は少し不安そうな顔をしたが、次には強がってみせてこう言った。
「変な事しないでよ…裕一」
「大丈夫だって! これは気持ちい良いし、里香にあまり負担はかからないんだよ」
そう言い終わった僕は、里香に向き合った体勢で挿入したまま文字通り、手取り足取りで体位を作る。
僕も不安だったが、間違っても里香に迷惑をかける訳にはいかないので、必死になってしまった。
まず里香に僕の両肩を両手で掴んで持ってもらい、両足は僕の腰に巻き付けるようにする。
僕は里香の小さくて可愛いお尻を両手で抱えるように下から持ち、そのまま立ち上がった。
里香が僕よりも細いから出来た体位だ。俗に言う駅弁スタイルの体位である。
里香の体重と万有引力の効果で、里香の胎内がかなりの密着度で僕のペニスを押し包んで来た。
挿入していると言うより、飲み込まれて行くと言った方が良いかも知れない。
逆にその感覚は、里香にとって前回の正常位を遙かに上回る挿入感を生んだ。
二人の身体が一つに繋がる。
「あっ………!」
里香の形の良い唇が色っぽく開かれ、小さな嬌声を生む。
自分の愛液で、良い具合に犯されやすくなった胎内を一本の熱いモノが下から貫いていて、
それに激しく胎内と自分の精神が反応をして更に強く締め付けてしまうという感覚だ。
僕はそんな里香をもっと恥ずかしがらせようと思って、耳元で言ってやった。
「…ほら、この体勢はキクだろ?」
軽く腰を突き上げるだけで、里香の表情が悦びと恥辱に歪む。
顔を見られながらだと余計恥ずかしいらしい。
「ば、ばかぁ…や、めてよ…」
胎内の密度がきゅっと上がるのがわかった。
もう二、三回腰を突き上げてやる。胎内は凄い締め付けだった。
「里香のそういう強情な所、好きだな」
「ふあぁぁっ……!」
里香はこういう風に押し切られると弱い様だった。
- 438 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 12:32:05 ID:rSPoVnhr
- 僕はまた調子に乗って少し里香を苛めてしまう。
「…じゃあ、里香がやめてって言うなら俺から動くのはやめるよ」
僕はそう言って、腰を突くのをきっぱりとやめる。
すると里香は、切なげな表情で自ら少しずつ腰を振って来た。
里香の腰が切なげに揺れる度に、長い髪も揺れた。
「ゆういちぃ……」
今度は向こう側からの高い密着性を持った上下運動に、僕のペニスがかなりの快感を受ける。
里香の胎内は暖かく、情熱的に僕のペニスを扱き上げた。
「くっ…!」
僕まで喘ぎ声を出してしまう程だった。
しかし里香はそれでは満足出来る訳が無いと、あくまで僕に懇願する。
半開きの口の端から色っぽく唾液が垂れていて、かなり煮詰まっているようだ。
「ゆういち…もう‥焦らすのやめてよぉ…」
確かに、焦らしすぎるのは里香の心臓にも良くない。
男でも腹上死というのがあるのだから、気を付ける必要がある。
僕は、ちょっとだけ条件を付けて里香を解放してあげる事にした。
「それならさぁ、里香がちゃんとナニをどうして欲しいのか言ってくれたら、
俺も一緒にしてあげても良いよ?」
「そ、そんな…」
里香は少し躊躇った後、必死に言葉を紡いで僕に懇願した。
「…ゆ、裕一の○○○で、私をっ、イカせて…下さい…!」
僕の中の何かが、僕を支配した。
その時の里香の表情や口調は信じられない程普段の里香とギャップがあって、
僕は里香に返事をする間を自分で我慢することも出来ずに、激しく腰を突き上げていた。
痕が付いてしまうでははいかと思うほど強く、お互いの身体を掴む。
- 439 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 12:33:02 ID:rSPoVnhr
- 「ひやぁああっっ!」
里香の嬌声が、僕の荒い息が、淫らな水音が、肉と肉の悦びの声が一つとなって、
誰もいない屋上に木霊する。
「ゆういちぃ! ゆういち!」
その光景の目撃者は、夜空に浮かんだ星々と半分の月だけだった。
もはや里香は言葉になる声を発していない。
「……っ〜〜!!」
僕はふと、なぜこんな女の子が僕より必ず早く死ななければならないのだろうと思った。
今だって里香の心臓はちゃんと動いていて、身体は暖かい。
性格は悪いところもあるけれど、本当に可愛いんだ。
僕はそんなやるせ無さを振り切る様に、ただ里香の腰を突き上げ続けた。
里香も積極的に、薄らぐ理性の中でその小さな腰を振り始め、
僕のペニスが溶かされて飲み込まれてしまいそうな感覚すら覚える。
時折、深い挿入のお陰で僕のペニスが里香の子宮口を抉った。
ごりごりっとした感覚が、僕と里香に更なる快感をもたらす。
それが引き金で更なる胎内の締め付けと、絶頂の予兆が生まれる。
「ひやっ…!! 奥までっ、裕一のが来てるよぉ…」
たまに僕が腰を振りつつ里香の耳朶を口に含んだり、舌まで絡むキスをしている内に、
里香が遂に限界を訴えて来た。快楽に歪んだ顔に、切なげに涙を浮かべている。
「ゆう、いち…わたし…もうイッちゃうよぉぉ…」
僕も、もう限界だった。身体や心の奥底に溜まったモノが吐き出される場を求めている。
- 440 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 12:47:25 ID:rSPoVnhr
- 僕は里香に伝わるよう頷いて、最後に里香のお尻を掴んでいる両手を引き寄せる様にして、
僕のペニスで里香の最も奥を突き上げた。里香も丁度腰を下の方に振っていたので、相乗効果が凄まじかった。
「うっ……!!!」
劣情も、愛おしさも、切なさも、全てを精液と一緒に里香の胎内に吐き出した。
まるで意識がショートしてしまいそうな感覚に、僕は体位を崩さないよう必死に耐えた。
前戯のときよりも遙かに多い熱い白濁液が、同じように熱い里香の胎内を満たしていく。
続いて里香が絶頂の高みに達する。白濁液で満たされた胎内が激しく縮まる。
里香は最後に自分を忘れてしまうかの様な声をあげる。
涙目を瞑って、僕の背中に短めの爪を立てた。血が出てしまっているかも知れない。
「いっ、ふぁ、ひやあぁぁぁ…!!」
里香が絶頂に達したのを確認した僕は、腰が抜けてしまいそうになるのを何とか我慢していた。
僕は、結合部にまで熱い自分の精液が流れて来るのを感じながら、
薄らぐ意識の中で偶然視界に入った半分の月を見ていた――――
- 441 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 12:49:33 ID:rSPoVnhr
- ――「里香、大丈夫?」
気遣って僕に手を繋がれつつ、消灯後の廊下を歩いて病室に向かう里香は強がってこう言う。
「大丈夫大丈夫って、何回も聞かなくても良いわよ…」
もちろん僕達はちゃんと服を着ていて、屋上での行為の痕跡は全て隠滅した。
ちなみにジュースはどうしたのかと言うと、里香が今左手に持っている。
普段の、日常の里香が戻って来たような感じだが、僕はやはり心配だった。
「でもさ…」
僕が続きを言いかけた時、里香がそれを遮った。
「ごめんね…」
「え?」
「…勝手に巻き込んで…それに…」
いや、僕も里香との行為を拒否しようと思えば出来たのに
そうしなったからこそ里香を責める気なんて毛頭無い。
その後、里香がちょっと恥ずかしげな顔になって言葉を続けた。
「背中に‥その…爪立てちゃってごめんね。 痛かったでしょ?」
思わずちょっと笑ってしまった。
僕はそんな気遣いをしてくれる里香が可愛かったので、明るく返した。
「ああ、そういう事か! そりゃあ痛かったさ。
…じゃあさ、今度は里香が俺にジュース奢ってくれよ?
そうしたら許してあげる」
- 442 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 12:53:36 ID:rSPoVnhr
- 僕の言葉を聞いた里香はプッと吹き出した。
「笑うなよ里香!」
「あはは! …まぁ奢ってはあげるけど、紙コップの方だよ?」
「…ケチだなぁ〜」
僕のその一言が、里香を拗ねさせる原因になった様だ。
「ケチでも良いですよー! ふん!」
そんな話しをしている内に、僕達は里香の病室の前まで来た。
里香は僕の手をほどいて、ガチャリとドアを開けた。
次の瞬間、里香は僕の正面に立って、軽いキスをしてきた。
突然、僕の脳に甘酸っぱい感覚が走る。
僕が何秒間か面食らっていると、里香がドアの隙間から可愛い顔を覗かせてこう言った。
「…これなら、紙コップのジュースでも割りに合うでしょ?」
「…ありがとう、里香」
「ふふ、じゃあおやすみなさいだね 裕一」
里香が微笑んで、僕も微笑み返した。
「おやすみ、里香…」
僕が里香にそう言うと、里香は静かにドアを閉めた。
僕は里香の病室から名残惜しくさ帰る事にした。
僕は自分の病室に向かって歩きながら、消灯された廊下の窓の外にふと目をやると半分の月が空に輝いていた。
その輝きに、明日も里香が元気であります様にと、僕は心から祈っていた。
終わり
- 443 名前:Ξキソケ:2006/04/10(月) 12:59:11 ID:rSPoVnhr
- 一回、重複投稿してすみませんでした。
ちなみに、このSSの原案はまた俺の友人が出してくれましたものです。
- 444 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/10(月) 19:49:16 ID:coAt/Uxb
- GJっす!毎度仕事が早いですね、おみそれしました。
- 445 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 07:47:31 ID:iChvTpYA
- 乙です。最近スレペース早いなぁ職人さんのおかげかな?
- 446 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 20:41:34 ID:EtCXSh5q
- GJ!
- 447 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/11(火) 21:00:36 ID:EunkEvkL
- よくやった!
感動した!
- 448 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 09:16:30 ID:x0G4DHeY
- キソケ氏>
GJです!次回も期待してます!
- 449 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 21:03:34 ID:slr6EC5D
- 今は1p描き変えるのが精一杯。
ttp://ranobe.com/up/src/up100254.jpg
スレのみんな、オラに元気を分けてくれ
- 450 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 21:49:44 ID:yMI6DUGO
- つ元気
- 451 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 00:18:48 ID:uA0LxiEF
- >>449
これいつ販売される?
- 452 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 01:24:56 ID:n5vNy8HS
- ○には何を入れる?
- 453 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 02:26:01 ID:37DFrtU3
- >>449
これってあれじゃん
某里香ファンサイトの転載じゃん
- 454 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 03:43:26 ID:uA0LxiEF
- >>453
どうやったらいける?
- 455 名前:449:2006/04/14(金) 17:41:33 ID:n5vNy8HS
- 小宮裕太氏のエロ漫画の髪形やら色を変えて台詞を書き換えました。
流石にセーラー服や貧乳に描き変える技術はありません。
それでもいいなら続きを改造したいと思います。
>>453
とりあえずどこの転載でも無いですよ?
サイトの管理人さんに聞いて頂いても結構です。
- 456 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/14(金) 21:35:38 ID:n9+LAql+
- と、言うか本人じゃnqあwせdrftgyふじこ lp
- 457 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 03:08:53 ID:FxJO8HWu
- >>454
心当たりはあるけど>>453のように元ネタがうpられてる訳じゃない
……ので真実は>>453の闇の中。>>453本人に教えてもらってくれ。
- 458 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 18:02:01 ID:1glUWieL
- 「なぁ里香…」
「いやよ」
「な…まだ何も言ってないだろ」
「どうせまた、あたしに変な格好させるんでしょ?」
「あ、いや……バレた?」
「この前はメイド服、その前はナース…クリスマスはサンタだったわね。今度はどんな格好させるのよ?」
「あ〜…コレ、だけど」
「………コレ?」
「そう、ネコミミと尻尾」
「………」
「………」
「………裕一」
「ん?」
「却下!」
「うわ、やめろ里香!それ司でも作るのに苦労したんだぞ!」
「世古口くんに何させてんのよ!裕一のバカ!」
「なんだよ!みゆきのために作るって言うから、ついでにやってもらったんじゃねえか」
「ぇ…みゆき、が…?」
「おう」
「世古口くんって…そういう趣味があったんだ…なんか意外」
「まぁ、俺も驚いたけどさ…ってわけで、司に免じて着てやってくれよ」
「ぅ〜…」
「頼むって…な?」
「………わかった」
またむらむらしてやった
今は反省し(ry
- 459 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 21:43:45 ID:pYZJ0orI
- サンタは勿論ミニスカだよな?
- 460 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/15(土) 22:18:59 ID:ai8DZus+
- 「裕一と里香のバレンタイン」おもろかったっす。
- 461 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/16(日) 06:35:36 ID:o/15L0Gh
- サンタはもちろんスカートないよな?
- 462 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/16(日) 08:18:30 ID:jWzwoCXp
- ミニスカだったけど途中で脱いだんだよ。
そんなコラがあった。
- 463 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/16(日) 20:09:33 ID:xUTCE1ho
- >>449
の奴の元ネタは
小宮裕太のスイートホーム
- 464 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/16(日) 20:16:23 ID:xUTCE1ho
- スウィートホームだった
ttp://up2.viploader.net/pic/src/viploader140556.jpg
- 465 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 14:03:16 ID:2qin5Jvb
- >スウィートホーム
これってどこの出版社からでてんの?
- 466 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 14:30:42 ID:mm3Dq2YV
- ヒント:ぐーぐる、sage
- 467 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/17(月) 16:37:00 ID:TfmURugf
- 花見で桜を見飽きたアナタにはコレ↓
あんちやふーで新しい刺激を探そう!
www.unti-yahoo.com/
- 468 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/18(火) 03:25:52 ID:mMz8Yk/o
- 橋本作品本スレで相談していた初心者です。
自信ないですが、とりあえずプロローグ予定の半分だけpdfでアップしました。
ttp://uploader.xebra.org/?id=a143477
パスはhantsuki で18日の夕方には消える設定です。
※エロ皆無なので、そちら期待する人は見ない方が良いかもです。
初めて小説らしいものを書こうとしているので、もっとこうしたら
いいとかアドバイスいただければ幸いです。
最終的に長編書きたいです。
- 469 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 17:52:19 ID:68UhMIva
- >>468
消えるのはえーよ…もうないじゃないか、見たかったのに
せめて3日は残しておいてくれまいか
- 470 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/18(火) 20:10:25 ID:mMz8Yk/o
- すいません・・・。今日の夜中にもう一回アップしますので、
是非、アドバイスいただきたいと思います。
- 471 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 20:30:07 ID:zpNyg/Vk
- 折角だがpdfは見辛い……
- 472 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 20:46:29 ID:Yik8XUKH
- エロなしでもここに投下していーんでない?
- 473 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 21:29:14 ID:68UhMIva
- >>471の言うとおり、pdfはちょっと見辛いかな
わざわざpdfなんかにするよりもtxtのほうが軽いし見やすい
- 474 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/18(火) 22:37:20 ID:Lg+EMIBp
- 別にここに投下してもいいと思う。というか携帯の俺はここのほうがいいorz
- 475 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/19(水) 01:09:23 ID:/u7jhJFu
- とりあえず短いですがプロローグを書き上げました。パスはhantsukiです。
ttp://uploader.xebra.org/?id=1c78bc9
すいませんPDFなのは僕のわがままです。最終的に入稿できる
状態で作成したいのと、小説と同じ形式&読む感じを受けつつ書き
たいからです。プロの作品と比較しながら書いてなんとか上達したいので。
アップ時間を短くしているのは、ご指摘いただいた箇所を修正して
より内容を改善したいからです。ですので1日以上アップしようとは
考えておりません。読んでいただけるなら1日3ページペースで書き
たいという希望もあります。
- 476 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/19(水) 01:14:54 ID:/u7jhJFu
- 連投ゴメンナサイ。
僕の方に目的あるので、このスレには向いていないかもしれません。
その場合は、指摘いただければ別の場所を探したいと思います。
設定ですが、「半分の月がのぼる空」6巻以降です。
読まれていない方は流してください。また、初めて書くようなド素人作品
ですので、読むに耐えないかもしれません。
お目汚しになる可能性が高いですし、甘えていますが、できれば
半月が好きな方と相談しながら書きたいです。わがままでスイマセン。
- 477 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/19(水) 01:22:34 ID:dQC9JcR+
- >ご指摘いただいた箇所を修正してより内容を改善したいからです
ここに指摘できるほど腕の立つものがいるのだろうか…
- 478 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/19(水) 04:46:16 ID:zscUUK1j
- それ以前に、拾えない、PDFで見るのが面倒、じゃあなぁ。
今、読み手側の意見として指摘できるのは
「読みたいがいろいろ不便だ」
ということくらい。
- 479 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/19(水) 04:51:14 ID:zscUUK1j
- ちなみに俺はそのpdfファイルは開けなかった。
フォントが不正だとかなんとか。まぁ俺だけかもしれんが。
プロと比較して指摘出来るのは
読み手の事も少しで良いから考えて欲しい、かな。
- 480 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/19(水) 04:55:51 ID:dQC9JcR+
- こちらからもわがままを言わせてもらうと
>最終的に入稿できる
>状態で作成したいのと、小説と同じ形式&読む感じを受けつつ書き
>たいからです。プロの作品と比較しながら書いてなんとか上達したいので。
読む相手のことを考えてorz
pdfだとさ、どこかおかしいところを見つけたときだっていちいち何行目、って指定しないといけないじゃん。
txtだったら普通にコピペ引用して張り付ければそっちのほうが指摘を受ける側としても見やすいんじゃないか?
pdfあげるのはいいけど、せめてtxtでもあげてくれ…重くて見る気失せる
- 481 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/19(水) 05:03:22 ID:zscUUK1j
- 入稿とかプロ意識を考えてるんだから
きっと紡本人の可能性も在るくらいに
素晴らしいSSな気がするのに読めないのは悲しいな。
- 482 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/19(水) 14:47:26 ID:/u7jhJFu
- 自分本位に陥って基本的なことがおろそかになっているようで
反省しております。478さん480さんゴメンナサイ。
目的が複数あることが問題のようです。何が1番大事かちょっと
考えます。仕事から戻って考えがまとまったらまた書き込みます。
- 483 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/19(水) 19:53:33 ID:8KeUMAra
- 楽しみに待ってるから。頼むで、ほんま。
- 484 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/19(水) 21:48:09 ID:qtlUSrWA
- 「ゆーいちぃ…いいよ、すごい…」
「だろ?だから言ったろ、一回やるとすごいって」
「うん、特に…そう、この辺り…」
「ああそうだな…あとは、ここら辺を重点的に攻めれば…」
「あはっ…最高だよゆーいちぃ…キモチイイよ」
「よし、その調子だ…ほら、そろそろいけって!」
「気持ち良かった〜…ホントに馬超使うと無敵だね」
「そうだろ?無双はやるとマジで気持ちいいんだって」
- 485 名前:プロローグ 新学期 1/5:2006/04/19(水) 22:53:04 ID:/u7jhJFu
- みんなが伊勢を離れてもう一ヶ月が過ぎようとしている。もちろんここに残る気持ちに
変わりは無いし、羨ましいと思う気持ちも殆どない。まぁ、多少はある…。
当然のように会えていた司やみゆきがいないという現実に、僕は漠然と不安な気持ちを
抱えていた。お互いそんな気持ちは口には出さないんだけれど、里香も多分そうだろうと思う。
もうそんな機会はないだろうけど、また屋上から隣の棟に飛び移りたくなっても、手助けを
してもらうことはできない。これから起こる問題は、二人で解決しなくてはならない。
「おはよう、裕一」
白いベンチに、長い黒髪のコントラストが映える。少し不機嫌な声を発したのは里香だ。
「おはよう里香、もしかして待った?」
申し訳なさそうに問いかける。
「ううん、今来たとこ。でも、私を待たせるなんて、裕一も随分偉くなったものね」
冷たい視線と少しほっぺたを膨らませた二段攻撃。
「えーと、…ごめん」
別の意味で破壊力抜群の表情をカメラに収めたい衝動に駆られつつ、そしてほぼ時間通り
(というか三分前)に着いたという事実は闇の中に葬りさり、とりあえず謝っておく。
鞄は持ち上がっていないし、多分怒ってはいないだろう。
「女の子を待たせるような甲斐性無しには成らないように。バカ裕一。」
「了解でございます。里香様」
人間の尊厳を失いつつある返答ではあるが、今日の里香の笑顔を見る為とあっては、
そんな物は心の奥底に惜しげもなくポイだ。明日は絶対もっと早く来よう。
「素直でよろしい」
里香は満足げに偉ぶりながら、スッと立ち上がる。同時に、長い黒髪とスカートがフワリと
風になびいた。数秒の沈黙の後、僕達は声に出さない程度にクスクスと笑いあった。
少し肌寒く心地よい風の拭く中、朝の柔らかな光に包まれた伊勢の世古を、里香の鞄を乗せた
自転車を押しながら歩く。自転車を挟んで二人で学校に向かって歩き始めた。司も、みゆきも、
山西も、ついこの前まで通っていた学校に向かって。
無事、何の問題も無く三年になって、里香が同じく二年なったのを境に、僕は互いの家の中間に
位置する公園で、待ち合わせて通学するように里香に提案したのだ。
提案を聞いた里香は、ちょっと遠くなって面倒だとか、気持ち悪いだとか、徒歩と自転車では効率も
バランスも悪いだとか、結局邪な考えがあるのではないかとか、数々の反対意見を矢継ぎ早に
羅列してはいたが、『何かあった時にすぐにサポートできるようにしたい』と、里香の母親へ、あらかじめ
根回し(というか嘆願)していた事が決定打となり、翌日には、母親の説得の甲斐もあって、なんとか
この制度が採用される運びとなったのである。
同時にお弁当の量産化を依頼したかったのだが、お母さんが作っている気配が濃厚なので、
色々考えた結果、心の中に留めておくことにした
- 486 名前:プロローグ 新学期 2/5:2006/04/19(水) 22:53:41 ID:/u7jhJFu
- 学校の階段の踊り場で振り返りながら里香が小さな声で呟く。
「じゃあね」
「おう」
潜在的に他の生徒の目が気になっているのか、僕は少し格好をつけて返事をした。
「おうじゃなくて、ハイでしょ」
横柄な返事と受け取られてしまったのか、それとも軽い冗談なのか、微妙な反応に
怯みつつ最大限に譲歩した返事を選択。ヘタレじゃないよな?怒らないよな?と横切る不安。
「はーい」
「ハイは短く!」
長い髪を揺らしながら後ろ向きで答え、教室へと続く廊下を進んでいく。
軽く怒られたが、心地よい返事。周りに人気が無い事を確認して、僕は階段の間から
後姿が見えなくなるまで彼女を見守った。
学校での僕たちは、半ば公認のカップルのように認識されているようだ。
まぁ、いつも一緒にいるので、見ればわかる的な雰囲気とでも言うべきか。
去年の結婚の噂以来、里香にちょっかいを出す男子生徒は減少傾向にあるが、あいかわらず
月に一〜二回程度は下駄箱に子洒落た封筒が入っている。
『女の子の封筒みたいだね』
『みんなステレオタイプすぎ』
『言いたいことがあれば直接言えばいいのにね』
などと、少し迷惑そうで尚且つ照れながら、そそくさと封筒を鞄にしまうシーンを何度か目撃している。
気まずいので詳しくは聞いていないが、捨てるのも悪いとの事で、封筒は開かずに取っているようだ。
封筒の中の便箋には、直接告白する為の待ち合わせ場所とか時間とか、思いの丈を伝える為に
何度も推敲を重ねたメッセージが書かれていることは、容易に想像つく。
里香も解っていて、あえてそうしているんだろう。のこのこ出向いて直接言われても困るだろうし。
あと二年、出会い頭に告白するような輩が出てこないことを祈るばかりだが、仮にそんな事が起こっても、
礼儀をわきまえない行動に対して、純真な男子高校生のガラスのハートを粉砕する言葉が
投げかけられることだろう。
特に来年は学校に里香だけが残されることになるので、非常に不安なのだ。
やっぱり、もう一回留年しておくべきだったか…同じクラスで夢の学園生活を妄想したことはあったが、
それはそれで逆鱗に触れそうだし、2年連続留年という駄目さ加減に僕の精神が耐えられる自信は無い。
とにかく、悪い虫が寄り付かないように監視するのも、悪い虫代表の僕の務めなのである。
- 487 名前:プロローグ 新学期 3/5:2006/04/19(水) 22:54:59 ID:/u7jhJFu
- 三年にもなると、教室の中は大きくいくつかの派閥に分かれるようだ。熱心に授業を
受ける者、別の教科書を開いている者、これらは、進学を考えている真面目なグループだ。
それに対抗するグループとして、睡眠学習に励む派閥が存在しているが、残念ながら
彼らの研究の成果は、過去のデータからは立証されていない。
僕はどちらのグループにも属していない『浮いた存在』になっているようだ。とりあえず好きな
授業は熱心に聞いているし、いまでは成績が底辺をうろつく体たらくでもない。高校二年を
ほぼ丸ごと1年かけて復習したので、成績は中の上まで回復していた。それでも中の上なのは
悲しい限りなのだが。
正直、まだ良くわからないのだ。これからの一年で自分がどうしていくかを決めなければ成らない。
わかってはいるが、里香の事を考えると、リアルなイメージはまだ浮かんではいない。
働くのか進学するのか。僕と里香は、まだどうするか真面目に話をしていない。
多分、里香は進学したいと思っている気がする。
『まだ、ゆっくりと答えを探せばいい。』
自分に言い聞かせはするものの、もう悠長に考えている時間もない。わかっているが、
すでに数ヶ月考えている問題の答えなど、やすやすと出るものでは無いのもまた事実なのだ。
どうするか夏目と話したい気持ちではあるが、彼もまた既に伊勢にはいない。
亜希子さんに相談してみようかと考えたが…『はぁ?どっちでもいいんじゃない?』とか、
適当な返事が返ってくる気がする。
いやいや、適当な返事の後に、真面目に答えてくれるだろうけど、結局は二人の問題と諭されて
終わる気がする。買いかぶっているのかもしれないが、夏目なら、少し違う返事をしてくれると思っている。
『もし、帰って来たら話しに行こう。次の検査の時に亜希子さんに聞いてみよう。』
都合の良い思いつきだが、今はこれでいい。
高レベルに成長した睡魔と、黒板を叩くリズミカルな音が激しい戦いを繰り広げる中、終戦を告げる
五間目のチャイムが鳴った。
「おさきー」
「ういっす」
いまだに若干敬語風に話してくるクラスメイトに、軽く別れの挨拶をし、足早に階段を駆け下りる。
- 488 名前:プロローグ 新学期 4/5:2006/04/19(水) 22:55:55 ID:/u7jhJFu
- 横開きのいかにも古そうなドアをゆっくりと開き、あたりを見渡す。
人がいる割りに静かな教室。そう、ここは我が校の図書室だ。
キョロキョロと辺りを見渡し、小さな頭の長い黒髪を捜索する。
いつも同じ席に座れればいいのだが、早いもの勝ちなのでなかなかそうも行かない。
なんとなく男子の人口密度の濃い長机に座っていた。最近発見したのだが、
里香にはファンが多いようで、あたかも偶然を装い、同じ長机に座ろうとする輩が多いようだ。
でも、きっかけを見つけて話しかけたところで『静かにして』で終わりだろうな。
目の前をさりげなく素通りする。半ば公認のカップルではあるが、学校内では、
おおっぴらには接触しないのが、僕たちの暗黙のルールと成っている。
「ゴホッゴホッ」
さりげなく咳払いをして見たものの、読書中の里香の集中力は尋常ではないようで、
一向に気が付く様子がない。こういう場合は、無理に気付かせない方がよい。
読書を中断された事で機嫌が悪くなるかも知れない。
近くの席に座り、なんとなく彼女の読んでいる本のタイトルを確認する。
「壁」と書いてあるが、もちろん誰だかしらない。巻数の多い本であれば、次の巻の貸出票に
里香の名前を書く悪戯をしようと思ったが、今日は実行できないようだ。
「ん・・」
本をパタンと閉じて、手を前に伸ばすと同時に目線が交差する。
斜め前に座る僕の存在に、十五分くらい経過して、ようやく気が付いたようだ。
彼女は本を棚にしまい帰り支度をしている。今日は本を借りないようだ。
数名の男子生徒の恨めしそうな視線を浴びながら僕はゆっくりと扉の方に向かう。
「待ってたんなら言えばいいのに」
「いや、なんか本を面白そうに読んでたからさ」
少し口を尖らせ不服そうな顔をしていたが、本の話題を振られると弱いようで、
すぐにいつもの表情に戻った。
「うん。変わってて面白かったよ。裕一も読んでみるといいよ」
「そっか。今度読んでみるよ」
「そんなこと言って全然読んでない癖に」
「ちゃんと読んでるって!」
「嘘ばっかり」
「うー。読むの遅いだけだってば!」
僕の読書予定リストは増える一方だ。
- 489 名前:プロローグ 新学期 5/5:2006/04/19(水) 22:57:01 ID:/u7jhJFu
- 少し傾いた夕日が朱色に伊勢の町並みを染める。
校門をでて、しばらく歩くと少しなだらかで長い下り坂がある。
見回りの先生がいない事を確認して、里香を自転車の後ろに乗せる。
「裕一は悪いなぁ」
少し笑いながら悪戯っぽく言った。
「里香も同罪」
僕も少しおどけながら答えた。
ちょっとゆっくり目にスピードを調整しながら坂を下りていく。
頬に心地よく当たる風が気持ちいい。
今、彼女はどんな表情をしているだろうか?長い髪は風に揺られているだろうか?
振り返りたい衝動に駆られつつ、僕の運転する自転車はゆっくりと坂を下りていく。
φ
里香の体力は、日常生活を送る上で問題無いレベルに回復している。
むろん走るとか、体に負担をかける運動をしない事は、あいかわらず絶対条件ではある。
透き通った白い肌は鍵っ子の不健康さを連想させるけれど、美白だとか言われるこの時代には、
普通の健康な高校生にしか見えない。学校の殆どの生徒も、特に男子生徒は、
里香は病弱程度にしか思っていないだろう。
体の状態を頭では十分に理解している僕でも、今、目の前にある現実、『健康に見える里香』
という現実に騙されそうになる。そのまま騙されていれば、どんなに幸せだろうか。
どんなに心が晴々するだろうか。
でも僕は、自分に騙されてはいけないと言い聞かせている。
これは現実だけど、本当に目の前にある現実なんだけど、一瞬で壊れてしまうような朧な現実なんだと。
何度も何度も自分に言い聞かせている。
一分でも一秒でも長く、この輝きを、
僕と里香の記憶というフイルムに、消えないように焼き付ける為に。
(終わり)
- 490 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/19(水) 23:10:32 ID:/u7jhJFu
- 考えた結果、テキストでアップすることにしました。
右も左もわからない状態ですので、小説の技術が上達することが
僕の最大の目的です。それは多分、今の僕1人だけでは無理です。
このあと本編に続くつもりでいます。次は30ページぐらいで
構成しようと考えていますが、この調子で書き進めても駄目
かもしれないので、アドバイスや指摘をいただければ幸いです。
ルビ入れとか平行で作業していたのですが、今日からはやめます。
PDFで構成しながら、投稿するときはテキストをペーストするつもりです。
最終的に僕の本棚に自作でも良いのでちゃんと文庫で製本して本編と
一緒に並べる事が最終目標です。表紙や挿絵もなんとかするつもりです。
スレ汚しでゴメンナサイ。
- 491 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 00:31:59 ID:ZyRYrN7h
- なんか上のほうでごちゃごちゃもめてるからどんなんかと思ったが
普通に雰囲気いい情景描写になってるかと
でも>>490の文章がなんか不自然
- 492 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 00:55:31 ID:EvPNh+yk
- >>490
GJ!
原作のふいんきがいい感じにでてるし、描写もわかりやすくて読みやすかったでつよ
細かいこと指摘できないでスマソ……orz
- 493 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 10:26:09 ID:7s8leFAp
- アドバイス?
語りを少なくすれば読んでもらいやすくなると思うよ
- 494 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/20(木) 13:01:35 ID:jjuKd18/
- >491 492
ありがとうございます。励みになり大変ありがたいです。
この調子で書いていっても、ある程度は読める(及第点ぐらいはある)と
捉えてよいでしょうか。
>493
もう少し比率を、会話部分や主人公の思考に重点を置くということ
でしょうか? 情景描写が多いですかね。
もしそうでしたら、次に書く際に気をつけてみたいと思います。
認識間違えていたらぜひ教えてください。
昨日ある程度大きな流れ(プロット?)を書いたので今日から続きの
本編を書きはじめたいと思います。
レスいただけた3人の方に見放されないように、できるだけ面白くなるように
頑張りたいと思います。
文庫ページ数で4枚書けるたびに、こちらに貼り付けたいと思います。
- 495 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 13:09:40 ID:kklLiz2G
- 里香はそんな性欲重視の淫乱じゃないっ
- 496 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 13:11:59 ID:kklLiz2G
- ごめん、誤爆みたい。
>>484の途中までしか見れて無かった。
- 497 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/21(金) 00:24:23 ID:qixs325f
- とりあえず続きの4枚を書きましたが、もっと貯めてからアップした方が
良いでしょうか?
なんか現在誰も書き込まない板になっているので、スレ違いな内容と
このスレの状況に不安になってきました・・・。エロくないし。
- 498 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/21(金) 01:08:59 ID:UIqa/1Eg
- 読ませてもらいました。
情景や構成は良いと思います。
ただ言われてるように、会話というか里香とのやりとりが少ないので
裕一の一人舞台のように感じて寂しいかな。
比べるのは間違えてると思うけど
キソケ氏のエロSSが他のSSに比べて良かったと思うのは
裕一を描写してるんじゃなくて裕一から見た里香を描写出来ていて
裕一視点として感情移入しやすかったのではないかと思う。
まぁ僕が里香を見たいだけだから、そう思うのかもしれないけど。
何はともあれ、お疲れ様でした。これからも期待しています。
- 499 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/21(金) 02:18:46 ID:jrk52WAH
- >>497
エロくなくても全然いい。書いてくれるだけでもありがたい。
というわけでどんどんうpして下さい
- 500 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/21(金) 13:28:52 ID:qixs325f
- 日記状態でゴメンナサイ。
>498
適切なご指摘ありがとうございます。おっしゃる通り、確かに里香の描写が
弱いと思いました。今日帰ったらその辺を踏まえて今まで書いた分の補強
というか手直しをしたいと思います。それで少しでも良くなれば・・。
修正しても、1回アップしたので、さすがにここには貼り付けできないですね。
小説1冊で250ページぐらい必要なので、里香べったりには書けないですが、
関連する箇所の描写はできるだけ大事に気をつけます。「そこがすべて」位の
つもりで書きたいと思います。
あと、やはり原作にならい、ベースは裕一主観で進めたいと思います。
昨日oneday読みました。萌え死にました。いろんな設定が手に入ってうれしいです。
- 501 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/21(金) 22:21:09 ID:Oe6agT3U
- >>500
一通りプロローグ読んだが、もう少し言葉を選んだほうがいい。
作品の雰囲気にもよるが、その作品ではところどころ雰囲気を
壊す感じがある。
例えば、
里香の事を考えると、リアルなイメージはまだ浮かんではいない。
日常生活を送る上で問題無いレベルに回復している。
この辺だな。ほかにもあったが探すのが面倒なのでこの二つだけあげとくが、
カタカナは使いどころ選ぶからな。
少なくともこの文では英語カタカナより別の表現の仕方のほうが雰囲気にはあうと思う。
小説ってのは雰囲気が大切だからな。
読む側は気づかないが無意識に雰囲気を意識してるもんだ。
文章力なんてなくたって雰囲気がよければ読み物としてはかたちになる。
文章力以前の問題だ。
- 502 名前:498:2006/04/22(土) 01:18:03 ID:IF489xVw
- >>500
別の日のonedayを読めるなら、自分としては大満足ですw
あの楽しい雰囲気を再現させて下さいw
- 503 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/22(土) 02:28:26 ID:mcReJC+2
- プロローグ手直ししました。各所微調整ですが、ちょっとだけマシになった気がします。
一応けじめとしてアップさせてください。
ttp://uploader.xebra.org/?id=7181d39
パスはhantsukiです。24時間で消えます。TXTですが、ルビありでそのままだと読みにくいです。
もしも読む場合はマンガミーヤか青空文庫形式で見るのをお勧めします。
<変更・調整箇所>
・里香の描写をもう少し強化。 498さん指摘部分
・会話をもう少し膨らませる。 493さん・498さん指摘部分
・雰囲気を破壊するようなカタカナの取り扱い、不要な使用を極力さける。 501さん指摘部分
→代替断念した箇所はそのままですが・・・。
>501さん
ありがとうございます。日常、僕が使う言葉を使ってしまっていたので、
指摘していただいて凄いありがたかったです。
小説がどんな物かもなんとなく伝わりました。
多分文章を書かれている方なんだろうと思います。
是非またよろしくお願いします。
昨日書いた本編数ページの修正もしたかったんですが、もう遅いので明日直してから
アップするつもりです。
- 504 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 1:2006/04/22(土) 14:40:23 ID:mcReJC+2
- 「戎崎君。そいじゃ、あとは店番よろしく。八時になったらシャッター閉めて鍵はいつもの
所に置いといて」
古ぼけた白いワンボックスカーに乗る、同じく古ぼけたおじさんに軽く会釈をして、僕はこ
この主の指定席に向かった。
店の中は独特の匂いで薄暗く、そして通路は極端に狭い。
お客さんに鉢合わせたら、横向きですれ違うのがやっとで、気を抜くと山積みされた大量の
古書を片付ける羽目になる。
何度倒して不毛な作業を強いられたことか。これ以上、仕入れたって置くとこないって。まったく。
僕は高校三年になって古本屋でバイトを始めた。
高校生活を楽しむ為には先立つものが必要で、母親からの援助だけでは、とてもじゃないが、
ゆとりある高校生活を楽しむことはできない。
それに里香とどこかへ行く時に、中身の寂しい財布を持ってわけにも行かない。
変なプライドとは思いつつも、やっぱりお金があるに越したことは無い。
バイトを探そうと思っていた矢先、古本屋の前を通った時に、偶然アルバイト募集の張り紙
を見つけた。
『チボー家の人々』を買った(買ってもらった)、僕にとっては特別な古本屋だ。
週二回という生ぬるい条件は、今の僕にとって好都合だったし、何より古本屋というのが最高だ。
わざわざ買いに行かなくても本が買えるのだ。なんて素敵なことだろうか。
「裕一がやりたきゃ、やればいいよ」
翌日の学校の帰り、僕は里香にバイトのことを打ち明けた。
「私がとやかく言う問題じゃないし。それは裕一が決めることでしょ」
里香はちょっと不満げに答えた。
自分がバイトをする時は、一度駄目と言われているわけだから、
理由はどうあれ釈然としないよな、やっぱり。ごめんな里香。
「週に二回だけだし、本屋だったら里香にも都合がいいだろ?だからさ、お願い!」
僕は許可が出ているにも関わらず、里香にお願いをしていた。
「だから良いってば。しつこいなー」
「ほんと?怒ってない?」
「怒ってない」
ムスっとして完全に怒っている。
「ほんとに?」
「もう、鬱陶しい!良いって言ってるでしょ。裕一のバカ」
「バイト代入ったら、何でも奢るからさ!そうだ、また、てこね寿司食べにいこうぜ」
「…うん」
少し沈黙してから肯く。
- 505 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 2:2006/04/22(土) 14:41:18 ID:mcReJC+2
- 「そのあと甘い物もつける事」
奢るという言葉に反応して和らいだ表情に胸を撫で下ろし、何とかバイトの許可を取りつけたのだった。
いや、本当はバイトなんてやりたくないんだよ。里香と一緒にいろんなものを見に行きたいんだよ。
それには少しばかりのお金が必要なんだ。僕は心の中で呟いた。
疲れた座布団が張り付いた椅子に座り、店長の用意したメモを見る。
なになに、新しく買い取った本の整理と軽い掃除・カバー掛け・シュリンク・清掃・窓拭き・
トイレ掃除。すでに店番じゃないことに少々疑問を抱きつつも、さっさと本の整理を進める。
といってももう、置くところ無いってのに、あの考えなしの店長は何でこんなに仕入れるんだろうか。
仕方が無いので、本の大きさと種類を大まかに分けて、小さな山をいくつかレジの前に積んでおいた。
値段は僕には付けられないので、店長が付けやすいように準備しておく。黄ばみが激しい本はヤスリを
かけて、表紙が汚い本は少し湿った布で軽く拭く。ダンボール三箱をさっさと終わらせる。
それにしても、お客さん全然来ないよな。一時間に一人も来ないことはざらで、
雑用を押し付けたくなる気持ちはわからないでもない。
何しろ、本が減る量よりも増える量の方が遥かに速いんだから。
近い将来、この店の通路は絶対に一方通行になるだろう。
店の外の空気を吸う為に窓拭き業務を執拗に、念入りに行って、もうこれ以上綺麗にするのは
無理だって位に綺麗になった。拭いたのは硝子扉一枚だけだからバランスが悪いんだけど。
この不自然さによる集客効果は高いと見たね。
窓拭きを終えて店長の指定席に座り、休憩がてらの店番を始めることにした。
誰もいない静かな空間と大量の本。自分の店なら絶対に本を読む環境だよな、これは。
というかこの状況では本を読むしかない。裸で風呂の前で桶に座っているようなもんだ。
風呂に入るしかない。
自分の読みたい本を持ってきていない事に後悔しているが、そもそもバイトの身分で給料を
貰って本を読んでいいのかもよくわからない。
店長に聞いてから、もしも『良い』って言われたら堂々と読もう。『駄目だ』って言われたら隠れて読もう。
- 506 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 3:2006/04/22(土) 14:42:54 ID:mcReJC+2
- トイレ掃除以外を終えた僕は、休憩がてらの店番がすでに二時間を越えたあたりで、
さっき拭いたばかりの綺麗な方の扉がゆっくりと開いた。見慣れたシルエットに僕は驚いた。
ちょっと、この小汚い店長愛用の地味なエプロンを、すぐにでも何とかしたい気分で一杯になった。
白いブラウスにフリルの付いた長くて赤いスカート、肩から掛けた小さなポーチ。
どこからみても女の子な彼女は、静かに硝子扉を閉める。
「いらっしゃいませ〜」
緩みそうな頬をできるだけ引き締め、僕は杓子定規な挨拶をした。自然と声は軽やかになった。
来るんだったらメールでも送ればいいのにな。いや、送らないほうが彼女らしいとは思うんだけど。
その訪問者は、僕と一瞬だけ視線を交わし、軽く微笑んだあと、店の中の本をじっくりと見始めた。
仕事の邪魔をしないように気を使ってくれているんだろうか。
その他の客がいないのでそんな気を使わなくてもいいのになと思いつつ、『どんな本をお探しで?』と
颯爽と登場するつもりで立ち上がった瞬間、学生二名様がご来店。
「いらっしゃいませ!」
僕は自分の運の無さを恨んだ。さっさと漫画本でも購入していただき、またのご来店を願いたいという
希望も叶わず、一人は文庫本を手に取り、薪を下ろした二宮金次郎の銅像よろしく、読書を開始してしまった。
自分も立ち読みは嫌という程やってきたが、今日、初めて店員の気持ちがわかった気がする。
立ち読みは駄目だ。みなさん、ちゃんと本は買って読みましょう。
ただし、ここは店長曰く『立ち読み歓迎店』なのだ。
本好きおじさんによる趣味の店のなんと優雅なことか。
ここでは、ハタキは立ち読み客を追い返す道具ではなく、ただの掃除道具でしかないのだ。
(つづく)
- 507 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 4:2006/04/23(日) 03:39:39 ID:Dl9a1Lof
- さすがに他のお客さんのいる中で、気楽に話しかけることには抵抗がある。
まだバイト二日目の僕にそんな度胸は無い。少し意識して里香に視線を送りつつ、僕にとっては
迷惑な、お店にとってはありがたい、その他二名のお客さんが帰るのをやきもきしながら待っていた。
あと二十分もすればようやく閉店の時間を迎える。
ゆっくり時間が流れる中、ふと明暗が浮かんだ。そうだ、メールを送ろう。
『八時でバイトが終わるから、一緒に帰ろう』
即効で入力し、送信ボタンを押そうとした矢先、携帯がブルッブルッと震えた。
一通のメールを受信。送信者は里香からだ。やっぱ考えることは同じなんだ。
嬉しくてちょっとドキドキした。胸の高鳴りを抑えつつメールを開く。
『仕事頑張ってね。またね』
メールを読んで僕は愕然とした。
たしかに、今日ここに来ることも、一緒に帰るなんてことも約束はしていない。
でも、一緒に帰るのは無理だとしても、一言も話さずに帰るのは、あんまりではないか。
すぐに里香の方を見る。硝子扉を開き、こちらを見て微笑み軽く会釈をして帰る瞬間だった。
抗議をする暇も与えず、里香はそそくさと店を出ていってしまった。
さっきまでの幸せな気持ちはどこへ行ったのか、一気に奈落の底に突き落とされた様な気分。
やり場の無い気持ちに、体中の空気が溜息となって溢れ出す。
あと十数分で閉店なのに帰るか普通。いや、里香なら、秋庭里香なら十分ありえる。
買い物か何かの用事のついでに立ち寄っただけだったんだ。
変に期待してしまった自分が、無性に嫌になった。
なんか、情けないし、恥ずかしいし、胸はモヤモヤしてるし、『切ない』ってこういう気分の事を
言うんだろうな。
はぁー。いくらモヤモヤを吐き出そうとしても、吐き出せないみたいだ。
- 508 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 5:2006/04/23(日) 03:40:14 ID:Dl9a1Lof
- 外はすっかり闇に包まれ、人通りはまばらで僕の寂しい気持ちを大きくしていた。
静けさの中、かすかに虫の鳴き声が聞こえる。
身も心も疲れきった体で店のシャッターを降ろし鍵を閉める。ようやくバイトが終わった。
トボトボと、うつむき加減で店の近くの自転車置き場に向かって歩く。はぁー。
「おつかれさま、裕一」
目の前には、街頭の明かりに照らされた里香の姿があった。
「驚いた?」
小さなポーチを後ろ手で持ち、ちょっと悪戯っぽく言う。してやったりな表情。
なんかもう、ビックリして、嬉しくて、ひどいなぁとか、嬉しいなぁとか、いろんな想いが込み上げる。
「里香、帰ったのか思った」
僕はちょっとすまして言ってしまった。
暗く寂しい街並みを一人で帰ろうとしていたから。
さっきまで何か期待している自分と、現実との違いにたまらなく切ない気持ちに成っていたから。
本当に嬉しくて泣きそうだったから。
「あー驚いてない!裕一は冷たいな。二十分も待ったんだよ!」
外で二十分も待っていたのは里香自身なんだけど。そんなことはどうでもいい。
「ごめん!実はすっごいビックリした。スゲー嬉しい!」
僕はなんて伝えたらいいか、わからなかったけど頑張って伝えた。
(つづく)
- 509 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/23(日) 03:47:09 ID:Dl9a1Lof
- とりあえず張り付けました。まだ、帰りシーンで続きます。
なんかスレ荒らしっぽい自分に猛烈な不安が・・。
読んでくれている人が1人でもいる事を祈ります。
- 510 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/23(日) 09:09:33 ID:BNpooe1m
- GJ!
