ベルンハルト・クロルのホルン作品

3つの小品/木川 博史(2018)
CD(Molto Fine MF29401)

木川博史 デビュー
1.クロル/3つの小品Op72
  (即興曲/哀しい歌/速い行進曲)
2.シューマン/アダージョとアレグロOp70
3.ピルス/ソナタの形式による3つの小品
  (シンフォニア/間奏曲/狩りのロンド)

  木川 博史(ホルン)
  松岡 美絵(ピアノ)
  録音 2018年5月16〜18日
   三鷹市芸術センター風のホール

 NHK交響楽団ホルン奏者、木川博史のデビュー・アルバムです。
 ベルンハルト・クロルの「3つの小品」は、即興曲/哀しい歌/速い行進曲の3つの小品です。録音が少ないだけに嬉しい録音です。第1曲の「即興曲」はロマンティックな作品で木川のホルンがきれいです。第2曲「哀しい歌」は哀愁的な歌が歌われます。美しいホルンです。第3曲「速い行進曲」はホルンが細やかなフレーズを演奏しています。楽しそうな行進曲です。
 シューマンの「アダージョとアレグロ」はホルンの定番曲です。アダージョの歌い方が絶妙でスラー、レガートの滑らかなことなどいうことありません。アレグロの力強い演奏も見事なものです。中間部の転調部分の響きも美しいです。後半の軽快なホルンがまた見事な演奏です。
 カール・ピルス(1902〜1979)の「ソナタ形式の3つの小品」は3つの楽章から構成されています。小品とはいっても全曲26分を超える大曲です。第1楽章「シンフォニア」は雄大さを感じられる素晴らしい演奏です。木川のホルンは安定感があります。第2楽章「間奏曲」は抒情的な部分と軽快な主題の部分があります。木川のホルンは表現力があり、見事な演奏です。松岡のピアノもよい響きです。第3楽章「狩りのロンド」はまさに狩のロンドです。切れの良いホルンの響きが聴かれます。木川の演奏は大変素晴らしいです。


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