「いやああ!来ないでえ!!見ないでえ!」
成公英は咄嗟に脱がされた服を無我夢中で取り返し、賊達から逃げようとした。
しかし、彼女の下半身は何一つ纏っていなかった。女性とも言える部分から透明な愛液が
滴り落ちていた。
「どこが嫌なんだよ!お前のここは既にぐちゃぐちゃじゃあねえか!本当は欲しいんだろ!?」
「誰がお前らのなんか欲しがるか!!!」
「うるせえ!!!!」
バシッ!!!男は成公英の頬を殴った。
「ぐわっ!・・・・・・や・・・やめろ・・やめて・・・か・・・か・・・
韓遂様―――――ッ!!!いやあああぁぁぁぁ!!韓遂様あああぁぁ!!」
しかし、韓遂はもうこの世にはいない。それが分かっていても・・・それが真実であっても、
彼女は想い人の名前を叫び続けた。
その声は悲しくて虚しくて悲痛な女の声だった・・・。
「韓遂だとぉ!?お前!あの韓遂の女だったのかぁ!!ちょうどいい!俺たちはあいつが嫌いだったんだ!
あの世にいる韓遂のジジイにお前が俺たちの慰めモノにされているところを見せてやる!!
うへへへへ!!!お前みたいな綺麗な女だったら相当綺麗なガキが産めそうだな!ひゃはははははははっ!!!」
4人の男が成公英を押さえつけ、親分である1人の男が彼女の秘部に挿入しようとしたその瞬間。
ズバッ!!!!!・・・ドサッ・・・・・。
「うわああああぁぁぁぁ!!お・・・親分の顔が無え!!!!!」

「・・・その者を返してもらおうか・・・!!さもなければ、お前たちも・・・」
血塗られた大きな剣を持った男がそこにいた。ついさっきまでいた親分格の男の首を
刎ねた証拠の剣だった・・・。
「な・・・なんだおめえは!!」
「おい!こいつ・・・まさか・・・見た事あるぞ!西涼の猛虎とか言われている・・・
ホウ徳・・・!ホウ徳だあああぁぁぁ!!!」

「成公英どの・・・!お前ら・・・許せん!!」
惨劇によって成公英は気絶していた。
「うわああああぁぁぁぁ!!!」


「すまない・・・。」
ホウ徳は成公英の服を簡単に着つけ、彼女を背負って曹操の城に帰っていった・・・。
ホウ徳が歩き始めたその地には赤一面になっており、5人の男の死体が転がっていた。




(韓遂さま!韓遂さま!!いかないで!英をおいていかないで!)
(英よ・・・お前にはお前を大事にしてくれる人が必ず来る・・・!幼い頃の不幸な過去など捨てるのだ!
人を憎むのではない!)
(いや!わたしが小さかった頃からおうちに来ていた偉い文官様にいつもお口に文官様のを入れられて
慰めものにされていた私を助けたのは韓遂さまだけだったでしょ!!母も父もだれも英のことたすけてくれなかった!!!
みんな偉い文官様がそんなことするわけがないといって英を嘘つき呼ばわりした!!韓遂さまがあの時文官様を殺して
助けてくれたから今の英がいるのよ!韓遂さま!英は・・・英は・・・)
(さらばだ・・・英よ・・・我が愛しい義娘・・・)


「韓遂様っ!!!!」
成公英は自分が夢を見ていた事に気がついた。いったいここはどこなんだ。
「気がついたか。」
「お前は・・・・・お前があの賊を殺したのか・・・!!」
「そうだ。そうしなければお前は・・・!!」
成公英は白い着物だけを着た状態でありながらホウ徳の前に歩き出し、いつも持っている大きな剣を持った。
そしてホウ徳を睨み付けた。
「誰も助けてくれとは言っておらん!!しかもお前なんかに助けられるとは!私は貴様が大嫌いだ!
貴様はあの馬超と同じだ!人を平気で殺している!貴様があの時、賊を殺した時の顔は・・・韓遂様の・・・
腕を・・切り落とした・・・あの男と同じだ!!お前を今ここで殺してやる!逃がしはせん!
馬超が殺せないのならお前を殺してやる!!!!」
(馬 超 が 殺 せ な い の な ら お 前 を 殺 し て や る !)
そのとき、ホウ徳はあの撞関の戦いの馬超の言葉を思い出した。
「韓遂!貴様!裏切り者は許さん!!曹操を逃したお前を斬ってやる!!」

この女は・・・馬超殿と同じ・・・そして俺も・・・。
ホウ徳は襲い掛かる成公英を本気で殴った。
「あああああっ!!いやああぁぁ!!」
「お前は俺が馬超殿と同じだといっているが、お前はあの時曹操に逃げられたからといって
韓遂殿の腕を切り落とした馬超殿と同じ事を言っているのだぞ!」

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