このほのぼのとしたふいんきがいいね〜
続き期待してます!
- 511 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/23(日) 14:49:20 ID:Dl9a1Lof
- なんか起きてから読んだら誤字脱字&推敲足らずな箇所がボロボロとある・・。
深夜に書き上げてすぐに掲載するのは危険ですね。「明暗」とか「と」が抜けてるとか、あぁ。もう。
ただ、書いたのを修正し続けるのも前に進まない気がするので、ある程度手直ししたら
続きを書き、区切りまで全部書いたら本格的に手を入れるという感じで行きたいと思います。
振り返りすぎると1冊分なんても書けない気がするので。
>510
ありがとうございます。なんとか面白くなるように頑張りたいと思います。
僕の中で1番の敵はモチベーションの維持なので、本当にありがたいお言葉です。
- 512 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/23(日) 20:35:36 ID:460bTvRA
- この最後にならないと報われない感じが裕一らしくていいすねw
次回も期待してます〜
- 513 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/23(日) 21:25:25 ID:TC3M28u8
- 確かに裕一クオリティとでも言えそうなものが存在するな
ss化する時はそれをどう意識するかが鍵か
- 514 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 6:2006/04/24(月) 01:31:49 ID:oOAOsGSd
- 多分、想いの九十%は伝えられなかっただろうけど、今の僕にはこれが精一杯だ。
「ん、よしよし」
捨て犬を撫でるような台詞。
「帰ろっか」
「うん」
彼女は微笑みながら小さく肯いた。いつの間にか、さっきまで僕の体の中を占領していた
モヤモヤは綺麗に消えていた。
自転車を挟んで二人でゆっくり、夜の伊勢の街を歩く。なんども通った道なんだけど、
彼女が横にいるだけで、なんでこんなに幸せな気分になるんだろうか。
彼女も今、僕と同じように、幸せなんだろうか。
半ば放心状態で考え事をしていた僕に、里香が話しかける。
「静かだね、裕一」
「えっ、あぁ。うん…」
僕はそれがきっかけで、やっと気持ちを取り直して、普通に物事を考えられるようになった。
「店長がさ、本ばっかり仕入れてさ、店ん中、本ばっかりなんだ」
「あたりまえじゃない。古本屋さんなんだから。裕一、バカみたい」
くすくすと笑う里香の姿をみて、僕は自分の言った事が少し恥ずかしくなった。
そりゃまぁ、確かにその通りではあるが、それを伝えたいんじゃないんだよ。
「そりゃ。まぁそうなんだけどさ、いや、減る量と増える量のバランスがね…」
「あははは。そんなの裕一は気にしなくて良いの」
「まぁ、そうなんだけどさ、通路がね狭いからさ」
「さすが将来の店長さん!あはは」
笑いの壷にはまったみたいで、ゲラゲラと笑っている。僕は、自分は天然なんだろうかと思いつつも、
必死に自分の古本屋の店長という将来を否定した。
「いや、あんなとこ頼まれても継がねーって!」
「結構、似合ってたよー。戎崎店長!あははは」
「全然、嬉しくない!」
褒められているのか馬鹿にされているのか、よくわかんない褒め言葉。実は少し嬉しかったのは内緒だ。
- 515 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 7:2006/04/24(月) 01:33:07 ID:oOAOsGSd
- おかしさのあまり、ハンカチで少し涙を拭く里香。ようやく笑いは落ち着いたようだ。
二人で笑いながら帰る夜道。誰も邪魔しない二人だけの空間。
良い雰囲気に僕は無性に手を繋ぎたい衝動に駆られたが、何故、僕は自転車を押しているんだろうか。
この二人の間にある自転車を恨めしく思った。
片手で自転車を押しながら手を繋ぐ姿を想像してみたが、どう考えてもおかしかったので実行は断念した。
些細な会話をやり取りしながらしばらく歩くと、毎朝待ち合わせている公園に着いた。
数秒の沈黙。ここが二人の家の中間地点だ。
「遅いから、家まで送るよ」
「いいよ、悪いから」
「遅いし危ないから送るよ。断ってもついていくから」
「ん。ありがと」
滅多に見れない素直な里香を見て、僕は誇らしく穏やかな気持ちで一杯になった。
この時間が一生続いたらいいのにな。いや、一時間でもいい。
だけど、あと十数分でこの時間は終わりを告げる。
できるだけゆっくり歩くぐらいしか僕には抵抗する手段がない。
「今日ね…」
「ん?」
里香が小さな声で俯いて小さな声で呟いた。
「お母さん…」
「うん」
「用事で…家居ないんだ」
それはどういう意味だろうか。一瞬で、僕の穏やかな心は、天変地異が起こったかのごとく変化した。
心臓がバクバクなっているし、声が出ない。苦しい
(つづく)
- 516 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/24(月) 01:50:06 ID:oOAOsGSd
- とりあえず昨日よりは校正確認をしてアップしました。
前日分の気に入らないところを結構修正してから続きを
書いたのであんまり書けなかったです。
修正含めると1日3P書くのが今の僕の限界っぽいです。
今全部で22ページぐらいです。
>512さん
ありがとうございます。なんとかやる気を継続してtotal250
ページを目指します。
- 517 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/24(月) 07:19:09 ID:otfegjO6
- 職人さん頑張ってください(>_<)
- 518 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/24(月) 17:46:40 ID:Tap3umRy
- うぃお〜
- 519 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/24(月) 18:13:21 ID:z9ypFhlQ
- >>515
そこで寸止め!?続きwktkで待ちます
- 520 名前:Ξキソケ:2006/04/24(月) 21:21:04 ID:+PT5EdOD
- >>516
今までのSS、楽しみに読ませてもらっています。
俺と同じで前置きも練って書く派なんですね。親近感が湧きますw
それで突然ですが、実はあなたが今書いているSSに盛り込んでもらいたいネタがあるのです。
里香とのHの時に裕一が、胸の手術の跡を気にしている里香のコンプレックスを打破する。というネタです。
このネタは恐らく、初体験で使う事で最も効果が上がるネタです。
無理があるのは承知ですが、俺が初回で使い損ねたネタを使ってやってはくれないでしょうか?
いわばリクエストです。純粋にあなたの手腕が見たいです。
それでもしあなたがこのネタを使いたくないのなら、俺が次のSSで使うことにします。
- 521 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/24(月) 23:09:30 ID:oOAOsGSd
- 会社から帰りました。できればアップしてからレスしたかったのですが、
今回は失礼に当たりますので、先レスさせていただきます。
>517さん
えと、僕は職人ではないのですが、仮に僕向けのメッセージだとすれば
頑張ります。ノーレスでヘコんでも負けないように頑張ります。
他の方々へのメッセージだとすれば、勘違いでゴメンナサイ。
>519さん
僕の力量では期待に答えられないかと思いますが…。
できるだけ面白くなるように頑張ります。もし内容に違和感あれば指摘を
いただければありがたいです。
>キソケさん
ご丁寧なレスありがとうございます。先人の方々からのレスは本当に
嬉しいです。とてもレスが難しい内容なのですが、頑張って書きます。
現在片手で数える程ではありますが、読んでいただけている方も
いらっしゃいますので、キソケさんのご提案のネタを使用することは
タブーな気がしています。
また、僕はリクエストをいただいてお見せする程の力量は持ち合わせ
ておりません。小説とは何か?という問いも4日ぐらい前から考え始めた
ような素人丸出しの迷走状態です。
ここはキソケさんを待っている人の為にも、キソケさんご自身によって、
ご提案頂いたテーマを書かれる事が、みなさんの為にもよろしいかと考えて
おります。
- 522 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 00:50:53 ID:SsGTbV8+
- さて、まだかな
- 523 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 8:2006/04/25(火) 03:31:37 ID:dG44jcI3
-
φ
僕達は、何分ぐらいこうしていたんだろうか。
シーンと静まり返った電気の消えた部屋。
時計の秒針と、彼女の息づかい。目をつぶれば、今にも彼女の鼓動が聞こえてきそうだ。
僕は長い黒髪に顔をうずめ、立ったまま彼女を軽く抱き締め続けている。
二人の頬は、今にも触れそうだけど、でも、触れることができなくて、僕は何度も何度も
深く息をした。もうすっかり、目は部屋の暗闇に慣れて、最初は判らなかった彼女の表情を、
微かに感じるとることができる。
少し照れたやさしい表情。
僕は目を閉じ自分の鼓動を確かめる。だいぶドキドキは収まったみたいだ。
彼女の髪は、しっとりとしていて洗い立てのシャンプーの匂いがした。
『いい匂いだな』と心の中で呟く。
僕は、それだけで幸せな気持ちで一杯になっていた。
彼女の吐息が、何度も僕の右肩を、くすぐったく吹き抜ける。
僕の肩に、ちょんと寄りかかる軽い重み。心地よい重み。
彼女の両手は、少し緊張して、僕の胸に添えられている。
拒絶するでもなく、受け入れるでもなく、本当に軽く添えられているだけ。
僕の手の中の彼女は、想像していたよりも全然小さくて、びっくりするほど細くて、
今にも壊れてしまいそうなぐらい華奢だったから、本当にゆっくりと、ゆっくりと、
壊れないようにギュッと、彼女を抱き寄せたんだ。
『裕一…』
彼女の鼓動が、僕の胸に伝わる。
ドクンッドクンッと、少しだけ早い鼓動が僕に伝わる。
彼女の心臓は今、精一杯、頑張って脈打っている。一生懸命、生きようとしている。
僕は、例えようの無い愛しい気持ちで心が溢れていた。
神様…どうか、この小さな命の輝きを、僕から奪わないでください。
ゆっくりと二人の距離は縮まり、今にも頬が触れそう…。
ドクンッドクンッ、僕の鼓動が速くなる。
ドクンッドクンッ、ドクンッドクンッ、重なり合う二人の鼓動。
- 524 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 9:2006/04/25(火) 03:34:18 ID:dG44jcI3
- 『里香…』
「裕一…」
「裕一…バカ裕一っ!」
ひどいな里香。この状況でバカは無いよ、バカは。ムードってもんがあるだろ?
『えっ?』
僕は一瞬で今の状況を把握した。目の前には乗りなれた自転車があるし、横にはちょっと
怒ってあきれ気味の里香の姿。暗く静かな街並みを歩く二人。
空には、約半分の月が輝いていた。
「なんでずっと黙ってるの?裕一、気持ち悪い」
「あっ…あぁ。ちょっとね…。考え事」
「ふ〜ん。へぇ〜」
ちょっと意地の悪い顔。なんか見透かされたような気分。
いや、実際見透かされているんだろうけどさ。
ぼくはいったいどれぐらい妄想の世界に旅立っていたのだろうか。
里香との帰り道、二人だけの大切な時間。
僕はいったい何をやっているんだろうか。あぁ、穴があったら入りたい。
「裕一のH…何考えてんだか」
「そんな事考えてないって!」
僕は精一杯、否定した。でも顔は自然と真っ赤で、実際そうだから後ろめたい。ゴメン里香。
「よく言うよ。時々、変な顔してたよ」
「あははは…はぁー」
なんか格好悪い自分が嫌になってきた。
もう、虚勢を張らずに素直に里香と話をしよう。
里香には浅はかな考えなんて通用しないことぐらい解ってるんだ。
そう、僕は二人で歩いてる時に、よからぬ考え事をするようなバカなんだから。
「…えーと。どんな顔してた?」
「ニヤニヤしてた」
「あはは…はぁー」
「裕一はバカだねぇ」
「はははは」
「相当のおバカだね」
バカバカ言われて、僕は自己嫌悪にさいなまれながら、この気まずい時間が
一刻も早く過ぎ去ることを祈った。
「もう、里香が変なこと言うからだよ!」
「…」
「…ゴメンね」
里香がボソリと呟く。
「…えっ、あぁ。ゴメン」
「…」「…」
沈黙する二人。数秒間の間が怖い。一体なんなんだ、この微妙な空気は。
いつも通り僕を笑い飛ばしてくれよ。里香。
- 525 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/25(火) 03:47:14 ID:dG44jcI3
- 今日はいろいろ厳しかったです。ゴメンナサイ、こんなので。
まだ帰りシーンで続きます。
- 526 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 07:46:07 ID:vygGOWpp
- も さん、いつも楽しみに見させてもらってます。
里香は胸の傷だったり他にも色々と、初体験に到るまでに不安に思ってる事がたくさんあるかと思います。
女の子なら誰でも持ってるものかもしれません。
それらの不安をそれ以上の幸福感で吹き飛ばしてやって下さいw
期待しています☆
- 527 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 17:41:33 ID:nSP/b3KE
- >>525
小説の内容ではなく「書き方」で気になった点。
■三点リーダの使い方。
→通常「……」と二つ重ねて使用する。
■「!」や「?」後の処理。
→基本的に一文字分あける。ただし」や)など前では不要。
×「なんでずっと黙ってるの?裕一、気持ち悪い」
○「なんでずっと黙ってるの? 裕一、気持ち悪い」
○「そんな事考えてないって!」
原作もこのルールで書かれているので参考にするといいかも。
続き期待してます。
- 528 名前:Ξキソケ:2006/04/25(火) 17:46:08 ID:e8H6+8gw
- ttp://www.asahi-net.or.jp/~mi9t-mttn/
俺も多々身につまされる事があるので、
小説の書き方について説明してあるサイトを貼っておきます。
- 529 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/25(火) 21:42:03 ID:dG44jcI3
- 会社から戻りました。すいません、いろいろ自分の中の課題があるので、
今日は、多分ほとんど進みません。ごめんなさい。
>526さん
ありがとうございます。なんとか引き続き読んでいただけるように
最大限努力したいと思います。
>527さん
気になっていた部分でしたので、教えていただけて心が晴れました。
「」内の感じが、なんか原作と違うなとは思っていたのですが、基本を
教えていただき本当にありがたく思っています。
今日、全ページ修正したいと思います。100ページ越える前でよかったです。
ひとつ教えてください。
!? ← このような全角文字は一般的存在するものなんでしょうか?
!?のように縦書きでも全角2文字で扱うものなのでしょうか?
>キソケさん
良いサイトのご紹介ありがとうございます。軽く見てみましたが、
詳細に分析・解説されていますので、大変ありがたいです。
ここにある基本的な所は押さえて文章を書きたいと思います。
僕の書いている文章は、二次創作小説ということになるんですね。
- 530 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/25(火) 22:59:03 ID:O0LShlI9
- ?! →ダブルだれで検索のこと。
活字だと1文字扱いだねぇ。
- 531 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/26(水) 01:26:26 ID:yK9PDRWl
- ふと小ネタを思いついて、一気に書き上げたので投下してみる。
エロとか無い上に、超絶的に暗いので注意。
- 532 名前:小ネタ:2006/04/26(水) 01:28:40 ID:yK9PDRWl
- 僕と里香はもうずいぶん長い間何も喋らず、ただ立ち尽くしていた。握り合った手から伝わってくる、里香の体温。
二人で立ち尽くしている内に日は沈んでしまって、辺りはもう暗く、星も出ている。足元には砂浜。目の前に広がっているのは、鳥羽の海だ。……一緒に来ようって約束したの、いつだったっけ。
覚えてないや。ずいぶん昔のことみたいだよな。ほんとにさ。
「裕一」
里香は、一つ一つの音を噛みしめるようにして、ゆっくりと僕の名前を発音した。
だから僕も同じようにして、その名前を呼ぶ。
「なんだ、里香?」
「ここに来ようって約束したのって、裕一がパパの本を拾ってきてくれた直後だったよね?」
「……ああ、そうだったな」
僕達は顔を見合わせ、僅かに微笑み合う。
あの頃はまだ、里香の体のことも、どんなに里香が僕にとって大切かも、何一つわかっちゃいなかった。
楽しかった。隣に里香がいてくれるだけで何もかもが最高だったし、全てがうまくいくと思えた。
でも、もう僕達は、あんな風に明るく――あの頃のようには、笑えない。
それでもよかった。
今もここに、僕の隣に里香がいてくれてるんだぜ。それだけで十分さ。他には、何も要らない。
何も。
「里香」
真顔を作って、彼女の瞳を見つめる。
「そばにいていいか? ずっとずっと、そばにいていいか?」
里香は微笑んだまま、
「……ずっとずっと、ずーっとそばにいてね。裕一」
そして僕は里香を力の限り抱き締めて、初めてのキスをした。
唇と唇が合わさる。
腕の中にある里香の体はあまりに細く、熱く、そして愛しかった。
……ああ。やっぱり僕は、この女の子のことが世界で一番大切なんだ。
里香のためなら、司も山西もみゆきも母さんも夏目も亜希子さんも、全員皆殺しにしてやるさ。世界なんて滅ぼしてやるよ。
それで、彼女が救われるなら。
僕達が、一緒にいられるのなら。
- 533 名前:小ネタ 2/2:2006/04/26(水) 01:30:27 ID:yK9PDRWl
- 唇を離し、里香を胸に抱きながら言う。
「そろそろ行こう。里香」
そうだ。
もう行かないと、里香の体が持たない。
手術が失敗してしまった、里香の心臓が。
里香が僕の胸の中で頷き、体を離した。
僕達は強く、強く手を握り合い、海に向かって歩き始める。
波が足にかかって、くるぶしが、ひざが、腰が、水に漬かっていく。
空を見上げる。そこに輝く、半分の月。
なぁ。僕は月に向かって呼びかける。
僕達はどこまでも、どこまでも行ける切符を持ってるんだ。
これから僕達は銀河鉄道に乗って、ずっとずっと、ずーっと一緒に旅をする。
カムパネルラやジョバンニみたいに途中下車なんてしない。本当にどこまでも、永遠に一緒にいるんだ。
そうだろ?
そうなんだよな?
――――――――里香。
僕達は。ずっと。永遠に。二人で。一緒に。
- 534 名前:Ξキソケ:2006/04/26(水) 16:59:10 ID:9EUpKgSt
- >>533
>>手術が失敗してしまった、里香の心臓が。
あんたって人はぁぁーーー!!!!!
- 535 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 10:2006/04/26(水) 22:01:07 ID:Ll4eUyqS
- 僕の心の叫びも空しく、結局、僕達は無言のまま歩き続けていた。ほんの少し気まずいだけ。
喧嘩しているわけでもない。気楽に話しかければいいだけなんだけど、いくら探しても、
いい言葉が見つからない。
何を言っても、もっと気まずくなりそうで、僕は情けないけど、彼女の言葉を待っていた。
ちょっと長い沈黙。二人の足音が夜の町に静かに響く。少し肌寒い風が、僕たちの間を吹き抜ける。
「もうすぐ家だね……」
「うん……」
僕は、少し寂しい気持ちで肯いた。
ずっと里香と話をしていたい。
くだらない事で二人で笑いあっていたい。
何故、僕は無言で歩いているんだろうか。
里香は僕と同じように、寂しいと感じているんだろうか?
目の前に里香の家がみえる。あと一分もすれば、幸せな時間が終わる。
辺りはすっかり暗闇に包まれて、シーンとした静けさが寂しさを増幅させる。
さっき呟いた里香の言葉が頭をよぎる。
だけど、僕は、もうこれ以上、格好悪い自分を見せたくないから、
何かに期待する心を振り払って里香に別れを告げた。
「戸締り、気をつけるんだぞ。何かあったらすぐに携帯で連絡しろよ」
僕は寂しい気持ちを悟られないように、できる限り強がって自転車にまたがった。
せめて里香が扉を閉めるまで見守ってから帰ろう。
里香はきょとんとした目で僕を見ている。
意外そうな視線。しばらくして、少し困ったような表情をしながら呟いた。
「お母さん家いないから……」
「うん」
「帰ってくるまで一緒に居て」
僕は突然の誘いに動揺した。
いや、それは心のどこかで期待していた言葉だったんだけど、にわかには信じられない台詞。
「え? 帰ってこないんじゃないの?」
「遅くに帰ってくるって」
「何時?」
「わかんない。できるだけ早く帰るって」
「……わかった」
僕は、もう何も考えられなかったけれど素直に従うことにした。
自転車に鍵をかけ、里香の方に向かう。ぼんやりする思考。
あぁ、今日遅くなるって家に電話しなきゃ。
「……」
「そういうのじゃないから」
「……へ?そういうのって?」
ぼんやりしていたので、とっさに聞き返してしまった。
「うるさい! 裕一のバカ」
里香は少し困った顔で、恥ずかしそうに呟いた。女の子ってわかんない。
(つづく)
- 536 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/26(水) 22:33:03 ID:Ll4eUyqS
- つづきです。
本日の深夜に何とか、頑張ってバイト帰りのパートを書き終わりたいと思います。
構想はできているので多分書けるはず……。
1話50ページの道は結構遠いです。
- 537 名前:Ξキソケ:2006/04/26(水) 22:38:37 ID:9EUpKgSt
- >>535
几帳面に投稿するんですね。
俺の場合は平日の一日でこの量書けるかといえば微妙なので
これからも頑張って下さい。
それと、里香の母親が都合良く外出してるってのは、
もしかして遠回しに里香と裕一の仲を応援してるんでしょうかね?w
俺の今書いてるSSでも里香の母親は外出してます。
- 538 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/26(水) 23:47:55 ID:UsGFMPbx
- >>535
最後のバカにやべぇすげぇ萌えた
- 539 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/26(水) 23:48:21 ID:A5uTT/xn
- >遠回しに里香と裕一の仲を応援
里香ママはツンデレですから。里
香につく悪い虫を応援出来なくても
大事な一人娘の一生懸命で真剣な
好きな気持ちは応援せざるを得ない。
きっと複雑な胸中かも知れませんね。
- 540 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/28(金) 00:40:24 ID:6ki83ciL
- 会社から戻りました。12時超えてるし。
昨日はまんまと楽なほうに堕ちてしまいました。大反省中です。
今日は昨日の予定分を取り戻すべく頑張ります。
>キソケさん
ありがとうございます。継続するように頑張ります。
会社無ければどんなに良いかと思います。
今は1日2時間取るのが限界です。
ただし日中の思考の半分は小説の内容を考えています。
>538さん
そのお言葉、無茶苦茶嬉しいです。気力がかなり回復
しました。真剣に嬉しいです。
>530
ありがとうございます。変な名前ですね。活字で1文字だと
使いにくそうです。
今日は印刷系の知り合いに、電撃文庫と同じ紙が手に入るか
探りを入れてきました。かなり気が早いですが、最終目標なので
一応足場を固めようと思います。FONTが何使われているのか、
もし知っている人居たら教えてくださいまし。
- 541 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 11:2006/04/28(金) 01:58:27 ID:6ki83ciL
- なんとなく理不尽な説教だなと思いつつ、半ば思考停止状態の僕は、里香に続いて
暗い玄関に入って行く。
『あら、祐一君いらっしゃい』
いつもならここでお母さんのお出迎えがあるんだけど、今日は留守なので、当然、家は暗く
静けさに満ちている。里香はそそくさと玄関と居間の電気をつける。
「ちょっと、そこで座ってまってて」
少し足早に歩きながら伝えると、長い髪を左右に揺らしながらトントンと階段を上がって
二階に消えてしまった。
僕はソファーに座り大きく深呼吸をした。慌ただしい展開に頭がついて行けなかったけど、
ようやく気持ちを落ちつかせることができた。
状況を整理しよう。そう、僕は里香と気まずい感じで一緒に歩いていて、家に着いたので
帰ろうとしたら、何故か家に誘われて、唖然としていたら怒られて、里香は困ったような顔……。
そして今、家に二人っきり。僕はふかぶかとソファーに座っている。
『うーん』
僕はどうすればいいんだろうか。どうしたいんだろうか。
少なくとも僕は里香と一緒にいたい気持ちはいつもあるし、里香が望むならなんだって叶えて
やりたいと思っている。でも、なんか今の状況は違うんだ。
気持ちが通じ合っていないとでも言うべきか、すれ違っている感じというべきか。
そんな事を考えているうちに、階段を降りる足音が聞こえる。
「おまたせ」
見慣れた紫色のパジャマに白い上着を羽織ってる。少し長い袖口からチラッとでた指先。
手には2冊の本がある。なんだ着替えていたのか。そりゃそうか。
里香はゆっくりと僕の隣に座った。
二人の間の微妙な距離が、今の僕たちの関係を物語っている。
近い様で遠い距離。手を伸ばせば抱き寄せられそうだけど、できない近くて遠い距離。
- 542 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 12:2006/04/28(金) 02:01:31 ID:6ki83ciL
- 里香が手に持った本を膝において言った。
「祐一、時間……大丈夫?」
「ん? あぁ、電話するから大丈夫。それに何時に帰ろうが、そんなに心配されないし」
「アハハ。大事にされてないね」
「まぁ、男ってそんなもんだよ。ハハハ」
たわいも無い会話だったけど、少しは雰囲気が和んだ。
「……ゴメンね。急に」
「いや、まぁ、全然いいんだよ。どうせやる事ないし」
いや、違うんだ。
ここで『俺も一緒にいたいから』とでも言えればどんなにいいだろう。
僕は自分の度胸の無さに自己嫌悪に陥りそうだった。
「そか……」
里香が小声で呟く。
「……」
このままじゃ駄目なんだ。
里香を悲しい気持ちにさせてどうするんだよ!
僕は、今のこの雰囲気を吹き飛ばすべく覚悟を決めた。
「里香、俺……」
はやる心に言葉が詰まる。緊張して目を合わせて喋れない。
「不器用だし馬鹿で格好悪いけど、もし…」
「もしさ、里香が困ってたり悩んでるんだったら、何でも伝えてほしいんだ。
じゃないと俺さ、わかんないからさ」
僕はありのままの気持ちを一生懸命伝えた。
「……ありがと」
里香の指が僕の指に触れる。ほっそりとした柔らかい指。
何度目だろうか、僕の指が、里香の指に触れたのは。
(つづく)
- 543 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/28(金) 02:07:11 ID:fcpDveTb
- >>540
たぶん写研のMM-OKLと思うけど…そこまで詳しくないんで自信はない。
- 544 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/28(金) 23:53:20 ID:6ki83ciL
- 会社から戻りました。ノーレスは地味にボディに来ますね。
少しでも読んでくれていると祈って今日も何とか負けずに頑張りたいです。
>534さん
ありがとうございます。でも、買えないFONTだとわかって、少々
困った感じです。似たような読みやすいFONTを探すしかないですね。
- 545 名前:527,543:2006/04/29(土) 00:11:54 ID:/CEk1ilI
- >>544
感想を書かずに期待している人も多いと思いますよ。
- 546 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 13:2006/04/29(土) 02:10:10 ID:8xkSGYk/
- 重なり合った僕と里香の手。お互い指先の感覚を確かめ合う内、自然と互いに握り合う。
僕は一瞬だけ軽くキュッと握った。すぐにキュッと握り返される。
たったこれだけの事だけど、確かに僕は、里香と心が通じ合えた気がした。
里香の頭が、僕の肩に軽く寄りかかる。
「今日ね、初めてなんだ」
ドキッとする言葉。里香の声が、微かな振動となって僕の肩を伝う。
僕は少し長く、キュッと握り返す。里香も少し長く、キュッと握り返す。
「だから……ちょっと怖い…」
「うん……」
僕は肯き、寄りかかった里香の頭に、自分の頬を軽く寄りかからせる。
握り合った手、触れ合う二人の肩。柔らかい感触と少し甘い匂い。
ずっとこのまま、里香を感じていたい。
僕は目を閉じ、里香の声に耳を澄ます。
「お母さん、急に用事ができちゃって……」
「うん……」
里香を置いていくなんて、よっぽどの急用だったんだろう。
何度か家に来たけど、お母さんがいないのは今日が始めてだ。
「出かけるかどうか、凄く悩んでたんだけど……」
「……」
「私ね、『行っても大丈夫だよ』って言ったんだ」
「うん……」
僕は、里香の頭をやさしく押すように肯いた。
「……でも、一人になったら、急に怖くなって……
このまま倒れたらどうしようとか、不安になっちゃって……」
「うん……」
「なのに、裕一は帰るって言うし……」
少し泣きそうな声。
「……ゴメンな。里香」
「……」
「裕一は……悪くないよ」
僕は舞い上がっていた自分を殴りたい気分だった。
里香は一人になるのが怖かったんだ。
『ずっといっしょにいようぜ』なんて、言っておきながら俺は……。
- 547 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/29(土) 02:13:42 ID:8xkSGYk/
- つづきです。少ないですが……。
GWはちょっと製作時間を延ばしたいと思います。
- 548 名前:527,543:2006/04/29(土) 02:18:42 ID:/CEk1ilI
- >>547
お疲れ様。
- 549 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 14:2006/04/29(土) 22:33:44 ID:8xkSGYk/
- 静まり返った部屋に二人っきり。
僕たちはお互いの気持ちを確かめ合うように手を握り合っている。
今ならちょっと勇気を出せば、何でも素直に言い合える気がする。
「……もしさ」
「……うん」
「これから……今日みたいに一人になる時があればさ」
「うん」
彼女は目を閉じて小さく頷いた。
「すぐに呼んでよ。即効で飛んで来るからさ」
「……うん」
僕も目を閉じ、ゆっくりと呟く。
「ずっといっしょにいような…里香」
僕は自分に言い聞かせるように、もう一度約束をしたんだ。
「……うん」
里香は小さく肯いた。
僕は、彼女の寂しさを吹き飛ばす事ができただろうか。
僕と里香は、じっと互いの温もりを感じている。
今の僕たちは、お互い離れている時間の方が多い。
一緒にいるのは、登下校の時間と休みの日ぐらいで、そのほかの時間はお互いの生活が待っている。
ずっと一緒にいることなんてできないけど……。今の僕に言えることは、これぐらいしかないんだ。
もし来年、僕が卒業したらどういう生活を送っているんだろうか。
彼女はどういう生活を望んでいるんだろうか?
