ドドドッ ドドドッ ドドドッ

地響きを上げて進む騎馬軍団。
漢の中の漢たちが執っている指揮。
戦うことに意義を感じる信念。
そしてその漢達を束ねている首領・董卓

この環境が好きだった。
そしてこの環境がいつまでも変わらないと信じていた。

…しかし。時代は変わる。
190年、曹操が掲げた檄により各地の群雄が集まる。
そして…その群雄達の標的とされたのは…董卓であった。

董卓「さぁて…どう喰らうてやろうかのう」
呂布「我にお任せを…ギギギ…」
董卓「呂布か。しょうがない奴だ。お前もついてこい」
華雄「我ニモマカセヨ…ムシケラヲタイジスル…グググ…」
董卓「勇ましい奴らよ!よし!存分に暴れまわるぞ!
   董白…心配しなくていいぞ!あんな奴らすぐに倒してやるからな?」
董白「うん。わかった!」

信じていた。
この漢達が貧弱な軍団に負けるはずがないと。
そして董卓は必ずや反董卓連合を打ち破ると。

そう董白は信じていた。

そして決戦の日。両軍とも虎狼関に対峙していた。
シ水関では華雄が孫堅に打ち破られてしまったために
董卓は少し引いてここに陣を張っていたのだった。

董卓「そこにいるのは…袁紹か…どう喰らうてやろうかのぅ」
袁紹「ふふふ…逆賊・董卓よ!食われるのは貴方のほうではないかな?」
呂布「ギギギ…雑魚は黙れ…」
董卓「…甘いのう…これがぬるま湯に漬かってきた連合軍か!」
董白「そうよ!おじいさまに勝てるはずないのよ!さっさと降伏しなさいよ!
   やっちゃって!おじいさま!」
董卓「愛い奴じゃ!いくぞ我が騎馬軍団よ!」

キキキキッ
董卓「己の欲するままにゆけい!」

董卓の号令とともに一斉に襲い掛かる騎馬達。
その強さは連合軍をもってしても食い止めることは無理難題であった。

袁紹「私を甘く見てもらっては困るな…。よしいくぞ田豊」
田豊「承知いたしましたのじゃ」 
キキキキッ
袁紹「わが軍の力に仰天せよ!」
田豊「攻撃あるのみじゃ!」

全軍団の威力を格段に上げる大号令を放つ袁紹と田豊
兵士の力は恐ろしく上がり、武力は11も上がっていた。

それに対し董卓側は威力が上がったとはいえ、武力は3しか
あがっていない。董卓の指揮で槍からの攻撃を受けないようにはなっているが
槍に攻撃できるわけではないので事実上詰んだも同然だった。

顔良「ふん。どいつもこいつも者足りんわ!」
文醜「がはははっ、無駄だぁ!」

袁紹自慢の二枚看板に蹴散らされる董卓軍。
そして逃げ惑う董卓軍に追撃をかけた連合軍。そして董白は怒涛の追撃の中で意識を失った。


董白「うーん…」

気づくと董白はふとんの上にいた。朝だった。一日中眠っていたのだろうか…?
間違いなく自分の部屋である。長安は奪取されたのではなかったのであろうか。
おじいさまが取り返したのだろうか…それとも夢だったのだろうか…
等と分からないことだらけで頭が破裂しそうな董白は早速外に出てみることにした。

董白の周りのものには何一つ手をつけられた様子はなかった。
中庭も特に荒らされた様子はない。いつもと違うことといえば不気味なくらいに静かなことか。
いつもなら中庭で李カクと郭シがいい争って喧嘩しているはずだが、今日はそれがない。

董白「ちょっとおかしいわね…」

いつも朝自分を起こしにきてくれる李儒も来ないし
朝昼晩と三食料理するため厨房にいるはずの華雄も見当たらない。
朝っぱらからやかましいくらいに大声を出して
武芸を磨いて稽古している呂布と張遼もいない。
そして池で魚に餌を上げているはずの貂蝉もいなかった。

何よりおかしいのは、いつもいるはずのおじいさまである董卓がいないことであった。
全員戦にでも出てしまったのであろうか。

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