どのくらいたっただろうか。不意に刺激から解放され、小喬は鈍った頭で考えた。ほんの数分の事が随分長く感じられた。
張飛の呆れたような声が聞こえてきたが、今の小喬には理解はできなかった。だが、劉備の「これからだよ」という返事は聞き取れた。
言葉の意味を真に理解する前に、劉備がのしかかってきた。
「気分はどうだ?」
「…うぅ…この、ケダモノ…」
ろれつの回らない口で、精一杯の悪態を付く小喬。それに気分を害する様子もなく、劉備は笑った。
「ははっ、ちげえねぇな」
劉備は小喬を抱き寄せ、小さな胸を柔らかく揉みしだいた。空いた手が細い腰を滑り後ろのなだらかな丘をなで回す。
その思いの外優しい動きに小喬は狼狽した。
「や…っ、何を…」
「だが、俺はそんなに非道い男じゃねぇさ」
耳元で優しくささやき、劉備は小喬の秘所へ手を伸ばした。
くちゅ、と音がするほどのおびただしい水気を感じ、小喬の心臓は凍りそうになった。
(嘘、嘘…!)
劉備の無骨な指が秘所をいじると、いやらしい音が小喬の耳に響く。こんな時に劉備は無言で、しかも優しい指づかいで小喬を刺激してくる。
張飛と関羽の声が聞こえない事にも小喬は気付いた。自分が見られていることを感じて小喬は絶望した。
こんな、夫でもない男にいいようにされて濡らしてしまったことを恥じて。
「う、うぅっ…」
小喬の大きな目に涙が溢れた。
「周ユ様…申し訳…ありません…」
「…泣くな」
劉備の濡れた指が小喬の肉芽を撫でる。先ほどまでとは違う刺激が、小喬の体を奔った。快感と勘違いするには十分なほどの優しい刺激が。
「…ぁっ…」
小喬の顎が上向き、唇からは微かに艶めいた声が漏れた。
「今は周ユのことは忘れてろ」 
劉備は低い声でそう言い、自らの着物の帯を解いた。
張りつめた肉棒を小喬の中へを埋めていく。
「あ、あぁ…っ、いやぁ…」
小喬は力なく、抵抗の意を示す言葉だけで拒絶する。しかし劉備は小喬の膝裏に手をあてがい足を持ち上げると、腰を進めていった。
「…ん…あぁ…っ」
熱く固いものが奥へと入っていく感触に、小喬は微かに喘ぎ声を上げた。
その唇を劉備の唇が塞ぐ。
「…んっ…」
肉棒をくわえ込んだまま、小喬は劉備の接吻を受け続けた。
唇を舌が這い、歯列を割られ、舌を絡ませられ…口腔を蹂躙され、唇を解放される頃には息も絶え絶えになってしまっていた。
だが荒々しいながらも、小喬を思いやる心が伝わってきた気がする。最初の、愛撫とも言えないような前戯は苦痛だけだったが、今は違う。
小喬は息を弾ませながら、自分の中で失われたものが一つだけあることを感じた。それは劉備に対する恐怖心。
この男は、確かに非道い事はしないのかも知れない。
敏感になった体の中で、劉備の肉棒がぴくぴくと脈打つのを感じ、小喬は体の奥が熱くなるのを自覚した。
「動くぜ」
「え……んはぁっあぁぁっ」
不意に腰を突き動かされて小喬はあられもない声を上げた。
「ああっ…あ、あぁんっ…ああ、あぁぁっ」
小喬の高い喘ぎ声が響き、それに合わせてに寝台がぎしぎしときしむ。
恐怖心と嫌悪感が快楽を感じることを禁じていた。しかしいったん快楽を感じてしまえば、それに抗うことはできない。身を任せて翻弄されるまま。
劉備は小喬の足を抱え上げ、さらに奥深くへ肉棒を突き立てた。
小喬の細い指が柔らかな布団を掴む。劉備に手を伸ばさないのがせめてもの抵抗だった。
「ん、あぅっ…あぁっ、ああぁっ」
打ち付けられる熱い肉棒が小喬の中をこする毎に、小喬の思考に霞がかかってゆく。
感覚だけが鮮明になってゆき、腰を駆け抜けていく快感に小喬は身悶えした。
「くっ…いくぞっ」
劉備が動きを早め、そして最奥まで押し込んだ。
くわえ込んだ劉備の肉棒から熱いものが注ぎ込まれ小喬の奥を打った。
(周ユ…さま、ごめんなさい…私は…)

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