僕には、まだわからない。
心地よい穏やかな時間に終止符を打ったのは、僕でも里香でもなく、僕のおなかだった。
昼から何も食べていないことに、堪忍袋の尾が切れたようで、猛抗議を始めてしまった。
クスクスと笑う里香自然と肩が離れる。
あぁ、なんてことだ、ムードってもんがあるだろ僕の腹の虫よ! あとで思いっきり殴ってやる。
僕は照れくさくて、笑うしかできなかった。
「アハハ。裕一かっこ悪い……ご飯食べてないの?」
「しょうがないの! バイトだったんだから」
「アハハ」
里香と僕は笑っている。まぁ、それでいいか。
- 550 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/04/29(土) 22:38:23 ID:8xkSGYk/
- つづきです。夜中にもうちょっと進めるつもりです。多分。
変だったらぜひ指摘してくださいね。もっとこうした方がいいとか。
>548さん
ありがとうございます。ROMな人が居ると信じて、気力に変換します。
- 551 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/29(土) 22:43:26 ID:jobUaUqi
- 乙
俺もwktkして待ってるんで頑張って下さいw
- 552 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 15:2006/04/30(日) 03:49:06 ID:AYsUDX7h
- 「なんか作ってあげよっか?」
「えぇ? 里香、料理できるの?」
ボカッ! 膝に置かれていた本で頭を軽く殴られた。かなり痛い。いや、ずっと病院だったから、
料理の勉強をする時間なんて無かっただろうし、びっくりしたから聞いてみただけなんだけど、
馬鹿にしていると勘違いされたらしい。
「フフフ、祐一君。本には何でも書いてあるんだよ〜」
里香が不適な笑みを浮かべる。料理の上手さとレシピ本はあんまり関係ない気がするけど、
手料理を食べられるなら喜んでお願いしよう。
お母さんがばっちりと色々教えているかもしれない。
だから、おいしいに違いない。多分そうに違いない。いや、そうであって欲しい。
弁当はお母さんが作っているみたいだけど、多分どこかで色々と研究を重ねているに違いない。
「ぜひお願いします」
食べられるだけでも幸せなんだから、僕は喜んでお願いをした。
「フン。もう作らない。祐一は食パンでもかじってなさい」
「えぇ〜!」
あぁ、ちょっと拗ねた感じも可愛いな。
そんなことを思いながら、僕は懸命に頭を下げて、晩御飯の制作意欲が回復するように、
何度もお願いをしていた。
「最初から素直に食べたいって言いなさい! 祐一のバカ」
「……ちょっと待っててね」
里香はそう言いながら、台所へと向かう。
「はーい」
「ハイは短く!」
また怒られた。でも嬉しい、そんな気分。
台所に立つ里香の姿を妄想しながら、僕はバイトで疲れた気だるい体を、ソファに深々と沈めた。
そこには、まだ里香の温もりが残っていた。
あぁ、あの時、腹の虫が機嫌を損ねなければ、もっと違ってたかもと思うと悔しいような、悲しいような。
いや、ここは里香の手料理を食べられるきっかけを作ってくれた事に、素直に感謝しよう。
里香は何を作ってくれるんだろうか? 楽しみだけどちょっと不安。
もちろん、どんな料理が出てきたって、全部美味そうにたいらげるさ。
いや、僕たちの将来のことを思うと、もしも仮に、万が一おいしくない場合は、ハッキリと伝えた方が
料理の上達も早いかも知れないな。
いやいやまてよ、そんな事を言ったら里香に料理を投げつけられるに違いない。
そうなったら、また機嫌を取るのが大変そうだ。
ところで、エプロン姿で料理してるのかな? だったら凄い見てみたい。
今から覗きに行こうかな。あぁ、カメラ持って来れば良かった……。
僕はそんなことを思いながら、幸福な待ち時間を楽しんでいた。
(つづく)
- 553 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 04:04:00 ID:BhEurMbs
- >>552
GJ!!でもあんまり無理して体を崩さないように。
- 554 名前:も:2006/04/30(日) 11:29:19 ID:AYsUDX7h
- ちょっと前から裕一の漢字間違えてるし……。あぁ。
標準FEPは、なんで学習がクリアされるんでしょうか。
>551さん
どもです。ありがたいお言葉です。そろそろモチベーション低下が怖い時期に入ってきているので、たまに声を
かけてやってくださいまし。本当にそれで全然意識変わるので。
>553さん
ありがとうございます。今日も頑張ります。
GWは日中寝れるときは寝てるので何時に
起きていようが平気なのです。
GWですので職人さんのGWのSSのupを楽しみに
しております。
- 555 名前:名無しさん@ピンキー:2006/04/30(日) 12:31:20 ID:5/e0EECs
- >>554
ゆっくりでいいので頑張って書いて下さいね
- 556 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 16:2006/05/01(月) 00:17:16 ID:TVvsoPWe
- それから十分ぐらいだろうか、玄関から『ただいま』の声が聞こえた。
遅れて里香の嬉しそうな『おかえり』の声。
十時を前にして、ようやく里香のお母さんが帰ってきたようだ。
まだ手料理にありついてもいないし、もうちょっと遅くても……、いや何でもない。
僕は、そそくさと軽く身だしなみを整え、挨拶に向かうことにした。
あぁ、なんて言うのが良いだろうか、こんな時間に二人っきりで家にいたら、
気まずい以外のなんでもないよな。
何の作戦もなく玄関に到着。そこにはお母さんと、気まずい表情の里香が立っていた。
「お母さん、お邪魔してます。あはは」
「あら、裕一君。いらっしゃい」
ちょっと驚いた様子。そりゃ、びっくりするよな普通の親なら。
「えと、裕一が暇だって言うから、さっき来て貰ったんだ」
「そうなんですよ、もう暇で暇で……」
里香、もう少しマシな説明してよ。余計に怪しいよ。
僕は心の中で里香に苦情を言った。
当然聞こえるわけもなく、なんか微妙な雰囲気が僕たちを包んでいる。
なんとなく状況を察したのか、お母さんが口を開いた。
「……裕一君もたいへんねぇ。ごめんね里香わがままで」
「いえ、そんな。よくできたお子さんで」
「アハハ、何言ってんの裕一!」
ゴスッ! 笑いながら里香の肘が、僕のわき腹に突き刺さる。
お母さんの位置からは見えない絶妙な角度。
表情を変えずに『痛くない』と、自分に言い聞かせる。凄い痛い。
「いや、近所を偶然通りかかったもんで……寄らせていただきました」
「そうだよお母さん」
里香、もっと上手いことフォローしてよ。
「裕一君もホントたいへんねぇ。ゆっくりして行って」
里香のお母さんがクスクスと笑いながら答える。和やかな雰囲気に僕は安心した。
「あっ!」
玄関で立ち話をしているうちに、なんか台所の方から焦げ臭い匂いが漂ってきた。
里香とお母さんは慌てて台所に向かった。
それは何が原因で発生している匂いなのかは、僕には皆目検討がつかない。
が、もしもだ、まだ里香の手料理が食べられるようであれば、
『美味しそうに全部食べる』と、僕はあらためて覚悟をしたんだ。
大丈夫、それは美味しいに違いない。多分そうに違いない。
(つづく)
- 557 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/01(月) 00:24:09 ID:TVvsoPWe
- つづきです。やっとバイト帰りのパートが書き終わりました。
結構、会話と展開を重視して書いていたら、思ったよりも
ページがかかりました。あと今日は表現や名称統一とか
全体的に修正しました。
>555さん
ども、ありがとうございます。頑張ります。
ただ、ゆっくり書くと動きが止まりそうで怖いんですよね。
なので、できるだけ1日1回は書く努力をしたいと思います。
くじける時もあるかと思いますが、その時はお尻を叩いて
頂ければ嬉しいです。
もちろん読んで頂ける価値があればの話ですが……。
- 558 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 17:2006/05/02(火) 02:05:49 ID:XWEgIQLD
-
φ
僕は図書室の扉をゆっくりと開いた。
いつも静かなその部屋は、いつにも増して静かだった。
注意しながら、軽く辺りを見渡す。たまたま早く授業を終えた僕は、
なんとか一番乗りを果たすべく、急いで駆け付けてきたのだが……。
『よし、里香はまだ来ていない』
僕は、前々から進めていた計画を続行することにした。
本棚には大小様々な本。これでもかと立ち並ぶ本棚たち。
順番に慎重に目を通していく。
もちろんジャンルは分かれているし、ある程度探しやすくなっているとはいえ、
そう簡単には目的の本は見つからないのだ。
数日前から隙を見つけては捜索を続けてはいるものの、残念ながら、まだ発見には至ってはいない。
捜索は、かれこれ二周り目だ。誰かが借りているかもしれない。
念の為、二周り目の確認中なのだ。
『なんとか里香よりも、先に見つけなくては!』
ちらほらと図書室に来る生徒が現れ始めた。
もう、里香がやってきてもおかしくない時間だ。
僕は、焦る気持ちを抑えつつ、見逃さないように慎重に本棚に目をやった。
そう、この計画は、まず彼女よりも先に、その本を見つける事に意味があるんだ。
いや、もしも、ここにその本があるとすれば、もう先に見つけられているかもしれない。
彼女の方が図書室にいる時間が長いんだし、僕よりも把握しているだろう。
もちろん手に取るかどうかは、わからないんだけど。
でも、あったとしても、別に、まだ手に取らなくてもいいんだ。
あと少しで、すべての本棚の確認が終わる。何とか今日中に結論を出せそうだ。
- 559 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 18:2006/05/02(火) 02:06:59 ID:XWEgIQLD
- 「何探してるの? 裕一」
背後から里香の声。あぁ、探すのに集中していたせいだ……。適当にごまかさないと。
「えっ? あぁ、里香来てたんだ。いやね、なんか面白い本ないかなーと思ってさ。あははは」
「ふーん」
里香は目の前の本棚を眺めている。そこには主に美術系の本が並んでいた。
なんか、運悪く裸体のデッサンの本とかあるんですが、まったく他意はないですよ。
一応マナーの悪い生徒が、関係ないところに本を戻してたりする可能性を考えてですね、
全部の本棚を確認していただけなんです。
などとは、もちろん言えず、僕はこの場を離れる為の台詞を考えていた。
「どうせ、やらしい本でも探してたんでしょ」
「そんなことないよ! ここ図書室だよ! そんな本あるわけないじゃん」
僕は必要以上に否定した。なんか焦って自分の顔が赤くなるのがわかる。
「へぇー、ふーん」
里香の視線が、例のデッサンの本に向いている。ちょっとムッとした表情。
里香さん、それ、一番見て欲しくない本です。
それにそんな本、別に意識して見てないよ。ホントに。
「別に照れなくてもいいのに。裕一、単純だから」
「いや、なんか勘違いされてるっぽいんだけど……」
何とか誤解を解きたいんだけど、良い返答が思い浮かばない。
ムッとした里香の表情が、あきらめの表情に変わる。
「ふーん。男子高校生は、いろいろと大変だねー」
「違うってば! 芸術だよ!」
何言ってんだろう……自分でも訳がわからない言い訳をしてしまった。
シーンとした図書室に、僕の『芸術だよ!』の声が響く。
数秒の沈黙。『静かにしろ』という男子生徒からの視線と、クスクス聞こえる女子生徒の笑い声。
「芸術だって。あははは」
里香は苦しそうに、声を殺して笑っている。
「ははは……」
僕は、気まずそうに愛想笑いをした。
この状況では、誤解を解くのは無理だな。江崎コレクションの件もあるから、もう何を言っても無駄だ。
僕が何をしていたのか、里香にバレなかっただけでも良しとして、言い訳するのは諦めることにした。
ホントに濡れ衣なんだけど……。
(つづく)
- 560 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/02(火) 02:19:26 ID:XWEgIQLD
- やっと44ページ超えたぐらいです。挿絵とかとかいろいろ必要ページ入れたら
56ページ。ようやく5分の1突破。まずは100ページ超えが大きな山ですね。
1人でも読んでいただけていると仮定し頑張ります。地味にボディには来てますが。
それにしても、僕のせいで、誰も書かない状況になっていたら迷惑以外の何者でも
ないですね。もともと人少ないとは思いますが……。うーん。
- 561 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/02(火) 04:02:29 ID:QBg8dpvl
- ていうかさ、いっそのことブログとか作ってそこでやればいいんじゃない?
- 562 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/02(火) 17:04:04 ID:XWEgIQLD
- >561さん
すいません空気読めていないみたいで……。
どうやって行くか考えなおします。
- 563 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/02(火) 17:14:35 ID:okpUQH/l
- 人の意見に左右されすぎ。
ここはSS書くとこなんだから気にせず書いてけよ。
2ch以上に人の集まる場所なんてないぜ
- 564 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 19:2006/05/03(水) 01:53:11 ID:npMNGd38
- そんなちょっと恥ずかしい状況から抜け出す為に、僕は長机に置いたカバンを取りに向かった。
あと少しで二周目の確認が終わるんだけど、今日はあきらめて帰るしかなさそうだし、
また次に早く来た時に、残りを確認をしよう。そうしよう。
「ねぇ、裕一。今日はちょっと早いから、三十分ぐらい本を読んでから帰ろーよ」
「あぁ。いいね。そうしよう」
意外な提案に少々驚いたが、僕にとっては好都合だ。
里香が本を読んでいるうちに、読みたい本を探すふりをして、残りの棚を見てしまえばいい。
いつもなら僕が図書室に来たら帰るんだけど、今日はあと少しで読み終わる本でもあるんだろう。
なんとか本日中に結論を出すことができそうだ。
里香は、僕の隣ではなく向かいの席の一つ隣に座る。それが、学校での僕たち二人の距離だ。
いつも一緒にいるんだから、隣に座ればいいんだろうけど、学校ではそうもいかない。
「ちょっと本見てくる」
「……」
聞きなれた無言の返事。里香はすでに本を読み始め、本の中の世界に没頭している様だ。
それにしても凄い集中力だな。毎回、無視されてるのではないかと不安になる。
僕は深く考えるのをやめ、目的の本棚に向かった。ちらっと振り向いて里香を見る。
よし、里香は本の世界に旅だったままだ。
二十分ぐらいたっただろうか、ようやくすべての本棚の確認が終わった。
『やっぱり、ここには無い』
僕はこの結論をもって、計画を次の段階に進める決心をした。
我が校の図書室に、その本がないぐらい、最初から覚悟していた事だ。
図書委員を使って調べれば簡単だったかもしれないが、残念ながら、僕たちの高校は、
蔵書の管理がいまだにアナログだそうで、全体を把握している生徒や先生は居ないのだ。
それに図書委員から、もし里香の耳に入ったりしたら、計画が台無しだし全然面白くない。
これは僕一人の手でやり遂げなければならない作戦なのだ。
僕は確認作業の完了に、多少の達成感を感じながら、里香の座る長机へと向かった。
おっと、手ぶらで戻るのも変だから、適当にその辺の本を持っていかなくては……。
間違っても、さっきのデッサンの本を持っていかないようにしないとな。
もし持っていったら、しばらく口を聞いてくれなさそうだ。
僕は、改めて適当に本の物色を始めた。
(つづく)
- 565 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 20:2006/05/04(木) 00:46:25 ID:WPF/qnbe
-
「裕一、本、読み終わったから帰ろっか」
「あぁ、里香は、もう読み終わったんだ」
結局、僕は二十五分程、本を探し続けていた事になる。ちょっと時間かかり過ぎで、怪しい行動だな。
まぁ、大丈夫だろうけど。
「読みたい本、見つからなかったの?」
「いろいろあって、迷っちゃってさ」
「ふーん。私が薦めた本、読めばいいのに」
やや不服そうな返事。やばい、機嫌が悪くなる前に、適当に言い訳しておかないと……。
「いや、もちろん読むよ。家でもじっくり読んでるし、ほら、今、読んでるの家にあるからさ」
「ふーん。まぁ、いいけどね。ゆっくり読めばいいよ」
「あぁ、ゆっくり大事に読ませていただきます」
なんとか機嫌は収まった様だ。里香の機嫌は、山の天気の如く、ころころ変わるので細心の注意が必要だ。
校舎から出ると、空はどんよりとした雨雲で覆われていた。
まだ夕方なのに不穏な程、薄暗く、今にも降り出しそうな感じ。
辛うじて降ってはいないが時間の問題か。というか、頼むから、まだ降らないでくれ。
「やばっ。雨降るかもな」
「傘、持ってきてないの?」
「もちろん! ない」
「あはは。威張るな!」
自転車置き場に向かおうとした矢先、無情にもパラパラと雨が降り始めた。
あぁ、今日は、自転車置いていくしかなさそうだ……。明日、面倒だな。
「ジャジャーン! こんな所に折りたたみ傘が」
「おぉ! 用意周到、備えあれば憂い無し! 里香、偉い!」
「エへへ。でも一本しかないよ」
「あぁ、里香、偉くない……」
僕は残念そうに、軽く冗談を言ってみた。
「あはは。二本も持ってこないよ。裕一は、濡れて帰ればいいよ」
「そんなぁ!」
「あははは」
僕たちは軽口を叩き合い、結局、一つの傘で二人で歩いて帰る事にした。
当然、傘は僕が持ち、彼女の肩が濡れないように十分注意を払い、自分の反対の肩を濡らしながら、
赤い小さな傘を差して歩いて帰る。
いつもより近い距離。ちょっと嬉しいな。雨も悪くない。
予想はしていたが、早速、他の生徒の視線が痛い。
追い抜きざまにチラリ。後ろからは女子生徒のヒソヒソ声……。
こんな堂々と相傘してる訳だから、かなり恥ずかしい。
里香は人気があるから、多分、明日は噂話として校内に広がるだろうな。
さすがに相傘は、僕たちの高校内での距離を考えると、やや行き過ぎの感があるのは否めない。
「そわそわしない!」
僕の心情を察したのか、里香がポソっと呟いた。
じっくり見た訳じゃないんだけど、彼女の頬も、ほんのり赤みがかっていた。
(つづく)
- 566 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/04(木) 01:06:06 ID:WPF/qnbe
- だいぶ悩みましたが、とりあえず「書けるだけ書く」という事だけは、
あらためて決心しました。最低限、書かないと上達も無いと思っていますので。
- 567 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 01:23:15 ID:k9LLUdEC
- GJ
レスがあまり無いのはスルーしてるというより見守ってるんだと思って置いて下さい。
世に出すのが目的で無いなら、個人的に挿し絵や表紙を編集したいです。
- 568 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 15:34:01 ID:jYalpaJ0
- >>567のいう通りROMってる人が多いんだろうな。結構な長文で容量の問題もあるから。まあガンガレwww
- 569 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 16:32:50 ID:3JGb43sX
- ある程度区切りがついたら、まとめてtxtで公開してくれると助かる
そのほうが感想書きやすい
- 570 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/04(木) 23:42:07 ID:e/MZg00P
- >>566
いつもROMってるけど期待してるんでがんがってください。
あと、(つづく)は1レスごとじゃなくて最後の投下だけの方がいいような気がします。
- 571 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 21:2006/05/05(金) 01:27:08 ID:1GUvChJb
- 雨は、少し激しくなり、傘の外の世界を遮断するぐらいの強さになった。
雨音に包まれながら、僕たちは無言で緩やかな坂道を降りて行く。
自転車ならあっという間に下に着くんだけど、いざ歩いてみると結構、距離がある。
やっぱり里香も恥ずかしいんだろうか、さっきから無言のままだ。こういう場合は、
僕が何とか雰囲気を変えないと……。僕は、無理矢理、話題を振りまくことにした。
「雨、好き?」
「へ? うーん。濡れるのは嫌かな」
「そか。おれは好きだな。雨」
「そうなんだ。どうして?」
「なんかさ、空気も綺麗になるしさ、たまにはいいよ。雨」
「もうちょっと弱い雨だったらいいけどね」
今日みたいに一つの傘で一緒に歩いて帰れるから、なんて言ったら里香はどんな反応をするだろう?
見てみたいが、そんな事をさらっと言える根性があれば、今頃モテモテだな。
二人で歩いている時は、いつも、間に自転車があり、僕の『手を繋ぎたい気持ち』を妨害していた。
今日は、その自転車もないし、一つの傘を二人で使うという幸福な状況を生み出したしてくれたんだから、
雨には感謝の言葉しかない。
いや、待てよ? ということはだ。今、その気になれば里香と手を繋げるんじゃないか?
僕は『相傘で手を繋ぐ』という状況に、一瞬だけ心ときめいた。
ちょっとまて。左手には傘。その左には里香。濡れた右手には鞄。
傘を右手に持ってカニ歩きして、ようやく手を握ることができるな。
いや、右手で傘と鞄を持って交差させて……。
あはは、無理だ。俺はバカか。
「なにニヤニヤしてんの?」
「え? いや、何でもないよ。あはは」
「裕一、ニヤニヤしてばっかりだね」
なんか危ない印象が植え付けられつつあるな。ここは、なんとか、ごまかさなければ。
「いや、ニコニコしてるんだよ!」
「あはは、ニヤニヤだよ。『ニコニコ』はもっと、朗らかな表情のことを言うの」
「そうかなー」
「そうだよ。あはは」
残念ながら歩きながら彼女と手を繋ぐのは、当分無理そうだ。
傘を持った左手に腕をかけてくれればいいんだけど、彼女の性格を考えると当分期待できない。
僕たちは、ようやく坂を下りきり、大通りに面した道にたどり着いた。
(つづく)
- 572 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/05(金) 01:48:28 ID:1GUvChJb
- 今日は気持ちの整理ができました。だいぶ悩む時間が減る気がします。
レスが無いことで悩んでいるのではなく「上達の方法」と「自分の書いたモノの
客観視、評価の方法」がわからないので悩みまくっていました。
>567さん
いつも、ありがとうございます。150ページ超えたら、もう少し具体的な事を考えたいと
思います。世に出すのが目的ではありませんが、すでに、製本の環境整えるだけで
赤字確定なのは目に見えています。あくまでも趣味の範囲ですが、絵描きさんが絡むと思い
ますので、どうなるかはわからないです。
>568さん 570さん
ありがとうございます。毎日頑張って書きます。現実的な線では1日2Pがいいところです。
(つづく)は1日の終わりに書いています。なので、レスがないと2個並ぶという感じです。
- 573 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/05(金) 10:18:40 ID:cej8NcMX
- >>572
小説、毎回楽しく読ませてもらってます。
悩みながらも書くその姿勢にちょっと感じるものがありました。
これからもがんばってください。
- 574 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/06(土) 01:24:42 ID:Iwl8WeZG
- 心の師匠からのご助言により、清書を以下にアップすることにしました。
まとめて読んでいただける方いましたら、こちらを読んで頂ければ……。
いろいろ手直ししています。
ttp://d.hatena.ne.jp/mohe/
2chにアップするのは相変わらず日課として、引き続き同じペースで
書いていきたいと思います。今日も今から1.5時間ほど続きを書きます。
GWなのに結局ほぼ毎日仕事に行ってました。なので、思ったよりペース
上がりませんでした。
>573さん
ありがとうございます。悩んで手が止まるのは失敗のパターンですので、
何があろうと書く覚悟で頑張ります。
- 575 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 22:2006/05/06(土) 02:41:00 ID:Iwl8WeZG
- 何台かの車が水を跳ねながら走り抜けて行く。
広い歩道なんだけど道路の方は水をかけられそうで、ちょっと危険だな。
僕たちは隅の方を歩いた。
信号を超えた少し先に、屋根付きの寂れたバス停がある。
バスが出たばかりなのか、待っている人は誰もいない。
この路線は本数が少なく、一時間に数本といった所だ。
「なぁ里香、バス停で少し雨宿りしていく? 雨強いし」
二人で誰もいないバス停で雨宿り。こんな機会は滅多にないので、さっそく提案してみた。
「そうだね、バスが来たら乗っても楽かもね」
「うーん。それは、ちょっともったいない気がするなぁー」
「だって、祐一、結構濡れてるよ。風邪ひいたらどうすんの?」
バスなんか乗ったら、せっかくの二人の時間があっというまに終わるじゃないか。
僕は懸命に否定した。
「ほら、もうすぐ雨足が弱くなるかもしれないしさ。バス代ももったいないし」
「まぁ、裕一がいいならいいけど……」
空はあいかわらず、どんよりとしているし、当分、この雨はやまないだろう。
『パァッパァー』
横断歩道を渡っている途中で、突然、短めのクラクションが鳴った。
車の運転手ってのはイライラする人が多いな。もう少し静かにして欲しい。
僕と里香は少し足早に渡りきる。
「裕一くーん!」
へ? 雨音に紛れて呼び声が聞こえる。ただし、声の方を振り返れど誰もいない。
ただの勘違いだろうか。
「こっちこっち。こっちだって!」
これは勘違いじゃない。完全に呼ばれている。
さっと振り返り、もう一度、声の方を確認した。見覚えのある車。
少し窓を開けて、にこやかに手を振っている。
無意識に会釈をしたんだけど、僕の思考は止まっている。
「誰?」
あきらかに不機嫌そうな声。視線が痛い。
「あっ、あぁ。あれだよ、亜希子さんの友達の……名前何だったかな。あはは」
苗字は与謝野で、名前は美沙子さんだ。
「一回、亜希子さんと一緒に会ったことあるんだよ」
「ふーん」
あきらかに怪訝そうな返事。視線が痛い。僕にも知り合いぐらい居るってば。
一回かどうかは、はっきりと覚えていないんだけど。
いや、思い出したくはないんだけど、とにかくっ、早く信号よ変われ。
あと、里香……、お願いだから、そんなに僕の目の奥の方を見ないでくれ。
僕は、一刻も早く時間が過ぎる事を心から祈った。
(つづく)
- 576 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 22 リテイク :2006/05/07(日) 02:40:55 ID:Rn80xTFq
- 何台かの車が水を跳ねながら走り抜けて行く。
広い歩道なんだけど道路の方は水をかけられそうで、ちょっと危険だな。
僕たちは隅の方を歩いた。
信号を超えた少し先に、屋根付きの寂れたバス停がある。
バスが出たばかりなのか、待っている人は誰もいない。
この路線は本数が少なく、一時間に数本といった所だ。
「なぁ里香、バス停で少し雨宿りしていく? 雨強いし」
二人で誰もいないバス停で雨宿り。
こんな機会は滅多にないので、さっそく提案してみた。
「そうだね、バスが来たら乗っても楽かもね」
「うーん。それは、ちょっともったいない気がするなぁー」
「だって、祐一、結構濡れてるよ。風邪ひいたらどうすんの?」
バスなんか乗ったら、せっかくの二人の時間があっというまに終わるじゃないか。
僕は懸命に否定した。
「ほら、もうすぐ雨足が弱くなるかもしれないしさ。バス代ももったいないし」
「まぁ、裕一がいいならいいけど……」
空はあいかわらず、どんよりとしているし、当分、この雨はやまないだろう。
『パァッパァ――』
横断歩道を渡っている途中で、突然、短めのクラクションが鳴った。
車の運転手ってのはイライラする人が多いな。もう少し静かにして欲しい。
僕と里香は少し足早に渡りきる。
「裕一く――ん!」
へ? 雨音に紛れて呼び声が聞こえる。ただし、声の方を振り返れど誰もいない。
ただの勘違いだろうか。
「こっちこっち。こっちだって!」
これは勘違いじゃない。完全に呼ばれている。
さっと振り返り、もう一度、声の方を確認した。見覚えのある青い車。
少し窓を開けて、にこやかに手を振っている。
無意識に会釈をしたんだけど、僕の思考は止まっている。
- 577 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 23:2006/05/07(日) 02:41:36 ID:Rn80xTFq
-
「裕一……、誰?」
あきらかに不機嫌そうな声。視線が痛い。
「あっ、あぁ。あれだよ、亜希子さんの友達の……名前、何だったかな。あはは」
――思い出せないはずがない。
「会ったことが有るんだ。亜希子さんの紹介でさ……」
――あの夜。
「一度だけだったかな。ははは」
――嘘を嘘で重ねていく。
混乱する意識、激しく波打つ鼓動。決して彼女に悟られてはいけない。
僕は、一刻も早く時間が過ぎる事を祈った。早く信号よ変わってくれ。
あと、里香……ゴメン。
僕は固まったまま、ただ、時が過ぎるの待ち続けた。
里香が不安そうな表情で僕を見ている。僕は目を合わすことができなかった。
世界がスローモーションで動いている。ゆっくりと落ちる雨粒。聞こえない雨音。
里香の口が動いている。
だけど、何を言っているのか、わからない。水の中に居るような息苦しい感覚。
ようやく、無限のように思えた長い信号が変わり、静止していた車が一斉に走り出した。
僕の中で止まっていた時間が再び動き出す。雨音と車の騒音が聞こえる。
僕は、ホッと胸をなで下ろし、最悪の事態を免れたことに安堵の息を漏らした。
「――裕一」
里香の声が聞こえた。
「裕一! どうしたの? 変だよ?」
「……」
「大丈夫?」
「あぁ、いや、なんか……見とれちゃってさ。あはは」
無茶苦茶な返事。いや、こんな返事しかできなかった。
こんな時、どういえばいいのか、僕にはわからなかった。
「ふーん。まぁ、綺麗な人だったからね」
「うん。綺麗な人だったからさ。あはは」
僕は、作った表情で笑いながら答えた。
でも、ひどく心が痛む。そんな事を君に伝えたいんじゃないんだ。
だけど、僕は本当の事を伝える事なんてできない。
そんな会話をしながら、僕たちは再び歩き出した。
バス停で休憩をして、里香といろんな事を話そう。
次の休みにどこに行くかとか、昨日見たテレビが面白かったとか……。
いくら話したって、過去が変わることなんてないんだけど。
目の前のバス停の前で、ウインカーを出して一台の車が……、さっきの車が止まっている。
――僕は心臓が止まりそうになった。
(つづく)
- 578 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/07(日) 02:43:42 ID:Rn80xTFq
- すいません。22の後半はリテイクとさせてください。
始めに書いたのは裕一の心理描写が甘すぎでした。
スレ汚しゴメンナサイ。
- 579 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 18:25:04 ID:q46/YOvI
- >>578乙かれさん、続き楽しみにしてるよ
- 580 名前:Ξキソケ:2006/05/07(日) 22:27:11 ID:IST1bwu3
- 今から新作SSを途中まで投下します。
気に入らなかったらスルーして下さい。
- 581 名前:Ξキソケ:2006/05/07(日) 22:28:52 ID:IST1bwu3
- 淫らな月が上る空〜里香とバイトと巫女装束〜
伊勢の二人の少年と少女との物語を覚えている者は、幸せである。
心豊かであろうから。
私達は、十七歳の時の記憶を印されてこの世に生きているにもかかわらず、
思い出すことのできない性を持たされたから……。
それ故に、戎崎裕一の語る、次の物語を伝えよう。
ピンポ〜ン
祝日の眠くなる様な気温の昼下がり、僕は里香の家のチャイムを鳴らして、
緊張感のかけらもない呼び出しの為の電子音を立てる。
まだ二人とも入院していた頃は、こういう日常が待っているとは夢にも思っていなかった。
退院する時の里香、少し怖がってたけどもうこの生活には慣れたかな?
こうやって里香の住んでいる家を近づいて見てみると、実に歴史が感じられ、悪く言うとぼろい家だとも思えた。
ただ、住んでいる里香と里香のお母さんはここをとても気に入っている様だし、
それにこういう風情のある家は、読書家の里香の住む家としては相応しい様な気もした。
まあ、下手にそんな事を里香に向かって言ったら誤解されそうで怖いな。
……そんな事を考えながら、里香か里香のお母さんが出てくるのを待っていると、
戸のガラス越しに里香の細身の、しかし始めて会った時よりはかなり健康的な身体が映る。
首の綺麗なうなじも、腰から足へのラインも、ちょっと小さい胸やお尻も一瞬で思い出せた。
そんな事を考えていると次の瞬間、戸の鍵がガチャリと開いて質素な服装の里香が出てきた。
里香は楽しそうに笑って、僕を出迎えてくれた。
「裕一! 来てくれるの、早かったのね?」
「まぁ、里香が出来るだけ早く来てくれって言ったしな」
簡単な挨拶を交わした後、僕は里香の家に上がった―――
- 582 名前:Ξキソケ:2006/05/07(日) 22:30:29 ID:IST1bwu3
- ―――そもそも僕が今日里香の家に行ったのは、
僕に出来るだけ早く見せたい服があるからだと里香が少し前に電話で話したからだ。
その時の里香が実に嬉しそうに話していたのが、電話越しでもわかった。
僕はその話しを聞いた時、里香が服を僕に見せたがるなんて珍しいなと心から思った。
でも、里香は今までずっとおしゃれなんて楽しむことは出来なかったんだし、
何よりも、僕に見せたいと言っていたのだから、その点でもこんなに嬉しい事は無かった。
「今日はママ遅くまでいないから、あんまり遠慮しなくても良いよ?」
母親が遅くまでいないという里香は、僕に何か期待しているのだろうかとも思ったが、
とりあえず冷静を装って流しておくことにする。
「いやぁ、里香の服見たら俺は帰るよ」
「そうなの? せっかく来たのに」
そんな風に里香に連れられて、里香の自室がある二階に僕は向かった。
ギシギシと音が鳴りそうな、いや実際鳴る階段を登り、上って右側にある里香の自室の前まで来ると、
里香は急に立ち止まり、僕の方をくるっと向いてこう言った。
長く伸びた綺麗な髪が揺れ、威圧するような里香の顔が映る。
里香の可愛い眉毛がつり上がる。
「……裕一、私これから部屋の中で着替えるから、絶っっ対に覗かないでよ!」
いつもの事ながら僕は気押されながらも当然の如く同意する。
覗きでもしたら一体どうなってしまうのだろうか……
「わかったよ」
「ん、よろしい! じゃあ楽しみにしててね」
里香がそう言って戸を閉めると、僕は一人部屋の外に取り残される。
しかし着替えを覗かれたくないと言っても、実際はそれ以上の関係を持ってしまったのだから、
今更そんな事言ってもなぁ…という考えが僕の頭に残る。
その考えが元で、僕が色々な事を思い出してしまって悶々とした心持ちになりながら
里香が着替えて出てくるのを少しの間待っていた。
中からは里香が着替えている事によって起こる衣擦れの音が聞こえている。
「裕一、開けて良いよ」
不意に、戸の向こうから里香の声が聞こえた。
僕はその声を聞くと、馬鹿みたいに心が弾むのを感じた。
里香があんなに僕に見せたがっている服って一体なんなんだろう?
もの凄く可愛いといいんだけどなぁ…そんな風に考えながら、僕は里香の部屋の戸を開けた――――
- 583 名前:Ξキソケ:2006/05/07(日) 22:32:01 ID:IST1bwu3
- 僕が戸を開けると、目の前には神社で働いているような巫女さんの服を着た里香がいた。
美少女巫女と言ってさしつかえない外見だった。
その姿に、僕は思わず鳩が豆鉄砲を喰らってしまったような顔をしてしまったと思う。
いや、見とれてしまっていたのだ。
すると里香が、僕に自慢する様に言ってきた。
「どう? この巫女装束?」
僕は思考を元に戻して、巫女装束を着た里香の姿をよく見てみる。
里香が見せたがっていただけあって、とても似合っていて可愛かった。
長くて艶っとした髪が学校でしているようなポニーテールになっていて、
日本人形の様な顔立ちや肌の白さが、紅と白を基調とした巫女装束ととても良くマッチしている。
「……ああ! 凄く良く似合ってるよ!」
僕の言葉を聞いた里香は、嬉しそうに続けた。
「裕一にそう言ってもらえると、私も嬉しいなぁ
これはね、神社でアルバイトする事になったから持ってるのよ」
神社でアルバイトという里香の言葉が引っかかった。
「アルバイト? 何でまた?」
「ちょっと前ね、ママと一緒に神社で散歩してたら
神社の人に話しかけられて、『手が足りない祭りの時だけで良いから働いてくれないか?』
って頼まれたの」
「……そ、そうか、やっぱり里香はそういう服が似合うんだな、
じゃなけりゃスカウトなんかされないぜ」
「私もこの服好きだし、仕事も気に入ってるのよ」
……正直、一週間に五日だとかそういうハードなバイトじゃなくて良かったと思った。
里香の身体は長時間立ちっぱなしで働けるほど頑丈ではないはずだ。
本人は社会勉強のつもりでいるのだろうが、僕としては喜べなかった。
里香のお母さんは良く里香のアルバイトを許したものだ。
僕は里香を小さな箱に閉じこめたいとすら思っているのだ。
病気の事を神社の人に教えているのか、もし発作が起きた時にはどうするつもりなのか?
とても長くて綺麗な髪や、白い肌をなぜ持っているのか聞かれた事があるのだろうか?
そしたら一体理由をどう説明するのだろうか?
里香に聞きたくなっけれど、それは今の里香の笑顔を奪ってしまう様で聞けない。
……僕の頭の中にはそんな考えが灰色に渦巻いて、少しの間黙りこくってしまった。
部屋の中を気まずい沈黙が支配する。
その沈黙に気付いた里香が気遣うように話題を変えた。
- 584 名前:Ξキソケ:2006/05/07(日) 22:35:44 ID:IST1bwu3
- 「……そうそう、神社でもらった甘酒をちょうど今温めてたの
下に行って取ってくるね?」
そう言って階段に向かった里香を、僕ははっとして呼び止めてしまった。
「いや、俺が取ってくるよ。場所は台所だろ?」
しかし、僕のその言葉を聞くと里香は階段を下りながらこう返した。
「だーめ! 裕一はお客さんなんだから、私の部屋で待ってて」
巫女装束を着た里香が、スッスッという音を立てながら階段を降りていく。
僕は心にさっきの気まずさを残したまま、言われた通りに里香の部屋で待つことにする。
里香の部屋に入って戸を閉めて、部屋の真ん中辺りにあぐらをかいた。
眩しくはない柔らかい明るさの光が、カーテンの隙間から差し込んでいる。
女の子らしい服や、アクセサリーや音楽機器が並ぶわけでもない、
高校の制服や教科書などが目立つ所に置かれているだけの地味な部屋だ。
こんな部屋の中では年季の入った本や難しそうな本で一杯になった本棚もどうしても目に付く。
何度もこの本棚は見ているのだけれど、並んでいる本の中のいくつかの背表紙を見る度に
僕の心には言葉に出来ない感情が生まれる。
里香の笑っている顔、具合の悪そうな顔、怒っている顔、拗ねている顔が浮かんでくる。
これまで里香と一緒に歩んできた思い出で心の中が一杯になって、溢れてくる。
里香は、こんな気持ちになる事があるんだろうか?
「裕一、今両手塞がってるから開けてくれない?」
その里香の声に、僕の思考は今戸の向こう側にいる里香に向けられた。
きっと今の僕はしょぼくれた顔をしているだろうから、ワザと明るく振る舞おう。
「わかった、今開けるよ」
僕が戸を開けると、徳利と二つの杯をお盆に乗せて持っている里香が、すたすたと部屋に入ってきた。
里香の服装に徳利と杯が妙に合っているのが可笑しかった。
里香はお盆を部屋の真ん中辺りの床に置いてちょこんと女座りをすると、そこに僕を手招きする。
その手招きの仕草が巫女さんを真似ている様にも感じられた。
僕がその隣にあぐらをかいて座ると、里香がおもむろに杯を僕に差し出した。
僕は不思議に思いつつも杯を右手で受け取ると、里香はそこに甘酒を注ぎ始めた。
「おいおい、わざわざとっくりなんか使って……」
「良いから良いから」
まさかこんなバイトはするはずがないだろうから、ごっこ遊びの様なものなのだろうと思った。
楽しそうな顔の里香が傾けた徳利から、白濁色の甘酒が僕の持つ杯にトクトクと注がれる。
やがてそれが杯に一杯になると里香は注ぐのをやめて、僕に話しかけた。
「では裕一様、ぐいっとお飲みになって下さい」
「そ、そこまでするのか?」
「いいから早く飲んでよ」
様付けだなんて、普段の里香とのギャップが激しすぎるなと心の中で苦笑しながら、
僕は里香の注いでくれた甘酒を一口でぐいっと飲んだ。
僕の口の中を、甘酒の懐かしい様な甘い味が満たす。
甘酒なんて、小さい頃親父に初詣に連れて行ってもらった時に飲んだ以来だ。
そういう懐かしさと、里香が注いでくれたモノだということでかなり美味しいく感じた。
「どう? おいしいでしょ」
里香が感想を聞いて来たので、僕は素直に答えた。
「ああ、うまいな! これもやっぱり神社でもらったのか?」
「うん おすそわけだって」
楽しそうな里香を見ていたら、さっき自分の心の中の中にあった疑問や感情が消えていくのを感じた。
「残り物か……? でもうまいな」
「うん」
- 585 名前:Ξキソケ:2006/05/07(日) 22:38:40 ID:IST1bwu3
- 僕は巫女装束の里香と話していて、退院したすぐ後に里香を花見に連れて行ってあげた時の事を思い出した。
そこでは神社にお参りしたんだっけ……
僕は試しに聞いてみた。
「里香さ、あの時に何お願いしてたの?」
里香も自分で甘酒を注いでは美味しそうに飲んでいた。
杯から手を離すと、僕に聞き返した。
「あの時って?」
「花見の時に行った神社でだよ。覚えてない?」
僕がそう聞いたら里香はくすっと笑って、一言返した。
「秘密」
「なんだ、減るもんじゃないし良いじゃないかよ」
僕がそう答えると、里香は勿体ぶるようにしてこう言った。
「……じゃあ今、キスさせてくれたら教えてあげようかな?」
僕は杯を持ったまま思わず赤くなってしまったが、
杯をお盆に戻すと、隣にいる里香の顔を見た。
里香は少し恥ずかしげな顔をして、目を瞑っている。
こんな事は何度もあっただろうに、自分の心臓がどんどん高鳴って来るのが嫌でもわかる。
僕は変に初々しくなって、少しずつ里香の唇に自分の唇を近づけていった。
お互いの唇が少しずつ近づいていって、接触する。
里香の唇のほんのりと温かい感覚と、甘酒の残り香が心地良い。
身体の一部が触れているだけで、こんなにも安らいだ気分になれるのだろうか?
僕は少しの間、里香との浅くて穏やかなキスを愉しむ事にした。
だけどその次の瞬間、里香が急に積極的に舌を入れて来てしまった。
僕は思わず唇を離して、里香に話しかけた。
「ちょ、ちょっと…里香…!?」
しかし、里香は僕の言葉で行為を止める所か、僕に体重を預けて押し倒そうとまでしている。
僕の身体に里香の重みがかかって、動けなくなる。
しかも里香は僕の背中に両腕を回してきて、巫女装束越しに里香の柔らかい肌が触れる。
「ん、っ―――」
- 586 名前:Ξキソケ:2006/05/07(日) 22:44:34 ID:IST1bwu3
- 唇も完全に塞がれて、無理に抵抗する事もできない僕は、
ただただ里香に口づけされているしか無かった。
里香は僕の舌の根を抜くかの様な激しい愛撫を繰り返す。
予想外の甘く激しい感覚が、僕の脳を鷲掴みにする。
僕の口の中の上から下まで隅々に里香の舌がぬめりながら入り込み、
快感を与えると共に、正常な思考を奪っていってしまう。
すぐ目の前の里香の表情は逆光になってあまり読み取れない。
その上、里香が愛撫によって立てているいやらしい唾液の音が僕を煽る。
……こういう事の為に里香の家に来たわけではないのに、
次第に、今自分にのしかかっている里香の身体の柔らかさに欲情していった。
胸や局部の部分も密着してしまっているのだから堪らない。
この美しい紅白のコントラストを持つ巫女装束をもう少し程脱がして、
そこから覗く里香の白い身体を蹂躙したい、という情けない欲情だ。
……僕がそんな自分自身の劣情に申し訳ない気分になっていると、
里香は息が続かなくなってきたのか、名残惜しそうに唇を離す。
唾液の糸が縦に僕と里香の口から伸びていた。
僕も息が少し苦しくなっていたので、自然と息が荒くなってしまう。
里香の部屋には、僕と里香の吐く荒い息の音だけが響いていた―――――
- 587 名前:Ξキソケ:2006/05/07(日) 22:50:03 ID:IST1bwu3
- 今晩の投下はここまでです。
私用で水曜日の夜まではパソコンを弄れないので、
その日以降なら続きか最後までを投下出来ると思います。
前置きが長いのですが許して下さいね。
また会おう! ( ・∀・)σσ
- 588 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 22:51:24 ID:HqR3Zaqf
- リアルタイムktkr!!
