「舐めろ」
「う……」
独特の匂いに董白は眉をひそめる。こんな眼前で男の一物を見た事などなかった。
「言っている意味が分らない訳でもあるまい?」
何となくだが、何をするのか分かってはいた。だが、反発心と嫌悪感がそれを拒む。
「この首のようになるか…?」
少し苛立っているような声でそう言うと、曹操は足元にある董卓の首を踏んだ。
腐敗しかけた首は踏まれたことで血を滲ませ、眼球を飛び出させていた。
潰れた『おじいさま』の姿が董白の目に映る。
「あ…ああ…」
もし自分がこうなったら…と、一瞬想像してしまったのだろうか。
拒否するかのように、何かを振り払うかのように首を振る董白。
その様子を曹操は見逃していなかった。低い声で脅すように呟く。
「……殺すぞ?」
それを聞いた董白は小さく身体を震わせると、
顔をゆがめながらも自分から曹操の股間へと顔を近づけた。
そして、ぎこちないながら陰茎を舐め始める。
「そうだ…それでいい……」
曹操はその様を見て、笑みが止まらなかった。
何故なら、このような生き恥を晒すくらいなら本来は死を選ぶはずである。
まして叔父の横に並べるなら本望だろう。一国の『将』というのはそういうものだ。
しかし、董白は死を選ぶどころか曹操の脅しに怯えて、命令に従った。
「(将ではなく人か。ならば扱いやすいというもの…)」
曹操は確信した。この少女が『死』を恐れていることを。
「ん…んふっ…んんっ…」
薄暗い室内にはピチャ、ピチャと舐める音と董白の曇り声だけが響いている。
「……」
曹操は眉一つ動かさず、無言でその様子を見ていた。
かれこれ30分は経っただろうか。床に出来た唾液の水溜りがその長さを物語る。
しかしまだ彼の陰茎は少し勃つのみでイク気配すらない。
「んんっ、ん……ぷぁ…ん……ん……」
疲れてきたのか動きが遅くなる董白。
いくら舐め、咥えようと変化の無い事にもうんざりしているようだ。
少し陰茎から口を離し上目遣いで曹操に問いかける。
「ね…まだ…?」
「……」
その言葉に反応すら示さない曹操。期待する返事はもらえないと諦めたのか、
董白は目線を下に戻した、その時――
「誰が途中で止めていいと言った!!」
曹操はそう叫ぶと、董白の髪を掴むと力一杯床に向かって叩きつけた。
「ぇ…ゃ!?」
油断していた董白はこらえる暇も無く、石畳の床へめり込むように倒れこんだ。
激痛に顔を歪める董白。
「あぐっ……ぅ、ぅ…!」
曹操は董白の首を右手で鷲掴みにし、持ち上げる。
先程とは違い、手には力がこもっていた。
「叔父にしていたようにできないのか?この下手糞が!!」
董白は離して欲しそうに首を動かしながら、必死で反論する。
「わ、私はおじいさまにこんな事、してないっ…」
「ははっ!笑わせてくれる。あんな変態の孫の分際で!!」
首を絞める手に力を入れる曹操。
「あぐっ…かはっ…く、くるし……!」
「知っているぞ、お前の叔父がどれだけの女を抱いてきたか。
そんな一族だ、お前とて売女からでも生まれたんだろう!」
「ぐっ、違っ……違う、違う…違うっ!私は…そんなのじゃ……ない!」
目に涙を浮べ、曹操を睨む董白。
だが、反論も抵抗もまるで意味は無く。
むしろそうやって必死に反抗すればする程、逆に曹操を愉しませていた。
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