半熟な月
1.遠坂の性
じゃーんけーん……。
ぽい。
「――――」
「よっしゃ! ゴミ捨ては遠坂に任せた!」
「あ、遠坂さん、お願いします……」
「む」
走り去る2−A仲良し三人組。取り残される遠坂凛。
「……こんちくしょう」
たぶんこんな日々が続いていたんではないかと思う。
2.剣士の性
じゃーんけーん……。
「ちょっと待った! セイバーは直感使うの禁止!」
「禁止と言われましても……意図して抑えられるものでもないかと……」
マスターの主張に不満の声をあげる。対する凛も一歩とて退かない。
「それでも! 公平な勝負のためよ!」
「仕方ありませんね……」
仕切り直して。
じゃーんけ−ん……。
ぽーい。
「あ…………」
「私の勝ちですね」
膝を落とし、床に手を付き、苦悶する凛。油断も慢心も予断もない。なのに、自分は一体どこで間違えたというのか――。
「……く。なぜなの?」
自問する声に、勝者が悠然と応える。セイバーらしからぬ、優越感に満たされた響きだった。
「簡単なことです。私が直感をもって読み取れるのは、凛がグー・チョキ・パーのどれを出すかということ。しかし、貴方が私より早く手を出していれば話は別です。後は動体視力の問題となる。貴方の出したカードの種類を識別し、瞬時にそれに対抗できるカードを切る――」
セイバーが言い終える前に、後ろに控えていた士郎が通告する。
「そんな訳で、今週のゴミ出し当番は遠坂な」
――きっと、こんな日々が続くのではないかと思う。
3.竹取物語・異聞
(1)あれって斧で割っても危ないよな
がさがさ、と竹やぶの中に踏み入る。そこには、眩いまでに光り輝く一本の竹があった。
志貴は不思議に思って、その竹を割ってみようとしました。それというのも、彼の妹は徹底した倹約家で、兄である志貴に自由なお金を与えようとしません。ですから、彼は何らかの手段をもって小遣い稼ぎをしなければならないということです。
それ以前に、妹の経済力に依存している現状を、もう少し深く考えてみてはいかがでしょうか。
――それはともかく。
「仕方ないな……」
さすがに素手では割れないので、眼鏡を外して死の線を見ます。でもって、勢いのままにすぱっと。
「あ……」
竹を割ると、勢い余って切り刻んでしまった金髪の猫が――。
BAD END……
(2)裏話
がさがさ、と竹藪の中に踏み込む。確か、このあたりで黄金に光り輝くものがあったような……。
知得留という名の教師は、その先にぴかりと瞬く竹を見つけました。
何か感じ入るところがあったのか、すぐさま袖からにょきっと剣を出し、横一文字に切り裂きました。
――ごくり。息を呑んで、知得留が光の中心を覗き込むと――。
「にゃにゃー」
猫がいました。月の申し子の次世代機の、それをまた更にデフォルメした至高のマスコット。その名も猫アルク!
知得留先生は、問答無用でその首根っこを掴みました。
「にゃにゃ? あたちをどこに連れて行くのかにぶぼっ!」
口に濡れたお絞りを詰め込み、素早く拉致する知得留先生。
「採用です」
→「知得留先生の授業」を受けますか?