積極的な里香に、萌(*´Д`*)
超GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
- 589 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 24:2006/05/08(月) 03:15:23 ID:cEBV9N+/
- φ
車のワイパーが、フロントガラスに叩き付けられた雨水を払いのける。
何度払いのけても、雨にぼやけて視界がかすむ。
雨は一向に降り止む気配は無く、空は僕の心と同様に暗雲が立ちこめ、あいかわらず
太陽の光をさえぎっている。微かに流れるFMラジオの音と、覚えのある甘いコロンの香り。
トラックが右側を少し速い速度で走り抜けていく。
僕たちを乗せた車は、長いまっすぐな道を、ゆっくりと走っている。
僕の足もとで、さっきまで元気に咲いていた、赤い小さな折りたたみ傘が、
寂しそうに、しおれている。
「裕一君? 元気にしてた?」
「あっ……はい。元気です。あはは」
無言の状況にしびれを切らしたのか、美沙子さんが口を開いた。
「秋庭さんだったっけ?」
「はい。秋庭里香です」
里香は素っ気なく答えた。たぶん緊張しているんだろう。
「裕一君、カワイイ彼女じゃないの!」
僕は、美沙子さんの冷やかしに動揺した。ふと横を見ると、里香も頬が赤い。
「そっ、そんなんじゃ……。なぁ、里香」
「……うん」
少し物憂げな表情。
ただの意味のない返事のつもりだったんだけど、また彼女を傷つけてしまったかもしれない。
まだ、僕たちは『付き合っている』とか、堂々と気楽に言い合える感じではなかったから……。
「だったら私にもチャンスがあるかもね。ウフフフ。ねぇ? 裕一君」
「……」
僕は、頭が真っ白になって何も言えなかった。
「冗談よ、冗談っ! アハハ」
――なぜ僕たちは、この車に乗ってしまったんだろうか?
バス停の前に、車が止まっている事に気がついた後、僕は立ち止まることもできず、
ただ呆然と、その方向に歩くしかなかった。
「裕一、あの車、前で待ってくれてるよ?」
「あぁ。そうみたいだね」
なんとしても、悟られないように、自然に。
僕は締め付けられる胸に耐えながら、自分に言い聞かせていた。
大丈夫、ちょっと挨拶して適当に笑いながら会話して、
『亜希子さんによろしく言っておいて下さい』とでも言ってればいいんだ。
「裕一、なんかさっきから、元気無いね」
「え? いや元気だよ? ほら、モテモテで困ってる感じ?」
「……」
里香はちょっと悲しそうな表情で、無言で僕の目に視線を送る。
勘の鋭い彼女は、すでに何か違和感を感じているのかもしれない。
「なんてね。そんな事あるわけ無いって! あはは」
僕は、空元気でむなしく答えるしかできなかった。
里香、笑って……。
(つづく)
- 590 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/08(月) 21:00:16 ID:Rhk8AoaU
- あまりのド修羅場に息を潜めてヲチしてまふ
- 591 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 25:2006/05/09(火) 00:42:32 ID:xTbFte1Y
- 「裕一君、お久しぶりー」
僕たちが近づくと、美沙子さんは、車のウインドウを少し開き、明るい笑顔で話かけてきた。
この人は、なぜ、そんなに気楽に話しかけられるんだろうか?
あの夜の事をどう考えているんだろうか? 僕にはわからない。
「あっどうも。お久しぶりです」
僕は立ちどまり、できるだけ堂々と、美沙子さんに挨拶をした。
「そちらの方は?」
「彼女は同じ学校の秋葉さんです」
「秋葉です。こんにちわ」
里香は浅く会釈をした。
「こんにちわ。与謝野です。長くてきれいな髪ねー。」
「……」
里香は無言のままだった。だけど少し照れているようだ。
褒められて嫌な気分になる人なんていない。
「いや、雨凄いじゃない。大変でしょ。家まで車で送ってってあげる」
少し前から、嫌な予感はしていたんだ。
僕は、最悪の事態を回避すべく、懸命に断る努力をした。
もう、この車に乗るわけにはいかない。
「いやイイですよ。全然、大丈夫です。悪いですし」
「遠慮しなくていいから、それに傘一本しか無いじゃない」
いや、遠慮なんてしてないんですけど。何を考えてるんだ、この人は……。
「……裕一、車で先に帰りなよ。肩濡れてるし、風邪引くよ」
『何言ってるんだよ! 里香』
僕は心の中で叫んだ。
「あなたもついでに送ってあげるから。ほら、さっさと乗りなさい」
里香は、一瞬ムッとした表情をした。
「……」
彼女は僕の方を……、僕の目をジッと見ている。
自分ではわからないけれど、この時、自然と焦った表情をしていたかもしれない。
僕は、すぐに目をそらしてしまった。
「いや、本当、いいですから。なぁ、里香」
「裕一……」
「ん?」
「車……、乗せてもらおうよ」
里香は小さな声で、だけどハッキリと呟いた。
(つづく)
- 592 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 26:2006/05/10(水) 02:51:12 ID:cED1TYH5
-
φ
美沙子さんは、前より少しだけ痩せた印象だった。
服装は相変わらず伊勢の住人っぽくないあか抜けた感じで、
目のやり場に困る様な短いスカートを履いている。
普通に考えれば僕とつり合うわけは無いんだ。
なぜ里香は車に乗ろうと言ったのだろうか? 僕は沈黙の続く車内で、
自分の行動を振り返りながら、ただじっと、時間が過ぎるのを待っていた。
「さてと、先に吹上町で裕一君を降ろして、それから秋庭さんの家でいいかしら?」
この位置から考えるとそうするのが普通だ。ここからだと僕の家の方が近い。
ただ、そうすると美沙子さんと里香が二人っきりになる。何を言われるかわかったもんじゃない。
それだけは避けないといけない。僕は反射的に答えた。
「いや、秋葉さんの方を先でいいです」
里香は一瞬ムッとした表情で、僕の方に視線を送る。
しまった……。よくよく考えれば単純に怪しい発言だった。
僕と美沙子さんが二人っきりの状況を作ってどうするんだよ。
そんなの、里香が喜ぶ訳ないじゃないかっ!
美沙子さんだって、もしかすると僕たちに気を遣って、そう言ったのかもしれないのに。
僕が先に降りれば、里香と二人きりの状況になって、美沙子さんが何を言うかわからない。
里香も何を聞くかわかったもんじゃない。それは、危険過ぎる。
里香が先に降りれば、僕と美沙子さん二人っきりの状況を、里香は心配するだろう。
すでに怪しまれているかもしれないこの状況で、その選択はありえない。
もう二人で降りる以外、選択肢は無い。僕は思いきって、美沙子さんに伝えた。
「美沙子さん、ちょっと用事があるんで、里香も僕の家の前で一緒に降ろしてください」
「用事って? 時間かかるの?」
「あっはい。ちょっと宿題見てもらうんで……。なぁ里香?」
「……うん」
里香は一瞬、戸惑ったような感じだったけど、ちゃんと僕に合わせて答えてくれた。
それにしても、一学年下の里香に、宿題を見てもらうって、何言ってるんだ俺は。
もちろん、見てもらえるんだろうけどさ。
「青春だねーいいなー。アハハ。わかったわ。それじゃ二人とも吹上町ね」
よかった。最悪の自体はなんとか回避できそうだ。このまま時間が過ぎれば……。
それにさっきの言葉で、僕が美沙子さんを何とも思っていない事が里香に伝わったはずだ。
ようやくこの状況にも慣れて安心したせいか、僕は、ちょっと思い切ったことを思いついた。
もっと里香を安心させるような行動を取りたい。
里香の不安を吹き飛ばすような行動を。
僕はバックミラーから見えないように、横に置いた鞄を影にして、
僕の左手を彼女の左手にそっと置いた。
『里香、安心して』と、心で呟きながら。
そして僕は思いっきり、つねられたんだ。
- 593 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/10(水) 02:59:09 ID:cED1TYH5
- (つづく)
今日はやばかったです。準備作業の方に時間取りすぎて、文章かけないという
本末転倒な状況に陥りそうでした。なんとか書きました。
明日はこうならないようにしたいと思います。
あと、ROMの方は是非ブログページも見に来てくだされば幸いです。
>590さん
修羅場は書くのが難しいです。出来るだけ頑張ります。
- 594 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/10(水) 17:51:55 ID:r95g5qQ0
- 「秋葉」になってるのは大きな間違いなので修正されると良いかと思います。
ブログ、どちらでしょうか?
是非お邪魔したいと思います。
- 595 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 20:45:06 ID:G/SN1BCW
- それでは続きを投下し始めます。
―――いきなりの里香の行動に面食らっていた僕はようやく落ち着いたけれど、
里香に何か話しかける機会も、押し倒し返してどうこうする機会も逸していた。
僕がなんとか里香に話しかけようと口を開く。
「……あの…り」
「ごめん……」
先に話したのは僕に乗っかっている形の里香だった。
どこか言いしれぬ圧力を持った里香の一言に、
普段から里香に頭の上がらない僕は押し黙ってしまった。
でも、里香が何か僕に伝えたいのなら僕はそれを聞かきゃいけない。
里香の自分自身を責めている様にも捉えられる言葉に、思わず口より先に身体が動いていた。
僕は上体を起こすと、里香の細く柔らかい身体を正面から抱きしめる。
僕の鼻に、里香の肩の髪の毛のシャンプーの匂いと巫女装束に染みついた神社っぽい匂いが入り込む。
その後僕が里香の顔を見ると、強張っていた里香の表情が急に柔らかくなった。
まるで買い物に来ていて親とはぐれた子供が、運良く親を見つけられた時の様な表情になる。
すると、里香の方から僕に話しはじめてくれた。
里香の口がゆっくりと動き始める。
「ごめんね……裕一」
僕は出来るだけ里香が落ち着くように聞いていた。
「どうしたんだよ、里香」
里香は申し訳なさそうな顔になる。
その普段とは違う顔が僕にはとても可愛く思えたが、妙に翳りがある。
「……私って、わがまま‥‥だよね?」
「へ?」
今更、そんなわかりきった事を言われても遅いじゃないか。
という雰囲気を壊す考えを今は押し込めつつ、僕は答えた。
「なんでそう思うの?」
聞き返すと、里香は悲しそうな顔になってしまった。
「だって…‥私、裕一に何も知らせずに勝手にアルバイト始めようとしちゃったし……
それに、病院にいた頃からずっと裕一に迷惑かけてた……
散々使い走りにしたり、階段から突き落としたり、一日だけ学校に行かせてもらったり……」
「……そんな、俺は………」
「……私、ママにも迷惑かけてる‥‥ママにね、私がアルバイト始めるって言ったら
凄く驚いてて、私ちょっと悲しかった……」
話している里香の顔がどんどん翳り始める。
- 596 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 20:47:26 ID:G/SN1BCW
- 里香の言っている事は間違ってはいないのだけれど、
僕としては里香に振り回される事は全然苦では無いのだ。
僕はどうしようもない青二才かも知れないけど、
僕が全てを捧げられる相手がいるとしたら、里香しかいないんだ。
この世界に一人ずつの、僕と里香なんだ。
しかし、里香は僕に心配をかけてしまった事に責任を感じているらしかった。
「……裕一だって、さっき凄く嫌そうな顔してたよ?
何で、発作で死にかける事もある私がわざわざ働く必要があるんだって、すごく思ってたでしょ?」
その言葉と里香のある種の勘の良さに、僕は心が五寸クギを打ち込まれた様に痛んだ。
里香のある種の勘の良さは、病人として長い間病院暮らしをしていたからこそ持ってしまったものの一つだ。
自分が病人だという事に対する周りの人間の考えを知り尽くしているのかも知れない。
「そ、それは……」
思っていた事をほとんど的中させられて僕は動揺してしまう。
それが顔に出たらしく、里香は寂しそうな顔をしてこう言った。
「やっぱり、そういう顔しちゃうんだ……」
僕は、自分が里香を心配することで里香が傷付けた事に気付いてしまった。
里香だって自分なりに考えて社会に出ていたのに、僕はそこまで気づけなかったんだ。
「……無茶……だよね?」
嫌な汗と火照りが僕を襲うと共に、里香は話し続けた。
「…もし裕一が、私にアルバイトをやめて欲しいんだったら…」
……違う。
里香の涙ぐんだ顔と、震えた声が僕を何かに駆り立てる。
僕は確かに里香に元気でいてもらいたいけど、そのために里香が嫌な思いをするのは嫌だ。
里香が少しでも長く笑っていてもらえる様にする事は、多分僕にしか出来ない。
自己満足に繋がるとしても、僕は、自分で里香の為に役割を果たすんだ。
「駄目だ」
「え?」
僕は思わず、里香が相手だというのに口調を強くして話し続けた。
「……里香が自分で働きたいと思うんだったら、アルバイトをやめちゃ駄目だ!」
「ゆ、ゆういち……」
里香は涙目の顔を上げて、僕を見た。
「……里香に無理をして欲しいなんて思ってない……
でも、俺は里香に笑っていて欲しいんだ!
里香のお母さんも、夏目や亜希子さんもみゆき達だってそうだ!」
僕がそこまでなんとか言うと、里香は僕の上体に顔を埋めて来た。
「裕一‥‥」
「……里香が元気でも、笑っててくれなくちゃ俺は嫌なんだ……」
僕はそのまま里香を抱きしめて、お互いの温もりに、心の温かさに触れていた。
巫女さんのなかなか可愛い服も柔らかくって抱き心地がとてもいい。
僕達は、言葉だけじゃ通じない想いはこうやって伝える事が出来る。
何度も、僕達はこうしてここまで歩んできた。
今も、お互いの心から溢れ出た気持ちの温かさがとても心地よかった。
なんて素晴らしいんだろうと、僕は心の底から思った――――
- 597 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 20:51:32 ID:G/SN1BCW
- ――――僕と里香の暖かい抱擁がしばらく続いた後、お互いがふと顔を見合わせた。
里香はわずかに目を充血させていて、恥ずかしそうな顔をしていた。
その顔が可愛くて僕がクスッと笑ってしまうと、里香はいつもよく見る拗ねた顔になって言った。
「な、何よ……人の顔見て笑わないでよ……」
そんな強がりにも僕に対する気持ちが込められているのかと思うと余計に里香が可愛く思えた。
「悪い」
「悪い、じゃないわよこのスケベ」
「怒ってても里香は可愛いな?」
「はぐらかさないで!」
普段の里香が戻って来た様で僕は嬉しかった。
やっぱり、里香にはいつでもこんな風でいて欲しい。
「……なぁ、里香 聞きたいことがあるんだけど、いいか?」
「何?」
「あの……里香は、病気の事を神社の人に教えてるのか?」
その事は、僕が里香のアルバイトについて最も知りたかった事の一つだ。
里香は特に表情を曇らせるわけでもなく答えてくれた。
「うん‥‥担当の人には家とか若葉病院の電話番号も教えてるわ」
僕は、里香のそういう賢さが嬉しかった。
こういう事なら僕も安心していられた。
「バイト先の人は親切そうか?」
「大丈夫よ」
「そうか、それなら俺は良いんだ……」
僕は聞きたかった事が里香の口からちゃんと聞けて人心地がついたけれど、
同時に、今は里香と身体が密着したままで向き合うというこっぱずかしい状況だと言うことに気付いた。
「……」
「……」
巫女装束の布何枚か先には、里香の身体があるんだ。里香は逆の事を考えているかも知れない。
気恥ずかしさから僕達は顔を赤らめたまま黙りこくってしまう。
その沈黙を先に破ったのは里香だった。
「……ねぇ、裕一?」
「ん?」
「……私が何お願いしてたかって‥‥聞かないの?」
里香が妙に色っぽく話しかけて来るので、僕はドキッとして返事が遅れてしまった。
「………あ、あぁ……キスしたら‥‥教えてくれるんだったよな?」
僕がそう言うと里香は顔を近づけて来て、僕の耳元でそっとこう言った。
里香の髪の匂いと女子っぽい甘い匂いがかすかにする。
「……裕一が、砲台山の頂上で二回も私に言ってくれた事と同じだよ」
その瞬間に多分、僕の顔は真っ赤になっていただろう。
僕が里香に何か言おうと考えてる内に、僕の唇は再び里香によって塞がれていた―――
- 598 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 20:52:58 ID:G/SN1BCW
- ―――あの後、僕と里香はどちらが言い出した訳でも無く、
里香の部屋の床の上でお互いの身体を激しく求め合っていた。
カーテンから漏れ出した昼下がりの陽光が、僕達を照らしている。
狭くて地味な感じだけど、本だけは沢山ある里香の部屋に
二人分の息と、服が擦れる音が響いている。
しかし、里香の巫女装束はこういう時にはとてももどかしいモノだと思う。
どういう訳か、里香はなかなか巫女装束を脱ごうとしない。
僕としても里香のお気に入りの服を無理矢理脱がす訳にはいかないから、
里香に体重をかけない様に組み敷いているような体勢で、
白い着物の上から里香の身体を愛撫していた。
しばらくそれを続けていると、唇にしても胸にしても
直に触れる時よりもむず痒そうに反応する里香が可愛く思えた。
里香の性格と違って自己主張のあまり無い胸を軽く掴む。
とりあえず大まかな形を指でなぞったりした後
そのままふにっとした可愛い弾力を何度も何度も愉しむ。
「はぁっ……」
里香は昂ぶりがまして来たのか、ふうっと甘いため息を吐いた。
僕はそれを見逃さずに胸に軽く力を込めながら、左の耳朶を優しく噛んでやった。
他の肌と同じように白くて、ほのかに硬い耳朶を口に含んで遊んでみる。
「変態……ばかぁ‥‥なんで耳ばっかり……」
「ご、ごめん やりすぎたかな?」
「……そういう問題じゃない!」
里香は僅かに身体を震わせながら、僕を小声で罵倒していた。
そんな里香の行動も仕草も、行為の妨げになっている巫女装束も僕を興奮させる材料でしか無かった。
つい調子に乗って右の耳朶もいじめてしまうと、里香は僕の頭を手で押さえた。
僕が里香と顔を見合わせると、その里香の顔はまた随分と恥ずかしそうで、
自分が一方的に愛撫されるのを拒んでいるかの様な気色を含んでいた。
それに、している場所が今までと違って大分明るいから余計恥ずかしいんだろう。
僕が里香に罰の悪そうな顔をしてみせると、里香は許してくれた様で恥ずかしそうにまた無防備になってくれた。
僕ははやる気持ちを抑えながら、里香への愛撫を再開する。
今度は両手で、里香の小さな胸を服越しにふにっとおさえると、
里香はゆっくりと目を瞑って僕に身体を任せて来る。
僕は自分の鼓動が高まるのを嫌でも感じた。
僕も目を瞑って、里香の唇に自分の唇を重ねていった。
同時に、両手で里香の胸と言わず背中と言わず激しく抱き寄せた。
口の中でも里香の舌と激しく絡み合わさせる。
里香は拒むどころか逆に舌の動きを合わせるようにしてきて、目はとろんとしている。
そんな里香に僕は愛おしさの様な劣情の様なものを感じて、
唇を離した後、今度は髪に隠れた首筋にキスをしようとする。
「ひゃっ……!!」
新しい性感帯への刺激に、里香は身体をピクッと震わせながら喘いだ。
僕はあまり痛くないように、丁度長い髪で隠れて見えなくなるようにキスマークを付けていく。
少し経った後、里香の右の首筋には僕と里香の唾液で光る赤い印が三つほどあった。
「ゆ、ゆういちぃ……」
里香が何かをねだるような、拒む様な曖昧な声を出した。
ふと里香を全体で見ると里香の身体を紅白に彩っている巫女装束が乱れてきていた。
その乱れた巫女装束や、里香の赤くなった顔や少し荒い息に心が動かされた。
- 599 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 20:55:05 ID:G/SN1BCW
- は頃合いだと思って唾をゴクッと飲み込んだ後、里香の帯を緩め始める。
帯がするすると緩められていって、里香の白い両肩がはみ出して見えるのに興奮が高まった。
僕がとうとう巫女装束の胸を覆っている部分を開いて、里香の胸を露わにしようとすると
里香は急に、かなり困った様な顔になって胸を両手で隠してしまった。
「‥‥え?」
これでは事態が先に進まないので僕も困惑していると里香の方から話し始めた。
「あのね……裕一」
「なに?」
里香は僕から少し目を逸らしながら、ゆっくりと言った。
「私の胸の……心臓の上あたりに傷があるの」
「……手術の痕?」
「……うん」
里香は、自分の胸の傷を見ても怖がったり驚かないで欲しいと言いたいらいい。
僕がまだ知り得なかった、里香の病気の傷跡があったのだ。
暗い所でならわからないかも知れないけれど、ある程度明るい所ではそれが見えてしまうだろう。
女の子にとって間違いなく大事な部分である胸にずっと残る傷跡に、里香は劣等感を感じていたのだ。
どんなにワガママでしたたかな里香でも、体と心に見えない傷を抱えている。
里香の気持ちを知って、胃の辺りがキリッと痛んだような気がした。
僕が里香の潤んだ色素の濃い瞳を見つめながら里香の両手をそれぞれ左右にスッとどかすと、
小さな双丘の真ん中の少し左寄りに確かに手術の痕があった。
里香が手術を成功させた勲章にも思えない事もない。
縫合した医者……多分夏目の腕と、器具が良かったのだろうが、
そんなには目立たない少し蛇行した縫い目が確かにあった。
僕の目の辺りが熱くなってきた気がする。
こんな傷跡のせいで里香は劣等感を持ってしまっているんだ。
事情を知らない他人相手にならともかく、里香は僕にまで気を遣っている。
そんな事気にする必要なんか無いんだと言葉にして伝えて、
ついでに里香の気を逸らす様な事も言ってやりたいけど、
その言葉を紡ぎ出すだけの勇気とか器量とか言う物は僕には無いんだ。
僕は自分の感情を抑えきれずに、里香の小さな胸の間に顔を埋めていた。
「ゆっ、裕一……!?」
せめて今くらいは僕が、里香に胸の傷の事を忘れさせてやろう。
右の方を手でこね回しながら、もう片方の胸の頂の柔らかくてこれまた小さい乳首を押す様に舐めた。
弾力性のある乳首が向こう側にぷるんと揺れる。
「んぅっ……」
里香が小さく声を出すと次に僕は唾液を滴らせた口で、里香の乳首をカプリとくわえ込んだ。
「っ!」
味なんかほとんど無いけれど、何度も何度も舌で舐めた後弾いたり、
前歯でコリコリと傷付けない程度に強めに噛む。
「ひゃあぁ‥…」
出るはずのない母乳を吸い出すように僕は里香の乳首を愛撫した。
さっきからの様々な種類の刺激によって乳首がしこり立ち、里香の身体が震える。
その里香の表情は快感に彩られていてた。
- 600 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 20:56:44 ID:G/SN1BCW
- 里香が良い感じになって来た所で、僕は里香の傷跡に舌を這わせた。
まるで僕は犬が傷跡を舐めて癒す様に、胸の傷跡を舐めた。
縫い目の感覚が、あまり舌には気持ちよくは無かった。
「え……?」
里香は実に不思議そうな声を出して僕を見たけれど、咎めるような事はしなかった。
「裕一……ありがと」
逆に僕の頭を犬か猫の頭を撫でる様に愛撫してくれる。
僕の肩の辺りに手を回して、頭の辺りの匂いを嗅ぎながら里香はこうも言った。
「裕一の匂い、好きだな……」
「里香……」
僕はついつい嬉しくなって、お返しのつもりで里香の大事な部分を袴の上からさすってみた。
「ひぁ……」
僕はそんなに強く触れていないのに、里香は嬌声を上げた。
里香の昂ぶり具合がわかった僕は、アイコンタクトで里香に問いかける。
さすがに面と向かっては聞けないからこうしたのだが、
それでも里香は顔を赤らめて恥ずかしそうに頷いてくれた。
僕も顔がどんどん赤くなるのを感じながら、里香の下半身を紅く彩っていて
今は大分緩くなった袴をスルスルと脱がした。
長い袴を脱がしてその辺りに置くと、里香の秘部を覆っているものは
里香自身が分泌したモノに濡れそぼって透けて張り付いてしまった簡素なショーツ一枚だけになる。
白くて細長い足に、上半身だけ巫女装束を着ているというのも良い。
実に淫らな里香の姿に僕は興奮がいやでも高まり、里香を言葉責めしてしまう。
「うわ……すげぇ濡れてるな‥‥」
「ちょっと……ぬ、濡れてるって何よ!」
「だってさ、本当だよ?」
その言葉を聞くと里香は恥ずかしそうに顔を両腕で覆いながら僕に反論した。
「やめてよぉ……裕一のバカ! ‥‥スケベ、H、変態……」
「だから、そんなに恥ずかしがるなよな?」
僕は里香の反応に苦笑いしながらも濡れたショーツを脱がして、
控えめな恥毛に守られた里香の秘裂を露わにする。
甘ったるくて淫らな匂いが漂ってきて、僕のペニスもズボンの中で激しく暴れ始める。
僕は里香の両腕で顔を隠されたままの顔を見ながら、
露わになった少し開いている薄桃色の縦筋を右手で愛撫する。
ねちゃっという小さな水音と共に僕の右手の指が粘ついた。
ひどく柔らかい敏感な部分の感覚も忘れられるものではない。
ちなみに、上の方では僕は気まぐれに里香の胸や唇を愛撫している。
「ひゃっ……!!!!」
里香の身体はかなり敏感になっているようで、これならもう少しいじめても良いかなとも思う。
「里香? どうしてもやめて欲しかったら言ってくれよ?」
「わかった‥‥」
- 601 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 20:58:30 ID:G/SN1BCW
- 僕の言葉に里香は僅かに頷く。
僕はまず里香の濡れそぼった秘部の全体からほぐす様に指を使って責めた。
淫らな水音がどんどん大きくなり、それに合わせて里香の吐く息も荒くなって来た。
ぐちゃっ…ぐちゃっ…ぐちゃ…
次から次へと愛液が溢れ出して来て、その度に僕の右手が粘つく。
「くぅぅっん……」
たまに思うのだけれど、人間の身体って変な部分が多いと思う。
里香の喘ぎ声が大きく漏れたのは、僕が里香のクリトリスの包皮を剥いたからだ。
充血して赤くしこりたったクリトリスの包皮は思ったより簡単に剥けて、
直接他人が手で触れる事を許さないような色味の肉真珠がそこにあった。
ある程度明るいところで見ると、これはかなり強烈だ。
僕は少しの背徳感を覚えながらその汚れない肉真珠を右手の人差し指と親指でグニッと摘む。
「ひゃあっ……そ、そこ……やめ……!」
最後に僕はクリトリスをもう一回グニッと摘みながら、
愛液の匂いが濃厚な里香の股間に一気に顔を埋めると、里香の秘裂に舌先をニュルッと捻り込んだ。
里香の肉の感覚が、僕の舌先から脳に伝わって更に興奮した。
「……ふわ、あぁっっ……!!」
里香は絞った様な嬌声を上げて身体をブルっと震わせる。多分、イッてしまったのだろう。無理もない。
里香の秘裂からほんの少しだけ飛んだ、絶頂の蜜が僕の顔を汚した。
そっと舐めとると、少し生温かった。
仰向けのまま息の荒くなった里香は床にぐったりとして、休憩を取る。
僕は里香の身体を気遣って話しかけてみる。
「……里香、大丈夫? 少し休もうよ?」
「う、うん……でもすごい‥‥」
「……辛かったら、早めに言ってくれよ?」
「わかった……ちょっと休ませてね」
里香は絶頂の余韻で惚けた顔で返事をしてくれたので、とりあえずは安心だ。
僕も自分をなんとか落ち着けると、自然に里香の秘裂に視線が移った。
里香を休ませている間、ずっと見ていたのかも知れない、
先ほどは一筋だった秘裂がだいぶ開かれていて、はしたない程に女の子の匂いと蜜をトロっと溢れさせている。
髪の毛に良く似た色合いの恥毛も、愛液に濡れそぼっていてまるで違うモノの様に見えた――――
- 602 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 20:59:51 ID:G/SN1BCW
- ――――「……裕一、いい?」
里香が恥ずかしそうに顔を真っ赤にして僕に問いかけた。
僕は床にあぐらをかいていて、里香の方はというと僕のはち切れそうに
盛り上がった股間のファスナーを、巫女装束の袖から覗く白い右手で摘んでいた。
僕は里香のそんな表情や仕草の一つ一つに胸が高鳴るの感じながら返事をしていた。
「……うん」
「じゃ……はじめるね
‥‥最初から口でしちゃうけど別に良いでしょ?」
里香はかなり小さい声でそう言うと、
ほとんど躊躇わずに僕のズボンのファスナーを下ろして次に安物のトランクスの社会の窓まで開けてしまう。
その積極さに僕が内心驚いていると、里香はまた小声で僕に話しかけて来た。
「……邪魔だから、もう服全部脱いでくれない?」
「……あ、ああ」
里香の頼みだし、全く断る理由も無いので、
僕は上半身の服をもぞもぞとやって靴下までも脱いでその辺りに置いた。
……男とは言え、他人の前で裸になるのは倫理的にも抵抗があったが、そのせいで余計興奮してしまう。
しかも、これからフェラチオをしてくれる半裸の里香が目の前にいるのだから、
僕のペニスはすでに輸精管まで最大限に赤く勃起してエラが張り出し、鈴口から滲んだ先走りがいやらしかった。
外気に曝されながら、時折ピクンピクンと波打っている。
里香はペニスをやはり恥ずかしそうな顔で見ながら、僕の身体を床に仰向けに倒した。
その手つきも妙に色っぽくて、これも愛撫なのかなと思う。
里香は自分の顔を僕の股間に埋める様にしたので、僕からは里香の顔はあまり見れないのが残念だけど、
考えてみたら里香だってかなり恥ずかしいのだから、せめて僕の顔は見たくないのかもしれなかった。
うぅ……そろそろ辛いなぁ……もう我慢出来ないかも知れない……
ぺろっ
丁度我慢が辛くなって来た時に、里香の舌先が僕のペニスの鈴口を舐めた。
今日初めてのペニスへの愛撫に、僕の身体全体がぶるっと震える。
里香は左手で僕のペニスの根本を軽く押さえた。
「うっ……」
ぺろっぺろっ にちゃぁ
「あぅっ……」
股間と里香の口元から水音が発せられると、僕は情けないうめき声を出してしまった。
里香の舌先はまず僕のペニスの鈴口を集中的に責め立てて、
痛くて鋭くもある快感を断続的に与えて来る。
次に狙われたのも裏筋やカリなど、いずれも敏感な部分だった。
裏筋は何度も何度も上下に唾液のたっぷりと付いた舌で舐められてしまったし、
カリも何度も甘噛みされて、赤くヒクついている。
敏感な神経を少しずつ抉り出され、完全にペースをとられていた。
里香に愛撫される度に僕のペニスに血液が漲り、自分のマゾっ気が増してしまう気がする。
- 603 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 21:01:40 ID:G/SN1BCW
- しばらくそんな里香ペースの愛撫が続くと、僕は耐えきれずに里香に懇願していた。
「りか‥‥ぁ」
「……なに?」
僕のその懇願に対して、里香は前にも見たようなちょっと意地悪な笑みを、
でも今日は僕への愛おしさを帯びた笑みを見せてきた。
こういう顔を見てしまうと、普段どんな迷惑をかけられたとしても笑って許せる気がする。
「あのさ……そろそろ‥‥」
「そろそろ‥‥何よ?」
里香は僕が何をして欲しいのか知っているにもかかわらずに、こんな風にとぼける。
「……わ、わかってるんだろ?」
「ふーん、どうかなぁ〜?」
僕が強く言い出せないのを良いことに、里香は更に僕を責め立てた。
ぐにっ
「いたっ!」
亀頭の辺りに甘い痛みが走ったのかと思うと、
里香は僕の亀頭を右手の指先でフォークボールみたいに挟んでいた。
次に里香は挟んだ亀頭にグニグニと力を入れて、僕の亀頭を弄くり回す。
形を変える亀頭から先走りが滲む。
「うぁっ……くぅ……」
僕の口から思わず声が漏れたのを見て、里香がにやっとして話し出した。
しかも左手では僕の睾丸を弾いたりしてもいる。
「‥‥裕一、辛いでしょ?」
里香に手玉に取られているのを嫌と言うのをわかりながら、僕は返事をした。
「う、うん……」
「楽になりたいの?」
里香の問いに僕が頷くと、里香は僕のペニスに舌を使って大量の唾液を塗りつけた。
僕のペニスが唾液に濡れて、ヌラヌラと里香の目の前で光っている。
その後、里香は形の良い口を開けて亀頭の辺りまで僕のペニスをくわえ込んだ。
それでまず鈴口へのついばむような愛撫から、徐々に裏筋や包皮を上下させる愛撫へと移行していく。
「ふぅぅ……」
里香の口内の生温かい感覚に僕の口からため息が漏れる。
里香の方はというと気にせずに、僕のペニスを口内で舐めしゃぶる。
上下に、左右に僕のペニスは里香の愛撫に翻弄された。
里香は更に、僕のペニスの亀頭から真ん中辺りまでにかけて、
これまた形の良くて紅潮したほっぺたの裏の所に密着させて上下させて扱き上げた。
妙な密着感と弾力性があって、これも新しい快感を呼んだ。
たまに舌と歯茎とでザラザラと、コリコリとアクセントを付けて、
大きく包皮も上下させて僕を絶頂まで連れて行く。
僕は抑え切れなくなる前に、里香にその事を伝える。
- 604 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 21:03:20 ID:G/SN1BCW
- 「里香‥‥! 俺、もうそろそろ限界なんだけど……」
僕の言葉を聞いた里香は口をすぼめてペニスをくわえ込み直すと、
一気に僕を絶頂まで達せさせるつもりなのか、
口の中全体を密着させて大きく首を振り始めた。
グチャッ……グチュッ……ネチャッ……ピチュッ……ヂュルッ
そんな感じの淫らな水音と共に、僕のペニスは里香の口内と歯茎に扱き上げられて
舌と上下の歯でアクセントも付けられて、最後に吸い上げられる様にされた。
チュゥゥゥゥ!
「―――っあ……!」
僕のペニスは里香の波状攻撃にこれ以上耐えられる筈も無く、やがて絶頂を迎えた。
ビュクッ!ビュクッ!と僕のペニスがなかなかに力強く脈打ち、
里香の口の奥に大量の白濁液を流し込んでいく。
膣の中とは違った熱さに、僕は心がなめらかに溶かされるのを感じた。
……僕が里香の異変に気付いたのはほとんど射精が終わっていて、
里香が僕のペニスを口からチュルンと引き抜いて顔を上げた時だった。
その里香の口元には引き抜く際に付着したと思われる精液が白く付着していて、
表情は苦そうな、苦しそうな顔をしている。
僕は里香が、喉の奥にまでぶちまけられた生臭い精液を
さすがに飲みきれなかったんじゃないかと思って、里香に声をかけた。
もし喉に詰まりでもしたら、それはまずい事になる。
「里香、飲めないなら出した方が良いって!」
でも僕に気にかけられるのが元々あまり好きではない里香は、
僕の言葉を無視してなんとか頑張って口に含んだまま、
苦しさで涙目になりながらもコクンと飲み込んでしまった。
本人は苦しいのだろうが、僕から見たらとても可愛らしくて健気だった。
僕が里香の行動に半ば唖然としていると、里香は荒い息を整えながら話しかけてきた。
その表情はどこか幸せそうだった。
「裕一の事好きだから‥‥飲めるよ」
「‥‥え?」
里香の少し抽象的な言葉に僕は聞き返してしまった。
「っ……何度も言わせないでよ!」
すると里香は紅潮した顔を隠す様に僕の股間に再び顔を埋める。
里香は、射精した後の僕のまだ熱を帯びているが、フニャッとなってしまったペニスを再び口の中へと運んだ。
「り、里香? うっ……」
里香は目の前にそそり立つ僕のペニスに付着した精液の白い残滓を、
まるで甘い砂糖菓子か何かを舐めしゃぶるかのように、舌で丁寧に隅々まで拭い取っている。
その里香の行動に、僕は心の奥が温かくなるのを感じた――
- 605 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 21:05:32 ID:G/SN1BCW
- ―――僕のペニスを丹念込めて綺麗にしてくれた里香は、
安全のため長めの休憩をとった後、すっと可愛い腰を上げた。
……僕が次に里香とナニをしようかなと邪に考えてみたり、
逆に何もしないで布団でも敷いて里香とだらだら話しながら休んでも良いかなと考えている内に、
里香は自分の身体を気遣いつつも、積極的に先に進めようとしていた。
「……裕一 動かないでね」
「えっ、り、里香!?」
今里香は仰向けのままの全裸の僕に、俗に言う騎乗位で跨ろうとしている。
里香の美しく整った細いプロポーションが上から下まで見ることが出来る。
上半身を覆う乱れきって少し汗に濡れて白い着物だけは、
僕に全裸を見られるのが恥ずかしいのか脱いでいない。
アルバイトで使うのに、汚れてしまったら後でどうするつもりなんだろう?
……そして里香は、薄桃色になって愛液を滴らせている自らの秘裂を
右手の親指と人差し指と中指とでクチャアッと開いた。
「っ……!?」
その瞬間、僕の目には鮮やかな赤い色をした里香の肉襞が少しだけ見えて、
それに一回射精したペニスまでもがビクンと反応して興奮が高まる。
こういう自体を予測してコンドームを持ってこなかったのは心から僕の失策だと思う。
しかし、今は里香の身体を気遣う方が僕にとって先決だった。
「だ、大丈夫なのか?」
「……大丈夫って、何がよ?」
里香はどこか切なげな、快感にまどろんだ様な表情で答えた。
僕は今更ドギマギしてまいながらも話しを続ける。
「それは‥‥その……安全日かどうかって事も……」
僕が最後に『も』とほのめかす用に付け加えて言ったのは、
そもそもこの姿勢……騎乗位でする事自体が里香の身体に大きな負担をかける恐れがあるからだ。
そういう二つの意味を含んだ問いに、里香は答え始めた。
「今日は、大丈夫な日だから……」
里香はちゃんとそこまで把握していたのかと思うと、それはそれで嬉しい。
「でも……もし発作が‥‥」
「やめてよ‥‥!」
僕がなおも何かを言って里香に食い下がろうとすると、
里香は怒っている様な、悲しそうな表情になって反論してきた。
里香のこういう顔を見るのはあまり気持ちの良い事じゃない。
「……私、裕一にそんなに気を使って欲しくない」
「里香‥‥」
「……確かに危ないかも知れないのはわかってるけど、
‥‥前の定期検診の結果、凄く良かったでしょ?」
確かにそうだった。今里香の身体はこれ以上無いほど調子が良いのだ。
「……ね、だから許してよ……裕一」
里香はとても切なげに僕を見下ろして来た。もうこれ以上里香も僕も我慢出来そうにない。
僕は里香の希望を聞き入れる事にした。
それでも、本当の所はして欲しく無いのだけれど。
- 606 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 21:07:14 ID:G/SN1BCW
- 「……わかった でも無理だけはしないでくれよ?」
「ありがとうね……裕一」
里香は可愛く小声でそう言うと両腕を床に付いて体勢を保持しながら、
遂に僕のペニスに向かって腰を落とし始める。
指で開かれたままの艶めかしい秘裂が、徐々に僕の亀頭を飲み込んで行く。
里香と僕が繋がって、一つのモノになりつつあった。
僕のペニスが、里香の膣によって少しずつ下まで剥かれていく。
お互いの脈動が、局部を通して大きく感じられる。
「くっ……!」
「ふぁぁっ……!!」
里香がなんとか腰を最後まで落としきると、
僕と繋がれた嬉しさと快感からか色っぽく表情を乱して声を漏らした。
ペニスと膣がお互いに一瞬だけビクビクッと震えた様な気さえする。
僕がそんな里香の仕草とペニスからの快感に惚けてしまっていると、
積極的な里香は自分から動き始めようとした。
「……じゃ……わ、私から動くね」
里香はぎこちない口調でそう言ったので、僕は頷いた。
すると里香は、やはり同じようにぎこちない動きで腰を上下し始めた。
ぐちゅ……ねちゃあっ……
いや、ぎこちないというよりは、この位慎重にならないと里香には命取りになってしまうのだ。
そして僕のペニスには、かなり変な例えかも知れないが、
まるでミミズが千匹程で寄って集って絡み付いて来るかの様な快感がどんどん迫ってきた。
お互いの感じる快感が一気に増えてきたので、声も漏れだしてくる。
「くぅっ…!」
「ふぁぁっ……ひぁ‥‥!」
くちゃっ……ぐちょっ……ねちぃっ……
重い音質の淫らな水音が、部屋に響き始める。
さほど使い込まれていないお陰で、丁度良い密着感も心地よい。
しかも今回は上から里香の体重が一方的にグイッとかかり、そのおかげでかなりの相乗効果を生んだ。
いつも里香に尻に敷かれている僕としては本望とも思える。
里香は普通上下に、たまに左右にクセを付けて僕に腰を振ってくれた。
その度に、僕のペニスが圧力に形と角度を変えられて翻弄された。
里香の色っぽく開かれた口から時折漏れる、
恋人と繋がる悦びにまみれた喘ぎ声とある程度の規則的な水音も花を添える。
ぐちゃっ!……ぐちょっ……ぐちゅう!
