董白「んー…?何があったんだろぉ…
戦にでたとはいえ…貂蝉までいくわけないだろうし」
悩みながらあるいていくと、一人の男にであった。
何だかみるからにひ弱そうで、前かがみに歩いている。
董白「ん?貴方誰!?…みたことないんだけど…」
男「あ?…あぁ失礼。董卓の孫娘の董白ですな?」
董白「なによ!いきなり人の名前呼び捨てにして。
おじいさまにいいつけてやるんだから」
男「え?…ははは失礼。そうですね。何も知らないんですね。
貴方のおじいさまなら今から処刑が始まるところですよ」
董白「何言ってるの?冗談はよしてよね…ったく」
男「いやいや…別に冗談でも何でもないのですが…。
ただこの現実を受け止めるには少々幼すぎますか…」
董白「 え ? …ち…ちょっと…何言ってるのよ…」
男「いきなりいって不安がられても仕方ありませんな…
何度も失礼…私の名前は沮授。袁紹様の参謀です」
沮授と名乗った男は、董白が気絶した後の全てをしゃべってくれた。
華雄が文醜との一騎打ちで敗れて討ち取られたことも
李儒は長安の中で袁紹軍に追撃されて殺されたことも
呂布と張遼と貂蝉は決死の勢いで逃げ出して徐州に向かったことも…。
そして長安は袁紹の手に落ち、既に反董卓連合は解散したことも。
董白は捕虜として捕らえられたが、この現実を見せるにはあまりにも非道だと
ずっと董白の寝室で寝かされていたことも…。
董白「嘘…そっ…そんなの嘘よ!」
沮授「では実際に見てみますか。丁度今からですよ。処刑…
ちょっと失礼」
董白「ち…ちょっと何するのよ!やめt
そういうと沮授に腕を拘束され、目隠しされる。
そのまま沮授に引かれて歩いていくと…
沮授「さぁつきましたぞ」
沮授の合図で目隠しがとられる。
すると目の前には壁に貼り付けられてやつれはてた董卓と
それを涙目で見つめる袁紹。そして冷ややかに見る田豊と
警備している顔良・文醜がいた。
袁紹「とぉ…たく…よくも長安の我が一族を殺してくれたなぁ…っ!」
董卓「ふん…全ては覇者に許された特権よ!」
流石は涼州の群雄。死に際になってもまだ威厳を保っている
董白「お…おじいさまぁーっ!」
董卓「と…董白!?何故ここに…」
袁紹「調度孫娘もきたようだ…董卓!貴様が死ぬにはもってこいだ。覚悟するがいい…!
孫娘よ…一族を失う悲しみ。お前にも味わわせてくれる」
董白「いやっ!おじいさまを殺さないでよ…頼むからぁあ!」
沮授「いけません…興奮しております。顔良殿。壁に貼り付けてください」
田豊「文醜殿は周りの人々の様子に警戒をするのじゃ!」
顔良&文醜「合点承知!」
董白「やめてよ!はなして!おじいさまを殺さないで!」
顔良「殿の命令でござる」
顔良は無情にも董白を壁に縛り付けて身動きのできないようにする。
董白「いやああぁ!おじいさまっ!おじいさまぁあっ!」
袁紹「…我が一族の… 怨 と 弔 を 知 れ い っ !」
董卓「長き戦いの人生であったわ…」
ジュバァーッ
袁紹が使う名刀「大宝剣」が董卓の首を裂く。
そして董卓の首は袁紹の目の前に転げ落ちた。
董白「おっ…おじいさまを殺すなんて!この鬼畜!外道!人でなしっ!」
袁紹「この袁紹を鬼畜や外道というなら董卓はどうなることか!
よし。董卓の首は長安の街中に立てるぞ。それと田豊。
治安を安全にするために高札を立てておけ
後、顔良は董白を寝室に戻せ。ショックも大きいかもしれんから
戻したら一人にさせておけ。」
田豊「了解しましたのじゃ!」
顔良「了解!」
必死の罵倒も、冷ややかな目でこともなげに返されてしまう。
董白「何で…なんでこうなるのよぉお!」
ヤケになった董白は顔良を本気で殴った。
しかし顔良はそれを意にもとめず、ただ言葉を放つ
顔良「お主の父とて、殿の一族を殺したのだ。
今お前は殿と同じ気持ちを味わっているだろう…
これが一族を殺された者の痛みというものだ」
顔良に連れられて寝室に戻された董白は、泣きに泣いた。そして不安でいっぱいだった。
これからどうなるか…と不安がいっぱいだった。
董白「これから…どうなるんだろう…」
その不安は杞憂ではなかった。これから起こる恐ろしいことを
直感していたのであろうか。調度太陽が照りつける昼であった。
董白「うーん…ふぁああぁ…」
……気づくと夜になっていた。また眠ってしまったようだ。
兵士達はみな調度飯を食べているところで
調度董白の元へも顔良が差し入れに来てくれていた。
董白「飯…いや。今いらない!」
顔良「殿の命令だ。目一杯食べてもらわなければ体が持たんぞ」
董白「え…?体が持たない…と。何を言っている?」
顔良「ふふふ…仕方なかろう…今までやってきた罪の償いというものだ」
董白「罪の償い?…何?何よ!何が起こっているのよ!」
顔良「とりあえず飯だけは食べておけ。食べないと本当に死ぬぞ」
董白「分かったわよ…とりあえず食べればいいんでしょ!」
董白が飯を食べる中、袁紹がやってくる。
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