(3)可愛いのはいいことです
ひょこひょこ、と竹やぶの中に入り込む。この辺りに、眼も眩むような輝きを見た。それを確かめたかった。
レンは、人間のカタチになってその光る竹に向かって手を伸ばします。
「…………」
手を伸ばします。
「…………っ」
飛び上がりつつ、手を伸ばして――。
「…………っ」
届きませんでした。とさ。
4.浦島太郎・異聞
(1)シオン太郎→志貴カメ
「亀ですか貴方は!」
「そ、そうだけど……」
「…………」
終わり。
(2)秋葉太郎→志貴カメ
「こらこら、亀を苛めちゃいけない――せい!」
ヤクザキックが今年も唸る。ぶめぎゃと吹き飛ぶ悪鬼ども。
「うわ、容赦ないな……」
「ふん、手加減を知らない子どもにはいい薬です」
「あ、そう……まあそれはとにかく、助けてくれてありがと――」
「……(ごくり)」
「……あの、なんか飲み込みませんでした? しかも、あのちょっと涎が出てるのはどーしてかなーと」
じゃらり、といつの間にか首輪を付けられていることに気付く。手が早いなあ、と場違いに感心する。
「今日は……すっぽん鍋よ!」
二重の意味で「いただきます」だ。
「お持ち帰り!? あのいやそれ以前に俺は亀なんだけどーどーどーどー……!!」
それは、絶倫超人だからさ。
(3)秋葉太郎→晶カメ
「あのわたし亀なんですけどーどーどー……!!」
やっぱりお持ち帰り。
(4)琥珀太郎→志貴カメ
「斬!」
秘密の業物が砂浜にきらめく。きゃああと股間を抑える一次性徴止まりの者ども。無論、毛はない。
「うわ、幼年期の子どもに刃物突きつけるかフツー……でも、いい教訓にはなったかも……」
覚えてろよーと立ち去る少年たち。蒙古班が見えていたことはみんなの秘密だ。
「はい、これで終了です。大変だったですねえ」
「ああ、そうですね。本当に助かりました。せめて名前だけでも――」
「よいしょっと」
どこにそんな腕力があるのか、苦もなく亀を肩に乗せる琥珀さん。
「……あの、どうしてよっこらせと担ぎ上げられているんでしょうか、俺は」
「それはですね、わたしの家で改造手術を受けることになるからですよ志貴さん」
「改造!? ってしかもなんで俺の名前知ってるの!?」
そもそも亀に名前があるかどうかすら不明だが、そういうことは便宜上気にしない。
「あははー。立派なガメラにして差し上げますからねー♪」
「嬉しくないっ! てーか助けられてもねーねーねー……っ!!」
次は劇場版(嘘)。
(5)レン太郎→志貴カメ
「…………」
「なんだこいつ?」
「…………!」
ぐいぐい押しても、いじめっこたちは微動だにしないのでした。
「……やっぱり助けられてない……」
(ex)愚痴
「というかなんで俺が浦島太郎じゃないんだ?」
いつも尻に敷かれてるから。
「竜宮城にすら行ってないし……」
みんな幸せだからいいじゃないですか。
「しかも総受けだし……」
それは……正直すまん。
5.基準・物
CMが流れている。
『タイガーホットプレートもういちま――』
「わたしをタイガーと……!」
「見境なしかよ!」
だからうちには魔法瓶がない。
6.基準・人
ニュースが流れている。
『さて、今週から始まるマスターズではタイガー・ウッズ選手に注目が集まる訳ですが――』
「わたしをタイガーと……!」
「しつこい!」
7.基準・チーム
ナイターが流れている。
『伝統の一戦、読売ジャイアンツと阪神タイガースの一戦は0−0のまま延長戦へと突入し――』
「…………」
「これには反応しないんだよな……」
野球中継に魅入る藤ねえを見て。
8.基準・あいまい
ドラマが流れている。
『いた、いたたた「た、いがぁ」、胃が痛い……!』
がたんっ!
「わたしをタイガーと……!」
「それはわざとだろ」
9.ワラキアの昼
ルーマニア人「……暑いなー」
10.甲子園
今年もまた、あの季節が訪れる――。
シオン「……って、何故貴様がここにいるのですワラキア!」
ワラキア「ふふ、聞いたことはないか? ――『甲子園には魔物が住んでいる』という噂を……」
シオン「…………はい?」
ワラキア「ふはははは……! 穢れなき思念のもとに集う高校球児どもに、無限にも等しい死を宣告してやろう!」
シオン「……審判がモデル?」
志貴「おまえも暇なんだな……」
11.虚弱体質
志貴「その前に昼間っからうろちょろしてていいのかよ」