「はぁ……はぅ……ゆういちっ……」
僕のペニスは温かくて気持ちいい里香の胎内でアイスキャンディみたいに溶かされて、
そのまま飲み込まれてしまうのではないかとすら思えた。
やがて僕の亀頭と、弾力のある里香の子宮口が胎内の奥深くで互いについばみ合い始めた。
敏感な亀頭に子宮口の感覚はかなり気持ちよく、射精の予兆が現れてきた。
- 607 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 21:08:56 ID:G/SN1BCW
- 「お、奥で‥‥なにかあたってるよぉ‥‥」
里香も普通だったら言わないような事を口にし始める。
この事は胎内が随分ほぐされて来た事の証でもあるので、
ずっと腰を振り続けている里香の体力を考えればそろそろ潮時かも知れない。
僕は里香が腰を下に振ったのに出来るだけ合わせて、
最も深く里香の胎内を突けるタイミングで腰を上に大きく突き上げた。
相乗効果で、僕のペニスが扱き上げられ、根本まで挿入されながら里香の子宮口をゴツッと突いた。
里香の身体がガクッと揺れて、目を見開きながら激しく反応した。
「……っ!?」
里香の心身もそろそろ限界だった様で、
僕の射精を促すように胎内がキュウゥゥ〜〜っと狭まり、ツブツブの膣襞が吸い付いてくる。
「やぁん……き、きもちいいよぉっ……!」
僕は里香にそろそろなのかと聞いてみる。
「里香ぁっ‥‥そろそろ終わりに‥‥!」
里香は快感に蕩けきった目で大きめに腰を振りながら、切なげに訴えかけてきた。
「わたしもぉ……もうだめ……!」
その里香の言葉で沸騰しきった僕は、
締め付けが強くなったせいで動きにくくなったペニスをまた力強く突き上げた。
里香の胎内は激しく動くそれを強く絞り上げる。
また強く出し入れする。
ぐちゃっ!ぐちゃっ!ぐちゃっ!
激しい水音が結合部から部屋に響きだし、やがて終わりが訪れた。
里香の子宮口を突き上げた僕は、限界まで引き絞ったモノをドクドクドクッと射精した。
里香の胎内がそれなりに多い精液に満たされていく。
腰が砕けて無くなってしまいそうな快感に、瞬間的に僕は思わず目を瞑ってしまっていた。
「うっ、ぐぅ…!」
放出された白くて熱い迸りに反応するように、里香の胎内は収縮と弛緩を繰り返す。
里香は身体をビクビクッと痙攣させながら、身体を弓なりにしながら、
自分の脳に流れ込んでる快感に耐えきれずに達した。
「あっ、いやぁ、‥‥ひああああぁっ!」
その瞬間、里香は反った身体をぐったりとさせて、
僕の身体の上に糸が切れた操り人形の様に倒れ込んできた。
「あはっ……はぁ……はぁ……」
里香と僕は繋がったまま、里香の休憩を兼ねた深くて長い余韻を愉しんだ。
僕の胸の上で荒い息をしている里香の目と口は色っぽく半開きになって、頬は健康的に赤くなっていた。
その首筋には、まだ僕の付けたキスの痕が残っていた――――
- 608 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 21:10:45 ID:G/SN1BCW
- ――――里香の息が整ってくると、まだお互いが深く繋がったままである事と、
汗やその他の体液のほのかな匂いに顔から火が出そうになる。
なぜなら、敏感なまま結合しているお互いの局部がたまにヒクっと動いて
その度にさっきの激しい行為を思いだしてしまうからだ。
「…………」
「…………」
お互いの顔が火照っても、僕には黙っている事が精一杯だった。
流石に間が持たなくなって、僕は何か言おうとしてみる。
「里香……その‥‥身体の方は?」
「うん……だいぶ休んだから大丈夫だよ……」
「そっか……良かった」
「…………」
「…………」
里香にとっては、随分とまたありきたりな会話ですまないと思ったけれど、
元来僕には会話のセンスがあまり無いから仕方が無い。
すると、里香が何か言おうとして口を開きかけてやめ、そしてもう一回口を開いて話し始めた。
「……ゆ、裕一‥‥一つ質問しても良いかな?」
里香の神妙な顔つきに僕はちょっとドギマギしてしまう。
「‥‥い、良いけど?」
里香は気恥ずかしそうに僕に問いかけた。
「なんで……なんで裕一は私の事好きになったの?」
「えっ!? ……そ、それは……」
そういう事をこんなタイミングでいきなり聞いてくるとは、
なんて扱いづらい女の子だろうとつくづく思う。
里香は僕の答えを、少しだけ楽しみそうな表情で待っている。
実際の所、僕の里香に対する気持ちは言葉には表しきれないし、
表せられたとしてもとても歪なモノになってしまうだろう。
かと言って、僕が里香と一緒にいるのを運命だとか必然だとか言うつもりもない。
神様か誰かに頼んで、僕の気持ちのありのままを里香に伝えて欲しいとさえ思う。
……とりあえず僕はちょっととぼけて凌ぐことにした。
「……どうなんだろう‥‥う、上手く言葉に出来ないなぁ」
「そっか……でも、好きなんだ?」
僕がコクリと頷くと、里香は挑発するような色っぽい目つきで僕を見つめながら
ゆっくりと視線を絡めてくる。里香の仕草に僕のペニスが里香の胎内でヒクついた。
そのペニスの動きに気付いたのか、里香はこんな事まで言い出す。
「ねぇ‥‥裕一は‥‥もう一回したいの?」
「ええっ!?」
「……したいんでしょ?」
僕は里香の大胆な言葉に動揺して、何と言って良いかわからなくなる。
「いいよ……裕一の……したい様にさせてあげるよ……
……アルバイト、許してくれたお礼」
そう言って里香は腰を動かしながら両腕を使って僕の上体から腰までを起こし、
あっと言う間に対面座位の体勢を作ってしまう。
「くっ……里香‥‥」
僕のペニスに一気に血流が集まり、再び里香を欲していた。
僕の理性はもう無くなりかけていて、目の前にいる里香の事しか考えられなくなっていた。
- 609 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 21:12:30 ID:G/SN1BCW
- 顔を紅潮させて上半身に白い着物を纏って向かい合った里香が、
両腕を僕の背中に回して抱きつく様にすると、耳元でこう言った。
「……裕一、きて」
僕はその言葉を聞いた瞬間に、激しく腰をジュプジュプと突き動かし始めて、
両腕ではムニッと里香の小振りな両胸を掴んでいた。
「ま、た……胸なの‥‥?」
コリコリになるまでしこりたった両乳首を、人差し指と中指の隙間で挟みクニュッとした感覚を愉しむ。
その他の指はすかさず里香の両胸を揉みほぐしている。
「ふぁ‥‥ぁっ!」
向き合っているからこそ多彩な場所への愛撫がお互いに出来るし、相手の反応を細かく見る事も出来る。
里香の締め付けもキュッと一段階強くなった。
「やっ‥‥あ‥‥!」
里香の方もだいぶ昂ぶっている様で、僕が胸を揉みほぐす度に嬌声を上げ続ける。
「あっ……あん‥‥!!」
もう少し胸を責めようと思って、僕は里香の赤く充血した右乳首をチュュウと強く吸い上げた。
すると里香の細い身体がビクッと少しだけ揺れて、色っぽく開いた口の端からは唾液が垂れている。
「ひゃうん! やっ‥‥胸……!」
里香の反応はかなり大きく今なら身体の何処をどう弄っても、
初々しくて可愛い反応が返ってくるんじゃないだろうかと思った。
試しに里香の弱点の耳朶を、胸を揉みながらハムっと強く噛んでやった。
「ひゃっ……!」
案の定、里香は目を瞑って恥ずかしそうに声を上げた。
それと同時に、動かしていたペニスへの締め付けが増す。
しかし里香は僕の責めに怒る事もせず、逆に僕に口づけを求めながら僕の背中を抱き寄せて密着させる。
「ゆう‥‥いち‥‥?」
嬉しそうに、恥ずかしそうに目を閉じて口づけを求めて来る里香の唇を僕は奪った。
ぴちゃ‥‥ぴちょ‥‥ねちゃ‥‥ぴちゃ
「はぁん‥‥んぅ‥‥」
粘着性の高い唾液が、口の中でいやらしい水音を立ててお互いの口の中を舌で蹂躙し合う。
今日したキスの中で、最も倒錯的で激しいキスだった。
ふと結合部に目をやる。僕がグイッと腰を引くと、
それに合わせる様に里香のピンク色の肉襞がチラッと見え隠れして、
内部からは愛液と精液の混ざりモノが少し掻き出された。
その強烈な光景と快感に僕の興奮が更に高まり、早くも絶頂を望んでいる。
思わずそのまま押し倒したくなって、里香の胸から手を離すと里香の細い身体に力を入れてしまった。
里香の細い身体が床に仰向けになってしまい、里香は僕の背中に抱きついていた。
- 610 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 21:14:23 ID:G/SN1BCW
- 「あっ……ご、ごめんっ!」
僕が急に体勢を変えてしまったので、里香に負担がかかって
怒られるんじゃないかと思ったから謝ったのだけれど、里香の反応は違った。
里香は僕を愛おしそうに見つめながら、僕の背中に抱きついている手にギュッと力を込める。
「里香‥‥ありがとうな」
僕は、自分に合わせてくれる里香の考えを本当に嬉しく思った。
また爪を立てられても別に良い。その位は我慢出来るさ。
お互いの体勢をちゃんと整え直して、僕が再びゆっくりと里香の胎内をかき回し始める。
ぐっちゅ‥‥ぐちゅ‥‥!
「ふぁ‥‥あぁ……あっ‥‥あっっ!」
里香は二回も絶頂を迎えているのだから、今少し僕が突き上げただけで
胎内はとても熱くて、何処を突いても柔らかくトロトロになっている。
僕はその感覚のせいで熱に浮かされたように腰を引き、突き上げるのを繰り返していた。
ただ快感を貪る事と、里香の身体が発作を起こさないように気遣う事だけを考える。
ひたすら腰をズイッ、グチャッと引き、パンパン、グチョッと、
二人で奏でる肉の悦びの声と淫らな水音を部屋に響かせた。
「いっ‥‥ああぅっ…‥あっ‥‥あっ!」
自分という存在自体が、里香と繋がって果てたいという欲望に成り代わっていたのかもしれない。
愛撫があまりにも自分本位に単調になってもいけないと思って、
俗に言うGスポットの辺りを亀頭で擦るようにしてやると里香は大きく反応した。
「あっ‥そこ‥‥っ‥‥!」
里香の身体がまたも揺れて、抱きついている力が少し抜けた様だが、
それに反する様に里香の胎内は僕のペニスをキュッと締め付けてきた。
既にトロトロで柔らかくなっている筈なのに、この反応だ。
僕も里香も絶頂が近づいてきたのを嫌でも感じて、僕は里香に話しかけた。
「里香っ! ‥‥俺はもう……!!」
里香もポニーテールの髪を振り乱しながら、共に絶頂に進んでいく。
「わ、私も‥…もうだめぇっ‥‥!!」
里香の細くて可愛い身体と、胎内がヒクヒクッと震える。
- 611 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 21:16:05 ID:G/SN1BCW
- 僕はラストスパートをかけて腰を振り始め、里香も快感を目を瞑って堪えながら僕に密着してくる。
その時、里香の狭くてきつい最奥を真っ直ぐに犯している僕のペニスの亀頭が、
これまたほぐされた子宮口をゴリッと抉った。
「くっ……!」
「あ、‥‥ソコ‥‥ゴリッて言ってるよぉ‥‥!」
僕のが、焼き切れそうな快感を伝えるのに疲れてショートを始めていた。
終わりを渇望していた。絶頂という終わりを。
「里香っ!‥‥イクよ!」
里香もそれは同じだった様だ。
「……ゆういちぃっ! 裕一ぃ!」
僕は最奥まで貫かれた里香の胎内の一番奥、子宮口を鈴口で抉り上げて
限界まで引き絞った熱いモノを、新しい命の種を力強くペニスを脈打たせながら送り込んでいく。
ドクドクドクッ‥‥ビュクゥ‥‥ビュクゥ!
熱い液体をぶちまけられた里香の胎内は、
狂った様に収縮と弛緩を繰り返して僕のペニスを締め付けて、
やがて里香自身も絶頂に達した。
「ふぁ‥‥らめっ‥‥私っ‥‥ひゃ、ああっっ!!!」
里香の胎内が一気に精液で満たされ、僕の背中を掴む里香の手にも力がこもる。
しかしその里香の力もフッと無くなって、僕も快感のせいで姿勢の維持が辛くなる。
精も根も尽き果てて、そのまま二人で少しばかり絶頂の余韻に浸った。
長めの絶頂がやっと収まると僕はハァハァ言いながら腰を引く。
ヌルッ‥‥
里香がその感覚に甘ったるい声を出す。
「あぁ……はぁ‥‥っ‥‥」
里香のヒクついている秘裂から硬度を失ったペニスを引き抜くと、
名残惜しそうに愛液と精液が二つの性器の間に橋をかけたが直ぐに消えてしまう。
僕のペニスの形を覚え込まされてしまった里香の秘裂は、
時折コプッ‥‥コプッと弛緩と収縮を繰り返して内部に残っている
愛液と精液の混ざり物を溢れ出させていた―――――
- 612 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 21:17:44 ID:G/SN1BCW
- ――――とても深くて心地よい余韻の中で、先に言葉を発したのはやはり里香だった。
カーテンから漏れて来る午後の日差しと、横に寝たまま向かい合った里香の体温が温かい。
甘酸っぱい里香の体臭がほのかに漂う。
「ゆういち……」
里香はまだはっきりとしない意識のまま、僕の名前をうわごとの様に呼んでいる。
「ふぅ……」
里香は疲れて昼寝でもしたいのか、今度は小さくて可愛い溜め息を吐いた。
さっきと状況が違うのは、お互い息が割と整っている事と、最低限の服は着た事と、
僕が里香の為に押し入れから布団と掛け布団と毛布を出して敷いた事だ。
僕は一緒に寝なくても良いと言ったのだけれど、里香が一緒に寝たいと頼んだのでこうしている。
ちなみに甘酒は、布団を敷くのには邪魔だったので机の上に上げた。
……この世界に天国とか桃源郷とか呼ばれるものがあるとすれば、
僕にとってこの時そのものがそうなんだろう。
なぜなら、僕の直ぐ隣で寝ている里香はまるで親猫に寄り添って寝る子猫の様に、
布団に入ってからずっと僕に擦り寄って来るからだ。
僕が気恥ずかしくなってちょっと身体を引いても、もぞっと動いてきて出来るだけ密着しようとしてくる。
たまに僕の背中や腕に手を回してくる事もある。
本当に僕は幸せ者だ。
それにしても、何で僕はカメラを持ってこなかったんだろう?
今シャッターを切れば、もの凄く可愛い里香の寝顔が撮れるのに。
首筋のキスマークも一緒に写してやれるだろう。
もし出来たのを見せたら、もの凄く恥ずかしがってネガごと処分されてしまうかな?
そんな事を考えていると、夢心地の里香の唇が動き始めた。
僕の視線が思わずその動きに釘付けになる。
「ゆういち‥‥大好きだよ……」
幸せそうに目を瞑っている里香の顔の形の良い唇が
文字通り恋人に囁く様な、甘い言葉をそっと紡いだ。
間違いなく、僕だけしか聞くことが出来ない言葉だ。
僕はこんな状況に顔がどんどん赤くなるのを感じながら、ある事を考えていた。
凄く可愛い巫女さん姿の里香を、里香本人には見つからないように、
バレないようにこっそりと見に行こうかなと考えていた―――
終わり
- 613 名前:Ξキソケ:2006/05/10(水) 21:32:24 ID:G/SN1BCW
- >>599の一番左上には「僕」を補って読んで下さい。
- 614 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/11(木) 02:11:54 ID:OZdfszfJ
- キソケさん乙です。
二人の心理描写が凄い本物っぽいです。僕も頑張らねば。
- 615 名前:PH:2006/05/11(木) 02:23:09 ID:e0KSmWWx
- ちょwwwワクテカしながら待ってたけど予想以上に素晴らしいwww
里香の描写に愛を感じるww
- 616 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 27:2006/05/11(木) 02:31:50 ID:OZdfszfJ
- それから十分も掛からなかっただろうか、僕たちを乗せた車は、
考えていたほど深刻な状況に陥ることもなく、無事、目的地に到着した。
幸い雨も小降りになりつつあり、僕たちは再び相傘で家の前に降り立った。
『バンッ!』
ドアの閉まる音が響く。美沙子さんは、まだ雨の降る中、少しだけウインドウを開いた。
「美沙子さん、ほんと今日は、ありがとうございます」
「いいのよこれぐらい。あっそうそう、ちょっと待ってね」
手元のハンドバックからメモを取り出して、なにやら書いている。
「困ったらいつでも連絡して。はい、これ携帯番号」
「あっ、どうも」
僕は苦笑いをしながら、その紙を受け取った。隣にいる里香の笑顔が怖い。
だって、こういう場合、受け取るしかないだろ。
「里香さんも、彼に部屋で襲われないように気をつけるようにね。アハハ」
「……はい」
彼女は笑みを浮かべつつも、頬を赤くして呟いた。
それにしても『里香さんも』ってなんだよ。俺は一度も美沙子さんを襲ってはいない。
でも、まぁいいや。なんとか里香に、僕と美沙子さんの事がバレずに済みそうだ。
僕は胸をなで下ろしていた。
「裕一君、それじゃね。あと、この前はゴメンね。
途中でお邪魔が入っちゃって……。じゃ、またね、里香さん」
美沙子さんは窓を閉め、のんきに笑顔で手を振りながら車を発進させた。
――最後の台詞を聞いて、僕はめまいがした。
この人はいったい、何を言っているんだ。何がしたいんだ。
そんなこと最後に言わなくていいだろ。僕は、数秒間、放心状態でたたずんでいた。
もちろん、里香の顔を見ることができなかった。
「裕一……」
里香が低い声で呟いた。
「あぁ、里香。家、少し寄って行く?」
僕は出来るだけ明るく答えた。里香の声を聞いて正気を取り戻し、
『なんとしても悟られないようする』と心に言い聞かせる。
大丈夫、さっき程、気持ちは動揺はしていないし、今は美沙子さんも居ない。
やってやる。里香の為にも、巧いこと話をまとめてやる。
「……」
無言の圧力が、僕の決意を鈍らせる。いや、負けるな。
「とりあえず、はい、これどうぞ。携帯番号の紙。僕には必要ありません」
里香は紙を手に取り、制服のポケットにしまった。
「雨がさ、まだ少し降っているからさ、とりあえず家に入ろうよ。里香」
無言のまま、コクリとうなずく。この雰囲気は……、間違いなく怒っている。
そりゃ、『最後の台詞はいったい何?』って思ってるだろう。
僕はこれから部屋で起こる、数々の試練に不安を覚えつつ、彼女を家に誘った。
大丈夫、さっきの車の中に比べたら随分マシだ。
今のこの気まずい状況なんて、二人の気持ちで解決できる問題なんだから。
でも、最後の台詞に対する解答だけは、今から2階に行くまでに、
考えうる最善の解を求めなければならない。あと十五秒間ぐらい。
僕は全力で脳を活性化させながら、玄関の扉をゆっくりと開いた。
(つづく)
- 617 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/11(木) 02:38:41 ID:OZdfszfJ
- >594さん
ご指摘ありがとうございます。さっそく修正いたしました。
やっぱり校正に時間取らないと駄目ですね。
ブログは以下です。一応毎日何か書くつもりです。
ttp://d.hatena.ne.jp/mohe/
とりあえず、半分の月が好きな人以外は来て欲しくないので、
あんまり宣伝しないつもりですが、本スレには1度、書かせて
いただこうかなと思っています。中高生にも読んでいただいて
感想いただきたいので……。
- 618 名前:Ξキソケ:2006/05/11(木) 21:31:37 ID:5DjQcJts
- >>614>>615
そう言ってもらえると、俺も書きがいがあります。
これからも、自分の力で書ける限り伝えたいものを伝えて行きたいと思っています。
半月短編集も8巻までは出ると聞いているので、まだまだ戦えますw
- 619 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 28:2006/05/12(金) 00:13:57 ID:9Wd21aXz
- 『ガラガラッ』と大きな音を立てて、横開きの扉が開く。あれ? おかしいな、いつもなら、
すぐに『お帰り』の返事があるんだけど、今日は無いようだ。
買い物にでも行っているんだろうか?
この雰囲気だと、親が居てくれる方がいいんだけど……。
「母さん、なんか出かけてるみたい。まぁ、あがってよ」
僕は一階の電気をつけ、里香を家の中に誘った。
「えっ? ……うん」
里香は、若干、戸惑いを感じているのだろうか? 少し雰囲気が変化した。
そりゃ、男の部屋に二人っきりは抵抗あるよな。
僕は他人ごとの様に考えつつ、自分の部屋の状況を思い返していた。
やばい、ちょっと散らかっていたかも……。
「ちょっと一分だけ待ってて。部屋、片付けてくる」
速攻で階段を上がり、散らかった(普通の)本とか、目につくゴミとかをさっさと片付け、
里香の座布団を用意した。これでよしと。そう言えば、全然言い訳を考えていない。
僕は焦りつつも、適当な理由を見つくろうと必死で考えていた。
『ゴメンね、お邪魔が入っちゃって』って事は、僕と美沙子さんが『何か』をしていた事になる。
その『何か』が自然であればいいんだ。始めて会った男女でも、自然にするような事。
僕は、できるだけ真実味のある嘘を必死で考えた。
『………これで行こう』
ようやく、説明する為の算段をつけることができた。
里香は、黙って座布団の上に座っている。すでに、さっきの戸惑いの表情は消え失せ、大分、
怒りの雰囲気が回復していた。掃除の一分は逆効果だったようだ。
昨日、掃除しておけばよかった……。
「あのさ、里香」
「………何?」
つっけんどんな返事。ぼくは怯まずに続けた。
「美沙子さんの事、何か勘違いしていたり………とか?」
「あはは。勘違いってどういう風に?」
里香は笑顔で問いかけてきた。が、これは逆に怖い。
「いや、ほら、まさか俺と美沙子さんが付き合ってるとかさ」
「あはは。そんな事あるわけ無いよ!」
里香は、僕が話し終わる前にすぐに答えた。
「そんな事じゃないよ……」
「……」
お互い、数秒間の沈黙。じゃぁ、いったい何なんだ。理由を聞き返そうと目を向けた時、
彼女の表情の変化に気がついた。今にも泣き出しそうな、悲しそうな表情。
「裕一……嘘ついてるよね……」
「……」
それを聞いた僕は、ぐうの音も出なかった。
(つづく)
- 620 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 29:2006/05/13(土) 01:36:36 ID:Ile4VwNn
- 「……」
長い沈黙。静まりかえった部屋で、ただ、雨の降る音だけが聞こえる。
さっきまで、都合の良い嘘を考えていた自分が情けなくなった。
でも、だからと言って正直に話しても、里香が悲しむだけなのはわかっている。
ここで、僕の胸のわだかまりを、すっきりと吐き出したところで、結局、僕が楽になるだけで、
彼女は……里香は苦しむだけだろう。
「……ゴメン」
僕は彼女に謝った。いや、本当はずっと前から謝りたかった。
今日、謝った理由を言うつもりは無いけど、
心の底から謝った。悲しい思い何てさせないと誓ったのに……。
「……やっぱり嘘だったんだ」
「……」
「もう……、嘘つかないって約束して……」
彼女は、うつむきながら呟いた。僕は少し間をおいてゆっくりと答えた
「うん……。約束する。絶対にもう、嘘はつかない」
もう、僕は彼女に嘘なんてつかない。
いや、絶対なんて無理かもしれないけど、でも、僕は彼女の為に誓った。
「……うん」
そう言うと里香は顔を上げた。表情は少し軟らかくなっていた。目は潤んでいたけど……。
「正直に言ったから……、今回は許す」
ちょっと怒った感じだったけど、もう、いつもの里香に戻っていた。
「本当、ゴメンな里香」
「もう、謝らなくてもいいよ」
僕は、何も言わずに許してくれた里香に心から感謝した。
追求されても彼女に本当のことを伝えられないから、僕を信じて許してもらう以外、
彼女が傷つかない方法は無かったんだ。
「里香……ありがとう」
「どういたしまして」
- 621 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 30:2006/05/13(土) 01:37:20 ID:Ile4VwNn
-
――そして、僕らは、ようやく、いつもみたいに屈託無く微笑み合うことができるようになったんだ。
「あはは。それにしても、裕一はバカだよね」
それから三十分ぐらいたっただろうか、雨宿りがてら、僕たちはポテトチップスを摘みながら、
くだらない会話をしていた。
「何言ってんだよ」
「だって……」
おかしをヒョイと、口の中へ放り込む。
「なんだよ?」
「だって、覚えてないって言ってたのに、すぐに自分で言っちゃうんだもん」
「何を?」
僕は、今日の里香をフイルムに収めようと、机の上のカメラを取りに向かった。
椅子に座り新しいフィルムをカメラに装填する。
「何って、さっき自分で謝ってたのにもう忘れてるし。美沙子さんの名前だよ」
「へ? あぁ。名前ね……」
名前。確かに、僕は気が動転して『名前、何だったかな』と嘘をついた。
その後、車内で『美沙子さん』って呼んだっけ……。ちょっと待て、だったら、
さっき許してくれたのは、その事だったの?
――多分そうだ。間違いない。
さっき謝ったことが無効になった様な気がして、複雑な心境になった。
それにしても、普通だったら、思い違いで済まされるような嘘を、ここまで拒絶する里香に心底脅えた。
今後、絶対に彼女に嘘なんて言えない。
「次、嘘ついたら許さないからね!」
里香は座布団の上で、キッと僕の方を見た。あっ、かわいい。
『パシャ!』
僕は、考え無しに『鋭い視線の里香』を撮った。
いや、撮りたい表情だったから、反射的に撮ってしまったんだ。
(つづく)
- 622 名前:Ξキソケ:2006/05/13(土) 12:48:31 ID:VFXG4wj3
- 乙です。もう少しでエロですかね?
- 623 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/13(土) 20:12:49 ID:B44SS/Qc
- エロなしなんじゃなかったっけ?
- 624 名前:Ξキソケ:2006/05/13(土) 20:48:19 ID:VFXG4wj3
- すみませんそうでした。
なんか勿体ない気もしますね。
- 625 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 31:2006/05/14(日) 00:40:01 ID:RLz13mlG
- 里香は突然のシャッターが気にくわなかったのか、スッと立ち上がった。
僕はひるみながらもファインダー越しに彼女を捉え続けた。里香は、もう目の前に立っている。
「いきなり撮るな!」
ちょっと大きな声。僕は、びっくりして椅子から転げ落ちてしまった。
『パシャ!』
ガタッと転げ落ちた拍子に、シャッターが切れる。
「イタタタタ」
カメラを守りつつコケてしまった。腰をおもいっきり強打してしまい、重い痛みが体を走る。
ちょっと悪いと思ったのか、里香が心配そうに覗き込んできた。
「裕一が、悪いんだからね……バカ」
「うー。ごめんごめん。でも、そんな大きい声出さなくても」
「だって……急に撮るから」
里香は、手を差し出しながら、ちょっと申し訳無さそうに呟いた。
僕は、カメラを横に置き、彼女の手をぎゅっと握り、ようやく半身を起こす事ができた。
『里香の手、柔らかいな』
そんな思いが頭をよぎった瞬間、僕は握った手を、ぐいっと引っ張っていた。
「あっ……」
里香はバランスを崩して、ひざをついて僕の方に倒れ込む。僕の肩に里香の小さな頭が乗る。
ちょっと右を向けば、サラサラした長い髪と、かわいい耳。
里香の左手は僕の肩に、僕の左手は里香の肩へ。僕たちは、座ったまま抱き合う形になった。
僕は、握っていた右手を離して、里香の腰のくびれに手を回した。そして、ぎゅっと抱き寄せる。
僕は目を閉じ、里香の耳元で、聞こえないぐらい小さな声で囁いた。
- 626 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 32:2006/05/14(日) 00:40:44 ID:RLz13mlG
- 「里香……大好き」
胸板から彼女の鼓動が微かに伝わってくる。
制服越しに感じる、ふわっとした柔らかな膨らみ。
里香の髪の匂いと息使い。細くて柔らかい彼女の小さな体を、僕は両手で抱き寄せ、
体中で彼女の存在を確かめていた。僕は、自分の積極的な行動に驚いた。
いや、ずっと前から、こうしたかったから、自然と体が動いたんだ。
――砲台山で抱きしめて以来、ようやく僕は彼女を、もう一度抱き寄せることができた。
数秒の空白の時間を経て、ようやく里香は少しだけ離れて口を開いた。
僕の目を見るその表情は、怒っているのか困ってるのか、わからなかったけど、
頬はほのかに赤く染まっていた。
「裕一……いきなり何…」
僕は、彼女の唇が見えた瞬間、自分の唇で彼女の言葉をさえぎった。
ただキスしたかったら、衝動的に動いてしまった。強引な行動に、里香は怒ってるかもしれない。
「んっ……」
凄く長い時間に感じたけど、ほんの数秒だっただろうか、僕の胸板を押し返す力で、
互いの唇は離れてしまった。久しぶりのキスは、砲台山の時と、少しだけ違う味がした。
「何するのよ。裕一のバカ……」
照れた顔で、下からのぞき込むように言った。
「ゴメン……」
僕は、彼女の小さなおでこに、自分のおでこを当てながら謝った。
「もう、謝るなら最初か……」
僕は、もう一度だけ、彼女の言動をさえぎる事にした。
そして、もう一度、ぎゅっと彼女を抱き寄せたんだ。
(つづく)
- 627 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/14(日) 00:45:59 ID:RLz13mlG
- つづきです。もう感想が無いのもなれましたが、寂しいもんではあります。
10人ぐらいは読んでくれていますよね?
>キソケさん >623さん
エロに関しては、ライトノベルの範疇では書くつもりです。
本格的描写に関してはキソケさんお願いいたします!
- 628 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 02:05:51 ID:yebohmbO
- >>627
や、ちゃんと読んでますよ。一応、毎日チェックしてるんで。
みんな、途中で感想とか意見書き込んで、作品に影響与えるか、とか心配してるんじゃないですかね。
まあ、見守っているということで。
- 629 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 05:02:47 ID:C+8aJtQF
- >>627
自分も毎日読みにきてますよ
ただ…自分は文とか書くのが苦手なんで読んでも、どんな感想かいていいかわからないんですよね……
もさんは「面白かった」や「つまらない」「GJ」などの感想ではなくもっと細かいところの指摘を求めてらっしゃるようなので、自分はずっとROMってました
自分はもさんの書いてる半月の小説が好きですし、もし出版なさるなら是非購入したいと思ってますよ。
これからも陰なから応援してます
長文乱文すいませんでした…
- 630 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 23:19:25 ID:jFHguGpS
- カミングアウト方向に話をもっていかれないでホッとした
って、普通に作品読んでる人なら禁じ手だって分かってるはずですけどね
- 631 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 33:2006/05/15(月) 01:07:56 ID:VAlvtCr9
- 柔らかくて温かい唇の感触。僕の頬に微かに彼女の吐息が当たる。
肩にのった里香の手は、さっきより強く、ぎゅっと僕の服を握っている。
刻が止まったような部屋の中で、僕たち二人の吐息と、微かな雨音だけが響いていた。
ずっとこのまま、止まっていればいいのに……。
僕はそのまま、ゆっくりと目を開けた。
おぼろげに見える視界の中で、彼女の閉じられた目が見える。
僕は、すぐに目を閉じる。
それは、さっきよりも長くて、僕の胸板に添えられた左手からも、拒否する態度を微塵も
感じ取れなかった。
僕は、ずっと、このぬくもりを……数秒の幸福を噛みしめていた。
里香だってきっと、僕と同じ気持ちだったと思う。
きっかけを作ったのは僕だった。日ごろそんなシーンを妄想する事はあったけど、
実際には非現実的といっていいほど『そういう事』とは無関係に毎日が過ぎていく。
今も浮き足だっている感じで、現実感は希薄だ。これが夢見心地という感じだろうか。
僕は、その……、なんて言うか味覚を感じる部分を、少しだけ、本当に少しだけなんだけど、
彼女の口に入れたんだ。
『んっ!…』
突然の行為にびっくりしたのか、彼女から微かに声が漏れる。
僕は少なからず、その色っぽい声に興奮を覚えた。
それは、ブレーキの壊れた機関車のように、次にやりたかった事をしてしまう瞬間だった。
いや、前からやったら駄目だってことは、頭では十分理解していたはずだった。
でも、その時は理屈じゃなかったんだ。僕は自分の衝動を抑えることができなかったんだ。
『!』
その時、僕の味覚を感じる部分に、強い痛みが走った。
「いひゃっ!(いたっ!)」
思わず声が漏れる。ピリッとした舌先の痛みで、反射的に互いの唇が離れてしまった。
「調子に乗るな! 裕一のバカ!」
彼女は怒りの形相で僕に訴えていた。その時、目は少しだけ涙で潤んでいるように見えた。
僕は突然の出来事と、あまりの状況の落差に、ただ唖然としていた。
「バシッ!」
左の頬がジーンと痺れた。その時、はじめて自分の行動の軽率さを悔やんだ。
ホントに、何をやってるんだ俺は……。
「もう帰る! バカッ!」
そして、里香はすぐに立ち上がり、足早に階段を降りて行った。僕は、頬と舌の痛みと、
張り裂けそうな胸の痛みで、何も考えることができなくなっていた。
そして、さっきまで二人居た部屋に、ただ一人、呆然とたたずんでいた。
――その時、僕の口の中は、少しだけ血の味がしていた。
(つづく)
- 632 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/15(月) 01:23:55 ID:VAlvtCr9
- つづきです。前回の終わりでシーンを変えて、読者にお任せパターンにしようと思ったのですが、
こういうシーンを書くチャンスも少ないと思いましたので、悩んだ結果書いてみました。
>628さん >629さん
コメントありがとうございます。モチベーション上がりました!
なんとか継続しますので、是非続けて読んで頂ければっ!
僕自身1人で書くよりは、半分の月が好きな人たちと一緒に書きたいと思っていますので、
ご指摘は大歓迎です。話がまとまらないと怖いですが、昇華させます。
>もし出版なさるなら是非購入したい
ありがとうございます。超嬉しいです。ただ、今回、僕は、あまり販売を視野にいれておりません。
が、関係する若手のデザイナさんが売りたいようであれば、100冊以下とは思いますが、身を削って
作ろうかと思っています。ただ、値段は本の原価だけで凄い高くなると思いますので、
本当に希望者だけの少数販売しかできなさそうです。本当に半月が好きな人が、欲しい様であれば
身を削って作ろうかと思っています。
ブログを見ていただければわかりますが、紙のクセを撮るだけで1冊1日程掛かります。
その工具代、1冊分で5000円コースです。なので量産が不可能な感じです。
いつかブログで是非欲しいと希望される方の注文のカウントをしたいと思いますが……。
どうなるかは未定です。
>630さん
十分配慮して書きたいと思いますので、今後「これは違う」とかあれば、是非ご指摘くださいませ。
今回はセーフでしたでしょうか? 自分的にはセーフのラインだったんですが……。
ただ、面白くなるのであれば、きわどいラインは狙っていこうと考えています。
- 633 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 34:2006/05/16(火) 00:39:42 ID:MKkKR4Nq
-
φ
僕は、まだ少し雨の降る中、できるだけ急いで里香が通る可能性のある世古を、
黙々と走り続けた。少し時間は経ってしまったけど、彼女は走ることができないから、
まだ、そんなに遠く離れていないはずなんだ。
僕は、彼女と気持ちまで離れてしまわないように、今となっては無意味な傘をさしながら、
里香の家の方角に向かった。水を含んだ靴は、僕の気持ちと同様に重くなっていたけど、
顔にしたたる雨は、こぼれ落ちそうな感情をごまかすには、むしろ都合良かった。
部屋で一人残された僕は、今取るべき行動に考えが至るまでに、数分の時間が必要だった。
突き放されて傷ついた気持ちや、無考えな自分への嫌悪感やらで、頭の中が混乱していたから、
落ち着くまでに随分時間が掛かってしまったんだ。
このまま明日になって、公園で彼女は待ってくれているだろうか?
帰りの図書室で本を読みながら待っていてくれるだろうか?
そして、もしも居なかった時、僕たちは……僕と里香は、どうなってしまうんだろうか?
例えようの無い不安な気持ちが僕を襲った。
『今日、すぐにでも彼女に!』
そして、僕は、ようやく家を飛び出すことができたんだ。
もし里香が途中で見つからなくても、なんとしてでも話を聞いてもらうんだ。
いや、もちろん携帯と同様、出てくれないかもしれない……。
その時は、まだ『ゴメン』以外、何を伝えれば良いかなんて、整理できていなかったけど、
たったそれだけでも、今日、僕は直接、里香に伝えなくちゃいけないんだ。
許してくれるかどうかなんて、わからないけど……。
もう随分いろんな道を走ったと思う。でも、彼女はどこにも居なかった。
この先の道を抜けると、彼女の家の前についてしまう。
雨は相変わらずで、僕の表情をごまかし続けている。
辺りは夕方をから、まもなく夜を迎えつつあり、雨雲は闇の成長を手助けしている。
息を切らしながら、ようやく彼女の家の前に到着した。
傘は差していたけど、酷く濡れた制服が重い。
『傘持ってて、ずぶ濡れはおかしいよな』
若干抵抗はあったんだけど、そんなことに構っては居られない。
そして、僕は玄関のブザーを押そうとした瞬間に、ある事に気が付いた。
――一階も……二階も明かりが灯っていない。
ブザーを押して数秒後に確認できたことだった。それは、主の不在を意味していた。
- 634 名前:Ξキソケ:2006/05/16(火) 18:01:29 ID:V64Mag5s
- 乙です。里香はいったいどこに?
