第四十章
「ミレニアム」
(記:ケイジさん)
ふーっ、全くひどい奴らだ。本当は撃ち殺してもよかったけどな……
セワシは自動車を慣れた手つきで運転しながら言った。セワシは刑務所までどれだけかかるかな、みたいな事をかごの茶を
飲みながら考えていた。そして、セワシは、一心不乱に運転し続けた。ふと横を見ると、人間の死体が見るも無残な姿にばらされていた。
「アルティメットシイング……さすがの力だな」
だがセワシはそれだけ言うと、また前を見て黙々と運転を続けた。死体など腐るほど見てきた。だから、凄惨だとか、
そんなことは感じない。結構車は走って、やがて、車は山奥を走って行った。もう、夜だった。
「もうすぐ街に出るか……」
そんな事を考えていると、いきなり車に銃弾が飛んで来た。さらに連射される。そして、体中に兵器を装備している連中が
車に寄って来た。
「車の周りを取り囲め! とっととしろ!」
リーダーらしき男が連中に指示をしている。リーダーはやけに焦っている様な感じでもあった。少し立つと、セワシが車を降りた。
「よし、こちらにこい」
リーダーが言った。そこでセワシは、いきなりリーダーを銃で撃ち殺した。
「ぐはっ!……」
だが、セワシを取り囲んでいる連中は、少しも動揺せずに、セワシに向けて銃を乱射した。
「死ね! 野比セワシ!」
「くたばれ! 野比セワシ!」
その連中はセワシの名を知っているのか、口々にその言葉を言いながら銃を乱射した。
しかし、前も見たように、倒れたセワシはライターで自分を焼き炎の中から復活した。さすがにこれは驚いたようで、
連中はセワシから一歩下がった。セワシは静かにこう言った。
「貴様ら、ミレニアムだな……」
そこに、一人の男が現れた。
「そう、我々は確かにミレニアムだ。野比セワシ君……」
男は、一呼吸置いて言った。
「私の名は、モンティナマックス。SS少佐であり、ミレニアムの大隊指揮官だ」
あの時のリプレイが始まった……
だが、一つだけ違うのは、セワシは強い。それだけだ。