12.同胞
志貴「……ぐあああ! 蚊が! 蚊がむかつく!」
シオン「全くですね……」
志貴「仕方ない――こんなときにはシオンの出番だ! やってくれ!」
シオン「……何故私を?」
志貴「だってシオンの仲間だろ? さあ、部下の吸血衝動をカットしてくれ!」
シオン「…………」
志貴「ああ! こうしている間にもシオンと秋葉の仲間が――うっ!」
本当に血を吸ったろかと思いました(年齢不詳:SATさん)
13.御大
志貴「知ってるか? 血を吸う蚊って全部メスなんだってな」
アルク「へー、そうなんだ――ってなんでわたしを見るの?」
14.転職
(1)基本
ワラキア「カットカットカットカットカット――!」
店長「お願いだから静かに髪切ってくれない?」
(2)応用
ワラキア「カットカットカットカットカットカットォォォォ――!!」
上司「シュレッダーいらずだねえ」
(3)実際にいそうではある
ワラキア「カットカットカットカットカットカットカットォォォォ――ッ!!!」
役者「またかよ!?」
助監督「次はTake19っスよ……」
(4)さすらいの包丁
ワラキア「カットカットカットカットカットカットカットカットォォォォ――ッッ!!!!」
士郎「な……なんて凄まじい包丁捌きなんだ!」
凛「ていうかアイツ誰?」
(5)こんなオチ
ワラキア「周りを見渡せば、私と言えば『カットカット』みたいな扱いになっているが……私はこのままカットカットと言い続けていいのだろうか……。それとも新しいキャッチフレーズを開拓すべきなのだろうか……」
葛藤(――。
15.混沌考察
(1)裸コートはさすがに
ネロ「――出会ったな。この私に」
OL「へ……変態!」
何よりその一言に傷付きました(年齢不詳:混沌さん)
(2)ランキング
志貴「666種類の動物って……どういう基準で選んでるんだろ」
アルク「強力な順なんじゃないの? 幻想種もありみたいだし」
志貴「……にしたって、鹿はないよな……。確かに突かれると痛いけどさ……」
アルク「知らないの? ネロの中にいる鹿は喋れるのよ」
志貴「ええっ!?」
(2')喋り損
志貴「……でも強さとは関係ないよな」
(3)ゲゲゲの
志貴「鴉だってさ……あ、あれは偵察用なのか。――にしても、あんだけうじゃうじゃ出す必要もないと思うけど」
アルク「空でも飛びたかったんじゃない?」
志貴「……よるーははかばでうんどーかい、か……?」
(3')やってみた
ネロ「………………フッ」
楽しそうでした。
16.ReACTの夜
(1)BloodHeat状態で相手の攻撃をシールドすると
ワラキア「――鼠を回せ、秒針をさかしまに誕生をさかしまに世界をさかしまに、回せ回せ回せ回せ回せ回せぇぇ――ッッ!!」
カラカラカラカラ……。
「……ふふ、鼠さんは今日も元気ですねー」
地下室の中で、実験用の鼠はがむしゃらに車輪を回し続ける――。
(2)カメラを
ワラキア「回せ回せ回せ回せ回せ回せぇ――ッ!」
カメラ「うわぁ、監督がノリノリだ――!」
(3)生地を
ワラキア「回せ回せ回せ回せ回せ回せぇぇ――ッッ!!」
士郎「ま――まさか、ピザの生地をここまで壮大に回せる奴がいるなんて……!」
凛「……料理対決でもしてんの?」
(4)指を
ワラキア「回せ回せ回せ回せ回せ回せぇぇぇ――ッッ!!!」
翡翠「……貴方を、犯人です」
ワラキア、K.O.――
(5)シオンを
ワラキア「姦(せ姦せ姦せまわぎゃ!?」
シオンに存在をカットされる。
(6)自分を
ワラキア「………………うぷっ」
酔った。
17.惚れたけどさ
――翡翠、勝利。
「……あたいに惚れんなよ、べいびー……」
志貴、遠巻きに観戦。
「――あんなの、俺の翡翠じゃないッッ!!」
18.勇気≠無謀
秋葉「……知りませんでした。翡翠は既に兄さんのモノだったんですね」
志貴「あ、いや――その」
秋葉「私のものにならないのなら――」
志貴「熱ッ! あ、あ、秋葉! 兄妹喧嘩は手加減してなんぼのもんだって知ってるか!? だから熱ッ! 熱がっ、体温がぁぁぁ――!」
19.所有権の所在
琥珀「まあ翡翠ちゃんはとっくにわたしのものなんですけどねー」
20.志貴がMeltyBlood(ReACT)をプレイして思ったこと
(1)24ですら怪しい
志貴「先輩の声ってたまにおばさん臭いんだよな……」