- 635 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/16(火) 22:49:26 ID:+fKK2r3W
- 裕一、いろいろとおかしい感じがしますね。
里香が「もう帰る」と言ったところ。いくら足早に、とは言え裕一が何も行動を起こさないのはおかしい。
里香の腕をつかまずとも「待てよ、俺が悪かった、ゴメン」程度のことは言えるのではないでしょうか。
それに、"僕たちは……僕と里香は、どうなってしまうんだろうか?"この部分。ちょっとばかし度が過ぎる思考かな、と。
二人が病院にいたときにも、こういうことは二度か三度かあったかと思う。そのときもちゃんと仲直りしてるわけだし。
それに、今となってはこの二人、絶対的な信頼で結ばれてるわけですから。もうちょっと軽くても良いかな、と思いました。
こう思った原因としては、里香の「もう帰る」から家を出るまでの描写が足りないかな、と。
もし里香がものすごい剣幕で起こっていたのなら、裕一の"僕たちは……僕と里香は、どうなってしまうんだろうか?"につながるのもわかります。
でも、今の段階だと、里香の怒りに対する描写がほとんど感じられません。
「血の味がしていた」でいつもとは違う、というのも感じられましたけど、とても激昂してるようには感じられませんでした。
この辺をしっかりすると、納得できるかと。
あまり専門的なことはわからないので、思ったことを素直に書きました。感じかたは人それぞれ、千差万別なのであくまでも参考意見として頭の隅にでもおいてもらえると幸いです。
これからもがんばってください。応援してます。
- 636 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 02:16:27 ID:iKd3Q87f
- なんとなくの違和感は感じますね。
個人的に気になるのは、里香の描写でしょうか。
なにか企みがあるのなら杞憂ですが
二人の距離は”裕一が思うより”1歩近くなってたら自分好みになります。
でも所詮、外野の意見なので描きやすいように&里香が裕一にしているように
僕らを良い意味で裏切ってくれれば嬉しいですw
- 637 名前: 第一話 戎崎裕一のささやかな野望 35:2006/05/17(水) 03:57:32 ID:6l6NsGDc
- どこかで行き違いになったのだろうか? まだ時間はそんなに経っていない。
多分、里香は、まだ家に帰っていないんだ。母親は夕飯の買い出しにでも行って居るんだろう。
このまま待つかどうか……。待ち続ければいつか帰って来るだろうけど、もしかすると
里香のお母さんが先に帰ってくるかもしれないし、一緒に帰ってくるかもしれない。
もうすぐ暗くなるし、電話でお母さんを呼び出している可能性だってある。
いや、もっと最悪の事態だって……。
そんな事を考えると、駆り立てられる不安に居ても立っても居られず、
僕は濡れた生徒手帳をポストに投げ込んで、彼女の家を後にした。
もし今日、会うことができなくても、手帳を返してくれる時に、思いを伝えることができるはずだ。
本当は『ゴメン』って書きたかったけど、都合良くボールペンなんて持っては居なかったから。
まだ雨がシトシトと降り続ける中、僕は、もう一度、今来た道を駆け戻った。
――深まる闇が、僕の気持ちを、どんどん不安にさせる。
彼女は……、里香は今どこに居るんだろうか? 僕は、息苦しさと
体にまとわりつく制服に刃向かって走りながら、考えられる場所を思い返していた。
もう一度、家に戻っているかもしれない。それとも、本当に、ただの行き違いだろうか……。
しばらくして、僕は一つの行き先に考えが辿り着いた。多分、あの場所。
もしかしたら違うかもしれないけど……。
『ここからなら、急げば十分もしない』
焦りや不安が入り交じる中、あいかわらず意味のない傘を差しながら、黙々と走り続ける。
夜の公園は、いつもの雰囲気と違って寂しい気持ちになる。子供たちに一時の別れを告げられた、
すべり台やブランコが、雨に打たれて寂しそうにたたずんでいる。
少ない街灯は、ぼんやりと狭い公園を照らし続けている。
僕たちのベンチは雨に濡れていたし、そこに彼女の姿はなかった。
走り続けた疲れからか、濡れたベンチでも座りたい気持ちになった。
僕は呆然と、傘を指しながら二人のベンチの前に立ちつくしていた。
溢れそうな気持ちが、胸の奥の方からこみあげる。
格好悪いけど、声を出して泣きたい気分になった。僕は、目をつむって、こぼれそうな涙を
我慢しながら、次にどうしたらいいかを考えていた。
「遅いよ裕一……」
振り向くと、そこには小さな赤い折りたたみ傘をさした彼女が立っていた。
(つづく)
- 638 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/17(水) 04:11:51 ID:6l6NsGDc
- つづきです。今日はかなりやばかったです。もう夜中の4時です(w
これは危険信号なので明日から心を入れ替えなければ……。
>635さん 636さん
詳細な分析ありがとうございます。筆力のなさが原因で、やはり頭の中のイメージを
描写仕切れていないの違和感の原因かと思います。イメージだと文章以上に情報があるん
ですが、仰る通り、単純に里香の怒りの描写が書けていないですね。
この辺りは、ブログの掲載までに手を入れたいと思います。
本当は、今日やりたかったんですが時間が……。
あと、すでに感じられているかもと思いますが、全体的に、裕一をちょっとだけ子供に
書いています。その方がおもしろいかなと思ってやっていることですが、そのあたり
本作との違和感の原因になっているのかなと思います。
結果、裕一に感情移入して読む際に、不甲斐なさを感じるシーンが多くなっています
ので、この方法が良かったのかはわからないのですが、今のところ、大人な二人を書き
続けるよりは面白くできる気がしています。恋愛面に関しても同様なのですが、あまり
内容に関する事に触れるのもどうかと思いますのでこのあたりで止めておきます。
今後ともご指摘よろしくお願いいたします。速度優先と質優先では、質を優先させたい
と思っていますので、最悪、毎日書けないかもしれませんが、やっぱりみなさんの納得の
いく内容にしたいと思いますので……。
- 639 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/17(水) 08:27:02 ID:iKd3Q87f
- いやいや、こっちこそ要らぬツッコミでした。
最終的に、後半に幸せな二人が見れたら
それで十分なんでやりたいようにやって下さい☆
- 640 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 36:2006/05/18(木) 00:15:29 ID:fOOlEL7u
- 僕は突然の里香の呼びかけに唖然とした。
さっき辺りを見回した時には見あたらなかったのに……。
奥の自転車置き場に居たんだろうか? でも、今はそんな事はどうでもいい。
「里香……、ゴメン」
僕はすぐに、彼女に、今の想いを伝えた。
「あぁいう場合は、もっと早く追いかけて来なよ。三十分ぐらい待ったよ」
「ゴメン……」
「来ないから、もう帰ろうかと思ったよ。裕一のノロマ!」
「……ゴメン」
ただ単に、ここに遅く到着した事への謝罪をしているだけみたいだった。
謝りたいのは、それだけじゃないんだけど、まだ気を抜けば涙が溢れそうだったから、
僕はただ『ゴメン』としか言えなかった。
でも、彼女が待っていてくれた事と、また普通に会話できている事が無性に嬉しかった。
あの日の約束、『ずっと一緒にいよう』という約束を、彼女も守ってくれている様な気がした。
そう思うと、さっきまで不安で一杯だった僕の心は、今は嘘みたいに穏やかになっていた。
「? 裕一、服濡れてるよ?」
「うん……濡れてる」
僕は自分の服を見回して淡々と答えた。
傘はさして居たんだけど、走り回っていたから、雨や汗で、かなり濡れている。
「傘持ってるのに、何で濡れてんのよ。バカ」
そう言うと、彼女はポケットから小さなハンカチを出して、僕の水に濡れた顔を拭い始めた。
雨なのか、汗なのか、それ以外なのか、もうわからないけど、ゆっくりと拭っている。
「里香、本当にゴメンな」
「うん……いいよこれぐらい」
「……」
いや、そうじゃないんだけど……。
だけど僕は、ただ黙って目をつむって、じっと彼女のハンカチに顔を預けていた。
「裕一……泣いてるの?」
「……」
僕の髪の毛の先から、水滴が落ちる。
彼女は最後にハンカチを広げて、僕の髪の毛を拭いてくれた。
捨て犬の様な気分だったけど、その時、確かに僕は幸せを感じていた。
「裕一、そろそろ帰ろっか? もう暗いから送ってくれる?」
「……うん」
そして、僕たちは雨の降る中、彼女の家を目指して歩き始めた。
(つづく)
- 641 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 37:2006/05/19(金) 01:26:21 ID:yb5rbThX
- しばらく二人っきりで、夜の道を無言で傘をさしながら歩く。
『今、僕の傘がなければ、もう一度、あの赤い小さな折りたたみ傘に入れたのに……』
そう思うと少し寂しい気持ちになった。
雨は大分弱くなっており、半ば霧状になった雨粒が、道端に並ぶ街頭を幻想的に浮かび上がらせる。
ぼくは思い切って自分から声をかけた。
「あのさ、里香」
「なぁに? 裕一」
里香は、さっきから、ちょっとやさしい感じで答えてくれている。
僕を気遣ってくれているのだろうか? 自分も傷ついているだろうに……。
「今日……ゴメンな」
ようやく僕は、部屋での出来事とわかるように彼女に謝罪する事ができた。
「……」
少し間をおいてから、彼女もようやく口を開いた。
「……凄いドキドキした」
「……うん」
――僕だってドキドキドキしていたから、彼女の鼓動は、もっと激しかっただろう。
「……体に悪いよ」
「……うん」
「どうなるか……わかんないよ?」
「……ゴメン」
僕は、それ以上何も言うことができなかった。
『走ったら駄目』とか『本当は学校にも行って欲しくない』とか、
少なからず彼女の体の心配をしてきたつもりだったけど……。
僕は自分の身勝手さに呆れたし、欲望のままに取ってしまった行動を悔いていた。
「えっとね、裕一もさ……男の子だしさ……」
彼女は恥ずかしそうに、言葉に詰まりながら続けた。
「そう言うのにさ……興味があるのはわかるよ……」
僕は黙って彼女の言葉を聞いていた。
「凄くHだしね……」
「……」
多田コレクションの件といい、今回の件といい、もう反論のしようもない。
「でもね……最初にキスされた時……」
彼女はうつむき加減で、雨音にまぎれて聞こえないぐらい小さな声でささやいた。
「……ちょっとだけ嬉しかったんだよ」
僕はドキッとして、里香の方を見た。その時、彼女の表情は長い横髪に隠れていた。
(つづく)
- 642 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 19:13:37 ID:VI8Q5c5M
- >………ちょっとだけ嬉しかったんだよ
いいですね〜
グッ、ときたww
- 643 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/20(土) 02:01:31 ID:AfPjwSAl
- その「………」の中にちょっとだけじゃない想いが詰まってるんですねww
- 644 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 38:2006/05/20(土) 03:11:05 ID:tdfE+/LO
- それから僕たちは、互いに会話も無くなり、ただゆっくりと家の方へ歩き続けた。
香は相変わらず、少しうつむき加減で歩いている。
最後の言葉は、僕の落ち込んだ気持ちを救ってくれた。さっきの一言がなければ、
この先、もう一度彼女を抱きしめたくなっても、怖くなって思いとどまっていただろう。
それは僕たち二人の将来にとって、少なからず寂しい事であったに違いない。
『彼女も嬉しかったんだ……』
精一杯の言葉。そう思うと単純に嬉しかったし、自然と悲しい気持ちは薄らいでいた。
もう数分で彼女の家に着く。それで今日は里香ともお別れだ。
でも、また明日、さっきの公園の僕たちのベンチで、彼女は待ってくれているだろう。
それだけで十分だ。
雨はもう降っているのかどうかも、わからないぐらい小さくなっていた。
明日の朝には雨で濡れていたベンチも、座れるようになっているだろう。
僕は右手に持っている傘をゆっくりと持ち替えて、空いた手で彼女の手にそっと触れた。
少し遅れて彼女の手から、僕の右手にチョンと返してくる。
そして、僕は、ゆっくり優しく包み込むように彼女の手を握った。
里香も少し遅れて、ぎゅっと握り返す。
僕たちは、ずっと無言だったけど、その時は、もう言葉は必要なかった。
――そして、彼女の家の前で、僕たちは立ち止まった。
少し名残惜しい想いを振り切って、互いにゆっくりと握っていた手を離す。
そして、彼女はうつ向いたまま、微かな声でポツリと呟いた。
「もっと……、ゆっくり……ね……」
「ん……? あぁ」
そう言うと彼女は、扉の前に向かって、クルッと振り向き、少し照れた顔で微笑んで答えた。
「裕一、送ってくれてありがと」
「あぁ、うん」
彼女は最後に手を軽く挙げて、僕に別れを告げた。
そしてゆっくりと玄関の扉が閉まり、ようやく長かった二人の一日が終わりを告げた。
僕はその時、あっけに取られながら彼女を見送ってしまった。
『おやすみ』も、『さよなら』も、『ありがとう』も、気の効いたことは何も一つ言えなかった。
後になって、ようやく里香の言葉の意味を理解できた僕は、気恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら、
彼女の家を後にした。
しばらくして、置き去りにされた生徒手帳の事を思い出した。
それは、相変わらずポストの中でたたずんでいる。
(つづく)
- 645 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 39:2006/05/21(日) 00:57:21 ID:nRLH5gqz
-
φ
『ガラガラ――ッ!』
大きな音を立てて、少し支柱の曲がったシャッターを勢いよく下す。よし、一発で決まった。
最近わかったんだけど、綺麗に一発で閉めるには、少々コツが必要で、はじめの勢いが弱いと
少し間が開いてしまい、そのすき間を閉めるのが結構面倒なのだ。
心地よい疲れの中、椅子に座って本を読むアルバイトを終えた僕は、自転車にまたがって、
夕飯の待つわが家へと向かった。
いつもはもっと疲労感があるんだけど、今日は足取りも軽く、自転車のペダルもしごく軽い。
それは、この封筒に原因があるわけだ。
週二回だけなんで、決してもの凄い金額とは言えないんだけど、持つ機会の少ないお札が
何枚か入っていたし、たまに二人で遊びに行くには十分と言っていい金額が、その封筒には
入っている。
僕は落とさないように大事に、内ポケットに入っている事を何度も確認しつつ、
日の落ちた道を自転車で駆け抜けていく。
『まずはこの前の約束通り、食べに行って……』
『ちょっとまともな三脚があれば、二人で写真もとれるしな……』
『そのうち、映画でも誘おうか……』
『おもいきって温泉旅行とか…』
とても全部実現するのは無理だったけど、考えると次々にやりたいことが浮かんできて
僕の妄想はどんどん広がって行った。
頭の中の里香は、微笑んでいたり、ちょっと怒っていたり、温泉で照れていたり、
いろいろな表情を僕に見せている。
『もっと、いろんな所に連れて行ってやるんだ!』
僕はようやく、それができるんだと思うと、嬉しくて自然とペダルを漕ぐ速度が上がっていった。
もちろん、お金のかからない所にだって、いい所はたくさんあるし実際にあった。
春の桜並木や伊勢参り、ちょっと広めの公園で散歩とか。僕たちは休日のどちらか一日は、
なるべく二人で出かけるようにしていたし、気に入ったところは、自転車に乗って何度も訪れていた。
だけど、あまり遠出ができないから、範囲も狭くなって選択肢も限られてしまうんだ。
――この封筒は、僕たちの休日に新しい刺激を与えてくれるだろう。
僕は、初めて自分で手に入れたお金を、もっとも有効的に無駄なく使う為に、
色々と考えを巡らせていた。
いつもは、ちょっと距離を感じる帰り道だったけど、今日はあっという間に時間が過ぎていく。
なんだ、もう家は目の前だ。
僕は、景気よく『ガラガラ』と音を立てて扉を開いた。
そして、いつも通り『お帰り』と母親の声が聞こえた。
(つづく)
- 646 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/21(日) 01:06:33 ID:nRLH5gqz
- つづきです。ようやくシーン変えましたー。
>642さん >643さん
ありがとうございます。丁寧に書いたつもりだったので、グッときていただけたようで
良かったです(喜
もっと萌え死ぬように色々考えを巡らせていたのですが、どうしても表現が行き過ぎな
感じになってしまうので最終的に控えめな感じで押さえてみました。
明日も地道に頑張ります。
- 647 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 40:2006/05/22(月) 01:19:32 ID:1RsAzxmR
- 夕飯を速攻でお腹にかき込んだ僕は、お金の使い道を考える事を後回しにして、
四畳半に閉じこもる事にした。
光の入らないように遮光して、暗室の安全光を灯す。
部屋に満ちた酢酸の臭いにも慣れたもんで、昔ほどは気にならなくなった。
今日は、現像を終えたフィルムを印画紙に焼き付けるべく作業を進めている。
もう作業はこなれてきて、大分失敗することも無くなってきた。
引き伸ばし機にフィルムをセットして、現像の状態を確認していく。
よしバッチリ、ムラもなく綺麗に取れている。
一枚づつ順番に映し出される映像を眺める。
このフィルムにも色々な表情の里香が収める事ができた。
いろんな角度で、いろんな服装で、彼女が僕に微笑みかけている。
僕は映し出される彼女の表情に満足しながら、じっくりとフィルムを確認していった。
写真をみる僕の表情は、少し緩んでいるだろうけど、ここには誰もいないし、
ましてや暗室だから頬の緩んだ顔を見られることも無い。遠慮なく頬を緩ませる。
『! なんだこれ?』
僕は映し出された映像をみて、少なからずびっくりした。
なんだこれ? こんな写真を撮った覚えは無いんだけど……。
いや、仮に取りたくても絶対に取らせてくれないだろうし、発見されたら確実に里香に没収される。
いや、それだけじゃ済まない。
そんな非現実的な映像を引き伸ばし機は、写し出していた。
僕はわき上がる罪悪感を押さえつつ、わずかにピンボケ気味の写真をずっと眺めている。
そこには、もの凄いローアングルで撮影された、制服姿の彼女が立っていた。
ちょっと見下ろして怒った表情にゾクッとする。
スカートの奥のきわどいラインから、スラッと伸びた長い足に、僕の視線は釘付けだった。
いや、見えないんだけど、見えそうというか、逆に見えないのが良いというか、もうなんというか……。
これは間違いなく、僕の撮ってきた写真の中で、もっとも異彩を放っていた。
『あぁ、あの時だ! 転倒した瞬間にシャッター押したっけ?』
映し出される映像の前後関係から、撮影された瞬間を思い出した。
里香に怒鳴られて椅子から転げ落ち、その拍子でシャッターを切ってしまったんだ。
僕は奇跡とも言える偶然に心から感謝した。
もちろん、里香に申し訳ない事はわかっているんだけど、このフィルムは
大事に保管させていただくとしよう。
現像は一枚だけして……、いや駄目だ、フィルムの状態で見れるぐらいがちょうどいい。
それに、里香に見つかったら殺されかねない。いや、やっぱり一枚だけ現像して……。
僕はこの写真を現像するかどうか、しばらく葛藤していたけど、手慣れた手は、無意識の内に、
順調に印画紙に焼き付けをすませていたし、三分後にはいつのまにか、水の中に一枚の写真が
浮かんでいたんだ。
惜しむらくは白黒写真であったところだが、それは彼女にとって、せめてもの救いになっていた。
でも、逆にそれが、なんとも言えない良い味を出してる。
(つづく)
- 648 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/22(月) 03:07:36 ID:Pbnr18cy
- 文には問題ないんだけど書き溜めてまとめて投下したほうがよくない?
- 649 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/22(月) 04:27:39 ID:pkpOei+f
- それは同意。むしろ文をテキスト形式にまとめてうpしてほしい
- 650 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/22(月) 04:55:41 ID:1RsAzxmR
- ども落書き練習している内にレスが来ていたので返信いたします。
>648さん >649さん
すいません。まとめて読む場合はブログの方でお願いいたしますです。
↓
ttp://d.hatena.ne.jp/mohe/
一気に読めると思いますし、色々手直ししているので読みやすいと思います。
2chには、文章が書き止まらないようにする為に、私の希望で毎日書かせて
いただいております。すいませんが、それだけはどうか大目に見てください。
もしも、ここに書かなくなったら使命感が薄くなって文章作成ペースが落ちそう
で不安なのです。モチベーション維持の為の工夫なので、お許し下さいませ。
- 651 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/22(月) 08:19:43 ID:t1LqXeeg
- 毎回コピペして保存するのが面倒だったけど
補完サイトがあるのは嬉しいな。
エロパロ版で最新が見れるし
補完サイトで落ち着いた頃にまとめて読める。
- 652 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 41:2006/05/23(火) 00:35:45 ID:XOf0KLaR
- しばらくして、ようやく一通りの現像を終えた。
天井にはプリント済みの印画紙が、何枚も並んでいる。
とっておきの一枚は、部屋の奥の方にさりげなく吊しておいた。
もし親が入ってきても、すぐには気づかないように上手いこと配置しておく。
あの二人は仲が良いから、もしも発見されて、里香に告げ口でもされたら大変だ。
『今度、部屋のもっと見えにくい場所にも、紐を吊しておこう』
もう一度、大事な一枚を見上げた僕は、写真の彼女と目があった。
その表情は怒っており、何か言いたげで、僕を見つめている。
邪な考えを持ったことに少々反省したが、『ゴメン今回だけっ!』と心に誓い、
写真の里香に謝っておいた。
一息ついたので寝転がりながら、今日、手に入れたお金の使い道を考えることにした。
ぼんやりと、天井に並ぶ生乾きの印画紙を眺める。
ほとんどが里香一人で写っており、隣に自分が居ないことに、若干の寂しさを感じないでもない。
これはもう、買って二人並んで撮るしかない。やっぱり、三脚は外せない。
古いカメラ雑誌をめくると、値段の安い物から高価な物まで、色々な三脚が載っていて迷う。
高価な三脚を買う程、潤沢に予算があるわけでもないし、残金が寂しくなると、肝心の行きたい所に
行ける回数が減ってしまう。
うーん、悩む。とりあえずは、激安の三脚で我慢するか?
などと考えを進める内に、頭の片隅に微かな記憶が蘇ってきた。
『運動会で必死に走っている中、チラッと見た、こっ恥ずかしい応援をする親父の姿……』
確か、あの時、親父の前に、このカメラが乗っかった大きな三脚があったはずだ!
僕は、すぐに飛び起きて、まだ荷物が混沌としている元親父の部屋の、
押し入れの中を引っかき回し始めた。
何で今まで忘れていたんだろうか? 親父はカメラに凝っていたんだから、
三脚ぐらい持っていて当然だ。あぁ、信じたくないが、本当に俺は馬鹿かもしれない。
しばらく押し入れの段ボールをひっくり返し続けて、ようやくそれらしい箱を見つけた。
『こんな奥にしまい込んで、使う気あったのかよ!』
その箱は、細長くてちょっとだけ重い。開けるとそこには、念願の三脚が入っていた。
これは、かなり嬉しい誤算だ。やや大きく感じたが、贅沢は言っていられない。
もちろん、雑誌に載っていたメーカーの名前が刻まれている。そこそこ良い代物の様だ。
僕は、無駄な出費をせずに済んだことにホッとしていた。
自分で三脚を買ってから、これを発見した日には、目も当てられないところだった。
さっそく箱から取り出し、少し白くなったアルミを布で拭いてやる。
今度、遠出する時は、これを持って行って、二人で写真を撮るんだ!
そう思うと嬉しくって、ついニヤニヤしてしまう。
天井のとっておきの里香は、相変わらず怒った顔で、ニヤニヤした僕を見つめている。
(つづく)
- 653 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/23(火) 00:39:07 ID:XOf0KLaR
- つづきです。
里香成分が薄いですが、ゴメンナサイ。
本編も里香ばっかりでもないので、そのへんはバランスという事で一つ。
>651さん
そう言っていただけるとありがたいです。是非たまに見に来てくださいませ。
- 654 名前:第一話 戎崎裕一のささやかな野望 42:2006/05/24(水) 04:46:58 ID:YbwlNCBt
- 三脚の発見で、大きな出費を抑えることができた僕は、残った金額の使い道について、
紙にメモを書きながら、おおざっぱに計算をすることにした。
印画紙代、数回のデート費用を計算に入れても、まだ、だいぶ余分があるので、
日帰り温泉旅行程度は計画できそうだ。
期待に胸が膨らむが、さすがに混浴は無理だな。
誘った時点で偉いことになりそうだ。
『あと、里香に何か買ってやろう』
僕は、最初の給料で形に残る物を買うことにした。
安くても良いから、身につけられる物とか……。
空想の中の里香は、銀のチョーカーを首にかけて喜んでいる。
クルッと回って結構可愛かったので、これは絶対に買うことに決めた。
そうそう、今日バイト先の古本屋の店長に、図書室で探していた本を、
仕入れの時に探してもらうようにお願いしておいた。
渋い選択に店長は目を丸くしていたけど、そのうち手に入ると言っていたから大丈夫だろう。
いつ手にはいるかわからないけど、購入代金は、あらかじめ残しておかないと行けない。
約五千円と結構出費は大きい。
そう、僕は、彼女に内緒で我が校の図書室に、その本を寄贈するつもりだ。
そして誰よりも先に、その本を借りて、貸出票の一番目に自分の名前を刻むんだ。
それから、僕が卒業した後に、里香が本の存在に気が付いてくれれば、
このささやかな計画は大成功なんだけど、実は、そこまでは期待していない。
もちろん気がついてくれて、手にとって僕の名前を見た時の表情を想像するだけで、
ワクワクするんだけど、べつに、気づかなくてもいいんだ……。
ただ、僕と彼女がこの高校で過ごした証として、僕らの図書室に『チボー家の人々』が
残り続けるだけで十分なんだ。
そして僕たちが卒業した後に、本を借りた生徒が、僕の書いた落書きをみて、
僕たちの二人の事を感じてくれたらいいなと思う。ちょっと上手く言えないけど。
そして何十年後かわからないけど、僕はもう一回、僕たち二人の図書室に訪れて、
もう一度、その本を借りようと思う。
――その時、貸出票に彼女の名前が刻まれていたら、本当に最高なんだけど……。
(第一話 おわり)
- 655 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/24(水) 04:56:42 ID:YbwlNCBt
- 第一話、終わりです。
これから四日間はここに文章掲載しません。
サボリじゃないですよ。これまでの文章の手直しと、
文化祭予定で考えていた第二話がボツになったので、
再度構成を考えるつもりです。
5月29日に文章掲載は再会予定です。
あと、これまで読んでいただけているようでしたら、
できればこの機会に一言でもいいので、感想頂ければ
ありがたいです。
モチベーションアップの為、是非ご協力を……。
修正指摘も、この間の受付がほぼ最後ですので、
違和感あれば遠慮無くご指摘してくださいませ。
壁を乗り越えて、また、ここに戻ってこれるように
頑張ります。
ではまた。
- 656 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/24(水) 20:12:01 ID:nT+xlWE9
- ブログの方にて、今後文章を書き進める上で、
リサーチを行わせていただきたいと思います。
http://d.hatena.ne.jp/mohe/
5/24の日記です。
読んでいただけている方いらっしゃいましたら、
何とぞ、ご協力の程よろしくお願いいたします。
- 657 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 07:28:28 ID:xSRBIW4w
- >>656
第一話とりあえずの完成、おめでとうございます。毎日、このスレを覗くのが習慣になってました。
文章もさることながら、小説を書こうとする姿勢に感服しました。同じ物書きとして見習いたいと思います。
第二話も期待してます。がんばってください。
- 658 名前:Ξキソケ:2006/05/26(金) 15:36:19 ID:CFOVYaVY
- >>657
>>同じ物書きとして
良ければ、橋本紡作品で何か書いてくれませんか?
- 659 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/26(金) 18:23:05 ID:+hfRCTCf
- >657
ども、ありがとうございます。恐縮しきりです。
先輩ということで、もしよろしければ、ブログにの
リサーチにご協力いただければ超嬉しいです。
なるべく多くの方の声を聞いて、補正していきたい
ので何とぞよろしくお願いいたします。
PS:できればメインターゲットの中高生付近の方の
ご意見をゲットしたいのですが、なかなか難しそうです。
- 660 名前:657:2006/05/26(金) 22:53:25 ID:mEX+aS9Y
- >>658
うい、今、某漫画のエロssと某アニメのエロss書いてる途中なんですよ。
片方は今日書き終わって校正してるとこで…。
いつか半分で一本書いてみるつもりです。
- 661 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/27(土) 01:07:16 ID:QSLVZiqy
- もさんへ。
一応ここはエロパロ板なので18歳未満の意見はなかなか聞けないかと。
もちろんホントに見ている方が18歳以上かどうかは自分には判りませんが。
とりあえず、SSは他の方に任せて、自分は画像で支援させてもらいます。
キソケさんしか判らない諸事情により
もさんのSSの完成までに間に合わせないといけないハメに…w
気長に待っていて下さい。
- 662 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/29(月) 02:21:24 ID:B0SDcDA8
- ども、もです。
ちゃんと戻ってきて文章書きました。そして投稿しようとしたんですが、
なんか今日から2chの書き込み確認の際に、投稿内容の知的財産権・著作権が
運営者に無条件に帰属する事に承諾する必要があるようで、そんな事はもちろん
個人的にであれ、本を作ろうとしている以上、権利的に曖昧になるので、
許される訳もなく、ここに書けなくなってしまいました。ゴメンナサイ。
なので、もし引き続き読んでいただけるようでしたら、お手数ですが、
ブログの方に来ていただければと思います。より反応無くなると思いますが、
なんとか毎日載せるつもりです。
なんで、あんな許諾文入れたんでしょ。
- 663 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/29(月) 02:34:08 ID:B0SDcDA8
- 連投すいません。
2chのツールを使っていたので、気が付かなかっただけで
過去から似たような権利関係の表記があったようですね。
今日始めて見ましたが。どちらにせよゴメンナサイ。
- 664 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/29(月) 21:40:21 ID:dEOMrwPy
- ツール使ってても自分の場合は定期的に出るみたいです>注意文
- 665 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/30(火) 22:09:25 ID:TtKV9Pyv
- ん?じゃあこのスレ用無し?
- 666 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/31(水) 01:52:56 ID:ZgHmmUkA
- 必要な奴、挙手
ノシ
- 667 名前:も ◆rq7hJG26bc :2006/05/31(水) 02:41:32 ID:p4JbaV01
- >664さん
調べました所、5月27日で投稿確認の内容が変わった様です。
ですので、昔から表示されている内容とはやはり違うみたいです。
以前は、記載された内容を2ch側が使用する権利を持っているという
内容です。これは承知しておりました。
ただ、基本的に本にする予定のない方には関係のない話ですので、
スレ的に用無しというわけでは無いかと思います。
それでは、以後は名無しに戻りますです。読んでいただいていた方
本当に、ありがとうございました。かなり元気づけられました。
- 668 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/31(水) 10:59:34 ID:hXQf+0hH
- まあ書き手が零になったわけじゃないから必要だろ。
>>657とか、書いてくれるかもだしな。
というわけで保守age
- 669 名前:名無しさん@ピンキー:2006/05/31(水) 12:54:40 ID:MguTBp7m
- 今北産業
- 670 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/02(金) 19:21:35 ID:J1LTz14x
- 保守です。
- 671 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/02(金) 19:38:09 ID:F2GKHD86
- 前に台詞書き換え漫画作った香具師だけど
ゆっくりと続きを作ってる。
全部完成したらうpろうかと思ったんだが
1pずつ見たいって人いる?
- 672 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 11:16:48 ID:eiJ48ppd
- 何ページあるの? どっちでもいいけど。
- 673 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 19:28:59 ID:k6qXPxby
- 全16Pかな。今7P目。
うpろうか、と思った理由は二つ。
職人の方々が来られるまでの場の繋ぎと
「少しずつでも見たい」という人がいるなら……
と思ったので。
どっちでも良いならまぁいいかな?
スレ汚しごめん、名無しに戻る。
- 674 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/04(日) 01:30:52 ID:JVTxeiAG
- うp!!うp!!
- 675 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/04(日) 01:46:58 ID:os7nqv48
- >>673
見たいです。
お願いします。
- 676 名前:nameless671:2006/06/04(日) 13:58:52 ID:GHLdS5qh
- 今後出て来そうなツッコミとして
・制服がブレザー
・髪留めが適当
・髪形が若干おかしい
・きょぬう
などがあると思うが、それらは各自で修正してうpしてくれ。
- 677 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/04(日) 18:23:25 ID:GVRncOFf
- >>676
すげえよ。あんたマジですげえよ。
Ω乙!!!!!
- 678 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/04(日) 19:58:21 ID:qm5jkDsU
- 乙だが、アップ場所を10分探し回って
5秒で読み終わる。やるせないぞ。
次回以降は面倒だからアドレス希望。
- 679 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/04(日) 22:00:54 ID:GVoI/k4x
- 乙!!
目ェ覚めた!
- 680 名前:nameless671:2006/06/05(月) 01:00:06 ID:8nLBVZsl
- >>678
面倒でも見たいって人が見れば良いと思ってるんで。
まぁ作るのは10分どころじゃないってことで許せ。
だけど(その他の人も)賞賛ありがとう。やる気出た。
作業工程は半分だから、3・4p目は8p目を作ってから小出しにうpする事にする。
……何週間後かな……
- 681 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 01:08:40 ID:8nLBVZsl
- 追記
乙も貰った事だし、出来るだけ早く作ってみるよ。
ただあくまで職人が来るまでの場繋ぎ程度のモノだし
キソケ氏やも氏のように良い「作品を作ろう」とは思って無いから
過剰な期待はしないで待ってくれるとありがたい。
- 682 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 03:30:22 ID:aUV/3osx
- >>681
頑張ってください。気長に待ってます。
- 683 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 16:08:59 ID:42T1hgqW
- 乙!
- 684 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/06(火) 00:31:21 ID:ZjytoUzm
- ∧_∧ +
(0゚・∀・) ツヤツヤ テカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
- 685 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 23:57:15 ID:Xl+evUZu
- wktk
- 686 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 00:46:59 ID:R05b9cxs
- 作業は全然進んで無いが、3p目。
髪を描くのは苦手だ。
あ、そうそう。広めたくないんで
なるべく転載は控えてくれるとありがたい
まだ無いけど転載見つけたらやる気が萎えそうだ
- 687 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 04:13:09 ID:yeIq70DP
- >>686
がんばれ。まったりしながら待ってる。
- 688 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:30:41 ID:HQckopDE
- あ
- 689 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 16:53:25 ID:bNP8ab+N
- アフターデイズ以降の唯は生理始まってるの?
- 690 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 17:43:55 ID:qA/bDCIy
- >>689
まだきてない。
- 691 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 18:05:09 ID:6KIxvxO1
- ちょwww膣内出ししても大丈夫なのかよ!
んで「赤ちゃん出来ないねぇ」ってちょっと残念そうに言う唯が
「もっとすれば出来るかな?」って拓くんを押し倒してまた一晩中……って寸法か!
拓くん、枯れそうだな。
- 692 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 21:12:24 ID:bNP8ab+N
- あとあり得るのが、共生体のせいで何度でも処女膜が再生するとか?
- 693 名前:小ネタ:2006/06/12(月) 02:47:24 ID:PQIgZCAG
- 「……え?」
僕が、里香の部屋に入っての第一声。なんかもう頭の中が真っ白で、言葉が出てこなかった。
「あ…裕一、来るの早すぎ…」
僅かに赤みが差した頬と、魅力的な瞳はいつもの里香だ。が、その着ている物がありえない。なんていうか、意外すぎる。
「里香、どうしてそんな格好してんだ…」
「あの…谷崎さんが貸してくれて、その…ちょっと着てみようかな、なんて…」
原因判明。亜希子さん…リアクションに困るお節介ありがとうございました。
「どうかな…これ」
いやどうかなって聞かれても僕としては里香ならなんでも似合うしだけど今の格好が嫌いかと問われたらむしろ大好きな部類に入る訳で…って意味がわかんないや。
「あー、なんだ…その、可愛いっていうか…反則?」
そう、反則に近い。っていうか反則そのものだ。亜希子さん、あなたは何がしたいんですか?
「そ、そう?可愛い…かな?」
そう言ってその場で里香が一回転。はっきり言おう。萌えたよ。萌え尽きたさ。
「ああ、すっげえ似合ってるぞ、里香」
亜希子さんが貸したというそれは…
「どう見てもナースです。本当にありがとうございました、か…」
最近ネットで見掛けた言葉を呟く。それにしても…ええい、連邦の秋庭里香は化け物か。いや連邦とか意味分かんないけどさ。なんとなく。
「どうしたの?さっきから裕一、ぼ〜っとしてるよ?」
ぐぅ!?やめろ…上目遣いで、僕を見つめないでくれ…。ナースコスの里香が上目遣い…それだけで僕のJr.が暴走しそうになる。心臓なんて、16ビートのハードロックをドラムソロな状態だ。
「??………あ」
「え?………あ、いやこれはその」
里香の視線は、マイサンに注がれている。なんで今日に限って…ちょっと細身のジーパン履いてるんだよ…。
「苦しそうだね、それ…あたしが出させてあげよっか?」
「…え?」
つづかない
- 694 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 03:24:20 ID:1m1JdRIz
- >>693
続いてくれ。
- 695 名前:Ξキソケ:2006/06/12(月) 17:18:23 ID:GM+9exGR
- ワッフルワッフル
そういえばこのスレって、あと100KB位で落ちちゃうんですよね。
もちろん次スレは立てますよね?
- 696 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:13:11 ID:RZWx7iS4
- まだちょっと早いんじゃないだろうか
- 697 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/12(月) 18:57:06 ID:jIDqpVEy
- リバーズ・エンド
- 698 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/13(火) 03:36:22 ID:0yYI4n4K
- 続きは全然作ってない訳だが
ぼやぼやしてるとネタが風化するのでうp。
ttp://ranobe.com/up/src/up114121.jpg
ttp://ranobe.com/up/src/up114122.jpg
ttp://ranobe.com/up/src/up114123.jpg
- 699 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/13(火) 04:03:50 ID:nYHwb8zE
- GJ!!>>698
元がたしかエロ?だったから…
てことは…
- 700 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/13(火) 19:24:30 ID:r2n4vlzh
- >>698
表示されない…。
- 701 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/13(火) 21:15:34 ID:4HUIPXBf
- ギコナビのポップアップでもIEでも俺は普通に見られるよ。
- 702 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/13(火) 23:04:27 ID:ImQIoUtl
- リバーズ・エンド
新しいの書く者はいないか?
- 703 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/14(水) 00:33:07 ID:m2sOO5N+
- >>698
あんたすげえよ!!
ていうか柱の文とか、芸細かすぎ!!
なんていうか、ありがとう!! 感謝するッッ!!
- 704 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/14(水) 02:02:23 ID:JdaBfcOx
- >>698
GJ!
改変元は小宮裕太ですな
- 705 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/14(水) 02:12:37 ID:JdaBfcOx
- 柱文の改変に今気づいた。芸細かっ!
- 706 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/14(水) 02:48:36 ID:6zRR6q+q
- >>698
最高です。
同人か何かやってるのかな。ハンパないっスね。
- 707 名前:Ξキソケ:2006/06/14(水) 17:09:04 ID:TiJ4or/T
- >>702
今唯と拓己で書いてますが、もうしばらくお待ち下さい。
- 708 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/14(水) 18:32:19 ID:ltXDPEkQ
- やべえ
こんなクオリティ高いの初めてだ
- 709 名前:nameless671:2006/06/14(水) 21:42:28 ID:2jN/gz1O
- 柱広告とか、遊べそうなところは遊びたいが
いつもネタに気付いてもらえないのが悩みだった。
気付いてくれてありがとう。
仰る通り小宮裕太。というか>>704氏は純愛スレの住人か。同類っすね。
最新の「恋結び」か、数週間前に詳細出てた「蝉」が手に入れば
ポニテ里香orビノベ里香として改変出来そうな悪寒。
同人とか全くやってません。自分は改変くらいしか出来ない素人なんで。
マンセーしてくれるうちは続けるからヨイショ宜しく。
- 710 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/14(水) 22:05:31 ID:feyLTs+e
- >>709
頑張ってください!!
- 711 名前:nameless671:2006/06/14(水) 22:25:12 ID:2jN/gz1O
- 7p目。うpり忘れてた。
ttp://ranobe.com/up/src/up114568.jpg
元が元なんで里香らしくハッスルさせられないけど
退院時に不安を覚えてたような、しおらしい里香って事で脳内補完してくれ。
- 712 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/15(木) 05:03:35 ID:ykaPL3z2
- むしろバックトゥスクールで一本頼む
ラスト1ページでもいいから
- 713 名前:nameless671:2006/06/15(木) 05:29:16 ID:ik0HIAfD
- 一応持ってるがスキャン状態が最良じゃないな。
もし良い感じにスキャンしてあるのがあったら出来れば全16p?うpして欲しい。
とか、そんなリクは板違いかな?
- 714 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/15(木) 23:48:14 ID:oTgK3tvK
- >>713
神のペースに任せます。
俺たちは拝めるだけで満足ですぜ。
- 715 名前:nameless671:2006/06/16(金) 00:40:23 ID:IMVS4KSm
- 変な流れになりかねないので全開のクレ厨発言は無かった事にしてくれ。
ところでトリップって半角の#の後になんか単語つけるんだっけ?
- 716 名前:nameless671 ◆LNXvZfFeNE :2006/06/16(金) 03:27:34 ID:IMVS4KSm
- >>712
こうですか?分かりません。
ttp://ranobe.com/up/src/up115061.jpg
台詞は面倒なんで適当にしてみた。
- 717 名前:Ξキソケ:2006/06/16(金) 17:34:08 ID:1o9Geq5/
- いいセンスだ。
しかし背中の膨らみって言ってもほんとに小さいんだろうなぁw
- 718 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 08:14:16 ID:QoXi4hnq
- 胸なんて飾りです。偉い人には、それがわからんのです。
- 719 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 15:23:57 ID:b6+CYR76
- でかかろうが小さかろうが里香の胸ならそれでいいという崇高なお言葉。
- 720 名前:Ξキソケ:2006/06/17(土) 15:27:54 ID:6/lTpDCb
- 裕一に揉まれて将来大きくなる事はあるのだろうか。
- 721 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 19:03:36 ID:5l7RhSXO
- 無い。
- 722 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 02:57:15 ID:Oq12OLSv
- うん、里香なら自分で揉m
- 723 名前:Ξキソケ:2006/06/18(日) 09:48:02 ID:ilc1TeLB
- 「里香……あのさぁ……」
「なに?」
「その……里香って‥‥どっちかって言うと胸‥‥小さいよなぁ?」
「………ッ!? いっ、いきなり何よ!!」
「はっきり言って、多分里香は学校でもキング・オブ・ナイチチだと思うよ」
「………っ〜〜!!! 馬鹿ぁっ! 変態裕一あっちいけ!!」
ビシィッ!ガッ!
「ちょ、おい! やめろ!本で殴るのはやめてくれ!」
「……私だって……小さいの気にしてるのに!」
「えっ? ……やっぱりそうなのか?
……じゃあ……俺が揉んで少し大きくしてやるよ」
ふに くにっ
「ちょっと何言って……あっ! やぁ!ん……ゆ、裕一のバ、カ……!」
(続きは省略されました。. 続きを読むには性欲を持て余すと入力してください ......)
