ベルンハルト・クロルのホルン作品

ラウダツィオ、ミサ・ムータ/水野信行(2006&13)
CD(molt fine MF27001)

1.クロル/ラウダツィオ
2.バッハ/主よ、人の望みの喜びよ
3.フィンガー/ピッコロ・ホルンとオルガンのための
        ソナタより「アレグロ」
4.フェルスター/ホルン協奏曲第1番より「アダージョ」
5.クロル/ミサ・ムータOp55
6.ドープラ/スコットランドの歌による変奏曲Op22
7.ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ

  水野 信行(ホルン)(1〜7)
  室住 素子(オルガン)(2〜5)
  吉野 直子(ハープ)(6&7)
録音 2006年3月6日(1)浜離宮朝日ホール
    2013年4月1&2日(2〜5)
    所沢市民文化センター/ミューズアークホール
    2007年1月23日(6&7)
    三鷹芸術文化センター「風のホール」

 水野信行4枚目のアルバムはオルガンとハープの共演です。クロルの「ラウダツィオ」はむ伴奏ホルンのための作品で深遠な響きが魅力です。ホールトーンの良い浜離宮朝日ホールを使ったことで素晴らしい響きになりました。
  バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」はバッハの作品のなかでもとりわけ有名な曲ですが、ここではディスカントホルンを吹いています。師のペーター・ダムはこのホルンをよく吹いていました。
  フィンガーの「ピッコロ・ホルンとオルガンのためのソナタ」はダムの録音がありますがここでは「アレグロ」のみの録音です。
  フェルスターの「ホルン協奏曲第1番」はオルガン伴奏でバウマンの録音があります。ここでは第2楽章:アダージョを演奏しています。バウマンと違った音色の魅力があります。
  クロルの「ミサ・ムータ」は5つの小品でダムの録音もありますが、水野の音色は透明感のある深い響きが素晴らしい。オルガンの不協和音が特徴的ながらもホルンのソロが目立つクロルの代表作でしょう。ホルンとオルガンの作り出す響きは絶品。
  ドープラの「スコットランドの歌による変奏曲」はホルンとハープのための作品でバルボトゥによって初めて録音された名曲です。吉野直子の魅力的なハープにのってホルンが軽いビヴラートをかけて演奏するとフランスのホルンを思わせます。残響が大きいと思いますがこれはまたホルンとハープの魅力を再発見することでしょう。ヴァリエーション2は聞き物です。ハープのきらめきは絶品。
  ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」はオーケストラ版でもホルンが活躍しますが、ソロで聞くとまたホルンの豊かな響きがなんとも言えません。アルバムの最後にもってきたこのパヴァ−ヌはホルンとハープだけの自在な表現がまた魅力的で感動します。


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