シエル「それは宣戦布告と取ってよろしいですか?」
(2)主に取り立ての時
志貴「逆に、琥珀さんの声は可愛いんだよな……」
琥珀「その分には問題ないと思いますけど?」
志貴「……いや、余計に騙される人が増えるというか……。本当はもっとドスのきいた声も出せるんでしょ?」
琥珀「それは、ご想像にお任せします〜」
志貴「……(眼が笑ってない……)」
(3)24以下です
志貴「翡翠もたまにおばさんみたいな声出すよね?」
翡翠「――暗黒翡翠流――」
志貴「いきなりッ!?」
(4)裏スキル
志貴「七夜は俺の使われない意識――ってことは、メカヒスイも翡翠の使われることのない一面なのか……」
琥珀「……翡翠ちゃん、破壊願望でもあるんでしょうか」
志貴「単に、琥珀さんの掃除スキルが継承されたとも考えられますけどね」
(5)香辛料っぽい
志貴「先輩のサマーソルトキックに『シエルサマー』ってあるけど……どうしてインドっぽい感じがするんだろ」
21.敬称略
シエル「――いいですか? 私は貴方の主なのですから、もう少し尊敬の念をこめて私を呼ぶようにしなさい」
ななこ「わ、わかりましたよぅ……。えーと、シエルサマー、シエルサマー」
シエル「……なんかムカつきますね……」
22.その理由――この世、全てのしっぽ。
桜エンド後、帰ってきた遠坂。
士郎「なぁ、遠坂がツインテールをやめた理由って何なんだ?」
遠坂「なんでそんなこと訊くのかわかんないけど……あー、あのツインテールはね、言峰に掛けられた呪いだったのよ」
士郎「マジで!?」
遠坂「嘘に決まってるでしょ」
23.その理由――魅せられて
凛「ねぇ、ライダーはどうして魔眼殺しを掛けたの? 桜を守るだけなら、以前の概念武装でも構わなかったのに……」
ライダー「……実はですね。これを掛ければ、ある特定の人種に対する魅惑(の効果が二割増しになるのです」
凛「……ホントに?」
ライダー「――と、士郎が言っていました」
凛「……あいつか……」
24.眼帯≒仮面
ライダー「本当は、いいかげん仮面ライダーと呼ばれるのが嫌だったからなんですけどね」
25.その理由――フェティッシュマジシャン
士郎「あのさ、セイバーの髪の毛が一房だけちょろんと出てるのは何でだ?」
セイバー「……これは、とある老魔術師に掛けられた呪いなのです……」
士郎「はは、甘いなセイバー。いくら俺でも、そんなベタなネタは通じないぞぅ」
セイバー「…………」
士郎「……あのー、なんで何も言ってくれないの?」
26.コマンド――幸せになりたい
メルブラRe・ACTのマニュアルを見て。
さつき「……ゆ、夢くらい掴めるんだから!」
シオン「――さつき。自分さえ騙せない嘘は――」
さつき「悟りの笑み!?」
27.コマンド――七夜は志貴の無意識です
メルブラRe・ACTのマニュアルを見て。
志貴「まあ、自分でもよくわかんない蹴りなのは確かだし……。大体、パンチとかキックとかに名前なんか付けないだろ」
七夜「……ん?」
28.台詞――短いよ?
白銀が舞う。
唐突に訪れ、俺の死を打ち破った風の正体が、壊れた扉の向こうから漏れる月光によって露になる。
――そして、その少女は言った。
「――問おう。貴方が私の……私の……えー」
「それぐらい覚えとけよ」
29.台詞――長いんだよ
出来るはずだ。
投影も強化も、もとよりその世界から零れ落ちたもの。
俺に出来るのは、自分の心象世界を創り上げることだけなのだから――。
「――I am the bone of my sword.(
Steel is my body, and fire is my ……( my ……(えー、なんだっけ……?」
30.交友関係
志貴「えーと……知り合い?」
レン「…………」
猫アルク「たわばッ!」
猫アルクを盾にするレンを見て。
31.あく
カレーを作る言峰。その器の中には、ぐつぐつと煮立つ野菜の群れが。
雑多に詰め込まれた凡百の物体を見下ろし、彼は吐き捨てるように呟いた。
「……この世、全ての灰汁――か」
ちなみに、灰汁は掬わずにそのままルーをぶち込む主義。
32.言い出しっぺは平気
ギル「……今宵は冷えるな……」
33.路地裏(公園含む)の挽歌
弓塚さつきは闇夜に紛れ、
シオン・エルトナム・アトラシアは闇夜に潜む。
どうして? なぜなら――二人は吸血鬼だからさ!