- 724 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 12:14:30 ID:Uqd/zhSk
- 性欲を持て余す
- 725 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 12:18:04 ID:X7hCtWo2
- ワッフルワッフル
- 726 名前:nameless671 ◆LNXvZfFeNE :2006/06/18(日) 12:29:01 ID:Oq12OLSv
- |┃
|┃三 ,ィ, (fー--─‐- 、、
|┃. ,イ/〃 ヾ= 、
|┃ N { \
|┃ ト.l ヽ l
ガラッ.|┃ 、ゝ丶 ,..ィ从 |
|┃ \`.、_ _,. _彡'ノリ__,.ゝ、 | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|┃三 `ゞf‐>n;ハ二r^ァnj< y=レヽ < 話は聞かせてもらったぞ!
|┃. |fjl、 ` ̄リj^ヾ)  ̄´ ノ レ リ | 性欲を持て余す!
|┃三 ヾl.`ー- べl,- ` ー-‐' ,ン \____________
|┃ l r─‐-、 /:|
|┃三 ト、 `二¨´ ,.イ |
|┃ _亅::ヽ、 ./ i :ト、
|┃ -‐''「 F′:: `:ー '´ ,.' フ >ー、
|┃ ト、ヾ;、..__ , '_,./ /l
- 727 名前:Ξキソケ:2006/06/18(日) 13:23:43 ID:ilc1TeLB
- 皆さん結構反応が早かったですねw
くにっ くにくにっ
「あっ、やぁん……やっ、やめてよぉ……」
「いや、まだまだ揉まないと大きくならないかもよ?」
ふにっ むにむにっ!
「っ……!うぅ……裕一…悪ノリしないでよ‥‥」
「何言ってんだよ? 小さいのが気になるって言ってたのは里香じゃないか?」
「そ、それは……裕一だって……」
「何?」
「……裕一だって……大きい方が良いんでしょ?」
「ん……? まぁ俺は大きくても小さくても、どっちでも良いんだけど」
「えっ……そうなの?」
「ああ。 ‥‥でも、里香の事は好きだな」
むにっ むにっ くにっ!
「ひゃっ! ……裕一……やっぱりスケベだね……」
「里香だって……そんなに顔赤くするなよ?」
(続きは多分ありません。.続きを読むには自分で妄想してください ......)
- 728 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 14:04:14 ID:IoHwyJPz
- θ
- 729 名前:Ξキソケ:2006/06/18(日) 14:24:29 ID:ilc1TeLB
- θ
「裕一、なにこの薬?」
「ん……なんの薬だろうね‥‥あっ、薬が入ってた箱がある」
「見せてよ ―――ってえっ……!?」
「……どうしたの里香? ん、これって……
ひ、避妊薬!? ……いや違うんだ里香!」
「何がどう違うのかなぁ? ……それにしても裕一はよく恥ずかし気も無く、
こんなものを女の子に見せられるわよねぇ……?」
「おっ‥‥怒らないでくれ里香! これは俺が買ってきたものじゃなくて、
いつの間にか置いてあったものであって……」
「はいはい。 これ買ってくるの、恥ずかしかったでしょ?」
「だから、違うんだって〜〜!」
以下略終了
- 730 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 15:02:02 ID:IoHwyJPz
- ははっ!!
- 731 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 18:14:21 ID:f0aB8los
- 具ではなく薬ですか・・・
- 732 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 18:16:23 ID:IoHwyJPz
- θ
これってシータと読むんですよね?
- 733 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 18:51:48 ID:u01eaBjg
- そうだよ
- 734 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/18(日) 19:16:47 ID:tjEx3uq8
- 天空の城を思い出した
- 735 名前:Ξキソケ:2006/06/18(日) 20:55:55 ID:ilc1TeLB
- これから、前に言ってたリバーズエンドのSSを途中まで投下します。
気に入らないと思った方はスルーして下さい。
―――キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン……
カリカリとシャーペンを走らせる音が響く教室に、それよりもずっと大きいチャイムが響いた。
生徒がたった二人でも、一日のタイムスケジュールという意味でチャイムは鳴る。
このチャイムは、午前中の授業が終わったという事を知らせるものだ。
黒板に二人分の国語の読解問題の答えを書き終えていた柚木さんは、
二人並んで机に座っている僕と唯の方を向いた。
「それじゃあ、今日の授業はこれでお仕舞いにしましょう」
答え合わせを終えた僕と唯は、礼をしながら柚木さんに挨拶をする。
「ありがとうございました〜」
「ありがとうございました」
「拓己、私はもう少しかかるから待たなくても良いわ」
「あ、はい」
もうすっかり教師役が様になっている柚木さんは、
僕達の成長の様子を見てはいちいち嬉しそうで、最近は自分の教師ぶりに自信を持っている様だった。
確かに授業はわかりやすいし、僕達としても不満は無かった。
ただ、たまにおっちょこちょいな一面も見せる時はあるけれど。
そんな時には、僕と唯はクスクスと笑い合った。
「やっと書き終わったぁ……」
「私も終わったよ」
ノートを取り終えた僕と唯の方は学習用具を片付けて机を立ち、それぞれ自室に戻ろうとする。
普段の様に唯は僕に向かって明るく話しかけた。
「じゃ、一緒にお昼ゴハン行こうね?」
「うん、唯の部屋の前で待ってるよ」
僕と唯は廊下に出て、今日の授業の事などをとりとめもなく話しながら
お互いの自室に学習用具を置いてきて、二人で食堂に向かった。
- 736 名前:Ξキソケ:2006/06/18(日) 20:58:09 ID:ilc1TeLB
- 「今日、柚木さん二回も漢字間違えたよね」
「温かくって、ぼーっとしちゃったんじゃないかな?」
「……もしかして僕達を寝かせた後夜更かしでもしてたりして」
「ほんとなら柚木さんずるいなぁ! 私だってテレビとか観たいのに」
食堂に向かう途中の唯は暖かい日差しの中、まるで妖精の様に僕に笑いながら話しかけた。
唯が歩く度に短くて艶のある髪が軽やかに揺れて、整ったラインの手足が少しばかり子供っぽい動きをする。
僕はそんな唯に見とれてしまう事もありながら歩いていたので、すぐに食堂についてしまった。
楽しい時間は早く過ぎてしまうんだなと思う。
食堂の入り口には献立表が設置してあって、唯はそれを口に出して読んでみて喜んだりする。
僕はそんな子供っぽい所もちゃんと残している唯も好きだ。
「今日のメニューは……ええっと、スパゲッティーとサラダだね!」
「ん、おいしそうだね」
「はやく食べたい!」
今のスクールの炊事や洗濯は掃除は、皆で当番を作って回していた。
ちなみに今日の当番は遙と伊地知さんだ。
食材を初めとする消耗品は、必要に応じて柚木さんが町まで行ってまとめ買いしている。
トレーにスパゲッティーとサラダと冷えた麦茶をとった僕と唯は、
少し先にテーブルに向かい合って座って食事を食べていた遙と伊地知さんを見つけた。
だだっ広い食堂にほとんど人がいないのも、もう慣れてしまった。
寂しさに慣れたと言うより、これはこれで悪くないとも思えるという意味だ。
- 737 名前:Ξキソケ:2006/06/18(日) 21:00:34 ID:ilc1TeLB
- それにしても、遙と伊地知さんの二人が食事中に何か喋っているのは全くと言って良いほど見た事が無い。
長い付き合いらしいのだから、もっと喋っていてもいいと思うのだけれど。
「あそこいこっか?」
僕がそう言って、唯もついて行く。
軽く会釈をして僕は伊地知さんの隣に、唯は遙の隣に座る。
遙が軽く会釈を返しただけで、伊地知さんと僕達の間には会話が生まれない。
「いただきまーす」
「いただきます」
唯は同じように手を合わせていただきますと言って、スパゲッティーを食べ始める。
唯も遙も伊地知さんもフォークとスプーンを器用に使ってスパゲッティーを食べている。
巻かれたミートソース味の麺を口に運んだ唯は屈託の無い笑みを浮かべて言う。
「‥‥おいしい! 伊地知さん遙さん、ありがとうございます!」
伊地知さんの反応はほとんどないが、遙はフォークを止めると、唯に穏やかに笑いかけた。
「そう言ってもらえると嬉しいわ。 所で、授業の方はどうだった?」
柚木さんも遙も、表には出さないけれど伊地知さんも唯に親しみを持っている。
「えっと‥‥さっきは国語で銀河鉄道の夜っていうのをやってたんですが、
あれ、凄く悲しいお話しだったんですね‥‥私知りませんでした」
「そうね……確かにあの話はあまり救いがないかも知れないけど
でも、私は好きよ」
「図書館にも、宮沢賢治の違う本ってありますよね?」
「ええ……今度探しに行きましょうか?」
どうやら本の事なるとこの二人は話しが合いやすいらしい。
こういう事ならいっその事僕ももっと本を読んでみた方が良いのかなとも思う。
遙と唯は本についてお喋りしながら食事を続ける。
そんなやりとりを見ていた僕も、お腹が減っていたのに気付いたので
麦茶を一口飲んだ後、スパゲッティを食べ始めた。
うん、これは確かに美味しいぞ。レストランに出してもおかしくないだろう。
家庭菜園の野菜も結構使われていて具の量も十分だし、
ミートソースにもある程度手が加えられている様でさっぱりしていて美味しい。
一口一口十分に味わって、フレンチドレッシングがかけられたサラダも摘みながらどんどん食べ進めた。
- 738 名前:Ξキソケ:2006/06/18(日) 21:02:18 ID:ilc1TeLB
- 僕が半分程食べ進んだ所で、不意に正面の唯が僕の顔を見つめて来た。
その瞬間、僕と唯の視線がグッと絡み合う。
「拓くん」
唯の方は何か他愛ない事でも話そうとしたのかも知れないけれど、
スパゲッティをフォークで巻く僕の手が思わず止まる。
唯の目の優しさと可愛さは僕には無いものだ。
嘘に傷つき、数え切れない数のモノを捨てて生きてきた僕に向けられた、
一点の汚れも無い、僕を信頼しきっている双眸。
博士とじゃれつく仕草、卑しい打算のない笑顔。その全てが怖かった。
そして……どうしようも無く愛おしかった。
だから、こんな風に唯の目を見て話せなくなる時がある。
僕の心は未だに、『新しい』唯の全てを受け入れきれないでいた。
「……拓くん……どうしたの?」
夢から覚めた様な感覚が僕の脳を走った。
僕はハッと我に帰って、今僕の目の前にいる唯に受け答えをする。
「ごっごめん‥‥ちょっと眠くてボーッとしちゃってた……」
唯は僕の言うことを信じつつも目は『本当にそうなの?』と問いかけていた。
「もう拓くんてば! 拓くんの方こそ昨日遅くまで夜更かしして、
ラジオでも聞いてたんでしょ??」
「ん、まぁちょっとはね……」
「しょうがないなぁ……もう」
結局、僕はボーッとしていただけだと唯は思ったようだけど、本当の事は言えそうも無い。
唯はなおも疑っているような表情を浮かべて僕の心の扉を開こうとする。
絶対に唯に見せることは出来ない、僕の心の扉の奥を。
僕は、いつまでこんな風に唯と向かい合えばいいんだろう?
ミートスパゲッティの味もあまりよくわからなくなる位、僕は動揺していた―――
- 739 名前:Ξキソケ:2006/06/18(日) 21:05:12 ID:ilc1TeLB
- 「ふぅ……」
今日の用事をやっと終えた私は、机についたまま背伸びをして、
静かな部屋の中で唯一音を発している備え付けの古い時計にふと目をやった。
もう消灯時間に近いので、拓己と唯が自室に引っ込んでいるか確認しなければならない。
そうでなければ、無理矢理でも顔の手入れをしてやった後で寝かしつける必要がある。
私はイスから立つと、部屋のドアまで歩いていってドアノブに手をかけようとする。
トントン
ドアの向こう側からノックをされた。
「柚木さん‥‥いますか?」
かわいげのあるノックの仕方と聞き間違えようのない声から、ドアの向こう側に唯がいることがわかった。
夜こんな風に唯が、拓己には出来ないような相談を一人でしに来たり
勉強の事で尋ねて来ることは度々あるので、私は快くドアを開いて出迎えた。
カチャリ
「どうぞ〜〜」
「おじゃまします……」
質素なパジャマを着た唯が、あどけなさの残る顔をドアからひょっこり出した。
「まあ、いつもみたいにしててね。 それで、今日は何の用かしら?」
いつもの様に唯は私のベッドにすっと腰掛けてきて、私もその横に座った。
「………」
「………」
少しの沈黙が私と唯の間に置かれる。
耳を澄ますと外からは虫の声が聞こえてきて、ふともう夏なのかなと思った。
唯によって少し会話の間が置かれた事で、今日の相談事はデリケートなのかなと考えてしまう。
その相談事にちゃんと自分は唯を安心させられる答えを出せるのかと
微かに不安がよぎるけれど、まずはしっかりと話しを聞いてからだとも思った。
すると唯は、普段見かけないちょっと物憂げな顔になる。
「あの……」
「なにかしら?」
「………」
「すぐに話せないなら、お茶か何か淹れてこようか?」
「いえ……話せます……最近――」
- 740 名前:Ξキソケ:2006/06/18(日) 21:07:12 ID:ilc1TeLB
- 次に唯は恥ずかしそうな顔になって良手を胸に当てて、ゆっくりと話し始める。
「――最近………一人でいる時に拓くんの事を考えると、凄く変な気持ちになっちゃうんです……
……よ、夜寝ようとしてもそわそわしちゃって……」
この話しの流れだと唯が今私にしているのは、紛れもなく恋愛相談だった。
しかし人生の経験をリセットしてやり直している唯には、
今唯が抱いている感情が『恋』だと認識出来ないのだ。
……聞いているこっちが恥ずかしくなって、どこかに隠れてしまいたくなりそうな話しだ。
なおも唯は一気に溜め込んでいた思いを私に吐き出す。
「……それで次の朝に拓くんに会うのがずっと楽しみで、
いつも拓くんと会ったら何をしたいとか、拓くんのことを何度も何度も思い出しちゃったり、
拓くんは私のことどう思ってるかとか考えてるんです……」
正直、私の手に負える相談事なんだろうか?
「……柚木さん……私、変……なんでしょうか?」
突然、唯から半ばすがりつくように考えを求められたので私は返答に何秒間かかけてしまった。
その何秒間かで私は唯を安心させるのに最善の答えを何とかひねり出した。
私は親の愛には恵まれなかったけれど、唯には出来る限りの手助けをしてあげたい。
「……ううん 変じゃないわ」
「え?」
「……唯のその拓己を想う気持ちは、女の子として一番大切なものよ」
「一番大切なもの……ですか?」
「人を好きになる、ということなのよ‥‥」
「私は拓くんが……す、好きなんですね?」
私のその答えに、唯は不思議そうな顔をしている。
「そうよ……唯にこんなに一生懸命に想われているなら、拓己も幸せなはずだわ。
……だから、その気持ちを忘れないでね?」
「はい……!」
「唯も今はまだわからないかも知れないけど、きっとわかるわよ」
私の言葉にも唯は安心してくれたようで、明るい表情で返事を返してくれた。
その笑顔は本当に柔らかくて嬉しそうで、私も釣られて微笑んでしまった。
すると唯は今度は、楽しさと気恥ずかしさが混じった様な顔で、また話し始めた。
「あの……もう一つ相談したい事があるんですが……」
先ほどより柔らかくなった唯の表情にほっとしながら、また相談に付き合う事にする。
- 741 名前:Ξキソケ:2006/06/18(日) 21:10:01 ID:ilc1TeLB
- 「なにかしら?」
「また、拓くんの事なんですけど‥‥」
「……それで?」
「最近の拓くんは私と話してる時にどこか違うんです……言いづらいんですど」
唯は拓己の事を本当に良く見ているなぁと感心しつつ、私は聞き返した。
「どこか‥‥って?」
唯は使う言葉に多少悩みながらも、話し続ける。
「拓くんの目が私を見てくれてないっていうか、゛うわのそら゛みたいなんです」
「つまり、唯から見て拓己が不自然な時があるって事ね? ……今日はどうだったの?」
私がそう聞くと、唯は可愛い眉毛を少し曲げながら教えてくれた。
「えっと……お昼ご飯の時に話しかけた後はずっとそんな感じで、
午後の授業も、夕方博士と遊んでた時も、晩ご飯の時もです。
……拓くんも、言いたいことがあれば言ってくれればいいのになぁ‥‥」
唯はちょっとふてくされたような顔になっていて可愛い。
「そっか……拓己も色々あるからね……」
私には唯の付け加えた様な最後の一言がおかしかったけれど、
拓己にしてみれば本当に微妙な心境だろう。
そして、私自身の罪深さを嫌な位に再認識させられた。
元々はSIFMAが彼にしてしまった事なのに、私にはどうしようもない。
彼の運命を散々に弄くり、ねじ曲げ、大切なものを奪ってしまった。
そして、かつての唯の記憶が戻ることは絶対にありえない。
「柚木さん、どうすれば拓くんの事をもっと知れるんですか?」
けれど、二人の背中を押すくらいの事は出来るだろう。
「よし! じゃあ唯から拓己に少し甘えて元気を出してもらうのはどうかしら?」
「ど、どうやって甘えれば良いんですか?」
『甘える』という単語に唯は不思議そうな顔で真面目に聞き返してきた。
「う〜ん‥‥そうねぇ」
言ってしまった手前、大人しい拓己が唯に心を開きそうなシチュエーションをどうにか考えてみた。
しかし先程とは違い、どうしても妙案が浮かばずあまり上手い事は言えなかった。
「‥‥勉強を教えて欲しいって言って、まずは拓己の部屋に入れてもらうのはどう?
それからは唯の頑張り次第になっちゃうけど……」
「なるほど……わかりました」
私の考えを聞いた唯はすっとベッドから立ち上がると、少し嬉しそうにしてドアノブに手をかける。
そして、開いたドアから廊下側に出るとドアの端からヒョコッと顔を出して、私を見て言った。
「柚木さん、遅くにおじゃましてすみませんでした……私、がんばります」
私は唯の目と口調に宿った澄んだ想いに驚きながらも、唯の成長が嬉しかった。
その瑞々しい生き方に、言いようのない愛おしさや羨望さえ感じる。
私にはこんな風に生きている頃は無かったからだ。
「頑張って! ……でも今日は早くおやすみなさいね? 唯」
「ありがとうございます……柚木さんもおやすみなさい」
カチャリ……
唯はそう言うと静かにドアを閉めて、暗い廊下に出て行った。
すると私の部屋の中に再び静寂が戻り、代わりに廊下に唯の足音が遠ざかりつつ響いていた。
「ふぅ……」
私は寝仕度をしながらも、拓己と唯の幸せを心から願わずにはいられなかった―――
- 742 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/18(日) 21:18:04 ID:ilc1TeLB
- ベッドに仰向けになったまま白い天井を見上げていると、
消灯時間が近いのに色々な事を考えてしまっていた。
……僕は、どうして今の唯を受け入れられないんだろう?
今日も昼間の食堂で唯に話しかけられてからずっと、変な風になってしまった。
唯から見たら、いい加減不自然に見えただろうか?
……外見が全く同じで、内面は一部を除いてほとんど別人の『新しい』唯。
けれど、一部でも『前の』唯の部分を受け継いでいれば僕には十分だった筈だ。
『新しい』唯の仕草や表情の形、僕の呼び方は『前の』唯と全く同じだ。
失った記憶は取り戻せないけれど、新しい記憶を刻む事は出来る。
そう僕や柚木さん達は信じて、希望を持って唯と暮らしてきた。
そして、『新しい』唯は急激に知識を吸収し経験を積み成長を続けている。
携帯でメールを使うようになった唯。
博士と遊ぶ内にもう一度猫の可愛さを学んだ唯。
この何ヶ月かで唯の精神年齢は日毎に成長して、
手取り足取り何か教えるという事も無くなり、読み書きや勉強、一般常識を身に付けた。
以前と比べて年齢と精神のギャップやムラがかなり少なくなり、
『新しい』唯は、より『前の』唯に近づいている。
しかしその結果、僕が保護者面をする必要も無くなってきているのも確かだ。
良くも悪くも僕から少し距離を置くようになった。
思わず深くて暗い溜め息が出た。
「ふぅ―――」
だから、どう接したら良いのか戸惑ってしまう。
本当は、唯を恋人として強く抱きしめたい。
限りなく近く唯の心に、身体の隅々にまで触れたい。
けれど、今の唯にそんな事をしたら僕はまた唯を守れないどころか、
今度は自分の手で唯を深く傷付ける事になる。
僕は今まで自分が壊したり、なくしたりしてきたモノの重さを
夜寝るときに考えてしまうと押しつぶされそうになる。
だから、この気持ちはまだ心の奥に深く深くしまっておこう。
唯の方から気付いてくれるまで、僕はなんとか待とう。
僕はとりあえず自問自答を終わらせると、唯にメールを打とうとして
ポケットからすっかり型落ちした携帯電話を取り出した。
左手に持ったまま、携帯のボディをしばらく見て考える。
この携帯は機能の貧弱さもあるけれど、見かけも所々ボロくなっていて
柚木さんには見られる度に『……新しいの欲しかったら用意しようか?』と言われてしまう代物だ。
でもこの携帯には『前の』唯と、そして『新しい』唯とやりとりしたメールが詰まっている。
僕にとってこの携帯は、唯との大切な歴史そのものなのだ。
そういう訳で、僕はこの携帯をずっと使い続けるだろう。
さて、唯にメールを送ろうかな……
- 743 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/18(日) 21:20:22 ID:ilc1TeLB
- ブルルル、ブルルルル!
ん?
僕の左手に収まった携帯電話が突然激しく震えて、メールの着信を告げた。
発信者の名前を見ると、お約束のように唯になっている。
今日のおやすみメールは唯の方から先に送ってくれたみたいだ。
きっと内容も他愛なくて、今日あった事についてちょっと書いてあるだけで
その後少しメールをやりとりしたら二人で寝るのだ。
そんな風に考えながら僕が今唯から来たボタンを押してメールを読むと、予想とは全然違っていた。
『拓くん、夜遅いのにごめんね。
それで、今から拓くんの部屋に行って勉強教えてもらっていいかな?』
読み終わって、ちょっとした嬉しさと疑問が僕の心に現れてきた。
唯がこの時間に僕の部屋に来たいというのは不思議に思うけれど、
今日はもう会えないと思っていた唯に会えることは嬉しい。
僕は快く唯の頼みを聞き入れる事にして、それを伝えるメールを返信した。
コンコン
すると五分と経たない内に、僕の部屋のドアがノックされた。
僕はベッドから身体を起こすと、向こう側にいる唯の事を考えながら歩いていってドアを開いた。
「拓くん こんばんわ」
開かれたドアからそろそろっと出てきたのは、勉強道具を小脇に抱えたパジャマ姿の唯だ。
袖や裾が少し長過ぎて、そこから白めの手首や足首が見え隠れしている。
幼さを少し残した唯のその姿に、僕はなんともいえない色っぽさを感じてしまった。
けれど、なぜこんな時間に来たのかは聞いておきたい。
「唯‥‥? どうしたのこんな時間に?」
僕の問いに唯はどぎまぎする事も無く、ただ答えてくれた。
「ちょっと数学でわからない所があって……ごめん‥‥邪魔……だったかな?」
はにかみながらそんな事を言われたら、とても追い返すことは出来ない。
「ううん。 邪魔なんかじゃないよ。
唯は勉強熱心だもんな、教えるよ」
僕がそう言うと、唯は無邪気に微笑みながらお礼を言う。
「拓くんありがとう!」
「いいっていいって、それよりどこがわからないの?
あ、僕の机に座っていいよ?」
僕がそう言うと、妙に嬉しそうな顔の唯を部屋の中に入れた。
- 744 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/18(日) 21:22:32 ID:ilc1TeLB
- 僕の部屋には唯が座る椅子と机は無いので、唯を僕の勉強机に座らせると
僕はその隣に立って唯に数学の問題の解き方を教えていった。
「拓くん、ここの公式の使い方ってこれであってるかな?」
「ちょっと待っててね……えっとここは――」
唯はとても素直に勉強をしていて、わからない問題があると僕のアドバイスを真剣に聞く。
こくんこくんと頷きながら、ひどく真剣な眼差しを僕と問題に注いだ。
難しい応用問題に、可愛い眉毛を曲げて考え込んでやっとわかった時には、
『あっ、そうか!』と嬉しそうに笑いながら得意になってシャーペンを走らせる。
その隣で立っている僕は、唯の少し長くて手首が隠れてしまった袖と
そこから見え隠れするシャーペンを握った唯の指に見入ってしまっていた。
柚木さんに半ば強引にクリームで手入れされているだけあって
元からの白さや、きめ細やかさが一層が際だち、触って撫でていたいとさえ思ってしまう。
しかしそんな事を考えていると、またすぐに唯に質問をされて意識が引き戻される。
「拓くん、Cの答えってこれであってるかな?」
唯の右手の細い指が、素朴だが綺麗な字面の並んだノートの一部を指す。
僕はそこに書き込まれた答えと問題集の模範解答とを照らし合わせる。
確かに正解だったので、少し芝居がかってみせて結果を唯に告げる。
「Cの答えは〜〜……おっ、大正解」
「やったぁ!」
「唯は数字に強いみたいだねぇ〜」
難しめの問題だったという事もあって、僕までも妙に無邪気に喜んだ。
こんなにも無邪気で一生懸命な唯を見ていると、不思議にも僕がさっきまで悩んでいた事が
嘘の様に消えて心の中が温かく楽しくなっていた。
- 745 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/18(日) 21:27:22 ID:ilc1TeLB
- たまに勉強から脇道に逸れる様な話しもしながらだったので
あっと言う間に時間が過ぎ、唯の問題集もこれ以上はやらなくて良いほど進んだ。
ふと時計に目をやると消灯時間を一時間も過ぎていて、
僕はまだ熱心に問題を解いている唯に部屋に戻って寝る様に言おうと思った。
さすがにこれ以上夜更かしをしていると、柚木さんに部屋に踏み込まれかれない。
「唯」
「何?」
唯は少し不思議そうに僕の顔を見上げて、シャーペンを動かしている右手を止めた。
僕は唯に見つめられながらも口を開いて、伝える必要のある事を話す。
「ここの単元はほとんど予習しちゃったし、今日はもう遅いから寝ようか?
柚木さんだって顔は出さないけど怒ると思うよ」
「まだやっても良いんだけどなぁ……」
「早く寝ないとお肌にも悪いよ?」
「うーーん……」
唯はなぜか頬を染めて少し嬉しそうに考え込んだ後に、僕にある提案をしてきた。
唯は僕と話しながらシャーペンや消しゴムを筆箱にしまい、勉強道具を片付けている。
「確かにもう遅いよね。 ……じゃあ最後に、
勉強を教えてくれたお礼に拓くんにしてあげたい事があるんだ」
唯はまとめた勉強道具をまとめて立てて、机の上でトントンと整えていた。
僕は正直な所半信半疑な気持ちで、唯の『お礼』を受ける事にした。
別に改まってお礼をされるような事をしたつもりは無いのだけれど。
「何? 時間がかからない事なら別に良いけど」
「ありがとうね……それなら、少しだけ目を……閉じててね?」
「え? うん……」
「私がいいって言うまで、絶対だよ?」
「わかってるよ」
僕は不思議に思いながらも唯に言われた通り目を閉じると、
唯によって何かの『お礼』をされるのを立ったまま少しだけ待った。
そう、お礼は突然にされたんだ――――
- 746 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/18(日) 21:35:22 ID:ilc1TeLB
- とりあえず今晩はここまで。
もしキャラのイメージが違うかなと思ったら、遠慮無く言ってやって下さい。
- 747 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 01:18:00 ID:EX6gZ497
- 女ならクイーンだろ、と裕一に突っ込む
- 748 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/19(月) 21:17:44 ID:Z07UQgoR
- 胸が無いから男だろ? と言う皮肉なのかも
- 749 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 01:26:09 ID:qSdbFDgn
- 半分の月が昇る空の漫画はどうなの?
いい感じなら今からスーツで行きつけの店に買いに行くのだが
- 750 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 01:29:19 ID:003WaXN9
- >>749
作画のB・たろうはエロ漫画で読んだことあるけど、結構絵きれいっつーか、すっきりしてる。
まあ買ってみれば?
- 751 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 01:33:13 ID:qSdbFDgn
- おk。
もし何かぱっと浮かんだらここに書きにくるよ
- 752 名前:nameless671 ◆LNXvZfFeNE :2006/06/21(水) 00:34:30 ID:igBzB/3T
- ttp://ranobe.com/up/src/up116214.jpg
8p目、出来た。
コマの配置から、7〜9p目で
「誤解を解く」→「ラブラブえっち突入」
に変換しないといけないから困る。
- 753 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 01:24:41 ID:C/bRGvcV
- >>752
あんたすげえって。マジで。
こういう表情よう描けるなあってただ圧倒されまくりです。
本っ当にありがとうございましたッ!!
- 754 名前:nameless671 ◆LNXvZfFeNE :2006/06/21(水) 02:27:33 ID:igBzB/3T
- いや、漏れは画像いじっただけだし
表情いじったのも>>716くらい。
それは元の漫画家に言ってくれ。
気に入ったら買ってやって下さい。
ところで>>712の反応が見れなかったのは
リクエストに応えた身としては若干寂しい
- 755 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 02:28:19 ID:d0o6TSYs
- 乙〜しかしそのカップの柄は何だw
- 756 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 03:11:19 ID:viHOKVLL
- 乙です。
カップの柄・・・細かい部分もよく書き込んでるなあ。
- 757 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:22:45 ID:en3TZs3w
- 投下再開します
「――――っ!?」
僕は一瞬何が起こったのかわからなかった。
ただ確かだったのは、急に自分の唇に何か柔らかくて生温かいモノが当たって、
僕はそれに反射的に驚いて身体を引いて、何かを手でバサッと払っていた事だけだった。
不快な感覚でないにしろ、少しの甘さを帯びた妙な感覚に脳がグラッと揺さぶられた。
こんな唐突な展開に、僕はある程度の予感を持っていて、
その予感は、開かれた僕の目に目の前の光景が見えた時に、確かな物となった。
「……ゆ、唯?」
僕の目の前には、右手で胸の辺りを押さえている唯が立っていて、その瞳は切なげに潤んでいる。
その唯の、大切なものに裏切られたと物語っている瞳の色に、
僕が唯を酷く傷付けてしまった事に気付いてしまった。
そして、唯の形が良くて小さい唇が動いて言葉が発した。
少し前まで僕の唇に触れていた柔らかい唇が。
「……ごめん、ごめんね……!」
そう言った唯の口調は弱々しくて、どこか僕に怯えているようにさえ思えた。
唯はなんとかそれだけ言うと、次の瞬間、僕に背中を向けて部屋から出て行こうとした。
僕にはその唯の背中がとても小さく感じられて、見ていてたまらない気分になった。
思わず僕は、もう歩き出していた唯の左手を右手で握っていた。
小さくて綺麗な手が僕の指に包まれていたけれど、それさえも切なく感じた。
はっとして唯の顔を見ると、うつむいた顔にかかっている短い髪の隙間から、
とても悲しそうな表情が見え隠れしていた。
喉が渇いていて息が苦しい。唯のこんな顔を見ていたくない。
結局、どうして唯がこんな顔をするのかわからない僕は、
叫びたいほど何かを伝えたい衝動はあるのに、何度か口をパクパクさせる事しか出来なかった。
何を本当に伝えたいのか、自分でもわからない。
これだと思って口に出してみようとしても、
安っぽく感じたり、自分の本当の心からでたものではないように思えてしまう。
そして唯の左手を握ったまま僕までうつむいてしまう。
それでも、唯の悲しみを帯びた顔からは目を逸らすことはしたくなかった。
「…………」
「…………」
僕と唯の間に流れる時間がに弄られてしまったかのように、
一秒一秒がいやに長く感じられた。
- 758 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:24:01 ID:en3TZs3w
- 僕はその沈黙と目の前の唯の様子に耐えられなくなって、再度口を開いた。
「唯……」
僕が名前を呼んだ事に気付いた唯が、うつむいていた顔を上げる。
僕はその瞬間、ビリッとした嫌な感覚が全身に走ったのがわかった。
唯の目にうっすらと涙が溜まっているのに気付いて、
自分が唯をどれだけ傷付けたかがいやでもわかってしまった。
あれほど唯を守ろうと思っていたのに、僕は自分自身の事さえわかっていない。
そして、唯の淡くて汚れない想いにも気付く事が出来なかった。
でも、今も握ったままの唯の手の温もりを、あの時のように失いたくなかった。
‥‥こんな事で唯に許してもらえるとは思わないけれど、僕は衝動を抑えきれなかった。
唯が予想外の事に、きょとんとした声を出した。
「っ……拓‥‥くん……?」
僕は正面から唯の小さい身体を、思い切りぎゅっと抱きしめていた。
背中まで手を回して、ほとんど隙間無く密着してしまった。
唯の身体はひどく柔らかくて、僕の力がもっと強ければ壊れてしまうんじゃないかとさえ思う。
抱きしめられた側の唯はかすかに身体を強張らせた。
けれど、僕の今の気持ちを伝える方法があるとすればこうする他に無かった。
僕はしばらくそのまま、唯の髪や首筋から漂ってくる女の子らしい甘酸っぱい香りの中にいた。
今は、そんな気持ちの良い筈の匂いも切なく感じてしまう―――
- 759 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:25:55 ID:en3TZs3w
- ――――気が付くと唯は僕の胸に深く顔を埋めていて、その顔を見ることは出来なかった。
唯と抱き合ったまま、僕はとても不安だった。
唯が今隠しているその顔が、僕への失望を浮かべているのかと考えると
どうしようもなく苦い思いが全身を侵していって、僕は次第に不安に近い感情に襲われていくのを感じた。
もし、このままずっと唯が一言も僕と話すことが無いままで、
柚木さんか誰かが廊下から近づいてくる音が聞こえたら僕は唯から離れなければならない。
そんな思いから、僕はより強く唯を抱きしめてしまった。
すると、唯が不意に顔を上げた。
その視線が真っ直ぐに僕の目を捉えている。
僕はまず何を置いても第一に自分の行為を謝りたかった。
「唯っ!……ごめん! ‥‥僕、何だかわからなくって……
だからもう―――」
僕がそこまで言うと、唯が小さく首を横に振った。
「……拓くん……わたしね――」
僕の言葉は半ば一方通行のまま、唯の言葉に遮られた。
唯の早い息づかいと言葉が、どこか切なかった。
「―――わたしね、このごろ拓くんの様子が変なんですって、柚木さんに相談したの。
……そしたら、柚木さんは私が拓くんに元気を出させてあげるのがいいって言って……」
僕のことでそこまで深く考え、悩んでくれていた唯に、
愛おしさが温かく溢れて来るのを感じずにはいられなかった。
同時に、どれだけ僕が唯に対して不自然だったかをも。
「……だから、拓くんにあんな事しちゃったんだ………ごめんね?」
「ゆ、唯‥‥違うんだ‥‥」
僕が唯に謝ってもらうのは間違いだ。目の前の唯が、辛そうな表情を浮かべている。
「ううん。私が悪いの‥‥‥拓くんに、急におかしな事しちゃってごめんね……」
自分自身の鼓動がドクンドクンといやに大きく聞こえた。
なおも申し訳なさそうに弱々しい表情を浮かべる唯に対して、僕の中で何かの衝動が弾けた。
僕は次の瞬間、唯の背中の辺りを掴んで抱き寄せると、唯の形の良い唇に自分の唇を一気に重ねていた。
唯との二回目の口づけの味は、優しい柔らかい味がした。
「えっ―――?」
さっきいきなりキスされた僕のように唯は驚いたけれど、僕を振り払おうとはしなかった。
どちらかが離れることは無く、僕と唯は密着したまま初々しい口づけを続ける。
次第に唯の表情から暗い色が消え、嬉しそうな、ひどく安らいだ顔になっていくのがわかった。
そして、僕も唯もお互いの背中にしっかりと手を回していた――――
- 760 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:28:04 ID:en3TZs3w
- ――――長い口づけが息継ぎの為に中断すると、
唯は嬉しさと戸惑い半々という顔で無言のまま僕を見据えた。
そのまま少しの沈黙が流れたけれど、僕達は抱き合ったままでいられた。
僕は、唯に伝えようと思った。
今ならきっと、僕の心の扉の奥を見せることが出来る。
目の前にいる女の子は、間違いなく唯なのだから。
「唯」
唯は少し間を置いて僕に返事をした。
「‥‥なに‥‥?」
ただ真っ直ぐに、唯の目を見つめていた。見つめたまま話したかった。
「僕は、唯が好きだ」
「えっ――‥‥‥?」
唯は、一瞬何を言われたのかわからないといった顔になった。
けれど、少しずつ少しずつ薄紙が水に浸されるように、
唯の顔には今まで見たことの無い感情が生まれているのがわかった。
目に新しい涙が溜まって、顔はひどく紅潮している。
僕はもう一度だめ押しのつもりで、唯に自分の気持ちを打ち明けた。
「……僕は、ずっと唯の事が好きだった。いつもいつも唯の事ばかり考えてた」
僕の言葉を聞いて、唯の表情が柔らかく崩れていく。
「……でも実は、僕は唯に色んな事を隠してる。
だからそれで、唯に心配かけちゃったんだよね?
唯‥‥ほんとにごめん。さっきはあんな事しちゃって―――」
そこまで言い終わるかどうかという時に、僕は唯に勢いよく抱きつかれていた。
僕は身体のバランスが崩れ、思いがけず自分のベッドに向かってよろついて、
そのまま仰向けに倒れ込んでいた。
そして、僕は唯の身体をぎゅっと抱きしめる。
「……拓くん!……私も、私も拓くんの事好きだよっ……!」
とめどなく溢れる感情を抑えきれない唯の目には、
悲しみや痛みの為に流した涙じゃなく、嬉し涙が蛍光灯の光を受けてきらきらと光っていた―――
- 761 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:30:01 ID:en3TZs3w
- ――――ふと耳を澄ますと、虫の音が聞こえている。
唯に押し倒された僕はベッドの上でずっと唯を抱いていた。
お互いの温もりが気持ちよくて、確かに今僕達の心は繋がっていた。
唯の嬉し泣きもある程度収まって、唯は静かに僕に身体を預けてくる。
僕は唯の髪を右手で撫でると、事も無しに唯の身体を見てみる。
長い間昏睡状態だったせいもあって、無駄な肉がなくてほっそりとした唯の身体が、
パジャマ越しに触れ合っていても十分にわかった。
そしてその身体は、未発達ながらも女の子としての形を整えつつある。
不意に、唯が少しおぼつかない口調で僕に呼びかけた。
「ひろ‥‥くん」
唯は少しでも僕に触れたいのか、僕の身体をさすり、擦り寄ってきた。
僕はそんな唯がとても愛おしくなり、また唯の上体を抱き寄せて唯にキスをした。
女の子らしいシャンプーの匂いと体臭が、僕には心地よく感じられた。
「んっ………!」
僕の唇で塞がれた唯の唇から、かすかに息と声が漏れる。
僕が余計に嬉しくなって、ぎゅっと唯の身体を抱きしめると唯も抱き返してくれた。
まだぎこちないけれど、今度は舌まで入れた深めのキスだった。
僕の舌が恐る恐る唯の口の中に達すると、
唯は少し恥ずかしそうにしながらも自分の舌をしっかりと絡めてきてくれた。
僕と唯のキスが激しくなればなるほど、歯茎や口の中の粘膜が
くちゅくちゅと激しく触れあい、唾液と舌の動きによって水音が発せられた。
そしてその度に僕は甘い感覚と身体の奥がカァッと熱くなるのを感じた。
唯もとろんとした目で、僕とのキスに心を奪われているようだった。
「んっ……ひろ‥‥くんっ」
そのまま僕達は、決してお遊びではないキスを愉しんでいたけれど、
徐々に息苦しくなってきたのか、唯のほうから唇を離した。
引き離された唇と唇の間には、二人で架けた唾液の橋が伸びていた。
それが重力に引かれて落ちて、ベッドの布団やお互いのパジャマを汚してしまう。
けれど、今の僕はそんな事は気にならなかった。
今はただ目の前の唯を感じていたかった。
「……唯、嫌だったら言って欲しいんだ。
そしたら僕、すぐにやめるから……」
「えっ…っ……それって……?」
僕がそう言うと、唯はちょっと不思議そうな顔になった。
けれど、その後顔を真っ赤にしながらも恥ずかしそうにこう答えてくれた。
「……うん……私も、拓くんとなら‥‥‥」
その時の唯は、普段の唯とはまた違った意味で凄く可愛かった。
これから僕と唯が何をするのか、唯は生き物としての本能で理解出来たのだろうか?
