必死に泣き叫ぶも、小虎は後ろに両手を縛られていて、ただ苦しそうに身をよじるだけにしかならない。
 あっという間に拷問部屋の冷たい石畳の床に組み伏せられ、無理やりに足を広げさせられる。
「いやあっ……! だいこちゃん、な、なんでも言うこときくからやめてっ! だいこちゃんっ!」
「ほんっと、ぴーぴーとうるさいねえ、あんたは……」
 大虎は右手に持った男根を、小虎の秘裂にゆっくりと押し当てる。
「……っ! やだやだやだやだぁっ!」
「……くふふ」
 まるで焦らすかのように……いや、『いつ貫かれるかわからない恐怖』を与える為に、大虎は男根を細かく秘裂に擦り合わせる。
「んっ……やぁっ……!」
「……? 感じてるのかい? 初めてのはずなのに、随分と淫乱な子だったんだねえ、あんたは」
「ち、ちがっ……!」
 小虎が顔を上げて否定の言葉を発しようとした瞬間――
 ズプッ……!
「いぎっ!?」
 小虎の濡れてもいない膣を、擬似男根が無慈悲に貫いた。
「あっははははははははは! 力を抜いていたから、いいタイミングだと思ったんだけどねえ!」

 小虎の体には大きすぎるそれを、大虎は容赦なく前後させる。
 秘裂からはただ破瓜の血だけが流れ、感じて濡れているなどということはまるでないようだった。
「あんたには少し大きすぎるみたいだ……ねっ!」
「ぎゃっ……ぁ……!」
 一層強く中に押し込まれ、小虎の下腹部が男根によってぷっくりと膨れ上がっているのがはっきりと見て取れる。
 それほどまでに、小虎の体は未成熟のままだった。
「あぁ……あんたのその苦痛に満ちた声と顔……。あたしは今満たされてるよ……小虎っ……!」
「ひぐっ……ぎっ……ぁっ……や、め……あかちゃんできなくなっちゃ……う……」
「ああそうさ、あんたに子どもができちゃ困るんだよ! あたしが権力を手に入れるためにもねっ!」
 更に力が込められて、男根は小虎の子宮を突き続けた。

 そして、五分後には……。

 ずぷっ……ずぷ……。
「…………」
「……あら。もう口も利けなくなったのかい……? ……ま、これであんたも終わりさね……」
 後は……。と、大虎は呟き。
「ひっく……ひっく」
 突然、泣きまねを始める。素人には絶対にわからないであろう程の演技だった。
 そして、そのまま拷問部屋を飛び出して行き。
「だ、誰かぁっ! 小虎が、小虎が誰かに襲われたの! 誰か来てっ!」

 大虎はその後、自分の部下の兵士を一人犯人として仕立て上げ、処刑した。
 小虎はショックで口を利けなくなっていた。……筆談で犯人をばらされるかもしれないとは思ったが、小虎は、恐らくもう逆らってこないだろうと考えた。

 そして小虎は……。
「ふーっ、ふーっ。……はい、あーん」
「…………」
「小虎ちゃん、何か食べないと駄目よ?」
「…………」
 周姫の部屋で、一緒に食事をとっていた。
 ……いや、小虎は何も口にしていない。あれから、ほとんど感情を示さなくなり、水も食事も、生きる最低限くらいにしか口にしなくなった。
 今では、裸になればあばらがはっきりと浮いて出るほどだ。
「……ふう」
 周姫は、小虎に食べさせようとしていたお粥の器と蓮華を一旦置いて溜息をつく。
「犯人は捕まっても、心まで治してあげることはできないのね……」
 周姫も、父や夫を早くに失い心の傷を負ったことがある。
 だが、小虎のように肉体まで深く傷つけられたわけではなかったのだ。今の小虎の心は、周姫には掴みかねるものだった。
「小虎ちゃん……。私が……いつか、癒してあげるね……」
「…………」
 周姫の言葉は、だけど人形のようになった小虎に届くことはない。

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