「……うぅ、おうちに帰りたい……ベッドじゃなくてもいいからふとんで寝たい……」
公園のベンチに横たわりながら、さつき。その隣りでダンボールに包まるのはシオン。
そんな二人を生暖かい目で見るのは愛しき仲間。たまに賞味期限の切れたコンビニの弁当をくれる優しい人たち。
「仕方ないでしょう。今年の冬は暖冬なのですからどうにかなります。とりあえず、トマトジュースでも飲んで喉の渇きを潤しましょう」
「うぅ……ありがと……。ところで、シオンはどこからお金を得てるの?」
「――エーテライトは、他者の衣服の深層にまで介入できる構造を秘めているのです」
「……要するに、お財布をスってるんだね……」
「それだけでなく、他者の記憶に侵入して『この秘密をばらされたくなければ指定の口座に50万を振り込め』と」
さつきは横たわったまま涙をこぼす。水分が足りなくなろうが、もうどうでも良さげ。
「1000万という法外な額を吹っかけてはなりません。50万という中堅どころの収入でもなんとか払えてしまう金額であればこそ、公にすまいと内密に事を運ぼうとする人間の心理が――」
――あぁ、本当に遠野くんちの使用人になっちゃおうかな……。
34.路地裏――循環
さつき「……ねえ、シオン。わたし思うんだけど」
シオン「なんです?」
さつき「自分の血を吸えば、少しは吸血衝動が収まるかも〜」
シオン「だ、ダメですさつき! それでは何処かの国の寓話になってしまいます!」
35.路地裏――わたしは貝になりたい
さつき「……シオ〜ン。わたしは蚊になりたいよぅ……そうすれば好きなだけ血が吸えるし、文句も言われないし……」
シオン「どっちにしろ厄介もの扱いはされますがね」
さつき「でも、遠野くんの血が吸えるなら……(ぽ)」
シオン「吸った途端に『パンッ!』と圧殺されるのですね」
さつき「……シオン、冷たい……」
36.路地裏――PS2
さつき「シオン! あった、あったよ! これでわたしも蚊に!」
シオン「それはゲームソフトです」
37.路地裏――ネタ>食料
シオン「本気で蚊になるつもりなのですか、貴方は……」
さつき「うぅ、そんなに怒らないでよ……」
シオン「ゲームソフトを買えるお金があれば、輸血パックも確保できたでしょうに」
さつき「あ」
38.路地裏――千里眼
シオン「PS2の本体もありませんし……」
さつき「あ、それなら遠野くんの家にあるよ」
シオン「……どうしてそれを知っているのですか?」
39.路地裏――興味と失望の狭間
シオン「ディスプレイおよびメモリーカードすら無いではありませんか」
さつき「……もしかして、やりたいの?」
40.情事――腹の上で死ぬ
秋葉「……全て、奪い尽くして差し上げます……!」
志貴「……それはちょっと……!」
41.情事――役得
セイバー「……任せてほしい、シロウ。私とて、殿方の悦ばせ方は知っています――」
士郎「せ、セイバー……(あの爺さんか……ッ!)」
42.情事――腹の上で(物理的に)殺される
凛「……なによ。たんに性交するだけでしょ。殺し合いよりはずっと楽だと思うけど」
士郎「……殺し合いと比較するなんて、と、遠坂はそんなに激しいのか?」
凛「本当に殺してあげよっか?」
43.言い訳禁止
士郎「セイバーの部下の料理が雑だったってことは……セイバー自身も、そんなに料理が得意じゃなかったのかな」
セイバー「いえ、そんなことは決して――でも、はい、私は剣ばかり持っていたので!」
士郎「そんな我が意を得たりみたいな顔されても……ってことは、そうか」
セイバー「……何がですか?」
士郎「要するに、セイバーはその剣で牛とか豚とかを直に捌いてたってことなんだな? それじゃ、機会があったら牛の解体を実演してほしいな――って、どうしたセイバー。なんかひどく疲れた顔して」
44.スペシャリスト
志貴「俺の方が牛を捌きやすいってのもどうなんだかな……」
45.赤毛繋がり
宗蓮「おまえの起源は『臙条巴』だ」
士郎「……誰?」
46.眼鏡――構造的欠陥っていうか世の眼鏡はみんなそう
志貴「――先生。この眼鏡、隙間からちょっと線が視えるよ」
47.眼鏡――密着型
青子「だったら水中眼鏡の方が良かったかな?」
志貴「やっぱりこのままでいいです」
48.3連コンボ不成立
志貴「シエル先輩はカレー好きで……」
凛「言峰は麻婆中毒でしょ」
藤ねえ「で、イリヤちゃんはマスタードマスターなんだよねー」
イリヤ「……違うわよ?」
49.理想
士郎「……少なくとも、俺は禿げないってことか……」
それだけで、胸のつかえはあっさり取れてくれた――。
50.現実
士郎「でも、若白髪なんだよな……」
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