いやむしろ、柚木さんに色々と教えてもらっているのかも知れない。
僕は唯の純粋さや優しさに心が洗われる思いがしたのと同時に、
この素晴らしい女の子が僕の一番大切なモノなんだ、という誇りに近い感情が生まれた。
「あっ、でも………」
「な、なに?」
唯の語尾が急に濁ったので、僕は不安になったけれど、言おうとしている事はそんなに深刻な事じゃなかった。
「……明るいと恥ずかしいから……暗くしよ‥‥?」
確かに、明るいままではお互いとても恥ずかしいのに、僕は唯に言われるまでそこに気が回らなかった。
「あっ……そ、そうだね……」
僕はベッドから起きると、とにかく蛍光灯のヒモを引っ張った―――――
- 762 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:32:06 ID:en3TZs3w
- ――――僕の部屋は夜の深い闇に沈み、窓から入っている月明かりだけが
ベッドの上の僕と唯の姿をほのかに浮かび上がらせている。
なぜかふと、七海がこんな暗さの部屋で銀色のカミソリを手に、
痛々しいリストカットをしていた光景を思いだしてしまった。
その後に七海と交わした会話も、まざまざと思い出せた。
そんなかけがえのない思い出があろうが、人は死んだら無に帰ってしまうのかと思うと
今目の前にいる唯が余計に愛おしく、そして切なく感じられた。
僕は唯の目を見つめながら、最後の許しを受ける。
「……じゃあ、いいよね‥‥唯?」
「‥‥‥」
僕の問いかけに、恥ずかしそうにしている唯はコクリと頷いた。
小さく、けれど確かな意思を感じる頷きだった。
唯はまだパジャマを着たまま僕のベッドに仰向けに近い体勢になっていて、
僕はそれに覆い被されるようにしていた。
心臓が、バクンバクンとまるで狂ったように脈打っていた。
僕はこうなる事を本来願っていたはずなのに、心のどこかで恐れていた。
自分が人を傷付けずにちゃんと想える資格なんて、あるのかどうか確かめられないからだ。
……けれど、そんな事は確かめられなくてもいい。確かめなんかしなくてもいい。
本当に心から分かり合うことが出来なくとも、お互いを信じ合う事位は出来る。
少なくとも、僕はスクールの似た境遇の仲間達とその事を噛みしめ合った筈だ。
スクールの皆は、一人一人心に他人に理解されない苦悩や痛みを抱えていながらも、
必ず希望を持って今も生きているだろう。そう信じている。
だから僕も、今はとにかく目の前の、未知の行為に怯えている唯に少しでも安心して欲しい。
僕はもう一唯の唇に自分の唇を重ねようとして、唇を唯の顔に少しずつ近づけていく。
唯の呼吸によって出し入れされる空気の感触が、目を閉じている僕にも唯との距離の近さを感じさせた。
僕は唯を安心させるためにも、出来るだけ躊躇わずに唯の唇を再度奪った。
唯の口の中に僕の舌が入り込むと、唯も躊躇う事なく情熱的に舌を絡めてきた。
「んっ……んっ‥‥っ」
テクニックもへったくれもないけれど、唯も僕も夢中になってお互いの唇を貪った。
僕はそのまま、唯の胸の小さな膨らみのあたりをパジャマ越しに撫でたり軽く揉んでみたりした。
生まれて初めて触る唯の胸の、とても柔らかくて、ふにっとした心地良い感覚が手に深く残る。
「……っ」
唯の身体と呼吸が微かに震えたけれど、それ以上の反応は無い。
唯は僕を信じて全てを委ねているようにも思えた。
唯に信頼されている事の意味を噛みしめた僕は、唯のパジャマを脱がせる為に一端口づけを中断した。
唇を離された唯に、『もっとしてくれないの?』という物足りなさげな視線を送られてしまった。
僕は苦笑いしながらも、唯のパジャマのボタンを下から上に一つずつ外していく。
少しずつ唯のパジャマがはだけていって、ドキッとする程綺麗な素肌が見え隠れしていた。
- 763 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:33:46 ID:en3TZs3w
- 遂に全てのボタンが外れ、唯はブラジャーは付けていないらしく、後は僕が唯のパジャマを脱がすだけだ。
けれど、それをしようとして唯の肩に手をかけた時僕の手が動かなくなってしまった。
僕が手に力を入れて動かせば、唯のパジャマは脱げるのに急に躊躇いが生じてしまった。
闇の中で沈黙が流れ始める。
「………」
「………」
すると、今度は唯が僕の手に手を添えて自らのパジャマを脱がした。
その顔は紅潮しながらも、経験の無い僕を励ますような感じが見て取れた。
唯だって経験が無いのに、ここまで僕の事を気遣ってくれたのかと思うと途端に嬉しくなった。
「ありがとう‥‥唯」
「うん……」
目の前の唯の身体は月明かりにうっすらと照らされていて、
白い双丘に一つずつある乳首がどこか神聖なものにさえ思えた。
「唯……可愛いよ」
僕はそれだけ小さい声で言うと、ベッドに倒れこみながら唯の右乳首に舌を這わせた。
「ふぁっ………!」
目をとじている唯が、口から小さく喘ぎ声が漏れさせる。
唯が不快そうでないのを確かめると、僕は唯の乳首を舌で軽く弾いた後何度も何度も舐めた。
僕の口の中で唯の乳首が、唾液を塗りたくられ、形を変えて弄ばれる。
その乳首の舌への感覚はひどくデリケートで、けれど気持ち良くて、
自分がひどく安らいだ気分になるのがわかった。
「っあ………」
大分硬くなって来た乳首を、弱い力でクニッと甘噛みしてやったり、チュッと吸い上げたりすると
その度に唯は目を瞑って気持ちよさそうな声を上げた。
「唯の乳首、硬くなって来たね。気持ちいい?」
「そっ‥そんなぁ……あっ‥あん……ぁぅ……」
同じように左側の乳首にも愛撫をしていった。
するとその途中、唯がくすぐったそうな顔をして口を開く
「ひ、拓くん……まるで赤ちゃんみたいだね……?
- 764 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:35:47 ID:en3TZs3w
- 僕は唯の言った『赤ちゃん』という単語に、恥ずかしさとある種の興奮を覚えてしまった。
そこから生まれた悪戯心が、僕に乳首を甘噛みさせながら唯のへその辺りをくすぐらせた。
「ひゃっ……!」
唯は予期せぬ感覚に身体を少しくねらせたけれど、僕に微笑みかけてきた。
「くっ、くすぐったいよぉ……拓くん……」
「ご、ごめん」
それで僕も気恥ずかしくなってきて、口を乳首から離した後で唯に微笑み返した。
「ふふっ……!」
「あはははっ……!」
そして唯は笑いながら、お返しとばかりに僕の身体脇の下や首筋をくすぐってきた。
僕も反撃を始めたので唯とお互いの身体をくすぐり合う形になる。
愛撫であるけどいやらしくない、不思議なやりとりだった。
しかしそのくすぐり合いの中で、偶然に僕の右手が唯の下半身にふにっと当たってしまった。
柔らかい感覚が手に残ったままの僕は、やってしまったという感じが心に広がっていた。
せっかく唯に和んでもらえていたのに、下手な事でこの雰囲気を壊してしまったかも知れない。
けれど、唯の方の反応は違った。そのせいで僕は間抜けな声を出してしまった。
「え……?」
唯は僕の右手に手を添えると、そのまま唯のパジャマのズボンに手をやったのだ。
それだけではなく、唯はショーツまで一緒に僕に掴ませている。
僕が動揺したのを見ると、唯はこう言った。
「私―――、私は大丈夫だよ? ……そんなに嫌がらないよ?
………だって、拓くんのこと……もっと知りたいから……」
その言葉を聞いた瞬間、僕の心の中で何かが動いたのを感じた。
「……唯、わかった」
唯の強い思いを秘めた瞳と口調に、僕も覚悟を決められた。
僕は心の中で唯にお礼を言うと、するすると唯のズボンとショーツを下ろした―――――
- 765 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:37:52 ID:en3TZs3w
- ――――唯のズボンとショーツを脱がしてその辺りに置くと、
唯が身に纏っているものは何一つ無くなり、正に生まれたままの姿になる。
いつも軽やかな足取りで歩く、ほっそりとした足が薄暗い中でも魅力的に見えた。
無駄な肉の付いていない、くびれから腰にかけての綺麗なラインが浮かび上がる。
今は唯の手で隠されている胸と秘部まで、僕は見てみたいと思った。
僕は恐る恐る唯の太ももを撫でた後、少しずつ唯の秘部に手を伸ばしていった。
それに合わせて唯は秘部を隠すのをやめたので、唯の秘部は無防備になる。
控えめに恥毛で守られた部分が僕の目に焼き付いてしまいそうだと思った。
「ひゃぁっ………!」
僕の指が唯の秘部に触れると、唯はピクッと跳ねて声を出した。
しかし、その反応には確かに快感を得ている感じがあったので、
僕はそのまま唯の許す限りの愛撫を続けた。
唯の恐らく誰にも触れられた事の無い筈のデリケートな部分が、
僕の人差し指によって上下に撫でられ、さすられ続けていく。
「ふぁ………っ……くぅ‥‥ん……」
唯の口から甘い喘ぎ声が頻繁に漏れ始めた頃、僕は右手の指に奇妙な感触を覚える。
「ん‥‥?」
濡れている。少し粘りけのある液体で。
つまり、他ならぬ唯の秘裂から愛液が漏れ出ている事を示していた。
僕はその、客観的に見れば至極当然な事に少しショックを受けながらも、
自分の興奮が急激に高まったのをはっきりと感じた。
僕はいつしか自分がしたいままに、唯の身体を愛撫していた。
左手は、仰向けの体勢の唯の胸を揉みしだきながら時折乳首を強く摘み上げる。
「やっ……いたいよぉ……」
唯は痛いと言っているけれど、今の僕にはどう聞いてもその声は、
快感にまみれたただの喘ぎ声にしか聞こえない。
そして、右手では続けて唯の秘裂を愛撫していた。
さきほどとは違うのは秘裂がうっすらと良い色に紅潮してきて、
ヌチュッ‥‥クチュッ……といった水音がしている事だ。
控えめな恥毛が愛液に濡れてきてさえいる。
唯も流石に水音が気になってきたらしく、胸を強く愛撫されながらも僕に問いかけて来た。
「ねぇ‥えっ‥‥ひろくん……?」
「‥‥なに?」
僕はその間も手を休める事はしなかった。
ヌチュッ‥‥クチュッ……
すると、唯が僕に不思議そうな顔で問いかけてきた。
「この‥‥変な水の音って……何?」
- 766 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:39:35 ID:en3TZs3w
- 唯はここまでは知らないようなので、僕は少し意地悪しながら教えてあげる事にした。
「唯の身体から出てきたんだよ? わからなかった?」
やはり、僕の言葉を唯は直ぐには信じられない様だ。
目を丸く、顔を赤くして驚く唯も可愛いと素直に思う。
「えっ!……ほんとに……そうなの?」
「う、うん……試しに舐めてみる?」
僕の問いかけに唯はコクリと頷いたので、
僕は一端愛液に濡れた右手を秘裂から離して唯の目の前に持っていった。
暗い中なのでよく見えないけれど、多分愛液が僕の指と指の間で糸を引いているだろう。
そして唯は恐る恐る僕の右手に付いた自分の愛液を、
小さな形の良い口と丁寧な動きの舌で舐め取った。
その唯の舌の感覚に僕は興奮しながらも、唯の感想を聞いてみる。
「どうかな?」
唯は何とも言えないといった表情で答えた。
「……なんか……ちょっとしょっぱいかな?」
「まぁ、おいしいとは限らないよね」
「そうだよねぇ……ん‥‥じゃあ……」
「……なに?」
「……つづけよっか?」
恥ずかしそうにそう言った唯は、とても素直な感じがして可愛かった。
なにを続けるかなんて、それは考えるまでも無いだろう。
「えっ……? ‥‥ふふ……ふふっ」
「どうしたの?」
「唯って‥‥結構エッチだね?」
元々赤かった唯の顔が余計に赤くなるのが暗くてもわかった。
「……ひ、拓くん、そんな事言うのやめてよ‥‥」
僕と唯はそんな会話をした後もくすくすと笑い合った。
- 767 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:41:20 ID:en3TZs3w
- そして、どちらかが強制するわけでもなくいよいよ前戯は佳境に入っていく。
僕は両手を出来る限り使って唯に激しく愛撫を続けていって、秘部を下から手で包み込むように、
右手の親指でクリトリスを中指と人差し指の腹で秘裂を擦り上げた。
絶頂が近づきつつある唯は大きく嬌声を上げ始める。
「ふぁっ……!」
僕が荒い息を吐いている唯の唇を奪うと、唯は激しく舌を絡めてきてくれた。
「んっ……はぁっ……んくっ…!!」
その口づけが終わると、唯は切なげな瞳で僕を見据えてきた。
そんな唯の瞳に僕は、唯のしてもらいたがっている事がわかってしまった。
僕は最後に残った唇で、絶頂の予兆に耐えて目を瞑っている唯の、
口と言わず耳と言わず顔のパーツを塞いでいった。
「やぁっ……ひろくん……!!」
唯の下半身からは、クチャッグチャッと水音が断続的に続いている。
そして、僕が唯のクリトリスを軽く摘むと同時に唯は軽く絶頂に達した。
スタイルの良い身体がピンと伸ばされて、身体が震える。
「ひゃ‥‥ぁ、あっ‥‥!」
唯の秘裂からはしたたか絶頂の証がピュッと飛び出して、唯の太ももと布団を汚した。
辺りに、甘ったるい唯の香りが漂っていた―――
- 768 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:42:49 ID:en3TZs3w
- ――――僕は自分が纏っている全ての衣服を脱いで、唯と同じ生まれたままの姿になっている。
二人はベッドの布団の上で、正常位の形を取りつつあった。
唯は仰向けで少し遠慮がちに太ももを拡げ、僕を受け入れようとしている。
今の状態は一々口で言わなくても、二人が望んで出来たものだ。
唯の目が僕を求めていて、僕も唯を求めた。ただそれだけだ。
唯は今、僕の股間で脈々と力強く脈打つペニスを物珍しそうに、恥ずかしそうに見ている。
こんなものが自分の胎内に入るというのが、まだ信じられないといった様子で少し怯えているような気もする。
無理もない。本当は僕だって不安だけれど、それでも唯と繋がりたい。
そして僕は腰を動かして、愛液でトロリと濡れている唯の秘裂に
ピトッとペニスの亀頭をあてがうと、唯に最後の許しをもらう事にする。
「唯……はじめるよ?」
唯は湧いてくる不安さを押し殺すように、確かな意思で僕に返事をした。
「……うん……いいよ」
唯は半ば歯を食いしばり、両手で布団をギュッと掴んでこれから感じるであろう痛みに耐えている。
こんな唯の様子を見たら、僕は絶対に唯をこれから守っていこうと思わざるを得なかった。
今はその思いが、唯を痛がらせないようにしようという考えになる。
遂に僕は腰を前に出すと、亀頭が唯の秘裂を少しずつ割って入ってゆく。
- 769 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:44:30 ID:en3TZs3w
- ずちゅっ……
その異様な背徳感と快感に、お互い微かなうめき声を上げた。
既に濡れているとはいえ、今まで何物も受け入れた事の無い唯の膣はかなりきつく、熱く感じた。
「くっ……」
「ふぁっ……!」
徐々に唯の胎内に亀頭が飲み込まれていって、僕と唯が完全に一つの生き物になろうという時、
僕のペニスが何かをメリッと破った様な感じがした。
「つっ……っ!!」
唯は痛そうな顔をして目を瞑り、布団を掴む手には力がこもっている。
唯が、今この瞬間に破瓜したのがわかった。
見る見る内に秘裂から血が流れ、ポタポタと零れ落ちた分が布団を赤く染めた。
僕はその血の生々しさと、とても痛そうにしている唯が見ていられなくなって、声を掛ける。
「大丈夫!?」
「ちょ、ちょっと痛いけど大丈夫だよ‥‥」
そう答えながらも、唯は破瓜の痛みの為に瞳から涙を流していた。
唯がこんなに痛がっているのに、僕はただ気持ち良いだけなんておかしいと思った。
だから、唯にこう言う。
「唯‥‥もうやめよう‥‥やめようよ?」
けれど唯は涙を手で拭うと、出来るだけ笑って健気にも横に首を振った。
「わかった‥‥でも痛かったらすぐに言って欲しいんだ」
唯はその僕の言葉にコクリと頷いて、また僕が腰を動かすのを待つ。
その意志の強さに、僕の心の奥から愛情が溢れてくるのが止められなかった。
僕がそのまま腰を進め続けていくと、
僕のペニスがまるで意思を持っているかのような唯の初々しい肉襞に、
ギュッと締め上げられクチュッと絡み取られるのがわかった。
その快感は間違いなく、自分の手では得られないものだった。
「うっ……」
唯も、痛さと快感が入り交じった感覚に声を抑えきれない。
「ふぁあっっ…‥!」
ようやく僕のペニスが唯の膣の奥まで入る頃には、僕も唯も大分落ち着いてきていた。
今確かに、僕のペニスが唯の体温に包まれながら力強く脈打っている。
僕はじっと唯の目を見て問いかけた。
「……いい?」
「うん……」
- 770 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:46:18 ID:en3TZs3w
- そう言ったのを確かに聞くと、僕は少しずつだけど確実に腰を前後に振る。
唯の身体を労りながらも、激しく突き上げ始めた。
真っ直ぐだけでは無くて、横を浅く抉るようにも突いた。
「っ……あっ‥あん!」
固く閉ざされている部分にも、浅く強く突きを繰り返していく。
再び淫らな水音が部屋に響き始め、繋がった僕と唯の身体が一突きごとにズン、ズンと揺れる。
ずちゃっねちゃっ……ぐちょっ!
「っあ‥‥はぁっ……ひぁっ!?」
浅い突きを何回か入れた後ズンと一回強く突くと、唯は喘ぎ声を大きく上げて身体を軽く震わせた。
唯の膣は弛緩と収縮を何度も繰り返した後に、ギューッと僕のペニスを強く締め上げてきた。
唯もかなり感じてきているらしく、唯なりに卑猥な言葉が口から出る。
「ひゃあっ……!……ひろくんのお●んち●‥‥あついよぉ……!!」
その言葉に僕は顔と下半身が熱くなるのを感じて更に腰の振り幅を長くすると、
より激しくペニスが唯の肉襞に扱かれた。
もう一気に終わりまで持っていこう。唯も僕も、一緒に絶頂という高みを迎えたい。
「っ……! ふぁぁっ!」
くちょっ!ずちょっ!ずちゃっ!
どんどん淫らな水音が大きく聞こえてくる。
僕はそれまで唯が痛がらない為に動きを自制していたのを、
射精への誘惑に我慢出来なくなって最大限に動かし始めた。
何度も何度も唯の奥を責め立てて、その度に僕のペニスは絡み付かれ、搾り取られそうになった。
もう限界なのは唯も同じだったようで、細くて可愛い身体と胎内が絶頂の予兆にヒクヒクッと震える。
「うっ、唯……」
「ひ、ろくん……!?」
「もう僕、駄目そうなんだっ……」
僕のその言葉を聞くと、唯は快感に流されそうになっている
自分になんとか言葉を思い出させたのか、涙目でこう言った。
「わたしっ……ひろくんの事好きだよぉっ……!
すきっ! すきだよぉ! ひろくん!」
もはや快感に破綻しかけた唯の言葉に、僕は一層射精の予兆が高まるのがわかった。
腰を振るのももう限界だった。
「唯! 一緒に、イこう……!」
そして最後に思いっきり突き上げて唯の子宮口を亀頭で抉ると、そのまま果てた。
ビュクーッ!ビュクーッ!
唯の胎内にピッタリ密着した僕の亀頭から射精された、夥しい量の熱く白濁した精液――
新しい命を紡ぐ種が一瞬で唯の胎内を満たし、唯も絶頂の高みに連れて行く。
「っ…ひゃあぁぁ!!……あっ、あっっ熱いよぉぉ!
ひ、ひろくんのお●んち●から、熱いのビュクビュクって出てるよぉ……!」
唯は頭からつま先からまでピーンと弓なりにしてガタガタと震わせ、
全身で絶頂の快感を必死に受け止めていたが、それだけでは収まる筈がなかった。
胎内も動きもそれに比例して、僕のペニスから精液を一滴残らず絞り上げようと締め上げてくる。
「‥‥ひろ‥‥くん……私、変になっちゃうよぉ……」
唯はなんとかそこまで言うと、まるで急に糸が切れてしまった操り人形のように、
目を閉じてベッドに身体をクテンと預けた。
「はぁっ‥…はぁっ……はあっ………」
そして僕も、腰が抜けてしまいそうな脱力感の中に沈んでいった――――――
- 771 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:48:10 ID:en3TZs3w
- ――――始めて二人で繋がった後、僕と唯は生まれた姿のまま、
同じベッドの毛布と布団の下で心地よい余韻を愉しんでいた。
二人で事後処理はし終わって、安心してこのまま寝ても良かった。
外からは同じように虫の声が聞こえてくる。
暗い中、ふと唯の顔を見ると眠っているようだった。
あれだけ激しかったのだから、当然唯はとても眠たくなる。
僕は目の前のとても寝顔の可愛い唯の寝息と、漂ってくる唯の香りを感じながらある事を思っていた。
いつか唯が言っていた、血を繋げるということだ。
命を繋ぐ為の営みを、言うまでもなく地球の生き物は何億年もの間繰り返してきた。
そして、今晩思いもがけずに僕と唯がそれを繰り返したという事に、
僕はある種の不思議さや、畏敬の念を覚えていた。
それだけに、目の前の唯が余計に愛おしく感じられる。
僕も、唯と一緒に自分達の命を繋げていこう。
唯の無垢すぎる寝顔を見ながら、僕はそう考えた。
あ、でもその前にやる事がある。
明日の朝、万が一柚木さんにこの状況を見られると困るので早起きしなければならない。
僕は枕元の目覚まし時計を手にとって、朝早めの時間に鳴るようにする。
明日の朝、唯の起きたときの顔を見るのが楽しみだな。
終わり
- 772 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 17:51:04 ID:en3TZs3w
- タイトルは決めてなかったんですが、『河の続き』としておきます。
リバエンで書くのは初めてだったんですが、上手く書けていたでしょうか?
それと、残り少ないスレの容量を使い込んですみませんでした。
- 773 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/21(水) 19:14:22 ID:a0l68tDV
- 乙
- 774 名前:nameless671 ◆LNXvZfFeNE :2006/06/21(水) 19:33:37 ID:igBzB/3T
- >>755-756
メイトで売ってた半月マグカップ。俺も持ってる。
8p目のコップを見て、衝動的に思いついた。
ちなみに書き込んでるのでは無くて、
拾ったマグカップの写真を適当に変形させて馴染ませてる。
書き込んだと思ってもらえたなら大成功。
>キソケ氏
乙です。
自分としては里香好きとして、唯に浮気をする訳にもいかず
読んだら確実にオナニーしそうなんでとりあえずテキストに貼りつけて
性欲を持て余さない時に、ありがたく読ませていただきます。
- 775 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/21(水) 22:16:47 ID:en3TZs3w
- 唯で書くのは結構疲れました……
ここはやっぱり里香好きの方が多いようですし。
>>774
別に唯に浮気しても良いじゃないですかw
宗教の戒律じゃあるまいし、誰も怒りはしないですよ?
あ、七海の方が好きなんですか?
- 776 名前:nameless671 ◆LNXvZfFeNE :2006/06/22(木) 01:56:11 ID:BQodPE6D
- >>775
GJでした。
自分にとっては誰に怒られるとか禁則事項なんかじゃなくて
里香しか愛せないのは自分の意思なんです。
里香教の狂信者だと思っておいて下さい。
唯も七海も好きなんでそれはそれで美味しく保存させてもらいますがw
- 777 名前:小ネタ:2006/06/23(金) 01:39:13 ID:YN9oc0FZ
- 「あの…里香、大丈夫ですかね?」
「あら…裕一君は里香のこと信じてないの?」
「いや…そういうわけじゃ…」
僕は今、里香のお母さんと二人で居間に座っている。台所からは、楽しげな鼻歌が聞こえる。もちろんそこにいるのは里香だ。
「あの子、退院してから料理手伝うようになってね…今じゃなかなかの腕前なのよ?」
「そう…ですか」
里香のお母さんはとても嬉しそうに笑っている。きっと、娘のことが誇らしいんだろう。
しかし…里香が僕に手料理を食べて欲しいだなんて…。まったく予想外だった。そりゃさ、婚姻届だって書いたし、いつかは毎日食べられるようになると思ってたけど。
『裕一、明日あたしの家に来て。ご飯食べさせてあげる』
そう言った里香の顔は、僅かに赤く染まっていた。そんな顔されたから、僕も照れて頷くことしかできなかった。
「あら…できたみたいね」
いつの間にか鼻歌は終わっていた。里香が両手にお皿を持って、歩いてくる。
「裕一、おまたせ」
古いちゃぶ台に置かれたのは、おいしそうな肉ジャガだった。
「…これホントにお前が作ったのか?」
「む、どういう意味よ」
「いや…だって」
やっぱり僕には信じられない。里香が、あの秋庭里香が料理を!しかも肉ジャガだなんて。
「いらないならいいわよ。あたしが食べるから、あんたは帰って」
いけない。里香が不機嫌になっている。そりゃせっかく作った料理を食べてもらえないってのは、相当頭にくるはずだ。
それにしても…里香ってエプロン似合うよなぁ。白くて、ふわふわとフリルがついた可愛いデザインだ。まあ、里香のお母さんの仕業だろうけど。
「…そんなに食べたくないの…?」
「いやいやそんなことないって!ちょっと考え事してただけだから!」
「里香のエプロン姿可愛いな〜って?」
「ママ!!」
「おばさん!!」
けらけら笑っている。この人、こんなキャラだったっけ…?
「〜…ほら、早く食べてよ」
「あ、ああ」
いただきます、と手を合わせて肉ジャガに箸を伸ばした。
「…うまい」
味付けは甘過ぎず辛過ぎず、ホクホク感が素晴らしい。うまい。いけない、ちょっと泣きそうな僕がいるぞ。
「…良かった」
安心した表情の里香。隣りでニヤニヤしてる里香のお母さん。
「どう裕一君?将来的に毎日食べることになる味は」
その一言で、僕と里香は照れてしまった。目が合う。ニコッと笑うと、里香も笑ってくれた。
おわり
- 778 名前:nameless671 ◆LNXvZfFeNE :2006/06/23(金) 03:02:53 ID:fQJq/4kv
- 萌えた〜〜!!
お義母さんGJですw
- 779 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 08:26:12 ID:ysJYmLDY
- お義母さん最初は敵意剥き出しだったのに
後半とonedayの描写ですっかりいい人かしたんだなそう言えばw
- 780 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 16:57:27 ID:Vc9d1U7b
- 里香もツンデレッぽいが、お義母さんは更にツンデレらしいよ。
- 781 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 20:36:52 ID:fQJq/4kv
- 半月でツンデレキャラなのは里香ママと夏目かw
- 782 名前:712:2006/06/23(金) 21:00:25 ID:jAqqWpm0
- >>754
すまん。ちょっとパソの調子が悪くて暫く見れんかったんだ・・・
消えとる・・・
- 783 名前:nameless671 ◆LNXvZfFeNE :2006/06/23(金) 23:57:12 ID:fQJq/4kv
- 再うp。どぞ。場所はいつもの所です。
- 784 名前:712:2006/06/24(土) 16:58:12 ID:kI842PXP
- >>783
グッジョブ!!!これですよこれ。
- 785 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/25(日) 02:54:06 ID:6WYWKegt
-
七海っていい子なのにかわいそうなポジションだよね……
拓己が唯より前に七海に会っていれば結果はちがったんだろうか……
- 786 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/25(日) 09:19:18 ID:q+tYoa9r
- このスレもすっかり過疎っちまったな
- 787 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/25(日) 10:30:33 ID:X09eM6iH
- まだだ、まだ終わらんよ!
>>785
その可能性は無きにしもあらずですね、
まぁそれでも、拓己が唯を見捨てる事が出来るのかという疑問は残りますが……
>>786
やだーー! 過疎やだーー!
……とりあえず新スレに移行したら、
保守代わりに里香のSS投下出来るんで、それまで間を持たせられませんか?
もっと職人さんがいればそれが一番なんですが……
- 788 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/25(日) 11:07:38 ID:oomkbIfr
- >787
すまぬ…キソケ殿。俺には小ネタが精一杯なんだ…
- 789 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/25(日) 14:35:41 ID:X09eM6iH
- では、このようにスレが過疎りそうになったら
何でも良いので小ネタを出してはいただけないでしょうか?
- 790 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/25(日) 15:14:40 ID:hZ7NDnV8
- 過疎ってる様には見えないけど(笑
- 791 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/25(日) 15:39:13 ID:6WYWKegt
- キソケ氏>
下手で良ければ保守代わりに俺も書きますよ
- 792 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/25(日) 17:20:18 ID:oomkbIfr
- >789
このスレに投下してきたのと同程度なら、電波しだいでなんとか…
- 793 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/25(日) 20:14:53 ID:X09eM6iH
- >>791
ありがとうございます。
出来れば、キャラは多いのにあまり話題に上がらないリバエンを頼みます。
>>792
≪携帯からの支援爆撃、感謝する!≫
- 794 名前:nameless671 ◆LNXvZfFeNE :2006/06/25(日) 20:28:11 ID:6FoDn+0D
- >>784
勝手に表情も変えたのでイメージ通りか不安だったけど
それなら安心。
ってか前後の展開考えない1Pの作成だったので自由に作れた。
最近過疎どころか多人数が書いてて賑わってるようにすら思っていた俺ガイル。
>>791
重要なのは上手さじゃなくて愛だと思う。と、遠回しに自己弁護。
>七海
逆転の発想で、拓巳より七海を愛してくれる男を好きになっていたら……
と考えれば万事OKかと。
- 795 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 00:26:11 ID:Tl2GBUQ7
- ふと思ったんだけど、このスレって
残りのレス量的にもスレの容量的にも
あと少しで終わるよな、だれかこのスレのSS保存してくれないかな、
落とすのにはもったいないと思うんだが。
- 796 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 00:28:16 ID:zbFbKKaP
- 保管庫は?
- 797 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/26(月) 17:12:13 ID:p3ZqpKSj
- 実は、俺がこのスレに今まで投下した3つの里香SSは、
加筆修正をした後、●庭里香●盟さんの方で保管してもらってます。
でも、リバエンのSSはどうなるかわかりませんが。
- 798 名前:125:2006/06/26(月) 22:35:58 ID:h4zak6Se
- 自分の書いた2作品は、自分のHPに微妙に修正して保管しております。
検索して頂ければ多分ヒットするかと。
も ◆rq7hJG26bc さんのところは云うまでもないので、結構どれも保管されてますかね?
- 799 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 01:07:45 ID:POYgRYP2
- 125さん! 次のSS超楽しみにしていますので!!
- 800 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 01:27:17 ID:b/qsKCXK
- このスレのSSってエロじゃない作品もあるから
保管庫に保存してもらえるか微妙な所だな
- 801 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 04:07:19 ID:On46RWA6
- なら専用の保管庫を作ればいいんでない?
そうすれば大丈夫だろ
- 802 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/27(火) 17:57:05 ID:zzScRJqo
- そうですよね、出来たらバラバラじゃなくて一カ所のサイトで読みたいです。
- 803 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 19:08:12 ID:XBadrZoq
- 保守
- 804 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/28(水) 21:43:12 ID:tSK0nMNd
- 小ネタ
「裕一、『チャタレイ夫人の恋人』って本知ってる?」
「いや、知らない」
「やっぱり勉強してないんだねぇ……
まぁとにかく、その本を借りてきて欲しいんだけどいいかな?
私は明日用があって、自分じゃ行けないの」
「ん‥‥別にいいけどさ……」
「フフ……不満そーだね?」
「い、いや別に」
「じゃあ、よろしくね。 『チャタレイ夫人の恋人』を」
「…………」
(里香がニヤニヤしながら僕に何か頼むときって、ロクな目に遭わないんだよなぁ……)
- 805 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/28(水) 21:57:08 ID:tSK0nMNd
- 翌日、里香に言われた通り、
図書館に『チャタレイ夫人の恋人』を借りに行く裕一。
本を探すのが面倒で受付のお姉さんに聞くことに。
「すいませーん、
『チャタレイ夫人の恋人』って本、置いてありますか?」
「ええ……ちょっと待って下さいね。
受付のお姉さんは端末で検索して、本があるか調べてくれた。
「……ありましたよ」
「ありがとうございます。 じゃあ借ります」
「あの、でも……この本……」
「何ですか?」
「猥褻な表現が作中あるという事ですが、年齢から見ても大丈夫ですよね‥‥?」
「えっ‥‥!? ちょっとぉ! そ、そんな本だったのか〜〜‥‥‥!!」
「………………借りますか?」
「か、かります………」
- 806 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/28(水) 22:05:17 ID:tSK0nMNd
- 「ほら里香、『チャタレイ夫人の恋人』、借りてきてやったぞ………?」
「あっ……! ふふふっ、ありがとね裕一‥‥」
「………里香は意地悪だな」
「なんの事?」
「この本のおかげで俺は受付で恥をかいたんだぞっ?」
「‥‥‥なに言ってるのよ裕一? 私は一作でも多く有名な作品を読みたいだけよ」
「はぁ―――……‥‥まぁでも、いいっか………」
- 807 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/29(木) 02:47:22 ID:jOf+hzjH
- キソケ氏>
GJです
- 808 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/29(木) 02:53:11 ID:9j7637Sy
- >>806
違う裕一、それ誘われてる、フラグたってんだよ〜!!
- 809 名前:nameless671 ◆LNXvZfFeNE :2006/06/29(木) 12:26:39 ID:jEjp4m2Z
- 確かにwフラグだw
これで裕一が実はフラグを理解してて本の中に
「いのちをかけて以下略 Y」
って返事を書いてあったら裕一は神なんだけどなぁ。
ところで拾い物なんだけど
ttp://ranobe.com/up/src/up118400.jpg
これを見て第一印象が「里香に脳内補完出来る」って思った人いる?
- 810 名前:nameless671 ◆LNXvZfFeNE :2006/06/29(木) 12:32:11 ID:jEjp4m2Z
- 実は6時間ほどかけて遊んでみた。
ttp://ranobe.com/up/src/up118401.png
久々の休日に引き篭もって何やってんだか。
- 811 名前:名無しさん@ピンキー:2006/06/29(木) 16:44:16 ID:Pa0HOidH
- >>810
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
- 812 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/06/29(木) 18:13:51 ID:K8PPH0zT
- >>807>>808
コメントありがとうございます。
俺も暇があったら、ああいう有名なエロ文学読みたいんですがなかなか……
>>810
素材から言っても全く無理がねぇw
保存しました。
じゃあついでに小ネタの続きを
「で、この本ってどういう話しなんだ?」
「確か……昔のイギリスが舞台で、主人公は結婚してる貴族の女の人よ。
その人の夫が戦争の怪我で不具者になっちゃって――」
「ちょっと待った」
「なによ?」
「不具者って何? 俺は里香と違ってボキャブラリーが無いからわからないんだよ」
「それは‥‥その‥‥この場合は」
「なに?」
「……が、出来ない人」
「ん……何が出来ないのか、聞こえなかったんだけどなぁ〜?」
「……バカッ! 裕一のスケベッ!
にやにやして聞き返さないで、辞書でも引けっ!!」
「わかったわかった里香! そんなに顔赤くすんなよ!? 冗談だって冗談!
だ、だから広辞苑を凶器にするのはっ! やめっ!」
里香と裕一の喧嘩の様子が、壁越しにわかった里香ママ
「……また、里香と裕一君はにぎやかねぇ……まるで私とお父さんの若い頃みたい」
- 813 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/02(日) 02:13:59 ID:B1GmdImU
- 過疎ww
- 814 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/02(日) 10:53:24 ID:8Y8SfxYE
- キ // /::::://O/,| / これは……
ュ / |'''' |::::://O//| / 半ば 無駄レス
.ッ \ |‐┐ |::://O/ ノ ヾ、/
: |__」 |/ヾ. / / だが 半ば……
ヽ /\ ヽ___ノ / . へ、,/ 良レス…!
/ × / { く /
く /_ \ !、.ノ `ー''"
/\ ''" //
| \/、/ ゙′
|\ /|\ ̄
\|
- 815 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/07/02(日) 16:55:55 ID:8Y8SfxYE
- 誰か〜埋めてくれ〜orz
- 816 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/02(日) 23:25:28 ID:pbDR7Ya8
- また本スレで作者募集したら?
- 817 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/03(月) 05:05:39 ID:xYwPTSqU
- ここからエロパロ板が見えるか?
2chは俺達に何をくれた?
全てを解き放つ
そのための『里香SS』だ
相棒 道は一つだ
妄想に従い行動する それだけだ
里香SSに自慰はない
抱く者と抱かれる者がいる それが全てだ
奮い立つか?
ならば 俺をイカしてみせろ
時間だ
俺とお前は
鏡のようなもんだ
うpし合って初めて本当の自分に気づく
似てはいるが 正反対だな
抜け!臆病者!
カモォォォォン!
- 818 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/03(月) 17:26:57 ID:plFJNXTb
- ばっちこ〜い!!
- 819 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/03(月) 17:35:14 ID:jXYtDyRf
- 交戦規定はただひとつ
<< 里 香 で 抜 け ! >>
- 820 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/03(月) 21:58:26 ID:Gaz6g29m
- 夏目は診察、治療と称してやらしいことしまくりだろうな。
「ちょっと心臓の音を聞かせてね、はい、上着脱いで」とか。
- 821 名前:nameless671 ◆LNXvZfFeNE :2006/07/04(火) 02:42:23 ID:KgXGo0wX
- >>820
里香「……裕一、白衣着て何してるの?」
というわけでうp。
随分前に作ったやつなのでもしかしたら既出だったかも。
元:up119653.jpg
↓
説明不要:up119653.jpg
↓
白ニーソ&スカート剥き:up119653.jpg
尚、萌え連改造板を見た人なら想像付くと思うけど
涙、涎、紅潮、毛、汁、スカート剥き、白ニーソ化
……はオプションにつき、お好みにより取り外し可能。
- 822 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/04(火) 14:40:44 ID:xYmpuBuV
- 119653〜119655までが無いです。
それとも場所がちがうのでしょうか。
- 823 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/04(火) 17:42:06 ID:dkBCOZz6
- そんなまどろっこしいことしないで、普通にアドレス書けばいいじゃない
- 824 名前:nameless671 ◆LNXvZfFeNE :2006/07/04(火) 21:30:43 ID:KgXGo0wX
- >>822
確認したら何故か消えてました。
再うpしたんで良かったらどうぞ。
up119828.jpg
up119829.jpg
up119830.jpg
>>823
すまんな、気まぐれなもんで。
>>680でも言ったが
まどろっこしいという気持ちより見たいという気持ちが
上回ってる人だけ見れば良いと思ってるんで。
- 825 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/04(火) 21:57:48 ID:xYmpuBuV
- >>824
ありがとうございました。
- 826 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/04(火) 23:17:04 ID:nhgfmut1
- 場所わかんないっす・・・
お願いします・・・教えて・・・
- 827 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/04(火) 23:43:50 ID:GNcRN/yW
- >>824
GJ!
ごちそうさまでした
- 828 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/04(火) 23:44:47 ID:9t6Caoxx
- >>826
釣りか?
- 829 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/04(火) 23:49:00 ID:azw8dPkY
- >>826
ttp://ranobe.com/
- 830 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 00:06:50 ID:5lI5j5Wt
- >>824
>>829
ありがとうございました。
- 831 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/07/05(水) 14:43:03 ID:D3mUda3J
- >>824
毎度お疲れ様です……
ところで、もうそろそろ次スレを立てて
容量に気兼ねなくSSを投下したいのですが、スレタイとテンプレはこんなのでよろしいでしょうか?
《半分の月》橋本紡作品でエロパロ2《曜日シリーズ》
半分の月がのぼる空、リバーズ・エンド、曜日シリーズなど
橋本紡作品の総合エロパロスレのパート2です。
とりあえず雑談あり、荒らしはスルーで。
前スレ:http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1138289193/l50
- 832 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 20:02:43 ID:jHuQ/JTz
- >>824
消えてて見れねえw
>>831
いいと思うよ
- 833 名前:Ξキソケ ◆dvX5IUtub. :2006/07/05(水) 20:45:19 ID:D3mUda3J
- 《半分の月》橋本紡作品でエロパロ2《曜日シリーズ》
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152099457/l50
ちょっと急ぎ足かもしれないけど、立てました。
これからもよろしくお願いします。
- 834 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 20:45:27 ID:4csJifUf
- 一期一会だ
- 835 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 04:01:16 ID:ezCJfEt3
- 上げ
- 836 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/10(月) 20:16:16 ID:H1mryPZJ
- 埋め
- 837 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 01:27:59 ID:cyomubdj
- 梅
- 838 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 01:29:25 ID:cyomubdj
- 梅
- 839 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 01:30:23 ID:cyomubdj
- 梅
- 840 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 01:32:13 ID:cyomubdj
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- 848 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 01:42:03 ID:cyomubdj
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- 849 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 01:43:03 ID:cyomubdj
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- 850 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 01:44:25 ID:cyomubdj
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- 851 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 01:46:03 ID:cyomubdj
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- 852 名前:名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 01:47:03 ID:cyomubdj
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